インドの農業機械業界
市場調査報告書
(ニューデリー発)
2012年3月
日本貿易振興機構(ジェトロ)
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目次
1. インド農業の概要 ... 1 1.1 インドにおける農業の重要性 ... 1 1.2 インドの農業の成長推移 ... 2 1.3 農業部門のGDP への寄与度 ... 4 1.4 農業品目別の生産量の割合 ... 6 1.5 インドの総人口と農産物生産量 ... 7 1.6 農業就業人口 ... 8 1.7 農地および灌漑面積 ... 10 1.8 インドの土質の違い ... 13 1.9 インドの平均農地規模 ... 14 1.10 主要地域の生産量と低収益の要因 ... 17 1.11 インドにおける低収益の要因 ... 18 1.12 技術導入/機械化 ... 19 2. インドの農業機械市場の分析 ... 21 2.1 農業機械市場の構成要素 ... 21 2.2 農業機械市場の地域ごとの特徴 ... 22 2.3 農業機械市場の市場規模および成長の見込み ... 23 2.4 農業機械の総数 ... 24 2.5 農業機械の普及率 ... 29 2.6 農業機械市場の成長原動力とその影響 ... 31 2.7 農業機器業界の成長阻害要素 ... 31 2.8 インドの農業機械の生産及び売上傾向の分析 ... 33 2.9 インドの農業機械の輸出入傾向の分析 ... 36 2.10 主な国内農業機械メーカーと各社のシェア ... 372.11 農業機械市場における外資系企業 ... 38 2.12 需要分析 ... 39 2.12.1 レーザーレベラー ... 39 2.12.2 コンバイン ... 39 2.12.3 動力耕耘機 ... 39 2.12.4 回転式耕耘機 ... 39 2.12.5 脱穀機 ... 40 2.12.6 種まき機(無耕ドリル) ... 40 2.12.7 作物残渣管理 ... 40 3. 流通のメカニズムと設定価格の分析 ... 41 3.1 流通のメカニズム ... 41 3.2 アフターサービス ... 45 3.3 融資・信用供与 ... 46 3.4 農業機械の気配値 ... 48 3.5 IT サービスおよびその他の広告宣伝手段の活用 ... 49 3.6 助成金のメカニズム ... 50 4. 政府およびその他による農業機械関連政策 ... 51 4.1 政府による計画および支援策 ... 51
4.1.1 PROMOTION AND STRENGTHENING OF AGRICULTURAL MECHANIZATION THROUGH TRAINING,TESTING AND DEMONSTRATION(トレーニング・試運転・デモンストレ ーションによる農場機械化の推進と強化) ... 52
4.1.2 RASHTRIYA KRISHI VIKAS YOJANA(州政府に対する農業部門への公共投資を拡大 奨励するプログラム) ... 53
4.1.3 NATIONAL FOOD SECURITY MISSION(食糧安全保障ミッション) ... 54
4.1.4 MACRO MANAGEMENT SCHEME FOR AGRICULTURE(農業のマクロ管理計画) ... 55
4.1.5 INTEGRATED SCHEME OF OILSEEDS,PULSES,OIL PALM AND MAIZE (ISOPOM)(油糧種 子、豆類、油やし、トウモロコシに関する総合計画) ... 57
4.1.6 NATIONAL AGRICULTURAL INSURANCE SCHEME (NAIS)(国家農業保険計画) ... 57
4.1.7 TECHNOLOGY MISSION ON COTTON(TMC)-MINI MISSION-II(綿技術ミッション) 60 4.1.8 JUTE TECHNOLOGY MISSION (JTM)-MINI MISSION-II(ジュート技術ミッション) . 61 4.1.9 INSTITUTIONAL CREDIT(機関融資) ... 62 4.2 主要州の計画と助成金 ... 63 4.2.1 HARYANA州 ... 63 4.2.2 BIHAR州 ... 65 4.2.3 ORISSA州 ... 66 4.2.4 ANDHRA PRADESH州 ... 69 4.2.5 MADHYA PRADESH州 ... 70 4.3 検査機関 ... 70 4.3.1 農業機械の検査および検査機関 ... 70 4.3.2 公認検査センター ... 74 4.4 FDI 政策 ... 74 4.5 農業部門の貿易政策 ... 74 4.5.1 輸入政策 ... 75 5. インドの主要農業機械メーカー ... 79 5.1 関連機関の分析 ... 79 5.2 企業分析 ... 83
表一覧
表 1:インドの農業部門に関する基礎データ ... 1 表 2:農業および関連下位部門の産出額の成長率 ... 4 表 3:農業部門の GDP への寄与度 ... 5 表 4:インドの主要農作物の収穫量および面積 ... 6 表 5:インドの園芸作物の収穫量および面積 ... 7 表 6:人口と農作物の生産量 ... 7 表 7:インドにおける農業就業人口 ... 8 表 8:農業就業者の賃金 ... 8 表 9:インドの農地面積 ... 10 表 10:州別の農地面積 ... 10 表 11:2008~09 年の州別の主要農作物灌漑地面積 ... 12 表 12:所有面積別に分類した平均土地所有規模 ... 15 表 13:州別の主要農作物収穫量 ... 17 表 14:バリューチェーンにおいて使用されている農業機械 ... 21 表 15 : ベイラーおよび田植え機 ... 28 表 16 : 2006-07 Agriculture Census に基づくインドの農業機械の数 ... 28 表 17 : トラクタの種類別のメーカー数、生産台数、売上台数 ... 33 表 18:州別のトラクタ年間売上台数 ... 34 表 19:インドの農業機械の輸入(1,000 台) ... 36 表 20:インドの農業機械の輸入(10 万ルピー) ... 37 表 21:外資系企業一覧 ... 38 表 22 :農業機械化のための信用供与の例 ... 46 表 23:整地・耕作関連農業機械の輸入税(2011 年 3 月 1 日現在) ... 75 表 24:収穫・脱穀関連農業機械の輸入税(2011 年 3 月 1 日現在) ... 76 表 25: その他の農業機械の輸入税(2011 年 3 月 1 日現在) ... 77図一覧
図 1:インド農業の成長率推移 ... 3 図 2:農業および関連部門が GDP に占める割合 ... 5 図 3:農作規模の割合 ... 16 図 4:所有分類別の平均土地所有面積 ... 16 図 5:農業のバリューチェーン ... 19 図 6:農業機械市場の地域別分析 ... 22 図 7:市場の構成要素 ... 23 図 8:主要農業機械メーカーの市場シェア ... 24 図 9:インドの主要農業機械の普及率(1,000 ヘクタールあたりの数) ... 30 図 10:州別のトラクタ普及率 ... 30 図 11:インドにおけるトラクタの売上およびその伸び率 ... 34 図 12:インドにおける動力式耕耘機の売上台数 ... 35 図 13:インドの農業機械の輸出入傾向 ... 36 図 14 : 農業機械メーカー各社のシェア ... 37 図 15 :流通のメカニズム ... 41 図 16 : 被検査機械の部門別割合(2010 年 3 月 31 日現在) ... 711. インド農業の概要
1.1 インドにおける農業の重要性
農業部門はインドの食料・栄養確保に不可欠である。農業部門がGDPに占める割合は、サー ビス部門などの大きな伸びにより、14.2%へと縮小したものの(2004-05年度の実質値より算 出)、未だ就業人口の58%以上が主に農業で生計を立てている。 過去10年間で、食用作物・穀物部門は、大きな成長を遂げ、2001-02年に1億2,278万ヘクター ルであった食用作物の栽培面積は、2010-11年には1億2,573万ヘクタールに拡大した。同様に穀 物生産量は2001-02年の2億1,285万トンから、2010-11年には2億4,156万トンに増加した。 このような成長を遂げているにも関わらず、人口が世界の17.5%を占めながら農地面積が世 界の陸地面積のわずか2.3%にすぎないことから、インドは今もなお、他の経済大国と比較して 食糧確保の点では危機的な状況に直面していると言える。以下の表にインドの農業部門に関す る基礎データを示す。表 1:インドの農業部門に関する基礎データ
Stats 国土面積 3億2,800万ヘクタール 総農地面積(2007-2008年) 1億9,000万ヘクタール 純農地面積(2007-2008年) 1億4,200万ヘクタール 国土面積に占める総農地面積(2007-2008年) 57% 農業の寄与度(2009-10年) GDPの17.8% 輸入高の10.2% 就業人口の58.2% 灌漑面積(2007-2008年) 8,000万ヘクタール 灌漑用地下水(2007-2008年) 4,000万ヘクタール 2001年のインドの人口調査によると、2001年の農業就業人口は2億3,400万人で、総労働人口 の58%を占めた。うち39%は女性であった。以下の表はインドの農業の特徴を示したものであ る。インド農業の特徴 農地面積は世界平均が11% であるのに対し52% 世界の総農地面積の11%を 占める 60の主要土壌型のうちの46 型が存在 20の農業気候型のうちの15 型が存在
農業に適した日照時間 農業部門は今後、安定した成長が見込まれる。 第11次5カ年計画(2007-12年)における、農業部門 の成長目標は4%。同計画の4年目までの農業および 関連部門の成長率は3.2%で、目標成長率の4%には届 かなかった。 第12次5カ年計画(2013-18年)における、農業部門 の成長目標は4%と計画された。 食料確保と農業への労働力の依存(約58%)という 視点から、政府は同部門をより注意深く見守る必要 がある。1.2 インドの農業の成長推移
第11次5カ年計画の農業の年間成長目標は4%で、1年目の2007-08年の実質成長率は5.8%であ った。1990年代半ば以降、農業部門の減速が続いていたが、2004年-05年に大きな回復を見せ、 2007-08年も引き続き成長が続いた。しかし、2008-09年には、2009年の深刻な干ばつ(過去37 年で最悪レベル)により、カリフ期(雨季)における生産量が減尐し、食料価格のインフレが 進んだため、成長率はほぼ横ばいとなり、0.15%減のマイナスに転じた。5カ年計画の3年目 (2009-10年)も横ばい状態で0.44%増にとどまり、第11次5カ年計画の目標数値である4%を達 成するためには、残る2年(2010-11年および2011-12年)に7%の成長が要求されることになっ たが、2010-11年は回復傾向を取り戻したものの、成長率は5.41%にとどまった。成長率の推移 は次のグラフのとおり。図 1:インド農業の成長率推移
表2に下位部門の成長率を示した。2009-10年、穀草類、豆類、油糧種子、サトウキビなどの 穀物はマイナス成長を記録した。一方、果物、野菜、香辛料、草花類などの園芸作物及び家畜 類、林業、水産部門はここ数年にわたりプラスが続いている。 5.14 4.16 5.8 -0.15 0.44 5.41 12.79% 13.36% 15.70% 11.05% 17.26% 23.15% 0.00% 5.00% 10.00% 15.00% 20.00% 25.00% -1 0 1 2 3 4 5 6 7 2005-06 2006-07 2007-08 2008-09 2009-10 2010-11 % Growth at 2004-05 prices % Growth at current prices2004-05 年実質価格に基づく成長率 現行価格に基づく成長率
表 2:農業および関連下位部門の産出額の成長率
(%) 部門 産出 率の 割合 2000-01 年から 2004-05 年の平均 成長率 第11 次 計画での 目標成長 率 年間成長率 2005-06 年から 2009-10 年の平 均成長 率 2005-06 2006-07 2007-08 2008-09 2009-10 穀物 42.4 1.0 2.7 6.3 4.0 6.1 -2.5 -5.5 1.7 穀草類 18.6 -0.5 2.3 5.4 5.5 4.9 1.7 -8.8 1.8 豆類 2.7 1.7 3.0 5.4 7.4 -1.9 1.1 3.0 油糧種子 6.2 6.2 4.0 14.5 -11.1 17.2 -3.7 -4.6 2.5 サトウキビ 3.7 -3.0 3.0 11.7 17.9 -1.6 -21.3 -11.8 -1.1 食物繊維類 2.8 7.7 - 7.8 18.7 17.0 -10.3 0.2 6.7 その他の穀類 8.4 2.5 - 1.0 1.4 1.1 1.3 0.1 1.0 園芸作物 19.8 2.0 5.0 5.0 3.9 3.8 3.9 4.0 4.1 果物・野菜 15.1 1.7 - 6.4 3.6 5.2 3.7 4.8 4.7 香辛料・スパイス 2.1 5.9 - 6.6 1.6 6.7 5.9 0.0 4.2 医薬品 1.5 -3.0 - -8.2 3.2 -8.4 0.5 2.4 -2.1 草花類、キッチンガ ーデン、キノコ類 1.1 4.8 - 4.9 13.6 -2.6 6.9 3.5 5.3 家畜 23.8 3.3 6.0 3.9 4.2 4.5 4.9 3.1 4.1 林業 9.6 1.4 0.0 2.0 3.0 2.2 2.9 2.7 2.6 水産 4.5 3.7 6.0 6.1 2.0 5.9 5.9 4.2 4.8 合計 100.0 1.7 4.0 5.1 3.8 4.9 1.3 -0.3 3.0 E: 推定 出所: Planning Commission1.3 農業部門の GDP への寄与度
2010-11 年現在の農業部門の GDP への寄与度(現行価格で評価)は約 18.5%で、基準年価格 (2004-05 年価格)では 14.2%であった。2010-11 年の年度ごとの GDP 成長率は現行価格で 23.1%、基準年価格で 5.4%であった。GDP のうち農業が占める割合は年々縮小しているものの、 今もなおインド最大の産業部門であり、インドの社会経済全体において重要な部門である。次 の表は、インドのGDP 全体に占める農業および関連部門の割合を、基準年価格(2004-05 年価 格)で示したものである。19.03 18.82 18.29 18.26 17.59 17.76 18.49 19.03 18.27 17.36 16.8 15.71 14.62 14.19 14 15 16 17 18 19 20 2004-05 2005-06 2006-07 2007-08 2008-09 2009-10 2010-11E
% share of agriculture & allied sector to total GDP at current prices
% share of agriculture & allied sector to total GDP at constant (2004-05) prices
表 3:農業部門の GDP への寄与度
年度 GDP (1,000万ルピー) 農業および関連部門 のGDP (1,000万ルピ ー) 農業および関連部門 がGDPに占める割合 (%) 農業および関連部門 のGDP成長率(%) 現行価格 基準年価格 (2004-05 年価格) 現行価格 基準年価格 (2004-05 年価格) 現行価格 基準年価格 (2004-05 年価格) 現行価格 基準年価格 (2004-05 年価格) 2004-05 2,971,464 2,971,464 565,426 565,426 19.03 19.03 2005-06 3,389,621 3,254,216 637,772 594,487 18.82 18.27 12.79 5.14 2006-07 3,952,241 3,566,011 722,984 619,190 18.29 17.36 13.36 4.16 2007-08 4,581,422 3,898,958 836,518 655,080 18.26 16.80 15.70 5.80 2008-09 5,282,086 4,162,509 928,943 654,118 17.59 15.71 11.05 -0.15 2009-10 6,133,230 4,493,743 1,089,297 656,975 17.76 14.62 17.26 0.44 2010-11E 7,256,571 4,879,233 1,341,503 692,499 18.49 14.19 23.15 5.41E: 推定 出所: Central Statistical Organization
以下のグラフに示したように、農業および関連部門がGDP に占める割合は、2004-05 年以降 減尐している。この減尐の主な原因としては、油糧種子や綿、ジュート、メスタ、サトウキビ などの農業作物の生産量の減尐が挙げられる。2009-10 年は、1972 年以降最悪となる南西部へ のモンスーン上陸、そしてそれに伴うカリフ期の不作があったにも関わらず、ラビ期(乾季) の収穫が好調であったことなどから、0.4%とわずかな回復を見せた。
図 2:農業および関連部門が GDP に占める割合
出所: Central Statistical Organization
農業および関連部門が GDP に占める 割合(現行価格ベース)
農業および関連部門が GDP に占める割合 (2004-05 年の基準年価格ベース)
1.4 農業品目別の生産量の割合
以下の表に、インドの代表的な農作物である穀物、油糧種子、サトウキビ、米、麦、豆類、 雑穀など、農業品目別の生産量の割合を示した。サトウキビが増加している一方、米、雑穀の 収穫量(kg/ヘクタール)はほぼ横ばい、穀物、豆類は減尐した。インドの農地の大半は、米 の栽培が占めている。表 4:インドの主要農作物の収穫量および面積
農作物 面積 (100 万ヘクタール) 生産量 (100 万トン) 収穫量 (kg/ヘクタール) 年度 2008-09 2009-10 2010-11 2008-09 2009-10 2010-11 2008-09 2009-10 2010-11 穀物 122.8 121.4 69.1 234.5 218.2 114.6 1,909.0 1,798.0 1,660.0 油糧種子 27.7 24.9 NA 27.7 24.9 NA 1,006.0 955.0 NA サトウキビ 258.0 277.8 324.9 285.0 277.8 324.9 64,553 66,099 66,922 米 45.5 41.8 36.9* 99.2 89.1 80.5 2,178.0 2,130.0 2,177.0 麦 27.8 28.5 11.2* 80.7 80.7 NA 2,907.0 2,830.0 NA 豆類 22.1 23.4 NA 14.6 14.6 6.0 659.0 625.0 537.0 雑穀 100.7 98.0 NA 40.0 33.8 28.2 1459.0 1222.0 1348.0NA: データなし 出所: Indian Agricultural Statistics Research Institute - Agricultural Research Data Book 2011
表 5:インドの園芸作物の収穫量および面積
部門 2007-08 2008-09 2009-10 2010-11 (暫定値) 面積 収穫量 面積 収穫量 面積 収穫量 面積 収穫量 果物 1,600 10,885 6,102 68,465 6,326 71,516 6,625 75,826 野菜 7,848 128,449 7,979 129,078 8,011 134,102 8,217 137,687 プランテーシ ョン作物 3,190 11,300 3,217 11,336 3,265 11,928 3,287 11,968 スパイス 2,617 4,357 2,629 4,145 2,464 4,016 2,464 4,016 香料 397 396 430 430 509 573 516 610 花き 166 44,512 167 48,929 183 67,692 191 70,059 Source: Agriculture statistics at a glance 2010, IMaCS Analysis1.5 インドの総人口と農産物生産量
2011 年のインドの人口調査によると、インドの総人口は 12 億 1,019 万 3,422 人で約 12 億人、 年間の増加率は17.6%となっている1。農作物の生産量は以下のとおりである。表 6:人口と農作物の生産量
年度 人口(100 万人) 農作物生産量(100 万トン) 農作物の人口に占める割合 1950-51 361 50.8 14% 1960-61 439 82.0 19% 1970-71 548 108.4 20% 1980-81 683 129.6 19% 1990-91 846 176.4 21% 2000-01 1028.7 196.8 19% 2010-11 1210.2 218.2 18%出所: Census of India 2011 official website
農作物が人口に占める割合は 1960 年以降ほぼ横ばいとなっているが、1990-91 年以降は減尐し ている。
1.6 農業就業人口
2001 年のインドの人口調査によると、2001 年の農業就業人口は、総労働人口の約 58%を占め る2 億 3,400 万人で、うち 39%は女性であった。表 7:インドにおける農業就業人口
項目 1991 2001 2020 E 総人口(100万人) 846.3 1,028.7 1,434.0 総労働人口(100万人) 313.7 402.2 645.0 人口に占める労働人口の割合(%) 37.1 39.1 45.0 総労働人口に占める農業就業人口の割合(%) 67.1 58.2 40.0 農業就業人口(100万人) 211 234 258 男性(100万人) 137 143 129 女性(100万人) 74 91 129 農業就業人口に占める女性の割合(%) 35.0 39.0 50.0 E: 推定 出所: Census of India 2001表 8:農業就業者の賃金
州・直轄領 未熟練労働者の最低賃金(日/ルピー) Andhra Pradesh 112.0 Arunachal Pradesh 80.0 Assam 81.31 Bihar 97.0 Chattisgarh 72.23 Goa 110.0 Gujarat 100.0 Haryana 147.69 Himachal Pradesh 110.0 Jharkhand 92.0Jammu & Kashmir 66.0
Karnataka 107.92
Kerala 72.0 (light work)
125.0 (Hard work)
Maharashtra Zone -1 72.0 Zone -2 70.0 Zone -3 68.0 Zone -4 66.0 Manipur 72.4 Meghalaya 70.0 Mizoram 103.0 Nagaland 80.0 Orissa 90.0
Punjab 133.11 (without meal)
Rajasthan 100.0 Tamil Nadu 80.0 Tripura 85.0 Uttar Pradesh 100.0 Uttarakhand 100.0 West Bengal 80.98 Andaman &Nicobar 156.0 Chandigarh 143.9
Dadar & Nagar Haveli 106.4
Delhi 151.0
Pondicherry
(Karaikal/Yanam/Pondicherry) (Mahe)
80.0 (for 6 hours) 160.0 (for hard work) 120.0 (for light work) 出所: Agriculture statistics at a glance 2009, IMaCS Analysis
1.7 農地および灌漑面積
2007-08 年現在のインドの総農地面積は 1 億 9,580 万ヘクタール、純作付面積は 1 億 4,090 万ヘクタールであった。また、2007-08 年現在の総灌漑面積は 8,730 万ヘクタール、純灌漑面積 は6,230 万ヘクタールであった。表 9:インドの農地面積
(100万ヘクタール) 分類 2005-06 2006-07 2007-08 国土面積 328.7 328.7 328.7 利用土地面積 305.4 305.6 305.7 純作付面積 141.5 140.0 140.9 総農地面積 193.1 193.2 195.8 二作以上の作付面積 51.6 53.3 55.0 作付強度* 136.4 138.1 139.0 純灌漑面積 60.4 61.7 62.3 総灌漑面積 83.9 86.5 87.3 *作付強度とは、総作付面積が純農地面積に占める割合である。出所: Indian Agricultural Statistics Research Institute - Agricultural Research Data Book 2011
州別の農地面積とその国土面積に占める割合を以下の表に示した。Andhra Pradesh 州、 Gujarat 州、Karnataka 州、Madhya Pradesh 州、Maharashtra 州、Rajasthan 州、Uttar Pradesh 州は 純作付面積が広い。
表 10:州別の農地面積
(2007-08年現在) –1000ヘクタール 州 土地面積 土地利用 統計への 報告面積 非農地面 積 純作付面 積 総農地面 積 耕作可能 面積 作付強度 Andhra Pradesh 27,507 27,505 4,784 10,756 13,567 15,939 126.1 Arunachal Pradesh 8,374 5,154* 64 210 272 423 129.8 Assam 7,844 7,850 2,626 2,753 3,839 3,211 139.4 Bihar 9,416 9,360 2,083 5,665 7,910 6,638 139.6 Chattisgarh 13,519 13,790 999 4,727 5,748 5,585 121.6 Goa 370 361 37 134 170 197 126.3 Gujarat 19,602 18,868 3,754 9,747 12,224 12,410 125.4 Haryana 4,421 4,372 561 3,594 6,458 3,746 179.7 Himachal 5,567 4,545 1,130 543 971 813 179.0Pradesh Jammu & Kashmir 22,224 3,781* 592 734 1,134 1,040 154.5 Jharkhand 7,972 7,970 1,319 1,536 2,391* 4,302 155.7 Karnataka 19,179 19,050 2,157 10,419 12,893 12,891 123.7 Kerala 3,886 3,886 488 2,089 2,761 2,316 132.2 Madhya Pradesh 30,825 30,756 3,392 14,687 20,416 17,310 139.0 Maharashtra 30,771 30,758 3,146 17,473 22,655* 21,151 129.7 Manipur 2,233 1,964 27 235 235* 242 100.0 Meghalaya 2,243 2,227 227 235 283 1,056 120.4 Mizoram 2,108 2,109 134 93 96 376 103.5 Nagaland 1,658 1,618 78 316 400 677 126.6 Orissa 15,571 15,571 2,138 5,624 9,016 7,126 160.3 Punjab 5,036 5,033 507 4,187 7,870 4,236 188.0 Rajasthan 34,224 34,270 4,264 17,096 22,208 25,576 129.9 Sikkim 710 724 250 108 118 150 109.8 Tamil Nadu 13,006 13,027 2,661 5,062 5,815 8,149 114.9 Tripura 1,049 1,049 134 280 292 310 104.4 Uttarakhand 5,348 5,667 472 765 1,261* 1,509* 164.8 Uttar Pradesh 24,093 24,170 3,268 16,417 24,297* 19,179 151.8 West Bengal 8,875 8,684 1,783 5,296 9,752 5,721 184.1 Andaman & Nicobar 825 795 24 13 41 47 318.8 Chandigarh 11 7 5 1 2 2 151.5 D&N Haveli 49 49 4 21 27 24 128.7
Daman & Diu 11 3 0 2 2 3 100.0
Delhi 148 147 92 23 44 54 189.7
Lakshadweep 3 3 NA 3 3 3 104.1
Pondicherry 48 49 18 20 35 30 174.6
全インド 3,28,726 3,05,674 43,218 1,40,861 1,95,835 1,82,442 139.0
出所: Agricultural Statistics at a Glance, 2010, Directorate of Economics and Statistics, Ministry of Agriculture, Government of India
表 11:2008~09 年の州別の主要農作物灌漑地面積
州/直轄領 穀草 類合 計 豆 類 合 計 食糧 穀類 合計 サト ウキ ビ 落 花 生 菜種 およ びマ スタ ード 大豆 ヒマワ リ 油糧 種子 合計 綿 タバ コ 全農 作物 合計 ANDHRA PRADESH 83.4 1.6 63.9 93.5 16.6 46.1 10.8 38.7 20.6 18.2 27.3 48.7 ARUNACHA L PRADESH 27.8 - 26.6 - - - 20.2 ASSAM 5.1 0.1 4.9 - - - 0.1 - - 3.8 BIHAR** 69.1 2.4 63.4 28.0 12.3 40.3 - 82.9 38.9 - 82.0 61.0 CHHATTI-SGARH 31.4 9.1 27.6 95.5 12.3 7.3 1.8 97.4 4.7 - 70.4 27.0 GOA 31.3 96.1 41.9 100.0 33.4 - - - 7.1 - - 22.0 GUJARAT** 52.8 11.3 44.7 100.0 11.0 95.4 - - 29.7 56.7 86.4 45.6 HARYANA 90.0 30.4 87.6 99.1 85.8 77.7 - 100.0 77.6 99.5 100.0 85.3 HIMACHAL PRADESH** 19.7 14.1 19.5 45.8 9.5 10.8 31.3 - 17.1 32.1 - 19.7 JAMMU & KASHMIR 39.0 12.2 38.1 20.0 - 77.3 - - 70.9 14.3 - 41.4 JHARKHAN D 5.7 2.4 5.4 74.3 - 21.2 - - 4.1 - 50.0 9.7 KARNATAK A 36.4 8.5 28.5 100.0 22.4 8.0 16.8 22.6 26.0 20.1 12.8 31.9 KERALA 71.2 - 70.0 87.7 - - - - 19.9 - - 17.0 MADHYA PRADESH 49.0 37.1 44.5 99.6 8.4 51.6 0.3 62.0 6.4 41.2 84.3 32.5 MAHA-RASHTRA** 20.2 9.1 16.8 100.0 22.1 5.2 0.4 25.5 4.2 2.7 16.4 19.0 MANIPUR** 30.0 - 27.9 - - - 21.9 MEGHALAY A 34.2 - 33.2 - - 36.5 - - 26.3 - - 21.5 MIZORAM 22.2 - 20.6 - - - 11.8 NAGALAND 31.0 1.2 27.5 - - 13.8 - - 5.7 - - 20.5 ORISSA 44.2 7.7 33.6 100.0 40.3 23.0 - 97.0 18.7 3.6 100.0 35.0 PUNJAB 98.2 84.0 98.1 95.4 33.3 94.8 - 100.0 88.5 100.0 - 97.6 RAJASTHAN 30.6 15.3 26.4 96.7 71.2 85.9 - 1.3 59.1 93.5 85.7 34.7 SIKKIM** 13.1 - 11.0 - - - 9.1 TAMIL NADU 74.7 5.7 63.1 100.0 36.5 - 99.5 78.2 56.4 27.7 99.8 58.3 TRIPURA** 40.7 19.7 40.2 11.1 - 10.0 - - 1.7 - - 35.4 UTTARA-KHAND 45.0 6.7 42.9 98.2 11.0 45.6 2.4 88.1 26.2 100.0 45.5 47.9 UTTAR PRADESH** 82.8 21.0 75.9 93.2 2.5 80.6 1.6 97.3 53.8 96.3 100.0 76.4 WEST 49.2 13.7 48.2 44.6 - 80.1 - - 68.2 100.0 91.8 56.2出所: Agricultural Statistics at a Glance, 2011, Directorate of Economics and Statistics, Ministry of Agriculture, Government of India
1.8 インドの土質の違い
土質の分類法および科学特性に基づき、インドの土質は以下の 6 つに分類される。 1) 赤色土 2) ラテライト土壌 3) 黒色土 4) 沖積土 5) 砂漠土 6) 有機の森林土壌および丘陵地土壌 赤色土赤色土が占める面積は約20 万平方マイルで、Tamil Nadu 州、Mysore、Maharashtra 州南西部 にかけた広い範囲、およびMadhya Pradesh 州、Chota Nagpur、Orissa 州に沿って見られる。北 部および北西部においては、Bihar 州では Santhal Parganas、すなわち Birbhum や Bankura、West Bengal 州では Midnapur 地域、すなわち Khasi、Jaintia、Garo、Assam 州では Naga Hills 地域、 すなわちMirzapur、Jhansi、Banda、Uttar Pradesh 州では Hamirpur 地域、さらに Madhya Pradesh 州のBaghelkhand 地域、Rajasthan 州の西半分で見られる。
ラテライト土壌
ラテライト土壌が占める面積は4 万 9000 平方マイルで、Deccan 高原、インド中部、Madhya Pradesh 州、Rajmahal 高原、西 Ghats 山脈、Orissa 州の平野の一部、Maharashtra 州、Malabar、 Assam 州に見られる。この土壌は雨量が多い地域で見られ、雨期と乾期をくり返す。この土壌 BENGAL** ALL INDIA 55.9 16.0 48.3 93.7 20.9 73.9 0.7 30.6 27.1 35.3 46.0 45.3 * 暫定値 ** 灌漑地に関する数値は、州政府発表の最新データに基づき推定または Agriculture Census より引用した ものである。
は高地では水分が非常に多く砂利混じり、低地や丘陵地では重い壌土から粘土まで、様々な形 をとり、様々な穀物、中でも米の栽培に適している。
黒色土
黒色土は、南部の広い地域、Deccan 高原、Maharashtra State 州の大部分、Madhya Pradesh 州 およびAndhra Pradesh 州西部、Tamil Nadu 州の一部で見られる。黒色土は(1)深層の重い土質、 (2)中間層の軽い土質、(3)河川流域で見られる土質の 3 つに分類される。
沖積土
沖積土はインドの土壌の中で最も肥沃な土質であるとされている。この土壌の定義は曖昧で ある。沖積土はインド南部、北西部、北東部、すなわち Punjab 州、Uttar Pradesh 州、Bihar 州、 West Bengal 州、Assam 州の一部、Orissa 州、そして沖積三角州を含むインド南部の沿岸部で主 に見られる。
Indo-Gangetic 平野全体の沖積土面積は 30 万平方マイルである。この土壌は 300ft.以上の深層 に存在し、窒素や腐植土、時にはリン酸に欠けるものの、カリ質や石灰質は含み、米や麦、サ トウキビなど、様々な穀類の栽培に適している。
砂漠土
砂漠土は、Indus 川と Aravallis 川の中間、 Rajasthan 州の大部分および Haryana 州の一部で見 られる。粘土分、水分が尐なく、色は茶色、薄茶色または赤色。 森林土壌および丘陵地土壌 インドの約24%は森林である。森林土壌および丘陵地土壌に分類される土壌は、酸性腐植を 含む塩基性の低い酸性土壌と、褐色森林土を生成する塩基性の高い弱酸性または中性土壌の2 つのタイプに大きく分けられる。
1.9 インドの平均農地規模
インドの平均農地所有面積は減尐してきた。農地分配法(land ceiling acts)の施行や家族間 の争いなどによる土地の分割により、平均土地所有面積は大変小さい(2 ヘクタール以下)。 その他の所有地のうち19%は「小規模農地」に分類され、その面積は 1~2 ヘクタール。小規
模または最低規模を合わせて全体の81.3%を占める。こうした小規模所有地においては労働力 が過剰であることが多く、失業や低い労働生産性などにつながっている。小規模または最低規 模の農地所有者は、灌漑設備や整地、土壌改善などへの投資に対するインセンティブが低い。
表 12:所有面積別に分類した平均土地所有規模
数: ('000 Number), 耕作地: ('000 ヘクタール), 平均面積: (ヘクタール) 所有分類 数 エリア 平均農地所有面積 2000-01 2005-06 2000-01 2005-06 2000-01 2005-06 最小限 1 ヘクタール 以下 75,408 83,694 29,814 32,026 0.4 0.38 小規模 1~2 ヘクター ル 22,695 23,930 32,139 33,101 1.42 1.38 小中規模 2 ~ 4 ヘクタ ール 14,021 14,127 38,193 37,898 2.72 2.68 中規模 4~10 ヘクタ ール 6,577 6,375 38,217 36,583 5.81 5.74 大規模 10 ヘクタール 以上 1,230 1,096 21,072 18,715 17.12 17.08 合計 119,931 129,222 159,436 158,323 1.33 1.23出所: Agricultural Statistics at a Glance, 2011, Directorate of Economics and Statistics, Ministry of Agriculture, Government of India
図 3:農作規模の割合
出所: Agricultural Statistics at a Glance, 2011, Directorate of Economics and Statistics, Ministry of Agriculture,
Government of India
図 4:所有分類別の平均土地所有面積
出所: Indian Agricultural Statistics Research Institute - Agricultural Research Data Book 2011,IMaCS Analysis Marginal 20% Small 21% Semi-medium 24% Medium 23% Large 12% 0.4 1.44 0.39 1.43 0.4 1.42 0.4 1.42 0.38 1.38 2.81 2.76 2.73 2.72 2.68 6.08 5.9 5.84 5.81 5.74 18.1 17.33 17.21 17.12 17.08 1970-71 1990-91 1995-96 2001-01* 2005-06*
1.10 主要地域の生産量と低収益の要因
下の表は、主要地域における様々な農作物の収穫量を示したものである。米はAndhra Pradesh 州、Tamil Nadu 州、Haryana 州、Punjab 州では高い収穫量を誇っており、中でも Punjab 州は1ヘクタールあたり4,010kg と最も多い。
豆類については、Kerara 州および Punjab 州が多く、Kerara 州は 1 ヘクタールあたり 1,095kg。 油糧種子類についてはKerara 州、Tamil Nadu 州、Gujarat 州、Haryana 州、Rajastan 州、Punjab 州が多く、Tamil Nadu 州が 1,764kg/ヘクタールと最も多い。麦の収穫量が多いのは Haryana 州 と並んでPunjab 州で、4,314kg/ヘクタールと最も多くなっている。
表 13:州別の主要農作物収穫量
収穫量 (Kg/ヘクタール) 州 2005-06 2006-07 2007-08 2008-09 2009-10 米 Andhra Pradesh 2,939 2,984 3,344 3,246 3,056 Karnataka 3,868 2,470 2,625 2,511 2,391 Kerala 2,284 2,390 2,310 2,519 2,636 Tamil Nadu 2,546 3,423 2,817 2,683 3,113 Gujarat 1,949 1,799 1,895 1,698 1,863 Haryana 3,051 3,238 3,361 2,726 3,008 Maharashtra 1,770 1,669 1,898 1,489 1,515 West Bengal 2,509 2,593 2,573 2,533 2,611 Uttar Pradesh 1,996 1,879 2,063 2,171 2,082 Rajasthan 1,425 1,577 2,031 1,807 1,515 Punjab 3,858 3,868 4,019 4,022 4,010 豆類 Andhra Pradesh 772 679 803 818 722 Karnataka 487 377 531 466 452 Kerala 775 857 857 818 1,095 Tamil Nadu 337 541 303 307 399 Gujarat 704 593 843 777 701 Haryana 622 824 602 980 764 Maharashtra 584 602 746 537 712 West Bengal 785 703 793 704 760 Uttar Pradesh 590 642 794 609 712 Rajasthan 261 462 401 497 218 Punjab 804 850 804 908 893 Andhra Pradesh 698 609 1,276 842 760 Karnataka 600 478 681 556 510 Kerala 667 889 706 696 1,043油糧種子類 Tamil Nadu 1,624 1,829 1,739 1,782 1,764 Gujarat 1,544 908 1,618 1,345 1,046 Haryana 1,124 1,344 1,214 1,723 1,648 Maharashtra 925 963 1,274 857 745 West Bengal 952 918 997 828 989 Uttar Pradesh 993 837 856 865 766 Rajasthan 1,134 1,146 1,051 1,114 1,066 Punjab 1,097 1,111 1,288 1,276 1,335 麦 Andhra Pradesh 818 900 889 1,143 900 Karnataka 858 762 946 918 884 Kerala - - - - - Tamil Nadu - - - - - Gujarat 2,700 2,498 3,013 2,377 2,900 Haryana 3,844 4,232 4,158 4,390 4,213 Maharashtra 1,393 1,325 1,659 1,483 1,625 West Bengal 2,109 2,282 2,602 2,490 2,650 Uttar Pradesh 2,627 2,721 2,817 3,002 2,876 Rajasthan 2,762 2,751 2,749 3,175 2,852 Punjab 4,179 4,210 4,507 4,462 4,314
出所: Indian Agricultural Statistics Research Institute - Agricultural Research Data Book 2011
1.11 インドにおける低収益の要因
全般的な要因 農業人口の過密:- 農業人口の過密は、農業収益の低下の大きな要因となっている。 農村地域における向上心の欠如:- 農村地域に居住するインドの農業従事者は近代化への執着が さほどなく、そのため機械化へのイニシアティブを持たせることが難しい。 非常時サービスの不備: - 金融、販売、保存設備の不足も、インドの農業の後進性の要因のひと つと言える。 自然に係る要因:- モンスーンがよいと農作物がよく、そうでないと打撃を受けるというような、 モンスーンへの依存の強さ。 組織的要因 土地所有規模の小ささ:- 土地所有面積の低さが農業の成長の障害となっている。インドの平均 土地所有面積は2 ヘクタール以下。小規模企業の場合は、新技術の導入は困難である。農業投資 農業 卸売 加工および 補助サービ ス 小売 土地所有形態:- インドの農村では未だ大地主が土地に対して大きな影響力を持っているため、 実際農業を行う人々の中に、生産力の向上などを目指すインセンティブが低く、農業部門の成 長に歯止めをかけている。 技術的要因 生産技術の低さ:- インドの農業従事者は旧式で、非効率な技術を利用している。 灌漑設備の不十分さ:- 様々な種類の灌漑が行われているものの、大幅に増加するということが ない。
1.12 技術導入/機械化
インドの農業において技術導入は、インフラや学習曲線、コスト面などの要因で、遅いスピ ードでしか進んでこなかった。 農業従事者たちによる技術革新および新技術の採用は、農業部門の牽引力となると見込まれ る。Mahindra and Mahindra や Force Motors、Escorts などの企業は、かつて組織化されていない セクターが独占していた新たな市場に参入している。これは、農業収益にポジティブに作用す ると考えられる。しかし、こうした新市場における市場獲得には、時間がかかりそうだ。図 5:農業のバリューチェーン
出所: IMaCS analysis 種子 肥料 農業設備 融資 農家(ほと んどが非組 織) 契約農家 卸売業者 販売業者 流通業者 アグリゲー ター オーガニック食品 倉庫 冷蔵庫 ロジスティクス 販売業者 流通業者 小規模店舗 メガモール 非組織的販 売店インド農業の機械化の状況
農業における機械化は増加傾向にあるものの、州によってそのレベルに大きなギャップがある。 ・Punjab 州、Haryana 州、Uttar Pradesh 州(特に西部およびタライベルト)では、様々な計 画の推進により機械化の速度が速い。
・コンバインや脱穀機、その他の動力式機械の普及は全国的に進んでいる。
・北東州における機械化は、その山岳地形や社会経済状況、輸送費の高さ、資金調達機関 の不足、農業機械メーカーの不足などから、十分に進んでいるとは言えない。
・西部・南部の州、すなわちGujarat 州、Maharashtra 州、Rajasthan 州、Tami Nadu 州の一部 の地域、Andhra Pradesh 州などでは、灌漑地の増加や農業従事者の意識の高まりにより、 機械化が進んでいる。
2. インドの農業機械市場の分析
2.1 農業機械市場の構成要素
インドで使用されている主要農業機械は、(1)開拓用機械、耕作機械、播種床造成機、(2)播 種・植え付け機械、(3)除草機械、栽培設備、農作物保護機械、(4)収穫機、脱穀機、(5)収穫後 関連機械、加工機械の5 部門に分類される。以下の表に、バリューチェーンにおいて使用され ている農業機械を挙げた。表 14:バリューチェーンにおいて使用されている農業機械
End Users/ Customers 開拓、耕作、 播種床造成 播種・植え付 け 除草、栽培、 農作物保護 収穫、脱穀 収穫後、 加工 ジャング ルの開拓 土壌開拓 畑作り 道路 区分け 整地 必要とされ る深さ、間 隔、種子率 に基づく播 種 除草 土壌と雨の 浸透度の改 善 殺虫剤の使 用 穀物のわらと 塊茎を無駄な く分別 収穫物と穀物 を分別 洗浄 選別 分類 乾燥および 保存 製粉 食品加工 トラクタ 地ならし機 鋤 ブルドーザー 掻機 ドリル 種まき機 穴掘り機 田植え機 シャベル・ 鋤 耕耘機 噴霧機 散布機 収穫機 脱穀機 掘削機 刈り取り機 殻剥き機 鎌 種取り機 殻剥き機 もみすり機 洗浄機 選別機 製粉機 乾燥機2.2 農業機械市場の地域ごとの特徴
Punjab 州、Haryana 州、Uttar Pradesh 州(特に西部およびタライベルト)では、様々な計画 の推進により機械化の速度が速い。
コンバインや脱穀機、その他の動力式機械および装置の普及は、全国的に進んでいる。 北東州における機械化は、その山岳地形や社会経済状況、輸送費の高さ、資金調達機関の
不足、農業機械メーカーの不足などから、十分に進んでいるとは言えない。
西部・南部の州、すなわちGujarat 州、Maharashtra 州、Rajasthan 州、Tami Nadu 州の一部の 地域、Andhra Pradesh 州などでは、灌漑地の増加や農業従事者の意識の高まりにより、機 械化が進んでいる。
図 6:農業機械市場の地域別分析
北部 最大のトラクタ市場 主力はUP 州、Punjab 州、Haryana 州、Rajasthan 州など 非農業部門におけるトラクタの利用増加 南部 主力は、米の裁定支持価格(MSP)の高騰に伴い 74%の伸び を見せたKarnataka 州 34~5 年にわたり成長を続けた Andhra Pradesh 州は 10.4%減 東部 総売上の約 稲のMSP の高騰は農業従事者に十分な流動性を提供し、市場50%が Bihar 州 成長の主な原動力となった 今後数年は価格上昇により、成長率は横ばいに推移すると見 込まれる 西部 Gujarat 州、Maharashtra 州、MP 州が主力で、成長率は 55%を超える 穀物の価格上昇および小売業者の融資向上がけん引力となっ た
Tractors, 34% Threshers, 4% Reapers, 3% Trailers, 2% Others, 57%
2.3 農業機械市場の市場規模および成長の見込み
2010 年のインドの農業機械(AE)市場は、世界全体の 12%を占めた。同業界は組織化され ていない部門が独占状態で、市場シェアは50%を超える。2010 年現在、インドの農業機械市 場規模は3,700 億ルピーで、成長率は 6%であった1。今後も穀物収益の増加に向けた業界の近 代化に歩調を合わせる形で成長を続けると見込まれる。 インドの農業部門の機械化は、まだ始まったばかりである。政府の補助金の増加、建設業な どへの労働力の移行により、農業機械および設備の市場は大きく広がった。農業従事者は未だ、 知識不足と最先端の道具や機械が入手不可能な状況であることから、原始的な道具やウシ、手 作業に依存している。 インドの組織的部門が生産する主な農業機械 は、トラクタおよび耕耘機である。インドで生 産されるその他の主要農業機械には、収穫機、 農作物保護機械、細粒灌漑装置、マイクロスプ リンクラーなど。主な輸出先はアフリカ、中東、 南米、アジアなど。 イ ン ド の 主 な 農 業 機 械 メ ー カ ー に は 、Mahindra & Mahindra、Escorts、TAFE、L&T –John Deereなどが挙げられる。次の図に、インドの 主要農業機械メーカーの市場シェアを示した。
1 Agriculture and Food Industry 2011 – Research on India
M&M, 39.8% TAFE, 22.8% Escorts, 12.8% ITL, 8.4% L&T - John Deere, 9.6% New Holland, 6.0% Others, 0.6%
図 8:主要農業機械メーカーの市場シェア
2.4 農業機械の総数
農業部門の機械化を推進する農業省(Ministry of Agriculture)は、より効率的で、環境に優し く、選び抜かれた農業機械の採用を推進し、機械、電子機器、人や役畜の力を最大限に効率よ く活用することにより、農地、労働力、種苗、肥料、殺虫剤などの生産性の向上を目指してい る。 こうした取り組みにより、ペダル式脱穀機、木製・鉄製鋤、手動の殺虫剤噴霧機など、手動 の農業機械の数は大幅に減尐した。一方、動力式耕作機、電動脱穀機、コンバイン脱穀機、ト ラクタ、トラクタ牽引式植え付け機など、動力を使用した農業機械が、2006年~07年にかけ、 数を大きく伸ばした。これにより、農作業の質は向上し、生産コストの大幅削減が実現した。1 耕作機械 – 鍬
出所: Agri census 2001,2006-7, IMaCS Estimates
2 耕作機械 – 鋤
出所: Agri census 2001,2006-7, IMaCS Estimates
2001-02 2006-07 2010-11 E
Disc Harrow 79.8 92.7 104.5
Tractor Drawn Disk Harrow 55.2 62.0 68.0
0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 120.0 in la kh s 2001-02 2006-07 2010-11 Wooden Plough 694 456 326 Steel Plough 338 275 234
Tractor drawn mould board
plough 60 76 93 0 100 200 300 400 500 600 700 800 in la kh s
3 植え付け機械 –植え付け機
出所: Agri census 2001,2006-7, IMaCS Estimates
4 施肥・害虫除去
出所: Agri census 2001,2006-7, IMaCS Estimates
2001-02 2006-07 2010-11
Seed Planter 25 26 28
Tractor Drawn Planter 8 10 12
0 5 10 15 20 25 30 in la kh s 2001-02 2006-07 2010-11
Power operated sprayer/duster 71.2 57.2 48.0 Hand operated sprayer/duster 247.8 203.5 173.8
0.0 50.0 100.0 150.0 200.0 250.0 300.0 in la kh s
5 収穫・収穫後関連機械 – 収穫機
出所: Agri census 2001,2006-7, IMaCS Estimates
6 収穫・収穫後関連機械 – 脱穀機
出所: Agri census 2001,2006-7, IMaCS Estimates
2001-02 2006-07 2010-11
Combine Harvesters Trailed
Type 5.0 10.2 18.2
Combine Harvesters Self
Propelled 4.2 6.4 8.8 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 16.0 18.0 20.0 in la kh s 2001-02 2006-07 2010-11
Pedal Operated Thresher 70.2 46.9 34.0
OLPAD Thresher 20.7 21.0 21.3 Power Thresher 62.3 67.2 71.4 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 in la kh s
7 ベイラーおよび移植機(Livestock Census 2003 より)
表 15 :
ベイラーおよび田植え機
機械 (数) 2003-04 ベイラー 269,100 手動式田植え機 29,953,000 動力式植え付け機 114,000 動力式田植え機 164,400 出所: Livestock census 2003 手動式田植え機のような手動式機械は市場を奪われ、その需要は過去10 年、減尐を続けて いる。手動式機械はより効率的で高度な動力式機械にとって代わられている。上記の表に、 2003 年に実施された畜産調査より、インドにおけるベイラーおよび植え付け機の数を引用した。 現在の状況は大きく変化しており、最新式の田植え機の市場規模は、年間約700 ユニットとな っている。以下の表は、Agriculture Census of India に記載されている全農業機械の数を示したものであ る。なお農業機械は、以下の3 カテゴリーに分類される。 手動式機械 役畜駆動機械 動力式機械
表 16 : 2006-07 Agriculture Census に基づくインドの農業機械の数
カテゴリー 2006-07 Agriculture Census に基づくインドの農業機械の数 手動式機械 手動式施肥穴掘り機 ペダル式脱穀機 もみ殻吹き分け うちわ トウモロコシ処理機 6,909,518 4,689,482 24,850,623 2,534,155 わら切断機 手動式 噴霧機・散布機 手動鍬 ホイール式鍬 31,340,350 20,351,313 54,204,968 7,414,250 刃鍬 稲刈り機 剪定ばさみ 芽接ぎ・接ぎ木ナイフ 12,138,968 3,807,719 21,516,351 11,340,003 ガーデンフォーク その他 12,793,701 30,825,807 役畜駆動機械 木製鋤 鉄製鋤 ディスクハロー 耕耘機 45,582,932 27,538,172 9,269,000 14,141,722 播種兼施肥穴掘り 代掻き機 播種機 脱穀機機・播種穴掘り機 11,449,307 28,310,217 2,640,072 2,100,752 牛引荷車 ペルシャ井戸 樹木粉砕機 水路掘削整形機 26,556,983 990,610 762,757 2,918,048 土入器 ジャガイモ・ピーナ ッツ堀り機 刈取り機 その他 5,062,126 2,319,547 13,704,587 7,181,991 動力式駆動機械 動力式 噴霧機・散布機 ディーゼルエンジン 式ポンプ 電気式ポンプ 動力式耕作機 5,722,480 13,179,632 12,713,933 2,894,946 農業用トラクタ トラクタ牽引式撥土 板鋤 トラクタ牽引式 ディスクハロー トラクタ牽引式播種兼 施肥穴掘り機機 31,279,048 7,648,717 6,196,946 5,130,579 トラクタ牽引式播種 機 トラクタ牽引式レベ ラー トラクタ牽引式 ジャガイモ堀り 機 動力式脱穀機(麦、 稲、多目的用途) 1,016,775 4,642,913 487,816 6,718,998 動力式もみ殻カッタ ー 動力式樹木粉砕機 定置式コンバイ ン 自走式コンバイン 4,196,245 214,835 1,021,953 637,860 耕耘機 回転式耕耘機 かご車輪 刈取り機 4,917,685 472,461 1,135,822 523,441 トウモロコシ処理機 ピーナッツ皮剥き機 その他 855,175 204,076 1,207,751 その他 灌漑用スプリンクラ ー・ 灌漑装置 細粒灌漑装置 水撃ポンプ チェーン洗浄ポンプ 1,261,748 392,733 41,248 124,173
2.5 農業機械の普及率
普及率が最も高いのは作物保護機械で、1,000 ヘクタールあたり 28.5 機となっている。一方 トラクタの普及率は1,000 ヘクタールあたり 16.7 台。 トラクタ業界は、政府の農業重視政策の恩恵を大いに受けた。インド準備銀行(RBI)の規 定によると、Domestic Scheduled Commercial Banks(SCBs)は正味銀行与信のうち 40%を優先 部門に充てることを目標とし、うち18%は農業部門に割り当てられる。2009-10 年に 3 兆 6,66128.5 18.8 18.2 16.7 12.5 8.9 8.3 6.6 6.2 2 0.9 0 5 10 15 20 25 30
Manually operated plant protection equipment Straw Reaper Forage Harvester Tractors Tractor Operated Cultivator Horticultural Tools (Power Operated) Drip & Sprinkler Equipments Tractor Operated Harrow Tractor Operated Leveller Power Tillers Tractor Operated Rotavator
億9,000 万ルピーであった農業および関連部門への融資は、2001 年会計年度から 2010 年会計 年度の間に、複合年間成長率24%と大きく拡大した。2
図 9:インドの主要農業機械の普及率(
1,000 ヘクタールあたりの数)
出所: ICRA Report, Tractor Industry, March 2011 and IMaCS analysis
図 10:州別のトラクタ普及率
2
Agricultural Statistics at a Glance 2010 (Directorate of Economics and Statistics; Department of Agriculture and Cooperation) 4 8 8 10 13 14 14 19 21 22 23 28 42 48 0 10 20 30 40 50 60 As sam WB O rr isa Ma h ar asht ra MP Raj asth an Karn at ak a G u ja ra t Biha r AP TN UP PB H ar yan a
Statewise Tractor Penetration
N o . p e r 0 0 0 h e cta re
2.6 農業機械市場の成長原動力とその影響
1. 信用枠: - 多くの国営・民営銀行が様々な計画で農業従事者をサポートする特別プラン を打ち出している。実際、トラクタのうち85%はローンで購入されている。 2. 政府の支援: - インド政府は、農業機械への投資に対し、奨励金の提供を行っている。 政府は農業および関連部門への予算枠を拡大し、様々な穀類の最低支持価格を引き上 げと、様々な農村福祉政策に配分することにより、農業および農村開発を支援してい る。 3. 農村の電力不足: - 農村における耕地ごとの電力量は、2020 年までに 2 KW/ヘクタール に増加すると予想されるが、これは先進国に比べると低レベルである。 4. トラクタ普及率の低さ: - 1,000 ヘクタールあたりのトラクタ数 16.7 台という普及率の低 さは、インドの農業機械市場にとって大きな機会となっている。世界の平均的なトラ クタ普及率は1,000 ヘクタールあたり 19 台、一方アメリカでは 25 台となっている。 5. 新市場および製品における機会: - 成熟期に近く、循環的な性質をもつトラクタ業界に おいて、メーカーは新たな機会を模索している。トラクタには建設現場やインフラ計 画の運搬用など、農業以外の用途もある。メーカー各社は発電機やエンジン、収穫機、 カッター、その他の農業関連部門など、新たな市場に参入することで、ラインアップ を拡大しつつある。 6. 農業投資における利潤拡大に向けた生産性の重視:- 農業における機械化は農業都市に おける利潤拡大に向け、生産性を重視する農業従事者にとって、次第に必要とされる ようになっている。 7. 請負農業: - 請負農業は農業従事者に、情報や新技術、電力、市場とのつながりなどを 提供する機会を与える。2.7 農業機器業界の成長阻害要素
成長阻害要素 – 農業機械市場 1. コスト制限: - 小規模または最小規模農家のほとんどは収益源が循環的であり、その結 果資金運用に制限が生じる。こうした農業従事者の所有地面積は5 エーカー以下、インドの農家全体の80%以上を占め、トラクタ所有率はわずか 1%にも満たない。トラクタ は農業従事者にとって高い投資である。また、小規模灌漑が灌漑にかかるコスト全体 の最大70%を占めているという現実もある。 2. 農地の細分化: - インドの平均農地所有面積は 1985-86 年が 1.69 ヘクタールであったの に対し、2000-01 年は 1.33 ヘクタールにまで減尐した。約 19%が 1 または 2 ヘクタール の「小規模農家」部門に分類され、小規模または最小規模農家のみで全体の81.3%を占 める。小規模または最小規模の土地所有者は、灌漑施設の導入や整地、高塩分やアル カリなどの土質の改善を始めとする、土地の開拓に投資を行うというインセンティブ が低い。業者はトラクタの販売よりも、トラクタのレンタルにより重点を置く必要が ある。気候条件と土質が国内で多様なため、農業機械には地域ごとのカスタマイズが 要求されてしまう。 3. 不安定なモンスーン: - 予期せぬ雨をもたらし、在庫の山積へとつながるモンスーンは、 農業従事者のトラクタ購入またはレンタルを困難にしている。たとえば建設現場やイ ンフラ計画の運搬用など農業以外の分野で、乾季の収入源のための用途などへの使い 道を提案するのも、メーカーにとっては手であろう。
2.8 インドの農業機械の生産及び売上傾向の分析
トラクタ: 2006-07 年から 2009-10 年の過去 4 年間のインドにおけるトラクタの生産および売上台数は 以下の表のとおりである。表 17 : トラクタの種類別のメーカー数、生産台数、売上台数
(台) トラク タの種 類 メーカ ー数 2006-07 2007-08 2008-09 2009-10 生産 売上 生産 売上 生産 売上 生産 売上 <=20 hp 2 1,537 1,495 1,755 1,714 2,451 2,329 3,752 3,761 21 to 30 hp 7 60,014 58,610 49,792 51,675 49,086 49,988 64,896 66,027 31 to 40 hp 9 170,417 172,236 155,340 158,401 152,558 158,099 197,682 202,134 41 to 50 hp 9 91,223 91,650 98,351 94,972 88,596 85,483 105,842 105,821 >51 hp 6 29,177 28,790 40,524 39,539 50,829 51,111 61,035 62,487 Total 352,368 352,781 345,762 346,301 343,520 347,010 433,207 440,230 2009-10 年および 2010-11 年(9 カ月)の年度別の売上成長率はそれぞれ 28.3%、11%となり、 堅調に推移した。2010-11 年(9 カ月)の 大幅な売上増の背景としては、モンスーンが通常の 南西型であったカリフ期の豊作、適当な信用枠の提供、出稼ぎ労働者の減尐、豊作に伴う農村 の流動性の拡大、地価高騰、非農業用途へのトラクタ使用の拡大が挙げられる。 官民共同の取り組みが功を奏し、農村の機械化は年々着実に進んでいる。トラクタと動力式 耕作機を農業の機械化のバロメータとし、過去 6 年間の売上を見ても、この事実は明らかであ る。2.1 1.7 1.9 2.5 3 3.5 3.5 3.4 4.4 4.9 -19% 12% 32% 20% 17% -3% 29% 11% -0.3 -0.2 -0.1 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0 1 2 3 4 5 6
FY02 FY03 FY04 FY05 FY06 FY07 FY08 FY09 FY10 FY11
Total Sales Volume
図 11:インドにおけるトラクタの売上およびその伸び率
出所: ICRA Report, Tractor Industry, March 2011 and IMaCS analysis
以下の表に、州ごとのトラクタ売上台数と、輸出台数を示した。2009-10 年は、総生産台数 44 万 331 台に対し、輸出台数は、3 万 9,681 台であった。売上台数が多い州は、Andhra Pradesh 州、Madhya Pradesh 州、Maharashtra 州、Rajasthan 州、Uttar Pradesh 州で、中でも Uttar Pradesh 州が7 万 3,680 台と最も多い。
表 18:州別のトラクタ年間売上台数
(台) 州/年 2003-04 2004-05 2005-06 2006-07 2007-08 2008-09 2009-10 Andhra Pradesh 10,477 16,603 22,444 35,613 43,758 38,417 34,690 Assam 488 381 770 1,120 1,296 1,588 3,578 Bihar 12,149 14,621 12,295 11,824 13,104 17,572 29,047 Chhattisgarh - 6,570 8,790 10,174 Gujarat 9,989 16,916 23,060 29,906 25,255 20,179 24,346 Haryana 11,514 12,381 14,572 20,129 23,627 22,573 28,715 Himachal Pradesh 545 516 758 1,121 891 907 1,203 Jammu & Kashmir 1,602 1,172 1,290 1,181 1,328 1,115 1,614 Jharkhand 2,897 3,643 5,667 Karnataka 8,438 15,495 25,291 22,642 17,230 13,835 23,927 Kerala 183 153 697 1,654 493 374 587 Madhya Pradesh 29,470 33,753 28,136 18,456 18,242 24,306 33,329 Maharashtra 6,745 10,939 16,916 27,006 29,815 25,610 34,313 Orissa 2,978 4,954 6,672 7,200 4,993 5,099 7,940 Punjab 13,388 11,628 12,051 16,201 18,062 20,027 28,742Rajasthan 18,227 23,829 27,949 34,583 29,456 25,763 31,799 Tamil Nadu 6,114 12,426 18,278 21,909 16,894 14,609 15,819 Uttarakhand 2,479 1,869 2,327 Uttar Pradesh 38,631 46,368 45,652 48,191 39,682 51,513 73,680 West Bengal 1,992 3,086 4,335 5,590 5,354 6,069 9,153 Export and others 16,588 21,248 30,514 48,501 45,075 43,125 39,681 Total 189,518 246,469 291,680 352,827 346,501 346,983 440,331
出所: IASRI Agricultural Research Data Book 2011
動力式耕耘機: 官民共同の取り組みが功を奏し、農村の機械化は年々着実に進んでいる。以下に示した動力 式耕作機の売上台数の推移からも、そのことが証明されている。国内の動力式耕耘機の総台数 は、2006-07 年の 289 万 4,946 台から 2010-11 年には 304 万 7,723 台に増加した3。「Macro Management of Agriculture」を始めとする農家の機械化推進計画では、トラクタや動力式耕耘機 などの農業機械の購入にあたり、25~50%の補助金が与えられる。Bihar 州や Assam 州では、 これらの計画により、動力式耕耘機の台数が増加した。
図 12:インドにおける動力式耕耘機の売上台数
3Annual Report, Ministry of Agriculture and Agriculture Census, 2006-07 17,481 22,303 24,791 26,135 35,294 38,794 27,763 0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000 45,000 2004-05 2005-06 2006-07 2007-08 2008-09 2009-10 2010-11 (Upto December 2010) Sales in numbers
41.3 28.1 30.5 23.9 27.1 23.2 21.7 86.6 33.3 15.6 14.3 12.9 - 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 2010 2009 2008 2007 2006 2005 Export Value (In US$ million) Import Value (In US$ million)
2.9 インドの農業機械の輸出入傾向の分析
2005 年から 2010 年の複合年間成長率は、輸出が 12.2%、輸入が 11%で、以下のグラフに示 したように、2008 年と 2009 年を除き、輸出優勢となっている。
図 13:インドの農業機械の輸出入傾向
出所: Directorate General of Foreign Trade and IMaCS analysis
表 19:インドの農業機械の輸入(1,000 台)
機械(1,000 台) 2007-2008 2008-2009 2009-2010 2010-2011 円盤鋤 0.1 0.0 0.3 1.8 ディスクハロー - - 0.0 0.1 播種機、植え付け機、移植機 0.1 2.6 12.4 54.2 回転式耕耘機 110.9 141.8 162.1 244.3 コンバイン 0.1 0.5 11.6 0.3 肥料散布機 0.0 0.0 2.1 1.7M&M, 39.8% TAFE, 22.8% Escorts, 12.8% ITL, 8.4% L&T - John Deere, 9.6% New Holland, 6.0% Others, 0.6%
表 20:インドの農業機械の輸入(10 万ルピー)
機械 (10 万ルピー) 2007-2008 2008-2009 2009-2010 2010-2011 円盤鋤 21.94 3.49 37.37 11.20 ディスクハロー - - 5.94 0.01 播種機、植え付け機、移植機 159.95 1,289.34 2,342.28 1,745.12 回転式耕耘機 496.66 872.89 1,151.16 1,744.35 コンバイン 260.98 782.02 2,802.41 920.67 肥料散布機 26.72 17.96 100.20 65.01出所: Directorate General of Foreign Trade, IMaCS Analysis
2.10 主な国内農業機械メーカーと各社のシェア
以下はインドの主な農業機械メーカーである。 Mahindra and Mahindra (M&M) TAFE
Escorts Group
ITL
L&T- John Deere
New Holland Tractors (India) Private Ltd. Force Motors Ltd.
VST Tillers Tractors Ltd
Indo Farm Tractors & Motors Ltd Sonalika International
Mahindra and Mahindra (M&M):- M&M は業界シェア 39.8%を誇る、農業機械市場のトップメ ーカーである。同社は 多目的車および軽商業車、3 輪自動車およびセダンを製造している。 M&M は世界でもトップ 3 に入り、アメリカとオーストラリアに組立工場をそれぞれ 3 工場、1 工場有する。同社は中国のトラクタメーカーとの業務提携により、世界に市場を拡大している。
図 14 : 農業機械メーカー各社
のシェア
TAFE:- TAFE は世界的なトラクタメーカーMassey Furguson との合弁会社である。主に同社は Gujarat 州、Andhra Pradesh 州、Karnataka 州、Madhya Pradesh 州、Uttar Pradesh 州で事業を展開 しており、アメリカ、中東、アフリカ、南アジアなど80 カ国に向け輸出を行う。 Escorts:- Escorts はトラクタ、自動車付属品、農業用トラクタ向けエンジン、さらに鍬、耕耘機、 ベイラー、鋤などの部品を製造している。輸出先は主にアフリカとヨーロッパ。Pwertrac、 Farmtrac、Escorts のブランド名で農業用・非農業用トラクタを製造している。
2.11 農業機械市場における外資系企業
表 21:外資系企業一覧
企業名 国 製造機械Chendugu Good Good International Trading Co.
中国 田植え機、トラクタ、脱穀機
Shanghai Techway Industrial Ltd. 中国 動力式噴霧機、耕耘機
Adorno Technology アメリカ 農業機械各種
Lazar Equipment Ltd. カナダ 農業機械各種
Irisfilm Corp. 台湾 噴霧機
T.C.P Industries アメリカ 農業機械各種
Basman Agricultural Machinery トルコ ローラー、 噴霧機
La Envidia エクアドル 農業機械各種
Super Products Co. Ltd. タイ スプリンクラー、灌漑機具
Farmway Ltd. 英国 農業機械各種
Shouguang Axion Machinery Ltd. 中国 収穫刃
Comercial Agricola Mineira Ltd. ブラジル 耕耘機、ローラー
Hawe Heinrich Wester ドイツ ローラー、播種機、カッター
Bosta 英国 灌漑機具 Giltrap Engineering Ltd. ニュージーランド ワゴン、スラリー散布機 Societe Chirag メキシコ 施肥機、溝の鋤 Gregoire Besson フランス 鋤、整地機具 Gyral Implements Pvt. Ltd. オーストラリア 播種機、耕耘機、ドリル Reynolds International Pvt. アメリカ 農業機械および装置 BMS Europe 英国 土壌サンプラー John Deere アメリカ トラクタ 出所: IMaCS analysis