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ルーヴェン大学:ベルギー
白楽ロックビル お茶の水女子大学大学院・人間文化創成科学研究科・ライフサイエンス専攻 (出典:http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/europe.html) 2006 年 4 月、オランダから電車に乗ってわずか 2 時間 40 分、約 4,400 円(31.40 ユーロ) で、隣の国、欧州 3 カ国目の滞在国ベルギー(Kingdom of Belgium)では、郊外の古都ル ーヴェン(Leuven)のルーヴェン・カトリック大学(Katholieke Universiteit Leuven、 略して KUL、英語で University of Leuven)にやってきた。本稿では、ルーヴェン大学と 呼ぶ。 オランダからベルギーに入るのに、入国審査があるかとパスポートを用意したが、まった く何もない。勿論、免税店もないのである。 ベルギーの人口、言語、通貨、水 まずベルギーの概略を書いておこう。不肖・ハクラク、ベルギーも初めて訪問する国で、 自分でもよくわからない。人口は 1023 万人で、首都はブリュッセル Bruxelles(仏語) [ブ ラッセル Brussel(オランダ語)]に全人口の約 1 割の 96 万人がいる。人口の 75%以上がカ ソリックである。 EU メンバー国で、パスポートの残存期間は、滞在日数+3 ヵ月以上である。入国カード は不要だ。シェンゲン協定加盟国で、協定加盟国内にビザ無しで合計 3 ヵ月を超えて滞在 ベルギー ルーヴェンすることはできない。 言語はベルギー語ではなく 3 つの言語が公用語として認められている。ルーヴェンを含 む北部はオランダ語だ(人口の 60%)。南部はフランス語で(人口の 40%)、ドイツに近いと ころはドイツ語だ(人口の 1%未満)。ブリュッセルやルーヴェンでは英語はどこでも通じた。 ブリュッセルは北部でオランダ語圏だが、現実は、圧倒的にフランス語圏である。テレビ は、フランス語放送やドイツ語放送が字幕なしで流れ、英語放送は、字幕がでる。ルーヴ ェンでは、朝 6 時半にテレビをつけると、ニュースはオランダ語ではなく、ドイツ語で、 ドイツのテレビ局のニュースが流れていた。 通貨は、Euro/cent、1ユーロ= 100 セントである。日本の物価に比べると食料品は安い。 宿泊費は日本やオランダより数割安い。 オランダではセントの単位は、5 セント刻みであったが、ベルギーは 1 セント単位である。 スーパーマーケットで買い物をしたら 10.02 ユーロだった。オランダだと、2 捨 3 入で、最 後の桁の 2 セントは切り捨てになり、3 セントならの 5 セントになる。それで 10 ユーロだ して帰ろうとしたら、「2 セント足りない!」と叫ばれてしまった。 なお、セント貨、ユーロ貨はEUの各国が作り、図柄は国によって違う。図柄は国によ って違っても、どの国でも使用できる。贋金は作られないのだろうかねえ。 水道水は飲める。気候は首都ブリュッセル 4 月の最高最低気温 14-5(東京 19-11)、降 水量 66 ミリ(東京 130)、5 月の最高最低気温 18-8(東京 23-16)、降水量 72 ミリ(東京 128)。 東京より寒いということだ。滞在中はルーヴェンはママいい天気だったが、ブリュッセル は雨やヒョウが降り寒かった。 街のトイレは有料らしいが、あまり試していない。ルーヴェン駅のトイレは無料だった。 治安に関して、安全である。ルーヴェンは田舎の特徴の人情と素朴さがあり、ブリュッ セルは都会の特徴がある。黒人、アラブ人、などの人種の多様性を感じ、貧しい人もいそ うだ。観光客が多く、それを狙う犯罪者もいるはずで、街は注意が必要な気がする。 宿泊場所と宿泊場所への行き方 不肖・ハクラク、首都と田舎の 2 ヵ所に泊まった。
Leuven)の C3 号室に宿泊した。インターネットで予約した。1 泊平均 79 ユーロ(税込み、 朝食なし)。ブリュッセル駅からルーヴェン駅まで電車で約 30 分、電車賃は 4.30 ユーロ。 下車して徒歩 15 分。ルーヴェン大学には徒歩 10 分ととても便利。ホテルというよりアパ ートメントでキッチンがある。室内はシャレていて、安全で、とても快適。おススメ度◎ ◎。 首都は、ブリュッセル市内の NH ステファニー(NH Stephanie)の 307 号室に宿泊した。 インターネットで予約した。1 泊平均 64 ユーロ(税込み、朝食込み。朝食は食べ放題でホ ットミールある)。ブリュッセル Midi/Zuid 駅から地下鉄 2 番で 3 つ目のルイーズ/ルイー ザ(Louise/ Louiza)駅下車。約 5 分、電車賃は 1.50 ユーロ。下車して徒歩 5 分。シティ ホテルのようで、室内はシャレている。エレベーターは小さいが、室内はとても快適。朝 食は食べ放題でホットミールで豪華。たくさん食べて昼飯を抜いた。おススメ度◎◎。 ルーヴェン大学への行き方とルーヴェンの街と ブリュッセル駅からルーヴェン駅まで電車で約 30 分。電車賃は 4.30 ユーロ。 ルーヴェンはユーロッパ有数の美しい街である。美しいレンガの建物が並び、中心部に マルクト広場があり、とても壮麗な市庁舎がある。繊細な石のレース細工のようで、とて も美しい。奥に上ろうと脇の階段に向かうと、若い男女が濃厚なキスをしていたので、あ わてて引き下がった。 地図の右側半分の黄色で示す環状道路内が旧市街で、ルーヴェン駅は円形道路の右端下 方(F3 と F4 の接点)にある。つまり、ルーヴェンの街はルーヴェン駅の左側(西側)に 発達している。ルーヴェン駅から、旧市街のルーヴェン大学の大学本部、文系学部(理学 部生物学科もある)(E3 のピンク)まで約 1km で徒歩 15 分だが、バスもある。ただ、街 を歩いていても大学の建物は識別しにくい。 大学の建物は、街に散在していて、大学は街と混然一体となっている。ルーヴェンは学 生街で、若者がたくさんいて、アイスクリームを食べている若い女性を多くみかけた。 理学部本体(どういうわけか理学部生物学科は旧市街)は旧市街から離れていて、広々 とした公園や川や林のあるB3、B4(のピンク道路あたり)にある。駅から 2 番のバス(2 種類ある。「Campus」の方)に乗ると、旧市街の中心を経由してドンドン行く。バス停の 名前は、ゴメン、わからないが、工学部棟前がおススメなので、それらしきところで降り る。片道1.50 ユーロ。 医学部はC1にある(青色)。
写真:ルーヴェン大学本部棟(左側中央が入り口)
写真:ルーヴェ ン大学本部棟正 面(案内標識が何 もない!)
写真:ルーヴェン大学本部国際課の女性事務員、名前はうううんと、聞いてません。
写真:ルーヴェン駅西出口からみたルーヴェンの街
写真:ルーヴェン市街の風景(美しい市庁舎:近景)
自動車の駐車レーン(自動車が並んでいる)、自動車道。自転車道が広いが、歩道との境が 色で分けてあるだけ)
写真:ルーヴェン市街の風景(アイスクリーム屋さんとアイスクリームを食べている若 い女性)
写真:ルーヴェン市街の風景(女子学生の集合写真に割り込む)
ルーヴェン大学の全体像 ルーヴェン大学は、大学ランキングで、ベルギー1~4 位、欧州 36~56 位、世界101~152 位である。科学的業績は欧州10 位以内という評価もある(表 1)。 1425 年創立で、ベルギー最古の大学である。なんでこの地に? と思ったら、ルー ヴェンは当時、ベルギーの首都だったそうだ。 教職員数は5,287 人人、学生数は 31,000 人。この学生数はベルギーの全学生数の 4 分の 1以上で、ベルギーのオランダ語系大学としては最大である。 ルーヴェン大学は、大学としては、珍しい問題を抱えている。先にベルギーは、北部が オランダ語で(人口の60%)。南部はフランス語で(人口の 40%)と書いたが、1920 年以 前は、大学の言語はフランス語だった。オランダ語コースが徐々に増え、言語の対立が深 まり、1968 年にオランダ語を公用語とするルーヴェン大学と、フランス語を公用語とする UCL(Universite Catholique de Louvain)に分裂した。ルーヴェン大学はルーヴェンに
残ったが、UCLは、ルーヴェンの30km 南の小さな学園都市ルーヴェン・ラ・ヌーブ市 に移動した。 こういう問題が起こるとは多言語国家は難しい。使用言語は教育・研究・学問の根幹だか ら、対立は解消できなかったんだろう。しかし、過激である。 教授または卒業生で有名人は、人文学者のエラスムス(1469?~1536)が最大だが、科 学技術関係では、人体解剖図の作成で近代解剖学の基礎を築いたベサリウス(1516~64)、 植物分類学で偉大な業績を上げた植物学者のドドエンスRembert Dodoens(1516~85)、 石炭ガスが燃えることを発見した物理化学者のP.J. Minckelers などがいる。伝統もスゴイ が、現在の科学研究成レベルは欧州10 位以内という評価もあるので、相当高いと思われる。 ベルギーの産業に大きく貢献している感じだ。
表1.ルーヴェン大学(Katholieke Universiteit Leuven)の全体像
国公私立 国立 具体的数値 お茶の水女子大学 大学ランキング 欧州36~ 56 位 ベルギー1~4 位 世界 101~152 位 日本?位 世界?位 所在地 郊外 都心 古さ ★★★ 1425年創立 1875 年創立
学生数 ★★★ 31,000 人 3,300 人 留学生の割合 ★☆☆ 12% 7% 教員数(内・教員数) ★★★ 5,287 人(1,396 人) 262 人(262 人) 職員数 ★★★ 2,730 人 101 人 大学病院スタッフ ★★★ 8,127 人 ― 面積 ★★★ 106 万 m2 14 万 m2 部屋数 ★★★ 26,606 室 ― ・ 評価:☆極小、★小、★★中、★★★ 研究費は年額、約275 億円で、我が愛するお茶の水女子大学は総経費が 65 億円でその うち研究費はウン億円だから、ルーヴェン大学の規模は相当大きい(表2)。 表2.ルーヴェン大学の研究関連数値 研究経費(年) 約 275 億円 (1 億 9640 万ユーロ) 博士号取得者(年) 334 人 論文数(1 年間)(大学広報による) 2,359 報 バイオ系論文数(最近 5 年間)* 1,935 報
Katholieke Universiteit Leuven 1,828 報
University of Leuven 107 報 ・ *PubMed、最近 5 年間の論文数を 2 つの大学名で検索し合計した。 エラスムス計画とボローニャ宣言 不肖・ハクラク、知らなかったが、欧州の大学は、現在、大改革中である。ルーヴェン 大学も大改革中である。改革のポイントを述べておこう。 ポイントの1 つは、ルーヴェン大学と関係の深いエラスムスの名を冠した「エラスムス 計画」だ。1987 年開始で、 学生や教員が欧州域内の他大学への留学促進・交流促進である。 2004-2005 年度の学生に域内留学は、前年度に比べ、6%増加し、144,037 人にも及んで いる。教員も1万人以上がこの制度で交流した。 欧州の大学大改革:エラスムス・プログラム 不肖・ハクラク、知らなかったが、欧州の大学は、現在、大改革中である。ルーヴェン大 学も大改革中である。改革のポイントを述べておこう。 1987 年開始。 学生や教員が欧州域内の他大学への留学促進・交流促進の「エラスムス・ プログラム」(Erasmus programme)を展開している。以下の内容は、「European Voice 4
月27 日-5 月 3 日号、2006 年」の特集記事「EU Studies & Summer Schools Supplement」 による。 「エラスムス・プログラム」で、欧州の各国の大学生は、3 ヵ月~12 ヵ月、他国の大学 に留学できる。最近のEU の報告によると、2004-2005 年度の参加者は、前年度に比べ、 6%増加し、144,037 人になった。 学生の傾向は中東欧(例えばポーランド)と西欧(例えばフランス)で異なる。中東欧 の学生は、西欧国に行き学問と語学を学ぶことが目的の学生が多い。一方、西欧国の学生 は中東欧国で、新しい経験とキャリア展開の可能性を広げることが目的の学生が多い。 このことは、ポーランドの参加学生の49%が留学先で卒業論文を書くのに、フランスの 参加学生は24%ということからも裏付けられる。 中東欧国の例としてポーランドをあげたが、東欧のカザフスタンからドイツに学ぶ学生 エレーナ・ジェトピスパイエーバ(Yelena Jetpyspayeva)さんを紹介してる。 カザフスタンは大都市労働者の平均月給が300 ユーロでとても貧しい。だから、西欧に 留学する費用を得るのはとても大変。だから、ドイツ国家の奨学金をもらってドイツの大 学で学んでいる。ドイツではロシア人と間違えられるが、ロシアは大嫌いな国だ。ただ、 猛勉強しても、卒業後にドイツの会社で雇われる可能性は限りなくゼロに近い。西欧留学 は将来への赤いジュウタンとはいえない。 欧州の大学大改革:ボローニャ宣言 もう1 つは、1999 年、欧州 29 の国と地域が署名した「ボローニャ宣言」である。欧州 各国の大学の標準規格化である。以下は、中央教育審議会大学分科会の資料(2004 年 6 月 17 日)から「ボローニャ宣言の 6 目標」を抜粋しよう。 1. 比較可能な学位システムの導入:欧州市民の域内流動・就職可能性を高め、欧州の 高等教育システムの国際競争力を高める。 2. 学部と大学院の2段階構造を導入:第二段階(大学院、学位は修士号・博士号)進学条 件として最低3年の第一段階(学部)の修了を課す。 3. 単位制の確立:欧州大学間単位互換制度(ECTS)を確立する。 4. 障害を取り除き、人の移動を最も効果的に実現:学生に学習と職業訓練の機会を提 供する、教員・研究者・行政官に欧州全体の枠組みの中で研究・教育・職業訓練活
動を行う期間を設けることが重要。 5. 質保証のためのヨーロッパ域内協力の推進:比較可能な基準・方法論を開発。 6. 高等教育におけるヨーロッパの特質を促進:カリキュラム開発、機関レベルでの協 力、モビリティ向上のための方策、学習、教育訓練、研究プログラムの統合に配慮。 2010 年までに上記を達成する。 欧州の大学は、自国の大学生の育成もあるが、欧州内の学生の育成、それに、大きな戦 略として、世界中の学生の留学先になろうと、大学機能の国際競争力を大幅に強化してい る。このままいけば、欧州の大学は大きく飛躍し、10 年後には、アメリカの大学を凌駕す るだろう。正式報告書は2006 年 10 月以降にでる予定だが、ユネスコの国際大学連合
(International Association of Universities: IAU)は、アメリカの大学を意識したそうい う調査をしている。
ルーヴェン大学も「ボローニャ宣言(Bologna Declaration)」に沿った改革を続けている。 「ボローニャ宣言の6 目標」の 3 番目の ECTS(European Credit Transfer System)を説
明しよう。ECTS は、協定国の大学で取得した単位は自分お大学でも単位として認められる 制度だ。ウ~ン、スゴイ。これだと、弱小大学はつぶれてしまうが、マー、しょうがない か。 ECTS は学業を単位の取得数できめるので学年制度と合わないので、2004 年 4 月、ベル ギーの文部大臣は、学年制を廃止した。つまり、大学卒業に必要なのは、4 年間という年数 ではなく、所定の単位数ということだ。ウ~ン、スゴイ。各大学は、2005 年-2006 年にこ の制度に合うシステムにしなければならないので、現在は、カリキュラムを含め大学制度 の改革中だ。 ECTS を具体的に支える構造改革は、学年制の廃止だけではない。英語だけで単位を取得 できる教育システムへと変更中だ。これは、現在、大学院や新しい教育科目から導入して いるが、いずれ、全部、大学教育は英語で行われるだろう。 大学教育を英語で行う問題は、2 つある。1 つ目は、英語で教育できる教員の確保、英語 で教育できない現在の教員の処置である。これは一時的問題で本質的ではない。2 つ目が本 質的で、教育を自国語でしないことは、人間の思想、思考、文化などの基本が英語ベース になることだ。日本を例にとれば、学問は英語で語られ、日本語で語られないと、日本語 の科学用語は不要になり、進化せず、死語となる。英語優位の、つまり英語使用者が偉い
という感情が植え付けられ、日本文化の破壊はますます加速されるだろう。 しかし、英語の導入は避けられない。避けられないどころか、日本はもっと導入すべき だ。結局、ここ数十年の政策としては、不肖・ハクラク、バイリンガル化が理想だと思っ ている。 ルーヴェン大学の学部構成 大学は14 学部、50 学科、240 サブ学科からなる。 14 学部は 8 つの文系学部(神学部、哲学部、教会法学部、法学部、経済・商学部、社会 学部、・文学部、心理・教育学部)と6 つの理系学部(理学部、工学部、生物科学工学部、 医学部、薬学部、運動療法リハビリ科学部)からなる。 バイオ関係は理学部、生物科学工学部、医学部、薬学部、運動療法リハビリ科学部にく くられる。農学部はない。先端バイオを生物科学工学部に集約している。「運動療法リハビ リ科学部」があるのは、日本では珍しい。 ルーヴェン大学への留学とその費用 修士課程の英語コースではTOFLE で 550 点以上、コンピューター形式だと 213 点以上 が必要だ。 IELTS では 6.5 ~7.5 点が必要だ。 授業料はベルギー政府から援助があり、欧州内では安い方だと大学案内には書いてある。 学部は約70 万円(5000 ユーロ)、大学院修士の 1 年間の IMA (Initial Master’s Programmes、 オ ラ ン ダ 語 だ け) も 約 70 万 円 ( 5000 ユ ー ロ )。 大 学 院 修 士 の 2 年 間 の MAS (Master’s-Advanced Studies、オランダ語、英語、他言語あり)は、後述する。 博士課程は、登録料が約3 万 4 千円(243.40 ユーロ)、博士号試験も約 3 万 4 千円(243.40 ユーロ)、次の登録料も約3 万 4 千円(243.40 ユーロ)。つまり、登録して研究し、博士号 試験を受け、落ちると、登録からはじめ、この繰り返しのようだ。 授業料以外の留学費用は、ベルギー国内からルーヴェン大学に到着までの費用が、1 人で 125 ユーロ、夫婦で 250 ユーロ。生活初期費用(電話設置、部屋の保証金、一ヵ月家賃、
火災保険、家具の購入、電話代、水道代、電気代、生活小物代、ケーブルテレビ代、貸し 自転車保証金代など) 表3.ルーヴェン大学の留学費用 1 人 夫婦 ベルギー国内からルーヴェン大学に到 着までの費用 約1 万 8 千円(125 ユーロ) 約3 万 5 千円(250 ユーロ) 生活初期費用(電話設置、部屋の保証金、 一ヵ月家賃、火災保険、家具の購入、電 話代、水道代、電気代、生活小物代、ケ ーブルテレビ代、貸し自転車保証金代な ど) 約15 万円(1100 ユ ーロ) 約46 万円(3300 ユ ーロ) 勉学費年額(除・授業料) 約14 万円(1000 ユ ーロ) 約14 万円(1000 ユ ーロ) 生活費年額 約92 万円(6600 ユ ーロ) 約193 万円(13800 ユーロ) 年間経費 約106 万円(7600 ユ ーロ) 約207 万円(14800 ユーロ) 前学期は、9 月中旬にオリエンテーションがあり、9 月末から授業開始。1 月中旬に試験が ある。後学期は、2 月初旬にオリエンテーションがあり、2 月中旬から授業開始。6 月下旬 と 8 月下旬に試験がある。休みはクリスマスシーズン、学期の間、4 月初旬、7~9 月(夏 休み)がある。 ルーヴェン大学の昼食 旧市街のルーヴェン大学・文系カフェテリアで食事をした。トレイを取って、サラダな ど出来合いのものは、自分で好きなものを載せる。ホットミールは、係人に注文するシス テムだが、オランダ語はチンぷんカンプンだ。直系 7 センチほどの丸いパイを指差したら 「フィッシュ」というので、うなずく。皿に入れてくれた。何か言うので、「イエス」と答 えたら、野菜サラダが加えられた。さらに何か言うので、イエスと答えたが、困ったよう にさらに聞いてくる。「ワカリマセーン」顔をしていると、「マッシュポテト、ライス」と いうから「ライス」を答えたら、ライスをごっそり入れた。ライスの横の入れ物に、ゆで た丸いポテトがうまそうだったが後の祭りだ。さらに後の観察の結果、多くの人はチップ ス(フレンチフライ)を注文している。
レジで払い、ナイフ・フォークは自分で持ってくる。レジが済んでから、ドレッシングコ ーナーがあり、そこにキューリのピクルスがあるので持ってきた。これは無料みたい。さ らに、コーヒーメーカーや牛乳がビンごと置いてある。見ていると飲む人はマレだが、こ れも無料みたい。食後にいただいた。 食事後は食器を食器下げコーナーで自分で分類するシステムで、これは日本の大学のシ ステムと同じだから迷わない。 ルーヴェン大学の昼食は、 z タラ白身魚パイにベルギー風クリームソースかけ+ライス+サラダ(Maaltijd D・・・定食という意味?)3.45 ユーロ・・・写真右(左から順) z キューリのピクルス4 個 無料・・・写真左 レジで「学生?」と聞かれたが、どう見ても学生とは見えないだろうと思い、「ノー」と 答えたら、外部の人だからか、2.55 ユーロ加算された。計 6.00 ユーロ(約 840 円)だ。 味は美味しい。量も多い。大学の定食を食べるシリーズで料理をとるが、周りの人が何 を食べているか観察すると、こんなに食べている人は少ない。このシリーズを続けると太 るかもしれない。 食べながら落ち着いて周りを見ると、学部生風の人は少ない。どうやら教職員のカフェ テ リ ア に 入 っ て しまったらしい。 写真:大学カフェ テリア入り口(建 物 外 に 宣 伝 が な い の で わ か り に くかったが、にお いで見つけた。後 で Mensa 食堂と 書 い て あ る こ と に気がつく。メニ ューは手書き)
写真:大学の昼食(タラ白身魚パイにベルギー風クリームソースかけ+ライス+サラダ+ キューリのピクルス4 個) 理系キャンパスの印象 ルーヴェン大学のバイオは「理学部」、「生物科学工学部」「医学部」「薬学部」「運動療法 リハビリ科学部」の5 学部にくくられる。「農学部」のくくりはないが、「生物科学工学部」 は、旧来の農学部に新しいバイオ技術分野を加えた学部だ。「運動療法リハビリ科学部」が あるのは、日本では珍しい。 前に書いたが、ルーヴェン大学の「理学部」「生物科学工学部」「薬学部」の 3 学部は旧 市街中心から3kmほど西の公園内にある。なお、理学部生物学科のみ旧市街にある。以下 は、新市街にある理系学部のキャンパスの印象である。前出の地図のB3、B4 のピンク道 路あたりだ。 そこは、広々とした公園や川や林のあるB3、B4 にある。かつて貴族のお城があった所 が、大学に寄付されたらしい。お城の古さに合わせて建物の概観は古い。バイオ企業の研 究所が点在するという風景はない。素晴らしいひろさと美しい公園内に、レンガ作りの古 風な建物が点在するのだ。既に使われない水車小屋に水利科学の研究棟が隣接したりする。 キャンパスが広くて学生がどこにいるのか目立たない。歩いている学生はまれで、ほとん
どは自転車に乗っている。
写真:ルーヴェン大学の理学部棟(生物工学棟:近景)
医系キャンパスの印象
市街中心から2kmほど北西にある。前出の地図の C1ぼ青色が建物だ。
ここは、巨大な大学病院で、このキャンパスは公園のように美しい。病棟の外観も内 部も素晴らしい。
写真:ルーヴェン大学中央病院(「医学部」「運動療法リハビリ科学部」も隣接してる)
理学部全体とバイオ
さて、不肖・ハクラク、専門はバイオだから、ルーヴェン大学の調査といってもバイオが どうなっているかを調査することにした。特に理学部系バイオを中心に調査する。
ルーヴェン大学の理学部(Faculty of Science)は8学科ある。卒業に必要な単位は 180
単位で、授業はオランダ語である。従来は、学部教育は3 年間で、その上に 2 種類の修士
課程があった、つまり、1 年間の IMA (Initial Master’s Programmes、オランダ語だけ) と 2 年間の MAS (Master’s-Advanced Studies、オランダ語、英語、他言語あり)である。 写真:ルーヴェン大学の理学部事務棟(イエローハウスと呼ばれるが黄色ではない) 表2.ルーヴェン大学、理学部の 8 学科 (○はバイオ系) 学科名 英文名 数学 Mathematics 物理学 Physics 情報学 Informatics 化学 Chemistry 生物学○ Biology
生化学とバイオテクノロジー学○ Biochemistry and Biotechnology
地理学 Geography ルーヴェン大学の理学部(Faculty of Science)の修士は 14 専攻と学部に比べ増える。卒 業に必要な単位は 180 単位で、授業は観光学はオランダ語と英語だが、他はオランダ語で ある。英語版の修士課程は現在構築中で、理学部バイオでの専攻はない。 表3.ルーヴェン大学、理学部修士の 12 専攻 (○はバイオ系) 専攻名 英文名 単位 修士種
応用情報学 Applied Informatics 60 IMA
天文学 Astronomy 120 IMA
生化学とバイオテクノロジー学○ Biochemistry and Biotechnology 120 IMA
生物学○ Biology 120 IMA 化学 Chemistry 120 IMA 地理学 Geography 60 IMA 地質学 Geology 120 IMA 情報学 Informatics 60 IMA 数学 Mathematics 120 IMA 物理学 Physics 120 IMA 統計学 Statistics 120 IMA 観光学 Tourism 60 IMA
ソフト凝縮物質科学 Soft Condensed Matter Science 60 IMA
医学放射物理学 Medical Radiation Physics 60 MAS
生物科学工学部全体とバイオ
ルーヴェン大学の生物科学工学部(Faculty of Bioscience and Engineering)には生物科 学工学科(Bioscience Engineering)の 1 学科しかない。農学的な分野と先端的なバイオをこ の学部に集約している。卒業に必要な単位は180 単位で、授業はオランダ語である。 修士課程は3 専攻6サブ専攻で、卒業に必要な単位は 180 単位で、授業は生物情報学専 攻だけオランダ語と英語だが、他専攻はオランダ語である。どれも、1 年間の IMA (Initial Master’s Programmes)だ。 ルーヴェン大学の理学部は8学科ある。卒業に必要な単位は180 単位で、授業はオラン ダ語である。従来は、学部教育は3 年間で、その上に 2 種類の修士課程があった、つまり、
1 年間の IMA (Initial Master’s Programmes、オランダ語だけ) と 2 年間の MAS (Master’s-Advanced Studies、オランダ語、英語、他言語あり)である。
表4.ルーヴェン大学、生物科学工学部、修士の 3 専攻6サブ専攻(全部がバイオ系) 専攻名 英文名 生物科学工学 Bioscience Engineering 農学 Agricultural 生物分子工学 Biomolecular Engineering 生物システム工学 Biolsysytem Engineering
触媒科学と技術 Catalytic Science and Technology
食物科学と技術 Food Science and Technology
土地森林管理学 Land and Forest Management
生物情報学 Bio-informatics
環境技術 Environmental Technology
写真:ルーヴェン大学・理学部生 物学科のロビー展示標本(たくさ ん!) 写真:ルーヴェン大学・理学部生 物学科のロビー展示標本(シーラ カンスもいた!) 購買部での専門書 どんな教科書を使っている のか、理学部バイオ系の専門書 のうち「生化学」分野に限定し て調べた。教科書は大学教員の 原稿を大学が製本し生協で販売 すると言う、優れた方式だ。こ の方式は日本ではマレ(ない?) と思うが、海外では標準の教科 書製造だと思う。 写真:ルーヴェン大学・理系バイオ「生化学」の専門書
写真:ルーヴェン大学・理系バイオ「生物学」の教科書(オランダ語)
文献(網羅的ではない)
1. Studying in Leuven 2006-2007 (ルーヴェン大学本部でもらう)
2. EU Studies & Summer Schools Supplement」、European Voice 4 月 27 日-5 月 3 日 号、2006 年
3. General information on Leuven
http://www.leuven.be/showpage.asp?iPageID=1673 4. インターネットサイト 文献(省略) 注意 写真は、出典が示されていないのは、著者が撮影したものです。記載した内容に、著 者の誤解や元データの間違いはあると思うが、十分な検証をしておりません。そのことに よる読者の不利益、不都合に、著者は責任を負えません。また、文献引用は徹底しており ませんが、不記載でも、盗用の意図はありません。