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ベントナイト原鉱石の膨潤挙動調査

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Academic year: 2022

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(1)Ⅲ-072. 第35回土木学会関東支部技術研究発表会. ベントナイト原鉱石の膨潤挙動調査. 茨城大学 フェロー会員 安原 一哉. 学生会員 ○杉浦 航 正会員 村上 哲. 正会員 小峯 秀雄. 学生会員. 後藤 宣彦. 1. はじめに 原子炉施設,再処理施設等から発生する低レベル放射性廃棄物の処分方法の一つとし. コンクリートピット 緩衝材. て余裕深度処分が考えられている.余裕深度処分とは,地下 50〜100m の深度に処分施. 埋め戻し材 支保工. 設を設置し,埋設する処分方法である.処分の際,ベントナイト系材料とコンクリート 充填材. 系材料とで構成される人工バリアを構築することが有力視されている(図−1参照) .人. 廃棄体. 工バリア内での地下水流動の抑制等の役割を要求される緩衝材には,膨潤することで低 透水性,自己シール性を有するベントナイト系材料の利用が検討されている.ベントナ イト系材料は,現場締固め工法により施工されるため,締固め性の高いベントナイト原. 図−1 人工バリア断面図. 鉱石が候補材料とされている。これまで,クニゲル V1 等の精製された粉体ベントナイ トの膨潤挙動は多く研究されてきた 1)2)3)一方で,ベントナイト原鉱石の膨潤挙動に関す る研究は少ないのが現状である。そこで本研究では,ベントナイト原鉱石の膨潤挙動を 実験的に明らかにし,クニゲル V1 との比較を行った. 2. 使用した試料および供試体作製方法. 表−1 ベントナイトの基本的性質. 2.1 使用した試料 本研究では,ベントナイト原鉱石であるベントナイト GX(クニ ミネ工業製・クニゲル GX)と粉体ベントナイトであるベントナイ ト A(クニミネ工業製・クニゲル V1)を使用した.作製する供試体 の寸法は 60mm であるため,最大粒径 2mm のベントナイト GX を使用した.表‑1 にベントナイト GX とベントナイト A の基本的 性質を示す.. ベントナイトA1) 最大粒径 タイプ 土粒子密度(Mg/m3) 液性限界(%) 塑性限界(%) 塑性指数 モンモリロナイト含有率(%) 陽イオン交換容量(meq./g) 交換性Naイオン量(meq./g) 交換性Caイオン量(meq./g) 交換性Kイオン量(meq./g) 交換性Mgイオン量(meq./g). Na型 2.79 458.1 23.7 434.4 57 1.125 0.766 0.325 0.018 0.015. ベントナイトGX 10mm 2mm Na型 Na型 4) 2.65 344.4 355.1 23.6 22.8 320.8 332.3 40 41 0.832 0.854 0.532 0.521 0.283 0.314 0.004 0.005 0.013 0.015. 2.2 供試体作製方法 余裕深度処分では,緩衝材の施工性向上のため,ベントナイトの含水比を 21%に調整し,重機を用いた現場締固めに よる施工が考えられている.そのため,本実験では,試料の含水比を 21%付近の 24%,21%,18%および 15%に調整し, 質量 501.56(g),直径 19.95(mm)の変水位透水試験用突棒を用いた突固めにより直径 60mm,高さ 10mm を目標とした円 柱型供試体を作製した.また,ベントナイト A に関しては,含水比約 7%の試料を用い,上下二方向からの静的締固め により供試体を作製した. ベロフラムシリンダー. 3. 膨潤特性実験の概要. 載荷板. 変位計. 本章ではベントナイト GX の膨潤特性を明らかにすることを目 的とし,膨潤特性実験として膨潤圧実験および膨潤変形実験を行 った.膨潤圧実験・膨潤変形実験に使用した実験装置を図−2,図. 変位計. −3 に示す.. する圧力を計測する実験である.本実験では膨潤による鉛直方向 への変形を抑えた状態で実験を行う.実験結果は時間ごとに整理. ステンレス製リング 内径:60mm 高さ:50mm 供試体 直径:60mm 高さ:10mm. 供試体 直径:60mm 高さ:10mm. 3.1 膨潤圧実験 膨潤圧実験とは,膨潤する試料の体積増加を抑止する際に発生. ステンレス製リング 内径:60mm 高さ:50mm. ロードセル. ポーラスメタル. ポーラスメタル. 図−2 膨潤特性実験装置. 図−3 低鉛直圧膨潤特性 実験装置. キーワード ベントナイト原鉱石 余裕深度処分 膨潤特性 連絡先 〒316‐8511 茨城県日立市中成沢町 4‐12‐1 TEL:0294‐38‐5163 E-Mail:[email protected].

(2) Ⅲ-072. 第35回土木学会関東支部技術研究発表会. し,膨潤圧が定常化した状態での最大値を最大膨潤圧として整理した.ま 5000. た,実験期間は膨潤圧が定常となる 14 日間とした.. クニゲルV1 クニゲルGX. 膨潤変形実験とは,一定鉛直圧下においてベントナイトが吸水し膨潤変 形する際に発生する一次元変形量を計測する実験である.本実験では一定 鉛直圧として 19.6(kPa)を載荷した.実験より計測した一次元変形量⊿S を. 最大膨潤圧(kPa). 4000. 3.2 膨潤変形実験. 3000 2000 1000. 初期供試体高さ H0 で除し,その値を百分率表示したものを膨潤率εs(=⊿ 0 1.5. S /H0×100)と定義した.また本実験では,膨潤変形が定常化するまでに 長期間要するため, 実験期間を 7 日間とし, 膨潤率の経過時間曲線に対し, 双曲線で近似を行い,その漸近線から求めた値を最大膨潤率として結果を. 1.55. 1.6. 1.65. 1.7. 1.75. 1.8. 1.85. 初期乾燥密度(Mg/m3). 図−4 最大膨潤圧と初期乾燥密度の関係. 整理した. 4. 膨潤圧特性 図−4 にベントナイト GX とベントナイト A の最大膨潤圧と初期乾燥密. 400 350. 3. 度の関係を示す.クニゲル GX に関して,初期乾燥密度 1.58〜1.82(Mg/m ) 期乾燥密度の増加に伴い,最大膨潤圧は指数関数的に増加する 2).ベント ナイト GX に関しても,最大膨潤圧と初期乾燥密度の関係は指数関数的に 増加している.しかし,ベントナイト A では初期乾燥密度 1.58〜. 300 最大膨潤率(%). において,約 600〜1900(kPa)の最大膨潤圧が発生した.ベントナイトは初. クニゲルV1 クニゲルGX. 250 200 150 100 50. 3. 1.82(Mg/m ) の間で最大膨潤圧は約 2900(kPa)の増加が見られたのに対し,. 0 1.5. 鉛直圧19.6(kPa). 1.55. イト GX はベントナイト A に対し,初期乾燥密度の増加に伴う最大膨潤圧. 1.6. 1.65. 1.7. 1.75. 1.8. 1.85. 初期乾燥密度(Mg/m3). ベントナイト GX では約 1300(kPa)の増加であった.すなわち,ベントナ. 図−5 最大膨潤率と初期乾燥密度の関係. の増加量は小さいと言える. 5. 膨潤変形特性 図−5 にベントナイト GX とベントナイト A の最大膨潤率と初期乾燥密度の関係を示す. ベントナイト GX に関して, 初期乾燥密度 1.56〜1.79(Mg/m3)において,約 110〜140(%)の最大膨潤率が発生した.ベントナイトは初期乾燥密度の 増加に伴い,最大膨潤率は線形的に増加する 2).ベントナイト GX に関しても,最大膨潤率と初期乾燥密度の関係は線 形的に増加している.しかし,ベントナイト A では初期乾燥密度 1.56〜1.79(Mg/m3) の間で最大膨潤率は約 50(%)の増 加が見られたのに対し,ベントナイト GX では約 30(%)の増加であった.すなわち,ベントナイト GX はベントナイト A に対し,初期乾燥密度の増加に伴う最大膨潤率の増加量は小さいと言える. 4. 結論 本研究より得られた知見を以下に示す. 1)ベントナイト GX の最大膨潤圧は初期乾燥密度 1.58〜1.82(Mg/m3)において,約 600〜1900(kPa)である.また,初 期乾燥密度の増加に伴う最大膨潤圧は,ベントナイト A 同様,指数関数的に増加する. 2)ベントナイト GX の最大膨潤率は初期乾燥密度 1.56〜1.79(Mg/m3)において,約 110〜140(%)である.また,初期 乾燥密度の増加に伴う最大膨潤率は,ベントナイト A 同様,線形的に増加する. 3)ベントナイト GX は初期乾燥密度の増加に伴う最大膨潤圧・最大膨潤率の増加量が小さい. <参考文献> 1)直井優,小峯秀雄,安原一哉,村上哲,百瀬和夫,坂上武晴:各種ベントナイト系緩衝材の膨潤特性に及ぼす人口海水の影響,土木学会論 文集 NO.785/Ⅲ-70,39-49,2005.3.pp.39-49,2005. 2)小峯秀雄,緒方信英,西好一:高レベル放射性廃棄物地層処分のための緩衝材の力学 特性(その 1)‑締固めたベントナイトの吸水膨潤メカニズムの実験的検討‑ 電力中央研究所 U92039,p.33,1992. 3)鈴木英明,藤田 朝雄:緩衝材の膨潤特性, JNC TN8400 99-038, 1999. 4)伊藤弘志,千々松正和,村上利一:ベントナイト層の現場施工用材料の開発, 土 木学会第 62 回年次学術講演会(平成 19 年), CS5-001.

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