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(7) 静電高圧発生装置 ( バンデグラフ ) 静電高圧発生装置 ( バンデグラフ ) は静電気の導入で使われ, 静電気による反発 ( 図 8) や, 蛍光灯の点灯などの演示実験に使用します 静電高圧発生装置は, 数万ボルト~ 十万ボルト以上の高電圧を発生するため, 慎重に取り扱います ア使い方放電

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- 6 - ② 入力電圧の倍率調整つまみ(図2-C:VERT.INPUT)を最小の 倍率(×1)に合わせ,輝点を画面に出します。次に,輝度(図2 -H)とフォーカス(図2-G)の調整を行います。さらに,上下 (図2-B)と左右(図2-F)の位置を各つまみで調整します。 ③ 入力感度の調整つまみ(図2-A:VERT.GEIN)のゲインを最 大にし,マイクに音を入力し,波形の観察をします。波形の上 下の幅が小さい場合は,入力電圧の倍率調整つまみ(図2- C:VERT.INPUT)を高い倍率にします。 ④ 周期の倍率(図2-E:SWEEP FREQ. Hz)を調整して観察しま す。また,波形が動いて観察できない場合は,波の動きの調整 つまみ(図2-D:SWEEP VAR. or H GAIN)で調整します。 イ 注意事項 ○ ブラウン管は,1点に集中して輝点を出すと像が残ることがあ るので注意します。 ○ 入力信号の電圧が予想できないときは,入力電圧の倍率調整の つまみ(図2-C:VERT.INPUT)を最小の倍率(×1)にし,信号 入力後,徐々に大きくして調整します。 ■ 電流と磁界 (6) 磁石 磁石は,鉄,ニッケル,コバルトなどの金属を引き付けます。また, 磁石の間では,同じ極同士は反発し,違う極同士は引き合う性質があ ります。磁石の磁力(磁界の強さ)は,ネオジム,アルニコ,フェライ ト,サマリウム・コバルト,鉄など,材質によって異なります。 ア 使い方 ① 実験の用途に合った磁力の磁石を使用します。 ② 磁力が弱いときは,磁化用コイルで一度消磁し,その後,再び 磁化して使用します。 ③ 鉄粉を使って磁界の様子を観察するときは,鉄粉が磁石に直接 付かないように厚紙やプラスチックの板などを間にはさみます。 イ 注意事項 ○ ネオジムやアルニコの材質の磁石(図6,図7)は,非常に強い 磁力をもっているため,近付けただけで勢いよく鉄や磁石を引き 付け,指を挟んだり鉄や磁石を破損したりする恐れがあります。 ○ 磁力の強い磁石が鉄や磁石を引き付けたまま取れにくい場合は, 横にずらすようにすると楽に離せます。 ○ 磁石は厚紙などを挟んで保管するか,図5のように違う極をつ なぐようにして鉄の板を付け,ケースに保管します。 ○ ブラウン管,金属製の精密機器(時計など),磁気でデータを記 録したもの(キャッシュカード,ビデオテープ,カセットテープ,ハードディスクなど)に磁石 を近付けると故障の原因となるので,絶対に近付けないようにします。 図3 マイク端子との接 続 プラグの黒い輪の部分で(+) 極と(-)極が分かれています。 図5 U型磁石と棒磁石 図6 ネオジム磁石 図7 アルニコ磁石 (+) (-) 図4 マイクとオシロス コープの接続図 オシロ スコープ (+) (-) (+) (-) 1MΩ程度 の抵抗 マイク

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- 7 - (7) 静電高圧発生装置(バンデグラフ) 静電高圧発生装置(バンデグラフ)は静電気の導入で使われ,静電気による反発(図8)や,蛍光灯 の点灯などの演示実験に使用します。静電高圧発生装置は,数万ボルト~十万ボルト以上の高電圧 を発生するため,慎重に取り扱います。 ア 使い方 ① 集電球と放電球の表面に汚れがないかどうかを確認し,互 いに導線でつなぎます。 ② 集電球と放電球の距離を近付けます。スイッチを入れ,集 電球に電気を蓄え,放電球に放電させます(図9)。 ③ スイッチを切り,放電球を集電球に接触させ,帯電してい た電気を放電させます。もし,放電球がない場合や使用しな かった場合は,抵抗の大きい木の棒など(接地棒)で集電球を 触り,静電気を放電させます。 イ 注意事項 ○ 実験は乾燥した室内で行います。湿度が高くなると静電気 を蓄えにくくなります。実験中は体を静電高圧発生装置に近 付けすぎないように気を付けます。 ○ 集電球や放電球がほこりなどで汚れていると,空気中に放 電してしまうため,汚れを取り除きます。 ○ 高電圧が発生するので,ゴム手袋などを使用します。また, 腕時計などの金属装飾品を外し感電に気を付けます。ゴム長 靴などの絶縁できる履物をはくか,絶縁台(p.14 参照)に乗っ て実験を行えば,更に安全です。 ○ 集電球に触るときには十分に放電させた後,触るようにし ます。放電できていないときに集電球を触ると感電します。 ○ 放電時に火災にならないよう周りに可燃物や引火性の物質がないことを確認します。 ○ 静電気を貯め,体に電流を流す 100 人おどしなどは,心臓などに負担が掛かり大変危険です。 また,生徒に無理矢理させると PTSD(心的外傷後ストレス障害)になる恐れもあります。 (8) 誘導コイル 誘導コイル(図 10)には6Vの直流電源を使用したものと,100Vの交流電源を使用したものとが あり,どちらも数十ワット(W)程度の電力です。誘導コイルを使って電圧を上げると,空気中を火 花放電する様子が観察できます(次頁図 11)。また,クルックス管(次頁参照)の電源としても使用し ます。空気中で放電が起こるときの電位差は長さ1㎝当たり1万Vと言われており,流れている電 流は小さいのですが,大変危険です。 ア 使い方 ① 電流の流れる向きと極(とがった棒と丸い板)の距離を確認 します。空気中の放電を生徒に見せるときは,誘導コイルの極 を近付けておきます。 ② 電圧調整ができる場合は,つまみを最小にしてから,少しず つ電圧を上げていきます。 図8 静電高圧発生装置 放電球 集電球 図9 静電高圧発生装置の放 電の様子 図 10 誘導コイル

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- 8 - イ 注意事項 ○ 誘導コイルを使った実験は,危険が伴うので必ず教師実験で 行います。 ○ 直流電源型は電源の電圧を守って使用します。また,電源の 極性を間違えると放電が起こりにくくなり,規定以上の電流が 流れコイルが焼き切れて破損することがあります。 ○ 絶縁台(p.14 参照)に乗り,ゴム手袋などを使用します。また, 腕時計などの金属装飾品を外し感電を防ぎます。 ○ 電子に高電圧を掛けて加速するため,有害なX線などが 発生します。そのため,実験は短時間で行い,生徒を誘導コイルから遠ざけて観察させます。 (9) クルックス管 陰極線の観察により電子の流れを推測することができる装置です。電流(電子)の正体,電流が磁 界から受ける力について説明するときなどに使用します。 ア 使い方 ① クルックス管の極をそれぞれ誘導コイル(p.7参照)に 接続します。このとき,誘導コイルの極(とがった棒と丸 い板)が放電しないように十分に距離を取ります。また, 真空管やクルックス管を誘導コイルとつなぐ導線は,長 いものを使用します。 ② 電子が(-)極から(+)極に流れる様子を観察します。 イ 注意事項 ○ 感電やX線に気を付け,生徒をクルックス管に余り近付 けないようにします。また,観察しないときは,短時間でも誘導コイルのスイッチを切ります。 ○ 絶縁台(p.14 参照)に乗り,ゴム手袋などを使用します。また,腕時計などの金属装飾品を外 し,感電を防ぎます。 ○ 磁石を使って陰極線が曲がる実験をする場合は,体や磁石をクルックス管などの電極付近に 近付けないようにします。電圧が高く,触れなくても電流が流れる可能性があります。 ○ クルックス管に亀裂やひびがある場合は,危険なので使用しません。 (10) 電池 電圧が小さく,取り扱いが簡単なので,多くの電気器具などで 使用されています。しかし,電池は,使い方次第では大きな電流 が流れて発熱し危険なので,取り扱いには注意します。 ア 使い方 ① 1.5Vの乾電池には,図 12 のように左から単1型~単5型 まであります。ボタン電池には,1.5Vのものと3Vのものが あります。その他,用途に応じていろいろな電池があり,電 気器具には指定された電池を使います。 ② 電気器具の(+)と(-)極の向きを確認し,電池を入れます。機器によっては,入れ方を間違 えても作動することがあります。ただし,間違ったまま使っていると電気器具や電池の破損, 発熱などを起こし危険です。 クルックス管 図 11 誘導コイルの放電の様子 図 12 いろいろな乾電池 (+)極 (-)極

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- 9 - ③ 「充電式」と明記されていない電池は充電してはいけません。充電できない電池に充電する と,液漏れや発熱などで電気器具や電池が損傷するばかりでなく,火災などの事故につながり ます。 ④ 新しい電池と使用後(又は使用中)の電池,アルカリ電池とマンガン電池などの種類の違う電 池を混ぜて使うと寿命が短くなり,性能が落ちることがあります。 ⑤ 電池の液漏れの多くの原因が電気器具などのスイッチを切り忘れたことによるものです。ま た,長時間電気器具を使わないときは,電池を取り出しておきます。そのままにしておくと, 液漏れが起こり,機器の金属が腐食するなど故障の原因になります。 ⑥ 二次電池(鉛蓄電池,ニッケル水素蓄電池など)は,取り扱い説明書を十分に読んで使用しま す。特に,充電の際,極性を間違えて充電しないようにします。 イ 注意事項 ○ 誤って回路をショートさせたときは,液漏れなど破損がないかどうか電池を確認します。 ○ 無理な取り扱い(電池の分解,改造,ハンダ付け,加熱等)をすると,電池内部が損傷するば かりか,発火等の事故につながります。 ○ 金属類と一緒に保管すると,(+)極と(-)極に金属が触れ てショートすることがあります。2個直列につないだ電池の (+)と(-)極をスチールウールでつなぐと,電流が流れて赤 熱します(図 13)。そばに乾いた紙など燃えやすい物があれば, 引火する可能性があります。特に,高容量の電池は,ショー トすると発熱量が大きく,やけどをすることがあります。 ○ 電池を飲み込んだときは,吐き気や腹痛,黒色の便を伴っ た下痢,ほっしんの他,食道に引っ掛かったり,胃壁に穴 が空いたりすることもあります。無理に吐かせようとせず, すぐに病院へ連れて行きます。その際,飲み込んだ電池と 同じ電池を持ち込めば,電池の種類や大きさ等が分かり,処置に役立ちます。 ○ 漏れた液が体や衣服に付着したときは,皮膚障害を起こすことがあるので,すぐに水で洗い 流します。目に入ったときは,きれいな水でよく洗わせ,すぐに医師の診察を受けさせます。 ○ 機器中の液漏れは,綿棒などでふき取ります。作業後は,必ず手を水で洗い,液漏れした電 池は捨てます。 ○ 電池を処分する際は,各自治体の規定に従って処分します。 (11) 電源装置 中学校では,直流電流を使う実験が多く,100Vの交流電流を整流し,実験に必要な直流電流を 安定した電圧で取り出すことができます。 ア 使い方 ① スイッチを入れて,パイロットランプを点灯させ,電圧が 調整できるかどうかを確認します。 ② 実験するときは,電圧調整のつまみが0になっていること を確認してから電源のスイッチを入れます。ゆっくり電圧調 整つまみを回し,少しずつ電圧を上げ,電流を流します。 ③ 使用後は,ゆっくり電圧調整のつまみを回し,0にしてか らスイッチを切ります。その後,回路を電源装置から外します。 電源装置 電圧調整つまみ 図 13 燃えるスチールウール

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- 10 - イ 注意事項 ○ 電源コードの破損,パイロットランプの点灯,電圧が正常に加わるなど確認します。 ○ 電気回路では,電流が流れていない回路に急に高い電圧を加えたり,加えていた電圧を急に 切ったりする場合は,予想以上の高電圧が加わることがあります。そのため,電圧調整つまみ を0にしないまま電源を入れたり,電圧調整つまみを0に戻さないで電源を切ったりしないよ うにします。 ○ 抵抗値の小さい器具(発光ダイオードや電気ブランコの実験など)は,電流の値が電源装置の 限度を超えないように注意します。 ○ 回路に流れる電流が全く予想できない場合は,事前にテスターなどを使って回路全体の抵抗 値を測定しておきます。 ○ 電源装置のパイロットランプが点灯せず電圧が調整できない場合は,ヒューズ切れが原因と して考えられますので,ヒューズの確認をします。ヒューズは電源装置の破損を防ぐために, 決められた規格(電流の大きさ)のものを使用します。また,最近は保護機能が働く機器もあり ます。この場合は,一度電源を切り,しばらく時間を置けば再び使用できます。 (12) 発光ダイオード ダイオードは整流作用[電源の電圧を(+),(-)の極に正しく加えると電流が流れるが,極を逆 にすると電流を流さない]をもつ電子素子です。電流が流れることによって発光するものを発光ダ イオードと言います。発光ダイオードは,消費電力や発熱量も小さく,また,発せられる光も広が りにくく,素子そのものはほとんど永久的に使えるという性質をもっています。高輝度発光ダイオ ード(LED)のように明るいものが近年実用化され,信号機や懐中電灯などいろいろなところで利用 されています。 ア 使い方 ① 発光ダイオードの規格(電圧と電流)を確認します。 ② 図 14 のように長い方を電源の(+)側の端子に,短い方 を(-)側の端子にそれぞれつなぎます。 ③ 電圧を少しずつ大きくしながら発光させます。暗い部屋 で発光したダイオードを横に振ると,直流では連続して発光 するので,1本の直線に見えます。また,交流では1本の点 線に見えます。 イ 注意事項 ○ 発光ダイオードは点灯する電圧が決まっているため,大きな電圧を掛けると壊れてしまうこ とがあります。電圧が小さ過ぎると電球のように暗くなるのではなく,点灯しません。 ※ 発光ダイオードが点灯するためには,赤色,だいだい色,黄色,緑色で 2.1V程度,白色, 青色で 3.5V程度,紫色で 4.5V~6Vの電圧が必要です。 ○ 発光ダイオードは,電流を(-)から(+)に流さない整流作用がありますが,逆向きの電圧が 掛かると通常は5V程度で壊れるため,整流の用途に使用することはできません。 ○ 端子をクリップではさむとき(図 14)は,クリップどうしが接触してショートしないように注 意します。 図 14 発光ダイオード 長い方が (+)極です。 短い方が (-)極です。

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- 11 - (13) 電流計,電圧計 ※ 以下の[ ]内は,電圧計の内容を示してい ます。 電流計[電圧計]には図 15,16 のように直流用 と交流用があり,使用するときは電源装置(p.9 参照)の確認が必要です。中学校の実験では主に 直流用を使います。 直流用の電流計[電圧計]には,赤の (+)端子と 50mA,500mA,5A[3V,15V, 300V]の通常3つの灰色か黒色の(-)端子があ ります。(-)端子の数値は,その端子につない だ場合に測定できる電流[電圧]の最大値を表し ています。 ア 使い方 ① 水平な机の上に置き,使用する前に調節 ねじで,指針を0に合わせておきます。 ② 最初に電源装置の(+)側に(+) 端子を, 次に,電源装置の(-)側に(-)端子を測定 したい部分に対し,直列[並列]に つなぎます。 ※ 測定したい部分の電流[電圧] の大きさ が予想できないときは,一番大きな(-) 端子を使用し,回路とつなぎます。 針の振れが小さすぎるときは,スイッチ を切り,導線を(直流電流計[電圧計] の場合は,500mA,50mA[15V,3V] の順に)小さい電流[電圧]を測定できる(-)端子へつなぎ換えます。 ③ ショートした回路になっていないか,また,電流計[電圧計]は正しく直列[並列]につながれ ているかを再度確認してから,スイッチを入れ実験を始めます。もし,針が(-)側に振れた場 合は,すぐに電源装置のつまみを戻し,電源を切ります。その後,電流計[電圧計]の(+)と(-) の接続の向きを正しくつなぎ換え,電源装置のスイッチを入れます。さらに,電圧調整つまみ を回し,回路の電流[電圧]を測定します。 ④ 正面から最小目盛りの 10 分の1まで読みます。 イ 注意事項 ○ 精密機器なので,持ち運びや取り扱いを慎重に行います。また,磁界に敏感なので,磁石を 近付けないようにします。 ○ 間違って電流計を並列につないだ場合,電流計の内部の抵抗が非常に小さいため,大きな電 流が流れ,電流計が壊れるだけではなく,回路がショートし発熱や電源の破損につながります。 ○ 間違って電圧計を直列につないだ場合,電源のスイッチを入れ電流を流していても,どの(-) 端子につないでも電圧計の針が全く振れません。 ○ 電流の値が変わる回路の測定を行うときは,実験の途中で(-)端子を切り換えてはいけませ ん。他の(-)端子につなぎ換えると,異なる内部抵抗に電流が流れ,測定値の誤差が生じます。 図 15 直流用電流計(左)と交流用電流計(右) Aの下の~(波線)は交 流用を示しています。 Aの下の-(直線)は直 流用を示しています。 調節ねじ 図 16 直流用電圧計(左)と交流用電圧計(右) Vの下の-(直線)は直 流用を示しています。 Vの下の~(波線)は交 流用を示しています。 調節ねじ

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- 12 - ○ ガラス管ヒューズを使用している電流計[電圧計]の場合,(-)端子に接続したときに針が振 れないことがあります。このときは,裏のふたを開け,ヒューズが切れていないか確認します。 ヒューズを交換する場合は,電流計[電圧計]の破損を防ぐため決められた規格(電流の大きさ) のヒューズを使用します。 (14) 検流計 電磁誘導などで発生する微小な誘導電流の向きや強さを測定す る機器です。入力電流を増幅することができる検流計もあります。 基本的な使い方や注意事項は,p.11 の「ア 使い方 (①③④)」 と「イ 注意事項」の電流計の部分を参照します。 ア 使い方(誘導電流を測定する場合) ① 検流計とコイルを直列につなぎます。誤差を少なくするため に,使用するすべての導線は,一定の太さをもつできるだけ短 い導線を用います。 ② 入力電流を増幅できる検流計(5Aと 0.5Aの切り替えがある)の場合は,最初は,増幅しな いまま(スイッチ5A)で実験します。針の振れが小さい場合は,スイッチを切り替え (スイッ チ 0.5A)入力電流を増幅します。 ③ コイルや磁石を動かして,針の動く向きと振れ幅で,誘導電流の向きや強さを確認します。 磁石を速く動かしても,電流が小さくて測定できない場合は,磁力の強い磁石を使うか,コイ ルの巻き数を多くします。 イ 注意事項 ○ 電流計よりも微小な電流の強さを測定する器具なので,入力電流の大きさに特に注意します。 検流計の内部抵抗は非常に小さいので,大きな電流が流れるとすぐに壊れます。また,持ち運 びや取り扱いは,特に慎重に行います。 (15) はく検電器 はく検電器は,金属の自由電子の移動を利用し,静電気の検出実験に使いま す。薄いアルミニウムはくを使用すれば,生徒に自作させることも可能です。 ア 使い方 ① 金属板に静電気を帯びたものを近付けたり,触れさせたりすると同種の 電荷によって2枚のはくが反発して,開きます。 ② 金属板を指で触るなどすれば,はく検電器から電気を逃がすことができ, はくが閉じます。 ※ 身近な塩化ビニルの材質の棒をティッシュペーパーでこすって,静電 気を発生させます。このとき,塩化ビニルは(-)の電気を,ティッシュ は(+)の電気を帯電します。 イ 注意事項 ○ はくやガラスの部分などは,壊れやすいので大切に扱います。また,分解して中からはくを 取り出すさないようにします。 ○ 金属板が汚れているとはくが動きにくくなってしまうため,きれいにしておきます。 はく検電器 検流計

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- 13 - (16) ネオン管 ガス放電管の一種で,電流が流れることによって発光しま す。中学校では静電気の検出に使用します。ネオン管には, 図 17 のように,電極の作りによって2種類のものがあります。 図 17 のⅰのネオン管は,電流が流れるとbかcのどちらかの 電極が光ります。それによって,(+),(-)のどちらに帯電 しているのかを確認することができます。また,ⅱのネオン 管は,電極の間が狭いため,電流が流れたときに電極が光る ことだけは確認できます。 ア 使い方 ① 下敷きなどを十分に摩擦し,帯電させます。 ② ネオン管の片方の金属部分(図 17 の d)を持つようにし, もう片方の金属部分(図 17 の a)を下敷きなどの帯電した ものに近付けます。すると,ネオン管の電極が一瞬光ります。なるべく部屋を暗くして実験を 行うと光ったことを確認しやすくなります。 ③ ②の場合,ⅰのネオン管は,電子が飛び出す方の(-)極が光ることを確認できます。つまり, 帯電した物体に金属部分aを近付けたとき,bの電極が光ると,物体には,(-)の電気が帯電 していると言えます。 イ 注意事項 ○ ネオン管は,高電圧であれば微弱な電流でも点滅します。しかし,乾電池などをつないでネ オン管を光らせようとしても,電圧が低いため光らせることはできません。 ○ 雨の日など湿度の高いときは,実験がうまく行かないことがあります。できるだけ乾燥した 日に実験を行います。 ■ 運動とエネルギー (17) 記録タイマー 物体の速さを調べるときに使用します。記録タイマーには,打点式と放電式があり,電源の周波 数(東日本:50Hz,西日本:60Hz)により打点の数が違い ます。佐賀県の場合,電源の周波数は 60Hz なので,1秒 間に 60 回打点します。 ア 使い方 ① 記録タイマーを机や板などに固定します。記録タ イマーの固定金具がない場合は,クリップや手で記 録タイマーが動かないように押さえます。 ② 記録テープを必要な長さ分だけ切り,記録タイマ ーにセットします。このとき,記録中にテープがた るまないようにするために,物体が移動する距離よ りも少し短いくらいの長さに切ります。 ③ 記録テープを力学台車(運動を記録する物体)などに取り付け,記録テープにねじれやたるみ がなく,スムーズに動くことを確認します。 ④ スイッチを入れ,力学台車(運動を記録する物体)などを動かし,記録テープに打点させます。 記録タイマー 図 17 作りの違う2種類の ネオン管 打点式の記 録タイマー 放電式の記 録タイマー

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- 14 - イ 注意事項 ○ 放電式の場合は,電極が加熱し破損する可能性があるので,記録テープを止めたまま長時間 電流を流さないようにします。さらに,感電を防ぐために放電する部分を指などで触らないよ うにします。 ○ 放電式の記録テープは,進行方向やテープの裏表が決まっているので,逆にならないように します。また,打点式の記録タイマーは,カーボン紙の上から打点をして,普通紙のテープに 記録します。そのために,カーボン紙の裏表が逆にならないように気を付けます。 【資料】 電気による事故を防止するために (1) 感電の防止 一般に,電圧が高いほど感電しやすくなりま す。電圧が低くても,大きなショックを受ける ことがあります。これは,身体の中を通る電流 の大きさと電流が流れる経路によって,人体へ の影響が決まります。家庭用コンセントの 50~ 60Hz の交流電流が身体に流れると個人差はあ りますが,影響はおおむね右枠に示すとおりで す。 高電圧の装置や水を使う装置などは,電源コードにア ース線が付いているので,感電を防ぐために各装置をア ースします。また,ぬれた手で装置を扱わないようにし ます。さらに,操作するときは,ゴム長靴などの絶縁で きる履物をはくか,絶縁台に乗って作業します。 (2) ショートの防止 抵抗が非常に小さな回路に電流を流すと,ショートした 状態となり,発熱や発火,あるいは,電源装置や乾電池の破損につながり注意が必要です。 電気器具にはヒューズなどの安全装置が付いていますので,ショートにより大きな電流が 流れてしまった場合には,ヒューズが切れます。そのときは,器具の使用を中止し,ヒュー ズを交換するとともに器具や回路の点検を行います。 電源コードや導線の破損によりショートすることがあるので,器具の使用前に必ず点検を します。使用中に煙が出たり,プラスチックが焼けるような異臭がしたりする場合には電源 コードや導線のショートが考えられます。速やかにコンセントからプラグを抜き,器具の使 用を中止します。 (3) 発熱 電気を使用すると機器や回路等で発熱を生じます。そのため,自作した回路を使う場合に は,発熱の対策が必要です。電球やニクロム線などは非常に発熱しやすいために,導線の皮 膜が溶けることもあり注意が必要です。 コンセントをテーブルタップで分岐すると,許容量以上の電流が流れ,タップやプラグが 熱で溶け,ショートする恐れがあります。テーブルタップなどを使用する場合は,事前に許 容量と使用する電流の大きさや電力を確認しておきます。 また,コードを束ねたままで使用すると,コード自体の抵抗で発熱するばかりか,放熱が 妨げられ,束ねた部分が高温になることがあります。そのため,コードは束ねて使用しない ようにします。 絶縁台 0.001A( 1mA) … チクッとする 0.005A( 5mA) … 相当な痛みを感じる 0.01 A( 10mA) … 耐えられない 0.02 A( 20mA) … 筋肉の収縮が起こる 0.05 A( 50mA) … 呼吸困難になる 0.1 A(100mA) … 致命的な状態になる

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