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アメリカ政治学における女性議員の研究

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<論 文>

アメリカ政治学における女性議員の研究

⎜⎜女性議員数の増加とその効果を中心に⎜⎜

吉 野 孝

1. アメリカ政治学と女性議員数の増加

アメリカにおいては 1970年代以降,女性議員 数は増加の一途をたどった。連邦議会の場合,第 93議会(1972年選出)では 15名(連邦議会議員 総数の 3.0%)であった女性議員の数は,第 98 議会(1982年選出)で 24名(同 4.5%),第 103 議会(「女性の年」と称された 1992年 選 出)で 54名(同 10.1%)に増加し,第 108議会(2002 年選出)でその数は 74名(同 13.8%)に達した。

また,州議会の場合,1971年には 344名(州議 会議員総数の 4.5%)であった女性議員の数は,

1981年 に 908名(同 12.1%),1991年 に 1,368 名(同 18.3%)に 増 加 し,2001年 に そ の 数 は 1,666名(同 22.4%)に達した。現在でも連邦 議会では女性議員数が微増する傾向にあり,また,

州議会では女性議員比率が一貫して 22%を維持 していることを考えると,女性議員数の増加傾向 はある程度まで定着したように見える。

これまでアメリカにおいて,政治的社会化によ る役割認識の形成,家事や育児などの女性に特有 の負担,予備選挙制と小選挙区制,現職議員の再 選率の高さなどの要因により女性が政治に参入す ることは難しいと指摘されてきたことを考える と,過去 30年間に女性議員数が一貫して増加し てきたのは注目すべき事実である。しかしながら,

女性議員数の増加とその効果に関する研究は必ず しも満足のゆくものではなかった。

第1に,女性議員数の増加現象に関する研究は 不十分であった。1992年選挙における女性議員

数の激増を別にすると,女性議員数を増加させた 要因,この増加の構造的特質⎜⎜増加は一時的か 継続的か⎜⎜は体系的に分析されなかった。しか も,疑問はこれらにとどまらない。なぜ州議会の 女性議員の増加数と増加率は州ごとに異なってい るのであろうか⎜⎜ 2001年の場合,ワシントン 州議会の女性議員比率は 38.8%,アラバマ州議 会の女性議員比率は 7.9%であった。女性州議 会議員と女性連邦議会議員の間に,女性議員のキ ャリア・ルートのようなものが確立されているの であろうか。これらも女性議員数の増加現象の特 質を解明するのに必要な疑問である。

第2に,女性議員数増加の効果に関する研究は 不十分であった。かつて女性議員が少数であった ことを考えると,議会における女性の数的代表性 の増大は重要な変化である。しかし,女性の数的 代表性の増大はそのまま女性の政治的代表性の増 大につながるわけではなかった。女性議員はどの ような方法で政策選好を実現しようとしたのであ ろうか。彼女たちの活動は何らかの意味ある効果 をうみだしたのであろうか。女性議員数増加に関 する多くの研究は「女性は差異をつくりだすの か」という疑問を提起したものの,それに対する 明確な解答を提示してこなかった。アメリカの政 治学者スーザン・キャロル(Susan J. Carroll)

も,この点について次のように指摘している。

公職につく女性の数の増加は,ジェンダーの 政治的意味について重要な疑問を提起する。ア メリカの選挙政治システムが大きく変わること がなければ,公職につく女性の数の漸進的増加 は 21世紀に入っても続く可能性が高い。ますま す多くの女性が公職につくにともない,公共政

* 早稲田大学政治経済学部教授

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策および政治過程に対してその帰結がどのよう なものになる可能性が高いのかを理解すること はきわめて重要である。」

本論文の目的は,アメリカ政治学において女性 議員数の増加現象とその効果がどのように研究さ れてきたのかを明らかにすることにある。まず,

州議会および連邦議会における女性議員数の増加 動向と増加の要因を検討し,女性議員数の増加が 社会構造および政治の変化に深く根ざすものであ ることを示唆する。次に,どのような視点と方法 で女性議員数増加の効果が研究され,どのような 効果が観察されたのかを検討する。最後に,アメ リカ政治学における女性議員数の増加とその効果 に関する研究の今後の課題と問題点を考察する。

2. 女性議員数の増加動向

2.1. 州議会の場合

1971年から 2005年までの 50州の州議会議員 総数に占める女性議員比率の推移(グラフ1)を 見ると,女性議員比率は 1971年以降ほぼ一定の 比率で上昇を続け,1995年から増加率が鈍化し,

1999年に女性議員比率が 22%に達して以降,そ の比率に大きな変化はない。一貫して民主党女性 議員の比率が高いのは,民主党が 1970年代初頭 の大統領候補者指名過程をめぐる改革の中で女性 代議員比率を高めることを提案し,それ以降も 女性に対するアファーマティブ・アクションの導 入を進めてきたからである。しかしながら,州ご とに見ると,女性議員数増加のパターンは均一で はない。州議会の女性議員比率の上位5州および 下位5州の一覧(表1)を見ると,①州議会の女 性議員比率には全体として上昇傾向が観察される ものの,州ごとの女性議員比率はいちじるしく異 なっている,②女性議員比率上位5州の内訳はあ る程度変化するものの,下位5州は南部に集中し ている,ことがわかる。

1970年代以降の女性州議会議員数の増加は,

いくつかの要因から説明することができる。とく に 50州に共通するのは,次の要因であろう。

第1に,フェミニズム運動の高揚があった。ア メリカにおいては 1960年代に多くの女性の間に,

女性の地位の低さや男女不平等慣行に対する不満 が 高 ま り,1966年 の 全 米 女 性 機 構(National Organization of Women)の結成を契機に,女 

性解放運動が組織化された。この運動は,当時の 黒人差別の撤廃を求める公民権運動やヴェトナム 反戦運動とともに大きな政治運動に発展し,アメ リカ社会に対して女性の役割の見直しを迫った。

そして,この運動と男女平等原則を支持する当時 の 強 い 世 論 に よ り,1972年 に は 平 等 権 修 正

(Equal Rights Amendment)が連邦議会で可決 され,合衆国憲法第 27修正として各州に提案さ れた。とくに全米女性機構はこの提案を批准さ せるため,50州で活発な運動を展開した。こう した運動が多くの女性に政治への関心を喚起し,

政治参入の必要性を認識させた。

第2に,女性の政治参入を容易にする技術発展 があった。アメリカの国土は広大であり,かつて 都市農村間および都市間を迅速に移動する手段は 存在せず,人の水平的移動は制約されていた。こ の問題が解決されたのは,1970年代以降であっ た。1970年代には,アメリカ全土が6万 5,000 km に及ぶインターステイト・ハイウェーによっ て結ばれ,さらに航空機が発達し空路網が整備さ れた。その結果,国内を移動することが容易にな っただけでなく,州内をより短時間で移動するこ とが現実に可能となった。これにより,家事と育 児に時間がとられる女性の活動の範囲は拡大した。

また,テレビを中心とするマス・メディアの発達 により,家事と育児に時間がとられる女性が政治 情報を即座に入手することが可能になった。

第3に,女性議員予備軍の規模が拡大した。こ れまでの研究では,性別役割に関する政治的社会 化によりビジネス,経営者,専門職など政治公職 者が補充される職業につく女性の数が少なく,そ の結果として,議員候補者のなり手が少ないこと が指摘された。しかし,アメリカにおいては 1970年代以降,働く女性の数は着実に増えた。

その中でも,1983年に 38.5%であった管理職に 占める女性の比率は,2000年には 45.3%に増加 し,また,1983年に 12.8%であった弁護士・裁 判官に占める女性の比率は,2000年には 29.7%

に増加した。彼女たちがみな政治を志向し議員

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に志願するわけではないとしても,もし立候補す るなら,経済基盤の安定性,管理運営の能力と経 験,専門知識などの点から有力候補者と見なされ る潜在的女性議員候補者の数が増大しているのは 事実であろう。

第4に,多くの女性支援組織が女性候補者を補 充し,彼女たちに選挙資金を提供した。たとえ女 性個人が州政治に関心をもったとしても,それだ けで州議会議員に立候補するとは限らない。彼女 に立候補を決断させるのは,選挙運動の具体的ノ グラフ1 州議会における女性議員数の推移

表1 州議会における女性議員比率の上位5州および下位5州

1981年 1991年 2001年 2005年

ニューハンプシャー 29.2 アリゾナ 34.4 ワシントン 38.8 メリーランド 35.6

ワシントン 23.8 メイン 32.8 アリゾナ 35.6 デラウェア 33.9

コネチカット 23.5 ニューハンプシャー 31.8 ネヴァダ 34.9 ネヴァダ 33.3

コロラド 23.0 ヴァーモント 31.7 コロラド 34.0 ヴァーモント 33.3

メイン 22.8 ワシントン 31.3 オレゴン 33.3 ワシントン 33.3

テネシー 4.5 アーカンソー 7.4 ミシシッピー 12.6 ペンシルヴェニア 13.4

アラバマ 4.3 ミシシッピー 6.9 ケンタッキー 10.9 ミシシッピー 12.6

アーカンソー 3.7 アラバマ 5.7 サウスキャロライナ 10.6 ケンタッキー 12.3

ルイジアナ 1.4 ケンタッキー 5.1 オクラホマ 10.1 アラバマ 10.7

ミシシッピー 1.1 ルイジアナ 2.8 アラバマ 7.9 サウスキャロライナ 8.2

(注) 州名の次の数値は比率%。

(出典) Center for American Women and Politics, Fact Sheet,“Women in State Legislatures 19 81”;Fact Sheet,“Women in State Legislatures 19 9 1”;Fact Sheet,“Women in State Legislatures 2001”  ;Fact Sheet,“Women in State Legislatures 2005.”  

(注) 1971,73,75,77年の場合,女性議員の所属政党は不明である。

(出典) Center for American Women and Politics,Fact Sheets,“Women in State Legislatures 19 71,19 73,19 75,19 77,19 79 , 19 81, 19 83, 19 85, 19 87, 19 89 , 19 9 1, 19 9 3, 19 9 5, 19 9 7, 19 9 9 , 2001, 2003, 2005.”

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ウハウを教え,実際に選挙資金を提供する支援組 織⎜⎜政治活動委員会(political action commit- tee)⎜⎜である。これを代表するのが,全国女 性 政 治 コ ー カ ス(National Womenʼs Political Caucus,1971年 設 立),女 性 選 挙 運 動 基 金 

(Womenʼs Campaign Fund,1974年 設 立),エ ミ リ ー ズ・リ ス ト(EMILYʼs List,1985年 設 立),ウィッシュ・リスト(WISH  List,1991年 設立)であり,全米女性機構も 1982年に政治活 動委員会を設置した。これらの組織は女性連邦 議会議員候補者への支援活動で有名であるとはい え,各組織は 50州に支部をもち,それらの支部 中心に女性州議会議員候補者を活発に補充し,彼 女たちに積極的に選挙資金を提供した 。

これら女性の州議会議員選挙への立候補を促す 条件が整うにともない,実際に女性候補者数は増 加した。1974年に 1,125名であった 50州の州議 会議員選挙への民主・共和2大政党の立候補者数 は,1984年 に 1,756名 に,1994年 に は 2,274名 に増えた。しかも,女性候補者の当選率も上昇し た。1974年に 53.7%であった当選率は,1984年 に 62.8%に,1994年に 67.0%に達 し,1996年 以降,女性候補者の当選率は 70%を越 え て い る 。一般に候補者が当選するか否かは,知名度,

選挙資金,競争の度合など多様な要因によって決 まる。しかし,現在,70%以上の女性州議会議 員候補者が当選しているとするなら,これは有力 な女性候補者⎜⎜安定した経済基盤,管理運営の 能力と経験をもつ⎜⎜の数が増え ,そのような 候補者がますます多額の選挙資金を調達するよう になった結果であると考えてもよいであろう。

さて,50州の女性州議会議員数が増加してき たのにもかかわらず,その比率は州ごとに大きく 異なっている。これまで女性州議会議員比率の州 間差異の説明要因として挙げられてきたのは,州 の政治的特徴(イデオロギー,政治文化,政党支 持の強さ),州の人口・社会統計,州の選挙制度

(小選挙区制,大選挙区制,公的資金援助制度の 有無),州議会の特徴(議員の交代率,議員に求 められる作業量・知識量から指標化した州議会専 門度)などである。最近ではこれらに加えて,州 議会議員の任期制限制度が多くの研究者の関心を 集めている。

任期制限とは,議員の多選を抑え,「議員に選

挙民の政策選好を議会でより忠実に表明させる」

ことを目的とする制度である。1990年にコロラ ド,カリフォルニア,オクラホマの3州で州議会 議員の任期制限制度の採用が決定されて以来,

2004年現在,16州が同規定をもっている 。同 制度の評価はいまだに定まってはいないものの,

これを採用している州では,議員の交代率が上昇 していることが明らかになっている(表2)。こ れまでの研究で「現職の耐久力と現職不在議席の 数の少なさ」が女性候補者の当選に対する障害で あると指摘されてきた ことを考えると,州議会 議員の交代率の上昇は女性の立候補と当選の機会 構造が拡大することを示唆している。

女性州議会議員比率の州間差異を説明する多様 な要因の相対的重要性は多くの研究者によって分 析されてきたものの,研究者の間に必ずしも意見 の一致はない。ここでは,ノランダー(Barbara Norrander)と ウ ィ ル コ ッ ク ス(Clyde  Wil-  表2 任期制限制度を採用する州と採用しない州における

州議会議員の交代率:1981‑2002

州 下 院 州 上 院

採用州 非採用州 採用州 非採用州

1982 32.0 31.9 26.6 28.8

1984 21.8 24.8 17.9 21.9

1986 23.9 20.9 19.9 18.4

1988 20.8 18.2 17.5 18.4

1990 24.6 22.6 22.2 22.1

平均 1981‑90 24.6 23.9 21.3 22.9

1992 33.7 30.9 29.4 30.6

1994 30.8 26.1 26.6 24.0

1996 26.5 19.3 22.7 20.1

1998 29.8 17.3 21.4 16.3

2000 33.9 15.3 26.5 14.0

平均 1991‑00 30.8 22.3 25.9 22.3

2002 36.9 26.2 33.8 25.3

(注) 単位%。任期制限制度採用数は,アリゾナ,アラスカ,

カリフォルニア,コロラド,フロリダ,ルイジアナ,メイ ン,ミシシッピー,ミズーリ,モンタナ,ネブラスカ,ネ ヴァダ,オハイオ,オクラホマ,サウスダコタ,ワイオミ ング。 任期制限制度が採用されたものの廃止された5州

(アイダホ,マサチューセッツ,オレゴン,ユタ,ワシント ン)は含まれていない。それ以外の州は,任期制限制度を 採用していない州である。

(出典) Gary F. Moncrief, Richard G. Niemi, and Lynda W.Powell,“Time,Term Limits,and Turnover:Trends  in  Membership  Stability  in  U.S. State Legislatures,” 

Legislative Studies Quarterly,vol.29,No.3,August 2004,p.

366.

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cox)による最新の研究を挙げておこう。彼女ら は,2004年の州議会両院の女性議員比率と多様 な要因の関係を分析し,①選挙費用の大きさと州 政党による女性候補者への寄付額,②選挙民の間 での民主党支持者の比率,③選挙民のイデオロギ ー志向(リベラルと答えた者の比率),④専門職 につく女性の比率,⑤働く女性の比率,⑥非常勤 議会の順序で,女性議員比率を高める傾向がある ことを指摘した 。

ところで,このような分析方法と分析結果には 注意すべき点がある。

第1に,女性議員比率と州の人口規模の関係を もっと重視する必要がある。表1からも明らかな ように,女性議員比率上位5州に入っているのは 相対的に人口規模が小さな州である。このことは,

人口規模が小さな州では大規模な選挙運動を組織 化し多額の選挙資金を投入する必要がないので,

女性が州議会議員選挙に立候補し当選するのが相 対的に容易であることを示唆している。

第2に,州議会議員の任期制限制度が女性議員 比率にどのような効果を及ぼしているのかを測定 するためにはもう少し時間が必要である。ノラン ダーらの分析において,この制度と女性議員比率 の明確な関係が観察されなかったのは,おそらく 事例が少なかったからであろう。というのは,こ の制度により任期が終了した議員数は 1996年選 挙で2州 52名,1998年選挙で7州 203名,2000 年選挙で 12州 377名 となり,ようやく事例が 集まりはじめたところである,からである。

また,カリフォルニア州議会下院で 1992年選 挙から増加した女性議員数が 1996年の任期制限 制度施行後に減少したことを根拠に,一部の研究 者はこの制度のマイナス効果を指摘した 。しか し,これには別の説明がなされている。たとえば,

キャロルとジェンキンス(Krista Jenkins)によ ると,カリフォルニア州で女性州議会議員数が一 時的に減少したのは,任期が終了した女性州下院 議員は辞職し,同様に任期が終了した女性州上院 議員の選挙区に立候補してその議席を獲得したも のの,辞職した女性州下院議員の議席は新人女性 候補によって補充されなかった,からである。こ れはいわば州下院と州上院の間の「パイプライン 効果」であり,州議会議員の任期制限制度を活用 するためには,州下院レベルでの女性議員予備軍

の育成が急務である 。

なお,検討すべき疑問も残されている。たとえ ば,1990年代中頃以降に女性州議会議員比率が 急激に上昇した多くの州では,直後にその比率が 下降している。その理由は何であろうか。現在の 50州の州議会の女性議員比率 22%は,女性州議 会議員の上限を意味しているのであろうか。これ らの疑問に答えるためには,女性議員予備軍の規 模の拡張可能性,その中で立候補を決意する女性 の予測される比率,選挙民の間での女性議員が許 容される度合などの要因も考慮しなければならな い。したがって,ここでは 22%という 50州の州 議会の女性議員比率を多くの要因の偶然の結果で あると考えておこう。

2.2. 連邦議会の場合

第 92議 会(1970年 選 出)か ら 第 109議 会

(2004年選出)までの連邦議会議員総数に占める 女性議員比率の推移(グラフ2・3)を見ると,

長期的に女性議員比率が上昇しているのは連邦下 院であり,女性議員数の増加傾向は現在でも続い ている。これに対して,連邦上院における女性の 進 出 は 遅 く,女 性 議 員 数 が 2 桁 を 越 え た の は 1990年代中頃であった。また,1971年以降,ほ ぼ一定の比率で女性議員比率が上昇してきた州議 会の場合とは異なり,連邦議会の場合,1992年 選挙が大きな変わり目となっている。とくに連邦 下院では,1992年選挙を境に女性議員数が一挙 に 20名増加して 47名となり,それ以降も増加率 はほぼ一貫している。

女性連邦議会議員数の増加を説明する要因とし て,すでに挙げたフェミニズム運動の高揚,女性 の政治参入を容易にする技術発展,女性議員予備 軍の規模の拡大,女性候補者支援組織の活動など は一般的妥当性をもっている。とくに連邦議員が 首都ワシントンで活動することを考えると,道路 網と空路網が整備された効果は大きい。しかし,

連邦下院の女性議員数の増加を説明する場合,次 の2点に目を向ける必要がある。

第1は,連邦議会の女性議員の増加率よりも州 議会の女性議員の増加率が高い点である。連邦議 会議員選挙と州議会議員選挙の大きな違いは,選 挙民の数と選挙区の大きさにある。州議会議員選 挙と比較して,連邦議会議員選挙では,大規模な

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選挙運動の組織化と多額の選挙資金が必要になる。

したがって,候補者個人が予備選挙段階から選挙 運動を組織化しなければならないアメリカにおい ては,州議会における女性議員比率よりも連邦議 会における女性議員比率が低くても不思議ではな い。西欧民主諸国においても,政党が積極的に女 性を候補者に公認しない限り,国政レベルで女性 議員比率がいちじるしく上昇する可能性は低い。

第2は,それにもかかわらず,1992年選挙で 一挙に 24名の新人女性議員が誕生した点である。

たとえば,ウィルコックスは同年の女性議員増加 現象を,①女性候補者数の多さ,②政治活動委員 会と政党による女性候補者の支援活動,③女性候 補者に有利な選挙争点(教育,健康保険,失業)

の存在から説明している ものの,大量の女性議 員が誕生した要因は,多数の空白選挙区の発生と 多数の有力女性候補者の出現にあった。

まず,1992年の連邦下院議員選挙では,多数 の空白選挙区が発生した。アメリカにおいては 10年ごとの国勢調査に基づいて州議会および連 邦議会の区割りが変更され,1992年選挙は区割 り変更後の最初の選挙であった。区割り変更は厳 格かつ政治的に行われる結果,一部の現職議員に とって新しい区割りは再選に不利なものとなった。

また 1991年には,貯蓄銀行危機の処理をめぐり 連邦議会は批判され,連邦下院銀行スキャンダル をめぐり多くの議員が批判に晒された。さらにト ーマス判事のセクシャルハラスメント・スキャン グラフ3 連邦上院における女性議員数の推移

グラフ2 連邦下院における女性議員数の推移

(出典) Center for American Women and Politics, Fact Sheet,“Women in the U.S. Congress 2006.”

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ダルがメディアの関心を集め,男性の倫理のあり 方が問われた。その結果,1992年夏には,52名 の下院議員が引退を表明し,9名の下院議員が上 院議員選挙に立候補するために辞職した。こうし て 1992年選挙では,予備選挙で現職が敗れた選 挙区も含めて,最終的に 91の空白選挙区が出現 することになった 。

次に,このような特異な連邦下院議員選挙に多 数の女性候補者が立候補した。1974年から 1990 年までの9回の連邦下院議員選挙では平均 39名 の新人が立候補したのに対して,1992年選挙で は,これまでの2倍にあたる 79名の新人が立候 補した(表3)。また,民主党新人女性候補者数 が共和党新人女性候補者数の2倍であったことも 注目される。このように新人女性候補者,とくに 民主党候補者の数が多かったのは,すでに 1970 年代・1980年代にその職につき,連邦議員職を めざす多くの州・地方の女性公職者が存在し,彼 女たちがクリントン人気,連邦議会批判,「女性 候補への追い風」に期待して連邦下院議員選挙に 立候補したからに他ならない 。

また,当選者の比率(表3)を見ると,興味深 いことに気がつく。現職議員の再選率が高く,挑 戦者の当選率が低いのは,これまでの選挙結果と 同じである。注目されるのは,空白区候補者の当 選率である。共和党候補者の当選率が 23.1%と 低かったのにもかかわらず,民主党候補者の当選 率は 73.1%と高かった。このように空白選挙区 の民主党女性候補者の当選率が高かったのは,彼

女たちの中には多くの有力候補者が含まれ⎜⎜

18名(69%)が州議会議員を含む公選公職を経 験していた ⎜⎜,そのような候補者に多くの女 性支援組織が集中的に選挙資金を提供した から,

ということになろう。

その後,連邦下院議員選挙は通常型に復帰した。

1994年選挙には 44名の女性現職議員が再選をめ ざし,彼女たちの多くはその後も再選を重ねた。

女性現職議員の再選率は,1994年から 2004年ま での6回の選挙では平均 95.7%であり,とくに 1998年,2000年,2004年の3回の選挙での再選 率は 100%であった。また,同じ6回の選挙で,

挑戦者として立候補した女性の数は選挙ごとに平 均 57名,空白選挙区で立候補した女性の数は平 均 17名であり,両カテゴリーを合わせて彼女た ちのうち平均8名が当選している 。これらの新 人議員が現職議員に上乗せされ,現在の女性連邦 下院議員数の微増につながっているのである。

ちなみに,連邦上院の場合,基本的に女性候補 者数と女性議員数は少ない。連邦上院議員総数は 100名(50州から2名ずつ選出)であり,2年ご とに3分の1ずつ(各州では任期をずらして1回 の選挙で1名ずつ)の 33議席または 34議席が改 選される。それまで1回の選挙で当選する女性議 員数が最大1名であったものが,1992年選挙で はじめて5名となった(現職1名,挑戦者1名,

空白区候補者3名)。その後の当選者は,1994年 選挙3名,1996年選挙2名,1998年選挙4名,

2000年選挙6名,2002年選挙3名,2004年選挙 5名と増減を繰り返している。女性現職議員の再 選率は,これら6回の選挙で平均 94.1%と高い。

また,同じ6回の選挙で,挑戦者と空白区立候補 者を合わせて女性新人候補者数は平均6名であり,

そのうち平均 1.3名が当選している 。

さて,ここで 1992年選挙の女性議員の激増お よびそれ以降の女性議員数の微増を共通して説明 することができる要因が存在するとするなら,そ れは女性州議会議員を含め連邦議会議員の供給源 が拡大し,連邦議会議員に立候補する女性数が増 加したことであろう。

連邦下院議員予備選挙に立候補する女性候補者 数は 1970年代より増加し は じ め,1992年 に は 222名の女性が予備選挙に立候補し,そのうち 106名が当選して本選挙に立候補した。予備選挙 表3 1992年連邦下院議員選挙における女性候補者・

当選者

候補者 民主党 共和党

現職議員 17 9 26

当選者 14(82.3) 9(100.0) 23(88.5)

挑戦者 27 13 40

当選者 2( 7.4) 0( 0.0) 2( 5.0)

空白区候補者 26 13 39

当選者 19(73.1) 3( 23.1) 22(56.4)

候補者合計 70 35 105

当選者合計 35(50.0) 12( 34.3) 47(44.8) (注) 人数の次の( )内数値は比率%。

(出典) Gary  C. Jacobson, “Congress:Unusual Year, Unusual Election,”in Michael Nelson,ed.,The Elections  of 19 9 2,1993, p.171.

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への女性立候補者数は 1998年に 168名に減少し たものの,その後候補者数は増加に転じ,2004 年には 199名の女性が予備選挙に立候補し,その うち 141名が当選して本選挙に進んだ 。このよ うな連邦下院議員予備選挙における女性候補者数 の増加は,女性議員予備軍の規模の拡大,女性州 議会議員および他の公職につく女性数の増大,女 性支援組織の活発化などから説明することができ るであろう。

しかも,最近の女性州議会議員は再選志向が強 い。50州の全州議会議員を対象とした調査によ ると,1995年には女性州議会議員は男性州議会 議員よりも再選志向が強く⎜⎜女性議員の 48%,

男性議員の 43%が再選を希望すると答えた⎜⎜,

2000年に差異はさらに拡大した⎜⎜女性議員 72

%,男性議員 65% 。また,15州の 434名の州 議会議員を対象とした 1997年の調査によると,

①任期制限制度を採用していない州の州議会議員 と比較して,任期制限制度を採用している州の州 議会議員はより政策志向であり,任期が制限され ているがゆえにより高い公職へのアンビションを もつ傾向があり,②とくに女性州議会議員は,政 策争点や社会的動機から政治にかかわるがゆえに その傾向がより強かった 。これらの調査結果は,

女性州議会議員の間で連邦議会をめざす者の数が 将来ますます増加する可能性があることを示唆し ている。

全体として見ると,過去 30年間で,一定比率 の女性議員がアメリカ政治の中に着実に浸透して きた。女性の政治参入を容易にする技術発展,女 性議員予備軍の規模の拡大,女性支援組織の活発 化,女性州議会議員の候補者数と当選者数の増加,

女性州議会議員の再選志向と政治的アンビション の増大,女性連邦議会議員の候補者数と当選者数 の増加という複数の構造や政治の変化をつなぎ合 わせると,アメリカに女性議員のキャリア・ルー トがつくられつつあると考えることができる。ア メリカの選挙において,もはや女性は周辺的アク ターではない。機会構造が大きく変わらない限り,

州議会から連邦議会へという女性議員の一定の流 れは今後も続くであろう。

3. 女性議員数増加の効果

3.1. 州議会の場合

州議会レベルでの女性議員数増加の効果はどの ように研究され,どのような効果が観察されてき たのであろうか。州議会における女性議員数増加 とその効果についての研究は,1980年代の中頃 から活発化した。一般に女性議員数増加の効果に 関心をもっていたのはジェンダーの視点を強調す る女性研究者であり,行われた研究は①議員個人 の態度や政策選好,②議会指導者の活動,③法案 と政策に大別される。

女性議員の態度や政策選好は,女性議員に関す る研究の出発点であり,研究視点は多岐にわたっ た。たとえば,ケリー(John M. Carey),ニー ミ(Richard G. Niemi),パウエル(Lynda W.

Powell)は,1995年に 50州の州議会議員を対象 とする手紙調査を行った。それによると,キャリ ア志向では,「政治をキャリアと考える」,「再選 をめざす」と答えた女性議員は男性議員よりも多 かった。議会活動で重視する項目では,より多く の男性議員が「選挙区のニーズに関心をもつ」,

「選挙区の政策選好にしたがう」と答え,より多 くの女性議員が「支持者と接触を維持する」,「法 案提出を研究する」と答えた。イデオロギーでは,

女性議員は男性議員よりもリベラルであり,より 多くの女性議員が死刑存続に反対し,人工妊娠中 絶をする女性の権利の合法化を支持した 。

女性議員の政策選好に政党間差異が存在するこ とが確認された。たとえば,ポジオーネ(Sarah Poggione)は,2000年 に 24州 の 州 議 会 議 員 を 

対象とする手紙調査を行い,選挙区からの要求,

政党,イデオロギーなどの要因をコントロールし た後でも,女性議員は福祉政策に関して男性議員 よりもリベラルな態度をとる,そして,州議会議 員の政策選好におけるジェンダー・ギャップは,

共和党議員および保守派議員の間でより大きいこ とを報告した 。

女性州議会議員数が増加するにともない,議会 指導者(両院の議長,議長代理,多数党・少数党 の院内総務)および常任委員長ポストにつく女性

(9)

議員数が増加する⎜⎜ 1993年には 50州の州議会 の議会指導部ポストの 20%および常任委員長ポ ストの 16% は 女 性 議 員 に よ っ て 占 め ら れ た

⎜⎜と,研究者の関心は,女性議会指導者および 女性常任委員長のリーダーシップに向けられた。

たとえば,ジュエル(Malcolm  Jewell)とウ ィッカー(Marcia Lynn Whicker)は,リーダ ーシップにもジェンダー・ギャップが存在し,女 性指導者はコンセンサスとシステム運営を強調す る「女性型」リーダーシップを採用し,男性指導 者はコントロール,命令,狭義の個人的アンビシ ョンを強調する「男性型」リーダーシップを採用 するという仮説を立てた。しかし,1991年に 22 州の州議会指導者を対象とするインタビューでえ られたデータに照らして検討すると,男性指導者 は「男性型」リーダーシップではなく「女性型」

リーダーシップを採用する傾向があることが明ら かになった 。

ローゼンタール(Cindy Simon Rosenthal)は,

男性委員長と女性委員長のリーダーシップの差異 に関心をもち,男性委員長は利益,パワー,交換 に基礎をおく攻撃的リーダーシップを採用し,女 性委員長は相互性,問題解決の共有,協調戦略に 基づく統合的リーダーシップを採用するという仮 説を立てた。彼女は 1994年 に行った 50州の州 議会常任委員長を対象とする手紙調査に基づいて,

女性委員長は統合的リーダーシップを採用する傾 向があるものの,実際にはコンテキストに依存す ることを明らか にし,オクラホマ,オハイオ,

コロラドの3州を事例に女性委員長のリーダーシ ップのスタイルが異なることを記述した。

さて,女性議員数増加に関する研究のうちもっ とも重要なのは,法案および政策に対する効果に ついてのものである。この領域の研究では,50 州の特定政策のスコアの差異を女性州議会議員比 率の差異から説明しようとする方法が一般的であ り,その過程で女性議員比率およびその他の関連 要因の相対的重要性が評価された。この方法を用 いた研究を代表し,もっとも包括的であったのは,

カイアザ(Amy Caiazza)による分析である。

彼女は論文「公選公職についた女性代表は女性 に優しい政策を導くのか」(2004年)の中で,そ れまでの女性議員数増加の政策効果に関する研究 を,州議会以外の政府公職につく女性を考慮して

いない,女性に優しい政策に関係する他の要因を 考慮していないという2点から批判し,新しい指 標づくりを提案した。まず,州議会議員,州知事,

その他の行政部公選公職者から構成される女性公 選公職者総合スコアを計算して,州ごとに得点化 し(女性公選公職スコア),次に,女性の権利と 資源の一覧表をつくり,項目充足度に応じて州ご とに得点化した(女性に優しい政策スコア)。そ して,女性に優しい政策スコアと女性公選公職ス コアおよびその他の要因⎜⎜州選挙民の間での女 性の政治役割認識,州議会の政党支配⎜⎜の関係 を統計処理をつうじて分析した 。

彼女によると,「政党および州選挙民の間での 女性の政治役割認識から,女性の代表をつうじて,

女性に優しい政策に至るまでに2段階の関係」が 存在していた。第1段階では,選挙民の間での女 性の政治役割認識と政党支配が女性公選公職の水 準に影響した。州選挙民が女性の政治役割に好意 的な態度をとり,州議会において共和党議員の数 が多いと,女性公選公職者比率は上昇した。第2 段階では,女性公選公職者の水準と政党が,女性 に優しい政策の水準に影響した。女性公選公職者 比率が高く,州議会で民主党が多数派となると,

女性に優しい政策が促進された 。

しかし,女性議員と政党の関係は複雑であった。

共和党女性議員にとって,州議会の政治的コンテ キスト自体が民主党女性議員以上に重要な要因で あった。民主党が多数派を占める州議会では,女 性に優しい政策への支持が存在するものの,共和 党女性議員が女性に優しい政策を促進することが できたのは,そのような行動の余地が認められる 場合であった。共和党女性議員は自党の政治立場 に逆らうことが多かった。共和党が多数党であっ たとき,同党女性議員は民主党女性議員と共同し て女性政策を推進した。共和党が多数党でなかっ たとき,同党女性議員は女性政策の実現を主導す ることができたとしても,多数党議員の間からよ り多くの支持を受けなければならなかった 。

ところで,こうした分析には問題がないわけで はない。女性議員数が増加すると政策変化が起こ ることが当然のことと前提された。多くの集計デ ータが利用され,また,ときには複数のデータか ら指標が恣意的に作成され,因果関係の推定が不 明確になる場合があった。事例にあたることなし

(10)

に統計数値から多くが推測され解釈された。これ らの問題を回避し,女性議員数増加と政策変化の 関係を理論と経験の両面から解明しようとしたの が,スー・トーマス(Sue Thomas)である。

彼女はその著『女性はどのように立法をするの か』(1994年)の 中 で,ま ず,1988年 に 行 っ た 12州の州下院議員を対象とする手紙調査のデー タをもとに,1970年代の女性議員と 1980年代の 女性議員を比較した。それによると,1970年代 の女性議員は,教育,職業,経験において男性議 員と大きな差があり,選挙区活動を重視したのに 対して,1980年代の女性議員は教育,職業,経 験において男性議員に接近し,積極的に議会活動

(委員会,本会議,男性議員との交渉など)に参 加した。また,1970年代の女性議員が自身の優 先政策をもっていなかったのに対して,1980年 代の女性議員は自身の優先政策をもっていた⎜⎜

12州のうち8州で,女性議員は女性,子供,家 族関連法案を男性議員以上に提案し,12州のう ち7州で,女性議員は男性議員よりも高い優先法 案成立率を誇った 。

彼女は次に,女性議員自身の優先政策が推進さ れる制度環境に目を向け,それは女性議員数の増 加 で あ る と 主 張 し た。彼 女 は カ ン タ ー

(Rosabeth Moss Kanter)の企業内女性行動の 理論⎜⎜組織内に存在する文化的・社会的に異な るメンバーの比率が 15%未満である場合,差別 的地位に固執し,15%以上になるとより積極的 に環境に適応する⎜⎜を州議会に応用し,女性議 員の比率と女性議員の優先法案の関係について次 のような仮説を立てた 。

①女性代表が最高水準の州の女性議員は,女性 代表が最低水準の州の女性議員以上に,男性 議員のものとは異なる政策優先順位を示す可 能性が高い。女性議員の優先政策は,女性,

子供,家族関連政策に集中する。

②女性,子供,家族関連政策に関する女性議員 と男性議員の優先順位の差異は,女性議員比 率の低い州においてよりも女性議員比率が高 い州において明確になることが期待されるも のの,その他の政策優先順位の差異は女性議 員比率と無関係である。

③女性議員比率は,女性,子供,家族関連法案 の提出に影響を及ぼすだけでなく,そのよう

な立法の成立率にも影響を及ぼす。

12州のデータに照らして検討すると,女性,

子供,家族関連法案の提出率は女性議員比率の高 い州で多く,12州のうち9州で女性議員は男性 議員以上に女性,子供,家族関連法案を可決させ るのに成功した。また,とくに女性議員比率が高 い州で女性議員自身の優先政策の成立率が高かっ た理由は,州議会の女性コーカスの存在にあった。

12州のうち4州の州議会には公式の女性コーカ スがあり,その4州は女性,子供,家族関連法案 の成立率が高い上位5州に含まれていた 。この ような観察結果に基づき,彼女は次のように結論 した。

女性議員は形だけの地位ではなく,組織化し て相互目標に関して協調する場合,合衆国の州 議会に対して識別しうる貢献を行う可能性がも っとも高い。女性州議会議員は,形だけの地位 から主流メンバーの地位に移行するとき,その ような行動を採用する。……この観察結果はま た,公的議事日程を理解するさいにも含意をも つ。女性が州議会議員の本流に流れ込むとき,

彼女たちはそれまで軽視されてきた話題を含む ように立法日程を変更する。以前には主として 私的領域に属すると思われてきた鍵っ子,ドメ スティック・ヴァイオレンス,無報酬労働の数 値化,家族休暇のような問題が,公的議事日程 に上げられてきたのである。」

州議会における女性議員数増加の政策効果は今 後も研究されるであろう。州議会の場合,50州 の比較が可能であるので,新しい方法と新しいデ ータを駆使することにより,より多くの新しい重 要な知見をえることができるであろう。もっとも,

これまでの研究においても,女性議員数の増加が 自動的に政策効果をうみだすことはないものの,

特定のコンテキストのもとで女性議員数が増加す ると政策変化が生じる,あるいは,女性議員数が 増加するとそのようなコンテキストが発生しうる,

ことが明らかにされている。

3.2. 連邦議会の場合

1992年の連邦議会議員選挙で女性議員数が激 増すると,研究者の関心は女性州議会議員から女

(11)

性連邦議会議員に移った。しかしながら,主要な 議会研究者は連邦議会における女性議員数の増加 とその効果に大きな関心を示さなかった 。この 問題に関心をもち精力的に研究を行ったのは,や はりジェンダーの視点を強調する女性研究者であ った。研究視点は多岐にわたったものの,女性州 議会議員の研究と女性連邦議会議員の研究には,

明らかな共通点と相違点が存在した。

両者に共通していたのは,女性議員の行動が詳 細に分析されたことである。女性連邦議会議員の 行動は,連邦議会における点呼投票の分析をつう じて研究された。女性議員は男性議員よりもリベ ラルであること,以前に小さかった女性議員と男 性議員の間でのリベラル投票の差異は 1991年と 1992年に拡大したこと ,第 103議会では女性議 員が男性議員以上に 14の女性関連法案を支持す る傾向があり,人工妊娠中絶や暴力犯罪からの女 性保護など女性に直接的にかかわる争点であれば あるほど投票決定においてジェンダーが大きな役 割を演じたことなどが明らかにされた 。

女性州議会議員の研究と女性連邦議会議員の研 究が異なっていたのは,連邦議会における女性議 員数増加の効果が,もっぱら集計データをつうじ てだけではなく,直接的に事例をつうじても分析 されたことである。

代表的な事例研究は,ドッドソン(Debra  L.

Dodson)らによってなされた。彼女は,女性議 員数が 28名から 47名に増加した連邦下院の第 103議会を「全範囲の政策争点に差異をつくりだ そうとする希望が制度規範,構造,過程,現実と 衝突するとき何が起こるのかを調査するための理 想的な実験室」 とみなし,多数の女性議員,ス タッフ,ロビイストへの集中的なインタビューを つうじて,3政策領域⎜⎜女性の健康政策,健康 保険改革,人工妊娠中絶問題⎜⎜において女性議 員と超党派の連邦下院女性問題コーカス(Con- gressional Caucus for Womenʼs Issues)がどの ような活動をしたのかを調査した。

それによると,女性の健康政策では,女性議員 は連邦下院女性問題コーカスを主要な活動単位と して,前の議会で成立した女性健康平等法の改正 をめざした。同法はもともと女性の健康と医療に おける不平等を是正することを目的とした包括政 策であり,第 103議会で同コーカスは,乳癌その

他女性特有の病気の研究や治療への連邦援助を含 む 32項目を追加することを決定した。下院歳出 委員会の労働健康ヒューマン・サーヴィス小委員 会では,女性議員数が増加した結果新しく委員に 加わった女性議員が積極的に活動し,乳癌その他 女性特有の病気の研究や治療への連邦補助を増額 させることに成功した 。

健康保険改革では,すでに連邦下院女性問題コ ーカスが健康保険の適用範囲を全国民とすること を申し合わせていたものの,クリントン政権のも とで健康保険改革の審議がはじまると,女性議員 は政党線で分かれはじめた。女性議員の間での対 立を避けるため,両党の同コーカスのメンバーは ヒラリー・クリントンに会い,健康保険案のもと での女性の適用範囲を乳ガン検診レントゲン撮影 その他の少数の検査に限定し,人工妊娠中絶を基 本プログラムに含めることを要求した。この提案 はその後の委員会審議で大きな効果をもち,健康 保険改革の草案を審議した教育労働委員会の労働 経営小委員会では,同コーカス寄りの案が報告さ れた 。

人工妊娠中絶問題では,それまで男性議員が立 法イニシアチブをとり,第 103議会の最初の時期 に は,「選 択 の 自 由 法(Freedom  of   Choice Act)」を成立させることが最優先と考えられて 

いた。しかし,連邦下院女性問題コーカスは,同 法よりも人工妊娠中絶への資金援助の方法を考案 することを優先すべきであると主張した。その結 果,女 性 議 員 の 関 心 は,現 行 の 医 療 扶 助 制 度

(Medicaid)の人工妊娠中絶への支出禁止条項の 撤廃や健康保険改革に向けられ,「選択の自由法」

案が連邦下院規則委員会で承認されて本会議で投 票に付されることはなかった 。

彼女はもちろん,最終的に女性の健康政策と健 康保険改革が成立しなかったこと,また,「クリ ニック・アクセスの自由(Freedom  of   Clinic Access)」法の可決および連邦職員健康給付制度 

のもとでの人工妊娠中絶手術適用禁止条項の撤廃 において主導的な役割を演じたのは男性議員であ ったことを認めた。しかし,女性議員の活動が連 邦下院の立法アジェンダを変更したのは事実であ り,彼女は「3政策領域のそれぞれにおいて,第 103議会の女性議員は差異をつくりだした。差異 の範囲と差異の現れ方は政策領域ごとに異なる。

(12)

柔軟な方法論を用いるなら,彼女たちの識別しう るジェンダー関連効果が観察されうる」 と結論 づけたのである。

ところで,第 103議会において多くの女性関連 法案が積極的に審議され,またその一部が法律に なったとしても,1994年の連邦下院議員選挙で 共和党が多数党となり,ギングリッチ議長のもと で共和党指導部が「アメリカとの契約」の実現と

「大きな政府」の見直しをはじめると,女性議員 をとりまく状況は一変した。スウェーズ(Mi- chele L. Swers)はこれを研究の絶好の機会と見 なし,多数党の交代が女性連邦議会議員の政策能 力に及ぼす影響を解明しようとした。

彼女はその著『女性がつくりだす差異:連邦議 会における女性の政策効果』(2002年)の中で,

「政治コンテキストおよび連邦議会内部の議員の 立場における変化が,ジェンダーに基づく政策選 好を追求する議員の能力をどのように促進または 制約するかを論証する」 必要があると主張した。

多数党の交代が女性議員の行動にどのような影響 を及ぼしたのかを実証するため,彼女は,提案,

共同提案,委員会修正,本会議審議,点呼投票と いう5段階に分けて,各段階における女性議員と 男性議員による女性争点の提案・支持状況の変化 を詳細に分析した。

それによると,提案段階の場合,第 103議会で は 510の女性争点法案が提出され,第 104議会で は 569の女性争点法案が提出された。連邦下院で は多数党指導部が法案の委員会付託や議事日程を 決定するので,女性であれ男性であれ,多数党議 員がより多くの女性争点法案を提出した。しかし,

第 103議会では共和党女性議員の 83%が女性争 点法案の提案者となったのに対して,104議会で 同法案の提案者となった女性議員は 59%であっ た。また,第 103議会の場合と比較して第 104議 会では,共和党女性議員の間でフェミニスト関連 法案への提案者が減少し,福祉関連法案の提案者 が増加した 。これは,1994年選挙で保守派の女 性新人議員が誕生しただけでなく,多数党となっ た共和党の指導部の政策方針に穏健派の共和党女 性議員もしたがったからである 。

本会議での点呼投票段階の場合,民主党女性議 員は第 103議会では 14の女性争点法案のうち平 均 13法案を支持し,第 104議会でも 15の女性争

点法案のうち平均 13.5法案を支持した。これに 対して,共和党女性議員は第 103議会では 14の 女性争点法案のうち平均 10.2法案を支持したの にもかかわらず,第 104議会では 15の女性争点 法案のうち平均 3.9法案を支持したにすぎなかっ た。支持の減少は,穏健派女性議員の間でも観察 された 。多数党となった共和党の女性議員にと って,指導部方針から離反するというリスクを冒 してまで,本会議で女性争点法案に賛成投票する ことは容易ではなかったのである 。

このような結果に基づき,スウェーズは次のよ うに結論した。

……議会における女性やマイノリティの数を 増やしても,政策設計に対する影響力が直接的 に高まるわけではない。というのは,議席の獲 得が立法結果をめぐる力に直接的に変換されな いからである。多数の女性が連邦議会に選出さ れるのは重要であるとしても,女性議員が女性 のために立法する能力は,議会内部の彼女たち の地位,とくにシニオリティ順位,委員会ポス トへのアクセス,多数党または少数党の地位に よって制約されることを,この研究は明らかに している。」

また,エヴァンス(Jocelyn Jones Evans)は その著『女性,党派性,および連邦議会』(2005 年)の中で,政党と女性議員の行動の関係を検討 した。彼女によると,民主党においては,選挙の 強さがシニオリティを上げ,シニオリティが上が るとそれが議会内および政党内の影響力のある地 位に押し上げた。これに対して,共和党において は,選挙の強さは個人目標の追求を可能にするも のの,もし議会内および党内の影響力のある地位 につこうとするなら,議会政党指導部の方針にし たがわなければならなかった 。その結果,共和 党女性議員は選挙区利益と個人的昇進の均衡を図 る必要があり,民主党女性議員は選挙区利益と個 人的昇進を同時に追求することができた。彼女に よると,これらの観察結果は女性の代表にとって 次のような含意をもつ。

共和党女性議員は女性の利益を促進する最良 の地位にいながら,議会への参加を構造化する

(13)

交差圧力をつくりだす政党文化の中にいる。こ れらの圧力が議会内での地位を登りつつ,女性 の利益を増進する女性共和党議員の能力を制約 する。他方,民主党女性議員は議会への参加を 構造化する交差圧力に直面することはないもの の,自分たちの立法目標を前進させるのに必要 な多数党の地位を享受していない。」

さらに,研究には展開が見られた。最初に事例 研究を行ったドッドソンは,その著『連邦議会に おける女性のインパクト』(2006年)の中で,こ れまでの点呼投票データと統計処理に基づく研究 を,「女性は差異をつくりだすのか」という疑問 に対して一貫した解答を与えていないと批判し,

別のアプローチを採用する必要があると主張した。

女性議員は議題設定段階で特定争点の回りに結集 することもあれば,しないこともある。女性議員 が集合的に協力して女性に優しい政策を形成する こともあれば,しないこともある。これが現実で あるとするなら,このような決定の研究にふさわ しいのはゴミ缶モデル(garbage can model)で あると指摘 し,彼女は第 103議会と第 104議会 の性の自己決定権(reproductive rights),女性 の健康政策,健康保険改革における女性議員の役 割を分析した。

このようにジェンダーの視点を強調する研究者 の間で,連邦議会における女性議員数増加の効果 の分析方法をめぐり論争が行われてきたのは,注 目すべき点である。もっとも事例研究と点呼投票 研究は対立するものではないし,政党が女性議員 の行動をどのように制約するのかについての研究 は,女性議員数増加の政策効果を否定してはいな い。多数党交代または政党の女性議員の行動に対 する影響の研究は,いずれの政党が多数党の地位 につくかにより,女性議員の活動は変わらざるを えないという事実を指摘したにすぎない。たとえ 事例研究をつうじて女性議員数増加の政策効果を 検討する場合であっても,政党が女性議員の行動 に影響を及ぼしていることを認識することは重要 である。また,エヴァンスいう含意が正しいとす るなら,連邦下院で民主党が多数党の地位に復帰 すると,女性議員は大きな政策効果を発揮するこ とが期待される。

なお,連邦上院の場合,女性議員数増加の効果

についての研究はきわめて少ない。おそらくその 最大の理由は,女性上院議員数が少ないからであ ろ う。た と え ば,第 104議 会 か ら 第 107議 会

(2000年選出)までの女性議員の委員会割り当て についての研究は,女性の実質的代表を達成する ように,女性議員数の増加が連邦上院の性格とそ の議題を変更したのか否かを知るためには,別の 領域を研究する必要があると結論している 。連 邦上院の運営が個人中心であることを考えると,

そこでの女性議員数増加の政策効果はゴミ缶モデ ルに基づく事例研究をつうじて分析されるかもし れない。

4. 今後の課題と問題点

これまで見てきたように,過去 30年間で一定 比率の女性議員がアメリカ政治の中に着実に浸透 し,この長期的増加はアメリカの社会構造と政治 の変化に深く根ざすものである可能性が高い。ま た,測定方法に関する意見の一致は見られないも のの,州議会レベルであれ連邦議会レベルであれ,

女性議員数の増加が明らかな政策効果をつくりだ すことが確認された。これらの検討から,2つの 課題の存在が明らかになる。

第1に,アメリカにおいて過去 30年間に安定 的な女性議員のキャリア・ルートが定着したのか 否かを検討する必要がある。女性議員のキャリ ア・ルートが存在するか否かはきわめて重要な問 題である。もしキャリア・ルートが確立されてい る(されつつある)とするなら,一定数の女性議 員が今後もアメリカ政治に参入するのは確実であ り,それにともない政治過程は変化するであろう。

しかし,もしキャリア・ルートが確立されていな いとするなら,女性議員数の増加は一時的であり,

政治過程に大きな変化は起こらないであろう。

女性議員のキャリア・ルートが確立されている のか否かを判断するには,女性連邦議会議員に至 る多様なキャリア・パターンの中に,女性議員予 備軍→女性州議会議員→女性連邦議会議員という 識別しうるルートが存在しているのか否か,その ルートがどの程度のものであるのかを調査する必 要がある。最近の女性州議会議員は再選志向が強

(14)

いという観察結果はプラス材料であり,女性の間 で戦略的政治家⎜⎜当選の可能性が高い場合に現 職議員のいない空白選挙区から立候補する⎜⎜が 増えている という指摘はマイナス材料である。

詳細な調査と分析をつうじて,もし識別しうるル ートが存在する(あるいは構築中である)ことが 確認されるなら,アメリカにおける女性の政治参 入は本物ということになる。

第2に,女性議員数増加の政策効果を評価する ための新しい基準を考案する必要がある。トーマ スによると,女性の政治活動に対する期待には

「順応―改革」の次元と「手続き―結果」の次元 があり,これらを組み合わせると2つの評価基準 が構成される。一方は,女性が現行システムに順 応したか否かを重視し,個人の成功に視点をおく 統合主義(integrationist)で あ り,他 方 は,女 性が現状を変化させたか否かを重視し,集団の成 功に視点をおく改革主義(reformist)である 。 統合主義基準を採用すると,現状は満足のゆくも のとなり,改革主義基準を採用すると,現状は満 足のゆかないものとなる。評価が正反対になるの は,これらの評価基準が単純であり,理念上,対 極に位置するものであるからに他ならない。しか も,ジェンダー理論によると,ただ単に女性議員 の数が増えただけでは問題は解決されない。議会 手続きが女性議員に不利なままであるなら,たと え女性議員数が増加しても意味はない 。

無用の評価対立を避け,ジェンダー理論が提起 する問題の大きさを理解するなら,中間的な評価 基準が求められる。トーマスによると,女性議員 の目的は,①特定政策の実現,②運営手続きの変 更,③差別慣行の削減の順序で達成される可能性 が高い 。州レベルの分析からえられた予測であ ったとしても,これが連邦レベルの研究に応用で きないことはあるまい。女性議員の数と行動様式 は密接に関係している。女性議員が凝集的に行動 し影響力を行使しうる規模(critical mass)を確 定することは容易ではない。しかし,たとえば女 性議員比率が 15%,30%,45%と上昇すると,

女性議員の期待が順応,政策実現,手続き変更,

改革へと段階的に拡大することは十分に想像する ことができる。

女性議員数増加とその政策効果に関する研究は これまで活発に行われ,すでに蓄積もある。女性

連邦下院議員の比率は,第 109議会(2004年選 出)で 15%を越え,今後も上昇することが予想 される。そろそろ統合か改革かのいずれか一方の 基準を採用するのではなく,新しい段階的評価基 準を考案し,現実の女性議員比率に見合った女性 議員の政策効果を評価する必要があろう。

しかしながら,このような発展可能性があるの にもかかわらず,アメリカ政治学における女性議 員数増加とその効果に関する研究は大きな問題点 を抱えている。

第1に,研究をつうじて国際比較の視点が欠如 している。過去 30年間に女性議員数が増加して き た の は 事 実 で あ る と し て も,列 国 議 会 同 盟

(Inter-Parliamentary Union)に よ る 2006年 6 月の調査によると,アメリカ連邦下院の女性議員 比率は 14.0%であり,世界ランキングで 67位に すぎない 。アメリカでは予備選挙制と小選挙区 制が採用されているという特殊事情があるとして も,67位は手放しでは喜べない順位である。ア メリカの政治学者は研究視野を国内に限定し,50 州の比較で満足する傾向が強いとはいえ,つねに 国際比較の視野が必要であろう。そのような視野 をもつと,この順位は予備選挙制を採用し政党が リクルートメントの主要アクターとして活動しな いアメリカの限界を示すものと見なされる。

第2に,女性議員数が増加しているとしても,

その多くは白人女性である。第 109議会の場合,

女性連邦下院議員 65名のうち,ブラックは 12名

(18.5%),ヒスパニックは7名(10.8%)であ った。女性連邦上院議員 14名は全員が白人であ った 。2005年のアメリカ総人口に占めるヒスパ ニックの比率が 14.7%と見積もられる ことを 考えると,ヒスパニックの女性の代表度は低い。

連邦下院は 435議席であり,またマイノリティの 選出を容易にするマイノリティ=マジョリティ選 挙区も導入されているので,多様な女性議員が当 選する道は開かれている。しかし,連邦上院の場 合,たとえ各州に2議席が与えられているとして も,改選時に選出されるのは1議席であるので,

ブラックやヒスパニックの女性が当選することは 難しい。代表を求める女性の内部にも,マイノリ ティ集団が存在することを忘れてはならない。

参照

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