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図 書 館 蔵 古 典 籍 デ ー タ ベ ー ス 化 推 進 プ ロ ジ ェ ク ト

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Academic year: 2022

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Library Annual Report

古典籍データにはそぐわないものも多いので、個人件名 等一部を除いて付与しないこととした。

おおまかな作業工程としては、出庫(紀伊國屋)→書誌 作成(紀)→書誌点検(図書館)→画像撮影(福祉工場)

→返却(福)、並行して順次書誌・画像の公開、という流 れで作業を行なっている。

昨年の報告で2005年度から5ヵ年計画の作業予定をあげ たが、初年度はその目標をおおむね達成できた。

具体的な作業内容は以下のとおりである。

請求記号別に、文庫8(洋学文庫:貴重書)、ニ(理学)

ホ(語学)ト(教育)ル(地理)ヲ(社会)ワ(法律)

カ(政治)ヨ(経済)タ(財政)ツ(交通)ネ(商業)

ナ ( 農 学 ) ム ( 工 学 ) ヤ ( 医 学 ・ 薬 学 ) ケ ( 軍 事 ) ヒ(統計)のいずれも古書・貴重書のすべてについて現 物を確認し、一部を除いて目録作成、撮影の処理を進め た。目録作成から除外したものは、活字本や複製資料等、

また撮影対象外としたものには著作権処理の必要なもの、

修補が必要なもの等である。

2005年度の作業実績を数字であげると以下のとおりで ある。

書誌作成数(10,228件)

画像撮影数(757,436カット)

公開件数(10,959件)

作成した目録、画像情報は、早稲田側の点検が終了し たものから順次OPAC上で公開をはじめ、あわせて早稲 田 大 学 図 書 館 H P 内 の 古 典 籍 D B

(http://www.wul.waseda.ac.jp/kotenseki/)へも書誌情 報の主たる部分と画像情報などの必要なデータを登録し た。このデータベースは、一般に広く公開されている検 索エンジン(Googleなど)に索引化され搭載されるので、

この段階で古典籍DB内のデータが国内外から、容易にア クセス可能となるわけである。

本データベース作成の大きな目的のひとつに、館蔵資 料の学術的利用の推進という点があった。従来、館蔵の 貴重資料は、所定の手続きを踏んだ上で当図書館に来館 して閲覧するしか実際に目にする機会はなかったが、こ のような形で順次公開されることにより、今後は現物と はいかなくともかなりそれに近い水準で、資料調査が可 能となる。

昨年の本報告で述べたように、図書館で所蔵する和漢 の古典籍(貴重書・古書)約30万点の書誌・画像データベ ース構築事業が、2005年4月より本格的に始動した。事 業開始に至る経緯については昨年の報告によるとして、

ここでは計画決定後の動きと、実際の作業成果について 報告する。

まず、2005年4月のプロジェクト推進室立ち上げに向 け、目録データ作成業務、画像撮影業務それぞれについ て委託業者を決定した。目録作成については、新刊書の 入力を担当している紀伊國屋書店に委託することとした。

同社には、目録作成や受入業務を委託しているほか、過 去、共同事業として和書の遡及入力を行うなど、当館の 図書目録の電子化に関わってきた実績がある。古典籍の 入力技術については未知の部分もあったが、特殊な書誌 情報について知識のある者を作業担当者に加えるという 条件で委託を決定した。

画像撮影については、複数の選択肢の中から、国会図 書館をはじめとした多くの機関における貴重資料撮影の 実績を勘案し、東京都板橋福祉工場への委託を決定した。

なおこの過程で撮影方法についても検討した結果、従来 主流であったフィルムによる撮影・納品の形式から、デ ジタルカメラによる撮影、DVD-Rによる納品とすること とした。

作業場所については、資料の稀少性を考えすべての工 程を原則として図書館内で行うことが望ましく、館内に 目録作成、撮影それぞれのスペースを確保することとし、

従来研修室として使用してきた部分を撮影室とし、また 学術情報課事務室を目録作成のためのプロジェクト室と した(その後、隣接する文芸雑誌マイクロ化事業室の移 転にともない、同室を早稲田側点検チームの部屋とした)。

図書館側の体制は、事業全体に実務的にかかわるメン バーとして、調査役(プロジェクトマネージャー)1名、

兼務者3名(うち、資料管理課2名:書誌点検担当、学 術情報課<現情報管理課>1名:書誌・画像公開処理担 当)をあてた。

このメンバーと紀伊國屋書店、板橋福祉工場との調整 の結果、目録作成は通常の図書と同じくINNOPAC上で 行なうこととし、資料の特性にかんがみ国会図書館、NII 等の古典籍書誌作成仕様を参考にした独自の入力基準を 策定した。書名のとり方、出版・書写事項等、古典籍特 有の情報が多い部分については、『国書総目録』などの基 本ツールを参照しながら、ある程度の幅を持たせて個々 に決定することとした。その他、形態的な特徴(装丁・

印刷形式等)も必要に応じて注記している。

当DBの特徴的な点は、資料個々について個別に書誌 を作成している点である。現在新たに刊行された図書で あれば、同版の図書は書誌を共有し、所蔵を複数付与す ることが当然であり利用にも適している。しかし、古典 籍については、かりに同版であったとしても、伝来の過 程や資料の現状によっては、書誌を共有することが不適 切な場合も多く、別書誌を作成することが必要になるか らである。なお、通常の和書入力で採用しているNDC分 類や件名といった、現在の図書を基準に作られている分 類法は、個々の書誌作成、点検に要する煩雑さに比して

事業の始動と作業の基準

作業実績

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Library Annual Report

前 述 の よ う な 入 力 仕 様 に 従 い 作 成 さ れ た 書 誌 は 、 OPAC上は一般の和図書とあわせて検索できる。たとえ ば「解體新書」とタイトルで検索した場合、近年刊行さ れた『解體新書』の研究書や翻刻、さらには単にイメー ジとして書名にその語を持つものとともにOPACで同時 に検索が可能となる。ただし、これらの古典籍の書誌に は資料種別として「古典籍(v)」を付与し、検索結果にそ の旨表示されるようになっているので、原本と翻刻、研 究書等が同じ画面に表示されても利用者が混乱すること はない。

古典籍を見たい利用者は、検索結果から古典籍の書誌 を選択する。そこには「画像情報」としてリンク先が明 示されており、これをクリックすることで、個々の資料 について全文の鮮明な画像情報を入手することができる のである。こうした画像の「閲覧」は、上述のように OPAC経由でなくとも簡単に行なえる。ひとつが図書館 のトップページから古典籍DBのポータルサイトに入る方 法である。このページの検索画面で同様に「解體新書」

と入力すれば、タイトルだけでなく注記部分も含めて

「解體新書」の語を持つ古典籍のデータが一覧できる。ま た、早稲田のHPによらずとも、Googleで「解體新書」

と入力すれば、その中に古典籍DB搭載のデータを見つけ ることができるだろう。

これまでも図書館ではデジタルコンテンツアーカイヴ として貴重資料の一部の画像を公開してきた。しかし、

それらはあくまで一部であり、また学外へのデータ提供 は画像の質を落としていた。今回の古典籍DBには、前 述のように古書、貴重書の全文画像を網羅的に搭載する だけでなく、画像の質も学内外で差をつけることなく、

等しく精細なpdf形式の画像を公開している。このことの 持つ意味は非常に大きい。

2005年12月、洋学文庫を中心とした第一弾の公開を開

始した。一方でさまざまな広報媒体を通じて学内外への 広報を行なった。図書館HPへの掲載はもちろん、大学 HPからのリンク、『早稲田学報』等の大学広報誌、プレ スリリースによる関係諸機関への周知などである。その 結果、公開直後には毎日新聞に記事が掲載されるなど早 くも反響があった。また、2006年3月からの図書館企画展 を古典籍DB公開記念と銘打ち、蘭学資料展を開催、会場 に古典籍DBのイメージ画像を流すことで、大きな反響が あった。今後もこうした展示活動のなかで、古典籍DBの 紹介をあわせて行ない、学生や広く一般の人々の注意を 喚起してゆきたいと考えている。

最後に本事業の今後の展開について述べておく。

2006年度は当初の予定を変更し、へ(文学)と曲亭叢 書(貴重書)にとりかかることとした。文学、特に近世、

近代文学関連資料は館蔵資料の中でも特に充実した分野 の一つであり、滝沢馬琴の旧蔵書、草稿類をまとめた曲 亭叢書もまた、早稲田にしかないすぐれたコレクション である。2006年はこうした部分を古典籍データベースの あらたな中核資料として充実させてゆきたいと考えてい る。さらに別途、大隈文書の電子化を進めており、こち らも古典籍DBへの搭載を見据えて作業を開始した。

<今後の予定>

2006年度:文学・芸術分野 2007年度:歴史・伝記分野 2008年度:哲学・宗教分野 2009年度:社会科学分野

おおよそ上記のような分野を中心にデータベースの充実 をはかってゆく予定である。

予算面でも、学内外の関係者の協力を得て申請した文 部科学省科学研究費(研究成果データベース)の交付が、

2006年度分について決定した(名称:古典籍総合データ ベース、代表:白井克彦)。いよいよ当DB構築の社会的 責任もさらに増したといえるわけで、本年度以降さらな る内容の充実をはかってゆかねばならないと考えている。

広報と反響

2006年度以降の予定 検索の方法と公開

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参照

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