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プ ロ ジ ェ ク ト計 画 へ の 推 進 管 理 シ ス テ ム の 実 証 的 研 究(1)
山 田 一 生
目 次
1.は じ め に
皿.プ ロ ジ ェ ク ト計 画 へ の ト ッ プ ダ ウ ン ・ ア プ ロ ー チ 皿.プ ロ ジ ェ・ク ト計 画 へ の ボ トム ア ッ プ ・ ア プ ロ ー チ W.プ ロ ジ ェ ク ト計 画 へ の 意 思 決 定 支 援 シ ス テ ム の 展 開
V.プ ロ ジ ェ ク ト計 画 へ の 推 進 管 理 シ ス テ ム の フ レ ー ム ワ ー ク
M.ま と め に か え て ・
1.は 『じ め に
昭 和48年 秋 の オ イル ・シ ヨ ッ ク以 来 の 日本 経 済 は,長 期 的構 造 不 況 とい う長 い 長 い トソ ネ ル の 中 で,ま る4年 間 に わ た っ て,一 す じの 光 明す ら見 い 出 す こ と も な く,窒 息 死 寸 前 の 情 況 を 呈 して い る。 も と よ りこの 情 況 は,最 近 の200 海 浬 問 題 に 象 徴 さ れ る よ うに,世 界 的 風 潮 の な か で と らえ られ る べ き で あ ろ う。
、
しか しな が ら,と りわ け 石 油 文 明 の恩 典 を 享 受 して,世 界 的 プ ロセ ッサ 機 構 と して 驚 異 的 な 高 度 経 済 成 長 を 遂 げ て き た 無 資 源 国 日本 に と っ て,こ の 事 態 は 極 め て 深 刻 な庵 の とな っ て い る。 は た して 日本 の 経 営 者 達 は,こ の よ うな 苦 況 を 乗 りき る 見通 し と手 立 て を そ な え て い る の で あ ろ うか 。
減 量 経 営 とい うキ ヤ ッチ ・フ レー ズ の も とに,日 本 の大 企 業 の ほ とん どが, 徹 底 的 な 企 業 体 質 改 善 に,懸 命 に 努 力 中 とい うの が,真 相 で あ ろ う。 一・口に 減 量 経 営 とい っ て も,経 営 シ ス テ ム の3要 素 で あ る人,金,物 のす べ て に 総 点 検 が 実 施 され る の で あ り,い わ φ る 「人 べ ら し,金 べ ら し,物 べ ら し」.経営 方 式
原稿受 領1977年11月8日
12 商 学 討 究 第28巻 第3号
とい う,高 度経 済 成 長 時 代 には 想 像す らで きな か った経 営革 新 を意 味 す るの で あ る。
ゼ ロ成長 時 代 を迎 えた 日本 の経 営 老 達 は,そ の ほ とん どが 明 日へ の希望 を託 す 何 らの具 体 策 を 見 い 出す こ と もな しに,も っぱ ら虚 無 的 に,減 量経 営 対 策 に 取 り組 ん でい るのだ と考 えては,苛 酷 で あ ろ うか。 日本 の企業 の大 半 を 占 め る 中 小 企業 の経 営 者 達か らみれ ば減 量経 営 対 策 に取 り組 む 組織 的余 裕 のあ る経 営 老 は,ま だ 幸運 で あ る。 そ のほ とん どの者 が,社 会 的 な大 義 名分 と明 日へ の生 計 手 段 さえ あれ ば,す ぐに も退 めた い と考 え てい るのが 本音 で あ ろ う。
高 度経 済 成長 時 代 に は,日 本 的経 営 の3種 の 神器 と もてはや され た,(1)終 身 雇 用制 度,(2)年 功 序 列 型賃 金体 系,(3)全 体 主 義 ・家 族 主 義 的経 営 とい う,日 本 の平 均 的企 業体 質 の特 色 さえ も,現 段 階 で の緊急 課 題 で あ る減 量経 営 対 策 の推 進 とい う面 か らと らえ てみれ ば,諸 悪 の根 源 とな る始 末 で あ る。 も と よ り日本 的経 営 の特 質 に つ い ては,か って の封建 的鎖 国 時代 に さか の ぼ って,職 業 意識 を め ぐる 日本i人の思 考 と行 動 様 式 を探 究 す る こ とが先 決 で あ り,い たず らに そ
の功 罪 を と くべ きでは な い と考 え る。 ・
いず れ に して も,現 代 の 日本 の経 営 者達 が,具 体 的 な減 量 経 営 政策 に取 り組 む 姿 勢 を示 した場 合 に,い わゆ る 日本 的経営 の特 質 を どの よ うに生 か し,か つ 打破 す べ きか とい う問題 に真 面 せ ざ るを えな い の で あ る。 戦 後30余 年 の あい だ に,あ らゆ る意 味 で 民 主化 のすす む なか で,日 本 の 企業 体 質 の改 善 対 策 も推 進 され て きた はず で あ る のに,日 本 的風 土 の なか で 養 わ れ た伝統 的 な何 ものか を, 置 き忘 れ て きて しま った ので あ ろ うか。 なぜ な らば,日 本 の伝 統 的社 会 のな か に も,減 量経 営 政 策 の経 験 は,例 え ぽ恩 田木 工 のr日 暮 硯 』 に み られ る よ うに,
ご ラ
確 かに あ った と考 え られ る。
い わゆ る士 農 工 商 時代 に なぞ らえ て,日 本 の現 代 社会 の特 質 を象 徴 す れ ば,
(1)日 本的経 営に関 す る筆者 の分 析視 点は,岩 田龍子著 『日本的 経営 の編成原理』(文 真堂,昭 和52年)と 基 本的に一致 す る。 しか し,歴 史的 な源流分析 につ いては,同 著 を含め て これか らの研究成果 に期待 した い。
(2)恩 田木工,r日 暮 硯』(岩波文庫)参 照 の こと。例 えば,武 士は食 わね ど高楊枝,が あ る。
プロジ ェ ク ト計 画への推進 管理
シス テムの実証 的研究(1) 13
本質 的 には 何 らの変 化 も起 らな か った ところに,日 本 の企業 体 質 の改善 政 策 の 根 本 課題 が あ る とい え よ う◎ 少 な くと も表 面 的に は,戦 後幾 多 の経 営 革 新 を繰
り返 しなが ら,飛 躍 的 な発 展 を遂 げ た 日本経 済 の原 動 力 と もい え る企業 体 質 の なか に,内 在 す る二律 背 反(対 立物 の統 一)こ そ が,現 代 の経 営 者 達 の問題 解 決へ の ア プ ローチ で あ る。
す な わ ち,現 代 の経 営 老 達 の最 大 の任 務 は,減 量経 営 政 策 を め ざ した プ 』ジ ェ ク ト計 画策 定 と推 進 管 理 シ メ テ ムの確 立 で あ ろ う。 こ こで プ ロジ ェ ク ト計 画 と は,あ る特 定 の 目的 を も って実 施 され る事 業 計 画 を意 味 し,通 常 の企業 体 は 多数 の プ ロジ ェ ク ト計 画 を乱 立 させ る傾 向が顕 著 で あ り,現 段階 で の急 務は,減 量 経 営 政 策 とい う立場 か らの総 点検作 業 と,各 プ ロジ ェ ク ト計 画 の推 進 管理 体 制 の 確 立 を通 じて の企業 体 質 の 見直 し作 業 で あろ う。現 代 の企業 に と って,戦 略 的長 期 経 営 計画 を確 立 す る ことの重 要性 は,今 さ ら強調 す るまで もない が,そ れ 以上 に 戦 略 的要 因 とな りうるのが,企 業 体 質 の総 点検 を通 じて の プ ロジ ェ ク ト計 画 ゐ再 策 定 で あ る。 プ ロジ ェ ク ト計 画へ の推 進 管理 シ ステ 云の研究 とは,こ の よ
うな意 図か ら着 手 され た,問 題解 決過 程 へ の シ ス テ ムズ ・ア プ ローチ であ る。
もと よ り,こ の よ うな プ ロジ ェ ク ト計 画 へ の推進 管理 シ ス テ ムの必要 性 は, 民 間企業 に 限 られ る もの では な い。 日本 国有 鉄 道 の慢 性 的赤 字経営 を例 にす る ま で もな く,あ らゆ る企業 体 に あ ては ま る もの であ る。 最近 にお け る海 外 か ら の 「日本株 式会 社 」 とい うニ ッ クネ ームに象 徴 され る よ うに,中 央 官 庁 や地 方
自治体 をは じめ とす る,す べ て の行 政 組織 を ふ くめ た経 営 体 に と って,必 要 不 可欠 な条 件 で あ る とい え よ う。
国 家 財政 にお け る国 債依 存 度 も,上 限 と され る30%に 接 近す る昨 今 に お い て, い わ ゆ る増 税政 策 の実 施 も限 界 点 に達 してお り,国 土 庁 の第 三 次全 国総 合発 展 計 画(三 全 総)試 案 に み られ る よ うに,す で に策 定 され た プ ロジ ェク ト計 画 さ え も,大 巾に縮 少 され る と ころ まで,国 家 財政 は,行 きず ま り状 態 に あ る。 も は や 新規 の大型 プ ロジ ェ ク トを追 加す る余裕 さえ もな く,高 福祉==高 負担 政 策 の意 思 決定 に際 して,日 本政 府 は,国 民 との真 の コ ミュニケ ーシ.ヨソに た め ら
うか の よ うであ る。 公 共投 資に よる不 況 対 策 と しての波 及 効果 も26%以 下 と さ
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れ る昨 今 にお い て,国 家 の総 力 を結集 して の プ ロジ ェ ク ト計 画 の総 点検 体制 の 確 立 こそ,最 優 先 の課 題 であ ろ う。
さ らに,地 方 自治体 に お け る赤 字 財政 と財源 難 時 代 の到 来 は,よ り深 刻 さを 増 して きてい る。 これ ま での中 央集 権 型 の財政 投 融 資政 策 を保 持す る こ とは,
もはや 困難 とい え よ う。 各地 方 自治 体 独 自の地 方行 政 の あ り方 を徹 底 的 に 見直 す 必要 にせ ま られ てお り,こ こで も地 域 社会 の発展 計 画に,住 民 意 識 を い か に 反映 させ るか が,鍵 とな ってい る。 真 に プ ロジ ェ ク ト計 画 へ の推 進 管理 シ ス テ
ノ ヘ
ム を 要 求 す る 声 が 高 ま?て き て い る。
以 上 の よ うに,本 稿 で は,と くに 民 聞 企 業 と行 政 組 織 を 区 別 す る こ と な しに, い ず れ の組 織 体 に も適 用 可 能 な 問 題 解 決 過 程 へ の シ ス テ ム ズ ・ア プ ロー チ を め ざ して い る。 筆 者 は,す で にMISの 実 証 的 観 点 か らの 再 検 討 を 通 じて,MI
Sの サ ブ シ ス テ ム 分 類 の(皿)レ ベ ル と して,StrategicDecisionSupPort
Systemsに 相 当 す る モ デ ル の事 例 と して 「プ ロジ ェ ク ト計 画 へ の 推 進 管 理 シ ス
ごの
テ ムの実 証 的研 究 」 を紹 介 した の で あ るが,そ の詳 細 報 告 は,本 稿 に は じまる こ とに な る。
同研 究 テ ーマへ の取 り組 みに着 手 してか ら,す でに約3ケ 年 経 過 した こ とに な るが,実 証 的 モデル 研 究 の常 と して,今 だ に堂 堂 巡 りの感 を まぬ がれ な い。
た とえ一一歩 な りとも前進 を意 図 して,開 題 の言葉 とす る。
ll.プ ロ ジ ェ ク ト 計 画 へ の ト ッ プ ダ ウ ソ ・ ア プ ロ ー チ
戦 略 的 計 画 策 定 とい う側 面 か ら,プ ロ ジ ェ ク ト計 画 の 総 点 検 作 業 を,極 め て シ ス テ マ テ ィッ クな 問 題 解 決 過 程 と して 展 開 し よ う と試 み た の が,い わ ゆ るペ
ン タ ゴ ソ作 戦 と呼 ば れ るPPBS(Planning,ProgrammingandBudgeting
ゆ
SYstemの 略 称)に は じま る こ とは,周 知 の事 実 で あ ろ う。
(3)山 田 一 生,「 経 営 情 報 論 の 生 成 過 程 に 関 す る 一 考 察 一MISの プ レ ・一 ム ワ ー ク と の 関 連 で 一 」(日 本 経 営 学 会 五 十 周 年 記 念 特 集r経 営 学 の 回 顧 と 展 望 』 〈 経 営 論 集 第 四 十 七 集 〉,千 倉 書 房,昭 和52年)pp.237‑‑242.
(4)Hitch,CJ.,」Decision‑MaleingforDefense,Univ.ofCaliforniaPress, 1967.参 照 。
プロジ ェ ク ト計画へ の推進 管理
シス テムの実証的研究(1) 15
PPBSは,ア メ リカ国防 省 に お け る約18年 間に わ た る長 期研 究 の結 果,19 61年1月,当 時 の ケネデ ィ大統 領 の要 請 に も とづ き就 任 した,ロ ・〈一一ト ・マ ク
ナ マ ラ国防 省長 官 の発 令 に よ って,1963会 計 年度 の 国防 予 算 か ら適 用 され は じ め た もの であ る。1961年 以 前 の 国防 省 の計 画は,統 合 参 謀 本部 に よって策 定 さ れ た,5年 か ら10年 間 にわ た る兵 力 と兵 器 シス テ ムに 関す る計 画 策 定 で あ った。
そ こで の実 際 の計 画 策定 と優先 順 位 付 け は,陸 軍,海 軍,空 軍 に バ ラバ ラに ま か され て いた の で,そ の結果,種 々の重 復 と不均 衡 が生 じて いた。 も と よ り国 防 予 算 の編 成は,予 算限 度額 に も とつ い て実 施 され るの で,増 大 す る国防 予 算 に と もな って,と くに総 点検作 業 を 展 開す る必要 性 が 高 ま った の で あ る。
この よ うにPPBSは,長 期計 画 策 定(Planning)と 年 度 予 算編 成(Bud‑
geting)と の あい だ の ギ ャッ プに,任 務別 計 画(Programming)と い う有 機 的 な橋 をか け,こ れ らBつ の意 思 決定 プ ロセ ス の あ いだ に重 復す る不 均衡 要 因 を除 去 し,全 体 と して の資源 配 分 に 関す る効 率性 を 高 め るた め の意 思 決定 シ ス テ ム と して,登 場 した ので あ る。
PPBSと は,(1)ま ず 長 期計 画 策定 の段 階 で,戦 略 目標 に 関す る費 用 と影 響 を確 認 ・評 価 す る ことに ょって,長 期 にわ た る組 織 体 の 目的を で き るだ け 明確 に し,(2)次 に任 務別 計 画(プ ロ グ ラム)策 定 の段階 で,選 択 され た 代 替 的 プ ロ
グ ラムの 多年度 にわ た る実 行 可能 性 を 明 らか に し,(3)さ らに予 算 編成 の段 階 で, 多年 度 プ ログ ラムの初 年 度 にお け る必要 資金 の財 政 的裏 付 け を確 立 させ る とい
う意 思 決定 シ ステ ムで あ る。PPBSは,「 費 用対 効 果分 析」 と 「資源 の最 適 配 分 」 とい うシ ス テ ム分 析 の手 法 を特 徴 とす る,極 め て合 理 的 か つ シ ス テマ テ ィ
ゆ
ッ クな ア プ ローチ とい え る。
Plannihgの 段 階 では,組 織体 の長 期 に わ た る代 替 目的 の明確 化 と,そ れ を 達成 す るた め の代 替案 の優先 順位 を決定 す る こ とが,主 なね らいで あ り,極 め て客 観 的 ・計量 的 な分 析 をめ ぎ して,シ ス テ ム分析 の手 法 が徹 底 的 に展 開 され
(5)LydenF.J.andMillerEG,(ed.),Planning‑Programmin亙rBadgeting:
ASystemsApproachtoManagement,MarkhamPublishingα).,1968.参 照 。 さ ら に,PPBSに 関 す る 基 本 的 解 説 書 と し て は,宮 川 公 男 編 著 『PPBSの 原 理 と 分 析 』(有 斐 閣,昭 和44年)を 参 照 の こ と 。
16 商 学 討 究 第28巻 第3号
る こ とに な る。 こ こ で 「費 用 対 効 果 分 析 」(Cost‑EffectivenessAnalysis)あ る い は 「費 用 便 益 分 析 」(Cost‑BenefitAnalysisと い う)手 法 が 用 い られ て,費 用 との 対 比 に お い て 代 替 案 の 望 ま しさ を 知 り,代 替 案 の 採 否,あ る い は 優 先 順 位 が 明 らか に され る。 費 用 とは,あ る プ ロ ジ ェ ク トを 達 成 す る た め に投 入 され た 資 源 の価 値 で あ り,効 果(Effectiveness)と は プ ロ ジ ェ ク トの 達 成 度 を金 額 以 外 の 計 量 的 手 段 で表 示 した もの,便 益(Benefit)と は プ ロジ ェ ク トの 達 成 度 を 金 額 で表 示 した 場 合 で あ る。 した が っ て,費 用 便 益 分 析 を 適 用 す る こ とに よ っ て,公 共 投 資 部 門 の場 合 に は,市 場 経 済 に お け るプ ラ イス ・メ カ ニ ズ ム の 役 割 を 補 完 させ る と い う,ね らい が あ る。
Programmingの 段 階 で は,Planningの 際 に は,効 果 が 発 生 す る全 期 間 を 対 象 と して,関 連 す るす べ て の 費 用 を 考 慮 して 分 析 した の に 対 して,必 ず あ る期
間 内 に 実 際 に 配 分 さ れ る必 要 資 源 に焦 点 を あ て て い る と こ ろ に 特 徴 が み られ る。
こ こで は,多 年 度 プ ロ グ ラ ムに よ っ て 達 成 され る 目的(ア ウ トプ ッ ト)と,各 プ ロ グ ラ ム に 含 ま れ る諸 活 動 の 実 施 手 順,配 置 等 を 定 め,そ れ に 必 要 な 人,金, 物 等 の 諸 資 源(イ ソ プ ッ ト)の 配 分 を 通 じて,プ ロ グ ラ ム の 実 行 可 能 性 が 確 認 され る。
Budgetingの 段 階 で は,Programmingの 過 程 で 展 開 さ れ た プ ロ グ ラ ム 分 析 を 基 礎 に して 年 度 予 算 編 成 を 実 施 す るの で あ る が,ア メ リ カ連 邦 政 府 の 予 算 局 の 場 合 に は,(1)プ ロ グ ラ ム要 綱(PogrammMemorandum,PMと 略 称),(2)特 別 分 析 研 究 書(SpecialAnalysisStudy,SASと 略 称),(3)プ ロ グ ラ ム お よび
資 金 計 画 書(ProgrammandFinancialPlan,PFPと 略 称)と い う3種 類 の 基 本 文 書 の 提 出を 求 め て い る。
PPBSで は,組 織 体 の意 思 決 定 者 の 注 意 力 を 最 適 資 源 配 分 とい う問 題 に 集 中 させ る意 図 か ら,す べ て の事 業 計 画 を プ ロ グ ラ ム と い う概 念 で と らえ て い る。
こ こ で プ ロ グ ラ ム と は,共 通 の 目 的 ま た は 共 通 の ア ウ トプ ッ トを もつ 事 業 活 動 の集 ま りを 意 味 し,と くに プ ロ グ ラ ミソ グ の過 程 を 明 らか に し よ うとす る場 合 に は,プ ロ グ ラ ム ・プ ラ ソ と呼 ば れ る。
組 織 体 の 目的 体 系 に した が っ て プ ロ グ ラ ム を 分 類 す る た め の体 系 を,プ ロ グ
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システ ムの実証的研究(1) 17
ラ ム 体 系(ProgrammStructure)と い い,プ ロ グ ラ ム 体 系 は,さ ら に(1)プ ロ グ ラ ム ・ カ テ ゴ リ ー(ProgrammCategory),(2)プ ロ グ ラ ム ・サ ブ カ テ ゴ リ ー (PrqgrammSubcategory),(3)プ ロ グ ラ ム ・エ レ メ ソ ト(ProgrammElement)
と い う3つ の 分 類 レ ベ ル か ら構 成 さ れ る 。
プ ロ グ ラ ム ・ カ テ ゴ リ ー と は,適 切 な 意 思 決 定 の た め に,主 要 な 使 命 や 活 動 の 規 模 等 の 問 題 を 検 討 し,解 決 す る の に 適 当 な 大 き さ を も っ た 活 動 の 集 ま りを 意 味 す る 。 プ ロ グ ラ ム ・ サ ブ カ テ ゴ リ ー と は,プ ロ グ ラ ム ・ カ テ ゴ リ ー の 意 味 の あ る 実 質 的 分 割 で あ っ て,き わ め て 類 似 性 の あ る ア ウ ト プ ッ トを つ く りだ す プ ロ グ ラ ム ・ エ レ メ ソ トを ま と め た も の で あ る 。 プ ロ グ ラ ム ・ エ レ メ γ ト と は,' プ ロ グ ラ ム 体 系 の 基 本 的 構 築 単 位 と な る 分 類 項 目 で,明 確 に と ら え う る い く つ か の ア ウ ト プ ッ トの 生 産 に 直 接 に か か わ る 活 動 の 集 ま り で あ る 。
〔6)
以 上 の よ うなPPBア プ ロー チ の 基 本 的 な 特 徴 と して,宮 川 公 男 教 授 等 は, (1)目的 指 向,(2)代 替 案 の体 系 的 比 較,(3)長 期 的 視 野,(4)プ ロ グ ラ ム の 絶 え ざ る 評 価 と改 定 とい う,4点 を 指 摘 され た の で あ るが,さ ら に注 目す べ き 最 大 の 特 徴 とい え るの は,プ ロ グ ラ ム 体 系 の 階 層 的 構 造 に 象 徴 され る トッ プ ダ ウ ソ ・ア
プ ロー一チ の展 開 で あ ろ う。PPBア プ ロ ー一一チ の 最 大 目的 は,類 似 の 目的 を もっ プ ロ グ ラ ム 間 の トレ ー ド ・オ フを 確i認す る こ とで あ った が,そ の た め に は,常 に 少 人 数 の 中 央 ス タ ッ フに よ って 実 施 され る結 果 とな った の で あ る。 こ う した
トッ プ ダ ウ ソ ・ア プ ロ ー チ の 展 開 は,PPBSを 導 入 して も管 理 す る た め に 十 分 訓 練 され た ス タ ッ フが 不 足 す る こ と もあ っ て,広 く実 施 上 の 問 題 を か か え て
い る。 、 ・
1965年8月25日,当 時 の ジ ョソ ソ ソ大 統 領 は,ア メ リ カ連 邦 政 府 の す べ て の 行 政 機 関 にPPBSの 導 入 指 令 を 出 した の で あ る。PPBSは,政 府 に お け 、る マ ネ ジ メ ソ ト革 命 に な る と主 唱 され,そ の 後 も実 際 に 導 入 さ れ 続 け た の で あ る が,い ず れ も 部 分 的 に 若 干 の 成 果 を あ げ た に す ぎ な い と い わ れ る 。
ピ ー タ ーA.ピ ア ー氏 の 指 摘 に よれ ば,PPBの 重 大 な欠 陥 は,シ ス テ ム設
(6)宮 川 公 男,ribid.,』p.15.;
(7)Pyhrr,PeterA,Zero‑‑BaseBudgeting,JohnWiley,1973,pp.149‑152.
'
18. 商 学 討 究 第28巻 第3号
計 上 の 問 題 で あ り,PPBが,基 本 的 に は マ ク ロ経 済 的 ・中 央 集 権 的 手 段 で あ り,ト ッ プ ダ ウ ソ の 政 策 手 段 で あ り,長 期 計 画 策 定 手 段 に す ぎ な い こ とか ら派 生 して い る。 す な わ ち,PPBは,新 規 プ ロ グ ラ ム や 継 続 中 の プ ロ グ ラ ム の 大 き な 増 額 要 求 分 に焦 点 を あ て な が ら,一 一定 の 目的 を 達 成 す る た め の 代 替 的 方 法 を 評 価 で き た と して も,政 策 と プ ロ グ ラ ム を 実 施 す る ラ イ ソ の 管 理 者 の 業 務 遂 行 手 段 とは な ら な い と ころ に,最 大 の 欠 陥 が あ った こ と に な る。
か く して,プ ロ ジ ェ ク ト計 画 へ の トッ プ ダ ウ/・ ア プ ロー チ と して特 徴 づ け られ たPPBSは,目 本 政 府 で も1969年 か らの 国 家 予 算 編 成 へ の 適 用 を め ざ し
ゆ
て 本格 的研 究 を 開始 した の で あ るが,そ の後 の民 間企業 組 織 へ の適 用問題 も含 め て,ほ とん ど定 着 す るに は到 ってい ない 。 む しろ,そ の よ うな状 勢 の なか で 注 目され 始 め た のがZBBで あ ろ う。
起
皿.プ ロ ジ ェ ク ト 計 画 へ の ボ ト ム ア ッ プ ・ ア プ ロ ー チ
ZBBと は,「 ゼ ロ ベ ー ス 予 算 編 成 方 式 」(Zero‑BaseBudgeting,ZBBと 略 称)の こ と で,「 ゼ ロ ベ ー ス ・ プ ラ ソ ニ ソ グ 」 と ガ・ 「ゼ ロ ベ ー ス ・ プ ラ ソ ニ ソ
グ ・ ア ソ ド ・バ ジ ェ テ ィ ソ グ 」 と 名 称 を 変 え る べ き だ と も い わ れ て い る 。 そ れ は,ZBBが 効 果 的 な 計 画 策 定 を 必 要 と し,計 画 策 定 の 欠 陥 を た だ ち に 明 ら か
て ユ
に す る と こ ろ に 起 因 して い る。
このZBB方 式 を 開 発 した の は,ピ ー タ ーA.ピ ア ー 氏 で あ り,当 時 テ キ サ ス ・イ ソ ス ッル メ ン ト社(TI)の ス タ ッ フ ・研 究 開 発 部 門 の マ ネ ジ ャ ー で あ った 同氏 の 発 案 に よ っ て,1970年 度 のTI社 の ス タ ッ フ ・研 究 開 発 部 門 の 予 算 編 成 に 適 用 され た こ と に は じ ま る。 そ の 部 門 で の成 功 に も とづ き,翌1971年 度 予算 か らはTI社 の 製 造 部 門 を の ぞ く全 部 門 に 全 面 的 に 採 用 され た の で あ る。
ぐユ エ
ピ ー タ ーA.ピ ア ー 氏 の 要 約 に よ れ ば,ZBBは,(1)望 ま し い 目 標 の 達 成 に
(8)'昭 和43年4月,経 済 企 画 庁 の 経 済 研 究 所 に シ ス テ ム 分 析 調 査 室 が 設 け ら れ,宮 川 公 男 室 長 の も と で,PPBSに 関 す る 調 査 ・研 究 が 実 施 さ れ,前 掲 書 の 通 り報 告 書 が 公 刊 さ れ て い るb
(9)Pyhrr,PeterA.,op.cit.,p.2.
⑩Ditto.,ibid.,prefacexii.
ご薙 鍵 購 発轡 理 ・9
必 要 な 資 金 に 関 す る詳 しい 情 報 を トッ プ ・マ ジ メ ン トに 提 供 す る,(2)部 門 間 の 努 力 の 無 駄 と重 復 を 浮 彫 りに す る,(3)前 年 度 に 対 す る増 加 分(な い し減 少 分)
で は な くプ ロ グ ラ ム に 必 要 な 金 額 に 焦 点 を 合 わ す,(4)部 門 内,部 門 間 の 優 先 度 を 明 らか に す る,(5)資 金 配 分 の 際,そ れ ぞ れ の優 先 度 に 関 し組 織 の境 界 を こえ る 比 較 を 可 能 に す る,⑥ 各 ア クテ ィ ピ ィテ ィや 各 オ ペ レー シ ョンが 予 定 通 りに 実 施 され て い るか を 判 定 す る業 務 監 査 を 可 能 に す る。'
ZBBは,ま た,ト ヅ プ ・マ ネ ジ メ ソ トに と っ て従 業 員 の 業 績 を 判 断 す る格 好 の 手 段 と な り,ZBBを 採 用 す る と,組 織 の 全 階 層 に お け る 管 理 者 が 必 ず 関 係 して く る の で,管 理 者 は 予 算 に 対 し大 き な 責 任 を 持 つ と 同 時 に,予 算 獲 得 の た め 約 束 した 仕 事 に 対 して も大 き な 責 任 感 を 持 つ こ とに な る と,ピ ー タ ーA。 ピ ア ー氏 は 述 べ て お り,長 期 的 に は,ZBB導 入 の 最 大 の イ ソ パ ク トは 中 間 と低
ご の
位 の 管 理 層 に お こ る と,指 摘 す る。
す で に プ ロ グ ラ ム予 算 編 成 方 式 に つ い て は,PPBSと の 関 連 で 若 干 と りあ げ た の で あ るが,と くに プ ログ ラ ム予 算 と い うの は,プ ロ ジ ェ ク ト計 画 別 の 予 算 制 度 で あ っ て,製 造 部 門 の 予 算 制 度 とは,本 質 的 に 異 な る もの で あ る。 した が って,ZBB方 式 は,製 造 部 門 に は 適 用 さ れ ず に,主 と して管 理 部 門,技 術 部 門,営 業 部 門 に 適 用 され る の で あ る。
こ の プ ロ グ ラ ム 予 算 編 成 方 式 は,通 常 は 前 年 度 の予 算 実 績 額 を 基 準(base) に して,い わ ゆ る増 分 主 義 的 予 算 編 成 を 採 用 す る と こ ろ に 特 徴 が み られ る。 こ れ に 対 しZBB方 式 で は,基 本 的 に は,(1)「 デ シ ジ ョ ソ ・パ ッ ケ ー ジ」(Decision Pakages:DP)の 作 成,(2)「 デ シ ジ ョン ・パ ッ ケ ー ジ の ラ ン ク付 け 」 とい う2 っ の ス テ ッ プ を経 て,常 に ゼ ロベ ー ス で 展 開 され る と こ ろ に,最 大 の 特 徴 が あ
ぐ ラ
る。
そ の 上,デ シ ジ ョソ ・パ ッ ケ ー ジ の作 成 は,通 常 は 組 織 体 の コス ト ・セ ン タ ー 以 下 の 階 層 で 個 別 業 務 を 担 当 す る 者 に よ っ て 提 出 さ れ る こ と に は じ ま る 。 こ う して,組 織 体 の 最 下 層 で 作 成 され た デ シ ジ ョン ・パ ッ ケ ー ジ は,実 際 の 階 層
⑪Ditto.,ゴ δゴ佑prefacexii.
⑫Ditto.,ゴ うゴd.,pp;5‑18.
20 商 学 討 屍 第28巻 第3号
的 組 織 の構 造 を 少 し も変 更 す る こ と な く,何 階 層 か の レベ ル で の 統 合 的 ラ ン ク 付 け 作 業 を 通 じて,組 織 的 意 思 決 定 過 程 を 形 成 し,ト ッ プ ・マ ネ ジ メ ン トの レ ベ ル で優 先 順 位 を 決 定 す る ま で,展 開 され る。
最 終 的 に は,予 算 枠 内 に は い る デ シ ジ ョソ ・パ ッ ケ ー ジ の み が 採 用 され,他 は 却 下 され る こ と に な る。 そ こ で は,す べ て の 組 織 管 理 老 が,計 画 策 定 と 予 算 編 成 に 関 す る組 織 的 意 思 決 定 過 程 に 参 加 す る結 果 と な り,し か も,極 め て典 型 的 な ボ トム ア ッ プ ・ア プ ロー チ と な っ"i[い る と こ ろ に,ZBB方 式 の特 色 が 発 揮 さ れ て い る とい え よ う。
デ シ ジ ョγ ・パ ッ ケ ー ジ に は,個 別 の 機 能 な い しオ ペ レ ー シ ョン が,そ の 他 の 機 能 に 対 す る マ ネ ジ メ ン トの 評 価 お よび 比 較 の た め に,一 定 の 方 法 で 示 さ れ,同 時 に,そ の機 能 を 遂 行 しな い 場 合 ゐ 影 響,代 替 的 方 法,費 用 対 効 果 が示
され る。 さ らに 努 力 水 準 を設 定 す る こ と に よ っ て,特 定 の機 能 や オ ペ レー シ ョ ンに つ い て勧 告 さ れ る努 力 水 準 に い くつ か の 段 階 が あ る場 合 に は,ラ ソ ク名 称
こ おり
を 工 夫 す る こ と で,キ イ ・ イ ソ デ ッ ク ス が 付 さ れ る 。 デ シ ジ ョ ソ ・パ ッ ケ ー ジ 表 は,通 常1ペ ー ジ か2ペ ー一一一ジ の 様 式 が 採 用 さ れ,一 般 的 情 報,目 的 と プ ロ グ
ごユの
ラムの説 明,コ ス ト,効 果,代 替 案等 の5項 目を具 体 的 内 容 と して い る。
デ シ ジ ョソ ・パ ッ ケ ージ の ラソ ク付 け は,通 常,ラ ソ クの番 号 は鉛 筆 が きで 付 され,下 位 の組 織 階 層 では個 人 に よって行 わ れ るが,よ り上 位 の組織 階 層に な るほ ど,委 員会 形 式が 最 善 の もの と され る。 何 階 層か の統 合 的 ラソ ク付 け作 業 を通 じて,費 用対 効 果 分析 を徹底 させ る こと とな り,有 限 の 資源 を 配分 す る 曾
方 法 が マ ネ ジ メ ソ トに提 供 され るの であ る。
この よ うに,ゼ ロベ ース予 算編 成 方 式(ZBB)と は,既 定 の経 費を 含 め て, す べ て の支 出費 用に つ い て総 点検 作業 を しな が ら,予 算編 成 を 実 施 す る方 式 で あ り,い わ ゆ る前 年 度予 算実 績 の増 分方 式 か ら離 れ て,文 字 通 りに ゼ ロか ら出 発 して本 当に 必要 な事業 計 画 の みを厳 選 して,予 算 を編成 す る と ころ に,独 創 的 な工 夫 が み られ,し か も,結 果 的 には,プ ロジ ェ ク ト計 画 へ の ボ トム ア ッ プ
⑬Dittα,ゴ うid.,pp.196‑167.
⑭Ditto.,ibid.,p,65.
、
プ ロジ ェク ト計 画へ の推進 管理
システ ムの実証 的研究(1) 21
・ ア プ ロ ー チ を 展 開 し て い る と こ ろ に
,多 く の 示 唆 と 発 展 性 を 含 ん で い る 。 ピ ー一タ ・‑A.ピ ア ー 氏 は,ZBBが,ト ッ プ ・ ダ ウ ソ,ボ ト ム ・ ア ッ プ,ト ッ
は うラ
ブ ・ダ ウ ソ の 計 画 策 定 ・予 算 編 成 過 程 で あ る,と 結 論 して お り,ZBBの 導 入 に よ っ て 予 算 編 成 と経 営 計 画 と が 有 機 的 に 結 び つ く こ とか ら,ゼ ロベ ー ス ・マ
ぐ じ ヤ
ネ ジ メ ン トと呼 び た い ぐ らい だ,と も強 調 され る。 しか しな が ら,実 際 の 手 続 きは か な りめ ん ど うな もの で,と くに 大 規 模 組 織 の場 合 に は,そ の ま ま で は, と て もPPBの 欠 陥 を お ぎ な うた め の,最 適 手 段 と は な りえ な い と考 え る。
確 か に,ZBBは,PPBア ブP‑一 チ に は み られ な か った 現 実 適 応 性 を そ な え て は い るが,本 質 的 に は,両 者 は 共 通 の フ レ ー一ム ワ ー ク上 に あ り,究 極 的 に は 一 致 す る もの と判 断 され る。ZBBア プ ロ ー チ の メ リ ッ ト ・デ メ リ ッ トの 根
源 はttボ トム ア ッ プ ・ア プ ロー チ に 象 徴 され る と い え よ う。 そ の 意 味 で,ピrz 一氏 の 結 論 へ 接 近 す るた め に は ,本 格 的 な コ ソ ピ ュ ー タ ・シ ス テ ム を 採 用 す る こ とに よ って,PPBの トッ プ ・ダ ウソ の作 業 と,ZBBの ボ トム ・ア ッ プ作 業 とが,真 に 調 整 され た 統 合 過 程 と して のD㏄isionSupportSystemsの 確 立 を,は か る こ とが 近 道 とな る で あ ろ う。L
い ず れ に して も,ア メ リ カ合 衆 国 の ジ ミー ・カ ー タ ー大 統 領 が,ジ ョー ジ ア 州 知 事 時 代 の1973年 度 州 予 算 に,ZBBを 採 用 した 実 績 の 上 に,・大 統 領 選 挙 中 の公 約 もあ っ て,1979年 度 ア メ リ カ合 衆 国 連 邦 予 算 へ の 採 用 も決 定 し,日 本 に もZBB旋 風 が ま き お こ っ て い る。
N.プ ロジ ェ ク ト計 画 へ の 意 思 決 定 支 援 シ ス テ4の 展 開
プ ロジ ェ ク ト計 画 へ のDecisionSupportSystemsを 展 開 し よ う と試 み る こ とは,そ の 目的 自体 を と りあ げ て み て も,あ ま りに も壮 大 で あ って,実 現 可 能 性 の 少 な い テ ー マ と して の 位 置 を 占 め 続 け て き た の で あ る 。 と こ ろ で,ZB
Bア プ ロー チ の 主 唱 者 で あ る ピ ー タ ーA.ピ ァ ー氏 も,そ の 著 書Zero‑Base
⑮Ditto.,ibìd.,p.189.
⑯ 日 本 経 済 新 聞(昭 和52年10月24日 付)9面 参 照 の こ と 。
22 商 学 討 究 第28巻 第3号
Budgetin9(1973)の 第9章 の な か で,本 格 的 な コ ン ピ ュ ー タ を 導 入 して のZ
くユの
BB作 戦 に つ い て,そ の概 要 設 計 を 説 明 して い る。 しか しな が ら,き わ め て 残 念 な こ と に,そ こ で の焦 点 は,あ くま で デ ー タ処 理 志 向型 で あ り,Decision SupportSystemsと して の基 本 視 角 と技 術 的 対 応 策 は,ほ と ん ど み あ た らな い の で あ る。
わ ず か に 総 合 情 報 シ ス テ ム へ の 前 進 を は か るた め に は,現 在 のMISと DecisionSystemsにZBBア ブP‑一 一チ の欠 落 して い る こ と こそ 重 視 す べ き で
くユおひ
あ る と指 摘 す る点 で,ピ ア ー 氏 の い う神 話 で あ っ た 総 合 情 報 シ ス テ ムへ の 重 要 な示 唆 が み られ るに す ぎ な い 。 す な わ ち,ZBBア プ ロ ーチ か らZBBシ ス テ ムへ の 脱 皮 を は か る こ と こそ,そ の 第 一 歩 と な り う る こ と に 気 づ き な が ら,具 体 的 設 計 プ ラ ソ は 不 充 分 で あ る。
PPBア ブPt‑一 チ と の 対 比 に して も,PPBが マ ク ロ経 済 的 効 率 性 の み を 評 価 す るの に く らべ て,ZBBは,ミ ク ロ経 済 的 実 効 性 と効 率 性 を 同 時 に 評 価 す る た め に,PPBの フ レ ー ム ワ ー ク の 中 で 調 整 さ れ る可 能 性 を 示 しな が ら,あ
ごユ ヤ
くま で もPPBを 補 完 す る もの と され た 点 に,ピ ア ー氏 の 立 場 が 象 徴 さ れ よ う。・
つ ま り,ピ ァ ー氏 は,デ シ ジ ョン ・パ ッケ ー ジ の作 成 と ラ ン ク付 け作 業 を 通 じ て の 組 織 的 意 思 決 定 過 程 に つ い て,き わ め て 重 要 な マ ネ ジ メ ソ ト革 新 へ の ア プ ロ ー チ を 示 しな が ら,組 織 的 意 思 決 定 過 程 そ の もの の シ ス テ ム化 に は,立 ち 入 る こ と な くお わ っ て い る。
こ こ で,プ ロジ ェ ク ト計 画 へ の意 思 決 定 支 援 シ ス テ ム の 展 闘 とは,た と え て み れ ば,PPBア プ ロ ー チ とZBBア プ ロ ーチ の統 合 的 調 整 過 程 を 形 成 す る大 容 量 フ ァ イル(DataBase)と ネ ッ トワ ー ク され たTSS端 末 装 置 を 通 じて, 意 思 決 定 者 の 継 続 プ ロジ ェ ク ト計 画 の 再 策 定 作 業 や 新 規 プ ロジ ェ ク ト計 画 の 追 ・ 加 策 定 を 支 援 で き る よ うな シ ス テ ム の形 成 を,想 定 した もの で あ る。
㈲pyhrr,peterA.,op.cit.,chapter9℃ ㎝puterApplications",な お 最 近 ピ ー タ
ーA .ピ ァ ー 氏 の 同 著 に つ い て,中 村 芳 夫 訳rゼ ロ ベ ー ス ・ マ ネ ジ メ ン ト』(ダ イ ヤ
モ ン ド 社,昭 和52年9月)が 刊 行 さ れ た の で,参 照 の こ と 。
agPyhrr,PeterA.,op.cit.,p.171.
⑲Ditto.,ibid..p.158.
ご薙 あ美鶉 調 響 算理23
〆
した が っ て,よ り具 体 的 に は,プ ロ ジ ェ ク ト計 画 を 策 定 す るた め の デ シ ジ ョ ン ・パ ッケ ー ジ を フ ァ イル した デ ー タ ・ベ ー ス を 確 立 す るた め の シ ス テ ム設 計 上 の諸 問 題 と,そ の よ うな 大 容 量 フ ァ イル ゐ 確 立 を 前 提 とす るDecisionSup‑
portSystemsを 具 体 的 に 展 開 す るた め の 技 術 的 諸 条 件 に つ い て,考 察 され る こ とに な ろ う。
デ ー タ ・ベ ー ス とは,あ る特 定 の 企 業 の ア プ リケ ー シ ョン ・シ ス テ ム に よ っ
ぐ ひ
て 活 用 さ れ る,記 憶 され た 業 務 活 動 デ ー タの 集 合 で あ り,汎 用 目的 の デ ー タ ・ ベ ー ス 管 理 シ ス テ ム を 開 発 す る 目的 で,1969年 以 降 に,主 と してCODASYL
に つ
シ ス テ ム ズ 委 員 会 の 一 連 の 報 告 書 が,ま と め ら れ て い る 。 す な わ ち,(1)「 デ ー一・・一 タ ベ ー ス 管 理 シ ス テ ム の 調 査 」(1969),(2)「 デ ー タ ベ ー ス 管 理 シ ス テ ム の 機 能 解 析 」(1971),(3)「 デ ー タ ベ ー ス 管 理 シ ス テ ム の 選 択 と 取 得 」(1976)の3冊 で あ る 。 こ れ ら3つ の 報 告 書 の 刊 行 を 契 機 と し て,こ こ2〜3年 来 に 多 数 の 文 献 が 刊 行 さ れ て い る が,コ ン ピ ュ ー タ ・ メ ー カ ー 各 社 もDataBaseManagement
Systems(以 下DBMSと 略 称)の 研 究 開 発 作 業 に,最 大 限 の 企 業 努 力 を 傾 注 し て い るo
こ の よ う なDBMSの パ ッ ケ ー ジ づ く りは,そ の 源 流 か ら み て,(1)CODAS YL・Family,(2)INVERT・Family,(3)FILEMANAGEMENT・Family,(4)IB
M・Familyの4グ ル ー プ に 分 類 さ れ る が,そ の 中 で も特 に 注 目 さ れ る の は, IBM社 のInformationManagementSystem'(以 下IMSと 略 称)と, CODASYLプmグ ラ ム 言 語 委 員 会 のDataBaseTaskGroup・(DBTGと 略
称)提 案 に も と つ く パ ッ ケ ー ジ で あ る 。IMSは,DBTG提 案 の な か に 制 限 付 で は あ る が 入 っ て く る と も 考 え ら れ る の で,こ こ で は,DBTG提 案 に も と つ い で 開 発 さ れ たZEROX社 のExtendedDataBase・Managemen,tSytem
⑳Date,CJ.,1ln1π'70吻6'ゴo〃'oDα'α ∂aseSアs'θ 腐,Addision‑Wesley Publishing(ゐ.,1976,p.1.
(21)CODASYLSystemsCommittee,更 曜ASurveyofGeneralizedDataBase ManagementSystems,"TechnicalRθ ρ07'(May1969).CODASYLSystems Commit卜ee,TeatureAnalysisofGeneralizedDataBaseManagementSystems,
TechnicalRepor'(May1971).CODASYLSystemsCommittee,璽 曾Selectionand
AcquisitionofDataBaseManagementSystems,"T6̀hnicalRepo〃(March1976).
24商 学 討 究 第28巻 第3号
ロ ご コ
(EDMSと 略 称)を と りあ げ る。EDMSは,現 在 入 手 可 能 な パ ッケ ー ジ の
、 な か で,揮 め て 満 足 度 の 高 い 本 格 的 デ ー タ ・ベ ー ス で あ り,本 研 究 計 画 の シ ス
ニ
テ ム 設 計 上 で も 有 効 な も の と 判 断 さ れ る の で あ る 。
D㏄isionSupportSystems(DSSと 略 称)の 本 格 的 な 研 究 開 発 プ ロ ジ ェ ク トが,1967年 にMITのM.S.S.モ ー ト ン に よ っ て 試 み ら れ たManagement
ご り
DecisionSystem(MDSと 略 称)に は じ ま った こ とは,周 知 の 事 実 で あ る 。 モ ー トソ博 士 の先 駆 的 な 実 証 研 究 に 続 い て,そ の 後 も小 規 模 なMDSの 実 用 化 が す す め られ て きた の!ま,主 と して 会 話 型TSSネ ッ トワ ー クを形 成 す る開 発 技 術 条 件 に も と つ く もの で あ った と考 え られ る。 さ らに は,マ ソ=マ シ ン ・シ
ス テ ム の 展 開 を め ざ したTSSネ ッ トワ ー ク指 向 の ソ フ トウ ェ ア開 発 目標 が, 必 然 的 にDBMSの 開 発 作 業 とむ す び つ い て,展 開 さ れ た もの と判 断 さ れ るめ で あ る。
最 近 に お け る コ ン ピ ュ ー タ 自体 の ネ ッ トワ ー ク形 成 を め ざ した ソ フ トウ ェ ア 開 発 の 動 向 は,分 散 型 デ ー タ ・ベ ー ス を 確 立 して 階 層 的 に ネ ッ トワ ー クす る と
ユ
こ ろ ま で 可 能 と す る方 向 で 進 ん で お り,DSSとDBMSと の ネ ッ トワ ー クを 通 じ て,マ ソ=マ シ ン ・シ ス テ ム の 具 体 的 モ デ ル の 開 発 研 究 は,驚 異 的 に 進 展 す る こ と に な ろ う。 か く して,意 思 決 定 者 がTSS端 末 を 通 じて 容 易 に デ ー タ
・ベ ー ス の 内 容 を 照 会 で き る手 段 と して ,EDMSに よ っ て作 成 され たIDP
ぐユね
(InteractiveDatabasePr㏄essor)が 登 場 し た こ と で,プ ロ デ ェ ク ト 計 画 へ の 意 思 決 定 支 援 シ ス テ ム を 展 開 す る た め の,方 法 論 的 基 礎 は,す べ て 整 っ た こ と に な る 。
'
⑳EDMSは,国 産 機 で ぱ,現 在 三 菱 電 機 のMEI£OMCOSMOgoo/700,MELCOM
7700/7500シ ス テ ム で,UTS/VSの 制 御 下 で 稼 動 中 で あ り,本 学 に も 納 入 済 で あ る 。
⑳Morton,MS.S.,ManagementDecisionSystems,HarvardU.R,1971.
⑳IDPは,エ ン ド ・ユ ー ザ ー 向 の デ ー タ ・ベ ー ス 照 会 言 語 プ ロ セ ッ サ と し て, UTS/VSの も と で,極 め て 便 利 な 利 用 法 を 可 能 に し て い る 。
プロジェ ク ト計 画へ の推進 管理
シ ステムの実証 的研究(1) 25
V.プ ロ ジ ェ ク ト計 画 へ の 推 進 管 理 シ ス テ ム の
フ レ ー ム ワ ー ク
プ ロ ジ ェ ク ト計 画 へ の推 進 管 理 シ ス テ ム の 必 要 性 は,PPBア プ ロ ー チ の 第 4の 特 徴 と され た,プ ロ グ ラ ム の絶 え ざ る 評 価 と改 定 と い うシ ス テ ム制 約 条 件 を,具 体 的 に ど う確 保 す るか を 検 討 す る こ と に,端 を 発 して い る。 す な わ ち,
PPBは,プ ログ ラ ム選 択 の 決 定 を 環 境 条 件 そ の 他 の 事 態 の変 化 に 照 ら して 絶 え ず 評 価 し,最 も適 切 な もの に 改 定 して行 こ うと す る ロー一リソ グ 方 式(rolling method)に 準 拠 して 事 業 計 画 を す す め る の で あ る6
ロ ー一一 リ ン グ 方 式 と は,revolving(Plan)methodと か,rotatimg(Plan)
'
/meth(岨 と も呼 ば れご ほエ
,長 期計 画 の実 施 にお い て,毎 年定 期 的 な総 点 検作 業 を通 じて,環 境 変 化 や事 業 の進 捗状 況 を把 握 しな が ら,次 年 度 へ 移行 す るた め の事
ノ
業 計 画 を 改 定 す る方 法 で あ る 。 した が っ て,現 実 に は,い わ ゆ る増 分 主 義 的 予 算 編 成 方 針 の 採 用 を 繰 り返 す 結 果 と な っ て,ロ ー リン グ方 式 の本 来 的 意 図 を 生
か した 実 施 とは な らな い こ とが 多 い の で あ る。
そ こで,毎 年 一 回 定 期 的 に 実 施 さ れ る ロー リン グ方 式 で の進 捗 管 理 の あ り方 そ の もの を 再 検 討 す る 必 要 が 生 じて,各 事 業 計 画 の進 捗 ・評 価 シ ス テ ム を 分 析 、
・設 計 す る 運 び と な った もの で あ る。 しか しな が ら,長 期 計 画 策 定 と予 算 編 成 過 程 の あ い だ に 介 在 す るProgrammingシ ス テ ムを,ト ッ プ ダ ウ ン ・ア プ ロ
ーチ と ボ トム ア ッ プ ・ア プ ロ ーチ と の 統 合 的 調 整 過 程 と想 牢 して,そ の モ デ ル
・ビル デ イ ソ グを 試 み よ うとす る場 合 に,ど う して も避 け る こ と の で き な い 二 律 背 反 に 直 面 す る の で あ る。
す な わ ち,PPBに 準 拠 した ト ッ プ ダ ウ ン ・ア プ ロー チ を 志 向 した 場 合 に は, 白 極
め て 複 雑 な環 境 的 諸 要 素 を 内 包 す る大 規 模 モ デ ル が 形 成 され る結 果 とな っ て, そ こで は 常 に マ ク ロ経 済 的 視 野 で の 望 遠 鏡 的 役 割 の み に 焦 点 が 定 め られ て,単
な る ビ ジ ョ ン策 定 に と ど ま る こ とが 多 い 。 これ と は 逆 にZBBに 準 拠 した ボ ト ム ア ップ ・ア プ ロ ー チ を 志 向 した 場 合 に は,極 め て 近 視 眼 的 見 地 か らみ た 組 織
四 宮 川 公 男,rop.cit.』,p.516.
26 商 学 討 究 第28巻 第3号
体 の 複 雑 な 三 要 素 を 生 々 し く内 包 す る現 実 的 モ デ ル が 形 成 さ れ る結 果 と な っ て, そ こ で は 常 に ミク ロ経 済 的 視 野 で の 顕 微 鏡 的 役 割 の み に 焦 点 が 合 わ され て,単 な る利 害 調 整 機 能 を 発 揮 す る こ と が 多 い。 い ず れ に して も,こ こ で の 主 題 は, 望 遠 鏡 と顕 微 鏡 とを 組 み 合 わ せ て,い か に オ ー トズ ー ム機 構 を そ な え た モ デ ル
・ビル デ イ ソ グを 実 現 す るか で あ る。
トッ プ ダ ウ ソ ・ア プ ロ ー一チ の 場 合,SystemDynamics(SDと 略 称)の 立 場
じ ヤ
か ら,シ ミュ レー シ ョ ソ言 語 を 用 い て 地 域 開 発 モ デ ル の 確 立 に 参 画 した 経 験 上, そ こで の モ デ ル 特 性 が,あ ま りに も無 色 透 明 と い うか 玉 虫 色 的 存 在 と な っ て, 単 な る計 量 経 済 モ デ ル の 手 法 変 更 に と ど ま る ケ ー ス が 多 い 。 そ こで 欠 落 した も の こ そ,PPBア ブP一 チ の 「資 源 の 最 適 配 分 」 と 「費用 対 効 果 分 析 」 を 徹 底
して展 開 させ る こ と で あ った が,こ の モ デ ル か ら期 待 さ れ る分 析 結 果 は 皆 無 で あ った と判 断 さ れ る。 と くに 各 プ ロ ジ ェ ク ト計 画 の パ ー フ ォー マ ン ス を 測 定 ・ 分 析 す る場 合 の ミ ク ロ分 析 の 必 要 性 が 目立 ち,今 後PPBア プ ロ ー チ を 正 式 に 導 入 す る こ とに よ っ て,少 な く と も推 進 管 理 モ デ ル と して 脱 皮 す る こ と は,期 待 され よ う。
ボ トム ア ップ ・ア プ ロ ー チ の 場 合,現 実 の 予 算 編 成 過 程 の な か で,組 織 的 意 思 決 定 過 程 を い か に して た くみ に 形 成 す るか を め ざ して,意 思 決 定 支 援 シ ス テ ム の研 究 を す す め て きた 経 験 上,現 実 の 予 算 編 成 過 程 が あ ま りに も人 的 編 成 要 素,つ ま りは 組 織 内 の セ ク シ ョナ リズ ムや 組 織 外 の 政 治 折 衝 力 に 依 存 す る度 合
\
が 高 く,矛 盾 だ らけ の で た らめ の 横 行 す る こ とに 驚 くこ とが 多 い 。 そ こ で欠 落 した もの こそ,ZBBア プ ロ ー一チ の 「ゼ ロベ ー ス ・マ ネ ジ メ ン ト」 の 徹 底 的 な 展 開 を す す め る こ と で,真 の 減 量 経 営 政 策 の 確 立 を は か る こ と が 期 待 され るべ
きで あ る。
す で に 明 らか な よ うに,PPBの ト ップ ・ダ ウ ン作 業 とZBBの ボ トム ・ア ッ プ作 業 と の,真 に 調 整 され た 統 合 過 程 と な る 意 思 決 定 支 援 シ ス テ ム を 確 立 す
飼 昭 和50年 度 に お い て,北 海 道 総 合 開 発 モ デ ル 策 定 と試 作 作 業 に 参 画 し,HAPP (道 庁 ベ ー ス)とERIMO(開 発 庁 ベ ー ス)と い う2つ の モ デ ル ・ビ ル デ ィ ン グ で の 若 干 の 経 験 を 意 味 し てV'・る。
ご薙 鍵 購 讐 鮮 ・ 〃
るた め に は,PPBの プ ロ グ ラ ム体 系 とZBBの デ シ ジ ョソ ・パ ッケ ー一ジ の ラ γ ク表 と の あ い だ に,真 の 統 合 過 程 を 意 図 した か け 橋 を 弾 力 的 に 形 成 す る こ と が 要 求 され る。 この か け 橋 は,ZBBで の オ8レ ー シ ョソや ア ク テ ィ ビ ィテ ィ
の 意 味 あ る分 割 単 位 で あ る デ シ ジ ョソ ・パ ッケ ー ジ を,PPBで の プ ロ グ ラ ム
・エ レメ ン トに 対 応 づ け て と ら え,さ らにZBBで の 階 層 的 統 合 ラ ン キ ソ グ作 業 段 階 で の レベ ル と対 応 させ て,PPBの プ ロ グ ラ ム の カ テ ゴ リ ー な らび に サ
ブ カテ ゴ リー を と らえ る こ と で,極 め て 有 機 的 な 対 応 表 示 が 提 供 さ れ る。
こ の 有 機 的 な プ ロ グ ラ ム の対 応 表 示 の フ ァ イル を,こ こ で 改 め て,デ ジ ジ ョ、
ソ ・パ ッ ケ ー ジ ・プ ロ グ ラ ム と 名付 け る こ と に す る。 こ の デ シ ジ ョン ・パ ッ ヶ
む
一 ジ ・プ ロ グ ラ ム(DPPと 略 称)を 格 納 す るデ ー タ ・ベ ー ス を 確 立 す る こ と は,極 め て 有 効 な 意 思 決 定 支 援 シ ス テ ムの 方 法 前 提 と して,重 要 で あ る。
ZBBの ピ ー タ ーA.ピ ア ー氏 は,コ ン ピ ュ ー タ の2つ の 基 本 的 機 能 と して, 機 械 的 ・分 析 的 能 力 が,パ ッ ケ ー ジ 管 理 の 効 果 的 な 手 段 と な り うる こ とを 強 調 し・
て の
コ ン ビL一 タの 応 用 分 野 と して,(1)ラ ソ ク付 け,(2)ラ ン キ ン グ分 析 と傾 向 分 析, (3)プ ロ グ ラ 云分 析,(4)パ ッケ ー ジ と優 先 順 位 の 修 正,(5)試 算,(6)共 通 機 能 の 分 析 と作 業 尺 度 の 分 析,(7)詳 細 な 予 算 と会 計 を 指i摘 して い る。 さ らに デ ー タ の イ
ン プ ッ ト/ア ウ トプ ッ ト分 析 を 徹 底 させ る こ とで,総 合 情 報 シ ス テ ムへ と前 進 す る こ と も期 待 され る が,そ の 前 提 条 件 と もい え る シ ス テ ム開 発 の応 用 分 野 と
して,(1)ZBBシ ス テ ム,(2)予 算 ・会 計 統 制 シ ス テ ム,(3)マ ネ ジ メ ン ト ・ レポ
じコゆ
一 ト ・シ ス テ ム を あ げ て い る点 は,注 目す べ き 見解 で あ る。 さ らに,ZBBと
こ ラ
管 理 過 程 に 関 す る 同 氏 の 主 唱 も有 効 な 示 唆 と な る。
か く して,プ ロジ ェ ク ト計 画 へ の 推 進 管 理 シ ス テ ム の フ レ ー ム ワ ー クは,(1) PPBア プ ロ ーチ か ら の 予 測 モ デ ル(SDモ デル),(2)ZBBア ブF・ 一一チ か ら の 現 実 モ デ ル(MISモ デ ル)・(3)両 モ デ ル の有 機 的 対 応 の も とに 確 立 され たDPP
の デ ー タ ・ベ ー ス 管 理 シ ス テ ム(DBMS),(4)DBMSと ネ ッ トワ ー ク され た
鋤Pyhrr,PeterA,oρ.6ゴ',,p.161.
圏Ditto.,ゴbid.,p176.
⑳Dittα,ゴ ∂鼠,chapter10般ZeroBaseBudgetingandTheManagement軒rocess,カ pp177‑190.
28、 商 学 討 究 第28巻 第3号
意 思 決 定 支 援 シ ス テ ム(DSS),と い う理 論 的 基 礎 の も と に,確i立 され よ う。
M.ま と め に か え て
本 稿 では,プ ロジ ニク ト計 画へ の推進 管理 シス テ ムの フ レー ム ワー クにつ い て,筆 者 が こ こ2〜3年 のあ い だ に経 験 した,理 論 と実践 との ギ ャ ップか ら生 ・ じた試 行錯 誤 に もとづ き,何 とか暗 中模索 か らぬ け 出 した い と,と くに減 量経 営 政 策 の必要 性 と 日本 的経営 とい う企 業体 質 改 善 問題 に発 奮 して,取 り組 んだ
ので あ るが,は た して ど うで あ ろ うか 。
本 研 究 で の文 字通 りの牛 歩 が 多少 な りと も前進 で きた とす れ ば,こ れ までの 断 片的 な 実証 研 究 の あ り方 か らの強 い 反省 と,実 証 研 究 をす す め るた め の踏 み 台理 論 の再 検 討 を通 じて,座 右 の方 法 論 につ い て取 捨選 択 す るだ け の,勇 気 と 決断 を意識 で きた 点 に あ る。 この 点は これ らの実 証 研 究 をす す め るた めに,好 材 料 とな る可能 性 が あ ろ う。
いず れ に して も,本 稿 は未 完 で あ り,こ れ か らの実証 研 究 をす す め るた め の, いわ ば 研 究 計 画 を総 括 した に と どま るが,す で に具体 的な 事例 研 究 に は着 手 し
くりゆ
て い る の で,本 稿 で の検 討 結 果 を ふ ま え て,さ らに 実 証 研 究 を 前 進 させ る こ と に した い 。 そ の 意 味 で,本 研 究 の フ レ ー ム ワ ー クを 提 示 す れ ば,以 下 の 通 りで
あ る。(未 完)
㈹ 現在 までに,北 海道 内で3つ の異 な る組織体 で,本 テーマに関す る プロジ ェ ク ト 研究 会が形成 され,具 体的 なモデル ・ビルデ ィング と試行実験 が進 行 中であ る。
プロジ ェ ク ト計画へ の推進 管理
システ ムの実証 的研究(1) 29
図 プ 自ジ ェ ク ト計 画 へ の 推 進 管 理 シ ス テ ム'
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