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九州大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

オリーブオイル副産物の生理活性:生理活性成分の 回収・利用による付加価値創出

ロジャース, ムワカルクワ

http://hdl.handle.net/2324/4110554

出版情報:Kyushu University, 2020, 博士(農学), 課程博士 バージョン:

権利関係:

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氏 名 ROGERS MWAKALUKWA

論 文 名 The Biological Potentials of Olive Oil By-products: Valorization Through Recovery and Utilization of Bioactive Metabolites

(オリーブオイル副産物の生理活性:生理活性成分の回収・利用に よる付加価値創出)

論文調査委員 主 査 九州大学 准教授 清水邦義 副 査 九州大学 教授 久米 篤 副 査 九州大学 教授 堤 祐司

論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

近年のオリーブオイルの世界的需要の高まりに伴い、未活用廃棄物であるオリーブオイル副産物

(Olive Oil By-products; OOBPs)であるオリーブオイル搾油残渣(Olive Milled Wastes; OMW) や大量の剪定枝(葉)の処理が問題となっている。これらは、容易には生分解されない有機物組成 を持つことから、環境や生態系に負荷をかける原因となっている。この問題を解決するためには、

OOBPs の付加価値の高い新たな利活用法の開発が必要とされている。近年の研究により、オリー

ブに含まれる機能性ポリフェノールの大部分は、オリーブオイルではなく、OOBPs に残存してい ることが明らかにされており、もし、これらの未活用部分から付加価値の高い機能性を見出すこと ができれば、廃棄物から安価に入手できる機能性素材原料に転換することが可能となる。本論文で

は、OOBPs の付加価値の高い機能性について探索し、抗アレルギー活性、抗糖尿病活性、抗アル

ツハイマー型認知症活性を見出し、それらの機能性成分に関する知見を得ることに成功している。

抗アレルギー活性については、OMW のエタノール抽出物に高い活性を有することを見出し、活 性 成 分 と し て 、 新 規 化 合 物 で あ る HDOA(hemialdehydic decarboxymethylated oleuropein aglycone)に加えて、11-oxomaslinic acid、luteolin、hydroxytyrosol acetate、1-acetoxypinoresinol を単離、同定している。加えて、それらの化合物が、細胞内カルシウムイオン濃度を低下させると ともに、カルシウムチャネルタンパク質遺伝子発現も抑制し、その結果、ラット好塩基球性白血病

細胞 RBL-2H3の脱顆粒を抑制することを明らかにしている。

抗糖尿病活性については、OMW より単離された成分である oleanolic acid、maslinic acid、 1-acetoxypinoresinol ならびに luteolin-7-O-β-D-glucoside がα-グルコシダーゼ阻害活性を有する ことを示し、阻害機構を酵素反応速度論的に解析している。さらに、これらの化合物が糖尿病の臨 床薬としても用いられているacarboseに匹敵する阻害活性を有することを明らかにしている。

抗アルツハイマー型認知症活性については、オリーブの未活用部位である葉の抽出物が、アセチ ルコリンエステラーゼ阻害活性を有することを見出している。また、オリーブの品種によっても、

そ の 活 性 は 大 き く 異 な る こ と を 明 ら か に し 、 そ の 品 種 ご と の 化 学 組 成 の 特 徴 抽 出 を 、

UPLC/QTOF-MSを用いた非標的メタボロミクス解析により行っている。その結果、本手法により、

アセチルコリンエステラーゼ阻害活性の高い品種と低い品種を、明確に区別することに成功してい る。

以上要するに、本研究では、OOBPs であるOMW や葉の機能性を探索し、OMW より抗アレル ギー活性成分ならびに抗糖尿病活性成分を明らかにするとともに、葉抽出物が、アルツハイマー型

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認知症の治療薬開発の候補機能として期待されるアセチルコリンエステラーゼ阻害活性を有するこ とを見出している。さらに、UPLC/QTOF-MSを用いた非標的メタボロミクス解析によって、アセ チルコリンエステラーゼ阻害活性が異なる品種の分別に成功している。本研究結果は、いまだに有 効な活用方法が見いだされていない OOBPs の付加価値の高い高度利活用法を、機能性成分解明の 視点から提案することにつながる、学術的にも産業的にも重要な知見である。これらの知見は、天 然物有機化学および森林圏環境資源科学の発展に寄与する価値ある業績と認める。よって、本研究 者は博士(農学)の学位を得る資格を有するものと認める。

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