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中小企業の産学官連携によるイノベーションとその支援についての考察 : 神奈川県と宮崎県の事例から

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Academic year: 2021

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1.はじめに

1990年代後半以降の従来型産業の閉塞感から, シリコンバレーをモデルとしたイノベーション 支援策が日本を含め世界各地で導入された。日 本では,TLO(Technology Licensing Organiza-tion(技術移転機関))の設立などを含む大学 等技術移転促進法(1998年),キャピタルゲイ ンによる起業促進のため,ベンチャー企業の上 場の場を作るための金融システム改革法(1998 年)などが整備され,2001年からは経済産業省 の産業クラスター政策,及び,文部科学省の知 的クラスター政策が始まった。筆者は産業クラ スター計画の立ち上げ,初期の事業の全国展開 に経済産業省の管理職として関わった。このよ うなイノベーション支援策が導入されてから, 本稿執筆時(2017年)まで約20年が経過してい る。産学官連携は導入当時の熱狂は見られない ものの,産業界,大学,行政やイノベーション <概要> 企業が存続していくためには,既存事業の需要低下を意識して,常に新規事業を開拓し ていく必要がある。しかし,イノベーション,特に研究開発を伴うものは,自社の経営資 源だけではできないことがある。中小企業は大企業に比べて,自社の経営資源は限られて いるので,この制約はより強いと考えられる。このため,ベンチャー企業を含む中小企業 のイノベーションを支援する試みが国内外でなされてきた。本稿では,イノベーション支 援組織による中小企業支援は機能したのか,支援が機能するためには何が必要か,その文 脈での産学官の人的ネットワーク,経営者と外部資源を結びつける媒介者の役割などにつ いてケーススタディによって考察する。 JEL 区分:D23,D83,D85,L17,L24,L26,L52,L53,O32,O38 キーワード:中小企業,産学官連携,ネットワーク,オープンイノベーション *本稿の作成に当たって,専修大学経済学研究科宮本光晴先生,経営学研究科福原康司先生をはじめ,多くの研究者・ 実務家の方々からご指導ご協力を頂戴した。ここに記して感謝申し上げたい。 **専修大学経済学研究科経済学専攻博士後期課程。宮崎大学地域資源創成学部。

Economic Bulletin of Senshu University

Vol. 52, No. 1, 25-38, 2017

中小企業の産学官連携によるイノベーションと

その支援についての考察

―神奈川県と宮崎県の事例から―

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ーション支援の結果が出なかった,費用対効果 が評価されなかった等が考えられるが,上記の ようなケースでは地域での評価を得ることは困 難であったであろうと考えられる。 本稿の目的のひとつは,イノベーション支援 組織が機能するための条件の一般化を試みるこ とである。イノベーション支援組織,産学官の 人的ネットワーク,媒介者の相互作用によって 中小企業のオープンイノベーションを支援する ことは可能であり,その鍵は,イノベーション 支援組織,産学官の人的ネットワーク,媒介者 が連携して「経営者と遠くの経営資源とを,強 い紐帯で結びついた媒介者を介して,できる限 り強い紐帯の連鎖で結びつける」活動であると の仮説を提示したい。今後も,本稿において得 られた視座や仮説をもって研究を深めていきた い。 1)INS は,2003年の第1回産学官連携推進会議にお いて経済産業大臣賞を受賞。 2)筆者は,1992年6月から1994年4月ま で,岩 手 県 工業課長として,テクノポリス財団を担当し,岩 手県工業試験場,岩手県醸造食品試験場の統合, 岩手県工業技術センター発足に関わった。また, 現在に至るまで岩手県の産学官関係者,INS と交 流している。 3)戦略的基盤技術高度化支援事業(略称「サポイン 事業」)は,ものづくり基盤技術(12分野)の向上 につながる研究開発,その事業化に向けた取組を 支援することを目的とするファンド(助成金)で ある。中小企業・小規模事業者が大学・公設試等 の研究機関等と連携して行う等を支援する。筆者 は,2000年6月から2001年7月まで,関東 通 商 産 業局産業企画部長(2001年1月からは関東経済産 業局)として,行政の立場からサポイン事業に携 わった。 4)日本水晶デバイス工業会(2011)「調査研究レポー ト No.80」 5)宮崎県の J 社の事例は,行政が関与していないの で,厳密には産学連携,又は,産産連携となる。 外部の経営資源と研究開発を行っているのでオー プンイノベーションには該当する。 引用文献

Chesbrough, Henry William[2003]Open Innovation :

The New Imperative for Creating and Profiting from Technology, Harvard Business Press(ヘンリーチェ スブロウ(著)[大前恵一朗訳][2004]『OPEN IN-NOVATION―ハーバード流イノベーション戦略の すべて』産能大出版部)

Chesbrough, Henry William, Wim Vanhaverbeke, Joel West[2008]Open Innovation : Researching a New

Paradigm, Oxford Univ. Pr(ヘンリーチェスブロウ (編)[長尾高弘訳][2008]『オープンイノベーショ ン 組織を越えたネットワークが成長を加速する』 英治出版!)

Gibson, David V., Rogers, Everett M.[1994]R & D

Col-laboration on Trial : The Microelectronics and Com-puter Technology Corporation, Harvard Business School Press

Granovetter[1985]Economic Action and Social

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ラスター戦略―日本はオースティンを作れるか』 学文社

福嶋路[2013]『ハイテク・クラスターの形成とローカ

参照

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講師 牧原 依里(『 LISTEN リッスン』共同監督)3. 小石

司会 森本 郁代(関西学院大学法学部教授/手話言語研究センター副長). 第二部「手話言語に楽しく触れ合ってみましょう」

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