• 検索結果がありません。

密教文化 Vol. 1989 No. 166 005加賀 美智子「大学生の大学イメージと生活意識について (1)――高野山大学生の調査から―― PL116-L83」

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "密教文化 Vol. 1989 No. 166 005加賀 美智子「大学生の大学イメージと生活意識について (1)――高野山大学生の調査から―― PL116-L83」"

Copied!
34
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

密 教 文 化 大 学 生 の 大 学 イ メ ー ジ と 生 活 意 識 に つ い て(1) -高 野 山 大 学 生 の 調 査 か ら-加 賀 美 智 子 1 調 査 の 目 的 と方 法 (1)調 査 の 目 的 若 者 像 の変 化 に 関 す る テ ー マ は、 い つ の時 代 に も多 くの 関心 を寄 せ られ て きた。 そ れ は、 そ れ ぞ れ の時 代 状 況 を映 す 鏡 と して、 注 目す べ き現 象 で あ った か らで あ る。 しか し、周 知 の よ うに、 近 年 は、 成 人世 代 の理 解 の枠 を越 えた とい う意 味 で の 関心 を寄 せ られ て い る。 また、 大学 に と って も・ 学 生 像 の 変 化 の 把 握 は、 大 学 活 性 化 の方 向ず けの 前 提 条 件 と さえ な って き て い る。 高 野 山大 学 生 の意 識 調 査 は、 時 代 と社 会 を映 す 鏡 と して の青 年 像 の 一 端 を捉 え る 目的 と、や は りよ り良 き大 学 像 を考 え る基本 資 料 を 得 る と い う目的 と を、 あ わ せ持 って い る。 地 方 の小 さ な大 学 で も、学 生 像 の変 化 が 際 だ った形 で 姿 を みせ は じめ た こ と に、 あ る種 の 感 慨 さえ い だ き つ つ・ 第 二 回 目の 調 査 を お こな っ てみ た。 前 回 の 調 査(昭 和61年7月 実施)で 説 明 出 来 な か った 要 因 を探 る とい うよ りも、 それ は、 例 え ば、 彼 等 の 自画 像 は無 気 力 な青 年 像 を描 い て い た が、 そ れ は どの よ うな社 会 学 的 要 因 を持 つ 層 に多 い の か を探 って い く事 を主 眼 と した調 査 とい うよ りは、 多 少、 別 の 質 問 をぶつ け る こ とで、 彼 等 の生 活 世 界、 生活 感 覚 や生 活 意 識 を含 め た世 界 を さ らに確 か め た い とい う狙 い の方 が強 い 調 査 で あ った。 た だ、 今 回 の 報 告 は、 そ の 中 の 一 部 で、 大学 イ メー ジに限 定 して ま とめて い る。

(2)

-116-第1表 調査対象 と回収状決 大 学 生 の 大 学 イ メ ー ジ と 生 活 意 識

(3)

密 教 文 化 (2)調 査 の対 象 及 び 方 法 調 査 は、 高 野 山 大 学 の全 学 生 を対 象 に、 昭和63年 の後 期 授 業 開 始 後 の2 週 間(9月26日 ∼10月11日)に お こな った。 対 象 者 数(母 集 団)、 回 収 数 (調 査対 象)、回収 率 は、第1表 に示 した 通 りで あ る。 回収 率 は、全 体 の56.2 %で、 前 回 に比 べ て8.8%低 い。学 生 の 出 欠状 況 が悪 くな って い る こ と、4 回 生 をつ か ま え に くか った こ と等 が大 き な原 因 で あ った。 調 査 時 期、 調 査 方 法 に検 討 課 題 が 残 され た と思 う。調査 趣 旨 が、 学 生 のみ な らず教 員 に も 充 分 理 解 や、 協 力 が 得 られ る よ うに、 一 層 の 配慮 が必 要 とされ る だ ろ う。 調 査 の 方 法 は、 ア ン ケー ト方 式 に よる調 査 票 を、1回 生 につ い て は、 英 語 の担 当 教 員 に 依 頼 して 配 布 及 び 回 収 した。2、3、4回 生 に つ い て は、 講 読、 演 習 担 当 の 教 員(一 部 の専 攻 につ い て は、 助 手 や 当 該 演 習 の受 講 生) に依 頼 し、調 査 票 を配 布 及 び 回 収 した。 回 収 した調 査 票 は、 学 科 専 攻 別、 学 年 別、 男女 別、 僧 俗 別、 住 居 形 態 別 出 身 地 別、 入 試 種 類 別、 入 試 の難 易 度 別、 本学 の レベ ル分 け構 成 別、 入 学 動機 別 に 集 計 した。 た だ、 男 女 別 の 差 は 表 れ て い な い の で省 略 す る。 女 子 学 生 の比 率 が 低 く 比 較 す る に して は、 対 象 数 の 差 が あ りす ぎる か らで あ る。 また、 学 科 専 攻 別 及 び学 年 別 の 集 計概 要 も省 略 す る。 集 計 上 の差 異 は 表 れ て い て面 白 い の で あ るが、 一 部 の専 攻 学 年 に お い て、 調 査 回 答 が ゼ ロで あ った た め、 厳 密 な意 味 で 比 較対 照 す る こ とは 出来 な い と考 えた か らで あ る。 2 調 査 対 象 の 基 本 的 属 性 (1)所 属 学 科 専 攻 別 構 成 第2表 は、 学 科 専 攻 別 の在 籍 学 生 数(母 集 団)の 構 成 比 と、調 査 対 象 者 数: の学 年 別、 学 科 専 攻 別 構 成 比 を示 した も ので あ る。 英 米 文 学:専攻2回 生 で 回収 率 が ゼ ロで あ る。 明 確 な 調査 拒 否 な の か、 漠 然 た る意 思 表 示 な の か は 不 明 で あ る。

(4)

(2)性 別 構 成 全 体 と して、 男 女 比 は、 男 子88%、 女 子11%で あ る。 在 籍 学 生 の 男女 比 が、 男子91.5%、 女 子8.5%で あ る か ら、2.5%の 差 が み られ る。 調 査 時 点 で の 男子 の 欠 席 が 関 係 して い る とみ られ る。 第2表 学科専攻別学年別構成比 大 学 生 の 大 学 イ メ ー ジ と 生 活 意 識

(5)

密 教 文 化 第3表 学科専攻別、性別構成比 第4表 学年 別性 別構成比

(6)

(3)学 生 に お け る 僧 俗 と寺 院子 弟 の割 合 僧 俗 の 構 成 比 は、 僧 が全 体 の17.8%で あ る。 将 来、 僧 に な る 予 定 者 が 19.4%で、 あ わせ て僧 及 び僧 志 望 者 は37.2%に な る。 僧 に な らな い、 或 い は わ か らない とす る者 を あ わせ て、61.6%で、6割 が[俗 」 で あ る。 前 回 調 査 対 象 と比 較 して 差 は な い と思 われ る。 前 回 は、 「俗 」が48.6%と 低 くは あ るが、 全 体 にNAが 多 く、実 質 的 に差 は な い と考 え られ る か らで あ る。 次 に、 寺 院 子 弟 の 割合 は、29%で あ る。 在 家 子 弟 が7割 とな る。 前 回調 査 で は、 同 じ質 問 を しな か った が、 家 計 支 持 者 の職 業 で、 宗 教 家 が24.9% そ の他 の兼 務 の回 答 な どか ら、 あ わせ て も30%ま で だ ろ うと推 測 して い た の で、 前 回 との差 は な い と考 え られ る。(第6表) (4)出 身 地 別 構 成 比 第7表 は、 調 査 対 象 の 出身 地 をみ て い る。55.7%が 近 畿 圏 の 出 身 地 で あ る。 圧 倒 的 に多 い。 つ い で、 中 国 地 方 出 身 だ が、11.6%で あ る。 前 回 調 査 で は、 近 畿 圏 出 身 者 は61.2%で や は り群 を抜 い て 高 く、 よ く似 た 構 成 比 で あ る。 しか し前 回 に 比 べ、近 畿 圏 で5.5%の 減 少、 九 州 で3%、 東 海 で2% 微 増 して い る。 第8表 は、 出身 地 の性 格 を大 都 市 か ら田舎 ま で の5分 類 で 回 答 させ た も 第5表 学生 に お け る僧 俗 の 別 第6表 寺院子 弟の割合 大 学 生 の 大 学 イ メ ー ノ と 生 活 意 識

(7)

密 教 文 化 の で あ る。 どち らか とい え ば 田舎 で あ る とい う出 身 者 が、28.8%、 ま った くの 田舎 で あ る とい う出身 者 が、22.2%で あ る。両 者 あ わ せ て51%が、 地 方 で も 田舎 の地 域 を 出 身地 に して い る学 生 層 で あ る。大 都 市 圏 及 び 中 都 市 圏出 身 者 は34.1%で、 全 体 の ほ ぼ三 分 の一 とい え よ う。 (5)現 住 地 及 び 住 居 別 構 成 第9表 は、 現 住 地 をみ た もの だ が、 高 野 山 内 及 び近 辺居 住 者 が73.7%と 圧 倒 的 に多 い。 通 学 時 間 別 に み て も、30分 以 内 で あ る。1時 間 以 上 の通 学 生 は26.3%だ が、 そ の 中 で 多 い の は、2時 間 の8%41人 で あ る。 第7表 出身地 別構成比 (N=510) 第8表 出 身 地 の 性格 別 構成 比 (N=510) 第9表 現住地 別構成 比

(8)

往 思 形 態 を み た の が、 第10表 で あ る。 自宅 居住 者 は21.8%、 自宅 外 の居 住 者 が78%で あ る。 前 回 よ り2.4%高 い だ け で あ る。 下 宿 住 い が 最 も多 く45%と、 自宅 住 い の2倍 以上、 全 体 の 半 数 に近 い。 前 回 の調 査 集 団 に比 べ、 下 宿 が1.8%ア パ ー ト住 い が4.9%増 加、 寺 生 が3.6%、 自宅 が1.4%減 少 して い る。 最 近 の学 生 動 向 の反 映 で あ ろ うか。 (6)入 試 種 類 別 構成 全 体 と して、 推 薦 入 試 を受 け た者 が45.7%、 一 般 入 試 が53.7%で あ る。 試 験 内容 の レベ ル を ど う捉 えて い る か に関 して、 両 者 の違 い を述 べ て み よ う。入試 を[や さ しか った 」、[かな り とけ た」 と答 えた 者 の中 で、 推 薦 入 試 を受 け た者 は38%前 後 で あ り、[む つ か しか った」、「合 格 で きた の が 不 思 議 」 と答 え た者 の 中 で、54%前 後 と高 くな って い る。 一 次、 二 次 入試 受 験 者 が、 前 者 で60%以 上、 後 者 で46%前 後 と逆 転 す る の と、比 較 して み る とお も しろい。 前 者 で22%の 差、 後 者 で8%の 差 が で る。 推 薦 入 試 と一・般 入 試 との 違 い は、 入 試 の レベ ル を[や さ しい」 と見 る者 の 割合 が 推 薦 入 試 経 由の者 で 低 い とい うかた ちで あ らわれ て い る。 第10表 住 居 別 構 成比 大 学 生 の 大 学 イ メ ー ジ と 生 活 意 識

(9)

密 教 文 化 (7)出 身 高 校 別 構 成 比 出 身 高校 の割 合 は、 公 立 高 出身 が58%、 私 立 高 校 が41.2%で あ る。 前 回 よ り公 立 高 が3.996増、 私 立 高 が4.7%減 で あ る。 宗 教 系 と非 宗 教 系 の構 成 は、 宗 教 系23.1%、 非 宗 教 系76.2%で あ る。 前 回 よ り3%非 宗 教 系 で の び て い る。 但 し、母 集 団全 体 に お け る変 化 との関 連 はつ か ん で い な い。1 ち な み に、 高校 生 活 へ の満 足 派 が67%342人、 不 満 派32%165人 と満 足 度 が 高 い。 後 述 す る とこ ろ の、 大 学 へ の満 足 派 が22%112人 で、不 満 派 が66.5% 339人 で あ る とい う数 字 とあ ま りに も異 な って い る。 学 校 へ の 満 足 度 と 学 校 生 活 へ の満 足 度 とは 異 な る と も考 え られ る が、 残 念 な が ら、 そ れ を確 か め る 質 問 を用 意 して い ない。 満 足、 不 満 足 の割 合 が、 公 立 高 で は3対1で あ るに対 して、 私 立 高 で は 4対3で あ る。満 足4に 対 し、不 満3と、 満 足 回 答 が 低 い。(第12表) 第11表 入試 の種類別難易度別構成比

(10)

3 大 学 観、 大 学 像 一 般 的 に い っ て、 学 生 が 自 己 の所 属 集 団 で あ る大 学 に対 して、 高 い満 足 感 を もつ とい っ た こ とは考 え られ な い。 しか し、学 生 が大 学 を ど うみ て い る か、 大 学 へ の不 満 や 満 足 の理 由 と して 何 を あ げ て い る か を み て い く こ と は、 現 代 とい う時 代 状 況 の な かで、 彼 等 若 者 が 大 学 を ど う受 け とめ て い る か を明 らか に す る こ と にな る。 勿 論、 対 象 は 高 野 山 大 学 生 で あ る か ら、高 野 山 大 学 とい う小 さな、 また 宗 門大 学 とい う特 性 に加 えて、 高 野 山 と い う 聖 地 で あ り、観 光 地 で あ り、海 抜957メ ー トル の山 上 に あ る とい う特 徴 と い うべ き か、 制 約 とい うべ きか を持 った大 学 に対 して、 そ れ 特 有 の 不 満 は 出 て い る。 しか し、 そ の表 現 され た不 満 の 中 に、 現代 とい う時代 の 中 の若 者 像 が 浮 ぴ あ が って きて い る。 そ の大 学 観、 大 学 像 を捉 え る こ とで、 若 者 の意 識 を制 約 し、或 い は影 響 を与 えて い る社 会 的 条 件 を、 明 らか に して い き た い。 (1)大 学 の レベ ル わ け と偏差 値 文 化 学 生 が 団体 行 動、 共 同行 動 を と りた が らな くな って、 学 生 で さ え、 学 生 第12表 出身高校別構成比 大 学 生 の 大 学 イ メ ー ジ と 生 活 意 識

(11)

密 教 文 化 集 団 を動 か しに く くな って い る。 学 生 集 団 は ど うい う層 か ら構 成 され て い る の か、 多 様 な角 度 か ら捉 え る必 要 が あ る だ ろ う。 こ こ で は、 大 学 の レベ ル分 け に 見 られ る彼 等 の大 学 観 を 中心 に検 討 しよ う。偏 差 値 文 化 との根 強 い関 連 が 明 らか に され よ う。 第13表 は、 高 野 山 大 学 を学 生 自身 の能 力 や 実 力 との 関 連 で、 レベ ル分 け させ た もので あ る。 学 生 自身 の[実 力、 能 力 相応 の大 学 」、「実 力 よ り下 の レベ ル の大 学 」、[実力 よ り上 の大 学 」 の 三 つ の割 合 は、44.9%(229名)、 41%(209名)、12.9%(66名)の 順 で あ る。 「実 力相 応 の大 学 」が一 番 多 い とは い え、[実 力 よ り下 の 大学 」とほ と ん ど大 差 は な い。4割 の学 生 が、 自 分 の 能 力 は 大学 の レベ ル よ り高 い と思 って い る事 に注 目 した い。 受 験 社 会 で の 大学 の ラ ン クづ け に影 響 され た数 字 で あ ろ う。若 者 が如 何 に偏 差値 文 化 に 包 囲 され て い る が、 驚 くば か りで あ る。 こ の グル ー プ の割 合 が5割6 割 を越 え れ ば、 ま た別 の グル ー プ が、[実 力 よ り下 の大 学 」とい い だす こ と が予 想 され る。 自分 の レベ ル は大 学 の一 般 レベ ル よ り上 と思 って い る こ の4割 が、 学 生 集 団 の 中 で孤 立 して い る の か、 沈 滞 ム ー ドの 中 で も、 牽 引 車 の役 割 を果 し て い る の か、 興 味 深 い とこ ろ で あ る。[実 力 よ り下 の大 学 」グ ル ー フ.と 「実 力相 応 の大 学 」 グ ル ー プ との関 係 で、 どち らが リー ダ ー シ ッ プ を握 って い る の か興 味 深 い が、 本 調 査 で はそ こ まで 説 明 で きな い。 こ の よ うに、[大 学 の レベ ル」わ け を中 心 に学 生 の大 学 像 をみ る と、「実 力 よ り下 の大 学 」 像 と[実 力 相 応 の大 学 」 像 が 数 的 に伯 仲 し、 ど ち らが優 勢 で あ る と はい い が た い 状 態 にあ る。 両 者 の均 衡 状態 は、 学 生 集 団 に何 等 か の影 響 を与 えて い る と予 想 され る。 ま た、[実 力 よ り上 の 大 学 」像 は ぐ っ と 低 く、一 割 強 の 学 生 が 該 当 す る。 次 に、 この 三 つ の 大 学 像 を持 つ学 生 層 が、 基 本 的 属 性 に お い て特 徴 を持 つ か 否 か を検 討 して お こ う。 「実 力 よ り上 の大 学 」像 を持 つ学 生 層 は、 「僧 俗 わ か らな い 」とい うあ い ま い な状 態 や[寺 」生 との関 連 が見 出 され る。

(12)

-106-「僧 俗 」 別 で、[僧 」及 び[将 来 僧 」 の 比 率 は 他 と比 べ て 変 ら な い が、[俗 」 が 低 く[わ か ら な い 」 の 割 合 が 高 い。 つ ま り、 は っ き り決 め か ね る 状 態 と の 関 連 を 示 し て い る。(第13表 一1) [住 居 」 別 で も、[自 宅 」お よ び[下 宿 」 住 い の 比 率 は 他 と 変 わ ら な い の だ が、 そ の 他 の 住 い で 変 化 が あ る。 「寺 」の 占 め る 比 重 が 高 い。 他 の グ ル ー プ が8%前 後 の 比 率 で あ る に 対 して18、2%の 高 率 で あ る。[ア パ ー ト/マ ン シ ョ ン 」[寮 」が 数 も 少 な く割 合 も低 い(そ れ ぞ れ7.6%)。(第13表 一2) 「実 力 よ り下 の 大 学」 像 を も つ 学 生 層 は、 入 試 関 係 の 要 因 で、 他 と異 な っ た 属 性 を 示 し て い る。 [入 試 の 難 易 度」 に 関 して、 「や さ し か っ た 」、[か な り と け た 」と み る 者 の 第13表 大 学 の レベ ル わ け<1)学 生 に お け る僧 俗 の 別 2)住 居 形 態> 大 学 生 の 大 学 イ メ ー ジ と 生 活 意 識

(13)

密 論 教 文 化 割 合 が、53.6傷 と 高 い。[実 力 相 応 の 大 学 」像 を 持 つ 学 生 層 で は26.2%、[実 力 よ り上 の 大 学 」 像 を 持 つ 層 で は13.7%の 割 合 で あ る か ら、[実 力 よ り下 の 大 学 」 像 を持 つ 層 は、 や は り そ れ な り の 高 い 自 負 あ り と い う と こ ろ で あ る。(第14表-1) た だ、 「実 力 よ り上 の 大 学 」像 を もつ 層 で も、[や さ し か っ た 」[か な り と け た、 と 見 る 者 が1割 強 い る こ と に 注 意 して お き た い。 偏 差 値 以 外 の 要 素 タ が 入 っ て い る こ と を 示 唆 し て い る と み れ よ う [入 試 の 種 類 」 で、 「実 力 よ り下 の 大 学 」像 を 持 つ 層 は、[推 薦 入 試 」合 格 第14表 大 学 の レベ ル 分 け < 1)入 試 レベ ル別 2)入 試 種 類 別>

(14)

者 の割 合 が低 い(33.5%)。 「実 力 相応 の大 学 」 像 を持 つ 層 で53.3%、[実 力 よ り上 の大 学 」 像 を もつ 層 で57.6%の 割合 で あ る か ら、 ず い ぶ ん 低 い。 逆 に、[二 次 入 試 」合 格 者 の 割 合 が20%と 高 率 で あ る。 「実 力 相 応 の大 学 」像 や [実 力 よ り上 の大 学 」 像 を もつ 層 で は、7%台 で あ る。 他 に比 べ、[実力 よ り下 の大 学 」 際 を持 つ学 生 層 は、 大 半 が一 般 入試 を 経 由 して い る(76.5 %)。(第14表-2)。 以上、[大 学 の レベ ル」分 けで 学 生 の大学 像 をみ た と こ ろ、 「実 力 相 応 の 大 学 」 像 が、 わ ず か3.8%の 差 で、[実 力 よ り下 の 大 学 」 像 を抜 い て い る。 両 者 が均 衡 を保 って い る集 団 とい うのが、 現 在 の 高 野 山 大 学 生 集 団 だ とい え よ う。[実 力 よ り上 の大 学 」像 は12.9%で あ る。 (2)入 学 動 機 に み る大 学 の宗 門性 と一 般 性 及 び 地 縁 性 結 縁 性 大 学 に入 学 した動 機 を、 回 答率 に従 って 分 け る と、次 の3グ ル ー フに 分 け られ る。 第1に、2割 以 上 の 回 答 が み られ るの は、[浪人 した くな か った 」 と[寺 院 子 弟 で あ った 」 とい う動 機 で あ る。 あ わ せ て44%で あ る。 高 野 山 大 学 の宗 門性 と受 験 社会 の な か の-大 学 とい う側 面 が あ らわ れ て い る。 第2に、14%前 後 の 回 答 グ ル ー プで あ る。[密 教 仏 教 をぜ ひ勉 強 したい か ら」 と、「密 教 仏 教 以 外 に学 び た い専 攻 が あ る か ら」とい う、学 び た い 目 的 を持 つ 者 が、 あ わ せ て29%に な る。 宗 門 大学 と して の 側 面 と、一 般 大 学 と して の側 面 が よ りプ ラ スに 評 価 され た形 で あ らわ れ て い る。「ラ ッキ ー に も合 格 した か ら」 が、14.3%に な る。 大 学 の 一 般 性 を示 して い る。 第3は 回 答 率 の 一 番 低 い グ ル ー プで、[先 輩、 知 人 が い た 」(7.5%)、[地 理 的 に近 か った 」(4.9%)と い う動 機 で あ る。 広 義 の地 縁 性 結 縁 性 の 表 れ と解釈 した い。 この よ うにみ る と、入 学 動 機 か ら大 学 の三 つ の性 格 が浮 ん で くる。 まず 一 般 的 な 大 学 と して の性 格 で、[浪 人 した くな か っ た」[ラ ッ キー に も合 格 した」 「密仏 以 外 に学 び た い 専 攻 が あ った 」とい う三 つ の動 機 か ら 成 立 す る。 あ わせ て50.2%で、 半 数 の学 生 が該 当 す る。 大 学 生 の 大 学 イ メ ー ジ と 生 活 意 識

(15)

密 教 文 化 第2に、 大 学 の宗 門 性 で あ る。[密 教 仏 教 をぜ ひ 学 び た い 」[寺 院 子 弟 で あ っ た」 とい う動 機 にみ られ る。36.5%の 学 生 が 入学 動 機 と して い る。 第3が、 広 義 の地 縁 性 結 縁 性 で あ る。「地 理 的 に 近 い 」 「知 人、先 輩 が い る」 とい う動 機 を、 こ の グ ル ー プ にい れ た。12.4%の 学 生 が 該 当す る。 学 生 の入 学 動 機 か らみ る限 り、高 野 山 大学 は、 「一 般 性 」と 「宗 門 性 」 と広 い意 味 の 「地 縁 結 縁 性 」 の順 序 で、 三 つ の性 格 を持 って い る とい って い い の で は ない だ ろ うか。 以 下、 こ の三 つ の性 格 に分 類 で き る入学 動 機 を持 つ 学 生 層 を、 基 本 的 属 性 と の関 係 で、 特 徴 づ けて 見 よ う。 「密 仏 をぜ ひ 学 び た い 」 及 び 「寺 院 子 弟 だ か ら」 とい う 「宗 門 性 」 の 動機 第15表 入学動機 <1)僧 俗別 2)住 居形態>

(16)

を 持 つ 学 生 層 は、[僧 」及 び 「将 来 僧 」 が8割 方 を 占 め、[自 宅 」生 が1割 未 満 で あ る。 [僧 俗」 別 で、 こ の 学 生 層 の78.5%が、 「僧 侶 」及 び 「僧 侶 志 望 」 で あ る。 [一 般 的」 な 動 機 を 持 つ 学 生 層 は、 そ の68.5%が 「俗 て い く」 で あ る。 広 義 の[地 縁 ・結 縁 性 」 グ ル ー プ は、58.7%が[俗 」、27%が[分 ら な い 」で あ る。 「僧 及 び 僧 志 望 」は[宗 門 性 」 の 動 機 を 持 つ 学 生 層 で、「俗 」志 望 は[-・ 般 的 」 な 動 機 の 学 生 層 で 高 い。 「一 般 的 な 」動 機 を持 つ 層 に 近 い 意 識 を示 し て い る の が、 広 い 意 味 の 「地 縁 性 結 縁 性 」 の 動 機 を持 つ 層 で あ る。「俗 」 志 望 が6割 弱 と多 い が[分 ら な い 」 も 他 よ り高 率 で あ る。(第15表 一1) [学 生 の 住 居 形 態」 別 で、 「宗 門 性 」の 動 機 を 持 つ 学 生 層 は、[自 宅 」生 の 大 学 生 の 大 学 イ メ ー ジ と 生 活 意 識

(17)

密 教 文 化 割 合 が 特 に 低 い。92.5%の 学 生 が、 「下 宿 」を は じめ と し て 自 宅 外 に 分 散 し て い る。 他 と比 べ て、 特 に 「寺 」 生 の 率 が 高 い。 こ の グ ル ー プ の67.2%が 寺 院 子 弟 で あ る か ら で あ ろ う(表 省 略)。3グ ル ー プ の な か で は、 「地 縁 ・ 結 縁 性 」 の 動 機 を 持 つ 学 生 層 は、 「自 宅 」の 割 合 が 高 く て、 そ の 他 の 住 い の 割 合 が 低 い よ う で あ る。 「住 居 形 態 」 に 関 して は、 「一 般 大 学 」 へ の 動 機 を 持 つ 層 は、 中 間 的 な 性 格 を 持 っ て い る。 詳 細 に い え ば、[宗 門 性 」の 動 機 グ ル ー プ は、 「自宅 」7.5%「 下 宿 」50.5% 「寺 」16.1%、[一 般 的 」 な 動 機 グ ル ー プ は、[自 宅 」27.7%「 下 宿 」43.8% 第16表 入 学 動 機

(18)

「地 縁 性 結 縁 性 」 の 動 機 グ ル ー プ は、 「自宅 」39.7%[下 宿 」35%の 割 合 で あ る。(第15表-2) 次 は、 第16表 に 従 い、 「入 試 の 種 類 や 難 易 度 」、「大 学 の レベ ル 」分 け で 見 ら れ た 特 徴 を み て い き た い。 「一 般 的」 な 動 機 を も つ 学 生 層 は、 「一 般 入 試 」経 由 の 割 合 が 高 い。63.7 %が[一 般 入 試 」 を 経 て き て い る。 こ れ は、 こ の 層 の[浪 人 し た く な か っ た か ら 」 と い う動 機 を 持 つ 者 が、 「推 薦 」 で 最 も低 く(31.6%)、 そ の ぶ ん 「二 次 入 試 」 で25.4%が 入 学 して い る か ら で あ る。 ま た、[ラ ッ キ ー に も 合 格 し た か ら 」 と い う動 機 を持 つ 者 が、 「一 次 入 試 」で 比 率 が 高 い(53.4%) 大 学 生 の 大 学 イ メ ー ジ と 生 活 意 識

(19)

密 教 文 化 こ と も関 係 して い る。 当 然 の こ とだ が、 他 大 学 を受 験 した上 で の 駆込 み 入 学 の性 格 を持 って い る。 「宗 門 性 」 の動機 を持 つ 層 は、[地 縁 ・結 縁 性 」の動 機 を持 つ 層 と類 似 の 傾 向 を示 して い る。 と も に、 「推 薦 入 試 」が多 い。特 に、 「寺 院 子 弟 で あ った か ら」 の58%、 「地 理 的 に近 か っ た か ら」の64%は、 「推 薦 入 試 」で あ る。(第 16表-1) 「入 試 の 難 易 度 」 を レベ ル分 け させ た の が、 第16表 一2で あ る。 「宗 門性」の 動機 を持 つ 層 は、 入試 を 「や さ しか っ た」[か な り とけ た」と す る者 が4割 以上 で あ る。 ず ば り[や さ しか っ た」 とす る者 が、[か な り と けた 」 よ りぐ っ と多 い。 これ は、 「寺 院 子 弟 」を動 機 とす る者 の33%が、 [や さ しか った 」 と答 え て い る か らで あ る。 他 に、 「ま あ ま あ 」が34、4%、 [む つ か しか った 」 「合 格 で き た の が不 思 議 」24・2%で あ る。 「一 般 性 」 の 動 機 を持 つ 層 で は、 そ れ ぞ れ23.6%、35.2%、30.5%で あ り、[地 縁 ・結 縁 性 」 の動機 を持 つ 層 で30.1%、42.9%、27%の 割合 で あ る。 次 は、「大 学 の レベ ル分 け」 で、[地 縁 ・結 縁 性 」 を動 機 とす る層 は、「実 力 よ り下 の大 学 」 像 が 少 な い(他 が42%台 で あ るの に比 し31.7%で あ る)。 他 に比 べ、 「実 力 相 応 の大 学 」像(50.8%)や 「実 力 よ り上 の大 学 」像(17.5 %)の ほ うが や や多 い よ うで あ る。 [一 般 的 」 な動 機 を持 つ学 生 層 は、全 体 と して は、[宗 門 性 」の 動機 を持 つ 層 と同様 な傾 向 を示 して い る。 た だ、 グル ー プ 内 の個 々の 入学 動 機 で み る と、「ラ ッ キー に も合 格 した か ら」とい う動機 を持 つ者 と[浪 人 した くな か っ た か ら」 とい う動 機 を持 つ者 とは、 対 照 的 な状 態 を示 して い る。「ラ ッ キ ー合 格 」 が入 学 動 機 の者 は、 「実 力 よ り下 の大 学 」像 が と りわ け低 く、「実 力 相応 の大 学 」 像 と 「実 力 よ り上 の大 学 」 像 が 高 い 率 を示 して い る。 反 対 に、 「浪 人 した くな か った 」者 は、 「実 力 よ り下 の大 学 」像 が ひ と き わ高 く、 「実 力相 応 の大 学 」 像が 低 い(第16表 一3)。 両 者 が相 反 す る状 態 を 示 し て い て も、「密仏 以外 に 学 び た い専 攻 が あ る」 を動 機 とす る者 で、 「実 力 相 応 の大 学 」 像 が 高 く 「実 力 よ り上 の大 学 」 像 が 低 い た め、 この 三 つ の動 機

(20)

-98-をな ら して 平 均 化 した 時、 「一 般 的 な」動 機 を持 つ 層 は、[宗 門 性 」の 動 機 を もつ 層 と類 似 の 傾 向 とな った もの で あ る。 以上、 入学 動 機 を通 して学 生 像 を捉 え て み た。 数 量 的 に は、2割 台 の 回 答 グル ー プ で、 「寺 院 子 弟 」と[浪 人 した くな か っ た」 が あ げ られ、14%前 後 の回 答 グル ー プ で、[密 仏 ぜ ひ」 「密 仏 以 外 にぜ ひ」[ラ ー キー に も合 格 」 が、 もっ と も少 な い グル ー プ で[先 輩、 知 人 」[地 理 的 に近 い 」が あ げ られ た。 また、 これ らの入 学 動 機 か ら見 出 され る大 学 の 性 格 は、 三 つ に分 け ら れ、[待一般 的 な 」性 格、[宗 門 性 」 の性 格、 「地 縁 ・結 縁 的 」な 性 格 が あ げ ら れ た。 この 三 つ の性 格 につ い て、 学 生 の 基 本 的 属 性 に お い て ど うい う違 い が み られ るか を検 討 した。 出 身 地 の 性 格 が 大 都市 で あ る か 田 舎 で あ る か と い った要 因 や、 寺 院子 弟 で あ るか 一般 家 庭 の子 弟 で あ る か、 出 身 高 校 とい っ た要 因 で は、 差 異 が認 め られ な か った。 僧 志 望 か俗 志 望 か、 住 居 形 態 が 何 か、 受 け た 入試 の種 類、 試 験 の レベ ル を ど う捉 え た か、 大 学 を上 中 下 の い ず れ に レベ ル わ け して い る か に 関 して は、差 異 が 認 め られ た よ うで あ る。 簡 単 に要 約 す れ ば、[宗 門 性 」の入 学 動 機 を もつ 学 生 層 は、[僧 及 び 僧 志 望 」 が8割 近 く、[自 宅 外 」の居 住 が92…5%を 占 め、[地 縁 ・結 縁:性」の 動 機 を持 つ 層 と同 様 に[推 薦 入試 」の割 合 が高 く、[入 試 は や さ しか った 」が4割 と、他 と比 べ て 特 徴 が 見 られ た。[一 般 的 」な 動機 を持 つ 層 は、[俗 」志 望 が 7割 近 く、[下 宿 」に つ い で[自 宅 」住 い も多 く、[「 般入 試 」経 由 が63.7% と高 い。 な お、 この 中 の[ラ ッ キー に も合 格 した か ら」 入 学 組 は、「実 力 よ り下 の大 学 」 像 が、[地 縁 ・結 縁 性 」 の動 機 を持 つ 層 と同 様 に低 い。 最 後 に [地 縁 ・結 縁 性 」 の動 機 を持 つ 層 は、 「僧 俗 」に関 して は[一 般 性 」 の動 機 を持 つ 層 と似 た傾 向 を示 し、 「住 居 」で は[自 宅 」 が 第1位 と差 異 を示 し、 「推 薦 入 試 」 が多 く、「入 試 は ま あ まあ 」と中程 度 の 回 答 が42.9%と や や 高 く、「実 力 よ り下 の 大 学 」との 回 答 が3割 で他 よ り低 い、 とい う結 果 で あ っ た。[地 縁 結 縁 性 」の動 機 を持 つ 層 は、[自 宅 」[入 試 の出 来 は 中程 度 」 で 高 い の を除 くと、[僧 俗 」で1ま[一 般 性 」 の動機 グル ー プ寄 り、「推 薦 入 試、で 「宗 門性 」 の 動 機 グル ー プ寄 り とい う中 間 的 な性 格 で あ っ た。 大 学 生 の イ メ ー ジ と 大 学 生 活 意 識

(21)

密 教 文 化 (3)大 学 へ の 満 足 と大 学 の活 性 化 の方 向 学 生 の大 学 へ の満 足 度 をみ る こ とは、 す べ て の学 生 に と って所 属 集 団 で あ る大学 を、 帰 属 集 団 と して は、 どの程 度 認 めて い る か をみ る こ と で あ る。 第17表 で 明 ら かな よ うに、 大 学 へ の 「満 足 派 」 は22%、[不 満 派 」は66.5 %、[中 間派 」は11.2%で あ る。 三 者 の 割合 は2対3対1の 割 合 に な る。78 %の 学 生 が、[満 足派 」以 外 の回 答 を して い るが、 そ の中 に は、 単 な る不 満 か ら建 設 的 な不 満 迄 含 ん で い よ う し、 プ ラ スマ イ ナ ス両 面 あ り とい う意 見 もあ ろ う。 そ こで次 に、[満 足 派 」 「不 満 派 」 それ ぞ れ が あ げ る理 由 を整 理 した もの をあ げ る。 第17表 大学への満足 ・不満足の理 由(MA) (但 し 非 該 当59)

(22)

大 学 へ の[満 足 派 」 が あ げ る 理 由 の 第1は、[自 然 環 境 」で あ る(35.7% 40名。 第2は、[学 生 間 の 関 係 」(26.8%)で あ る。 第3が、 「専 攻 」 「高 野 山 」(22.3%)、 第4が[新 校 舎 」(20.5%)で、 以 上 が 五 大 満 足 理 由 に 該 当 す る。[満 足 理 由 」の 中 で、 比 率 の 低 い も の の 第1は、[学 生 の 質 」[大 学 の 対 応 」(4.5%)、 第2は、[都 市 か ら遠 い 」[文 化 情 報 環 境 」(6.3%)、 第3 は、[寮、 下 宿 」 「大 学 の 施 設 設 備 」(8.1%)で あ る。 こ の 六 つ の 項 目 は、 小 数 の 学 生 に と っ て の 満 足 理 由 と な っ て い る。 中 程 度 の 「満 足 理 山 」と して、第1が[宗 門 大 学 」(14.3%)、 第2が 「生 活 環 境 」(12.5%)、 第3が、[授 業 科 目 」(11.6%)、 第4が、[ク ラ ブ 活 動 」 (10.7%)、 第5が、 「講 義 内 容 」 「学 生 指 導 」(9.8%)で あ る。 こ れ ら の[満 足 理 由 」 は、 ま た 別 の 学 生 に と っ て の 「不 満 理 由 」 と も な っ て い る。 [不 満 理 由 」 と して 高 い の は、 第1が[都 市 か ら遠 い 」こ と で あ る(64.6 %219名)。 こ れ に 満 足 を 示 した の は 満 足 派 の6.3%(7名)が 満 足 で あ っ た。 不 満 の 第2は、[生 活 環 境 」(40.1%136名)、 満 足 派 の12.5%(14名)が 満 足 を 示 した も の で あ る。 不 満 の 第3は、[文 化 情 報 環 境 」(33.3%113名)で、 満 足 派 の6.3%(7名)の 支 持 が あ っ た。 第4が、[学 生 の 質 」(32.2%)で、 満 足 は4.5%で あ っ た。 以 上 が、30%台40%台60%台 の 不 満 の み られ た 項 目 で あ る。 [不 満 理 由 」 の 中 で、 比 率 の 低 い も の の 第1は、[専 攻 」(4.1%)、 第2 が 「自 然 環 境 」(4.4%)、 第3が、[新 校 舎 」(5.0%)、 第4が、[宗 門 大 学 」 (5.3%)。 こ れ ら は、 満 足 度 の 高 い 項 目 で も あ っ た。 中 程 度 の[不 満 理 由 」 の 第1が、[大 学 の 施 設 や 設 備 」[高 野 山 」(22.7%) 第2が、 「ク ラ ブ 活 動 」(18.9%)、 第3が、[大 学 の 対 応 」 「14.2%)、 第4 が、[寮 や 下 宿 」 「学 生 間 の 関 係 」(13.6%)、 第5が 「授 業 科 目」(11.5%)、 第6が、[講 義 内 容 」 や[学 生 指 導 」(9.7%)で あ る。 こ れ ら が、1割 か ら 2割 の 学 生 に と っ て の 不 満 で あ る。 100名 を 越 す 学 生 が、[都 市 か ら 遠 い 」[生 活 環 境 」[文 化 情 報 環 境 」「学 生 大 学 生 の 大 学 イ メ ー ジ と 生 活 意 識

(23)

密 教 文 化 の質 」 に対 して 不 満 を訴 えて い る。 大 学 の立 地 条 件 の ラち[自 然 環 境 」 に 関 す る満 足 度 が 高 い の に対 して、 交 通、 文 化、 生 活 等 を含 め た社 会 環 境 が 学 生 に と って 不 満 材 料 にな って い る。 ま た、[学 生 の質 」へ の不 満(32.2% 109名)の 問 題 は、[大 学 の レベ ル」分 け で[実 力 よ り下 の大 学 」 像 を もつ者 が4割 を越 えて い る こ とと も対応 して い よ う。学 生 が同 じ大 学 の学 生 集 団 の 質 を問 題 視 す る とは、 文 字 通 り学 力面 の質 を問 題 に して い るの か、 興味 や 関 心 の 相 違 か ら くる 質 の違 い な の か、 それ ら を含 めた 人 間 的 な 能 力 の差 が 現 れ て い る の か、 或 い は、 団体 行 動、 集 団 行 動 を好 まな い 最 近 の学 生 の 特 徴 が 影 響 して い るの か、 恐 ら くは多 様 な原 因 に も とず く若 者 の全 体 的 な 変 化 が 関 係 して い るに 違 い な い。 「学 生 の 質 」の変 化 が これ ほ ど学 生 の 間 で 問 題 に され る こ と 自体 に も、 意 味 が あ りそ うで あ る。 す で に 述 べ た よ うに、 大 学 へ の満 足 度 は、2(満 足)対6(不 満 足)対 1(中 間)の 割 合 で あ った が、 これ らの学 生 は、 大 学 の活 性 化 の た め に何 を望 ん で い るの か。 回 答 を二 つ に 限 定 した の で、 答 え に くか っ た よ うで あ る。 どの項 目に も、○ 印 をつ け た か った と の コ メ ン トをつ け た 学 生 も い た。 そ こで、 こ こに 見 出 され る数 字 は、 彼 等 が希 望 す る順 位 で あ る と考 え た い。(第18表) 全 般 的 な傾 向 は、 第1が[就 職 活 動 に力 をい れ る」(40%204名)、 第2が [生 活 環 境 の充 実 」(38.2%195名)、 第3が[学 生 の教 育 」(30.2%154名) の 順 位:であ る。[就 職 」 「生活 」[教 育 」が、 彼 等 を あ げ る三 つ の柱 で あ る。 特 に[生 活 環 境 の充 実 」 は、 大 学 へ の不 満 理 由 と して そ れ を あ げ た も の (136名)よ り増 加 して い る。 第4に[大 学 の広 報 宣 伝 に 力 をい れ る」(20.4 %)、 第5が 「大 学 の施 設 や 設備 の充 実 」(16.1%)、 そ の 他 の順 位 が、「学生 の活 動 へ の援 助 」[文 化 情 報 の 充 実 」[多 様 な学 生 層 の 認 識 」[伝 統 と 宗 教 性 の強 調 」 で あ る。 大 学 へ の満 足 度 別 に、 これ らの順 位 に微 妙 な差 が 見 られ る。 「満 足 」 で、1.「 就 職 」2.「 教 育」3.「 生 活 環 境」4.「 書 籍 や 情 報 」 5.「 学 生 層 の 認 識 」 「伝 統 と宗 教 性 」

(24)

-94-第18表 大 学 活 性 化 の方 向(MA) 大 学 生 の 大 学 イ メ ー ジ と 生 活 意 識

(25)

密 教 文 化 「や や 満 足 」 で、1. 「就 職 」2.「 生 活 環 境 」3.「 教 育 」4.「 広 報、 宣 伝 」5.[施 設、 設 備 」[書 籍 や 情 報 」 「や や 不 満 」 で、1.「 生 活 環 境 」2.「 就 職 」3.「 教 育 」4.「 広 報、 宣 伝 」5.「 施 設、 設 備 」 「不 満 」 で、1.[就 職 」2.「 生 活 環 境 」3.「 教 育 」4.「 施 設、 設 備 」 5.「 広 報、 宣 伝 」 「ど ち ら と も い え ぬ 」 で、1.「 就 職 」2.「 生 活 環 境 」3.[伝 統 と 宗 教 性 」4.「 教 育 」5.「 書 籍、 情 報 」 「伝 統 と宗 教 性 」 が[大 学 満 足 」[ど ち ら と も い え ぬ 」で 表 れ て い る の は 「ど ち ら と も い え ぬ 」 の 場 合 も満 足 不 満 足 の 両 面 を も っ て お り、 そ の 満 足 部 分 で 表 れ て い る の で は な い か と思 わ れ る。 ど ち ら か と い え ば、 「や や 満 足 」 を 含 め て 大 学 へ の 満 足 感 を 抱 く層 で、[伝 統 と宗 教 性 の 強 調 」を 大 学 活 性 化 の 一 方 向 と し て 支 持 して い る よ うで あ る。 大 学 不 満 派 が あ げ た 不 満 理 由 の 中 で、 「学 生 の 質 」や[文 化、 情 報 環 境 」 が 高 い 率 を 占 め て い た が、 大 学 活 性 化 の 方 向 と し て、 大 学 不 満 派 が[多 様 な 学 生 層 の 認 識 」 や[書 籍、 情 報 の 充 実 」 を 要 望 す る 順 位 は 高 くな い。 問 題 と さ れ る[学 生 の 質 」や 「文 化、 情 報 環 境 」 の 内 容 は 不 明 で あ る が、 わ れ わ れ 年 長 世 代 の 教 員 が 思 い 描 く も の と、 異 な る も の で あ る と い う こ と だ け は 確 か で あ る。 (4)大 学 へ の 満 足 度 と 大 学 イ メ ー ジ 学 生 が 自 己 の 所 属 す る 大 学 を ど うい うイ メ ー ジ で み て い る か、 学 生 に よ る 高 野 山 大 学 イ メ ー ジ を き い た も の で あ る。 第19表 は、 比 率 の 高 い 順 に 並 べ た 「大 学 イ メ ー ジ 」 で あ る。 全 般 的 な 傾 向 は、 第1に 「宗 門 大 学 」 の イ メ ー一ジ(77.3%)、 第2に 「ほ と ん ど知 ら れ て い な い 大 学 」 と い うイ メ ー ジ(65.9%)、 第3に[暗 い 大 学 」 イ メ ー ジ(65.5%)、 第4が 「個 性 的 な 」(60.8%)、 第5が[閉 鎖 的 な 」(59.8%)と、 ほ ぼ6割 台 の イ メ ー ジ が つ づ く。 つ い で、[面 白 味 の な い 」 大 学(54.7%)「 素 朴 」(54.1%)「 さ わ や か で な い 」(52.0%)「 伝 統 の

(26)

-92-第19表 大 学 イ メ ー ジ(SA) 大 学 生 の 大 学 イ メ ー ジ と 生 活 意 識

(27)

密 教 文 化 もつ 良 さ 」(51.1%)が5割 台 の イ メ ー ジ、 「や ぼ っ た い 」(48.1%)[大 学 名 の 言 い に くい 」(44.7%)[将 来 性 ど ち ら と も 言 え ぬ 」(44.5%)が40%台 の イ メ ー ジ で あ る。 言 い 換 え る と、 「宗 門 大 学 」イ メ ー ジ、[ほ と ん ど知 ら れ て い な い 」 大 学 イ メ ー ジ を別 格 と し て、 大 学 の プ ラ ス イ メ ー ジ と し て あ げ ら れ て い る の は、 「個 性 的 」 「素 朴 」 「伝 統 の もつ 良 さ 」 の3イ メ ー ジ で あ る。 マ イ ナ ス イ メ ー ジ と し て あ ら わ れ て い る の は、 「暗 い 」[閉 鎖 的 」「さ わ や か で な い 」 「や ぼ っ た い 」の イ メ ー ジ で あ る。 プ ラ ス マ イ ナ ス 差 引 い て、 「大 学 名 言 い に くい 」 「将 来 性 保 留 」イ メ ー ジ が 出 て い る の だ と 予 想 さ れ る (第1図 参 照) 次 に、 大 学 へ の 満 足 度 と大 学 イ メ ー ジ と の 関 連 を み れ ば、 大 学 へ の 「満 足 派 」 は、 「個 性 的 」 「素 朴 」 「伝 統 の も つ 良 さ」と い うプ ラ ス イ メ ー ジ を支 持 す る 率 が 高 い。 し か し、 「将 来 性 」 に 関 し て は、 「ど ち ら と も い え ぬ 」 と 態 度 保 留 を 示 して い る。 保 留 つ き の プ ラ ス イ メ ー ジ 支 持 派 で あ る。 こ れ と 対 照 的 に、 大 学 へ の 「不 満 派 」 は、 「宗 門 大 学 」 「ほ と ん ど 知 ら れ て い な い 」 で の 高 率 に 加 え て、 「暗 い 」 「閉 鎖 的 」[さ わ や か で な い 」[や ぼ っ た い 」 と マ イ ナ ス イ メ ー ジ の 支 持 が 高 い。 大 学 へ の 満 足 度[中 間 派 」 は、 将 来 性 「ど ち ら と も い え ぬ 」 の 態 度 保 留 が 高 い。 結 局、 大 学 の プ ラ ス イ メ ー ジ に 満 足 し て い る の が 大 学 へ の 「満 足 派 」、マ イ ナ ス イ メ ー ジ の 点 で 不 満 な の

(28)

が 大 学 へ の 「不 満 派 」 に な る。[満 足 派 」 「不 満 派 」 を と わ ず、 大 学 の 将 来 性 に 関 し て は、 態 度 保 留 と い う と こ ろ で あ る。 (5)満 足 派、 不 満 派、 中 間 派 の 基 本 的 属 性 大 学 へ の 満 足 度 で 学 生 層 を わ け る と、 高 野 山 大 学 の 学 生 集 団 は、 「満 足 派 」22%「 不 満 派 」66.5%[中 間 派 」11.2%か ら構 成 さ れ て い る。6-7 割 に 達 す る 「不 満 派 」 が、 学 生 集 団 全 体 の 動 向 を握 っ て い る グ ル ー プ と し て 注 目 さ れ る。 彼 等 の 基 本 的 属 性 の 特 徴 を こ こ で 捉 え て お こ う。 第20表-1は、 「僧 俗 」別 要 因 と の 関 連 を 示 し て い る。 [不 満 派 」 は、 全 体 の 半 分 が 「俗 」 で、 「俗 」の 比 率 が 高 い。 つ い で、3 人 に1人 強 が 「僧 」 及 び 「僧 志 望 」(35.1%)で、 残 り は[わ か ら な い 」 (13.9%)と な る。「満 足 派 」は、 僧 俗 で 分 散 して い る。「俗 」 が 減 り(38.4%)、 「僧 及 び 僧 志 望 」 が 増 え44.6%に な る。 大 学 が 僧 侶 志 望 の 学 生 を 満 足 さ せ る 要 素 を 多 分 に 持 っ て い る とい う こ とで あ ろ う。 し か し面 白 い こ と に、「満 足 派 」 の 中 の 「満 足 」 は、 「現 在 僧 」で、 「や や 満 足 」は 「将 来 僧 」 で 際 立 っ て い る。 と は い え、 「現 在 僧 」の 中 の 満 足 度 の 比 率 は、 「満 足 派 」28.6%「 不 満 派 」61.5%「 中 間 派 」11%と、3対6対1の 割 合 に 分 れ て お り、[不 満 派 」 が6割 を 占 め て い る。 第1図 高 野 山 大 学 イ メ ー ジ さ わ や か さ な い、 や ぼ っ た い (マ イ ナ ス メ メ ー ジ) 大 学 生 の 大 学 イ メ ー ジ と 生 活 意 識

(29)

密 教 文 化 「住 居 」 別 で は、 全 般 的 に は ど の グ ル ー プ も、 「下 宿 」の 比 率 が 高 く、 次 は 「自 宅 」 の 順 位 あ る。 た だ、 「中 間 派 」で、 「下 宿 」と 「自 宅 」 の 割 合 が 接 近 して い る。 第3に、 「満 足 派 」が 「ア パ ー ト/マ ン シ ョ ン 」 と 「寺 」 生、 「不 満 派 」 が[寮 」 生、 「中 間 派 」が 「寺 」 生 で あ る。 「満 足 派 」と 「中 間 派 」 の 両 方 に、 「寺 」生 の 出 現 頻 度 が 高 い。 第20表 大 学 へ の 満足<1)僧 俗 別 2)住 居 形 態 別 3)出 身 地 の 性 格 別>

(30)

「出 身 地 の 性 格 」 別 で は、 「満 足 派 」は、 「ど ち ら か と い え ば 田 舎 」で33% 「中 都 市 圏」 で20.5%に な り、 両 者 で 全 体 の 半 数 を 越 え て い る。 「不 満 派 」 は、 「ど ち ら か と い え ば 田 舎 」で28.396「 ま っ た く の 田 舎 」 で23.6%で、 両 者 で6割 強 で あ る。 「中 間 派 」は、 「ま っ た く の 田 舎 」 で24.6%「 少 都 市 圏 」 で22.8%「 ど ち ら か と い え ば 田 舎 」 で21.1%で、 三 者 で7割 弱 に な る。 ま た、 「大 都 市 圏 」の 出 現 率 は 「満 足 」 回 答 に、 「中 都 市 圏 」 の 出 現 率 は 「や や 満 足」 回 答 に、 「少 都 市 圏 」の 出 現 率 は 満 足 「中 間 率 」 に、 「ど ち ら か とい え ば 田 舎 」 の 出 現 率 は 満 足 派 不 満 派 に、 「ま っ た く の 田 舎 」の 出 現 率 は、 「や や 満 足 」を 除 く そ の 他 の 「満 足 派 」 「中 間 派 」[不 満 派 」 に、 そ れ ぞ れ や や 高 く表 れ て い る。(箒20表 一3)都 市 圏 の 方 が 不 満 が 強 い の か と 予 想 さ れ た が、 逆 の 結 果 が 示 さ れ て い る。 「入 試 の 種 類」 別 で 特 微 が 見 られ る の は、 満 足[中 間 派 」 で あ る。 「推 薦 」 の 占 め る 率 が 高 い。 「満 足 派 」 「不 満 足 派 」 は と も に、 「一 般 入 試 」の 割 合 が 高 い。 個 々 の 項 目 別 に み る と、 「満 足 派 」の 中 の 「満 足 」 で は、[推 薦 」が 特 に 低 く、 「一 次 入 試 」が 高 率 で あ る。 「や や 満 足 」で、 「推 薦 」 「一 次 」の 順 位 で 「推 薦 」 が 高 い。 「不 満 派 」 の 中 の 「不 満 」 は、 「推 薦 」 よ り 「一 次 」 が 多 い が 大 学 生 の 大 学 イ メ ー ジ と 生 活 意 識

(31)

密 教 文 化 ほ と ん ど 変 ら な い。[や や 不 満 」 組 は、 「中 間 派 」 に つ い で[推 薦 」 が 多 く 「一 次 入 試 」 が 少 な い。 「一 次 二 次 入 試 」の 出 現 率 は、 「満 足 」 「不 満 」の 両 極 で 高 い。 「推 薦 入 試 」 の 出 現 率 は、 「中 間 派 」で 最 も高 く、 「満 足 」で も っ と も低 い(28.6%)。 粗 っ ぽ く い え ば、 「推 薦 」の 出 現 率 は 「満 足 」 「不 満 」 の 両 極 で 低 い。 「入 試 の 種 類」 別 で は、[満 足 」 と 「不 満 」は 両 極 に あ る よ うで い て 類 似 の 傾 向 を 示 め して い る。(第21表 一1) 第21表 一2は、 「入 試 の レベ ル 」別 の 特 徴 で あ る。 個 々 の 項 目別 で の 特 徴 が 見 出 さ れ る。 「満 足 」 「不 満 足 」の 両 極 が 同 様 の 傾 向 を示 して い る。 「や さ し か っ た 」 「か な り と け た 」 あ わ せ て、 そ れ ぞ れ37.1%と39.9%、 「ま あ ま あ 」が34.3%、 と31.5%、 「む つ か し か っ た 」 「合 格 で き た の が 不 思 議 」 が あ わ せ て、28.6%、 と28.1%で あ る。「や や 満 足 」 と[や や 不 満 」 を 比 べ る と、 「や や 満 足 」で 「か な り と け た 」 の 出 現 率 が 高 く、 「や や 不 満 」 で、 「ま あ ま あ 」 の 出 現 率 が 高 い。 満 足 「中 間 派 」 は、 他 と の 違 い が 大 き く、 試 験 は[ま あ ま あ 」 の 回 答 が 多 い(全 体 の52.6%)。 「や さ し か っ た 」 「か な り と け た 」が、 他 と比 べ て 低 し(21%)。 第22表 一1は、 「大 学 の レ ベ ル わ け 」 に 関 す る特 徴 で あ る。 大 学 へ 「満 足 」 「や や 満 足 」 「や や 不 満 」 を示 す グ ル ー プ で、「実 力 相 応 の 大 学 像 」 が 高 い が、「不 満 足 」 を示 す グ ル ー プ で は 「実 力 よ り下 の 大 学 像 」 が 高 い 頻 度 で あ る。 学 力 的 に 高 い 層 が 明 確 に 大 学 へ の 「不 満 」 を表 明 し て い る。 「入 学 の 動 機 」 別 で 「寺 院 子 弟」 「地 理 的 に 近 か っ た 」「先 輩 知 人 が い た 」 等 に つ い て 差 異 は 認 め られ な か っ た が、 大 学 へ の 満 足 度 が 高 い ほ ど、「密 教 仏 教 を ぜ ひ 学 び た い 」 と の 入 学 動 機 の 回 答 も 増 大 し て い る。 逆 に、 大 学 へ の 不 満 の 高 い 層 で、「浪 人 し た くな か っ た 」 の 動 機 が 高 い。(第22表 一2) 以 上、「満 足 派 」22%「 不 満 派 」66.5%「 中 間 派 」11.5%の 基 本 的 特 性 の 特 徴 を概 観 し た ○6-7割 を 占 め る 「不 満 派 」 を 中 心 に 要 約 し て み る と、 「不 満 派」 の3分 の1は 「僧 及 び 僧 志 望 」 者 で あ り、 半 分 は 「俗 」 で あ る。

(32)

第21表 大 学 へ の満 足 <1)入 試 の種 類 2)入 試 の レベ ル> 大 学 生 の 大 学 イ メ ー ジ と 生 活 意 識

(33)

密 教 文 化 「満 足派 」 の45%は、 「僧 及 僧 志 望」者 で あ るが、 量 的 に は 「不 満 派 」 の半 分 であ る。僧 侶 志 望学 生 に と って大 学 は魅 力 よ りも不 満 の方 が 強 い。 不 満 の 内容 に つ い て は第19表 に み た如 くで あ る。 不 満 派 は又 「寮 生 」 に お いて 高 い。 出身 地 の性 格 別 に み て、[大都 市 圏 」 の 出現 率 は予 想 に反 して 「満 足 派 」 に、「どち らか とい え ば 田舎 」 出 身 は、 「満 足 派」 と[不 満 派 」 に、 「ま った くの 田舎 」 出 身 が 「中 間 派」 と 「不 満 派 」 にお い て高 い。 大 学 へ の不 第22表 大 学 へ の満 足 <1)大 学 の レベ ル わ け 2)入 学 の 動機 別 >

(34)

満 は、 出身 地 域 の環 境 と大 学 環 境 との間 の関 連 性 を示 唆 して い る。 入 試 要 因 との 関連 で は、「中 間派 」 で は 「推 薦 入 試 」 受 験 者 の比 率 が 高 く、 ま た、 「中 間 派」 で は入 試 結 果 を 「か な りと けた 」「や さ しか った 」 とす る者 が少 な い。「満 足 派 」 の 中 の 「満 足 」 組 と 「不 満 派 」 の 中 の 「不 満 」 組 の両 極 は 類 似 の傾 向 を示 し、入 試 結 果 に 関 して も多 様 な反 応 を示 して い る。 こ の よ うに入 試 要 因 との 関連 で は、 「不 満 派 」 「満 足 派 」 は差 異 が少 く、「中 間派 」 に特 徴 がみ い だ され た。 お わ り に 今 回 の報 告 は、 学 生 の大 学 像 や大 学 イ メ ー ジ 中心 とな っ た。 彼 等 の生 活 意 識 に つ い て は、 次 の報 告 書 を予 定 して い る。 な お、 調 査 結 果 を簡 単 に要 約 してお きた い。 学生 集 団 は各 項 目に於 て、 お よそ三 っ の グル ー プ に分 け られ る よ うで あ る。 そ の 間 の 力動 的 な 関連 に つ い て は今 後 の課 題 で あ る。 (1)学 生 自身 の 実 力 との 関連 で 把 え られ た 大 学 像 は、[実 力 よ り上 の大 学 」 が12%、 「実 力 相 応 の大 学 」 と 「実 力 よ り下 の大 学 」 像 とが 各 々45% 前 後 を占 め、 数 的 に伯 仲 す る 関係 に あ る。 (2)入 学動 機 か ら大 学像 を把 え る と、「一般 大 学 」 像 が5割、 「宗 門大 学 」 像 が36.5%、 「近 くの 知 りあい の い る大 学 」像 が1割 強 で あ る。 こ の三 者 の 割 合 は 時 代状 況 の反 映 で あ ろ う。 (3)大 学 へ の満 足 度 との 関 連 で、「満 足 派 」 「不 満 派」 「中間 派 」 が2対6 対1の 割 合 で 存 在 して い る。 全 体 の66%を 占 め る不 満 派 は、 「都 市 か らの 距 離、 生 活 環 境、 文 化 情 報、 学 生 の質 」 を大 き く問題 とす る集 団 で あ る。 大 学 の立 地 条 件 の うち、 自然 環 境 へ は満 足 が、 交 通、 生 活、 情 報 を含 め た 社 会 環 境 へ は不 満 が 強 くみ られ る。 (4)大 学 イ メ ー ジ で は、 プ ラ ス イ メ ー ジ が 「個 性 的、 素 朴、 伝 統 の もつ 良 さ」 に、 マ イ ナ ス イ メ ー ジ は[暗 い、閉 鎖 的、面 白味 さわ や か さ の な い、 や ぼ っ た い」 を表 わ して い る。 そ の他 「宗 門大 学 」 「知 られ てい な い大 学 」 は イ メ ー ジ と して 固 りす ぎ、「大 学 名 」 「将 来 性 」 に 関 し ては、 流 動 的 な イ メ ー ジ を形 成 して い る。 大 学 生 の 大 学 イ メ ー ジ と 生 活 意 識

参照

関連したドキュメント

ハンブルク大学の Harunaga Isaacson 教授も,ポスドク研究員としてオックスフォード

熱が異品である場合(?)それの働きがあるから展体性にとっては遅充の破壊があることに基づいて妥当とさ  

講師:首都大学東京 システムデザイン学部 知能機械システムコース 准教授 三好 洋美先生 芝浦工業大学 システム理工学部 生命科学科 助教 中村

自由報告(4) 発達障害児の母親の生活困難に関する考察 ―1 年間の調査に基づいて―

一貫教育ならではの ビッグブラ ザーシステム 。大学生が学生 コーチとして高等部や中学部の

生活環境別の身体的特徴である身長、体重、体

[r]

向井 康夫 : 東北大学大学院 生命科学研究科 助教 牧野 渡 : 東北大学大学院 生命科学研究科 助教 占部 城太郎 :