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学 位 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 氏 名 田 村 悠 旭

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Academic year: 2021

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((別紙様式第7号)

学 位 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

氏 名 田 村 悠 旭

審 査 委 員

主 査 山 中 典 和 ◯ 副 査 山 本 福 壽 ◯ 副 査 川 口 英 之 ◯ 副 査 片 桐 成 夫 ◯ 副 査 坪 充 ◯

題 目 塩生植物タマリスクを用いた塩類集積地の改善に関する研究 審査結果の要旨(2,000字以内)

現在,中国の乾燥地では塩類集積が問題となっており,その対策・改善法が数々検討 されている。それらの方法の中で,本研究は,植物を塩類集積地に植栽し,土壌塩分の 除去や溶脱,地下水位低下の効果がある生物的排水法に着目したものである。特に、中 国の塩類集積地改善を目指し,耐塩性・冠水耐性共に優れているとされる自生種タマリ スク類に着目し,塩類集積地でのタマリスク植栽の可能性と塩類集積地改善の可能性,

およびタマリスクの有用性を評価したものである。

塩類集積地でのタマリスク利用の前提として,タマリスクが成育できる条件を把握す る必要があるが、本論文の第 2 章では,タマリスクの植栽条件を把握するために、地下 水位や塩分濃度を変えて生育実験を行っている。その結果、タマリスクの植栽に関する 条件として以下の3つを条件を明らかにした。

1) 水位が20 cmで,土壌中にCa2+が約2500 mg kg-1 Soil蓄積されていれば,Na+が約2000

mg kg-1 Soil蓄積されていてもタマリスクの植栽は可能。

2) 水位が0 cmで,土壌中にCa2+が約2000 mg kg-1 Soil蓄積されていれば,Na+が約1500

mg kg-1 Soil蓄積されていてもタマリスクの植栽は可能。

3) 土壌Na+量が3000 mg kg-1 Soilを超えると,土壌Ca2+量の多寡や地下水位の高低に関 わらずタマリスクは生存できない可能性がある。

次に,実際にタマリスクを塩類集積地で植栽した場合,タマリスク林分の成立が土壌 改善に寄与するか否かが重要となる。そこで第 3 章では,タマリスク林における塩分動 態を調査している。その結果,タマリスクを通じた塩分動態を明らかにしている。その 結果から、塩分の体内蓄積という直接的な土壌塩分除去効果は小さいことが明らかとな った。また,K+や Ca2+,Mg2+が多く含まれているリターや林内雨,樹幹流が地表面に落 下する事によって,土壌の養分状態が向上していることも明らかとなっている。そして,

林内の土壌Na+は隣接する裸地よりも少なかった。これは,林内では地表面被覆により土

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壌面蒸発が抑えられ,下方からの水分上昇が少なくなり,塩分上昇量も抑えられたため と推察された。以上より,タマリスク林の成立は塩類土壌を改善する可能性があると考 えられた。

第 4 章ではタマリスクの塩分動態に特徴的な塩分泌のしくみに関する調査した。その 結果,タマリスクは,成長には不必要なNa+を枯死葉もしくは分泌塩として選択的に体外 に排出する事ができることを明らかにした。

以上から本研究は、タマリスクは中国に自生する樹木の中でも高い耐塩性と冠水耐性 を備え,塩類集積地でも成育できるとともに,土壌の塩分除去や塩分上昇抑制,さらに 土壌養分蓄積にも貢献できることを明らかにした。

よって当論文は、乾燥地の塩類集積条件下でのタマリスク植栽の可能性と塩類集積地 改善の可能性,およびタマリスクの有用性を評価した、優れたものであると認められた。

審査委員会は、本研究の内容とその成果を評価し、学位論文として十分な価値があるも のと判断した。

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