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博士論文要旨

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Academic year: 2021

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[様式-学 5]

博士論文要旨

論文題名:複合現実感システムの高度化に向けた 3-D 拡張と隠消技術の枠組み

立命館大学大学院情報理工学研究科 情報理工学専攻博士課程後期課程

ふりがな もり しょうへい 氏 名 森 尚平

現実世界と仮想世界を実時間で融合・表示する複合現実感 (Mixed Reality; MR) は,人 工現実感 (Virtual Reality; VR) の発展形である.MRは,電子的な仮想世界だけを対象と する従来の VR の限界を克服する技術として研究開発やその応用が試みられ,実世界で情 報機器を活用する機会が増えるにつれ「新しい情報提示技術」としての価値が高まりつつ ある.MR における基礎的な問題として,カメラ位置姿勢推定法を主軸とした幾何学的整 合性の問題,重畳する仮想物体への陰影付与を代表とした光学的整合性の問題が挙げられ る.こうした基礎研究の進展がある一方で,MRが現実世界を対象とする技術である以上,

万能で完璧な手法の実現は現実的に困難である.そのため,その利用場面を医療・福祉,

建築・防災・都市計画,工業製品の設計・組立・保守,教育・芸術・娯楽等に限定し,し かるべき制約条件を与えることで現実的な問題の解決が行われてきた.

本論文では,MR 技術の高度化を目的とし,MR の映像制作への応用を試みるという既 存のアプローチに倣う一方で,隠消現実感 (Diminished Reality; DR) という全く別の概念 を導入し,その技術体系整理及び技術開発を通してMR技術への還元を行うという2つの アプローチをとった.

MR の映像制作への応用:既開発技術の映像制作支援用事前可視化システムである MR-based Pre-VisualizationシステムをStereoscopic 3D映画撮影用に機能拡張した.視 差調整機構を備えた映画撮影用ステレオカメラの導入に伴うこの機能拡張では,映像撮影 ワークフローの再設計,General Purpose Graphics Processing Unitを用いた高解像度MR ステレオ画像の高速処理,S3D映画撮影用に設定されたステレオカメラを用いた既存カメ ラ位置姿勢推定機構の性能向上を行った.

DRの技術体系整理及び技術開発:DRとは実世界に存在する物体を視覚的に隠蔽・消去・

透過する技術体系であるため,概念的には MR の逆である.本論文では,DRは除去対象 を隠背景の再構成結果で上書きする問題に帰着すること,これが方法論的にMRの拡張で あることを明らかにした.この考えの下,既存の手法の体系的整理・分類を行った上で,

DR研究の基本課題の理論的分析を行った.更に,不要物体が置かれた空間の事前観測画像

(2)

の利用が可能な場合に関して,その空間の幾何学的複雑さに応じた2つのDR手法を開発 し,それぞれの特徴や基盤技術のMR への応用可能性について分析した.また,DR 手法 の精度向上を目的とした分析・評価用データセット作成のための施設を設計・構築した.

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