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住民まちづくりにおける地域住環境点検・改善プログラムの構築 -北九州市八幡東区枝光一区における民・学協働の取り組みを通じて- [ PDF

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(1)住民まちづくりにおける地域住環境点検・改善プログラムの構築 - 北九州市八幡東区枝光一区における民・学協働の取り組みを通じて -. 山﨑 貴幸 1. 研究の背景と目的. 3. 調査対象地区の概要. わが国の住宅地において、住民の主体的活動によって. 本研究の調査対象地区である北九州市八幡東区枝光一. 住環境を持続的に維持・改善していくことの重要性が高. 区(平成 21 年人口:3,374 人、世帯数:1,747 世帯、高. まっている。特に、人口減少社会を背景に住宅需要の低. 齢化率:36.4%※ 3)は、明治 34 年の八幡製鉄所の操業. 下した既成住宅地では、居住世帯の高齢化や不在住化に. 以降、工場労働者の住宅需要を受けて形成された斜面住. 伴う管理停滞による住環境の悪化が問題となっており、 宅地であるが、昭和 41 年~ 50 年にかけての製鉄所の再 早急な対策が求められている。. 編・合理化によって労働人口が流出し、その後もモータ. さて、まちづくりの現場においては、地区の住環境を. リゼーションの進展や郊外住宅地の拡大に伴い居住世帯. 点検し、その問題や魅力の把握、地図への記録を通じ. の減少や高齢化が急激に進行している。. て、その後の活動へ供する「点検地図づくり」※ 1. が今. 一方、北九州市では平成 6 年度から、地域づくりの活. 日広く普及している。この点検地図づくりは一様な活動. 動拠点として小学校区単位を基本に市民センターの整備. ではなく、専門的な支援のもと、地区の実情に即したプ. と、自治区会をはじめとした地域住民組織の連携によ. ロセスや手法をとることが可能で、まちづくりの基盤的. る「まちづくり協議会」の組織化を推進している。また、. 活動として一定の成果を挙げている。しかし、住宅地管. 平成 16 年度には市の各部局が交付していた補助金の一. 理の視点から継続的な住環境情報の更新や地図の運用を. 本化により、 地域の実情に応じて柔軟な活用が可能な「地. 行い、改善行動の深化を図る取り組みとしては確立され. 域総括補助金制度」を創設する等、より総合的な地域運. ていない。. 営を促進している。. 以上より本研究では、住民まちづくりにおいて点検地. 対象地区においては、平成 10 年に枝光南市民福祉セ. 図を用いた持続的な住宅地管理を志向する実践プログラ. ンター(現、枝光南市民センター)の設置に合わせて枝. ムを構築することを目的とし、平成 18 年に地域防災マッ. 光南まちづくり協議会(平成 19 年度より枝光一区地域. プの作成を機に民・学協働による住環境点検調査を実施. まちづくり協議会に改称、以下まち協)が結成され、地. した北九州市八幡東区枝光一区を対象に、住環境点検・. 域活動に関する企画・調整役を果たしており、平成 18. 改善活動の継続的な実践とその考察を行う。. 年度には、当研究室と協働で住環境点検調査と地域防災. 2. 研究の枠組み. マップの作成を実施した。このような協働の取り組みを. 医療分野において村田晃一郎らは、診療から治療. 通じて、住環境問題の改善に対する住民関心が高まり、. までのプロセスについて、従来の PDCA サイクルの A. 地域防災マップの本格的運用とともにまち協を中心とし. を分析(Assessment)と読み替え、実態把握(Check) た独自の改善活動が平成 19 年度から始まり、継続的に から始まる CAPD サイクル※ 2 として理解すべきことを提. 取り組まれている。. 起している。これは住民まちづくりにおける住環境の点 検・改善プロセスにもあてはまり、住民意識へフィード バックすることを踏まえ、図 -1 のように概念化できる。. 住民の 管理意識の向上. 深化. Motivation. 実態把握. 整理/分析. Check (Subject/Object). Assessment. 本研究では、点検地図づくりと運用を通じて住宅地管 理を促進する実践プログラムを「地域住環境点検・改善. 反映. 活性化. 具体的な 住環境の向上. 結果. CAPD サイクル. プログラム(以下、点検改善プログラム) 」と呼び、調 査対象地区における民・学協働の活動実績をもとに、プ ログラムの構成を整理した上で、その「手段」をなすプ. Improvement. 改善行動. 管理/計画立案. Do. Plan. ロジェクトやツールの形態及び「目的」である住環境改 図 -1 住環境の点検・改善プロセスの概念図. 善の効果について考察する。. 30-.

(2) 4. プログラムの構成とプロジェクトの形態. 住環境の情報は、 「対象の場所がどこのどの部分なの. 4-1. プログラムの枠組み. か」という地理的情報と「対象の問題がどういったもの. まず、調査対象地区において実践した点検改善プログ. なのか」という実態的情報からなる。ボトムアップ型の. ラムの枠組みを図 -2 に示す。. 情報伝達において、まち協や行政のような情報を受ける. 本プログラムを構成する各プロジェクトは、図 -1 で. 側が、広範な区域に点在する諸問題を的確に把握するこ. 示した 4 段階に対応して整理できる。 「実態把握」段階. とは容易ではなく、情報伝達に齟齬が生じやすい。この. にあたる点検活動で挙がった地域の問題は、ふれあい委. ため、従来から行われている定期的な会合や、新規に組. 員会(社会福祉協議会例会)や自治区会といった住民会. み込んだ点検活動等の各プロジェクトのツールとして点. 合において「整理 / 分析」される。これらの情報は、管. 検地図を有効に活用し、正確かつ円滑な情報伝達を促進. 理ツールである地域防災マップへの記録を通じ、まち協. することが住環境情報の管理において肝要と言える。. と当研究室により「管理」され、改善行動の「計画立案」 がなされる。 「改善行動」段階では、行政への改善要請 や草刈りサービス等の独自の取り組みが実施され、その. 行 政. まちづくり 推進課. ●公的改善 各担当部署を通じ 公的な改善の判断 および実施. 伝達. ○改善行動 #行政への改善要請. まちづくり 協議会. ○管理 / 計画立案 町会から挙がった 改善要望について 適切な処置. 伝達. ○整理 / 分析 #ふれあい委員会. 結果として物的な改善に至る。 4-2. 情報の伝達フローとマップの役割 次に、点検改善プログラムの一貫性を支える住環境情 報の伝達フローを図 -3 に示す。 本プログラムでは、住環境情報の把握を行う役割を担. 包 括 的 住 民 組 織. う基礎的住民組織を「町会(全 20 団体) 」とし、プログ ラムのマネジメントを行う包括的住民組織として「まち 協」を位置づけている。また、情報管理ツールである点 検地図の作成と更新及びプロジェクトでの運用を支援す. 基 礎 的 住 民 組 織. 町会長. ○実態把握 担当の町会内での 問題箇所の把握. 地域住民. 身近な住環境問題 について陳情. る専門組織が必要であり、当地区では筆者ら大学研究室 がそれを担っている。. 段階. ○実態把握 住宅地の管理・保全を目的. 概要. とした、住民の身の回りの 具体的な問題点や魅力等の 情報の網羅的な把握. #区内美化・防災巡視 (地域行事でのマップ運用). 記録 情 報 管 理 ツ ー ル. 専 門 組 織. 大学研究室 共有. 地 域 防 災 マ ッ プ. 点検活動や住民会 記録. 合等といった実践 プロジェクトへの 参加及び記録 地域防災マップの 作成と運用に係る 専門的な支援. 図 -3 組織間の住環境情報フロー. ○整理 / 分析 地域住民より報告される点 検結果や改善要望の整理と、. ○管理 / 計画立案 関連情報の蓄積・管理・活. 組織的に取り組むべき課題. 用を通じて対策の立案や、 体制整備・予算化等の実施. の抽出. 計画の検討. #ふれあい委員会 (住民会合での情報収集). #まち協役員会 (具体策の立案 / 協議). ○改善行動. 住環境点検・改善プログラム. まちづくり協議会を中心と した行政への改善要請や地. 地域防災マップ作成を礎に その後の継続的なマップの. 域独自の取り組みを通じた. 運用を通じて地域住環境の. 地域住環境の具体的な改善. #舗装・手すり等の改善要請 (公共サービスの要請). 点検・改善を図る取り組み 凡例 #… 本プログラムの実施以前から行 われていた取り組みにおいて、 マップの運用や意識啓発を通じ て、活性化を図るプロジェクト *… 本プログラムで提案した地区独 自の取り組み. プロジェクト 実践例. +総合点検まち歩き (町会毎の詳細な点検活動). +検討座談会 (町会間での情報共有). *※マップの作成 / 運用 (住環境情報の管理 / 活用). ※…. *草刈りサービス事業 プログラムの継続的な運営にお (独自サービスの立案 / 実践) いてプロジェクトの変更 / 改良 を行ったもの +… プログラムの改良のうち、住環 境点検調査の一環として実施し た取り組みを継続プロジェクト として組み込んだもの. ■アンケート調査(H18.8) ■総合点検まち歩き(H18.9-10). ■検討座談会(H18.11) ■問題箇所確認調査(H19.1-5). □行政への改善要請(H20.1-12). ■… 住環境点検調査 ◆… 実践活動の記録. ◇改善実績調査(H20/21/22). □… まち協管理資料の分析 ◇… 改善結果の確認. 分析対象 ◆区内美化・防災巡視(H19/20/21) ◆検討座談会(H19/H21) ◆総合点検まち歩き(H20/21). 図 -2 住環境点検・改善プログラムの枠組み. 30-.

(3) このような役割を果たすべく作成したマップの概要を. 協が各町会の改善要望を仲介することで、現地調査の省. 表 -1 に示す。 「点検マップ」 「住環境カルテ」は地区の. 略や申請プロセスの簡略化等、当事者の負担軽減を図る. 問題箇所として挙がったものを網羅的に記録するもの. 仕組みをつくっている。. で、まち協事務局と町会長が所有し、現況の把握や情報. 5. プログラムにおける住環境の向上効果. の継承に供する。 「ふれあいマップ」は点検マップに比. 5-1. 住民の住環境関心. べ住環境情報の量は制限されるものの、住民組織票や生. 次に、点検改善プログラムが住環境の改善に及ぼした. 活関連情報を記載し、全戸配布により情報の周知に寄与. 効果について検討する。. する。. まず、地区住民の身近な住環境問題への関心の高さに. さらに、以後の改善行動によって解決された事象は点. ついて、平成 18 年に行った地図記述形式のアンケート. 検マップから削除されるとともに、検討座談会で改善内. 調査(配布世帯数 1,453、有効回収数 404)で挙がった. 容が紹介される。こうしたマップの更新・再発行や会合. 指摘件数は 750 件あり、そのうち不良指摘が 691 件を占. での実績報告による情報共有は、住環境に関する住民意. めた。これを空間形態と問題の内容(物的・マナー)別. 識を高めるとともに、一連のプロセスの末、改善に至っ. で、不良指摘件数と指摘された事象の数の関係から見る. た経緯や未改善事象の内容等の理解を通じ、実態認識や. と(表 -4) 、建物・宅地及び道に関する物的問題が大半. 改善行動の深化に結びつくフィードバック過程を形成す. を占める中、空家・空宅地の物的問題は指摘件数を事象. る。これによりプログラムの意義が住民に浸透されるた. 数で除した値が 2 を超え、特に住民関心が高い対象であ. め、情報共有の機会を充実することは、プログラムの持. ることが読み取れた。. 続的な運営にとって極めて重要である。. 表 -1 ツールの概要. 4-3. プロジェクトの展開 続いて、本プログラムを構成するプロジェクトについ て概要を表 -2 に示し、その展開について考察する。 先の図 -2 のプロジェクト実践例のうち、上段は本プ ログラム開始前から地区で取り組まれていたものであ り、下段のプロジェクトは、従来の住環境改善プロセス を強化し、住民の主体的な改善行動を活性化する働きを 持つ。段階別に見ると、実態把握と整理 / 分析段階では、 従来、年度初頭の町会長の研修行事として行われてきた 「区内美化・防災巡視」に加えて、年度中盤に新たなプ ロジェクトである「総合点検待ち歩き」と「検討座談会」 を行うことで、町会長の現状認識を高め、定例の住民会 合での活発な情報交換に結びついている。また、これら の段階で挙がった課題について、管理 / 計画立案段階で. 名称. 地域点検マップ. アンケートや総合点検まち歩 きで確認したまちの問題箇所 概要 や魅力となっている箇所を整 理し、記号や見出し記事で示 した地図。 所有 形式 更新 情報. まち協事務局/町会長 町会別、A3/カラー 大学により毎年 記録. 名称. 区内美化・防災巡視. る。また、 空宅地の管理活動として 「地域共同菜園」 と 「草 刈りサービス」が立ち上がり、住民関心の高い空宅地に おける草木の繁茂への対策、また、まち協や町会長・近 隣居住者の判断をもとに私有空間へ直接働きかける取り 組みとして注目される。 さらに、まち協では平成 20 年から区役所(まちづく り推進課)に専用の連絡窓口を設けるよう依頼し、まち. まち協事務局/町会長 町会別、A4/ファイル 適宜追記 記録/継承. 全世帯 町会別、A3/モノクロ両面 大学により毎年 記録/周知. 自治区会が主催する区内の環 境美化・防災点検を目的とし た例年行事。複数の町会で班 概要 を形成し、地域防災マップを 用いた点検の後に、反省会で 報告を行う。. 民・学協働による点検調査の 一環。町会毎を基本に、未解 決のままの問題箇所や新規の 問題箇所及び改善された箇所 等の詳細な点検、点検マップ への記録を行う。. 民・学協働による点検調査の 一環。共通問題や地理的条件 などからグルーピングした複 数の町会において、まち歩き の報告や意見交換を行い、情 報の共有を図る。. 組織 自治区会/町会/消防団/大学 分類 点検/会合 期間 毎年6月 情報 点検/共有. 大学/町会 点検 毎年9-10月(平成20年-) 点検/記録. 大学/町会 会合 毎年11-12月(平成21年-) 共有. 自治区会定例区会. まちづくり協議会 役員会. 地域活性部会に属する自治区 会の定例会議で、区会役員と 町会長で構成。地域運営に関 する連絡とともに、まち歩き や座談会といったプロジェク トの日程調整等も行う。. 各種地域住民組織を六部会に 集約し、それらを包括する住 民組織として機能。枝光南市 民センターを活動拠点とし、 役員会では各部会からの報告 や活動計画の議決を行う。. 自治区会/町会 会合 毎月 伝達/共有. まちづくり協議会/大学 会合 毎月 伝達/計画. ふれあい ネットワーク委員会. 地域の見守り・助け合い・話 し合いの仕組みづくりとして 北九州市が実施するふれあい 概要 ネットワーク事業の一環。当 地区では独自に地域住環境に 関して情報交換を行う。. れあいマップへの記載によって住民への周知を図ってい. 町内会の危険箇所や災害避難 時の一時集合場所の位置、そ の他生活関連情報等を記号で 表した地図に、ふれあいネッ トワークの組織表を併記。. 検討座談会. 応の手法が提案され、実行に移されている。. 時集合場所」は座談会で町会ごとに位置が検討され、ふ. 総合点検まち歩きや空家・空 宅地の実態調査で確認した問 題箇所について、物件ごとに 写真と関連記事をまとめ、自 由既述欄を設けた個票。. 総合点検まち歩き. 名称. 独自の改善行動プロジェクトの概要を表 -3 に示す。 「一. 地域ふれあいマップ. 表 -2 プロジェクトの概要. は既存の対策方法に則るばかりではなく、新たな組織対 これについて、本プログラムを通じて具体化した地区. 地域住環境カルテ. 組織 分類 期間 情報. 社会福祉協議会/町会 会合 年間6回 伝達/共有. 表 -3 具体化された改善行動プロジェクトの概要 名称. 災害時の一時集合場所と 避難ルートの設定. 高齢者支援策として具体化。 災害時や緊急時における市指 定避難場所への避難誘導の円 概要 滑化を目的としている。ふれ あいマップに生活関連情報と して掲載。. 空宅地を活用した 地域共同菜園づくり. 有償ボランティアによる 空宅地の草刈りサービス. 空宅地の地域管理と多世代交 流の場づくりを目的とし、空 宅地を活用した共同菜園の運 営を行う。現在、一画地が運 営され、次の適地を選定して いる。. 管理の滞った空宅地の保全を 目的に、住民有志による草刈 り隊を組織し、住民や地主の 依頼を受けて草刈り作業を行 う。草刈り機等備品はまち協 が管理。. 関連 災害避難訓練 まち協/果樹支え隊 対象 公園・空宅地(主に駐車場) 空宅地(主に菜園履歴あり) 実施 平成19年9月 平成20年4月 実績 44箇所設定 1箇所(上本町)を運営. 30-. まち協/ふれあい草刈り隊 空宅地(未利用)等 平成21年5月 7箇所実施(平成21年).

(4) 表 -4 不良指摘の傾向. 5-2. 改善要請と改善実績. (単位:件). 次に、まち協事務局に管理された改善要請記録(平成. (単位:箇所). 指摘件数. 空間形態 での区分. 物的. 指摘事象数. マナー. 計. 建物・宅地. 219 88.7%. 28 11.3%. 247 100.0%. 106 80.3%. 26 19.7%. 132 100.0%. 2.07. 1.08. 1.87. 対象箇所の関係及び改善済み件数を表 -5 に示す。期間. 空家. 89 98.9%. 1 1.1%. 90 100.0%. 35 97.2%. 1 2.8%. 36 100.0%. 2.54. 1.00. 2.50. 99. 17. 116. 46. 15. 61. 85.3% 22. 14.7% 7. 100.0% 29. 75.4% 21. 24.6% 7. 100.0% 28. 2.15. 1.13. 1.90. 75.9% 9. 24.1% 3. 100.0% 12. 75.0% 4. 25.0% 3. 100.0% 7. 1.05. 1.00. 1.04. 75.0% 275. 25.0% 80. 100.0% 355. 57.1% 195. 42.9% 52. 100.0% 247. 2.25. 1.00. 1.71. 77.5% 189. 22.5% 74. 100.0% 263. 78.9% 124. 21.1% 48. 100.0% 172. 1.41. 1.54. 1.44. 71.9% 86. 28.1% 6. 100.0% 92. 72.1% 71. 27.9% 4. 100.0% 75. 1.52. 1.54. 1.53. 93.5% 16. 6.5% 8. 100.0% 24. 94.7% 11. 5.3% 6. 100.0% 17. 1.21. 1.50. 1.23. 66.7% 65. 33.3%. 100.0% 65. 64.7% 48. 35.3%. 100.0% 48. 1.45. 1.33. 1.41. 空宅地 住宅. 地に関するものが 18 件と続いており、平成 20 年 12 月. 事業所等. までに 31 件、さらに平成 22 年 1 月までの累積では 51. 道. 件が改善に至っている。独自の対応が可能な草刈りや共. 車輌進入 可. 有物の管理等の改善に関しては比較的短期間、かつ高い. 車輌進入 不可. 割合で実行される。一方で、道路の舗装や交通改善(障. 公共施設. 害物の撤去等)は時間はかかるものの、結果として改善. 境界空間 計. されやすい傾向が窺える。 平成 21 年 9 月末のまち歩きでは、新たに 36 箇所の問. 計. 物的. マナー. 指摘件数/事象数. 20 年 1 月~ 12 月)をもとに、改善要請の具体的内容と 中の要請 79 件のうち道に関するものが 50 件、建物・宅. マナー. 計. 100.0% 575. 116. 100.0% 691. 100.0% 360. 84. 100.0% 444. 83.2%. 16.8%. 100.0%. 81.1%. 18.9%. 100.0%. 物的. 1.35. 1.35. 1.60. 1.38. 1.56. 表 -5 改善要請の内容とその実績 (単位:件). 題、34 箇所の良好・改善(実施予定含む)事象が確認. 要請内容. されたが、そのうち、9 箇所は平成 22 年 1 月時点で既. 舗装修繕. に改善されており、改善経験の蓄積が対応の速度・質の 向上に繋がっている。しかし、建物・宅地に関する事象. 除草・ 木の剪定 手すり・柵 の設置 防災対策. のうち老朽空家の問題は行政への要請を通じても改善に また、平成 20 年の改善要請箇所 79 件のうち、点検マッ プに記載された箇所が一致したものは 24 件(30.4%). 10 52.6%. 空家. 3 15.8%. 1 14.3%. 共用物管理 老朽空家 の保全. 至らず、積み残し課題となっているケースが多い。. 建物・ 宅地. 空宅地. 7 36.8%. 住宅. 23 95.8% 3 15.8% 11 100.0% 1 3 14.3% 42.9% 6 100.0%. 清掃. にとどまり、点検の不備や問題発生後に短期間で改善さ. 計. 車輌 進入 可 10 41.7% 2 10.5%. 2 28.6% 5 83.3%. 車輌 進入 不可 13 54.2% 1 5.3% 11 100.0% 1 14.3% 1 16.7%. 3 75.0%. 1 25.0%. 公共 施設. 境界 空間. 1 4.2% 6 31.6%. 3 42.9%. 5 5 100.0% 100.0% 4 100.0%. 交通改善. 老朽住宅 の保全. 道. 1 50.0% 1 100.0% 18 22.8%. 8 10.1%. 1 50.0% 1 100.0% 7 3 8.9% 3.8%. 1 50.0%. 50 63.3%. 22 27.8%. 28 35.4%. 8 10.1%. 3 3.8%. 計 24 100.0% 19 100.0% 11 100.0% 7 100.0% 6 100.0% 5 100.0% 4 100.0% 2 100.0% 1 100.0% 79 100.0%. 改善済 H20.12. 改善済 H22.1 (累積). 5 20.8% 14 73.7% 2 18.2% 3 42.9% 4 66.7%. 15 62.5% 18 94.7% 4 36.4% 3 42.9% 5 83.3%. 1 3 25.0% 75.0% 2 2 100.0% 100.0% 1 100.0% 31 51 39.2% 64.6%. れたため、点検マップを経由せずに改善されるケースが. 7. まとめ. 多いことも明らかになった。. 本研究により得られた考察を以下にまとめる。. 6. プログラムのマネジメント. 1)点検改善プログラムは 4 段階に整理され、住環境及. 以上より、円滑な情報伝達を促進するため、ツールの. び住民意識の向上を通じて持続する系を形成する。. 再構成と点検活動の内容充実が本プログラムに求められ. 2)住環境情報の管理という視点から、各プロジェクト. た。ツールの再構成としては、平成 21 年 11 月より情報. のツールとして点検地図を有効に活用し、正確かつ円滑. 伝達過程における住民の自主的なマップ活用を促す「ふ. な情報伝達や情報共有を行うことが重要である。. れあいかきこみマップ」の運用を開始した。また、平成. 3)本プログラムにより、従来の住環境改善プロセスが. 20 年から沿道の町会掲示板のまち協と町会共同による. 強化され、住民会合での活発な情報交換や新たな対策手. 再建に合わせ「町会掲示板ふれあいマップ」を作成、掲. 法の提案・実行がなされた。. 示している。このように顕在化した要求への対応や不足. 4)本プログラムは住環境の向上へ確かな効果を示した. 機能の補填等、マップを地域の実情に即したツールへと. が、マップや点検においての課題点も明らかになった。. 再構成することも点検改善プログラムの持続に向けて重. 5)以上を踏まえ、ツールの再構成やプロジェクトの調. 要なプロジェクトである。. 整等の個別運営とともに、その集合体としてプログラム. また、点検活動の充実に向け、平成 20 年度から区内. をマネジメントすることの重要性を示した。. 巡視(6 月)で問題意識を共有した後に、 まち歩き(9-10. 今後の課題としては、本プログラムにおける住民意識. 月)を実施している。そして、一連の活動を通じて新た. の向上効果を定量的に把握することが挙げられる。. に発見した問題や改善された問題等を総括し、理解を深. 注※ 1:昭和 40 年代から全国的に様々な形態で実践されており、一般的ではないが便宜上の呼称として定義。 ※ 2:デミングサイクルと POS サイクルを複合させた概念で、参考文献 3)を参照した。 ※ 3:住民基本台帳により、当地区とほぼ重なる町丁範囲(上本町 1 ~ 2 丁目、山王 1 ~ 4 丁目)を集計。. める展開を見込み、座談会を平成 21 年 11 月に開催した。 このように、個別プロジェクトの調整や不足機能を補 うプロジェクトの追加とともに、これらプロジェクトを 集合体として、いかに関連づけて展開させていくか、と いう「マネジメント」が肝要である。. 謝辞 本研究に当たり枝光一区町会長、枝光一区民生委員ならびに枝光一区地域まちづくり協議会の方々に多大なご 協力を頂きました。ここに記して深謝いたします。. 参考文献 1) まちなか斜面地の保全・再編誘導まちづくりに関する検討調査 報告書 枝光南まちづくり協議会・九州大学大学院志賀研究室 平成 18 年度全国都市再生プロジェクト推進調査 2) 居住収縮斜面住宅地における住環境評価に関する研究 その 1 ~その 6 志賀勉・他 平成 19・20・21 年度日本建築学会大会学術講演梗概集 3)診療におけるプロジェクトマネジメントサイクル 村田晃一郎・他 平成 17 年 プロジェクトマネジメント学会誌. 30-.

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