問い合わせ先
海上保安庁交通部安全課航行指導室
課長補佐 冨田 英利
代 表 ℡ (03)3591-6361 内線6401
夜間直通 ℡ (03)3591-2776
平 成 2 5 年 5 月 8 日
海
上
保
安
庁
「海上交通安全法航路における制限速力
に係る検討会」の報告書等について
1 検討会の開催日時
(1)平成 24 年 12 月 13 日(木) 13 時 30 分~15 時 15 分
(2)平成 25 年 2月 7日(木) 14 時 00 分~15 時 30 分
2 検討会の実施場所
中央合同庁舎第3号館 11 階 特別会議室
3 検討会の構成員
別添1のとおり
4 検討概要
別添2のとおり
5 公表資料
「海上交通安全法航路における制限速力に係る検討会」報告書
(同報告書は、海上保安庁ホームページに掲載いたします。)
海上保安庁では、「海上交通安全法航路における制限速力の見直し」に
ついて、学識経験者、漁業・海運関係者等を交えた検討会を開催し、見直
しに係る課題及び論点の整理を行いましたので、当該検討会における検討
概要と併せ報告書を公表いたします。
「海上交通安全法航路における制限速力に係る検討会」構成員名簿 氏 名 所 属 及 び 役 職 委 員 今津 隼馬 東京海洋大学名誉教授 西村 知久 海上保安大学校准教授 片岡 高志 鳥羽商船高等専門学校教授 谷澤 克治 独立行政法人海上技術安全研究所流体性能評価系系長 長屋 信博 全国漁業協同組合連合会常務理事 宮原 邦之 一般財団法人中央漁業操業安全協会理事長 笛木 隆 千葉県漁業協同組合連合会副参事兼指導部長 小山 紀雄 神奈川県漁業協同組合連合会副会長理事 永富 洋一 三重県漁業協同組合連合会代表理事会長 服部 郁弘 香川県漁業協同組合連合会代表理事会長 山内 章裕 一般社団法人日本船主協会海務部課長 藤澤 昌弘 一般社団法人日本船長協会常務理事 稲垣 拡夫 日本内航海運組合総連合会 流 義幸 一般社団法人日本旅客船協会 池谷 義之 全日本海員組合国際局長 前田 耕一 外国船舶協会専務理事 近岡 信夫 日本水先人会連合会品質管理小委員会委員長代理 渡部 典正 公益社団法人日本海難防止協会専務理事 関係官庁 塩野 健 千葉県農林水産部水産課長 鵜飼 俊行 神奈川県環境農政局水・緑部水産課長 石井 克也 愛知県農林水産部水産課長 遠藤 晃平 三重県農林水産部水産資源課長 北尾 登史郎 香川県農政水産部水産課長 田丸 和彦 岡山県農林水産部水産課長 新井 ゆたか 水産庁漁政部企画課長 田口 昭門 国土交通省海事局総務課技術企画室長 加藤 光一 国土交通省海事局安全・環境政策課長 菊池 身智雄 国土交通省港湾局計画課長 (松原 裕) 事務局 鈴木 弘二 海上保安庁交通部安全課長 近藤 悦広 海上保安庁交通部安全課航行指導室長 冨田 英利 海上保安庁交通部安全課航行指導室課長補佐 大山 竜毅 海上保安庁交通部安全課航行指導室海務第二係長 長与 悟 海上保安庁交通部安全課航行指導室専門員/海務第二係 前畑 如宏 海上保安庁交通部安全課航行指導室専門員/港務係 福木 俊朗 第三管区海上保安本部交通部安全課長 岩崎 昭男 第四管区海上保安本部交通部安全課長 吉田 淳一 第六管区海上保安本部交通部安全課長
別添1
海上交通安全法航路における制限速力の見直しに係る検討概要について
1
海上交通安全法航路における制限速力
航行船舶が多く、可航水域も限られている海上交通安全法航路(以下「航
路」という。)では、高速航行するために十分な余裕水域を確保し難い場合
が多く、緊急停止を行おうとしても停止距離等が長大となること、特に追越
しや横切りの時の事故が予測されること、さらに、漁船等の小型船は航走波
の影響を受けることから、航路の一定区間について、制限速力を12ノットと
している。
2
制限速力の見直しに至る経緯
平成23年1月、内閣府の行政刷新会議の下に設置された「規制・制度改革
に関する分科会」において、「規制・制度改革に関する分科会中間とりまと
め」が取りまとめられ、平成23年4月、「規制・制度改革に係る方針」が閣
議決定された。同方針に、
「海上交通安全法航路における制限速力の見直し」
が掲げられ、本件については、「技術的な検討及び所要の調整を実施し結論
を得る」とされている。
これを受け、海上保安庁交通部では、平成23年度~24年度の2ヵ年で、航
路の制限速力に関する基礎資料、必要なデータの収集・分析、水槽実験(外
部委託)による小型船への航走波の影響評価、関係者に対するヒアリングを
行うほか、学識経験者、漁業・海運関係者等を交えた検討会を開催し、課題
及び論点の整理を行うこととした。
3
検討状況
(1)基礎資料、データの収集・分析
①
海交法制定時(昭和47年)の制限速力に係る考え方
②
海交法適用海域における海難の発生状況
③
AIS(船舶自動識別装置)情報を活用した航路内外における船舶の
航行速力
④
日本船舶明細書及び内航船舶明細書による船舶の航行速力
⑤
過去の調査検討資料
⑥
海交法制定時から現在までの航行環境の変化
別添2
(2)関係者に対するヒアリング
検討会の構成員である漁業・海運関係者等に対し、2回実施
※ 1回目(H24.10~H24.11)、2回目(H24.12~H25.1)
(3)水槽実験〔(独)海上技術安全研究所に委託〕
大型船の航走波が及ぼす影響について、小型船の模型船を用いて、水
槽実験を実施
4
制限速力の見直しに係る主な課題及び論点
(1)依然、多くの船舶が航海速力12ノット以下の多様な速力で航行している
ことから、制限速力の緩和は、船舶同士の速力差が拡がり、追い越し関
係となる事象が増えることが考えられる。
(2)漁船の安全な操業に支障をきたすおそれがある。また、漁具から船体に
受ける抗力と航走波の相互の影響があるため、水槽実験等で検証する必
要がある。
(3)進路警戒船(巨大タンカー等の進路の前方で同タンカーの航行安全のた
めの警戒等を行う船舶)等は、航海速力17ノット未満の船舶が80%~90
%を占めている状況から、制限速力の緩和は、告示による基準(巨大タ
ンカー等よりも3ノット以上速い速力を有すること)を満たせない進路
警戒船等が現れる可能性があり警戒業務上の検討課題となりうる。
(4)無理な割り込み、異常接近が増え、衝突事故等の誘因となるおそれがあ
るほか、衝突・危険回避のための時間的余裕も少なくなり、操船の危険性
や避航判断の遅れによる衝突や座礁の危険性も増大するおそれがある。
(5)制限速力の緩和に関しては、漁業関係者から、人命を最優先(第一)に
考えるべきとして強い反対の意思が示されている。
「海上交通安全法航路における
制限速力に係る検討会」
報
告
書
平 成
25 年 3 月
目
次
第1編
海上交通安全法航路における制限速力に係る検討概要等
Ⅰ 検討に至る経緯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 Ⅱ 検討概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 第1 基礎資料、データの収集・分析・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 第2 大型船の航走波が小型船に及ぼす影響に関する調査研究・・・・・・・・・1 第3 その他制限速力の見直しが影響を及ぼす事項に係る調査・・・・・・・・・1 第4 関係者に対するヒアリング・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 第5 課題の抽出及び論点整理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 Ⅲ 検討方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 第1 検討会の名称・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 第2 検討会の構成員・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 第3 検討会の開催日程・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3第2編
検討内容
Ⅰ 基礎資料、データの収集・分析・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4 第1 海交法制定時(昭和 47 年)の制限速力に係る考え方・・・・・・・・・・4 第2 海交法適用海域における海難の発生状況・・・・・・・・・・・・・・・・9 第3 AIS情報を活用した航路内外における船舶の航行速力・・・・・・・・・22 第4 日本船舶明細書及び内航船舶明細書による船舶の航行速力・・・・・・・・40 第5 過去の調査検討資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・46 第6 海交法制定時から現在までの航行環境の変化・・・・・・・・・・・・・・50 第7 海交法制定時における附帯決議の内容と現状・・・・・・・・・・・・・・53 第8 各海域における主な漁業の状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・54 Ⅱ 大型船の航走波が小型船に及ぼす影響に関する調査研究・・・・・・・・・・・56 第1 実施内容・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・56 第2 実施結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・58Ⅲ その他制限速力の見直しが影響を及ぼす事項に係る調査・・・・・・・・・・・66 第1 進路警戒船等の配備に及ぼす影響調査・・・・・・・・・・・・・・・・・66 Ⅳ 関係者に対するヒアリング・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・72 第1 第1回ヒアリング・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・72 第2 第2回ヒアリング・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・78 V 制限速力の見直しに係る課題及び論点の整理等・・・・・・・・・・・・・・・91
【資料編】
資料1 規制・制度改革に係る方針〔抜粋〕(平成 23 年4月8日閣議決定) 資料2 海上交通安全法航路における制限速力に係る関係条文 資料3 速力の制限区間 資料4 海上交通安全法案に対する附帯決議 資料5 各水道における船舶通航量の推移 資料6 検討会の議事要旨第1編
海上交通安全法航路における制限速力に係る検討概要等
Ⅰ
検討に至る経緯
平成 23 年1月 26 日、内閣府の行政刷新会議の下に設置された「規制・制度改革に関 する分科会」において、「規制・制度改革に関する分科会中間とりまとめ」が取りまと められ、行政刷新会議における規制仕分けや政府内での調整を経て、平成 23 年4月8 日、「規制・制度改革に係る方針」が閣議決定された。同方針の「その他(物流・運輸)」 の分野において、「海上交通安全法航路における制限速力の見直し」が掲げられ、本件 については、技術的な検討及び所要の調整を実施し結論を得ること、平成 23 年度早期 に検討開始、結論を得次第措置することとされている。 これを受け、海上保安庁交通部では、平成 23 年度、平成 24 年度の2ヵ年で、海上交 通安全法航路(以下「航路」という。)の制限速力に関する基礎資料、必要なデータの 収集・分析、水槽実験(外部委託)による小型船への影響評価、海域利用者等からのヒ アリングを行うほか、学識経験者、漁業・海運関係者等からなる検討会を開催し、先ず、 課題の抽出及び論点整理を行うこととしている。Ⅱ
検討概要
第1 基礎資料、データの収集・分析 海上交通安全法(昭和 47 年法律第 115 号。以下「海交法」という。)制定時の航 路における制限速力に係る考え方、海難の発生状況、船舶の航行速力、過去の調査 研究における検討状況及びこれまでの航行環境の変化等について、基礎資料、デー タの収集・分析を行う。 第2 大型船の航走波が小型船に及ぼす影響に関する調査研究 独立行政法人海上技術安全研究所による水槽実験を通じて、大型船の航走波が航 路又はその周辺の海域に存在する小型船に与える影響を分析・評価する。 第3 その他制限速力の見直しが影響を及ぼす事項に係る調査 進路警戒船等の配備に及ぼす影響について調査する。 第4 関係者に対するヒアリング 現行の制限速力、制限区間及び今般の検討に関し、海域利用者等関係者に対する ヒアリングを実施し、十分な意見聴取を行う。 第5 課題の抽出及び論点整理 収集した基礎資料・データの分析、水槽実験の結果、他船への影響調査及び関係 者からのヒアリング結果等を踏まえ、制限速力の見直しに係る課題の抽出及び論点 整理を行う。Ⅲ
検討方法
学識経験者、漁業・海運関係者、関係県水産部局及び関係官庁による検討会を開催し、 大型船の航走波の影響を受けやすい漁船、遊漁船、プレジャーボート等小型船舶及び乗 組員の人命の安全を確保することを念頭に、関係者に対するヒアリング結果、海難の発 生状況、船舶の通航実態及び水槽実験の結果等を踏まえ、課題の抽出及び論点整理を行 う。 第1 検討会の名称 「海上交通安全法航路における制限速力に係る検討会」 第2 検討会の構成員 1 学識経験者 今津 隼馬 東京海洋大学名誉教授 西村 知久 海上保安大学校准教授 片岡 高志 鳥羽商船高等専門学校教授 谷澤 克治 独立行政法人海上技術安全研究所流体性能評価系系長 2 漁業関係者 (1)中央組織 長屋 信博 全国漁業協同組合連合会常務理事 宮原 邦之 一般財団法人中央漁業操業安全協会理事長 (2)関係県漁連 笛木 隆 千葉県漁業協同組合連合会副参事兼指導部長 小山 紀雄 神奈川県漁業協同組合連合会副会長理事 永富 洋一 三重県漁業協同組合連合会代表理事会長 服部 郁弘 香川県漁業協同組合連合会代表理事会長 3 海運関係者 山内 章裕 一般社団法人日本船主協会海務部課長 藤澤 昌弘 一般社団法人日本船長協会常務理事 稲垣 拡夫 日本内航海運組合総連合会 流 義幸 一般社団法人日本旅客船協会 池谷 義之 全日本海員組合国際局長 前田 耕一 外国船舶協会専務理事 近岡 信夫 日本水先人会連合会品質管理小委員会委員長代理 4 海難防止団体 渡部 典正 公益社団法人日本海難防止協会専務理事 5 関係県水産部局塩野 健 千葉県農林水産部水産局水産課長 鵜飼 俊行 神奈川県環境農政局水・緑部水産課長 石井 克也 愛知県農林水産部水産課長 遠藤 晃平 三重県農林水産部水産資源課長 北尾 登史郎 香川県農政水産部水産課長 田丸 和彦 岡山県農林水産部水産課長 6 関係官庁 (1)海事局 田口 昭門 国土交通省海事局総務課技術企画室長 加藤 光一 国土交通省海事局安全・環境政策課長 (2)港湾局 菊地 身智雄 国土交通省港湾局計画課長 (松原 裕) (3)水産庁 新井 ゆたか 水産庁漁政部企画課長 7 事務局 鈴木 弘二 海上保安庁交通部安全課長 近藤 悦広 海上保安庁交通部安全課航行指導室長 冨田 英利 海上保安庁交通部安全課航行指導室課長補佐 大山 竜毅 海上保安庁交通部安全課航行指導室海務第二係長 長与 悟 海上保安庁交通部安全課航行指導室専門員/海務第二係 前畑 如宏 海上保安庁交通部安全課航行指導室専門員/港務係 福木 俊朗 第三管区海上保安本部交通部安全課長 岩崎 昭男 第四管区海上保安本部交通部安全課長 吉田 淳一 第六管区海上保安本部交通部安全課長 第3 検討会の開催日程 平成 24 年 12 月 13 日(木) 平成 25 年 2月 7日(木)
第2編
検討内容
Ⅰ
基礎資料、データの収集・分析
第1 海交法制定時(昭和 47 年)の制限速力に係る考え方 航路における制限速力について、海交法制定時の基礎資料、データ等から、航路に おける制限速力の必要性、速力の制限区間の設定に係る考え方及び制限速力 12 ノッ トの根拠については以下のとおりである。 1 航路における制限速力の必要性 船舶が高速で安全に航行するためには、十分な見通し距離と周囲に余裕水域を確保 することが必要である。しかし、航行船舶が多く、可航水域も限られている航路では 高速で航行するために十分な余裕水域を確保し難い場合が多く、高速航行中に事故を 回避するため緊急停止を行おうとしても旋回半径や停止距離が長大となり、衝突の危 険が増大する。特に大型船が多数航行する航路及び船舶交通がふくそうする航路の屈 曲部や航路が交差している水域では、追越しや横切りの時の事故が予測され極めて危 険である。 また、追い越される船舶の側においても、高速力で後方から接近する船舶に対して 有効な避航動作をとることが困難であり、漁船等の小型船は、航走波の影響を受ける ため極めて危険である。特に夜間は、後続する追越し船との距離を誤認する等針路保 持にあたり衝突回避のための協力動作に欠ける結果となる。 このような事情に鑑み、航路の一定区間について、速力の制限を行うこととしたも のである。 【海交法制定時の考え方】 (1)船舶の航海速力は、船型・船種・船齢等により 20 数ノットから 5 ~ 6 ノット程 度までに広く分布しており、この種船舶が混在して航行している。避航領域(※) が十分にある海域では、通常高速船が低速船を追い越して円滑な交通を行っている 一方、避航領域の少ない水域、見通しの悪い水域、航路が屈曲し操船が困難な水域、 航路が交錯している水域においては、第3船の出現、海潮流の影響、相手船の距離 の誤認等により衝突の危険が高い。 (※)避航領域 (出典不明なるも、海交法制定時、この考え方を参考にしている) 先航船との縦距 8 L ± L L:船の長さ 側方航行船との横距 3.2 L ±0.4 L (2)前(1)の水域で追越しによる危険を回避するためには ① 追越しを禁止すること ② 航路幅を広げ、余裕水域の拡大を図ること ③ 通航船の速力を制限すること が考えられるが、①については低速船の航行時には、反って航路内の交通が停滞し 後続船のふくそうによる事故のおそれがあり、②については物理的な制限がある。一方、③については a 航路内の速力を制限することにより追越しの回数を削減し、衝突の危険を少 なくする。 b 衝突のおそれがある場合に余裕のある操船ができる。(速力 12 ノット以下の 場合は 8 L以内の距離で停止する。) ▼ 後進停止距離(出典不明なるも、海交法制定時、下表を参考にしている) 排水トン数 16ノット 14ノット 12ノット 10ノット 8ノット 10 万 3,120m 2,700m 1,850m 1,390m 800m (10-58) (10-10) (8-30) (4-20) (5-40) 6 万 2,803m 2,435m 1,790m 1,400m 910m (9-52) (8-50) (7-30) (6-30) (4-50) 4 万 1,900m 1,550m 1,160m 650m (7-00) (6-40) (5-40) (4-15) 3 万 1,700m 1,590m 1,160m 620m (7-00) (6-55) (6-05) (4-35) ※ 距離(分-秒)を示す。 c 横切り船にあっては、最高速力が予測できるので操船の判断を誤ることがな い。 d 高速航行による航走波の被害を防止するとともに、狭い海域で漁船等小型船 の航行安全に対する協力動作が行い易い。 e 航路内に先航船及び横切り船が存在しない場合も、高速船は一定速力で航行 することとなるので、その範囲は必要最小限度に止める必要がある。 2 速力の制限区間の設定に係る考え方 (1)海交法制定時の速力の制限区間の設定に係る考え方 ① 航路が屈曲し、大角度の変針を必要とする ② 航路が交差している ③ 島、岬等のため見通しが悪い ④ 漁船の操業等により交通がふくそうしている ⑤ 大型船が多数航行する 等のいずれかの条件下にあり、高速力で航行することが極めて危険な海域として、 以下のとおり規定した。 ◆海交法制定時(昭和 47 年)の速力の制限区間 ・浦賀水道航路 ・伊良湖水道航路 ・備讃瀬戸東航路と宇高東・西航路が交差する水域 ・備讃瀬戸北・南航路と水島航路の接続部付近 ・水島航路
◆海交法施行規則改正時(昭和 50 年)に追加した速力の制限区間 ・中ノ瀬航路 ・備讃瀬戸東航路の男木島以西柏島付近まで ・備讃瀬戸東・北・南航路の小槌島から三ツ子島までの間 【改正理由】 ■ 中ノ瀬航路については、航路の両側方に中ノ瀬等の浅瀬があり、大型船が 航行できる水域が狭められているため、万一の場合の避航水域が極めて限定 されており危険である。さらに、中ノ瀬航路出口北方海域では、木更津港出 港船が中ノ瀬航路出航船の前面を横切るという危険な関係が生じることから 速力制限をかけることとしたもの。 ■ 備讃瀬戸東航路の男木島以西柏島付近までは、船舶のふくそう度が著しい ことに加え、男木島付近で約 38 度に屈曲しており、相当大きな変針が要求 されること、また、航路航行船が操業中の漁船を避航しなければならない事 態も想定されることから速力制限をかけることとしたもの。 ■ 備讃瀬戸東・北・南航路の小槌島から三ツ子島までの間は、坂出港に入出 港する大型危険物積載船が増大し、これらの船舶は航路を横切って出入する ため、航路航行船との危険な見合い関係が生じること、また、この海域は小 瀬居島、与島、小与島等の島々が接近しており、可航水域が限定されている ことから速力制限をかけることとしたもの。 (2)現行の速力の制限区間の設定に係る考え方 ① ふくそうしている海域において、操縦性能の悪い大型船により追越しが行われ ると衝突の危険が増大する。この追越しを防ぐために速力の制限は有効である。 ② 航路が交差している海域では横切り船の見合い関係が頻繁に発生するが、一方 の航路を航行する船舶にとって他方の航路を航行する船舶の速力が予測できなか ったり、区々であったりすると、安全な横切りを行うために極めて困難を感じる。 速力の制限がかかっていれば、相手船の速力はある程度予測できるばかりでな く、整然とした流れが形成されることが期待できるため、横切りを行う上での危 険を回避するために役立つ。 ③ 航路が屈曲している海域においては、操船が困難になり、衝突の危険が増大す るが、速力を一定以下に落とせば避航その他衝突を回避するための動作をとるた めに十分な時間を持って余裕のある操船ができるようになる。 ④ 島・岬等のため見通しの悪くなっている海域では、横断船、停留船の発見が遅 れることがあり、衝突の危険が発生する。この場合に、速力を一定以下に落とし ておくと、上記③と同様、操船上十分な時間的余裕を持つことができる。 ⑤ 地形的制約により、レーンを2つとれない航路では何らかの理由により船舶が 航路の中央より右側を通れない事態が生ずる可能性がある。この場合に反航船と 行会い関係になることがあるが速力を落としておけば衝突を回避することができ る。 ⑥ また、1レーンにつき 700 メートルの幅がとれても航路の外側に十分な水深の ある海域が存在しないと航路外に避航した場合に乗揚げるおそれがある。この時
でも速力を落としておくことにより、このような危険を回避することができる。 ⑦ 漁船等の小型船は高速航行船の引き起こす「航走波」の影響を受けて転覆する 危険がある。 3 制限速力 12 ノットの根拠 最高速力は航路の自然的条件、船舶のふくそう度に応じて定めなければならない。 浦賀水道では、海交法制定前の昭和 45 年 11 月以来、「浦賀水道における海上交通 に関する緊急安全対策」に基づき、行政指導により、12 ノットの速力制限を行って おり、同制限実施後、浦賀水道における衝突海難は顕著な減少傾向を示していたこと、 また、以下の統計等も踏まえ、各航路の実態に即し、それぞれの航路に最も適切な最 高速力を定めるという考え方で検討し、昭和 48 年、海上安全船員教育審議会から制 限速力は 12 ノットとすることが適当である旨答申を得ている。 (1)わが国の保有船舶(鋼船)の航海速力は、運輸省船舶統計(昭和 45 年7月)に よると調査船 13,086 隻中航海速力が 12 ノット未満の船舶は 10,333 隻で約 79 パー セントであった。 ▲ 運輸省船舶統計(昭和 45 年) 航海速力 12 ノット未満の船舶が約 79 %を占めている。 (2)昭和 45 年、海上保安庁のミリ波レーダーにより浦賀水道及び備讃瀬戸西部(備 讃瀬戸北・南航路及び水島航路の交差海域)を航行する船舶 1,190 隻及び 722 隻の 航海速力を調査した結果、全体の平均速力は 10.8 ノットと 10.5 ノットであった。 また、総トン数 500 トン未満の船舶を追い越すことは、航路幅の現状から安全上 必要な離隔距離を確保することが可能であるので、総トン数 500 トン以上の船舶に ついて平均速力を検討した結果、浦賀水道は 11.5 ノット、備讃瀬戸西部では 12.1 ノットとなっている。 1583 3217 4174 2301 641 178 747 245 91 97 99 100 23 55 5 79 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000 4500 6未満 6~8 8~10 10~12 12~14 14~16 16~18 18以上 0 20 40 60 80 100 隻数(隻) 累積(%)
海上安全船員教育審議会答申(昭和 48 年) 制限速力は、現在各航路を航行している船舶の平均速力等を勘案し、12 ノット とすることが適当である。 なお、本法施行後においても実施効果及び各航路航行状態についての調査を行い 制限区間及び制限速力についての検討を行うことが必要である。 ※関係箇所のみ抜粋
第2 海交法適用海域における海難の発生状況 海交法が適用される東京湾、伊勢湾及び瀬戸内海(ただし、港内を除く。以下「3海域」という。) における過去 10 年間の船舶種類別事故隻数の推移を過去 10 年間でみると、事故隻数は 5,428 隻で あり、そのうちプレジャーボートが 2,277 隻(約 41.9%)で最も多く、次いで漁船が 1,175 隻(約 21.6%)、貨物船が 1,018 隻(約 18.8%)、タンカーが 352 隻(約 6.5%)、旅客船が 80 隻(約 1.5%) となっており、これら5船種で全体の約 90.3%を占めており、その推移は下表のとおりである。 船舶種類別海難事故推移(過去10年) 0 50 100 150 200 250 300 平成14年 15年 16年 17年 18年 19年 20年 21年 22年 23年 隻数 0 100 200 300 400 500 600 700 合計隻数 合計 タンカー 貨物船 旅客船 プレジャーボート 漁船 その他 ここでは海難事故隻数の大多数を占めているこれら5船種の3海域における海難事故について、動 向等を調査したが、タンカー、貨物船及び旅客船とプレジャーボート及び漁船に分けて分析すること とする。 1 タンカー、貨物船及び旅客船 (1)海難の発生状況 ① 船舶事故の概観 イ 事故種類別-3海域全体 3海域(ただし、港内を除く。 以下同じ)における過去 10 年間 の3船種の事故隻数は 1,450 隻 であり、種類別でみると、衝突 が 約 62 % 、 次 い で 乗 揚 が 約 22%、機関故障が約9%となっ ており、この3種で海難事故全 体の約 93%を占めている。 3船種事故種類別(過去10年) 乗揚 314 21.7% 衝突 890 61.4% 機関故障 132 9.1% 火災 15 1.0% 安全阻害 25 1.7% 爆発 6 0.4% 運航阻害 3 0.2% 舵障害 16 1.1% 推進器障害 8 0.6% 浸水 23 1.6% その他 16 1.1% 転覆 2 0.1% 事故隻数:1,450隻
※ 運航阻害とは、バッテリー過放電、燃料欠乏、ろ・かい喪失及び無人漂流をいう。 ※ 安全阻害とは、転覆に至らない船体傾斜、走錨及び荒天難航をいう。 ロ 事故種類別-航路内 過去 10 年間の3船種の 事故の発生位置を海交法航 路内に限定してみると、事 故隻数は 181 隻であり、衝 突が約 73%、次いで機関故 障が約 18%で、この2種で 海難事故全体の約 91%を 占めている。 3船種航路内事故種類別(過去10年) 衝突 134 73% 機関故障 34 18% 乗揚 3 2% その他 3 2% 舵障害 5 3% 浸水 1 1% 推進器障害 1 1% 事故隻数:181隻 【東京湾】3船種航路内事故種類別(過去10年) 舵障害 1 3% 衝突 23 74% 機関故障 7 23% 事故隻数:31隻 【伊勢湾】3船種航路内事故種類別(過去10年) 衝突 3 50% 機関故障 3 50% 事故隻数:6隻 【瀬戸内海】3船種航路内事故種類別(過去10年) 浸水 1 1% 舵障害 4 3% その他 3 2% 推進器障害 1 1% 機関故障 24 17% 乗揚 3 2% 衝突 108 74% 事故隻数:144隻
上記1の結果、3船種について、3海域及び航路では事故種類として「衝突」が最も多いこと がわかった。 また、衝突に次ぐ事故種類としては、3海域全体でみた場合、「乗揚」、そして「機関故障」と つづくが、航路に限定した場合には、乗揚が大幅に減少する一方で、機関故障が割合を増加させ、 衝突に次ぐ事故隻数となっている。 (2) 3船種の事故種類 イ タンカー 3海域におけるタンカーによる事故種類別推移を過去 10 年間でみてみると、事故隻数 は 352 隻であり、衝突が 222 隻(約 63%)で最も多く、次いで乗揚の 77 隻(約 22%)、 機関故障の 22 隻(約6%)となっており、この3種で全体の約 91%を占めている。 タンカーによる事故の推移(事故種類別過去10年) 0 5 10 15 20 25 30 35 平成14年 平成15年 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 隻数 衝突 乗揚 安全阻害 火災 機関故障 浸水 推進器障害 舵障害 爆発 その他 タンカーによる事故種類別(過去10年) 舵障害 4 1% 浸水 6 2% 推進器障害 4 1% 爆発 5 1% その他 2 1% 機関故障 22 6% 安全阻害 6 2% 火災 3 1% 衝突 222 63% 乗揚 77 22% 事故隻数:352隻 タンカーの事故種類を3海域別 にみた場合、衝突が最も多く、3 海域ともに半数以上の割合を占 め、次いで東京湾においては機関 故障が、伊勢湾及び瀬戸内海にお いては乗揚となっている。 タンカー事故種類別(東京湾) 衝突 27 52.9% 機関故障 6 11.8% 安全阻害 5 9.8% 乗揚 3 5.9% 舵障害 3 5.9% 火災 2 3.9% 爆発 1 2.0% 浸水 1 2.0% その他 1 2.0% 推進器障害 2 4%
51隻
(平成14年~平成23年)タンカー事故種類別(伊勢湾) 機関故障 2 10.0% その他 1 5.0% 乗揚 3 15.0% 衝突 13 65.0% 火災 1 5.0%
20隻
(平成14年~平成23年) タンカー事故種類別(瀬戸内海) 乗揚 71 25.3% 衝突 182 64.8% 爆発 4 1.4% 安全阻害 1 0.4% 浸水 5 1.8% 舵障害 1 0.4% 推進器障害 2 0.7% その他 1 0.4% 機関故障 14 5.0%281隻
(平成14年~平成23年) ロ 貨物船 3海域における貨物船による事故種類別推移を過去 10 年間でみてみると、事故隻数は 1,018 隻であり、衝突が 630 隻(約 62%)で最も多く、次いで乗揚の 219 隻(約 22%)、機関故障の 103 隻(約 10%)となっており、この3種で全体の約 94%を占めている。 貨物船による事故の推移(事故種類別過去10年) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 平成14年 平成15年 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 隻数 衝突 乗揚 安全阻害 運航阻害 火災 機関故障 浸水 推進器障害 舵障害 転覆 爆発 その他 貨物船による事故種類別(過去10年) 浸水 13 1.3% 転覆 2 0.2% 舵障害 11 1.1% 推進器障害 2 0.2% 爆発 1 0.1% その他11 1.1% 機関故障 103 10.1% 火災 8 0.8% 安全阻害 17 1.7% 運航阻害 1 0.1% 衝突 630 61.9% 乗揚 219 21.5% 事故隻数:1,018隻 貨物船についても事故種類 を3海域別にみた場合、どの海 域においても衝突が最も多く、 次いで多いのは、東京湾におい ては機関故障が、伊勢湾及び瀬 戸内海においては乗揚となっ ている。 貨物船事故種類別(東京湾) 機関故障 15 22.7% 安全阻害 5 7.6% 乗揚 4 6.1% 推進器障害 1 1.5% 衝突 40 60.6% 火災 1 1.5%66隻
(平成14年~平成23年)貨物船事故種類別(伊勢湾) 機関故障 6 12.2% 乗揚 9 18.4% 火災 1 2.0% 安全阻害 1 2.0% その他 1 2.0% 衝突 31 63.3%
49隻
(平成14年~平成23年) 貨物船事故種類別(瀬戸内海) 機関故障 82 9.1% 乗揚 206 22.8% 火災 6 0.7% 爆発 1 0.1% 運航阻害 1 0.1% 浸水 13 1.4% 舵障害 11 1.2% 推進器障害 1 0.1% 安全阻害 11 1.2% 転覆 2 0.2% その他 10 1.1% 衝突 559 61.9%903隻
(平成14年~平成23年) ハ 旅客船 3海域における旅客船による事故種類別推移を過去 10 年間でみてみると、事故隻数は 80 隻 であり、衝突が 38 隻(約 48%)で最も多く、次いで乗揚の 18 隻(約 23%)、機関故障の7隻 (約9%)となっているが、次いで多いのは火災の5隻(約6%)であり、火災が原因別の上 位に位置することはタンカー及び貨物船ではみられなかったもので、旅客船ではこの4種で全 体の約 86%を占めている。 旅客船による事故の推移(事故種類別過去10年) 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 平成14年 平成15年 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 隻数 衝突 乗揚 安全阻害 火災 機関故障 浸水 推進器障害 舵障害 爆発 その他 旅客船による事故種類別(過去10年) 機関故障 7 8.8% 火災 5 6.3% 運航阻害 2 2.5% 安全阻害 2 2.5% 乗揚 18 22.5% 衝突 38 47.5% 浸水 4 5.0% 推進器障害 2 2.5% その他 1 1.3% 舵障害 1 1.3% 事故隻数:80隻 旅客船についても事故種類を3海 域別にみた場合、東京湾では乗揚の み、伊勢湾及び瀬戸内海においては、 タンカー及び貨物船の統計同様に、 衝突、乗揚及び機関故障が事故種類 の上位を占めた。 旅客船事故種類別(東京湾) 乗揚 22隻
(平成14年~平成23年)旅客船事故種類別(伊勢湾) 機関故障 1 10% 乗揚 3 30% 衝突 6 60%
10隻
(平成14年~平成23年) 旅客船事故種類別(瀬戸内海) 機関故障 6 8.8% 火災 5 7.4% 浸水 4 5.9% 舵障害 1 1.5% 推進器障害 2 2.9% その他 1 1.5% 安全阻害 2 2.9% 運航阻害 2 2.9% 衝突 32 47.1% 乗揚 13 19.1%68隻
(平成14年~平成23年) (3) 海難の原因 ① 衝突事故 3海域における3船種の衝突事 故を原因別でみると、見張り不十 分 が 約 53 % 、 操 船 不 適 切 が 約 39%、次いで居眠り運航、他船の 過失、船位不確認そして航法違反 とつづくが、不可抗力といえる 「他船の過失」とその他を除く と、人為的要因が約 97%を占めて いる。 衝突事故原因別(タンカー・貨物船・旅客船) 見張り不十分 469 52.7% 居眠り運航 41 4.6% 航法違反 1 0.1% 他船の過失 21 2.4% 船位不確認 3 0.3% その他 9 1.0% 操船不適切 346 38.9%890隻
(平成14年~平成23年) イ 時間帯別発生状況 3海域における3船種の衝突 事故の時間帯別発生状況をみた ところ、時間帯によりバラつき はあるものの、全体として日中 よりも夜間、特に深夜から明け 方にかけて事故が発生している ことがわかる。 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 0 1 2 3 4 5 6 7 隻数 時間帯 タンカー・貨物船・旅客船衝突時間帯別隻数(過去10年) 東京湾全体 浦賀(再掲) 中ノ瀬(再掲)0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 0 1 2 3 4 5 6 7 隻数 時間帯 タンカー・貨物船・旅客船衝突時間帯別隻数(過去10年) 伊勢湾全体 伊良湖水道(再掲) 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 0 10 20 30 40 50 60 隻数 時間帯 タンカー・貨物船・旅客船衝突時間帯別隻数(過去10年) 瀬戸内海全体 備讃瀬戸東・北・南(再掲) 水島(再掲) 明石(再掲) 来島(再掲) ロ トン階区分別発生状況 トン階区分別に発生状況をみた ところ、3海域ともに 500 トン未満 の船舶が隻数として最も多いこと がわかるが、500 トン以上の船舶と 比較した場合には、3海域ともに、 500 トンを基準に総数をほぼ均等に 二分する。 なお、500 トン以上の船舶は、長 さに換算した場合、大部分が 50m以 上の船舶(海交法上の航路航行義務 を有する船舶)と推定される。 トン階別衝突事故発生状況(タンカー・貨物船・旅客船)【東京湾】 33 27 7 0 5 10 15 20 25 30 35 500トン未満 500トン以上10,000トン未満 10,000トン以上 隻数 トン階別衝突事故発生状況(タンカー・貨物船・旅客船)【伊勢湾】 24 17 9 0 5 10 15 20 25 30 500トン未満 500トン以上10,000トン未満 10,000トン以上 隻数 トン階別衝突事故発生状況(タンカー・貨物船・旅客船)【瀬戸内海】 369 350 54 0 50 100 150 200 250 300 350 400 500トン未満 500トン以上10,000トン未満 10,000トン以上 隻数
② 機関故障 3海域における3船種の機関故障を 原因別でみると、老朽衰耗が約 41%、 整備不良が約 36%、次いで原因不明、 材質不良及び取扱不注意とつづくが、 人為的要因である整備不良及び取扱不 注意が計約 39%であるのに対し、乗船 者としては不可抗力ともいえる老巧衰 耗及び材質不良が計約 46%を占め、結 果として人為的要因と不可抗力がほぼ 二分する形となり、人為的要因が主原 因として発生する衝突事故とは大きく 異なる結果が出た。 機関故障原因別(タンカー・貨物船・旅客船) その他 10 7.6% 整備不良 48 36.4% 原因不明 10 7.6% 取扱不注意 4 3.0% 材質不良 6 4.5% 老朽衰耗 54 40.9%
132隻
(平成14年~平成23年) イ 発生海域状況 3海域において、過去 10 年の機関故障の発生海域を航路内及び航路外に区分してみると、 航路内での発生割合は、東京湾が7隻(約 33%)、伊勢湾が3隻(約 33%)、瀬戸内海が 24 隻(約 24%)であり、全体的には、機関故障が発生した船舶のうち約 26%が航路内で発生 している。 機関故障(タンカー・貨物船・旅客船)発生海域別 14 6 78 7 3 24 0 20 40 60 80 100 120 東京湾 伊勢湾 瀬戸内海 隻数 航路内 航路外 21 9 102 2 プレジャーボート及び漁船 平成 23 年に海上保安庁が認知した船舶事故隻数(平成 22 年 12 月 31 日から平成 23 年1月1日 の間における山陰地方での豪雪関連事故船舶は除く。)は、2,187 隻であり、これらを船舶種類別 でみると、プレジャーボートが 950 隻(43%)、次いで漁船が 665 隻(30%)となっており、この2船種で 73%を占めていることになる。 これは、3海域(港内を含む。)においても同様の傾向がみられ、同年の船舶事故隻数の上位2 船種はプレジャーボートの 354 隻と漁船の 152 隻となっていることから、プレジャーボート及び 漁船の3海域における海難の動向等を調査した。 (1) プレジャーボート ① 事故の推移 港内を含む3海域におけるプレジャーボートによる事故原因別推移を過去 10 年間でみてみ ると、機関故障が平成 16 年で最多隻数となり、その後、一旦は減少したものの平成 20 年に 再び上昇へ転じ、最も事故隻数が多い事故種類となっている。 次いで衝突及び乗揚が事故隻数の多い事故種類となっており、近年はこの3種が上位を占 めていることがわかる。 プレジャーボートによる事故の推移(事故種類別過去10年) 0 20 40 60 80 100 120 平成14年 平成15年 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 隻数 衝突 乗揚 安全阻害 火災 機関故障 浸水 推進器障害 舵障害 爆発 その他 ② 船舶事故の概観 イ 事故種類別-3海域全体 3海域における過去 10 年間の 事故隻数は 3,875 隻であり、種類 別でみると、機関故障が 846 隻(約 22%)で最も多く、次いで衝突の 794 隻(約 21%)、運航阻害の 584 隻(約 15%)となっている。 プレジャーボート事故種類別(過去10年) 爆発 3 0.1% 転覆 159 4.1% その他 206 5.3% 行方不明 2 0.1% 舵障害 45 1.2% 推進器障害314 8.1% 浸水 167 4.3% 衝突 794 20.5% 機関故障 846 21.8% 火災 72 1.9% 運航阻害 584 15.1% 安全阻害 108 2.8% 乗揚 575 14.8% 事故隻数:3,875隻
ロ 事故種類別-航路内 過去 10 年間のプレジャーボー トの事故の発生位置を海交法航 路内に限定してみると、事故隻数 は 37 隻であり、機関故障が 15 隻 (約 40%)で最も多く、次いで推 進器障害の7隻(約 18%)衝突の 6隻(約 16%)となっている。 プレジャーボート事故種類別(過去10年) 機関故障 15 40.5% 衝突 6 16.2% 運航阻害 5 13.5% 安全阻害 1 2.7% 浸水 1 2.7% 推進器障害 7 18.9% 転覆 1 2.7% その他 1 2.7% 事故隻数:37隻 【東京湾】プレジャーボートの航路内事故種類別(過去10年) 運航阻害 1 20% 転覆 1 20% 推進器障害 1 20% 機関故障 2 40% 事故隻数:5隻 【伊勢湾】プレジャーボートの航路内事故種類別(過去10年) 機関故障 1 50% 推進器障害 1 50% 事故隻数:2隻 【瀬戸内海】プレジャーボートの航路内事故種類別(過去10年) 浸水 1 3.3% 運航阻害 4 13.3% 安全阻害 1 3.3% 推進器障害 5 16.7% 機関故障 12 40.0% 衝突 6 20.0% その他 1 3.3% 事故隻数:30隻
③ 海難の原因 3海域における過去 10 年間 のプレジャーボートの事故を 原因別でみると、見張り不十分 が 791 隻(約 20%)で最も多 く、不可抗力等、原因不明、操 船者の死亡等及びその他を除 き、人為的要因で発生した海難 事故は 2,823 隻で、全体の約 73%を占めている。 プレジャーボートによる海難事故原因別 原因不明 66 1.7% 取扱不注意 112 2.9% その他の人為的要因 289 7.5% 不可抗力等 433 11.2% その他 447 11.5% 操船不適切 309 8.0% 整備不良 507 13.1% 気象海象不注意 251 6.5% 船位不確認 113 2.9% 船体機器整備不良 451 11.6% 見張り不十分 791 20.4% 操船者の死亡等 106 2.7% 事故隻数:3,875隻 (2) 漁船 ① 事故の推移 3海域における過去 10 年間 の漁船による事故種類別推移 をみると、衝突が群を抜いて 多いことが一目瞭然であり、 次いで多い運航阻害と比較し ても、近年3~4倍近くの事 故隻数で推移していることが わかる。 漁船による事故の推移(事故種類別過去10年) 0 20 40 60 80 100 120 平成14年 平成15年 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 隻数 衝突 乗揚 安全阻害 運航阻害 火災 機関故障 浸水 推進器障害 舵障害 転覆 爆発 その他 ② 事故の概観 イ 事故種類別-3海域全体 3海域における過去 10 年 間の事故隻数は 1,665 隻で あり、種類別でみると、衝 突が 828 隻(約 50%)でほ ぼ半数を占めており、次い で運航阻害の 202 隻(約 12%)、火災の 130 隻(約 8%)となっている。 漁船事故の発生状況(過去10年) 爆発 4 0.2% 転覆 68 4.1% 舵障害 10 0.6% 操船者の死亡等 1 0.1% その他 83 5.0% 推進器障害 77 4.6% 浸水 62 3.7% 機関故障 81 4.9% 火災 130 7.8% 安全阻害 8 0.5% 衝突 828 49.7% 運航阻害 202 12.1% 乗揚 111 6.7% 事故隻数:1,665隻
ロ 事故種類別-航路内 過去 10 年間の漁船の事故の 発生位置を海交法航路内に限 定してみると、事故隻数は 58 隻であり、衝突が 45 隻(約 78%)で最も多く、事故推移 でもみたとおり、漁船事故の 大多数を衝突が占めている。 この航路内の漁船事故であ るが、伊良湖水道航路内で発 生した衝突1隻を除き、その 他は全て瀬戸内海の各航路内 に お い て 発 生 し た も の で あ る。 漁船事故種類別(過去10年) 舵障害 1 1.7% 浸水 2 3.4% 推進器障害 2 3.4% 機関故障 1 1.7% 火災 3 5.2% 運航阻害 3 5.2% 乗揚 1 1.7% 衝突45 77.6% 事故隻数:58隻 ③ 海難の原因 3海域における過去 10 年間の 漁船の事故を原因別でみると、見 張り不十分が 772 隻(約 46%)で 最も多く、不可抗力等、原因不明、 操船者の死亡等及びその他を除 き、人為的要因で発生した海難事 故は 1,244 隻で、全体の約 75%を 占めている。 漁船による海難事故原因別 船位不確認 30 1.8% 気象海象不注意 50 3.0% 船体機器整備不良 69 4.1% 整備不良 55 3.3% その他の人為的要因 85 5.1% 不可抗力等 191 11.5% 原因不明 21 1.3% その他 38 2.3% 操船不適切 145 8.7% 見張り不十分 772 46.4% 操船者の死亡等による海難 209 12.6% 事故隻数:1,665隻
(3) プレジャーボートと漁船の転覆 事故 プレジャーボートと漁船の過 去 10 年間の転覆事故の推移を みると、プレジャーボートが 157 隻、漁船が 68 隻であったが、 海交法航路内及び同航路付近 (海交法施行令第7条の海域) にて転覆したプレジャーボート は2隻、漁船は1隻であった。 なお、この3隻の転覆原因は、 2隻が気象海象不注意、1隻が 操船者自身による過失であっ た。 プレジャーボート・漁船による転覆事故の推移(過去10年) 0 5 10 15 20 25 30 平成14年 平成15年 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 隻数 転覆(プレジャー) 転覆(漁船) ※ 海交法施行令第7条の海域とは、航路の側方の境界線から航路の外側 200 メートル以内の海域及 び概ね各航路出入口の境界線から 1,500 メートル以内の海域(詳細な位置は同条別表第3記載)
第3 AIS情報を活用した航路内外における船舶の航行速力 海交法第5条の規定に基づき、現在、速力を制限している航路の区間及び速力は、表1及び図1~ 図3のとおりである(同条でいう速力は対水速力)。 表1 速力制限区間 航路の名称 速力の制限区間 速力 浦賀水道航路 航路の全区間 12 ノット 中ノ瀬航路 航路の全区間 12 ノット 伊良湖水道航路 航路の全区間 12 ノット 備讃瀬戸東航路 男木島灯台(北緯 34 度 26 分1秒東経 134 度3分 39 秒)から 353 度に引いた線と航路の西側の出入口の境界線との間の航 路の区間 12 ノット 備讃瀬戸北航路 航路の東側の出入口境界線と本島ジョウケンボ鼻から牛島北 東端まで引いた線との間の航路の区間 牛島ザトーメ鼻から 160 度に引いた線と航路の東側の出入口 の境界線との間の航路の区間 水島航路 航路の全区間 12 ノット ● ● ● ● ● ● ● 中 ノ 瀬 航 路 浦 賀 水 道 航 路 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 中 ノ 瀬 航 路 浦 賀 水 道 航 路 伊 良 湖 水 道 航 路 伊 良 湖 水 道 航 路 12 ノット 12 ノット 図1 東京湾(浦賀水道・中ノ瀬) 図2 伊勢湾(伊良湖水道) 備讃瀬戸南航路 速力制限区間 制限速力12ノット
男木島灯台 ★ 備讃瀬戸 東航路 水 島 航 路 備讃瀬戸東航路 備讃瀬戸 北航路 備讃 瀬戸南 航路 本島 牛島 宇 高 東 航 路 宇高 西航路 速力制限区間 制限速力12ノット 男木島灯台 ★ 備讃瀬戸 東航路 水 島 航 路 備讃瀬戸東航路 備讃瀬戸 北航路 備讃 瀬戸南 航路 本島 牛島 宇 高 東 航 路 宇高 西航路 速力制限区間 制限速力12ノット ここでは、浦賀水道航路、伊良湖水道航路、備讃瀬戸東航路及び備讃瀬戸南航路を航行する長さ 50 メートル以上の船舶の航路入航前(各航路口手前約5~7海里)及び航路入航後における航行速力を 調査した。 なお、備讃瀬戸東及び南航路については、速力制限の対象外となっている航路部分も存在すること から、航路入航前、航路内(制限速力区間外)及び航路内(制限速力区間内)の3箇所計測すること とした。 1 調査設定条件 (1) 計測位置 各航路口手前及び航路内に計測ラインを設定し、同ライン上を通過した航路航行船舶のAIS 情報(速力データは対地速力)を基に各データを収集した。 なお、計測ラインについては以下のとおりである。 ① 浦賀水道航路(別図1参照) イ 航路の南口手前(入航船舶計測)のライン(北航船) → A1ライン:剱埼灯台と保田港防波堤灯台を結ぶ直線 ロ 航路の中央付近(航路航行船舶計測)のライン(北航船及び南航船) → A2ライン:走水港港口と富津岬先端を結ぶ直線 ハ 航路の北口方(入航船舶計測)のライン(南航船) → A3ライン:南本牧ふ頭南端と中ノ瀬航路第3号灯標を結ぶ直線 ② 伊良湖水道航路(別図2参照) 図3 瀬戸内海(備讃瀬戸東、北、南・水島)
イ 航路の北口手前(入航船舶計測)のライン(南航船) → B1ライン:神前灯台と師崎港南防波堤灯台を結ぶ直線 ロ 航路の中央付近(航路航行船舶計測)のライン(北航船及び南航船) → B2ライン:神島東端から伊良湖岬先端を結ぶ直線 ハ 航路の南口手前(入航船舶計測)のライン(北航船) → B3ライン:鎧埼灯台と赤羽根港東防波堤灯台を結ぶ直線 ③ 備讃瀬戸航路(別図3参照) イ 備讃瀬戸南航路 (イ)航路の西口手前(入航船舶計測)のライン(東航船) → C1ライン:走島東端と観音寺港港口を結ぶ直線 (ロ)航路(速力の制限区間外)の中央付近(航路航行船舶計測)のライン(東航船) → C2ライン:カレイ埼西端と多度津港港口を結ぶ直線 ロ 備讃瀬戸東航路 (イ)航路(速力の制限区間)の中央付近(航路航行船舶計測)のライン(西航船及び東航船) → C3ライン:備讃瀬戸南航路設定ラインと同箇所 (ロ)航路(速力の制限区間外)の中央付近(航路航行船舶計測)のライン(西航船) → C4ライン:黒埼先端と稲毛島灯台を結ぶ直線 (ハ)航路の東口手前(入航船舶計測)のライン → C5ライン:大角鼻南端と丸亀男島を結ぶ直線(西航船) (2) 調査対象期間 平成 23 年のうち、東京湾、伊勢湾及び瀬戸内海の3海域で天候が良好であった8月7日~8 月9日の3日間を選定し調査した。 2 浦賀水道航路 (1)北航船 ① 航路入航前(A1ライン) 計測ラインを通過した長さ 50 メートル以上の船舶(以下「船舶」という。)は『390 隻』、平 均速力は 12.4(対地速力)ノットであった。 ※以下、速力に関しては対地速力算出 航行速力分布としては、12 ノット台の船舶が最も多く 86 隻(約 22.1%)であったが、全体 的にみると、12 ノット台の船舶を中心として低速な船舶は3ノット台まで、高速な船舶は 23 ノット台までほぼ対称的に分布しており、12 ノット未満の船舶は 168 隻(約 43.1%)、13 ノッ ト以上の船舶は 136 隻(約 34.9%)であった。
【北航船】A1ライン(航路の南口手前)通過速力分布 0 0 0 1 3 3 7 11 14 19 39 71 86 67 14 21 4 10 10 6 1 1 0 2 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 速力[KNOT] 隻 数 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 % 船舶数 390隻 平均速力 12.3700285ノット 標準偏差 2.8616815ノット 異常航跡船舶数 0隻 ② 航路内(A2ライン) 計測ラインを通過した船舶は、航路南口手前(A1ライン)を通過した船舶同様に『390 隻』 であり、平均速力は 12.1 ノットであった。 航行速力分布としては、12 ノット台の船舶が最も多く 162 隻(約 41.5%)で、全体的にみる と最低速力船舶は6ノット台、最高速力船舶は 14 ノット台であり、航路入航前と比較して、速 力の低い船舶は増速し、速力の高い船舶は大きく減速していると考えられる。 【北航船】A2ライン(航路の中央付近)通過速力分布 0 0 0 0 0 0 1 2 0 17 38 94 162 74 2 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 速力[KNOT] 隻 数 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 % 船舶数 390隻 平均速力 12.060855ノット 標準偏差 1.0999179ノット 異常航跡船舶数 0隻
③ 航路入航前(A1ライン)と航路内(A2ライン)航行速力の変移 航路入航前(A1ライン)と航路航行中(A2ライン)を比較した場合、次のような状況が 判明した。 イ 両箇所ともに 12 ノット台で航行する船舶が最も多かったが、数値的には、航路航行中の船 舶は 162 隻(約 41.5%)で、航路入航前の船舶の 86 隻(約 22.1%)と比較すると、約2倍 に増加している。 ロ 12 ノット未満で航行する船舶は、航路入航前の船舶では 168 隻(約 43%)、航路航行中の 船舶では 152 隻(約 39%)という結果で、ほぼ同じ割合であったのに対し、航路航行中の 13 ノット以上の船舶は 76 隻(約 19%)で、航路入航前における 13 ノット以上の船舶の 136 隻 (約 35%)と比較するとほぼ半減している。 ハ 航路入航前に 14 ノット以上で航行していた船舶は 69 隻(約 17.7%)いたが、航路航行中 14 ノット以上の船舶は 14 ノット台で航行していた2隻のみであり、15 ノット以上の速力で 航行していた船舶はなかった。 イ~ハを勘案すると、航路への入航に合わせて減速している船舶がある一方で、254 隻(約 65.1%)の船舶は、航路入航前から 12 ノット台以下の速力で航行している。 (2)南航船 ① 航路入航前(A3ライン) 計測ラインを通過した船舶は『327 隻』、平均速力は 12.7 ノットであった。 航行速力分布としては、12 ノット台の船舶が最も多く 97 隻(約 29.6%)であったが、全体 的にみると、12 ノット台の船舶を中心として低速な船舶は7ノット台まで、高速な船舶は 21 ノット台までほぼ対称的に分布しており、12 ノット未満の船舶は 110 隻(約 33.6%)、13 ノッ ト以上の船舶は 120 隻(約 36.6%)であった。 【南航船】A3ライン(航路の北口手前)通過速力分布 0 0 0 0 0 0 0 2 3 11 38 56 97 57 31 9 7 4 4 5 2 1 0 20 40 60 80 100 120 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 速力[KNOT] 隻 数 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 % 船舶数 327隻 平均速力 12.738741ノット 標準偏差 2.0587764ノット 異常航跡船舶数 0隻
② 航路内(A2ライン) 計測ラインを通過した船舶は、航路北口手前(A3ライン)を通過した船舶同様に『327 隻』 であり、平均速力は 12.1 ノットであった。 航行速力分布としては、12 ノット台の船舶が最も多く 143 隻(約 43.7%)で、全体的にみる と最低速力船舶は7ノット台、最高速力船舶は 14 ノット台であるが、14 ノット台の船舶はわ ずか1隻のみであり、実質的には 14 ノット未満に速力が抑えられている。 航路入航前と比較して速力の低い船舶には大きな変化はみられないものの、速力の高い船舶 は大きく減速していると考えられる。 【南航船】A2ライン(航路の中央付近)通過速力分布 0 0 0 0 0 0 0 2 3 9 31 74 143 64 1 0 20 40 60 80 100 120 140 160 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 速力[KNOT] 隻 数 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 % 船舶数 327隻 平均速力 12.145217ノット 標準偏差 1.0685728ノット 異常航跡船舶数 0隻 ③ 航路入航前(A3ライン)と航路内(A2ライン)航行速力の変移 航路入航前(A3ライン)と航路航行中(A2ライン)を比較した場合、次のような状況が 判明した。 イ 両箇所ともに 12 ノット台で航行する船舶が最も多かったが、数値的には、航路航行中の船 舶は 143 隻(約 43.7%)で、航路入航前の船舶の 97 隻(約 29.7%)と比較すると、約 1.7 倍に増加している。 ロ 航路入航前における 12 ノット未満の船舶は 110 隻(約 33.6%)、同じく航路航行中の 12 ノット未満の船舶は 119 隻(約 36.3%)という結果で、ほぼ同じ割合であったのに対し、航 路航行中の 13 ノット以上の船舶は 65 隻(約 19.9%)で、航路入航前における 13 ノット以 上の船舶 120 隻(約 36.7%)と比較するとほぼ半減している。 ハ 航路入航前に 14 ノット以上で航行していた船舶は 63 隻(約 19.3%)であったが、航路航 行中 14 ノット以上の船舶は 14 ノット台で航行していた1隻のみであり、15 ノット以上の速 力で航行していた船舶はなかった。
イ~ハを勘案すると、航路への入航に合わせて減速している船舶がある一方で、207 隻(約 63.3%)の船舶は、航路入航前から 12 ノット台以下の速力で航行している。 3 伊良湖水道航路 (1)南航船 ① 航路入航前(B1ライン) 計測ラインを通過した船舶は『165 隻』、平均速力は 13.2 ノットであった。 航行速力分布としては、12 ノット台の船舶が最も多く 38 隻(約 23%)であったが、全体的 にみると、12 ノット台の船舶を中心として低速な船舶は8ノット台まで、高速な船舶は 21 ノ ット台まで分布しており、12 ノット未満の船舶は 53 隻(約 32.1%)、13 ノット以上の船舶は 74 隻(約 44.8%)で、低速船より高速船の割合が多い。 【南航船】B1ライン(航路の北口手前)通過速力分布 0 0 0 0 0 0 0 0 3 3 18 29 38 25 16 14 6 7 1 2 2 1 0 5 10 15 20 25 30 35 40 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 速力[KNOT] 隻 数 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 % 船舶数 165隻 平均速力 13.213628ノット 標準偏差 2.3532221ノット 異常航跡船舶数 0隻 ② 航路内(B2ライン) 計測ラインを通過した船舶は、航路北口手前(B2ライン)を通過した船舶同様に『165 隻』 であり、平均速力は 12.3 ノットであった。 航行速力分布としては、12 ノット台の船舶が最も多く 62 隻(約 37.6%)で、全体的にみる と最低速力船舶は8ノット台、最高速力船舶は 14 ノット台であり、航路入航前と比較すると、 速力の高い船舶は大きく減速していると考えられる。
【南航船】B2ライン(航路の中央付近)通過速力分布 0 0 0 0 0 0 0 0 1 2 10 53 62 30 7 0 10 20 30 40 50 60 70 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 速力[KNOT] 隻 数 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 % 船舶数 165隻 平均速力 12.257087ノット 標準偏差 0.99158156ノット 異常航跡船舶数 0隻 ③ 航路入航前(B1ライン)と航路内(B2ライン)航行速力の変移 航路入航前(B1ライン)と航路航行中(B2ライン)を比較した場合、次のような状況が 判明した。 イ 両箇所ともに 12 ノット台で航行する船舶が最も多かったが、数値的には、航路航行中の船 舶は 62 隻(約 37.6%)で、航路入航前の船舶の 38 隻(約 23%)と比較すると、約 1.6 倍に 増加している。 ロ 航路入航前における 12 ノット未満の船舶は 53 隻(約 32.1%)、航路航行中の 12 ノット未 満の船舶は 66 隻(40%)という結果であまり変化がなかったのに対し、航路航行中の 13 ノ ット以上の船舶は 37 隻(約 22.4%)で、航路入航前における 13 ノット以上の船舶の 74 隻 (約 44.8%)と比較すると半減している。 ハ 航路入航前に 14 ノット以上で航行していた船舶は 49 隻(約 29.7%)であったが、航路航 行中 14 ノット以上の船舶はわずか7隻(約 4.2%)で、15 ノット以上の速力で航行していた 船舶はなかった。 イ~ハを勘案すると、航路への入航に合わせて減速している船舶がある一方で、91 隻(約 55.2%)の船舶は、航路入航前から 12 ノット台以下の速力で航行している。 (2)北航船 ① 航路入航前(B3ライン) 計測ラインを通過した船舶は『207 隻』であり、平均速力は 12.6 ノットであった。 航行速力分布としては、12 ノット台の船舶が最も多く 50 隻(約 24.2%)であったが、全体 的にみると、12 ノット台の船舶を中心として低速な船舶は6ノット台まで、高速な船舶は 20 ノット台まで分布しており、12 ノット未満の船舶は 89 隻(約 43%)、13 ノット以上の船舶は
68 隻(約 32.9%)であった。 【北航船】B3ライン(航路の南口手前)通過速力分布 0 0 0 0 0 0 2 3 2 13 26 43 50 24 12 12 8 2 3 3 4 0 10 20 30 40 50 60 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 速力[KNOT] 隻 数 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 % 船舶数 207隻 平均速力 12.62125ノット 標準偏差 2.499709ノット 異常航跡船舶数 0隻 ② 航路内(B2ライン) 計測ラインを通過した船舶は、航路南口手前(B3ライン)を通過した船舶同様に『207 隻』 であり、平均速力は 11.9 ノットであった。 航行速力分布としては、12 ノット台の船舶が最も多く 79 隻(約 38.2%)で、全体的にみる と最低速力船舶は航路入航前と変わらず6ノット台であり、最高速力船舶は 14 ノット台である が、14 ノット台の船舶はわずか1隻のみで、実質的には 14 ノット未満に速力が抑えられたと いえる。 このことから、航路入航前と比較して、低速船の大幅な変化はみられないものの、速力の高 い船舶は大きく減速していると考えられる。
【北航船】B2ライン(航路の中央付近)通過速力分布 0 0 0 0 0 0 1 1 7 11 23 52 79 32 1 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 速力[KNOT] 隻 数 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 % 船舶数 207隻 平均速力 11.873189ノット 標準偏差 1.2810832ノット 異常航跡船舶数 0隻 ③ 航路入航前(B3ライン)と航路内(B2ライン)航行速力の変移 航路入航前(B3ライン)と航路航行中(B2ライン)を比較した場合、次のような状況が 判明した。 イ 両箇所ともに 12 ノット台で航行する船舶が最も多かったが、数値的には、航路航行中の船 舶は 79 隻(約 38.2%)で、航路入航前の船舶の 50 隻(約 24.2%)と比較すると、約 1.58 倍に増加している。 ロ 航路入航前における 12 ノット未満の船舶は 89 隻(約 43%)、同じく航路航行中の 12 ノッ ト未満の船舶は 95 隻(約 45.9%)という結果で、ほぼ同じ割合であったのに対し、航路航 行中の 13 ノット以上の船舶は 33 隻(約 15.9%)で、航路入航前における 13 ノット以上の 船舶 68 隻(約 32.9%)と比較するとほぼ半減している。 ハ 航路入航前に 14 ノット以上で航行していた船舶は 44 隻(約 21.3%)であったが、航路航 行中 14 ノット以上の船舶は 14 ノット台で航行していた1隻のみであり、15 ノット以上の速 力で航行していた船舶はなかった。 イ~ハを勘案すると、航路への入航に合わせて減速している船舶がある一方で、139 隻(約 67.1%)の船舶は、航路入航前から 12 ノット台以下の速力で航行している。 4 備讃瀬戸航路 (1)東航船 ① 航路入航前(C1ライン) 計測ラインを通過した船舶は『175 隻』、平均速力は 13.7 ノットであった。 航行速力分布としては、12 ノット台の船舶が最も多く 50 隻(約 28.6%)であり、速力分布
においては、10 ノット台及び 11 ノット台がそれぞれ 27 隻で、12 ノット台に次ぐ隻数となって いるものの、9ノット台以下と 13 ノット台以上は極端に減少している。 このように速力分布に偏りはあるものの、12 ノット未満の船舶は 64 隻(約 36.6%)、13 ノ ット以上の船舶は 61 隻(約 34.9%)とほぼ同じ割合で、この点については、浦賀水道航路及 び伊良湖水道航路同様に 12 ノット台を中心に二極化している。 【東航船】C1ライン(航路の西口手前)通過速力分布 0 0 0 0 0 0 0 0 2 8 27 27 50 13 7 3 3 6 5 5 8 6 4 1 0 10 20 30 40 50 60 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 速力[KNOT] 隻 数 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 % 船舶数 175隻 平均速力 13.661746ノット 標準偏差 3.5526226ノット 異常航跡船舶数 0隻 ② 航路内(C2ライン、制限速力区間外) 計測ラインを通過した船舶は、航路入航前(C1ライン)の隻数に変わりなく『175 隻』で、 平均速力は 13.6 ノットであった。 航行速力分布としては、13 ノット台の船舶が最も多い 33 隻(約 18.9%)であり、次いで 11 ノット台の 32 隻(約 18.3%)、そして 12 ノット台の 30 隻(約 17.1%)であった。 また、17 ノット台から 19 ノット台にかけての隻数が増加している。
【東航船】C2ライン(航路(速力制限区間外)の中央付近)通過速力分布 0 0 0 0 0 0 0 1 0 8 20 32 30 33 9 4 4 7 8 13 5 1 0 5 10 15 20 25 30 35 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 速力[KNOT] 隻 数 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 % 船舶数 175隻 平均速力 13.624791ノット 標準偏差 3.0543911ノット 異常航跡船舶数 0隻 ③ 航路内(C3ライン、制限速力区間内) 計測ラインを通過した船舶は、航路西口手前(C1ライン)及び航路内(C2ライン、制限 速力区間外)を通過した船舶同様に『175 隻』であり、平均速力は 12.4 ノットであった。 ここでも、航行速力分布としては、13 ノット台の船舶が最も多い隻数で 57 隻(約 32.6%) であり、速力分布としては、最低速力船舶が7ノット台、最高速力船舶は 15 ノット台であった。 【東航船】C3ライン(航路(速力制限区間内)の中央付近)通過速力分布 0 0 0 0 0 0 0 1 1 9 20 31 42 57 11 3 0 10 20 30 40 50 60 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 速力[KNOT] 隻 数 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 % 船舶数 175隻 平均速力 12.363002ノット 標準偏差 1.360817ノット 異常航跡船舶数 0隻 ④ 航路入航前(C1ライン)と航路内航行(C2ライン、制限速力区間外)速力の変移