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営 業 利 益 法 といった 利 益 法 は 基 本 三 法 を 用 いることができない 場 合 に 限 り 適 用 すること とされていた しかしながら 平 成 22 年 7 月 OECD において こうした 優 先 順 位 が 実 態 に 沿 わなくなっていること 等 を 背 景 とした 見 直

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○ 租税特 別措置法 関係通 達(法人 税編)関 係 第 66 条 の4《 国外関連者 との取引 に係る課 税の特 例》関係 平 成 23 年 6 月 の 税 制 改 正 に お い て 、平 成 22 年 7 月 の OECD 移 転 価 格 ガ イ ド ラ イ ン の 改 定 を 踏 ま え 、 以 下 の ① 及 び ② の 事 項 に つ い て 法 令 上 の 措 置 が 講 じ ら れ た 。 ① 独 立 企 業 間 価 格 の 算 定 方 法 に 係 る 適 用 優 先 順 位 ( 基 本 三 法 の 優 先 適 用 ) が 廃 止 さ れ 、 個 々 の 事 案 の 状 況 に 応 じ て 独 立 企 業 原 則 に 一 致 し た 「 最 も 適 切 な 方 法 」 を 選 定 す る こ と と す る 仕 組 み へ と 改 正 さ れ た 。 ② 利 益 分 割 法 の 下 位 分 類 と し て OECD 移 転 価 格 ガ イ ド ラ イ ン で 認 め ら れ て い る 比 較 利 益 分 割 法 、 寄 与 度 利 益 分 割 法 及 び 残 余 利 益 分 割 法 が 、 そ れ ぞ れ 法 令 に お い て 明 確 化 さ れ た 。 ま た 、平 成 23 年 度 税 制 改 正 大 綱 に お い て 、独 立 企 業 間 価 格 幅( レ ン ジ )の 取 扱 い に つ き 運 用 で 明 確 化 す る こ と と さ れ た 。 【 解 説 】 1 平成 23 年 6月の税制 改正前の 我が国の 移転価 格税制に おいては 、その 国際的な 指針であ る OECD 移 転価格 ガイドラ イン で独 立企業 間価格の 算定方法 の適用上 の優先 順位が設 けら れ ていたの と同様 に 、独立 企業間価 格の算 定に当た っては、 独立価格 比準法 、再販売 価格 基 準法及び 原価基準 法(以 下「基本 三法」と いう。)を優 先適用し 、利益分 割法や取 引単位 【 新設】(最も 適切な算定 方法の選 定に当た って 留 意すべき 事項 ) 66の 4(2)- 1 措置 法 第 66条 の 4第 2項 に 規定 する 「 最も 適 切な 方法 」の選 定 に当 た り、 同 項の「 当該国 外関連取引 の内容及 び当該国 外関連 取引の当 事者が果 たす機 能その他 の 事 情を勘案 して」とは、国 外関連取 引(同条第 1項 に規定す る国外関 連取引 をいう。以 下 同 じ。) 及 び非 関連 者間 取 引( 法 人が 非関 連 者( 同 条第 5 項に 規定 する非 関 連者 をい う 。 以下 同 じ。) との 間で 行 う取 引 (同 項の 適用が あ る取 引を 除 く。)、 国外 関 連者 (同 条 第 1項 に 規定 する 国 外関 連 者を い う。 以下 同 じ。)が 当該 国外 関 連者 の非 関 連者 との 間 で 行 う 取 引 又 は 法 人 若 し く は 国 外 関 連 者 の 非 関 連 者 が 当 該 非 関 連 者 の 他 の 非 関 連 者 と の間で行 う取引を いう。以下同 じ。)に係る 66の4 (3)- 3に掲 げる諸要素 並びに次 に 掲 げる点を 勘案する ことを いうので あるから 留意す る。 ⑴ 独立 企 業間 価格 ( 同条 第 1項 に 規定 する 独 立企 業 間価 格 をい う。 以下同 じ。)の 算 定 における 同条第2 項各号 に掲げる 方法(以下「独立 企業間価 格の算定 方法」という 。) の 長所及び 短所 ⑵ 国 外 関 連 取 引 の 内 容 及 び 当 該 国 外 関 連 取 引 の 当 事 者 の 果 た す 機 能 等 に 対 す る 独 立 企 業間価格 の算定方 法 の適 合性 ⑶ 独立企 業間価格 の算定 方法を適 用 するた めに必 要な情報 の入手可 能性 ⑷ 国外関 連取引と 非関連 者間取引 と の類似 性 の程 度(当該 非関連者 間取引 について 、 措 置 法 規 則 第 22条 の 10第 1 項 第 2 号 ホ に 規 定 す る 差 異 調 整 等 を 行 う 必 要 が あ る 場 合 に は、当該 差異調整 等に係 る信頼性 を含む 。)

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営 業利益法 といっ た利益法 は 、基本 三法を 用いるこ とができ ない場合 に限り 適用する こと と されて い た。しか しなが ら、 平 成 22 年7月 、OECD において 、こう した優 先順位が 実態 に 沿わなく なって いること 等を背景 とした 見直しの 議論を経 て、事案 の状況 に応じて 独立 企 業原則に 一致し た 「最も 適切な方 法 」を 見出すこ と を常に 目指す 、 との考 え方を採 用し た OECD 移転価 格ガイドラ インの 改 定が行わ れた 。 こ のため、 我が国 の移転価 格税制に おいて も 、こう した国際 標準と の整合性 を確保す る 観 点から 、平成 23 年 6月 の税制改 正におい て、従 来の独立 企業間価 格の算 定方法の 適用上 の 優先順位 を廃止 し、個々 の事案の 状況に 応じて 独 立企業原 則に一致 した 「 最も適切 な方 法 」を選定 する仕 組みへと 改正され た。具 体的には 、 以下の とおり独 立企業 間価格の 算定 方 法の適用 上の優先 順位に ついて見 直しが行 われた 。 ① 基本三 法を優 先適用し 、利益分 割法や 取引単位 営業利益 法といっ た利益 法は基本 三法 を 用いるこ とがで きない場 合に限り 適用す るという 規定は、 廃止す ることと された( 旧 措法 66 の4② )。 ② 独立企 業間価 格を算定 するため 、個々 の国外関 連取引の 内容及び 国外関 連取引の 当事 者 が果たす 機能そ の他の事 情を勘案 して、 国外関連 取引が独 立の事 業者の間 で通常の 取 引 の条件に 従って 行われる とした場 合に国 外関連取 引につき 支払わ れるべき 対価の額 を 算 定するた めの最も 適切な 方法を選 定するこ とと さ れた(措法 66 の4② )。 2 ところ で、措置 法第 66 条 の4第2 項 に規 定す る「最も適 切な方 法」に より独立 企業間価 格 の算定を 行う際の 基礎を 成すもの が、OECD 移転価 格ガイド ライン の パラ 1.6 等に 示され て いる独立 企業原 則 である 。この独 立企業 原則は、「比較 可能な 非関連者間 取引にお いて 、 独 立企業間 であれば 得られ たであろ う条件を 参考と して利益 を調整し ようと するもの 」(同 ガ イドライ ン:パラ 1.6) であり、 その適 用におい て は、国 外関連取 引 に係 る条件と 比較 可 能な非関 連者間 取引に 係 る条件に ついて の比較・ 検討を行 うといっ た 国外 関連取引 及び 非 関連者間 取引に 係る分析 が必要と な る。 同ガイド ラインは 、 こうし た 分析 を比較可 能性 分 析と呼 ん でおり 、「独立 企業原則 を適用 する上で の核心 で ある 」(同:パラ 1.6) として い る。 ま た、同ガイ ドライン には 、「最も 適切な方 法」の選 定に つい て、①各方 法の 長 所・短所 、 ② 国外関連 取引の 内容や性 質に照ら した 算 定方法の 妥当性、 ③各算定 方法を 適用する ため に 必要な情 報の 入 手可能性 、 ④国外 関連取 引と非関 連者間取 引との 間 の比較 可能性 、 とい っ た事項を 勘案して 選定す ることが 示されて いる( 同ガイド ライン: パラ 2.2)。 3 措置法第 66 条の4第 2項の規 定を踏ま えれば 、独 立企業間 価格の算定 に当たっ ては 、「 国 外 関連取引 の内容及 び国外 関連取引 の当事者 が果た す機能そ の他の事 情を勘 案し て 」、独立 企 業原則に 一致し た 「最も 適切な方 法 」を 選定する 必要があ る。 そこ で、 本 通達にお いて は 、同項の 適用に 当たり、 具体的に どのよ うな 事項 を勘案す るのか と いう 点 について 、 前 述の OECD 移転 価格ガイド ラインを 参考に 、国 外関 連取引及 び非関連 者間取 引に係る 情報 と と もに、次 の4つの 点を勘 案 すべき ことを明 らかに した。 ① 独立企 業間価格 の算定 における 独立企業 間価格 の 算定方 法の長所 及び短 所 「 最も適切 な方法 」 の選定 に当たっ ては、 独立企業 間価格の 各算定 手法(独 立価格比 準 法、再販 売価格 基準法、 原価基準 法、取 引単位営 業利益法 及び利 益分割法 (これら に 準 ずる方法 及び同等 の方法 を含む 。))の長所 ・短所 (特徴) を踏まえ る必要 がある 。

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② 国外関 連取引 の 内容及 び当該国 外関連 取引の当 事者の果 たす 機能 等に対 する独立 企業 間 価格の 算 定方法の 適合性 「 最も適切 な方法 」 の選定 に当たっ て は、 比較可能 性分析 に 基づい て 、国外 関連取引 の 内容や国 外関連 取引の当 事者が果 たす機 能等に照 らし、 こ れらに 適合する 算定方法 を 選 定する必 要がある 。 ③ 独立企 業間価格 の算定 方法を適 用するた めに必 要な 情報 の入手可 能性 各 算定方法 を適用 するため に必要な 情報に ついて は 、国外関 連取引 の当事者 の内部及 び 外部に存 在する 情報 それ ぞれに関 し、 各 算定方法 の特徴を 踏まえ 、 比較可 能性分析 に お いてその 入 手可能 性を 検 討する必 要が ある 。 ④ 国外関 連取引と 非関連 者間取引 との 類似 性の程 度 非 関連者間 取引 を 比較対象 取引とし て選定 するため には、 当 該非関 連者間取 引と国外 関 連取引と の類似性 の程度 (比較可 能性 )が 十分で ある必要 が あり( 措通 66 の4 (3)- 1 )、比較可 能性につ いて は、措 置法通達 66 の4 (3)- 3に掲 げる諸要素 の類似性 を勘案 し て判断 す る必要が ある。 な お、国外 関連取 引と比較 対象取引 との間 に差異が あり、当 該差異 により生 じる対価 の 額や利益 率の差 について 必要な調 整を加 える必要 がある場 合には 、適切 な 調整を行 う 必 要がある 。 4 なお、 上記の 4つの点 は、 比較 可能性分 析に お いて「最 も適切な 方法」 を見いだ すため に 用いる 判 断基準 と いうべ きもので ある 。 他方、国 外関連取 引及び非 関連者 間取引に 係る 情 報、すな わち、 それぞれ の取引に 係る① 棚卸資産 の種類・ 役務の内 容等、 ②当事者 が果 た す機能、 ③契約 条件、④ 市場の状 況、⑤ 当事者の 事業戦略 等は、 判 断を行 うため に 必要 な 情報とい うことが できる。こ のため 、本 通達 本文 において は、「最 も適切 な方法」の 選定 に 当たり勘 案すべ き事項と して、上 記4つ の点とと もに、国 外関連取 引及び 非関連者 間取 引 に係る情 報 、すな わち 「 国外関連 取引及び 非関連 者間取引 に係る 66 の4 (3)‐ 3に掲 げ る 諸要素」 を掲げて いる。 5 連結納 税制度に おいて も、同様 の通達改 正(連 措通 68 の 88(2)- 1) を行って いる。

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【 改正】(比較 対象取引の 意義) 66の4(3)- 1 独立企業間 価格の算 定の基礎 となる 取引(以 下「比較 対象取 引」とい う。) は 、国外 関連取引 との類似 性の程度 が十分な 非関連 者間取引 をいうの である から 、例え ば 、措置 法第 66条の4第2 項第1号 に規定す る棚卸 資産の販 売又は購 入の場 合にあ っ て は 、次に 掲げる 独 立企業間 価格の算 定方法 の 区分に 応じ、それぞれ 次に掲げ る取引と な る ことに留 意する。 ⑴ 措置法 第 66条の 4第2 項第1号 イに掲げ る方法( 以下「独 立価格比 準法」という 。) 国 外 関 連 取 引 に 係 る 棚 卸 資 産 と 同 種 の 棚 卸 資 産 を 当 該 国 外 関 連 取 引 と 同 様 の 状 況 の 下で売買 した取引(当該 取引と国 外関連取 引とに おいて取 引段階 、取引数 量その他 に 差異のあ る状況の 下で売 買した場 合には 、その差 異により 生じる同 号イに 規定する 対 価の額の 差を調整 するこ とができ るものに 限る。) ⑵ 措置法 第 66条の 4第2 項第1号 ロに掲げ る方法( 以下「再 販売価格 基準法 」とい う。) 国外関連 取引に係 る棚卸 資産と同 種又は類 似の棚 卸資産を 、非 関連者から 購入した 者 が当該同 種又は類 似の棚 卸資産を 非関連者 に対し て販売し た取引(当該取 引と国外 関 連取引と において 売手の 果たす機 能その他 に差異 がある場 合には 、その差 異により 生 じ る 措 置 法 令 第 39条 の 12第 6 項 に 規 定 す る 割 合 の 差 に つ き 必 要 な 調 整 を 加 え る こ と ができる ものに限 る。) ⑶ 措置法 第 66条の 4第2 項第1号 ハに掲げ る方法(以下「原価 基準法 」と いう。) 国 外 関連取引 に係る棚 卸資産 と同種又 は類似の 棚卸資 産を、購入( 非関 連者か らの購入 に 限る。)、製造 その他の行 為により 取得した 者が当 該同種又 は類似の 棚卸資 産を非関 連 者に対し て販売し た取引(当 該取引と 国外関連取 引とにお いて売手 の果た す機能そ の 他に差異 がある場 合には 、そ の差異に より生じる 措置法令 第 39条の 12第7 項に規定 す る割合の 差につき 必要な 調整を加 えること ができ るものに 限る 。) ⑷ 措置法 令第 39条 の12第 8項第1 号に掲げ る方法(同号 イに掲 げる方法に 係る部分 に 限 る。) 国 外関 連取 引に 係 る棚 卸 資産 と同 種 又は 類 似の 棚 卸資 産を 、 購入 、 製造 そ の 他 の 行 為 に よ り 取 得 し た 者 が 当 該 同 種 又 は 類 似 の 棚 卸 資 産 を 非 関 連 者 に 対 し て 販 売 し、か つ、当 該同種又は 類似の棚 卸資産を 購入し た当該非 関連者が 当該同 種若しく は 類 似 の 棚 卸 資 産 又 は こ れ を 加 工 し 若 し く は 製 造 等 に 用 い て 取 得 し た 棚 卸 資 産 を 他 者 に対して 販売した 取引( これ らの取引 と国外関連 取引に係 る棚卸資 産の法 人及び国 外 関 連者 に よる 販売 等 (同 号 に規 定 する 販売 等 をい う 。以 下 同じ。)と にお い て取 引 の 当事者の 果たす機 能その 他に差異 がある場 合には 、そ の差異に より生ずる 同号イに 規 定する割 合の差に つき必 要な調整 を加える ことが できるも のに限る 。) ⑸ 措置法 令第 39条 の12第 8項第 1 号に掲げ る方法(同号 ハに掲 げる方法に 係る部分 に 限 る 。以 下 「残 余利 益 分割 法 」と い う。) 同 号ハ ⑴ に掲 げ る金 額( 以 下「 基 本的 利 益 」とい う。)を計 算する 場合にお いて、66の4(3)-1 の⑵ 、⑶、⑹又は ⑺に掲げ る 取 引(ただし 、それぞ れの 取引に係 る「当該 取引と 国外関連 取引とに おいて 売手の果 た す機能そ の他に差 異があ る場合 」の差異 からは、法人及 び 国外関 連者 に独 自の機能

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【 解 説 】 1 独立企 業間価 格の算定 の基礎と なる取引 、すな わち比較 対象取引 とは、 国外関連 取引と の 類似性の 程度( 比較可能 性)が十 分な非 関連者間 取引をい うのであ るが、 独立企業 間価 格 の算定方 法が定 められた 法令の規 定ごと にその内 容 (意義 )が異な ること から、改 正前 の 本通達( 旧措通 66 の4 (2)- 1)に おいて、独 立企業間 価格の算 定方法 の区分に 応じ、 比 較対象取 引の意義 を明ら かにして いたとこ ろであ る。 2 ところ で、利益分割法 の下位分 類として OECD 移転価 格ガイド ラインで 認められ ている比 較 利益分割 法、寄 与度利益 分割法及 び残余利 益分割 法につい ては、平成 23 年6月 の税制改 正 前は、法 令上は 利益分割 法として 一括り で規定さ れた上で 、その解 釈とし て運用さ れて き たところ であっ たが、 当 該税制改 正 では 、上述の 3つの 利 益分割法 が、次 のとおり 、 そ れ ぞれ租税 特別措 置 法施行 令 におい て明確化 された 。 ① 比較利 益分割法 国 外関連取 引と類 似の状況 の下で行 われた 非関連者 間取引に 係る非 関連者間 の分割対 象 利益等 ( 措通 66 の 4(5)-1にい う「 国外 関連取 引に係る 棚卸資産 の販売 等により 法 人 及び国外 関連者に 生じた 所得 」)に 相当する 利益 の配分割 合 に応じ て 、当 該国外関 連取 引 に係る分 割対象 利益等を 法人及び 国外関 連者に配 分するこ とによ り独立企 業間価格 を 算 定する方 法(措令 39 の 12⑧一イ )。 ② 寄与度 利益分割 法 国 外関連取 引に係 る分割対 象利益等 を、そ の発生に 寄与した 程度を 推測する に足りる 国 外関連取 引の当 事者に係 る要因に 応じて 法人及び 国外関連 者 に配 分するこ とにより 独 立 企業間価 格を算定 する方 法(措令 39 の 12⑧一ロ )。 ③ 残余利 益分割法 国 外関連取 引に係 る 分割対 象利益等 のうち 、基本的 利益 (注 )を法 人及び 国 外関連 者 に それぞれ に配分 し、分割 対象利益 等と基 本的利益 の合計額 との差 額である 残余利益 等 を 、残余利 益等の 発生に寄 与した程 度を推 測するに 足りる 国 外関連 取引の当 事者に係 る 要 因に応じ て 法人 及び国外 関連者に 配分す ることに より 独立 企業間 価格を算 定する方 法 が 存在する ことによ る差異 がある場 合の当該 差異を 除く。) ⑹ 措 置 法 令 第 39条 の 12第 8 項 第 2 号 に 掲 げ る 方 法 国 外 関 連 取 引 に 係 る 棚 卸 資 産 と 同 種 又は類似 の 棚卸資 産を、非関連 者から 購入した者 が当該同 種又は類 似の棚 卸資産を 非 関 連者に対 して販売 した取 引(当 該取引 と国外関連 取引とに おいて売 手の果 たす機能 そ の 他に差異 がある場 合には 、その 差異に より生じる 同号に規 定する割 合の差 につき必 要 な 調整を加 えること ができ るものに 限る 。) ⑺ 措 置 法 令 第 39条 の 12第 8 項 第 3 号 に 掲 げ る 方 法 国 外 関 連 取 引 に 係 る 棚 卸 資 産 と 同 種 又は類似 の棚卸資 産を、購入(非 関連者か らの購 入に限る 。)、製造その他 の行為に よ り 取得した 者が当該 同種又 は類似の 棚卸資産 を非関 連者に対 して販売 した取 引(当 該取 引 と国外 関 連取引と におい て売手の 果たす機 能その 他に差異 がある場 合には 、その 差異 に よ り 生 じ る 同 号 に 規 定 す る 割 合 の 差 に つ き 必 要 な 調 整 を 加 え る こ と が で き る も の に 限 る。)

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( 措令 39 の 12⑧ 一ハ )。 ( 注)基本 的利益に ついて は、措通 66 の4(5)-4 の解説参 照。 3 本通達 の改正 は、 この ように、 3つの利 益分割 法 が法令 上明確化 された ことに伴 い、 比 較 利益分割 法 に係る 規定 ( 措令 39 の 12⑧ 一イ) 及 び残余利 益分割法 の基本 的利益算 定に 係 る方法 の 規定(措令 39 の 12⑧一 ハ(1))におい て 、これらの 方法を用い る場合の 非関連 者 間取引に つき「 比較対象 取引」と 定義付 け された ことから 、これら 比較対 象取引の 意義 を 法令解釈 として 追 加する ものであ る 。 4 まず、 比較利 益分割法 は、国外 関連取引 に係る 所得の配 分割合と 、比較 対象取引 に係る 所 得の配分 割合と を比較す るもの で あるた め、比較 利益分割 法を適用 する場 合におけ る比 較 対象取引 につい ては、 所 得の配分 割合に 影響を及 ぼすと考 えられる 取引当 事者の果 たす 機 能(売手 におけ る購入、 製造その 他の行 為及び販 売 など、 買手にお ける購 入、加工 、製 造 等及び他 者に対す る販売 など)の類 似性 が 重視さ れる。した がって、本通 達の (4)にお い て は、これ らの機 能に差異 がある場 合には 、その差 異により 生ずる配 分割合 の差を調 整す る ことがで きるもの に限る こととし ている。 次に、残 余利益 分割法 は、第一段 階の基 本的利 益の配分 を、本通 達 (2)に掲げ る再販 売価 格 基準法 、(3)に掲げ る原 価基準法 又は (6)若しく は (7)に掲げ る方法(い わゆる取 引単位営 業 利益法: TNM M)を用 いて行う もので ある。し たがって 、残余利 益分割 法におけ る比 較 対象取引 は、当 然ながら (2)、 (3)、(6)又は (7)に 掲げる方 法におけ る比較 対象取引 と同 様 の点を重 視すべき ことと なる。 ま た、これ らの方 法を用い ようとす る場合 の比較対 象取引に ついて は、いず れも売手 の 果 たす機能 その他 に差異が あるとき には、 その差異 により生 ずる 売上 高 売上 総利益率 等の 割 合の差に つき必 要な調整 を加える ことが できるも のに限る こととし ている 。 ただし 、残 余 利益分割 法は、 第一段階 の基本的 利益の 配分後、 分割対象 利益等と 基本的 利益の合 計額 の 差額とし て算出 される 残 余利益等 を、第 二段階で その残余 利益等の 発生に 寄与した 程度 を 推測する に足る 費用等の 額などの 要因に 応じて法 人及び国 外関連者 に帰属 させるこ とと し ており、 この残 余利益等 はこれら の者に 独自の機 能 (注) が存在す る場合 に生じる もの で あると考 えられ る ことか ら、第一 段階の 配分 を行 う場合に おける比 較対象 取引につ いて は 、考慮す べき上 記売手の 果たす機 能その 他の差異 の範囲か ら当該独 自の機 能が存在 する こ とに基因 する差 異を除 い た上で、 それ以 外の 差異 から 生ず る割合の 差につ き必要な 調整 を 加えるこ と とする 旨を本 通達の (5)に おいて明ら かにして いる。 ( 注)独自の 機能 には、OECD 移転価格 ガイド ライ ンのパラ 2.109 に おいて 示されて いると お り、「 取引の双 方の当事 者が当該 取引に対 してユ ニークで 価値ある 貢献(例 えば 、ユ ニ ークな無 形資産の 貢献)」が該 当するも のとして 考えられ る。なお、当該 機能が果 た さ れた例と しては、基本的 活動のみ を行う法 人との 比較にお ける「高 い 」製 品認知度 、 「 充実した 」小売販 売網、「独自 」の技術 等が 挙げ られる( 事務運営 指針別 冊「移転 価 格 税制の適 用に当た っての 参考事例 集」【事例8】 参照)。 5 連結納 税制度に おいて も、同様 の通達改 正(連 措通 68 の 88(3)- 1) を行って いる。

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【 解 説 】 1 措置法 通達 66 の4( 2)-1は 、「最も 適切な 方法」の選 定に 当た って 勘案すべ き点の一 つ に、「 国外関 連取引と非 関連者間 取引と の類似性 の程度 」(比 較可能性 ) を考慮す ること を 明らかに してい るが 、非 関連者間 取引を 比較対象 取引とし て 選定す るため には、比 較可 能 性が十分 である必 要があ る (措通 66 の4(3)-1 (比較対 象取引の 意義) 参照)。 本 通達は、 比較対 象取引の 選定に当 たって この比較 可能性が 十分か どうかを 判断する た め に検討す べき 諸要 素等の 内容を明 らかにし ている 。 2 改正前 の本通達 では 12 の 検討す べき 諸要素 を掲げて いたが 、本通達 の改正に よって 、比 較 対象取引 の選定 に当たっ て検討す べき諸 要素 が5 つのカテ ゴリー に 集約さ れること とな っ た。これ は、 OECD 移転 価格ガイ ドライン のパラ 1.36 等に おいて 比 較可 能性要素 が5つ の 項目(① 移転さ れた資産 又は役務 の特徴 、②(使 用した資 産や引き 受けた リスクを 考慮 し た)当事 者が遂 行する 機 能、③契 約条件 、④当事 者の経済 状況 、⑤ 当事者 が遂行し てい る 事業戦略 ) とさ れて いる こと を踏 まえ 、 同ガイド ライン と 整合的な 取扱い とすべく 改正 を 行ったも のである が、こ の 改正は 基本的に 従来の 考え方を 変えるも のでは なく、OECD 移 転 価格ガイ ドライ ンを踏ま えて比較 可能性 の判断要 素をより 分かりや すく整 理するも ので あ る。 【 改正】(比較 対象取引の 選定に当 たって検 討すべ き諸要素 等) 66の4(3)- 3 措置法第 66条の4 の規定 の適用上、比 較対象取 引に該当 するか 否か につ き国 外 関連 取引 と非 関連者 間取 引と の類 似性 の程度 を判 断す る場 合に は 、例 えば 、 法 人、国 外 関連 者及 び非 関連者 の事 業の 内容 等並 びに 次 に掲 げる 諸要 素の 類似性 を勘 案す ること に 留意する 。 ⑴ 棚卸資 産の種類 、役務 の内容等 ⑵ 売手又 は買手の 果たす 機能 ⑶ 契約条 件 ⑷ 市場の 状況 ⑸ 売手又 は買手の 事業戦 略 (注)1 ⑵の売 手又は買 手の果 たす機能 の類似性 につい ては、売手又は 買手の負 担するリ ス ク 、 売 手 又 は 買 手 の 使 用 す る 無 形 資 産 ( 著 作 権 、 基 本 通 達 20- 1 - 21に 定 め る 工 業 所 有 権 等 の ほ か 、 顧 客 リ ス ト 、 販 売 網 等 の 重 要 な 価 値 の あ る も の を い う 。 以 下 同 じ 。)等 も考慮 して判断す る。 2 ⑷ の市 場の 状況の 類似 性に つい ては 、取引 段階 (小 売り 又は 卸売り 、一 次問 屋又 は 二次 問屋 等の 別を いう。)、 取引規 模、 取引 時期、 政府 の政 策( 法令、 行政 処 分 、 行 政指 導そ の他 の行 政上の 行為 によ る価 格に 対する 規制 、金 利に 対す る規制 、使 用 料 等の 支払 に対 する 規制、 補助 金の 交付 、ダ ンピン グを 防止 する ため の課税 、外 国 為 替の管理 等の政策 をいう 。)の 影響等 も考慮して 判断する 。 3 ⑸ の売 手又 は買手 の事 業戦 略の 類似 性につ いて は、 売手 又は 買手の 市場 への 参入 時 期等も考 慮して判 断する 。

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なお、 本通達 ( 2)の 「売手又 は買手の 果たす 機能 」と は、「取引の当 事者が果 たした経 済 的に重要 な活動及 び 責任 」を いい 、例えば 、「設計 、製 造、組立 、研究開発 、役 務の提供 、 購 入、販売 、市場 開拓、宣 伝、輸送 、 資金 管理及び 経営」な どを念頭 に置い たもので ある ( OECD 移転価 格ガイ ドラ インのパラ 1.42 及び 1.43 参照 )。 また、 本通達 ( 5)の 「売手又 は買手の 事業戦 略」につ いては、 例えば 、 OECD 移転 価格 ガ イドライ ンのパラ 1.60 におい て、市場 浸透計画 を掲げた 上で 、「ある市 場に浸透 しよう と している 又は市 場シェア を伸ばそ うとし ている納 税者は、 同一市場 の比較 可能な製 品よ り も低い価 格を一時 的に設 定するか もしれな い。・・・」と 記述され るとおり、価格や利 益水 準 の設定な どに影 響を及ぼ すことか ら、市 場への参 入時期等 も含めて 取引 の 類似性の 程度 を 判断する 上で、勘 案すべ き要素と している 。 3 ところ で、上記2 の 集 約に伴い、本通達の 注書 に 記載さ れること となっ た 7つの 項目(① 売 手又は買 手の 負 担するリ スク、② 売手又 は買手の 使用する 無形資産 、③取 引段階、 ④取 引 規模、⑤ 取引時 期、⑥政 府の政策 の影響 、⑦売手 又は買手 の 市場へ の参入 時期)は 、そ れ ぞれのカ テゴリ ーごとの 類似性を 判断す るための 細分化さ れた諸要 素とし て検討を 行う こ とになる 。 な お、改正後の 本通達本文 では 、上記の 比較可能性 を検討す る際の諸 要素に 加え、「法 人、 国 外関連者 及び非関 連者の 事業の内 容 等 」も併 せて 勘案する ことに留 意する としてい るが 、 こ れは比較 可能性 分析を行 うに当た り考慮 されるべ き事項を 確認的に 明らか にしたも ので あ る。 4 連結納 税制度に おいて も、同様 の通達改 正(連 措通 68 の 88(3)- 3) を行って いる。

(9)

【 解 説 】 1 本通達 は、平成 23 年 度税制改 正大綱に おいて 、「独 立企業 間価格の幅 (レンジ )の取扱 い の明確化」として 、「国外 関連取引 の価格等 が、レ ンジの中 にある場 合には 移転価格 課税 を 行わない こと、 また、レ ンジの外 にある 場合には 比較対象 取引の平 均値に 加え、そ の分 布 状況等に 応じ た 合理的な 値を用い た独立 企業間価 格の算定 もできる ことを 運用にお いて 明 確にしま す。」とさ れた ことを受 け、国 外関連取 引の価格 等がレン ジの中 にある場 合の 取 扱 いを明ら かにした もので ある。 2 比較可 能性分 析 におい て 比較対 象取引の 選定作 業を行っ た結果、 複数の 比較対象 取引が 存 在するこ とにより 、独立 企業間価 格が一定 の幅、いわ ゆるレン ジを形成す る場合が ある。 な お、独 立企業間 価格とレ ンジの関 係につい ては、OECD 移転 価格ガ イドライ ン のパラ 3.55 に 「取引条 件が独 立企業の ものに一 致する か否かを 判断する 上で最も 信頼で きる単一 の数 値 (例えば 、価格 又は 利益 )を得る ことに よって、 独立企業 原則を適 用する ことがで きる 場 合がある 。しか しながら 、移転価 格の算 定は厳密 な科学で はないた め、最 も適切な 方法 を 適用した 結果、 その全て について 相対的 に同等の 信頼性が あるとい う複数 の数値か らな る 幅(レン ジ)が生 み出さ れる場合 も多くあ る。( ~以下略 ~)」と述べら れている 。 ま た、同ガ イドライ ンのパラ 3.60 にお いて「 関連 者間取引 における 関連条 件(例え ば、 価 格や利益)が独立 企業間 価格幅に 入ってい る場合 には、調整 は行わ れるべ きでない 。」と 記 述されて いる。 3 本通達 において は、上記 OECD 移転 価格ガイド ラインの 考え方を 踏まえ 、法人 が国外関 連 者 との間で 行う国 外関連取 引に係る 対価の 額が複数 の比較対 象取引か ら導か れる 独立 企業 間 価格の 幅( レンジ)の中 にある場 合には、措 置法第 66 条の4 第1項 に規 定する「当 該法 人 が当該国 外関連 者から支 払を受け る対価 の額が独 立企業間 価格に満 たない とき、又 は当 該 法人が当 該国外 関連者に 支払う対 価の額 が独立企 業間 価格 を超える 」場合 に該当し ない た め、移転 価格税 制に 基づ く課税 は 行われ ないとい うこと を 留意的に 明らか にしたも ので あ る。 4 ところ で、本 通達でい う 独立企 業間価格 の幅、 すなわち レンジと は、比 較対象取 引の全 デ ータから 構成さ れるフル レンジを 指すの か、ある いは四分 位等の統 計的手 法により 更に 絞 り込む必 要があ るのか、 という疑 問が生 ずる。こ の点につ いては、 比較対 象取引と は国 外 関連取引 との類 似性の程 度が十分 な非関 連者間取 引をいう ので、比 較対象 取引によ って 形 成される 独立企 業間価格 の幅(レ ンジ) は、比較 可能性の 観点から 既に十 分な絞込 みが 行 われたも のとな ること、 したがっ て、そ のような 比較対象 取引によ って形 成される 独立 企 業間価格 の幅( レンジ) は、全て の比較 対象取引 に係る価 格 等の最 大値と 最小値の 間の 幅(い わゆる「フ ルレンジ 」)を示 しており、統計 的手法に よりその ような 幅を更に 絞り込 【 新設】(比較 対象取引が 複数ある 場合の取 扱い) 66の4(3)- 4 国外関連取 引に係る 比較対象 取引が 複数存在 し、独立企 業間 価格が一 定の幅 を 形成して いる場合 におい て、当該幅 の中に当 該国 外関連取 引の対 価 の額が あるとき は、 当 該国 外関 連取 引につ いて は措 置法 第 66条の4 第1 項の 規定 の適 用はな いこ とに 留意す る 。

(10)

む ものでは ないこ と、これ に対して 、類似 性の程度 が十分で はない非 関連者 間取引に より 形 成された 数値に 対して統 計的手法 を適用 した結果 として生 み出され た数値 の幅は独 立企 業 間価格の 幅とは認 められ ないこと に留意す る必要 がある。 5 連結納 税制度に おいて も、同様 の通達改 正(連 措通 68 の 88(3)- 4) を行って いる。 (注)国外関連取引の価格等がレンジの外にある場合の取扱いについては、事務運営指針において定めている。 (比較対象取引が複数ある場合の独立企業間価格の算定) 3-5 国外関連取引に係る比較対象取引が複数存在し、当該比較対象取引に係る価格又は利益率等(国外関連取 引と比較対象取引との差異について調整を行う必要がある場合は、当該調整を行った後のものに限る。以下「比 較対象利益率等」という。)が形成する一定の幅の外に当該国外関連取引に係る価格又は利益率等がある場合に は、原則として、当該比較対象利益率等の平均値に基づき独立企業間価格を算定する方法を用いるのであるが、 中央値など、当該比較対象利益率等の分布状況等に応じた合理的な値が他に認められる場合は、これを用いて独 立企業間価格を算定することに留意する。

(11)

【 解 説 】 1 平成 23 年 6月の税制 改正に お いて、比較利益 分割法 、寄与度 利益分割 法及び残 余利益分 割 法が 、それぞ れ租税特別 措置法施 行令 で明 確化さ れた こと に伴い(措通 66 の 4(3)-1(比 較 対象取引 の意義)の解説 参照)、利益分 割法の意 義に係る 本通達に おいて も、所要の 改正 を 行ってい る。 ま た、利益 分割法 により法 人及び国 外関連 者に配分 されるこ ととな る所得に ついては 、 改 正前の 本 通達(旧措通 66 の 4(4)-1)に おいて 、「原則 として、国 外関 連取引に 係る棚 卸 資産の販 売等に より法人 及び国外 関連者 に生じた 営業利益 の合計額 」とし ていたと ころ で あるが、 当該配 分の対象 となる所 得とは 、国外関 連取引に 参加した すべて の関連者 に生 じ た当該取 引に係 る損益の 総和と解 される ことから 、 改正後 の 本通達 では 当 該所得が 損失 を 含む概念 であるこ とを明 らかにし た。 な お、本 通達で は、上 記損 益の総和 としては 営業利 益を用い ることを 原則と している が、 OECD 移 転価格 ガイドライ ンのパラ 2.131 に 、「一 般に、取 引単位利 益分割 法におい て分割 さ れ る利 益 は、 営業 利 益で あ る。 こ のよ うな 方 法で 取 引単 位 利益 分割 法 を適 用 する ことに よ り 、多 国 籍企 業の 収 入及 び 費用 を 一貫 した 基 準で 関 連者 に 確実 に帰 属 させ る こと ができ る 。 しか し 、時 には 、 粗利 益 を分 割 した 後、 各 企業 で 発生 し た又 は各 企 業に 帰 属す べき費 用( 粗利益の 計算の 際に考 慮した費 用を除く 。)を控 除するこ とが適切 な場合 もあろう 。(~ 以 下略~ )」と 述べられて いること を踏まえ ると、個々の事 案の状況 に応じ て、法人 及び国 外 関連者に 係る売上 総利益 の合計額 を 用いる ことも あり得る 。 2 連結納 税制度に おいて も、同様 の通達改 正(連 措通 68 の 88(5)- 1) を行って いる。 【 改正】(利益 分割法の意 義) 66の4(5)- 1 措置法令第 39条の 12第8項第 1号に 掲げる方 法( 以下「利益分 割法 」という 。) は 、同 号イ から ハまで に掲 げる いず れか の方法 によ って 、国 外関 連取引 に係 る棚 卸資産 の 販売 等に より 法人及 び国 外関 連者 に生 じた 所 得( 以下 「分 割対 象利益 等」 とい い、原 則 とし て、 当該 法人に 係る 営業 利益 又は 営業損 失に 当該 国外 関連 者に係 る営 業利 益又は 営 業損失を 加算した 金額を 用いるも のとする 。)を当 該法人及 び国外関 連者に 配分する こ と により独 立企業間 価格を 算定 する 方法をい うこと に留意す る。

(12)

【 解 説 】 1 比較利 益分割 法、寄与 度利益分 割法及び 残余利 益分割法 が、それ ぞれ租 税特別措 置法施 行 令で明確 化され(措通 66 の 4(3)-1(比 較対象 取引の意 義)の解説 参照 )、残余 利益分 割 法の適用 に係る 分割対象 利益等の 配分の 方法につ いては、 まず、基 本的利 益を法人 及び 国 外関連者 にそれ ぞれに配 分し、分 割対象 利益等と 基本的利 益の合計 額との 差額であ る残 余 利益等を 、残余 利益等の 発生に寄 与した 程度を推 測するに 足りる国 外関連 取引の当 事者 に 係る要因 に応じて 法人及 び国外関 連者に配 分する ことが規 定 された (措令 39 の 12⑧一 ハ。な お、基本的 利益につ いては、措通 66 の4 (5)-4の解 説参照 )。本通 達の改正 におい て は、分割 対象利 益等の配 分に用い る要因 が複数あ る場合に は、それ ぞれの 要因が分 割対 象 利益等の 発生に寄 与した 程度に応 じて 、合理的に 計算する ものとす る 従前 の取扱い が「 残 余 利益等」 の配分に おいて も同様に 適用され ること を 留意的 に明らか にした 。 2 なお、改 正前の本 通達( 旧 措通 66 の4 (4)-2)の 前段部 分 に、「 分割 対象利益 の配分に 用 いる要因 は、 国 外関連取 引の内容 に応じ 法人又は 国外関連 者が支出 した人 件費等の 費 用 の 額、投下 資本の 額等これ らの者が 当該分 割対象利 益の発生 に寄与し た程度 を推測す るに ふ さわしい ものを用 いるこ とに留意 する 。」と の取 扱いを 置 いていた が、3 つの利益 分割法 が 法令で明 示され るととも に、それ ぞれの 利益分割 法におい て 分割対 象利益 等 の配分 の方 法 が規定さ れたこと から、 当該取扱 いに係る 部分は 削除した 。 3 連結納 税制度に おいて も、同様 の通達改 正(連 措通 68 の 88(5)- 2) を行って いる。 【 改正】(分割 要因) 66の4(5)- 2 利益分割法 の適用に 当たり、分 割対 象利益等 又は措置 法令第 39条の 12第8項 第 1号ハ⑵ に規定す る残余 利益等(以下「残余利益 等」と いう。)の配 分に 用いる要 因が 複 数あ る場 合に は、そ れぞ れの 要因 が分 割対象 利益 等又 は残 余利 益等の 発生 に寄 与した 程 度に応じ て、合理 的に計 算するも のとする 。

(13)

【 解 説 】 1 平成 23 年6 月の税制 改正に よ り租税特 別措置 法施行令 において 明確化 された 残 余利益 分 割法は、 国外関 連取引に 係る分割 対象利 益等のう ち、基本 的利益を 法人及 び国外関 連者 に それぞれ 配分し 、分割対 象利益等 と基本 的利益の 合計額と の差額で ある残 余利益等 を、 残 余利益等 の発生 に寄与し た程度を 推測す るに足り る国外関 連取引の 当事者 に係る要 因に 応 じ て 法 人 及 び 国 外 関 連 者 に 配 分 す る こ と に よ り 独 立 企 業 間 価 格 を 算 定 す る 方 法 で あ る ( 措令 39 の 12⑧ 一ハ )。 な お、基本 的利益 とは、非 関連者間 取引に おける通 常(ルー ティン )の利益 であり、 国 外 関連取引 に係る 各当事者 に独自の 機能 ( 注) が存 在するこ とによる 差異を 捨象した もの と なる。よ って、 分割対象 利益等と 基本的 利益の差 額である 残余利益 等は、 通常(ル ーテ ィ ン)の利 益以外の 利益(ノ ン・ルー ティン の利益 )、つ まり、国 外関連取 引に係る 各当事 者 に独自の 機能が 存在する ことによ る利益 と考える ことがで きるであ ろうと いうもの であ る 。 (注)独 自の機能 につい ては、 措通 66 の 4(3)- 1の解説 参照。 2 本通達 の前段 では、利 益分割 の 第一段階 として 法人及び 国外関連 者にそ れぞれ配 分する こ ととなる 基本的 利益につ いて 、「 66 の4 (3)-1 の⑸に掲 げる取引 に基づ き算定さ れる 独 自の機能 を果た さない非 関連者間 取引 に おいて得 られる所 得 」であ ること を明らか にし て いる。基本 的利益の 算定 を行う際 の留意点 は次の とおりで ある(事務 運営 指針 3-7)。 ① OECD 移転価格 ガイドラ インのパ ラ 2.121 で新た に設けら れた基本 的利益 の配分計 算に 係 る指針で は、「 残余利益 分析では、2つの 段階を 経て、調査 対象と なって いる関連 者間 取 引の合算 利益を 分割する 。第 1段 階では 、各参加 企業に対 し、そ れが関わ った関連 者 間 取引に関 係する 、ユニー クではな い貢献に 対する 独立企業 間報酬が 配分さ れる 。通常、 こ の報酬は 、伝統 的取引基 準法又は 取引単 位営業利 益法を適 用し 、 独立企業 間の比較 可 能 な取引の 報酬を参 考にし て決定さ れる。・・・」旨 が示され ている。こ れを 踏まえ、同 ガ イ ドライン との整合 性の観 点から 、平成 23 年6月改 正後の措 置法令第 39 条の 12 第8項 【 改正】(残余 利益分割法 ) 66の 4(5)- 4 残余 利益分 割法 の適 用に 当たり 、 基 本的 利益 とは 、 66の 4(3)-1の ⑸に 掲 げ る取 引に 基づ き算定 され る独 自の 機能 を果た さな い非 関連 者間 取引に おい て得 られる 所 得を いう ので あるか ら、 分割 対象 利益 等と法 人及 び国 外関 連者 に係る 基本 的利 益の合 計 額と の差 額で ある残 余利 益等 は、 原則 として 、国 外関 連取 引に 係る棚 卸資 産の 販売等 に おい て、 当該 法人及 び国 外関 連者 が独 自の機 能を 果た すこ とに よりこ れら の者 に生じ た 所得とな ることに 留意す る。 ま た 、 残 余 利益 等 を 法人及 び 国 外 関 連者 で 配 分する に 当 た っ ては 、 そ の配分 に 用 いる 要 因 と し て 、例 え ば 、法人 及 び 国 外 関連 者 が 無形資 産 を 用 いる こ と によ り独 自 の 機 能を 果 たしてい る場合に は、当 該無形資 産による 寄与の 程度を推 測するに 足りる ものとし て、 こ れ ら の 者 が有 す る 無形資 産 の 価 額 、当 該 無 形資産 の 開 発 のた め に 支出 した 費 用 の 額等 を 用いるこ とができ ること に留意す る。

(14)

第 1号ハ (1)に は、基 本的 利益の算 定におい て使用 可能な利 益指標が 列挙さ れており 、具 体 的には、 再販売 価格基準 法を用い る際の 売上高売 上総利益 率、原 価基準法 を用いる 際 の 売上原価 売上総 利益率 並 びに取引 単位営 業利益法 を用いる 際の売 上高営業 利益率 及 び 総 費用営業 利益率の うち、 最も適切 な利益指 標 を用 いること になる 。 ② 通常は 、非関 連者間取 引 におい て 国外 関連取引 の売手の 果たす機 能その 他に差異 があ る 場合には 、比較 可能性を 確保する ために その差異 に関して 必要な 調整を加 えること が で きるもの が比較 対象取引 となるが 、 基本 的 利益の 算定に用 いる非 関連者間 取引 につ い て は、あく まで 基 本的利益 の計算 過 程にお いて調整 を 要する 差異 の み調整を 行うこと と な る。つま り、法 人及び 国 外関連者 に「独 自の機能 」が存在 するこ とによる 差異があ る 場 合には、 そのよ うな差異 は、利益 分割の 第二段階 としての 残余利 益等を配 分する段 階 に おいて考 慮する こととな るため、 第一段 階 の基本 的利益の 算定に おいて調 整を行う 必 要 はない。す なわち 、「独 自の機能 が存在す ること による差 異」があっ たと しても、基 本 的 利益の計 算上、 調整を要 する差異 として 取り扱わ ないとい うこと に留意す る必要が あ る 。 3 また、 分割対 象利益等 と基本的 利益との 差額と して観念 される残 余利益 等につい て、本 通 達では 「 原則と して、国 外関連取 引に係 る棚卸資 産の販売 等におい て、当 該法人及 び国 外 関連者が 独自の 機能を果 たすこと により これらの 者に生じ た所得と なるこ と」 を明 らか に している 。ここ で 「原則 として」 とし て いるの は 、残余利 益等の発 生要因 について は、 例 えば、規 模の利 益や統合 の利益な ども含 まれうる こと及び それらが 含まれ た上、分 割要 因 により分 割され る場合も あり得る ためで ある。こ れは、残 余利益分 割法に 限らず、 寄与 度 利益分割 法 等に おいても 規模の利 益や統 合の利益 等、必ず しも国外 関連取 引の当事 者の 個 別具体的 な寄与 によって 発生した とは言 い難い利 益が分割 対象利益 等に含 まれる場 合が あ るという 点におい て同様 である。 4 なお、 措置法令 第 39 条の 12 第 8項第1 号ハ において 規定され た残余 利益分割 法が、法 人 及び国外 関連者 が 原則と して 独自 の機能 を果たし ているこ とを前提 として いること を踏 ま え、改正 後の本 通達 後段 において 、残余 利益等の 配分に用 いる要因 の一例 として 、 これ ら の法人が 無形資 産 を用い ることに より独 自の機能 を果たし ている場 合には 、 その法 人の 無 形資産に よる寄 与度を推 測する指 標とし て、 無形 資産の価 額、当該 無形資 産の開発 のた め に支出し た費用の 額等を 用いるこ とができ ること を留意的 に明らか にして いる。 5 連結納 税制度に おいて も、同様 の通達改 正(連 措通 68 の 88(5)- 4) を行って いる。

(15)

【 解 説 】 1 我が国 の移転価 格税制 は、平 成 23 年6月 の税 制改正に おいて、 OECD 移 転価格ガ イドラ イ ンとの整 合性を 確保する 観点から 、従来 の独立企 業間価格 の算定方 法の適 用上の優 先順 位 を廃止し 、個々 の事案の 状況に応 じて 独 立企業原 則に一致 した 「最 も適切 な方法 」 を選 定 する仕組 みへと 改正され た。具体 的には 、基本三 法を優先 適用し、 利益法 は基本三 法を 用 いること ができ ない場合 に限り適 用する という規 定 が廃止 され、 個 々の国 外関連取 引の 内 容及び国 外関連 取引の当 事者が果 たす機 能その他 の事情を 勘案して 、国外 関連取引 が独 立 の事業者 の間で 通常の取 引の条件 に従っ て行われ るとした 場合に国 外関連 取引につ き支 払 われるべ き対価 の額 を算 定するた めの「 最も適切 な方法」 を選定す ること とされた (措 法 66 の 4② )。 2 改正前 の本通達( 旧措通 66 の4 (6)-4 )の注 書 には 、「独立 価格比準 法と同等 の方法又 は 原価基準 法と同等 の方法 が適用で きない場 合には 、」との条 件 を付し た 上 で、こ れらの方 法 に準ずる 方法と 同等の方 法 を用い ること ができる 旨を定め ていたが 、 上述 のとおり 、独 立 企業間価 格の算 定方法に 係る適用 優先順 位が廃止 されたこ とから、 本通達 において は、 改 正法との 整合性 を図る目 的で 当該 条件 を 廃し、併 せて注書 の方法が 「準ず る方法 と 同等 の 方法」で あること を明記 した。 3 連結納 税制度に おいて も、同様 の通達改 正(連 措通 68 の 88(7)- 4) を行って いる。 (参考) 金銭の貸付等を業としない法人の金銭貸借取引に係る独立企業間価格の算定方法については、上記措置法通達の注 書以外の「準ずる方法と同等の方法」として、事務運営指針2-7(独立価格比準法に準ずる方法と同等の方法によ る金銭の貸借取引の検討)の(2)及び(3)に掲げる利率を用いる方法がある。 【 改正】(金銭 の貸付け又 は借入れ の取扱い ) 66の 4(7)- 4 金 銭 の 貸 借 取 引 に つ い て 独 立 価 格 比 準 法 と 同 等 の 方 法 又 は 原 価 基 準 法 と 同 等 の 方 法 を 適用 す る 場 合に は 、 比 較 対象 取 引 に 係る 通 貨 が 国 外関 連 取 引 に係 る 通 貨 と 同 一 で あ り 、 かつ 、 比 較 対象 取 引 に お ける 貸 借 時 期、 貸 借 期 間 、金 利 の 設 定方 式 ( 固 定 又 は 変 動 、 単 利又 は 複 利等の 金 利 の 設 定方 式 を いう。)、 利 払方 法 ( 前払 い 、後 払 い 等 の利 払 方 法 を い う。)、借 手 の信 用 力 、 担 保及 び 保 証の有 無 そ の 他 の利 率 に 影響を 与 え る 諸要 因 が国外関 連取引と 同様で あること を要する ことに 留意する 。 (注) 国 外 関 連 取 引 の 借 手 が 銀 行 等 か ら 当 該 国 外 関 連 取 引 と 同 様 の 条 件 の 下 で 借 り 入 れ た と し た 場 合 に 付 さ れ る で あ ろ う 利 率 を 比 較 対 象 取 引 に お け る 利 率 と し て 独 立 企 業 間 価格を算 定する方 法は、独立 価格比準 法に準 ずる 方法と同 等の方法 となる ことに留 意 する。

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