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検出器システムとその臨床応用

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Academic year: 2021

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(1)

‑ 46‑

動態機能測定用テルル化カ ドミウム

(CdTe)

検出器システムとその臨床応用

鈴 木 豊

1. はじめに

プローブ型検 出器 は,核医学の初期 の時代 には, 主流の座 を占めていたが,現在 においては,その座 をシンチカメラに譲 って,その使用頻度 はきわめて 低い。 しか し,プローブ型検出器 には,機構の簡便 さ故 に小型,軽量の測定器 を容易 に作れるという特 長がある。特 に,近年開発 された常温で使用可能 な 半導体検出器 と発展普及の著 しいマイクロコンピュ ータ とを組み合わせ ることで,新 しい利用方法が開 発 されつつある1 ) 2 ) 3 ) 4 ) 。 コンピュータ化 された半導 体検出器 を用いることで,今 まで不可能であった 日 常生活中の各種臓器の動態機能 を連続的に観測す る ことが実現するのではないか と大 きな期待が寄せ ら れている。われわれの施設で も,過去数年来, シン グルプローブシステムの臨床応用 に取組 んで きた が5 ) 6 ) ,その応用範 囲 をさらに拡大す るた めに新 た にテルル化カ ドミウム

(CdTe)

検出器 を用いた シ ステムを開発 しつつある。そこで, この機会 にわれ われの開発中のシステムの概要 とその臨床応用の一 端 を紹介することにす る。

2.

ガンマ線検出器 としての

CdTe

の特性

臨床 で使 用す る場合 の

CdTe

の最大 の長所 は, 常温で使用できることである。 これは,バ ン ドギャ

ップエネルギーが

1.45eV

と十分大 きなためで あ り

,30oC

までは温度 によって特性が変化 しない と報 告 されている7 ) 。次 に,ガ ンマ線検出器 として考 え た場合

,CdTe

の長所 は,他の半導体素子 と比較 し て原子番号が

50

と高 く,その減弱係数が大 きい こ とである。 これは,小型で検出効率のよい検出器の

作成 にあたって考慮すべ き重要な条件である。

3.

システムの構成

われわれの施設で現在使用中の装置のブロックダ イアグラムを

Fig.1

に示す。使用 した

CdTe

検出 器 は

,RMD

社製

A‑116

型で,直径

16mm

,厚 さ

2 mm

で金属内に封入 されてお り,全重量

17g

であ

る。 これに装着するためのコリメータ として,内径

16mm

で,高 さがそれぞれ

5mm,16mm

のス トレ ー ト型二重類 を作成 した。 コリメータ と検出器 はプ ラスチ ックの筒の 中 に格納 され て い る

(Fig.2)

0

CdTe

検 出器 よ り得 られ た信 号 は,前 置増 幅器

(Fig.2)

およびバ ッファーアンプで増幅 され携帯型 データ収集装置に入力 され る

(Fig.1)

。携帯型 デー タ収集装置は,マイクロプロセ ッサー,波高分析装 置, ランダムアクセスメモ リーな どを内蔵 し,重 さ 約

800g

である。波高分析器 により

40KeV

未満の 信号 は除去 され

,0.05

秒 ご との デー タが,マイ ク ロコンピュータ

(LSト11/23)

に転送 され, フロ ッ ピーディスクに記録 される。本 システムの特性 につ いては,既 に報告

8)

したので詳細 について割愛す る が,計数率特性 としては

,40KeV

以上の積分計数 モー ドの計測で

,100Kcps

で約

20

%の数え落 とし であった。感度 については,絶対値 は求められてい ないが,われわれの施設 にある焦点型 コリメータを 装着 した直径

2

インチの

NaI

検 出器 のそれ と比較 す ると,高 さ

5mm,16mm

のコリメータを使用 し た場合,それぞれ,約

1/2,1/5

とい う値が得 られ ている。

Adynamicmonitoringsystemwithcadmiumtelluride(CdTe)detectorsanditsclinicalapplication YutakaSuzuki

DepartmentofRadiology,TheSchoolofMedicine,TokaiUniversity

,

東海大学医学部放射線医学教室 〒 259‑11神奈川県伊勢原市望星台

(2)

核 医学画像診 断

Vol.2No.21987.7

PORTABLE DATA ACQ UNIT

Fig.1 Schematicdiagram ofthesystem.PREAMP:preamplifier,AMP:amplifier, PAH:pulseheightanalyser,RAM :random accessmemory,MPU:mainprocess ingunit,I/0:in‑putandoutputdevice,ROM :readonlymemory,LC.D.:liquid

crystalarisplay, Fig.

2

Detectormoduleandpr

eamplifier. A:collimat

or,B:CdTedetector,C:

plastichouslng,D:preamplifie

r .

4. ‑ 47‑

床応用

臨床応用 として これ までに,脳脊髄液

( CSF)短

絡流量の測定,各種負荷時の左室 ポンプ

機能の測定 を試みてきたので, これ らの一端 を紹介す

る。

1)

CSF短絡流CSF短絡流量の測定

(F)は,短絡装置の リザーバー内

RI

を注入後,同部 の

時 間放射能 曲線 を求 め る と, リザーバー内容量

(

)

と時間放射能 曲線の半 減時間 ( Tl / 2) よ り,理論的 には次式

で算 出 され る。即 ち

,F‑0.698V/Tl

/

2

, しか し,現 実 に は, リザーバー内の

CSF

RI

が完全 に混和 しないた

め, この関係式が成立 しない こ

(3)

48

O O L

O9

0 9 等

ON

0

(%)^ヒ^LIL

U

V

05

1 0 1 5

20 25 30 35 40 45

DEGREES

Fig・3Changesinatime‑activ itycurveobtainedduringheadbeingcontinuouslyraised.At25degreeh eadraisedposition,CSFhassuddenlystartedtoflow.Z.NL.LLN.ト.OLZ.OL.0×

d X 山 ) (9 0

.i)^1J≧ト

O

V

0

246

810

121 4161820

TIME︻MIN

Fig.4 Flowratechangesbypat

ientposi tion.0.36ml/minflow rateinrecum‑

bentbecomesnearly ze

ro in sitting positionbutrestoredits

rateof0.38 ml/mininuprightposition

.

読み出 した時間放射能曲線 について,任意の関心

時 間区域 を指定す る と,その間の

T

l/2

が求 め られ,

それにもとづいて流量が自動的に算出され

(4)

核 医学画像診 断

Vol.2No.21987・7 ‑ 49

0.00 0.01 0.82 0.eO O.也‑ 0.06 0.e6 0.07 0.09

●.1○.ll

TI (AIrl)

Fig.6 Smoothedbeatby‑beatleftventricularcurvean

d estimatedLVEF.

Fig.5 Amodelpersonputo

naspecially designedvesta

ndprobesattachedto it:oneovertheleftven

tricleandthe otherintherigh

tupperlung.

vivo標識 した後,患者

に専用のベス トを着用 させ, シンチカメラ下で,左室お よ

びバ ックグラウン ド領 域 として右上肺野 にそれぞれ

16mm

長 の コ リメー タを装着 した

CdTe

検 出器 を固

定す る

(Fig.5)

。サ ンプ リング間隔

0.05

秒で任意の

時間 ( 最長

3

時間) データを収集す る。得 られたデータは,以下 類の解析法 によって処理 され る。 i)1ブロ の三種

ック分 のデー タ

(6.4

秒 間,1

28

デー タポイ ン ト)につ

い てその平均値 と標 準偏差 よ り左室駆 出率

(LVEF)

Count̀(Ⅹ〉

を求 め, トレン ドグラム として表示する。バ ックグ ラウン ドは,

右上肺の時間放射能 曲線の同一 ブロッ ク内の平均 カウン トとす る。

物理学的減衰 は,ブロ ック単位 に補正す る

。 ii

)任意 の 1ブロックに

つい

,3

点 スムー ジ ング を

10

回施行 し,カー ブ上 の

山 とそ

(5)

:, ,

● 之

● ●

Iく一O.●.

l

S‑7

○ 5

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l ● ら ■ ■ ■ ● ヽ ■ 1 ̲ . , : ′ ■ 血∴ 血止‑ l こ , hl 血 J . . . LV‑CURVE 一

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●1 6

9.●2 1

E F 1/ 3

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l

B.05

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l.●6

2 ●

.06Tl

7.

0

7く■l

3

〇・n〇8

Fig.8 Changesofleftventricular and background curves

,

and left ventricularparameterse,stim

ateddur

ingandafterexercise.

ム とし

て も表示す る

10)0

種々の心疾患 を有す る患者

33

例 で,本 システム で測定 した

LVEF

およびそ

の他の指標 とシンチカ メラ ・コンピュータシステムで測定 し

た値 とを比較 した結果, よい相関関係が得 られてい

11

)

1

2 ) 。本 シ ステムの臨床的意義 は,各種

負荷時の左室機能の変 化 を,負荷前,中,後 と連続的に観

測で きる点にあ る

。Fig.8は,エルゴメータに

よる運動負荷時の左 室ポンプ機能 をモニター した も

のであるOポンプ機 能の各種指標の経時的変化 を

容易 に観察することが で きる。 また,興味のある時

相のデータを詳細 に分 析することも可能である。運

動負荷 に伴なうこのよ うな左室ポンプ機能の急激な変化 を,カメラ

・コン ピュータシステムで連続的に観測することは

不可能 と思われる。 われわれは,現在主 として

,薬剤負荷時,運動負 荷時の左室機能の変化 を観測

することを目的 として 研究 を進めているが,次の課

題 としては,左室機能 の長時間モニターがある. こ

のためにわれわれ は, 新 に携帯型 データ収集装置

か らマイクロコンピュー タへ信号 を無線 で転送す る

システム を開発 中で あ る。 このシステムを完成すれば,検査のフレキシビ リティーはさらに増 し,長時間モニター も容易 にな

るもの と考 えている。 以上の他,臨床応用 として

,種々の条件下での肺 血液量の変化,肝動脈血流量の変化などの測定 を試 みているが, それ らについては, ま

たの機会 に紹介 することにする。

5.おわ りに

われわれの開発 した

Cd

Te検 出器 システム とそ

の臨床応用 の一端 を紹介 し

た。 この システム に よ り,従来のカメラ ・コンピュ

ータシステムでは,不 可能であった種々の状況下で

の動態機能の観測が可 能 になった。 この ことは,核医学 に新 しい分野

を持 た らす ものであると考 える。 1

)HofferPB,Berge

文 献

rHJ,Steidley∫,etal:Aminia‑

turecadmium

telluridedetectormoduleforcon‑

tinuousmonitoringofleftventricularfunctio n.

Radiolgy138:477481,198

1.

2)OwenJE,Wal

kerRG,WillemsD,etal:Cadmium telluridede

tectorsinexternalmeasurementof glomerular

filtrationrateusingTc99m DTPA (Sn):com

parisonwithCr51EDTAandTc99m DTPA (S

(6)

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6)

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Clidecardiacmonitoringsystem usingdualcad‑

mium telluride (CdTe)detectors:specification andsomeclinicalapplications.NucIMedCom一 munications:inpress.

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tionofleftventricularfunctionuslngaCadmium tellurideprobe.Nu

c

IMed25:A 4748,1986. 12)

井出 満,兼本威武,五島雄一郎,鈴木 豊 :テル

ル化カ ドミウムを用いたシングルプローブによる左

室機能の計測.核医学

23:16751682,1986.

参照

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