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光ファイバーを用いた歯肉縁下歯石検出装置の開発と臨床応用への可能性

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Academic year: 2021

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光ファイバーを用いた歯肉縁下歯石検出装置の開発

と臨床応用への可能性

著者

加藤 翼

52

学位授与機関

Tohoku University

学位授与番号

歯博第873号

URL

http://hdl.handle.net/10097/00130027

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論 文 内 容 要 旨

【緒言】 歯肉縁下歯石の正確な探知は歯周基本治療およびSupportive Periodontal Therapyの治療結 果に直結するが,手用器具を用いた方法は熟練を要するため,術者間で検出率に差が生じやすい。そ こで我々は半導体レーザーと光ファイバーを用いて歯石を検出する装置を開発した。本研究では臨床 を想定して本装置の歯石検出能を検証した。 【材料および方法】 当装置の歯石検出特性を,ピンホールを形成したステンレススチール箔と抜去 歯を使用して評価した。また,光ファイバーの先端を加工して5種の異なる先端形状とし,それぞれの 光ファイバーの抜去歯上の歯石検出効率を評価し,歯石検出効率が最も良好となる光ファイバーの先 端形状について探索した。さらに歯石のついた抜去歯を使用した歯列模型を歯石検出装置にて探索し, 通常の歯周プローブを使用した場合と比較して歯石検出率を評価するとともに,感度と特異度につい ても考察した。 【結果と考察】 ピンホールを形成したステンレススチール箔を使用した実験の結果,本装置では 100µm離れた距離から直径300µmの大きさの歯石を検出することが可能であった。また,光ファイバー の先端形状の変化は歯石の検出効率に影響を及ぼし,ファイバー先端を光軸に対して45°の角度で切断 すると,ファイバーを出たレーザー光が方向づけられることにより,局所的に強い光強度を得ること が可能となり,ファイバー先端側面において良好な歯石検出効率を得られることが判明した。歯石の ついた抜去歯を使用して製作した歯列模型に対してプロービングを実施した結果,術者間で差はある ものの,全体として当装置を使用することにより,通常の歯周プローブを使用した場合と比較して, 歯石検出率の向上がみられた。その傾向は特に歯石の探知が困難となりやすい根尖側1/3に存在する歯 石について強くみられた。さらに,当装置の感度および特異度については特に特異度,すなわち歯石 の存在しない部位を正確に同定することに威力を発揮する傾向がみられた。 氏 名(本籍)   : 加か 藤とう   翼つばさ(青森県) 学 位 の 種 類  : 博 士  ( 歯 学 ) 学 位 記 番 号  : 歯 博 第 8 7 3 号 学位授与年月日  : 令和 2 年 3 月 25 日 学位授与の要件  : 学位規則第4条第1項該当 研 究 科 ・ 専 攻  : 東北大学大学院歯学研究科(博士課程)歯科学専攻 学 位 論 文 題 目  : 光ファイバーを用いた歯肉縁下歯石検出装置の開発と臨床応用への可能性 論 文 審 査 委 員  : (主査)教授 佐々木 啓 一 教授 鈴 木   治   教授 小 関 健 由

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- 2 - 【結論】 以上より,我々が開発中の歯石検出装置は歯肉縁下歯石,特に検出が困難となりやすい根 尖部付近に存在する歯肉縁下歯石の検出率向上に寄与すること示唆された。また特異度が高いことか ら,当装置を使用することによってスケーリング後に歯石が除去できた部位や,もともと歯石が存在 しない部位をより正確に同定することが可能となり,不要なスケーリングの実施を回避することが可 能となることによって,歯周組織の負担軽減に寄与することが期待できる。 さらに実用化することにより,我が国で臨床現場において使用できる歯石検出装置の選択肢を増や すことにつながることが示唆された。

審 査 結 果 要 旨

歯周病の治療・管理においては,歯垢・歯石等の感染源の徹底的な除去が求められる。しかしなが ら現在用い垂れている手用器具での歯肉縁下歯石の探知は熟練を要し,術者間での歯周病の治療成績 の差にも直結している。そのため歯周基本治療およびSupportive Periodontal Therapyをより確実なも のとするためには,術者の技術,熟練度に左右されない客観的な歯肉縁下歯石の正確な探知技術の開 発が求められている。 本研究は,光ファイバーを介してレーザー光を照射し,歯周ポケット内に存在する歯肉縁下歯石を 探知する装置の臨床導入を目的としたトランスレーショナル研究である。すなわち,これまで技術開 発を進めていた本装置の歯石検出能を,臨床を想定して条件下で検証したものである。 実験では,本装置の歯石検出特性を,ピンホールを形成したステンレススチール箔と抜去歯を使用 し評価している。また光ファイバー先端を加工して5種の異なる形状とし,それぞれのファイバーの歯 石検出効率を評価し,検出効率が最も良好となる先端形状について探索している。さらに歯石の付着 した抜去歯で作成した歯列模型にて,本装置による歯石検出率と通常の歯周プローブを使用した場合 とを比較するとともに歯石検出の感度と特異度について評価している。 その結果,ピンホールを形成したステンレススチール箔を使用した実験から,本装置では100µm離 れた距離から直径300µmの大きさの歯石を検出することが可能であることが示された。光ファイバー の先端形状については,ファイバー先端を光軸に対して45°の角度で切断したものがすると,ファイバー 先端側面において良好な歯石検出効率を得られることが判明した。これはレーザー光が方向づけられ ることにより,局所的に強い光強度を得ることを可能としたためと考察している。歯列模型に対して プロービングを実施した結果,術者間で差はあるものの,当装置を使用することにより,通常の歯周 プローブを使用した場合と比較して,歯石検出率の向上がみられることを明らかとした。特に,歯石 の探知が困難となりやすい根尖側1/3に存在する歯石について有効であった。感度,特異度については, 特に特異度が高いことが明らかとなり,歯石の存在しない部位を正確に同定することに威力を発揮す る傾向がみられた。 以上の知見は,開発中の歯石検出装置が歯肉縁下歯石の検出率向上に寄与すること,さらに特異度 が高いことから不要なスケーリングの実施を回避しうること等,臨床応用上の特徴を明らかにした。 これらは,今後の歯周病臨床における本歯石検出装置の有効性を示したものであり,歯科臨床の向上 に大きく寄与するものである。 よって,本論文は博士(歯学)に相応しいものと判断される。

参照

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