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今 田 正

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Academic year: 2021

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(1)

少 数 株 主 持 分 の 論 理 的 性 質   − 公 表 連 結 財 務 諸 表 制 度 の 性 質 に 関 連 し て

連結公表会計制度のもつ性質を究明するにあたっての一つの重要な課題は︑連結財務諸表作成における連結諸概念・

論理のもつ性質を明確に位置づけ︑その現実の会計的性質を解明することである︒それは連結諸概念・論理の公表

会計制度に現実に機能する論理性︑会計性のうちにこそ論理的構築物としての連結公表会計制度の性質が顕在化せし

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)

概念は連結実体という仮構的︑会計的実体とに関わるとともに個別的︑法律的実体とに関わる概念として︑そのもつ

論理性と現実に作用する会計的性質は連結財務諸表のもつ会計的・制度的性質を十分に示唆している︒

ノ本来︑少数株主持分は︑端初的には財務諸表連結の計算機構上発生する一会計項目であり︑﹁連結差額﹂勘定に似

た会計的性質のものである︒それゆえへ この会計項目を如何に概念化Lt一貫した連結財務諸表会計基準の論理体系

の中に位置づけるかが'連結会計理論上の重要な問題とせられている︒しかも少数株主持分を連結財務諸表上如何な

= (p oi nt  o f  vi ew ) ' (i nt

(2)

︒ 円 ︒

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13

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たとえば棚卸資産に含まれる会社間振替利益︑

連結剰余金の評価基準に

かかわり︑連結資産︑負債︑資本(利益)の額に現実的会計的効果を及ぼすものである︒したがって︑少数株主持分

概念はか﹀る会計効果との密接な関連のもとで︑連結財務諸表論理の体系化のうちに位置づけられているのであるD

本稿では︑まず少数株主持分の概念化・論理化の過程を少数株主持分評価問題との関わりでその論理内容を明らか

ついで︑乙の少数株主持分の概念化および評価問題の現実的︑会計的意味を検討することによって︑少数株主

持分概念化をめぐってそれにもられた論理のはたす役割・作用を考察し︑少数株主持分の会計的性質を解明する︒

﹁少数株主持分﹂概念の制度性

親会社が子会社について一

OO%

以下の所有持分の取得をなす場合︑子会社の所有持分は親会社持分とその株式の

取得がなされなかったところの株主持分とに分かたれ︑これら外部株主持分は一般に﹁少数株主持分﹂

( S E R

O B 古 門

m ごとよばれる︒少数株主持分は子会社に対する多数株主持分(親会社持分)

の比例的持分

(O

AE

C

)

をもつのであるから︑子会社の株主持分は当然に二つの要素付親会社持分︑ω少数株主持分

(

2

51 EZ

ω円)に従って

とからなる︒すなわち少数株主持分は子会社純資産のうちの少数株主の株式持分相当部分であり︑子会社純資産

から親会社﹁投資﹂勘定と相殺・消去された﹁親会社持分﹂を差し引いた残余部分である︒少数株主持分は親会社が

子会社株式の一

00%

以下の取得をなす場合医︑連結会計上に生起し︑子会社の純資産に反映せる非対照項目

4i

 

O R B

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σg gC

としての持分である︒かくして︑まず少数株主持分は財務諸表連結の計算機構において﹁関

~

(

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O

Bω

)

概念を媒介とする﹁親会社投資勘定を子会社純資産をもって代置せしめる﹂

(3)

乙とから生ずる一会計項目である︒

一 方

関係会社グループの一子会社の株弐所有(己o04

R ω ︿ ロ

庄司)を表わすものであり︑

その持分はグループの会社

に対する株式の保有

(F oE Em ωF Rg )

から生起する︒したがって少数株主は︑自己の持分︑配当可能資産についての

測定はその佃別的会社においてなされなければならないのであり︑少数株主はその財政状態について所与の個別会社

から測定しなければならないのであって︑けっして親会社ないし連結グループ

( 8

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)

( d

o

ω o EH OR OO Bu

mロ可)については法律的概念はかえて経済的のであるなんとなれば︑D

グループU実体の概念がとられるのであって︑少数株主持分の法的持分は無視されるのである︒かくして少数株主持

分は﹁述結実体に含められた持分﹂であり︑﹁連結会計上の一勘定・項目﹂であるというのが少数株主持分の︑問題

の出発点における怠味である︒したがって少数株主持分の問題は︑この財務諸表連結によって生ずる︑子会社純資産

における残余持分(吋

OB ωZ Em

ZZ円︒己)としての少数株主持分

勘定部分を如何に会計上︑位置づけるかの問題と. H

なってくる︒ところで︑この論理化の基本は主要二つの立場に区分できる︒それは少数株主持分をして︑ハ門外部負債

( O E z m W E E g )

とみるか︑同連結︑グループ

( g D ω

o

)

いま︑少数株主持分は迫結貸借対照表上において次の三つの項目に区分︑表示される︒

負債として表示する方法

洋負債として︑負債と株主持分(資本)との中間項目として表示する方法

株主持分(資本)として表示する方法

少数株主持分を負債として区分するということは少数株主を債権者の地位に置くことを意味する︒しかるに少数株

主はいかなる芯味においても債権者ではないのであり︑少数株主持分は債権者持分ではないのである︒これは連結財

少数株主持分の論理的性質

(4)

務諸表は親会社株主の観点から作成されるものであるとし︑多数株主持分を強調する﹁多数株主持分の観点﹂つヨ旦︒?

芹可古芯3

io

当)をとるもので︑少数株主持分はアウト・サイダーにすぎないとする立場である︒少数株主

持分を負債ないし準負債とみなす立場では︑少数株主持分は無視されて︑連結財務諸表は︑全ての持分および収益は

多数株主持分に属するものとして作成されるD

アメリカ連結財務諸表論の支配的理論のとるのは第同法

Dこの立場は︑少数株主持分をして多数株主持分と同等の所有主持分(旬吋名ユ巳2

σ目

γとする﹁実

qL 

( 4 8

MUOE

i o

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)

体理論﹂に立った多数株主持分l少数株主持分の﹁結合の観点﹂

法の立場をとる﹁多数株主持分の観点﹂に対置される︒

多数株主持分i少数株主持分の﹁結合の観点﹂の論理をとれば︑少数株主持分は連結貸借対照表上において︑多数

株主持分と同等の位置に表示されることになる︒同様に︑この﹁観点﹂をとれば︑

は多数株主持分および少数株主持分部分とから成り︑

(

doロ

ωo

Z 仏

m w件 ︒ 仏

H U

ω ω )

は多数株主持

分と少数株主持分とに配分されるという性格のものになる︒﹁子会社の株主は企業実体の全持分についてその一部を

拠出しており︑かれらは︑それに含まれる子会社に対して請求権をもつのである︒かくて︑かれらの持分および利益

円 ︒

に対する比例分が連結財務諸表上に表示さるべきである︒﹂というのである︒か﹀る﹁実体理論﹂を提唱するM

ニッツ(冨

0

0ロ席︒の主張内容を示せば次のごとくである︒﹁われわれの基本的前提に従えば︑連結貸借対照表は単

一の営業体としてとりあつかえる一体としての関係︑グループ

( g

E

EZ

OC

HU

)に割当られることのできる資産︑

負債を表示するものである︒純資産ないし資本勘定は︑したがってグループ全体の純資産である︒・:・:少数株主持分

が存在する場合︑純資産の全額を又旬的持分に帰属させることは誤りであり︑支配的持分額は純資産合計からの控除

Aをもって表示されなければならない﹂と︒そこで︑ムlニッツのかかげる各持分の表示形式を示せば次のごとくであ

(5)

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さらにムiニッツは次のようにいう︒﹁少数株主持分を負債として表示することは実体論的アプローチと一致しな

い︒関係グループの基本的特質はその経済的一体性にある︒その株式持分がいかげい配分されるかは二次的なものであ

る︒グループの本質的一体性は少数株主持分の存在の如何によって乱されないばかりか︑資産・負債の額は子会社にお

kける所有比率の変化によって修正されるものではな勺﹂﹁連結財務諸表の第一の目的は少数株主への情報の提供 戸 同υ

円 ︒

あるのではない︒少数株主持分を含めるのは支配的持分の大きさが過大表示されるのを防ぐ点に︑その目的がある︒﹂

﹁実体理論﹂によれば︑少数株主持分は︑けっして特定の資産に結びつけらh/

tその結果として企業資本の部分となるというのである︒多数株主持分︑少数株主

資産についての所有主持分をもち︑

持分は共に全体としての資本︑負債についてエクウィティーをもつにすぎないのである︒関係会社の純資産総計は﹁

実体﹂にとっての純資産であって︑雨後︑全ての株主に比例配分されることになる︒さらに︑連結純利益の測定は株

(6)

七八

主グループへの利益の持分の配分から独立したものとされるのである︒すなわち︑その論理の中軸をなすのは﹁経済

( 0 8 5

自芯

g t q )

である︒﹁経済的実体﹂をもって会計主体となし︑各株主持分は乙の﹁実体﹂にとって

の総資産について比例的持分をもつものであるとするのが理論の骨子であって︑少数株主持分は連結資産︑負債︑資

本(利益)の額の決定に影響を及ぼさないとする点に論理としての帰結がある︒したがって︑乙乙にもられたものは︑

連結財務諸表の論理体系の一環に位置づけられた少数株主持分の概念化であって︑直接に少数株主持分の会計実務に

おけるあり方を規定するものではない︒ちなみに︑アメリカ連結会計実務の傾向は少数株主持分の表示について︑理論

としての主流的傾向にもかかわらず︑第同法を採るものは極めて少数である︒AICPAの一九五六年の調査

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58・)によれば︑第UV法負債として表示するも

のは︑少数株主持分を表示している会社八五のうち二三社︑第料怯準負債とするもの五六社で︑第同法の株主持分と

nして表示するものは八五社のうち︑僅か三社にすぎないのである︒また以上のような少数株主持分の述結貸借対照表

いかなる論理体系をとるにせよ︑論理上の表示実務の多様性こそ少数株主持分の会計的性質を反映せるものであり︑

体系の一環としての少数株主持分の概念・理論は直接にそのうちに実務の多様性を規定できないのである︒

現された一項目である︒それは何ら︑ このように︑少数株主持分概念は︑特殊︑連結会計方式のうえに成立したものとして︑連結貸借対照表貸方側に表

それ自体﹁少数株主﹂なるものの現実的・経済的過程を内容的に反映せるもの

ではなく︑財務諸表連結の会計方式から派生し︑連結財務諸表上に作り上げられ︑位置づけられた制度的なものであ

る︒それは制度的擬制を・つけた会計概念であって︑その会計的実質は公表連結財務諸表上において作用する会計的機

能にあるといわねばならないD

(7)

(組3w. H. Chi1ds, Consolidated Finacial Statements, 1949, p.96. 

~ Ibid., p.54. ofJW. H. Childs QEQ判眠中ベJl'‑(d‑4lQJ....)ド,M. Moonitz and L. H. Jordan, 

Accounting, 1964, p.277.; W. E. Karrenbrock and H. Simons, Advanced Accounting: Standard 

Volume, 1962, p.195.;一一,Advanced Accunting: Comprehensive Volume, 1968, p.316. F. Jr. Lauderdale, The Accounting Status of Minority Shareholders in Conso1idated Financial 

Statements, 1966, p.42. 

EM. MoonitzThe Entity Approach to Conso1idated Statements," Accoll1z!inll.Revie't', Vol. XVII 

(July1942) , pp.241‑2. 

ee Ibid., p.242. W. H. Chi1ds, op. cit., p. 55. S. R. SapienzaThe Divided House of Conso1idations," Accoun!in'Revie'DVo1. XXXV (]uly1960), 

p.505. 

11 r令索活挙制法令」罷やQ程副主E割削

\'~~' r令ま茶話州浩司ミ」握t~Q起邸時Jr~~<U4:M~~手;U:;J~孔)-41之さ小器5否認式組以〈旧制-kt{d r‑K:指定湖J(inter‑

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召ご話i*ヰ割程*1jvt{drfJ1K母国程JQ十+4H523包括i*均Q~日制定十14うも}制課弐J...Jド腿思判長時。斗-\1トト主主指定潤

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令実話挙制時余Q程割程記む-\J~

(8)

/¥ 

持分ならびに外部持分のそれぞれの大きさにとらわれずに関係会社間振替利益を取除く必要がある︒すでに一体的営

業の範囲の存在が明らかになってしまっている場合には︑支配的勢力ならびに外部勢力のそれぞれの持分の割合が重

要となるのは︑連結資本と連結利益を配分する場合だけであり︑それらの総額を決める上にはなんらの重要性ももたな

QU  

いのである

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すなわち︑ムlニッツは少数株主持分というものは連結資産︑負債︑全資本のそれぞれの大きさの決

定に対して何ら影響をおよぼすべきではないと主張するのである︒連結資産︑負債については︑少数株主持分と多数1株主持分とをまったく同じに取扱って差っかえない︒換言すれば︑少数株主持分の存在は無視されるというのである︒

そしてこの主張を導きだす論理的前提として設定されるのが二体的会社グループ

(ω

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8

5 H u m

g )

の﹁経済的実体﹂ないし﹁会計的実体﹂の論理である︒そして乙の﹁経済的実体﹂ないし﹁会計的実体﹂が会計主

体とされ︑連結資産・負債および連結純資産はこの会計的実体に帰属せしめられて︑各株主持分はそれに対して比

( ω

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吋向洋内山門目︒旬︒吋

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体﹂であり﹁会計的実体﹂である︒少数株主持分は︑この﹁同系体全体の資本﹂としての連結資本の一部とみなされ︑ 例的持分を有するにすぎないとされるのである︒﹁一体的営業の範囲﹂

その独自性が否定され︑それをもって内部利益の完全消去を主張するのである︒

以上からも知れるように︑lニッツにあっては︑要するに︑連結財務諸表は本来的に親会社財務諸表ではない口

それは二つの資本主持分区分すなわち多数株主持分(ないし支配的持分)および少数株主持分からなる企業実体

( ω

σω ωg

OCE己の財務諸表であると主張するのである︒これに対し︑AICPA(

ωg

O

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・臼)はつぎのように述べる︒﹁連結財務諸表の目的はおもに親会社の株主および債権者のた

めに︑親会社および子会社のグループが︑あたかも一つないしそれ以上の支活ないし部門をもった単一の企業(白色・

HHH その営業成果および財政状態を表示することにある﹂と︒そして︑﹁消去される内部利益

m z g B

ω

)

(9)

ないし損失の額は少数株主持分の存在によって影響されない︒内部利益ないし損失の完全消去は︑連結財務諸表は単

( ω

m 包 ロ

z σ

ω

Eg ωg gG

ω σ )

の財政状態および営業成果を表示するものであるという基本的仮定と一

致する﹂と︒親会社の観点からすれば子会社の活動は事業部ないし支庖の活動とみることができる︑しかるに事業部な

いし支屈は法的にも経済的にも一つの会社の部分にすぎないのであり︑したがって連結においてはそれぞれの会社の

法的個別性は捨て去られて︑経済的単一性がとられるというのである︒ここでは親会社および子会社グループが単

一の企業体

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D

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である乙とが強調せられ︑この﹁単一の企業

体﹂の論理をもって︑内部利益の完全消去が主張されるのである︒

かくてもはや︑内部利益の完全消去は連結財務諸表の﹁実体理論﹂的アプローチに特有なものでなく︑

A

M 司

業体﹂の論理をもっても主張せられうるのである︒

ところで︑乙の内部利益消去の会計処理の方法はつぎの三に要約できる︒第付法︑内部利益の全額を消去し︑その

全額を親会社多数株主持分に負担せしめる方法︑第∞法︑内部利益のうち親会社多数株主持分比例限度を未実現部分

持分とに比例配分し︑負担せしめる方法︑ とし︑少数株主持分比例相当部分は実現利益とみなす方法︑第同法は内部の全額を消去し︑多数株主持分と少数株主

乙れである︒いうまでもなく︑第同法による場合︑表示連結札益は最も大

きくなる︒第付法︑第同法の持分額︑すなわち表示連結利益は同額である︒

子会社から親会社への売上げにともなう棚卸資産に含まれる利益については親会社の子会社にたいする株式保有比

一般的方法である︒しかもこの方法は︑率の如何にかかわらず全額消去するというのが︑AICPA調査においても︑

一体的企業の観点(ロ巳出包

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理にも合致するのである︒かhる観点からすれば︑会社間取引にともなう棚卸資産に含まれる内部利益の全額が消去

少数株主持分の論理的性質

J¥ 

(10)

され︑多数株主持分から減額されることになる︒その結果は︑全消去額を負担する多数株主持分は﹁過少﹂に表示さ

﹁連結﹂'の観点からすれば﹁過大﹂に表示

一方少数株主持分は売上会社からは正しく評価される乙とになるが︑

されることになる︒同様に︑子会社から親会社への売上げによる棚卸資産に含まれる内部利益について︑ある会社に

あっては親会社多数株主持分のみを消去する︒いうまでもなく︑親会社の持分比率を限度に消去することは完全消去

の場合より資産は高く評価される︒乙の資産への付加額分は︑棚卸資産に含まれる少数株主持分相当の内部利益と均

街せしめられることになる︒これは︑棚卸資産は﹁連結﹂企業の観点からは少数株主持分相当分だけ﹁過大﹂に表示

されているD一方少数株主持分は︑個々の売上げ会社の観点からは正しく評価されるとしても︑﹁連結﹂の観点から

は﹁過大﹂に評価されることになる︒そもそも﹁速結﹂の観点からすれば︑少数株主持分は一つのより大きな﹁企業

体﹂の一株主持分区分として取扱われ︑かかる観点からはいかなる利益も実現したものとはならないのである︒

そこで︑乙れら内部利益消去の会計処理法を連結貸借対照表上における少数株主持分表示とに関述せしめてみれ

ば︑前述のごとく少数株主持分は負債︑準負債あるいは株主持分とに区分されえた︒会社間取引にともなう棚卸資産

に含まれる少数株主持分に帰属する利益を実現したものとみなすことは︑棚卸資産を少数株主持分相当額だけ高く表

示し︑貸方の﹁少数株主持分﹂という負債ないし準負債と相殺せしめる︑すなわち両建することを芯味するDしかる

に︑先にも指摘せるごとく少数株主持分はいかな意味においても︑それに負債性を付与することは困難であるDかく

していかなる﹁観点﹂H論理をとるにせよ︑それは少数株主持分を負債ないし準負債として処理する会計実務につい

て論理上の矛盾に陥らざるをえない︒そ乙で﹁未実現利益﹂概念を基軸として内部利益の完全消去という会計効果を

維持しつつ︑少数株主持分の論理化をはからんとするものが第同法に他ならない︒少数株主持分が株主持分(丘

o o

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F0 50

ω23﹃)とし℃表示され︑棚卸資産に含まれる内部利益が全額消去される場合︑つぎには各々の持分の額を

(11)

いかに決定するかという点が問題となってくる︒AICPA会計研究公報五一号は棚卸資産に含まれる内部利益につ

いて多数株主持分と少数株主持分との取扱いを異にすることは︑少数株主の持分については実現利益として取扱う乙

とになり︑連結︑グループを一企業とみる(完O

80

ωω

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io

)

HHU その完全消去を主張した︒しかるにAICPAは︑その内部利益の全額を多数株主して評価されねばならないとし︑

持分にチャージするか︑あるいは多数株主持分と少数株主持分とに比例配分することを認めている︒しかしながら︑

多数株主持分のみに全額を配分することは︑その理論の前提と一貫性をもちえないし︑また︑内部利益を多数株主持

分と少数株主持分とに分けるということは自らの﹁一つないしそれ以上の支庖ないし部門をもった単一企業﹂の前提

HHHを破る乙とになるのである︒

以上︑まさしく少数株主持分の概念化における︑さらには少数株主持分論理化とその論理的前提との矛盾乙そ少数

株主持分評価の会計的意味をあらわし℃いる︒すなわち︑少数株主持分の概念規定や論理化にちられたものは︑少数

株主持分なるもののなんらかの現実過程を模写した概.念︑論理としてではなく︑連結財務諸表論理化の体系に位置づ

けられた少数株主持分の会計機能︑なかんずくその内部利益の全額消去を論理づける﹁論理﹂そのもの︑にほかなら

ないということである︒少数株主持分の評価とは︑この少数株主持分の会計機能ι結びついたその公表連結財務諸表

上の計上額が問題とされるのであって︑何ら少数株主の持分の測定が問題なのではない︒

(9) 

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(10) 

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lニツツ連結財務諸表論﹂

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8・前掲訳書︑一四八l

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少数株主持分の論理的性質 ()

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実体理論の論理破綻と資金理論

連結される子会社の株主︑すなわち少数株主のこれらの会社に対する法的権利lいわば︑少数株主の法的な実体的a

側面ーは連結財務諸表諸基準と矛盾する傾向にある口したがってこの矛盾点の﹁解決﹂が連結財務諸表会計基準の論

理化の一つの焦点をなす︒

前述のごとく︑実体論的アプローチをとるム!ニッツはご体的営業の範囲﹂が法的境界を越えた﹁経済的実体﹂

ないし﹁会計的実体﹂である乙とを主張し︑少数株主持分をこの﹁実体﹂にとっての持分l株主持分の一環として位

置づけ︑少数株主の独自性を否定し︑内部利益の完全消去を主張した︒か﹀る実体論のもとでは︑全ての株主は関係会

社の資産合計に対する対等の持分請求権者

( Z C

ω 冨

Bm 己

ω )

であるにすぎない︒株主グループの質的

優劣は無視され︑関係会社の純資産総計は全ての株主に比例按分されるべきものとなる︒(かくてムl

ニッツは﹁連

結資産・負債については︑少数株主持分と支配的持分とをまったく同じに取扱って差しっかえない︒いいかえれば︑

乙の場合には︑少数株主持分の存在は無視されるという乙とである︒しかしながら︑連結純所得ならびに連結資本を

どのように配分するかという点を決める場合には︑これらの総額はいくらかを算定する場合と異なり︑少数派のもつ

(13)

重要性を無視してしまう乙とはできない︒﹂﹁純所得を正しく配分するために一ばんてっとりばゃい方法は︑必要な

連結修正をできるだけ個々の会社の勘定に対してほど乙し︑連結報告書上で用いられる諸範隠に対してはなるべく手

をつけぬというやり方である︒たとえば︑P社が保有しているS社から取得した棚卸資産には一五︑000ドルの振替

利益がふくまれているとすれば︑まずP社の棚卸資産から一五︑

000

ドルを差引き︑他方︑連結剰余金には手をつ

S社自体の純所得から上の金額を差引くようにすべきなのである︒そこで︑S社における少数派持分

Oパーセントと仮定すれば︑同時分の計算は︑

υ山 戸引いた金額の一Oパーセントになる﹂と述べた︒ S社の報告純所得から関係会社間振替利益一五︑000ドルを差

このようなムiニッツの内部利益の各株主持分への配分処理について︑﹁資金理論﹂を提唱するWJ

lニッツ実体論の矛盾点を特に乙の点を引用して︑以下のように指摘している︒ヴァッターにー

よれば︑この場合︑少数株主持分は振替利益の一Oパーセントー一︑五00ドルだけ減額されている︒これは少数株主

l

(︿

ω2

0

)

の法的請求権は財務諸表の連結によって影響されないという事実に反する︒少数株主持分によって連結資産に課せら

(

g E o t

ロ)の額は少数株主が直接かかわる当該会社の帳簿上の法的持分と同額でなければならない︑とo

いうのである︒しかも︑もしこの一五︑

000

ドルの連結資産の減額が︑少数株主の法的持分を一定のままにして︑

全額多数株主持分にチャージされるとすれば︑

師 以

その結果︑同持分は一︑五

00

ドルだけ﹁過少﹂に表示されてしまう

このようなムlニッツにおける会計主体ないし会計範囲と計算処理基準との矛盾︑すなわち計算基準が二

つの会計主体にかかわり混在するという論理矛盾をヴァッタl

はつぎのように論理化する︒ヴァッタ

iは彼の資金

論の観点を主張していう︒連結資金としての持分の表示にあたっては︑諸資産を︑乙れと同じ観点からみることが必

J¥ 

(14)

LL¥ F

﹁法的実体﹂の原価をもって主張することは︑持分の﹁連結﹂の観点と合致し

ない︑原価概念は﹁連結原価﹂の概念に転換されねばならない︒それは会社間取引によって生じた少数持分をふくむ 要である︒棚卸資産評価基準として︑

﹁法的実体﹂の理論を連結財務諸表に適用せんとする場合︑当然そこにか﹀る性格の問題が生じる︒

これを解決する唯一の基準は︑連結財務諸表をもって︑資金としての実体を包括するものであって︑それは構成会社

の財務諸表の総合されたものではない︑というのである︒

周知のように︑ヴァッタiは会計理論と人格とを結びつけないという主張をもって︑彼の資金理論の論理的布石とな

している︒すなわち︑彼によれば︑資本主理論も企業実体理論も︑ともに会計理論の基礎を人格QRg

5 1 )

てよる点に弱点がある︒会計理論の基礎が人格におあれることになると︑会計報告書の内容が人格的な類推によって影

響を・つけることになる︒さらに企業実体理論についていえることであるが︑企業単位というものは普遍的に︑かつ厳密

な正確さをもって定義しうるものではない︒企業単位というのは結局のと乙ろ︑注意の範囲を規定する一手段にすぎな

い︒だから︑限定された特定の営業活動官庁ロ日誌ag

品切円︒

ωQ

ωS

H

2 Z 5 2 )

でも会計の対象となるの

である︒か﹀る単位は人格的な意味をもたないものでなくてはならないし︑同時にこの単位はその境界線を明確にし

うるものではなくてはならない︒乙の単位は各種の組織体︑各種の活動に適用せられ︑かつ会計が達成せんとする子

続や結果に対して一定の関係をもったものでdなくてはならない︒かような単位として妥当すべきものが資金なる概念

であか︑というのである︒このように︑ヴァッタlは完全に非人格的な意味において資金が会計実体であるというの

である︒さらに︑ヴァッタiは資金理論的見地は実体理論の一つの拡張されたものといえるもので︑会計の諸問題に

ついて人格的思考を捨象して︑むしろ統計的な観点を主張する︒したがって資金理論のもとでは︑会計の対象は資本

主でもなく会社でもない︒したがって︑か﹀る勘定によって包括される利害関係の範囲は組織の法的形態にとらわれ

(15)

ない︒その会計単位

( 2 8 5 H Z H M m E C

R g )

は資産グループ山はいしは︑か︑ふる諸資産の運用される営業活動領域で

・あるとし︑か﹀る資産グループをもって資金と呼ぶとしている︒ヴァッターにあっては︑人格的概念は排除せられ︑

資金単位が会計主体をなす︒しかもこの資金単位は営業種類と状況とに応じて任意に決定されるものである︒そこで︑

連結財務諸表についてつぎのようにいう︒

諸勘定は個々の会社の活動範囲を包括した一個の個別の資金単位において設定され︑運用されるのであるが︑連結

報告書は各個別の資金単位において記録された資料をば︑より包括的表示において︑結合し表示するものである︒そ

れは当該会社の記録は部分をなすにすぎないより拡大された資金単位を包括するものとして表示されるものである︒

かくして︑連結においてなされる調整および消去の手続は︑簿記手続のなされる資金基準の観点から︑より拡張され

た連結報告書の作成.される資金単位へと移行せられることによって必然的に伴われてくるというのである︒さらにヴ

lはいう口例えば︑収益概念は企業の観点から関係会社の観点へ移行する︒すなわち単一会社としての資金単

位にとっての収益は関係会社の観点からみる場合︑収益とはならないであろう︒資産および持分の意味は採用される

資金概念の拡大化にともなってある程度変化せしめられる︒また資本主持分および利益の概念は通常の企業の場合に

適用されるものとはっきり異ってくるど︒

そ乙で︑乙の﹁資金概念の拡大﹂による連結貸借対照表の持分概念の資金理論による論理化に着目すれば︑ヴァッ

ターは﹁連結剰余金﹂勘定についてつぎのようにいうのである︒まず﹁連結剰余金﹂項目は現実には連結剰余金に対

する多数株主持分を示すにすぎないのであるが︑これは︑資本主理論をとったところから帰着するという︒資金理論

的には︑少数株主持分といえども連結企業U資金の観点かラりすれば︑剰余金項目であるとともに資本金を構成するも

のである︒このようにずァッターにあっては︑少数株主持分は連結企業U資金の観点からは資本金項目であり剰余金

少数株主持分の論理的性質

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