キーワード: グラフィックデザイン、デザインビジネス、デザイン経営、中小企業、経営環 境の激変
Keywords: graphic design, business design, design management, small and medium-sized enterprises, drastic changes in the business environment
要旨
令和 2 年、全国規模の企業に於いても地方の中小企業に於いても、経営環境の激変が起き ている。IT技術の進展による市場の変化に伴い消費者ニーズが不透明になっている。加え て、気候変動による大規模な自然災害などの影響によって、過去の経験や尺度が通用しなく なっている時代が訪れている。このような状況下に置かれた企業の業績向上と経営の存続に 向けた打開策として期待されるのが、「デザイン経営」である。デザイン経営宣言レポート は 2018 年から経済産業省・特許庁が推奨する「経営にデザインを取り入れるビジネスモデ ル」として全国に向けて発信されている。
昨今、グローバル企業に於いてはすでに導入されている状況もあり、様々な成功事例を見 る事ができる。だが、はたして、地方の中小企業を対象として、「デザイン」が事業・企業 経営の成功に導く「鍵」となるのか否か、「デザイン経営」というビジネスモデルが理解さ れ、企業経営者に受け入れられるのかは現時点では未知数ではあるが、その実践の為の方法 論の可能性を探り考察してみる。
Abstract
As of 2020, the business environment for both national and regional small and medium-sized enterprises (SMEs) has changed drastically. Consumer needs are becoming less clear due to changes in the market caused by advances in information technology. In addition, we are entering an era in which past experiences and metrics are no longer valid due to the influence of large-scale natural
中小企業を対象とした「デザイン経営」の可能性の研究に関する考察
An investigation of the possibility of “design management”
for small and medium-sized enterprises
岩上 孝二 Koji IWAGAMI
崇城大学芸術学部デザイン学科教授
Professor, Department of Design, Faculty of Art, Sojo University
被害が生じている。
その時代や分野において当然の事と考え られていた認識や社会全体の価値観などが 劇的に変化するパラダイムシフトである。
一方で消費者目線のマーケティングで は、世の中はまさにコモディティ化してい ると言える。「コモディティ」とは日用 品、一般的な商品という意味であるが、日 本国内の製造業、販売業、サービス業の
「質」「製品・商品」「サービス」は、良く て当たり前の時代になり商品の差別化の開 拓、サービスの差別化への模索が大きな課 題だと言えるだろう。
このような社会の変化と、これからの社 会にどう対応し得る企業経営のあり方に、
いかに刷新すべきかという方法論である
「デザイン経営」の導入は、地方の中小企 業経営にこそ、必要なミッションであると 考える。
本稿では、デザイン領域の新しいフェー ズとしての可能性として「中小企業を対象 とした『デザイン経営』」の枠組みと実践 の可能性を理論的に考察する。
本論
そもそも何故、デザインが経営に必要な のか。
デザインは何らかの目的の為に発生し、
その目的の要望・答えを情報化し視覚化す る行為として存在している。そこには依頼 者の思いや美意識と、デザインを具現化す るクリエイターやデザイナー目線による目 的に沿った分析と美意識を含ませ、デザイ ンは「カタチ」となって誕生し成立してい
る。その結果、経済活動に於いては売り上 げ向上、業績向上に繋がった事によって経 営サイドからの評価が上がる。そしてユー ザー・消費者の指示を得られるという事で ある。
この図式はこれまでは当たり前の事で あったが、前述したように社会の大きな変 化と共に、マーケティングの複雑化、先の
見えないVUCA(注 1)の時代に対応するた
めにも、企業経営は取り組み方を変えてい かなければならない状況にあると言われる 中、デザインシンキングによる課題解決の 方法論はビジネスの現場に於いては、既に 実践され成果を重ねている実例が多々見受 けられるが、デザインの表現のみならず、 その構築に至るロジックを含めた「デザイ ンの力」を、まさに企業経営に活用するビ ジネスモデルが「デザイン経営」である。 その「デザイン経営」によって本当に効 果を見出せるのか、企業競争力に「デザイ ンの力」をどう活用できるのか、どうすれ ば会社の雰囲気が良くなるのか、などの独 自の方法論を論述してみる。
1
デザイン領域の広がりデザインは「モノ」から「コト」へと、 その領域は社会の要求とともに、視覚表現 の領域に止まらず大きな広がりを見せてい る。ソーシャルデザイン、サービスデザイ ンなど、問題解決の為の「独創的なアイデ ア」や「仕組みのデザイン」として機能し ている「コト」のデザインは、デザインシ ンキングを骨格にデザイナーならではの視 点による「気づき」「分析力」「構築力」 disasters caused by climate change. “Design management” is expected to be a breakthrough measure
for sustaining the operations of companies under such circumstances and improving their business performance. Since 2018, the Design Management Declaration Report has been disseminated nationwide as a business model that incorporates design into management, as recommended by the Ministry of Economy, Trade and Industry and the Japan Patent Office.
Recently design management has been successfully implemented in a variety of companies around the world. However, it is not yet known whether design will be the key to the success of SMEs, or whether the business model of design management will be understood and accepted by corporate managers Therefore, this paper will investigate the possibility of a methodology for its implementation practice.
はじめに
デザイン経営とは、デザインの視点とデ ザインの思考論で、課題発見から課題解決 への方法論の構築など変革へ向けて「デザ インの力」を企業経営に活用するシステム である。2018 年 5 月経済産業省・特許庁が 産業競争力向上にデザインの重要性を掲 げ、「『デザイン経営』宣言」というレポー トを発表し産業界に向けて導入の検討を推 進している。
しかしながら「デザイン経営」と聞いて も地方都市の中小企業経営者には、なかな か理解しがたい馴染みの無いワードであ る。
2020 年、日本は東京オリンピック・パ ラリンピック競技開催に向けて、大会組織 委員会、東京都、国から大規模な予算が組 まれ着々と準備が整い、多くの国民は長く 続いているデフレ脱却の起爆剤として期待 していたであろう中、新型コロナ感染症
(武漢コロナ・COVID-19 )が世界規模で 瞬く間に蔓延し、現代人が今までに経験し た事の無い状況に陥っている。人々の生活
が一変し、経済は大打撃を受けて多くの人 が対応に戸惑い、途方に暮れている。これ までの暮らし方、働き方や環境を余儀なく 変えなければならない事態に陥っている状 況が続いている。近い将来、処方薬・ワク チンの開発・投与によって鎮静化に向かう であろうが、アフターコロナとしての対 応、対策と共存を受け入れなければならな いウイズコロナの時代が訪れると予測され ている。
中小企業経営者にとっては、影響の直撃 を受ける業態も数多くある中、殆どの業種 が 2 次的、3 次的影響を受けている状況 下、地方経済は事業継続へ向けて必死であ る。
激動の 2020 年である。21 世紀に突入し て 20 年、「新世紀への移り」を様々な場面 で実感している。世代間の価値観の違いは いつの時代にもあった事ではあるが、その 変化にスピードが増して、更なるITの普 及と進化、AIの台頭など、又地球温暖化 の影響であろう大規模自然災害が発生し、
近年 毎年日本列島に於いても大きな災害
被害が生じている。
その時代や分野において当然の事と考え られていた認識や社会全体の価値観などが 劇的に変化するパラダイムシフトである。
一方で消費者目線のマーケティングで は、世の中はまさにコモディティ化してい ると言える。「コモディティ」とは日用 品、一般的な商品という意味であるが、日 本国内の製造業、販売業、サービス業の
「質」「製品・商品」「サービス」は、良く て当たり前の時代になり商品の差別化の開 拓、サービスの差別化への模索が大きな課 題だと言えるだろう。
このような社会の変化と、これからの社 会にどう対応し得る企業経営のあり方に、
いかに刷新すべきかという方法論である
「デザイン経営」の導入は、地方の中小企 業経営にこそ、必要なミッションであると 考える。
本稿では、デザイン領域の新しいフェー ズとしての可能性として「中小企業を対象 とした『デザイン経営』」の枠組みと実践 の可能性を理論的に考察する。
本論
そもそも何故、デザインが経営に必要な のか。
デザインは何らかの目的の為に発生し、
その目的の要望・答えを情報化し視覚化す る行為として存在している。そこには依頼 者の思いや美意識と、デザインを具現化す るクリエイターやデザイナー目線による目 的に沿った分析と美意識を含ませ、デザイ ンは「カタチ」となって誕生し成立してい
る。その結果、経済活動に於いては売り上 げ向上、業績向上に繋がった事によって経 営サイドからの評価が上がる。そしてユー ザー・消費者の指示を得られるという事で ある。
この図式はこれまでは当たり前の事で あったが、前述したように社会の大きな変 化と共に、マーケティングの複雑化、先の
見えないVUCA(注 1)の時代に対応するた
めにも、企業経営は取り組み方を変えてい かなければならない状況にあると言われる 中、デザインシンキングによる課題解決の 方法論はビジネスの現場に於いては、既に 実践され成果を重ねている実例が多々見受 けられるが、デザインの表現のみならず、
その構築に至るロジックを含めた「デザイ ンの力」を、まさに企業経営に活用するビ ジネスモデルが「デザイン経営」である。
その「デザイン経営」によって本当に効 果を見出せるのか、企業競争力に「デザイ ンの力」をどう活用できるのか、どうすれ ば会社の雰囲気が良くなるのか、などの独 自の方法論を論述してみる。
1
デザイン領域の広がりデザインは「モノ」から「コト」へと、
その領域は社会の要求とともに、視覚表現 の領域に止まらず大きな広がりを見せてい る。ソーシャルデザイン、サービスデザイ ンなど、問題解決の為の「独創的なアイデ ア」や「仕組みのデザイン」として機能し ている「コト」のデザインは、デザインシ ンキングを骨格にデザイナーならではの視 点による「気づき」「分析力」「構築力」
disasters caused by climate change. “Design management” is expected to be a breakthrough measure for sustaining the operations of companies under such circumstances and improving their business performance. Since 2018, the Design Management Declaration Report has been disseminated nationwide as a business model that incorporates design into management, as recommended by the Ministry of Economy, Trade and Industry and the Japan Patent Office.
Recently design management has been successfully implemented in a variety of companies around the world. However, it is not yet known whether design will be the key to the success of SMEs, or whether the business model of design management will be understood and accepted by corporate managers Therefore, this paper will investigate the possibility of a methodology for its implementation practice.
はじめに
デザイン経営とは、デザインの視点とデ ザインの思考論で、課題発見から課題解決 への方法論の構築など変革へ向けて「デザ インの力」を企業経営に活用するシステム である。2018 年 5 月経済産業省・特許庁が 産業競争力向上にデザインの重要性を掲 げ、「『デザイン経営』宣言」というレポー トを発表し産業界に向けて導入の検討を推 進している。
しかしながら「デザイン経営」と聞いて も地方都市の中小企業経営者には、なかな か理解しがたい馴染みの無いワードであ る。
2020 年、日本は東京オリンピック・パ ラリンピック競技開催に向けて、大会組織 委員会、東京都、国から大規模な予算が組 まれ着々と準備が整い、多くの国民は長く 続いているデフレ脱却の起爆剤として期待 していたであろう中、新型コロナ感染症
(武漢コロナ・COVID-19 )が世界規模で 瞬く間に蔓延し、現代人が今までに経験し た事の無い状況に陥っている。人々の生活
が一変し、経済は大打撃を受けて多くの人 が対応に戸惑い、途方に暮れている。これ までの暮らし方、働き方や環境を余儀なく 変えなければならない事態に陥っている状 況が続いている。近い将来、処方薬・ワク チンの開発・投与によって鎮静化に向かう であろうが、アフターコロナとしての対 応、対策と共存を受け入れなければならな いウイズコロナの時代が訪れると予測され ている。
中小企業経営者にとっては、影響の直撃 を受ける業態も数多くある中、殆どの業種 が 2 次的、3 次的影響を受けている状況 下、地方経済は事業継続へ向けて必死であ る。
激動の 2020 年である。21 世紀に突入し て 20 年、「新世紀への移り」を様々な場面 で実感している。世代間の価値観の違いは いつの時代にもあった事ではあるが、その 変化にスピードが増して、更なるITの普 及と進化、AIの台頭など、又地球温暖化 の影響であろう大規模自然災害が発生し、
近年 毎年日本列島に於いても大きな災害
為がデザイン表現としても完結し、美意識 と世界観を集約した見せ方の発信が成され ているかどうかにある。
オーディエンス、ユーザーにそのイノ ベーションによる到達した想いや価値観を 伝える事が出来ていれば、次代に向けて企 業経営に変革をもたらすビジネスモデルと して成立するのではないだろうか。
3
デザイン経営ストラテジーの実 践・組織力と企業競争力実践目標の定義を「どうすればもっと良 くなるか」に定め、「組織力」「企業競争 力」向上に向けて実践手順の項目を想定し てみる。
中小企業の「組織力強化」には、先ず経 営者の経営理念を明確にする事にあると思 う。将来に向けたビジョンも大切な指針で あり、その事が全ての従業員が共鳴する価 値観であるとすれば、言語化し、視覚化し た明確な旗印を掲げて全社を挙げての、
「進むべき道」を共有する事が実践へのス タートラインとなる。
従業員にとっては会社も大事だが、自分 も大事である。従業員が関わる業務を通じ て自分の将来の目標や夢に重ねる事ができ るのか? 心地良い職場環境かどうか?
仕事に誇りを持って社会的意義を感じる事 ができるのか? その様な事も含めた経営 ビジョンが、組織力強化の土台となる。
又、組織力強化の要になるのは「会社の 強み」である。商品力、サービス対応力は 勿論だが、「変化を受け入れる柔軟な企業 体質」が有るかによる。前向きな企業体質
は何よりも明るい印象を受ける。明るい職 場にこそ一体感が生まれる。明るい職場に こそ組織力の強さが宿る。
中小企業の「企業競争力強化」は日常の 課題である。この時代、買い手よりも、売 り手が多い現状になっている感がある。工 夫を重ねた独自性の強い営業戦略を掲げて 挑んでも、競争力市場の土俵は狭くなって きている。
コモディティ化した差別化の消滅の時代 に、では、どうすれば勝ち抜けるのか? 今までの経験や情報、価値観に頼る事なく
「今の、人々の欲求」を直感的に捉える力
(感性)が必要ではないだろうか? マズローの欲求5段階説
図1
物事を瞬時に見極める直感力とは? 人 は極限までに追い詰められると、その後 の、どうすべきかの判断は思考の答えを待 つ間もなく直感で決断をしてしまうのは私 だけでは無いだろう。直感力は今までにイ ンプットされた情報の集積データからのア ウトプットだとは思うが、理論的には説明 が困難である。
何となく匂う感覚?や、何となく判断し たが意味づけは出来ない。のが「直感力」 だと定義すると、それはアーティストの感
「発信力」を活用しての取り組みの課題の 糸口から、コトを起こし、コトの中にモノ づくりを活用する経緯など、「コトづく り」として今では様々な分野の問題解決の 成功事例を見る事ができる。
この様な経緯の中、地方のデザインの現 場に於いても、これからの社会に対応し得 るデザイナーの働き方改革は、各自が意識 を持って行うべきだが、私は「デザインの 関わり方改革」を提唱している。
現状のデザイン受注は、下請けであり
「川の下流の仕事」である。広告代理店や 仲介を介しての受注は勿論だが、たとえ企 業からの直受けであっても下請けである。
デザインは大方決まった流れの下「それら しく整えて欲しい」「売れるようにお願い したい」そんな現状が殆どで、それは下請 け、下流の仕事である。デザインは事案や 物事が確定する「川の上流」から関わるべ き仕事でなければならないと常々考えてい る。
事案の出発点である根幹の場面に、デザ インシンキングが必要である。経営者の参 謀的な立ち位置で、そこにデザイナーが必 要である。デザインは後で取り繕う装飾で は無い事を理解して欲しい。デザインは魂 であり、骨格であり、完成した身体の様な ものである。そのプロセス毎に関わった身 体づくりを経営陣のサポート役としてデザ イナーは力を発揮する存在でなければなら ないと考えている。
2
社会の変化と共にユーザー・消 費者の変化をキャッチするビジネスはユーザー・消費者にいかに支 持されるかにある。
ユーザー・消費者は今何を求めているの か、その魅力や価値観は何なのか、ユー ザー・消費者のwantはどう変化している のか、敏感にキャッチ・分析する能力が必 要である。従来のマーケティング・リサー チという市場調査のセオリーからは見えに くい複雑な状況の変化にどう対応すればい いのかが初段階の大きな課題である。
ターゲティングしたユーザー確保に向け た戦略に、ブランド力の活用がある。これ は、すでにブランド力がある事が前提であ り、日本のグローバル企業はすでにデザイ ン経営を実践しながら様々な戦略に活用さ れている事例を見る事ができるが、その統 計は、まだ 15%と少なく、日本企業は世 界のビジネストレンドから取り残される危 険性が十分にある。(注2)
中小企業のブランド化に可能性はあるの か? 本当にそんな事ができるのか? 莫 大な費用を投じないとブランディング構築 などはできないだろう。いやいや我が社は そもそもブランド化なんて考えてもいな い。などが現状の反応である。
ここに論述し提案する中小企業を対象と した、「デザイン経営」の戦略構築のベー スは、変化したマーケティングに対する対 応力と組織力強化。そして企業競争力を構 築する改革である。戦略の骨格は「インサ イト」と「ターゲティング」、そして「ア イデンティフィケーション」を中心に据え て、中小企業経営に向けたブランディング 構築ストラテジーとしてユーザー確保の柱 とする事である。重要なポイントはその行
為がデザイン表現としても完結し、美意識 と世界観を集約した見せ方の発信が成され ているかどうかにある。
オーディエンス、ユーザーにそのイノ ベーションによる到達した想いや価値観を 伝える事が出来ていれば、次代に向けて企 業経営に変革をもたらすビジネスモデルと して成立するのではないだろうか。
3
デザイン経営ストラテジーの実 践・組織力と企業競争力実践目標の定義を「どうすればもっと良 くなるか」に定め、「組織力」「企業競争 力」向上に向けて実践手順の項目を想定し てみる。
中小企業の「組織力強化」には、先ず経 営者の経営理念を明確にする事にあると思 う。将来に向けたビジョンも大切な指針で あり、その事が全ての従業員が共鳴する価 値観であるとすれば、言語化し、視覚化し た明確な旗印を掲げて全社を挙げての、
「進むべき道」を共有する事が実践へのス タートラインとなる。
従業員にとっては会社も大事だが、自分 も大事である。従業員が関わる業務を通じ て自分の将来の目標や夢に重ねる事ができ るのか? 心地良い職場環境かどうか?
仕事に誇りを持って社会的意義を感じる事 ができるのか? その様な事も含めた経営 ビジョンが、組織力強化の土台となる。
又、組織力強化の要になるのは「会社の 強み」である。商品力、サービス対応力は 勿論だが、「変化を受け入れる柔軟な企業 体質」が有るかによる。前向きな企業体質
は何よりも明るい印象を受ける。明るい職 場にこそ一体感が生まれる。明るい職場に こそ組織力の強さが宿る。
中小企業の「企業競争力強化」は日常の 課題である。この時代、買い手よりも、売 り手が多い現状になっている感がある。工 夫を重ねた独自性の強い営業戦略を掲げて 挑んでも、競争力市場の土俵は狭くなって きている。
コモディティ化した差別化の消滅の時代 に、では、どうすれば勝ち抜けるのか?
今までの経験や情報、価値観に頼る事なく
「今の、人々の欲求」を直感的に捉える力
(感性)が必要ではないだろうか?
マズローの欲求5段階説
図1
物事を瞬時に見極める直感力とは? 人 は極限までに追い詰められると、その後 の、どうすべきかの判断は思考の答えを待 つ間もなく直感で決断をしてしまうのは私 だけでは無いだろう。直感力は今までにイ ンプットされた情報の集積データからのア ウトプットだとは思うが、理論的には説明 が困難である。
何となく匂う感覚?や、何となく判断し たが意味づけは出来ない。のが「直感力」
だと定義すると、それはアーティストの感
「発信力」を活用しての取り組みの課題の 糸口から、コトを起こし、コトの中にモノ づくりを活用する経緯など、「コトづく り」として今では様々な分野の問題解決の 成功事例を見る事ができる。
この様な経緯の中、地方のデザインの現 場に於いても、これからの社会に対応し得 るデザイナーの働き方改革は、各自が意識 を持って行うべきだが、私は「デザインの 関わり方改革」を提唱している。
現状のデザイン受注は、下請けであり
「川の下流の仕事」である。広告代理店や 仲介を介しての受注は勿論だが、たとえ企 業からの直受けであっても下請けである。
デザインは大方決まった流れの下「それら しく整えて欲しい」「売れるようにお願い したい」そんな現状が殆どで、それは下請 け、下流の仕事である。デザインは事案や 物事が確定する「川の上流」から関わるべ き仕事でなければならないと常々考えてい る。
事案の出発点である根幹の場面に、デザ インシンキングが必要である。経営者の参 謀的な立ち位置で、そこにデザイナーが必 要である。デザインは後で取り繕う装飾で は無い事を理解して欲しい。デザインは魂 であり、骨格であり、完成した身体の様な ものである。そのプロセス毎に関わった身 体づくりを経営陣のサポート役としてデザ イナーは力を発揮する存在でなければなら ないと考えている。
2
社会の変化と共にユーザー・消 費者の変化をキャッチするビジネスはユーザー・消費者にいかに支 持されるかにある。
ユーザー・消費者は今何を求めているの か、その魅力や価値観は何なのか、ユー ザー・消費者のwantはどう変化している のか、敏感にキャッチ・分析する能力が必 要である。従来のマーケティング・リサー チという市場調査のセオリーからは見えに くい複雑な状況の変化にどう対応すればい いのかが初段階の大きな課題である。
ターゲティングしたユーザー確保に向け た戦略に、ブランド力の活用がある。これ は、すでにブランド力がある事が前提であ り、日本のグローバル企業はすでにデザイ ン経営を実践しながら様々な戦略に活用さ れている事例を見る事ができるが、その統 計は、まだ 15%と少なく、日本企業は世 界のビジネストレンドから取り残される危 険性が十分にある。(注2)
中小企業のブランド化に可能性はあるの か? 本当にそんな事ができるのか? 莫 大な費用を投じないとブランディング構築 などはできないだろう。いやいや我が社は そもそもブランド化なんて考えてもいな い。などが現状の反応である。
ここに論述し提案する中小企業を対象と した、「デザイン経営」の戦略構築のベー スは、変化したマーケティングに対する対 応力と組織力強化。そして企業競争力を構 築する改革である。戦略の骨格は「インサ イト」と「ターゲティング」、そして「ア イデンティフィケーション」を中心に据え て、中小企業経営に向けたブランディング 構築ストラテジーとしてユーザー確保の柱 とする事である。重要なポイントはその行
的が一致する事で企業競争力強化と組織力 強化の推進に関わる大きな原動力と考え る。
5
インナーブランディング構築経営理念は会社の「心」である。経営理 念を具現化する方向性を明確にして、次に 経営指針として指令を放つのが「脳」であ るとすると、経営指針に沿った行動を起こ す「身体」が整って会社は正しく機能す る。
しかし立派な思いや行動指針を言語化す るだけで、果たしてそう簡単に機能するも のか、正論ではあるが疑問である。
経営理念は企業に於いての「核心」であ り、「心」であり、最重要なステートメン トである。その思いが多くの共感を得る事 が出来るのか、その言葉がオーディエン ス、ユーザーにどう受け入れられるかに よって成立するか、しないかは必定であ る。
「デザイン経営」の戦略構築のベース は、変化したマーケティングに対する対応 力である。
組織心理学者カール・ワイク氏のセンス メイキング理論にあるように、ビジネスの 現場では、従業員やオーディエンスの理解 や共有を得るために、センスメイキングが 活用されている。又、世界標準の経営理論 の著者 入山章栄氏によれば、それは「意 味付け」「納得」であり、「腹落ち」の理論 である。とある。まさに経営理念の核心を
「腹落ち」させ「行動にうつす」事がいか に重要かであり、オーディエンスは言葉に
託された意味を納得する事により共感を呼 ぶ事になるのではないかと思う。
ではどう共感を呼ぶのか、「腹落ち」「納 得」の先にある魅力的な事とは、言葉や行 為の見え方であり、つまりは見せ方(提案 力)の差異である。物事の本質、アイデン ティティがオーディエンスの「納得」を得 られるとすれば、時代性、美意識を内包し た経営者のビジョンとして、視覚化(デザ イン)するミッションが重要である。そこ にデザイナーの視点と思考力を持って「デ ザイン力」を発揮する事ができれば、デザ イナーが経営者の参謀的役割りとして存在 するべきであると考える。
6
イノベーション戦略と展開中小企業に於ける「デザイン経営」ビジ ネスモデルのイノベーションとは、まさに
「デザインを取り入れるイノベーション」 である。しかしながら、企業が変化を目指 すと、社員にとってはかなり不安な事であ り、少なからず反発が起こることも予測が 必要であろう。しかし、変わらなければな らない事はなんとなく感じているはずであ る。
イノベーション戦略の入り口は、社会の ニーズに沿った自社の技術やサービスを、 消費者目線で見極めた新たな価値を創造す る事である。そしてその新たな価値をデザ インによって「見える化」したコンテンツ を発信して機能する事で、目的とするイノ ベーションが成立する。
イノベーション戦略の骨格は「インサイ ト」と「ターゲティング」、そして「アイ 性であり、そのアート作品はまさに直感の
世界観表現に近い事かもしれない。
デザインの場合、「表現の入り口には先 ず直感が顔を出す。そして案件の目的や課 題の分析、思考、表現構築の後、最後に直 感力でフィニッシュの決断をする。」この 事は私のロジックなので恐縮であるが、デ ザイナーは常に物事を俯瞰で見る癖があ る、そしてインプットしている蓄積した データと掛け合わせた答えが、その人なり の直感力としてあるのかもしれない。加え て独自の「美意識」の質が重要なのであ る。
ユーザー、顧客の支持を勝ち取る実践ス トラテジーに、デザインの力に加え直感力 と美意識のコンテンツは不可欠である。
自己実現市場の登場
図2
4
中小企業に於ける「世界観」の ストーリー構築「世界観」が、これからのビジネスを考 える上でとても重要な概念として浮上して きたと言われている。(注3)
企業のありかたという点からみた解釈の
「世界観」は、経営者のみならず全社的の 揺るぎない思いや、価値観の意義づけ、そ こに大切にしている美学などを集約した印 象を第三者が感じる事だと思う。中小企業 に於いての世界観とはどう構築すればいい のか、とはいえ世界観は意図的に創って完 成するものではなくオーディエンスが何と なく感じ取る感覚で、日常の業務の様々な 集積内容の評価と、その「行い」の印象か ら世界観として認知される事かも知れな い。では何のために世界観が重要なのかと 言えば、顧客は勿論だがターゲティングし た将来の顧客にとっての価値観の共有、リ スペクトなど好感度をあげる要因に繋がる 事であると推察する。デザイン経営の実践 は社会の変化と、これからの社会にどう対 応し得る企業経営のあり方に、いかに刷新 すべきかという方法論である。そのミッ ションの入り口に「世界観」の位置付けは 重要であると考える。
又、企業の未来の指針を描く上で必要不 可欠な存在が「ビジョン」である。その
「目標ともいえる、実現したい未来」をス トーリーとして構築した後、言語化・視覚 化するコンテンツが「デザイン経営」の ミッションの中核として位置づける大事な 要素である。
ビジョンのイメージ化(映像として浮か ぶ)がこの論述での世界観の定義とする。
世界観は受け取って感じる事であるが、説 明する事では無い。
世界観の「見える化」によって、企業と して目指すべき行き先の旗印が明確である という事は、それぞれの業務に於いても目
的が一致する事で企業競争力強化と組織力 強化の推進に関わる大きな原動力と考え る。
5
インナーブランディング構築経営理念は会社の「心」である。経営理 念を具現化する方向性を明確にして、次に 経営指針として指令を放つのが「脳」であ るとすると、経営指針に沿った行動を起こ す「身体」が整って会社は正しく機能す る。
しかし立派な思いや行動指針を言語化す るだけで、果たしてそう簡単に機能するも のか、正論ではあるが疑問である。
経営理念は企業に於いての「核心」であ り、「心」であり、最重要なステートメン トである。その思いが多くの共感を得る事 が出来るのか、その言葉がオーディエン ス、ユーザーにどう受け入れられるかに よって成立するか、しないかは必定であ る。
「デザイン経営」の戦略構築のベース は、変化したマーケティングに対する対応 力である。
組織心理学者カール・ワイク氏のセンス メイキング理論にあるように、ビジネスの 現場では、従業員やオーディエンスの理解 や共有を得るために、センスメイキングが 活用されている。又、世界標準の経営理論 の著者 入山章栄氏によれば、それは「意 味付け」「納得」であり、「腹落ち」の理論 である。とある。まさに経営理念の核心を
「腹落ち」させ「行動にうつす」事がいか に重要かであり、オーディエンスは言葉に
託された意味を納得する事により共感を呼 ぶ事になるのではないかと思う。
ではどう共感を呼ぶのか、「腹落ち」「納 得」の先にある魅力的な事とは、言葉や行 為の見え方であり、つまりは見せ方(提案 力)の差異である。物事の本質、アイデン ティティがオーディエンスの「納得」を得 られるとすれば、時代性、美意識を内包し た経営者のビジョンとして、視覚化(デザ イン)するミッションが重要である。そこ にデザイナーの視点と思考力を持って「デ ザイン力」を発揮する事ができれば、デザ イナーが経営者の参謀的役割りとして存在 するべきであると考える。
6
イノベーション戦略と展開中小企業に於ける「デザイン経営」ビジ ネスモデルのイノベーションとは、まさに
「デザインを取り入れるイノベーション」
である。しかしながら、企業が変化を目指 すと、社員にとってはかなり不安な事であ り、少なからず反発が起こることも予測が 必要であろう。しかし、変わらなければな らない事はなんとなく感じているはずであ る。
イノベーション戦略の入り口は、社会の ニーズに沿った自社の技術やサービスを、
消費者目線で見極めた新たな価値を創造す る事である。そしてその新たな価値をデザ インによって「見える化」したコンテンツ を発信して機能する事で、目的とするイノ ベーションが成立する。
イノベーション戦略の骨格は「インサイ ト」と「ターゲティング」、そして「アイ 性であり、そのアート作品はまさに直感の
世界観表現に近い事かもしれない。
デザインの場合、「表現の入り口には先 ず直感が顔を出す。そして案件の目的や課 題の分析、思考、表現構築の後、最後に直 感力でフィニッシュの決断をする。」この 事は私のロジックなので恐縮であるが、デ ザイナーは常に物事を俯瞰で見る癖があ る、そしてインプットしている蓄積した データと掛け合わせた答えが、その人なり の直感力としてあるのかもしれない。加え て独自の「美意識」の質が重要なのであ る。
ユーザー、顧客の支持を勝ち取る実践ス トラテジーに、デザインの力に加え直感力 と美意識のコンテンツは不可欠である。
自己実現市場の登場
図2
4
中小企業に於ける「世界観」の ストーリー構築「世界観」が、これからのビジネスを考 える上でとても重要な概念として浮上して きたと言われている。(注3)
企業のありかたという点からみた解釈の
「世界観」は、経営者のみならず全社的の 揺るぎない思いや、価値観の意義づけ、そ こに大切にしている美学などを集約した印 象を第三者が感じる事だと思う。中小企業 に於いての世界観とはどう構築すればいい のか、とはいえ世界観は意図的に創って完 成するものではなくオーディエンスが何と なく感じ取る感覚で、日常の業務の様々な 集積内容の評価と、その「行い」の印象か ら世界観として認知される事かも知れな い。では何のために世界観が重要なのかと 言えば、顧客は勿論だがターゲティングし た将来の顧客にとっての価値観の共有、リ スペクトなど好感度をあげる要因に繋がる 事であると推察する。デザイン経営の実践 は社会の変化と、これからの社会にどう対 応し得る企業経営のあり方に、いかに刷新 すべきかという方法論である。そのミッ ションの入り口に「世界観」の位置付けは 重要であると考える。
又、企業の未来の指針を描く上で必要不 可欠な存在が「ビジョン」である。その
「目標ともいえる、実現したい未来」をス トーリーとして構築した後、言語化・視覚 化するコンテンツが「デザイン経営」の ミッションの中核として位置づける大事な 要素である。
ビジョンのイメージ化(映像として浮か ぶ)がこの論述での世界観の定義とする。
世界観は受け取って感じる事であるが、説 明する事では無い。
世界観の「見える化」によって、企業と して目指すべき行き先の旗印が明確である という事は、それぞれの業務に於いても目
なければならない。又、「具現化した成果 のデザインの質が重要な要素」になる。
デザインだけで経営が改善されるもので は無いが、企業価値の向上、組織力の向 上、顧客満足度(体験)の向上を創出する 為に、デザインの力(仕組み・可視化)が 不可欠であるという事である。
Mission 3
ターゲティングとは、商品、サービスの マーケットが複雑化していく中、顧客マー ケットを細分化した後に、セグメントした 戦略を進めるマーケットセグメンテーショ ンである。ニーズ適合度の高い顧客の発掘 に繋がる手法である。
ビジネスの市場であるマーケティング戦 略 は 、従 来 の 広 告 業 界 で は 、AIDMA
(Attention Interest Desire Memory Action)
がバイブルとして活用されてきた経緯があ るが、その後のインターネットの普及によ り、AISAS(Attention Interest Search Action Share)のプロセスに変わったと言われて きた。2020 年、従来のマーケティングで は機能しなくなったと言っていいぐらいビ ジネスの現場は激変している。
今や国民の 80%がSNSを利用している 時代である。(注 4)SNSの拡散スピードは驚 くべき速さで進化している。モノやサービ スの価値観は、前述したコモディティ化し た時代である。が故に、今までの単なる情 報提供型マーケティングは通用しなくな り、その提供する情報の「質・価値観」
が、求めている「相手の価値観」と一致す るターゲティングが機能する事が、今の時 代のマーケティングのキーポイントであ
る。そのプロセスに重要なポイントが、
「センスと美意識」の感性に如何に訴えら れるコンテンツを創出できるか、如何に拡 散できるかによるのではないか、そして、 その視覚化した「見せ方」「提案の仕方」 が重要であると察する。そこに「デザイン の力」が必要となる。
Mission 4
中小企業にコミットするブランディング 構築プロジェクトの「規模」が重要であ る 。1970 年 代 、コ ー ポ レ ー ト ア イ デ ン ティティ、CIという大規模なデザイン戦 略がロジックを伴って日本にも導入され た。
アメリカの郊外型、大型ショッピングセ ンターの店舗認識(数キロ先からでも視認 可能)のデザイン手法として展開された戦 略が、やがて日本へ上陸したCIデザイン 戦略のお手本となった。広告業界、デザイ ン業界に於いてデザイン戦略がビジネスの 根幹に据えられ、「これからのデザイン」 の大きな可能性を感じていたグラフィック デザイナー達は、私も含め、そのデザイン 戦略手法を必死になって学び始めた経緯が ある。そして地方都市に於いても、中規模 程度のCIデザイン戦略の事例が多く見受 けられてきた。しかしその事は「世界規模 のビジネス侵略の影」を伴っていた事を後 になって気づく事になる。
地方都市の郊外型大型店舗展開のラッ シュによって商圏の変化が起こり、どこに でもあった小さな商店街が、結果 シャッ ター街化している。皮肉な視点からみれ ば、CIデザイン戦略の導入が当時の時代 デンティフィケーション」を中心に据え
て、中小企業経営規模に向けたブランディ ング構築ストラテジーとしてユーザー確保 の柱とする事である。
Mission 1
インサイトとは、物事を見抜く力であ り、洞察力である。マーケティングに於い ての、消費者を動かす、隠れた心理なるも のにいかに気づくか、の能力である。それ はデザインシンキングに於いての、「気づ き」である。
デザイン経営ストラテジーのミッション に於いては、経営陣のみならず各部署の従 業員で構成するチームを立ち上げ、業務の 課題、現状、改善点、要望など定期的にヒ アリングを重ねて解決すべき課題を洗い出 すプロジェクトを遂行する。出揃った課題 の改善すべき項目の選定の基準が大事であ り重要なポイントである。そこに経営者の 参謀的立ち位置のデザイナーとして、お客 様目線での判断が必要であり、物事を俯瞰 で捉える客観的な視点も必要である。加え て少々無責任な第三者的な「よそ者意見」
が案外、的を射る場面もある。
デザイン経営ストラテジーに参入するデ ザイナーは、クライアントとなる企業とコ ンサル的な契約を交わすシステムだが、そ の業務内容と言えば、ミッションの達成目 標であるコンテンツは、全てに於いて事前 に答えがあるわけでは無く、ケースバイ ケースの課題対応に応えなければならな い。デザイナーの確かな経験値が求められ る訳だが、又、この場面に於いても、前述 した「直感力」がキーワードである。しか
しながら直感力からたどり着いた「答え」
に対しての客観的な分析による、納得する
「腹落ち」を得られなければならない。
Mission 2
地域の中小企業に共通する経営課題への 取り組みのプログラムは、「組織・業務プ ロセスの現状確認と再構築」「顧客満足
(体験)の現状確認と新たな創出」「社会 課題への対応」を柱に置いて推進する。
とはいえ、多くの中小企業は「デザイ ン」というものをまだまだ狭義でしか捉え られていないのが現状である。故にいち早 く、「デザイン経営ストラテジー」をビジ ネスの文脈で理解して活用する事が、「こ れからの時代に適応する為の方向性」を導 き、更なる企業競争力強化を高めるビジネ スモデルであると確信している。
状況にそった、具体的な取り組み課題 は、これまでの実践ケースで項目が上がっ た事例を述べると、「事業の将来性に対す る不安」「時代の変化への対応の遅れ」「商 品価値の創出と可視化の不備」「経営理念 の構築と言語化」「ビジョンの明確化と可 視化」「新分野展開・開拓」「見た目(デザ イン)の改善」「若い人が入社しない」、な ど、殆どが共通の課題である。
この様な課題解決の為のスキルに、デザ イナーの思考、分析、構築の 3 つの視点に よる、「外から企業を見る、客観性と分析 力」「俯瞰した視点で、課題の本質を探る 能力」「顧客・ユーザーの立場に立って、
課題を洗い出す力」が機能するのである。
この事は、それぞれのコンテンツが繋がり 合った「仕組みのデザイン」が起点になら
なければならない。又、「具現化した成果 のデザインの質が重要な要素」になる。
デザインだけで経営が改善されるもので は無いが、企業価値の向上、組織力の向 上、顧客満足度(体験)の向上を創出する 為に、デザインの力(仕組み・可視化)が 不可欠であるという事である。
Mission 3
ターゲティングとは、商品、サービスの マーケットが複雑化していく中、顧客マー ケットを細分化した後に、セグメントした 戦略を進めるマーケットセグメンテーショ ンである。ニーズ適合度の高い顧客の発掘 に繋がる手法である。
ビジネスの市場であるマーケティング戦 略 は 、従 来 の 広 告 業 界 で は 、AIDMA
(Attention Interest Desire Memory Action)
がバイブルとして活用されてきた経緯があ るが、その後のインターネットの普及によ り、AISAS(Attention Interest Search Action Share)のプロセスに変わったと言われて きた。2020 年、従来のマーケティングで は機能しなくなったと言っていいぐらいビ ジネスの現場は激変している。
今や国民の 80%がSNSを利用している 時代である。(注 4)SNSの拡散スピードは驚 くべき速さで進化している。モノやサービ スの価値観は、前述したコモディティ化し た時代である。が故に、今までの単なる情 報提供型マーケティングは通用しなくな り、その提供する情報の「質・価値観」
が、求めている「相手の価値観」と一致す るターゲティングが機能する事が、今の時 代のマーケティングのキーポイントであ
る。そのプロセスに重要なポイントが、
「センスと美意識」の感性に如何に訴えら れるコンテンツを創出できるか、如何に拡 散できるかによるのではないか、そして、
その視覚化した「見せ方」「提案の仕方」
が重要であると察する。そこに「デザイン の力」が必要となる。
Mission 4
中小企業にコミットするブランディング 構築プロジェクトの「規模」が重要であ る 。1970 年 代 、コ ー ポ レ ー ト ア イ デ ン ティティ、CIという大規模なデザイン戦 略がロジックを伴って日本にも導入され た。
アメリカの郊外型、大型ショッピングセ ンターの店舗認識(数キロ先からでも視認 可能)のデザイン手法として展開された戦 略が、やがて日本へ上陸したCIデザイン 戦略のお手本となった。広告業界、デザイ ン業界に於いてデザイン戦略がビジネスの 根幹に据えられ、「これからのデザイン」
の大きな可能性を感じていたグラフィック デザイナー達は、私も含め、そのデザイン 戦略手法を必死になって学び始めた経緯が ある。そして地方都市に於いても、中規模 程度のCIデザイン戦略の事例が多く見受 けられてきた。しかしその事は「世界規模 のビジネス侵略の影」を伴っていた事を後 になって気づく事になる。
地方都市の郊外型大型店舗展開のラッ シュによって商圏の変化が起こり、どこに でもあった小さな商店街が、結果 シャッ ター街化している。皮肉な視点からみれ ば、CIデザイン戦略の導入が当時の時代 デンティフィケーション」を中心に据え
て、中小企業経営規模に向けたブランディ ング構築ストラテジーとしてユーザー確保 の柱とする事である。
Mission 1
インサイトとは、物事を見抜く力であ り、洞察力である。マーケティングに於い ての、消費者を動かす、隠れた心理なるも のにいかに気づくか、の能力である。それ はデザインシンキングに於いての、「気づ き」である。
デザイン経営ストラテジーのミッション に於いては、経営陣のみならず各部署の従 業員で構成するチームを立ち上げ、業務の 課題、現状、改善点、要望など定期的にヒ アリングを重ねて解決すべき課題を洗い出 すプロジェクトを遂行する。出揃った課題 の改善すべき項目の選定の基準が大事であ り重要なポイントである。そこに経営者の 参謀的立ち位置のデザイナーとして、お客 様目線での判断が必要であり、物事を俯瞰 で捉える客観的な視点も必要である。加え て少々無責任な第三者的な「よそ者意見」
が案外、的を射る場面もある。
デザイン経営ストラテジーに参入するデ ザイナーは、クライアントとなる企業とコ ンサル的な契約を交わすシステムだが、そ の業務内容と言えば、ミッションの達成目 標であるコンテンツは、全てに於いて事前 に答えがあるわけでは無く、ケースバイ ケースの課題対応に応えなければならな い。デザイナーの確かな経験値が求められ る訳だが、又、この場面に於いても、前述 した「直感力」がキーワードである。しか
しながら直感力からたどり着いた「答え」
に対しての客観的な分析による、納得する
「腹落ち」を得られなければならない。
Mission 2
地域の中小企業に共通する経営課題への 取り組みのプログラムは、「組織・業務プ ロセスの現状確認と再構築」「顧客満足
(体験)の現状確認と新たな創出」「社会 課題への対応」を柱に置いて推進する。
とはいえ、多くの中小企業は「デザイ ン」というものをまだまだ狭義でしか捉え られていないのが現状である。故にいち早 く、「デザイン経営ストラテジー」をビジ ネスの文脈で理解して活用する事が、「こ れからの時代に適応する為の方向性」を導 き、更なる企業競争力強化を高めるビジネ スモデルであると確信している。
状況にそった、具体的な取り組み課題 は、これまでの実践ケースで項目が上がっ た事例を述べると、「事業の将来性に対す る不安」「時代の変化への対応の遅れ」「商 品価値の創出と可視化の不備」「経営理念 の構築と言語化」「ビジョンの明確化と可 視化」「新分野展開・開拓」「見た目(デザ イン)の改善」「若い人が入社しない」、な ど、殆どが共通の課題である。
この様な課題解決の為のスキルに、デザ イナーの思考、分析、構築の 3 つの視点に よる、「外から企業を見る、客観性と分析 力」「俯瞰した視点で、課題の本質を探る 能力」「顧客・ユーザーの立場に立って、
課題を洗い出す力」が機能するのである。
この事は、それぞれのコンテンツが繋がり 合った「仕組みのデザイン」が起点になら