看護学生の生命観に関する調査報告(第一報)
ー入学時の生命に対する考え方一
川崎医療短期大学 第一呑護科 医用電子技術科*
渡造ふみ子 杉 田 明 子 初鹿真由美 * 中 川 定 明
(昭和63年 8月23日受理)
An I n v e s t i g a t i v e Report o n S t u d e n t Nurses'Idea a b o u t L i f e ( P a r t
1)‑ Way o f T h i n k i n g a b o u t L i f e o n t h e i r A d m i s s i o n ‑ Fumiko WATANABE, A k i k o SUGITA , Mayumi HATSUSHIKA a n d * S a d a a k i NAKAGAWA
D e p a r t m e n t o f N u r s i n g , D e p a r t m e n t o f A p p l i e d Me d i c a l En g i n e e r i n g * K a w a s a k i Co l l e g e o f A l l i e d Prof e s s i o n s
K u r a s h i k i , Oka y a
叩7 0 1 ‑ 0 1 Jap an ( R e c i e v e d o n A u g . 2 3 , 1988 ) Key words:
看 護 学 生 , 生 命 倫 理 , 生 命 観概 要
4 1
「生命と倫理」に関する諸問題は,各個人の価値観や人生観によって見解が異なる。医療従事者は,人々の 生命と直接対決していかなければならない職業であるために,個々の人の「生命観」には様々な差巽があるこ とを学び,医療従事者自身の生命観を捉っておくことが必須の要件であると考えられる。中でも,患者と密接 な関わりをもつ看護婦は,希護婦自身の生命に対する価値観が,直接看設の質を左右する。筆者らは,看護婦 学校に入学して来た学生が,生命に対してどのような考えをもっているか,卒業までにどのように変化してい くか,の調査を行った。そのうち今回は,入学時の学生がどのような生命般をもっているかについて,
G )
入学 の動機 ②「生と死」や「生きていることの意味」について考えたことの有無,R身近な人の死に遭遇した体 験 ④ 植 物 状 態 と 延 命 医 療 について,⑤癌などの告知についての5
項目の調査によって,若干の知見を得たの で報告する。は じ め に
近 年 の 科学技 術の 急速 な 進 歩 は , 医 療の分野 でも,人工臓器,臓器移植, 体 外受 精,遺 伝 性 疾 患 の 治 療 な ど , 寿 命 の 延 長 と か, 健康 な 子 孫 を 得 た い と い う 人 々 の 欲 求 を 満 た す よ う に な っ た。しかし一方では,「尊厳死」や「ホスピス」な ど , 寿 命 の 終 末 に お け る 「 生 命 の 質 」 が 問 わ れ る問題が発生している。これらは, どれも人々 の生 命 に つ い て の 考 え 方 や 人 間 性 に つ い ての価 値 観 に 深 く 関 わ る も の で あ り, 人 権尊 重 の 立 場 から,多方面で論議が交わされている。また,
1 9 8 3
年4
月 に は , 厚 生 大 臣 の 勉 強 会 と し て,「生命 と 倫 理 に 関 す る 懇 談 会 」 が 発 足 し た。
1 9 8 5
年1 1
月には,その報告書"が公表されたが,この「 生 命 と 倫 理 」 に 関 す る 問 題 は , 歴 史 的 に み れ ば , ま だ 本 格 的 論 議 が 開 始 さ れ 始 め た 初 期 段 階 に 過 ぎ ず,今 後ますます,この 論 議 を 深 め て い く 必 要 が あ る と 考 え ら れ る。
さ て , こ れ ら 「 生 命 と 倫 理 」 に 関 す る 諸 問 題 は , 各 個 人 の 価 値 観 や 人 生 観 に よ っ て 見 解 が 異 なる。医 療 従 事 者 は , 患 者 の 生 命 と 直 接 対 決 し て い か な け れ ば な ら な い 職 業 で あ る た め に , 個 個 の 患 者 の 「 生 命 観 」 に は 様 々 な差 異 があるこ とを学 び, 医 療 従 事 者 自 身の 生 命 観 を 養 っ て お くことが必須の要件であると考えられる。 中で
42
渡邊ふみ子・杉田明子・初鹿真由美 ・*中川定明も,患者と密接な関わりをもつ看護婦にとって は,看護婦自身の生命に対する価値観が,直接 看護の質を左右する。
J .
トラベルビーは,「人間対人間の看護」2)の 中で,看護について次のように述べている。「看 護とは,対人関係のプロセスであり,それによ って専門実務看護婦は,病気や苦難の体験を予 防したり,あるいはそれに立ち向かうように,そして必要なときにはいつでもそれらの体験の なかに意味をみつけだすように,個人や家族,
あるいは地域社会を援助する。」
どんな状況におかれている患者に対しても, おかれている状況のなかに意味を見出だして,
価値ある生を全うし,意味ある人生を送れるよ うに手助けをするためには,看護婦の生命観・ 価値観が大きく影響する。
筆者らは,看護基礎教育において,看護学総 論・医学概論を担当し,特にここ数年,生命倫 理の問題を取り上げて,生命観・看護観の育成 に努力をして来た。そのひとつとして,入学し て来た学生が, 生命に対してどのような考えを もっているか,卒業までにどのように変化して いくかの調査を行った。この調査を行なうに当 たって,生命倫理に関する実証的研究論文を探 したが少数の資料3,4,5)しか得られず,これ程重 要な課題がまだ未開拓の分野であることを痛感 した。今回の発表は,前記調査のうち入学時の 学生がどのような生命観をもっているかについ て第一報を報告する。まだ研究の緒についたば かりであるが,関心ある方々のご批判をいただ ければ幸いである。
I .
研 究 方 法〔調査対象)
昭和
62・ 6 3
年 度 看 護 婦 学 校 入 学 生395
人を対 象とした。内訳は,表l
のとおりである。以後 三年課程を3N,
二年課程を2N
と記す。〔調査時期〕
各年度とも,入学直後の
4
月中に実施した。〔調査方法〕
質問紙を作成し学級ごとに配布して回収した。
〔調査内容〕
1 .
入学の動機学生の背景を知るために,入学の動機を調査
表1 調 査 対 象
6 2
年度6 3
年度 計 三 課 短 期 大 学5 9 5 2 1 1 1
年 程3N
専 門 学 校5 0 49 9 9
二 課 短 期 大 学5 4 5 2 1 0 6
年 程2N
専 攻 科4 1 38 7 9
計204 1 9 1 395
回収率100%
した。入学の動機になると思われるものを
1 5
項 目設定し,最も大きい要素と思われるものから,順位をつけて
5
位まで選ばせた。2.
「生と死」や「生きていることの意味」につ いて考えたことの有無人は,生きてきた過程の中で,周囲に影響さ れながら,自然に自分の生命観を養っていく。 しかし,医療に携わる専門家は,意識して「生 きる意味」を問い,考え,自己の生命観を養っ ておくことが大切である。このため『これまで に「生と死」や「生きている意味」について』
考えたことがあるか否かについて設問した。
3 .
身近な人の死に遭遇した体験人 は , 身 近 な 人 の 死 に 出 会 っ た 時 必 然 的 に
「生と死」など生命について考えることが多く なると推定される。そこで,身近な人の死に遭 遇した体験があるか否か,それは誰れで,その 時, どの程度の関わり (看護 ・面会 ・葬儀等)
をもったかについて調査した。
4 .
植物状態と延命医療について医療における人間性尊重の立場から,患者の 健 康 権
(R i g h tt o Health Care )
,生命権( Right t o Life )
の問題が,日本でも漸く光をあびるきざしを見せてきた。
尊厳をもった生命を全うすることについてど う考えるか,「植物状態とはどのような状態な のか」その理解の程度と,「延命医療を行な う こと」への賛否について設問した。
5.
癌などの告知について人間が意味ある人生を全うするためには,寿 命の終末を如何に生きるかという重要課題があ る。近年,癌の告知の是非が世論に問われてい るが,これから看護学生として患者に関わる時,
最も困難な問題の一つであると考えて,昭和
6 3
看護学生の生命観に関する調査報告
43
年度入学生に設問を追加した。その内容は,「も はや治療不可能な病気になった場合(例えば進 行した癌など)」それを知りたいか否か,家族や 親しい友人の場合知らせるか否かについて問う
た。
I I .
結1 .
入学の動機設問した
1 5
項目を,①なんとなく受験した(以 下「なんとなく」とする),②看護婦や白衣姿に あこがれた(以下「あこがれ」とする),③自分 の学力や先生・ 両親のすすめ(以下「先生や両 親のすすめ」とする),④)ライセンスが得られ,就職が容易で給料がよい(以下「免許
・
就職 ・ 給料」とする),⑤人間相手の仕事に興味をもった,社会に役立つ仕事である,やりがいのあ る職業であるなど(以下「職業に魅力」とする),
果
⑥「その他」の
6
分野にまとめた。入学の動機として最も大きい要素
( 1
位と2
位)にあげたものをみると,図1
のように「職 業 に 魅 カ 一(50%‑64%
)」が第1
位を占め,次 いで「免許 ・就職・
給 料 一(26%‑29%
)」の順 になっている。「なんとなく 一(0%‑1%
)」は殆どなく,「あこがれ一
( 4.4%‑16.4%
)」は少な い数値を示した。男女雇用均等法が成立し,女性も働くことが 油通の時代に入っているが,現実には,まだま だ女性には就職の門戸が狭い。従って,就職が 容易で看護婦の免許を取得することを動機とす るものが優位に立つと予想したが,職業に魅力 を感じたことが第
1
位を占めたことは意外であ った。何か社会に役立ちたい,やりがいのある 仕事がしたいという目的意識をもって看護婦を めざすものが多いことを物語っている。また,自己の学力や先生 ・両親のすすめによったもの が低いことから,進路を決める時, 自分で意志 決定をして受験したものの割合が高いことがわ かる。
2.
「生と死」や「生きていることの意味」につ いて考えたことの有無入学する以前に「考えたことがある」と肯定 したものが,図
2
に示すとおり,3N
で約50%, 2N
では昭和6 2
年 度 入 学 生57%
,昭和6 3
年度入 学生76%
となっており,2N
は3N
に比べてやや 嵩 い 数 値 を 示 し て い る。2N
入学生は,高等学 校衛生看護科卒業または漸等学校卒業後准看護6 3 . 5
その他
職 業 に 魅 力 を 感 じた
免許取得,就職 や給料がよい
学 力 , 先 生 や 両 親のすすめ
あこがれて入学 した
゜
°
な ん と な く 受 験o
した 11o . 6 2N
7 2 9 9 4 4
(
単位は%)図1 入学の動機
冒璽
2
位 と し た も の二
l
位 と し た も の婦教育を受けたものであり,
准看護婦教育の課程で,ある 程度「生と死」について考え ることを余
1
義なくされるもの である。むしろ,あまり,ま たは全く 「考えたことがない」と否定的回答をしたものが,
昭和
6 2
年度入学生20%
,昭和6 3
年度入学生9%
, 平 均 し て14.5%
あることに注目したい。一方,「考えたことがある」
と肯定したものが,昭和
6 2
年 度から昭和6 3
年度に向けて上 昇傾向にある。特に2N
は約20
%上昇している。近年,安 楽死・尊厳死・男女生み分け・体外受精
・
癌の告知など,生 命倫理に関する話題や,事例 の紹介がマスコミを賑わして いる(表2
。) また,脳死が社 会的に認められていない日本44
渡逍ふみ子・ 杉田明子・ 初鹿真由美・*中川定明3N 6 3
年度入 笏
/ / 9 / / ̀ ̀ ' //̀
篇
25.0
全く考えたことがない で肝臓を移植することは難し いため,米国や英国に渡って 移植を受けた事例も数件紹介 された。さらに昭和6
2
年度の 後半から昭和6 3
年度にかけて は,脳死と臓器移植の問題が 度々報道されて,人々の関心 を誘った。このような社会の 動きと,学生の反応には相関 があることが予測できるが,今後の調査に反映していきた
0 . 9
23.0、
I I
│ │ │1
│I l
│I I I
• • L̲̲l. 0
2N 6 2
年度靴篠鬱グ/////;/////2 32
冒□ : I l l
6 3
年度鵬篠賣/////////二 //////// 154□ 1 1 . 1
6 2
年度1I
50.53N
9999,•テ,
' ︐
9‑ 5.0
6 3
年度将 来
6 2
年度42.6 39.6
34. 7
︑9, ︐ , ︐
46.3
2 N
̀̀6 3
年度冒'言 言 こ非常に関心がある 少し関呈心がある どちらともいえない
(単位は%
)
し)
゜
次に,将来は「関心をもって考えたい」という肯定的反 応を示したものが,
80‑9 0 %
あま と非常に圏い教値になってい 贔 る。看護の職業は,人間を相 虚
; 手に仕事をし,生きることの
な
い 意味を問い続けなければなら ない。入学生はこれから学習 しようとしている段階である が,看護の職業に魅力を惑じ て看護婦の資格を得ようとし
昭和
6 1
年 昭和6 2
年 昭和年 月
6 3
年1 6 7‑ 1 2 1 6 7‑ 1 2 1 4
脳死と殿器移植に関するもの
(lj千,心,'昔,
1 2 1 5 1 9 2 8 4 1
移植)生命操作に関する もの
迫伝子組みかえ
体外受精
1 3 , 6 2 8
男女生みわけ
胎児研究
終末医療に関する もの
癌の告知
末期癌
1 1 1 4 3
ホスピス死の看とり
※ 朝日新聞縮刷版の記事索引より報道件数を抽出し 各項目を
1
件として数えた。図
2
「生と死」や「生きていることの意味」 ていることと通じ,高い関心について考えたことの有無 を示していることがうががえ
る。ただ,あまり関心がないと回答したものが,
表
2
生命倫理に関する報道件数(朝日新聞) 昭和63
年度3N5%
,昭和62
年度2N7 . 4%
ある。 今後教育を進めていく上で参考にしていきたい。 なお「全く関心がない」と答えたものはなかっ た。3.
身近な人の死に遭遇した体験学生の年齢は,おおむね
1 8
歳〜20歳であるが,身近な人の死に遭遇した体験のあるものは,全 体の82.3%と高い数値を示した (図
3 )
。死亡し た人 (図4 )
は祖父母53 . 0
%で,全体の半数の 学生がその体験をしている。父母・兄弟と回答 した学生も,それぞれ5 . 8% ,0 .8%
あった。ま た,複数の体験として,2
項目に〇印をしたも のが90
人(全体の28 . 7 %), 3‑ 4
項目に〇印をしたものを含めると
114
人(全体の29 %)あり,
この内父母と祖父母の死を体験しているものが
1 4
人あった。さらに,その人達の看護の体験(図
5 )
につい ても調査したが,「実際に看設した一( 8 . 9%
)」看獲学生の生命観に関する調査報告
45
図
3
身近な人の死に遭遇した体験「一日〜数日を共に過ごした一
( 22.3%
)」で,この両者を合わせると全体の
3 1
%になる。核 家 族化が進み,また,死を迎える場所も,施設死 が多くなり (死亡する人の約7
割が施設死とい われる),死を家庭で看とることが少なくなって 来ているのに,看護学生は,約三分の一が何ら かの看とりを体験していることになる。反面,死に関して全く体験のない学生が全体の
1 8 . 7%
あった。
4.
植物状態と延命医療について植物状態という言葉は, 一般に概念的には把 握されていると考えられるが,必ずしも正しく 理解されているとは限らない。
植物状態について辱ねた結果を図
6
に示す。「回復の見込みがない一
(69‑76%)‑B ,C
」と, 回復しないとするものが70
%前後あった反面,「回復するかもしれない一
(22‑26%)‑A
」と回 復の可能性を秘めているとしたものが2 5
%前後あった。
次に延命医療に対する考えは,「生命ある限 り延命医療を続けるべきである一
( l1 25%
)」 で,この内,「回復するかもしれない」と答えたものだけ抽出してみると,
3N 3 3 . 3 %, 2N 5 9 . 4
%と高い数値を示した。また, この項目の昭和
6 2
年度と昭和6 3
年度を比較してみると滅少傾向 がみられ,3N
で7%, 2N
で1 1 . 1
% の 滅 少 と な っている。 このことは, さきに述べたマスコミ による情報の普及あるいは,社会一般の生命に 対する考え方の変化などと関連するとも推測でき,追跡調査をしていきたい。
その他
知 人
友 人
親 族
兄 弟
父 母
祖父母
その他
葬
1
義に 参列した5 3 . 0
(単位は%
)
図4
死を体験した身近な人3 2 2
〗 □
に た 共 た た
会っ
日 し に し 面 行 数 過 際 護
〜 に 実 看
ー
6 5 . 7
(単位は%
)
図5 身近な人の死の看護の体験人工呼吸器などの器具を用いたり,延命の為 の治療を続けることを中止して,「自然にまかせ
る ー b ,
C」が3N 11.1‑16.8%, 2N 15.8‑32.2%
で
2N
が 高 い 傾 向 に あ り2N
の昭和6 3
年度入学 生は特に高かった。このことだけで,高等学校 普通科卒業と准看護婦教育を受けたものとの必 然的な違いであると断定することはできない。さらに追跡していきたい。
「どちらともいえない」「わからない」とする ものが
56.3‑65.2
%と半数以上あることから,判断が難しい設問であったことがうかがえる。 その回答例のいくつかをあげると,
*家族にとっては,患者が生きているだけで 救いだと思うが,回復の見込みがないのにこ の状態を続けてもしかたがない。
46
渡邊ふみ子 ・杉田明子 ・初鹿真由美・*中川定明3N
︵植物状態︶
ZN
A:意識がなく呼んでも反応しないが回復するかもしれない B :意識がなく回復の見込みがない
c:意識がなく回復の見込みもなく人工呼吸器等器具の助けが必要 D :わからない E:その他
A B
4. 6 C D E62
年度鬱/
/ 虞 言/‑ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ j │ │ │ 6 │ 4 1 │ 2 I I I
皿』』□ :
6 3
年度鬱ク旦鸞9 8 l i I I I I I I │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ 1 │ t │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ J │ 、
卜1 0
6 2
年度鬱/`/ /
:1 3 7 1 │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ i │ │ i [ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ I I I I ロ I
63
年度鬱グ//. : i
ぃ::●:i │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ i 『 │ i │ │ │ │ │ I │ I I I I I I I l I l
い:
3N
延命医療2N
62
度年戸亘□ 73 『 : . 8 : :i : : . . .
:5.見°...・・・・・・置〗6 3
年度旦□
言7 9 [ 1 8,•[ _ 4 4 6
ヽ・ □璽
・戸―
5 . 3
62
年度巨三□
三]
]0 5 [ 1 l [ 4 2 ] '
、□
置翠
:
6 3
度年 ]].] 28. 9 羽::1:::::::::::::::::::::::,~:;:::::::::::::::
:::::::::
□ ~
a b C3 . 3
d e33
a.生命がある限り延命医療をする b :人工呼吸器等使用しないで自然にまかせる
C :
延命の努力は中止して自然にまかせる d :どちらともいえない e :わからない(単位は%) 図
6
植 物 状 態と延命医療自分の場合冒参グ///////
9 / / / 9 / /
////////家族や親しい
友人の場合 わからなし、72. 9
図
7
癌などの告知ゎ ヵ
;
:ロ
,
:9::::::::::::,::::::9;::9:•
:
:矢]lらせ恙
··:•
・ 合:ない
忍
1 1 5 :
翁;祠:蒻::蕊:翠::.
(単位は%)
*家族の強い希望があれば延命医療をすれば よいが,患者自身は幸せではないと思う。
*奇跡を信じたい家族の気持ちはわかるが,
自分だったら自然に死なせてくれた方が嬉し し
ヽ。
*望みを捨てるのはよくないと思うが,延命 医療は,ある意味では残酷な気がする。
*家族の負担を考えると自然死を選ぶかもし れないが,かけがえのない生命は守らなけれ ばならない。
*患者自身の声がきけない。
*その時の周囲の状況で,
ケースバイケースである。
などがあった。肯定・否定様 様であるが,いずれにせよ本 人と家族の立場や気持ちが重 なり合い,一概に結論を出す ことが難しいという回答が大 半であった。
5 .
癌などの告知について 癌の告知是非論については 世論の関心が高まり,各調査 報告や体験報告がマスコミを 賑わしている。谷 嘉 代 子6)の 調査によると (表3 ) '
「告知 してほしい」看護短大生 (入 学後2
か月以内)6 5 . 1 %
,生 と死を考える会会員74 . 4%
と なっている。今国の筆者らの 調 査 で も 「 知 り た い 一( 7 2 . 4
%)」 と 類 似 の 結 果 で あった
( 図 7 ) 。
いま一つ,
1 9 8 5 年 9
月厚生 省が「胃癌の検診と告知」を テーマに行った 調 査1)と1 9 8 7 年1 0
月毎日新聞が行なった第7
回 全 国 世 論 調 査8)がある。 これらによると,「知らせてほ しい」が前者57%
,後者59%
となっており,やはり過半数 のものが「知らせてほしい」
と回答している。これに反し て,家族の場合「知らせる」
がそれぞれ
19% ,1 8%
となっ ており,「知らせない」はそれぞれ44%, 80%
と なっている。注:設問は,前者が 「家族が胃癌とわかったとき」後 者は「家族が胃癌にかかって治る見込みがないとき」
となっていた。
筆者らの調査によると,家族や親しい友人の 場 合 「 知 ら せ る 一
( 1 5 . 6%
)」 「 知 ら せ な い 一(11.5% )
」「わからない一( 7 2 . 9% )
」で,「知ら せる」については類似の結果を得たが,「知らせ ない」については低い数値を示し,「わからな い」が多かった。日本では,自分が癌だと分っ看 護 学 生 の 生 命 観 に 関 す る 調 査 報 告
47
表
3
病 名 告 知会員
2 0 ・ 4 0 ・ 6 0 ・ 7 0 ・
短大生 全体3 0
代5 0
代8 0
代 告知してほしい6 5 . 1 7 4 . 4 8 1 . 3 7 7 . 4 67 2
告知してほしくない1 6 3 8 . 6 4 . 7 5 . 7 1 4 . 4
わからない
1 8 . 6 1 7 0 1 4 . 1 1 7 0 1 8 4
その他谷窟代子:生と終末期の意識ー「生と死を考える会」の 調査から一,希渡展望,
V o l . 1 0 ( 9 ) , p . 7 ,
( 1 9 8 5 )から抜枠
た 時 に は 知 り た い が , 家 族 に は 知 ら せ た く な い という考え方が一般的である。
な お , 毎 日 新 聞 が 別 途 に 調 査 し た 全 国 の 医 師 調 査 で は , 「 知 ら せ る ぺ き で な い 一
(76%
)」が 多 く , 医 師 自 身 が 末 期 癌 に な っ た と き に は 「 知 らせてほしい一(56%
)」「知らせてほしくない一( 42%
)」という結果が報告されている。この数 値は,医師が個人としては「知らせてほしい」が,治療する立場に立つ時には,「知らせるべき で な い 」 と 考 え て い る も の が 多 い こ と を 物 語 っ て お り , 医 療 の 質 に 影 響 を 与 え な い も の か と 疑 問 が 残った。
皿.結 ︱ ‑ = ロ 仝洲
1.
入 学 の 動 機 は , 半 数 以 上 の 学 生 が や り 甲 斐 の あ る 仕 事 と し て 職 業 に 魅 力 を 感 じ て 応 募 し ている。単 に , あ こ が れ や 何 と な く 受 験 し た ものも約1
割 あ っ た が , 看 設 婦 に な ろ う と す る も の は , 職 業 に 対 す る 目 的 意 識 が 高 い も の が 多 い と い え る 。 ま た 先 生 や 両 親 の す す め で 進 路 決 定 し た も の が 少 な く , 自 分 で 意 志 決 定し て 受 験 し た 割 合 が 高 い こ と が わ かった。
2.
生 き て い る こ と の 意 味 に つ い て 考 え る 姿 勢 は 一 般 に 前 向 き で , 関 心 を も っ て い る も の が80‑90%と 非 常 に 高 い 数 値 を 示 し た が , 関
心が な い と し た も の も 少 数 認 め ら れ た。
3.
身 近 な 人 の 死 に 遭 遇 し た 体 験 は , 全 体 の82.3%と面い数値を示した
。また,祖 父 母 の 死53 . 3%
,父母・兄弟の死6. 6
%の体験者があった。
4.
植 物 状 態 を , 回 復 の 見 込 み が あ る か も しれないと考えているものが,
25
%前後あり,延 命 医 療 に 対 す る 肯 定 的 回 答 が11 25%あっ た。回 復 の 見 込 み が あ る か も し れ な い と 考 え て い る も の だ け を 抽 出 す る と , 延 命 医 療 に 対 す る 肯 定 的 回 答 は
3N33 . 3%, 2N 59 . 4%と高
い 数 値 を 示 し た 。 し か し , 全 体 で は 判 断 が 難 し い と す る も の が 半 数 以上を占めた。5 .
癌 の 告 知 に つ い て は , 自 分 が 癌 に な っ た 場合 に は 知 り た い が
( 72 . 4%
)家 族 や 親 し い 友 人 に は 知 ら せ な い( 1 1 . 5%
)とい う 回 答 が 得 られた。これは,厚 生 省 や 毎 日 新 聞 が 行 な っ た 世 論 調 査 の 結 果 と 同 じ 傾 向 を 示 し て い る。お わ り に
看 股 科 学 生 が , 入 学 時 に は 生 命 に 対 し て ど の ような考えをもっているかについて報告した。
今回は, 昭 和62年度 ・昭 和63年 度 入 学 生 の 実 状 報 告 に と ど め た が , 今 後 は , 卒 業 時 の 変 化 を 把 え,また,
3N, 2Nの 違 い な ど も 継 続 的 に 把 握
し て , 教 育 計 画 な ど へ 反 映 し , 教 育 内 容 の 充 実 をはかりたいと考えている。引用
・
参考文献1 )/
厚生省健康政策局医事課編:生命と倫理につい て考える一生命と倫理に関する懇談報告ー,医 学杏院( 1 9 8 5 )
2)
J . TRA
VELBEE, 長谷川浩•藤枝知子訳:人 間対人間の看股,医学帯院,p . 3 ( 1 9 8 2 ) 3 )中山治他:生命倫理 b i o e t h i c sに関する看護学
生の認知構造一臓器移植の場合一,看護展望,
Vo l . 1 0 ( 6 ) ( 1 9 8 5 )
4)
中山治他:生命倫理b i o e t h i c sに関する看設学
生の認知構造一体外受精の場合ー,看護展望,Vo l . 1 0 ( 7 ) ( 1985 )
5 )宮川数君他
:生 命 倫 理 に 関 す る 意 識 調 査 ー 安 楽死と障害者問題ー,山陽学園短大研究論集第1 6
号( 1 9 8 5 )
6 )谷 嘉 代 子
:生と終末期の意識ー「生と死を考 える会」の調査から一,看護展望,Vo l . 1 0 ( 9 )
( 1 9 8 5 )
7)
朝日新聞:「がんなら知らせて」厚生省調査,1 9 8 6 . 6 . 1 2
8)毎日新聞:がん告知 変 わ り 始 め た 死 へ の 考 え,第