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『紀要』第51号発刊に寄せて

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Academic year: 2021

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〔巻頭言〕『紀要』第51号発刊に寄せて

 このたび『創価女子短期大学紀要』第51号が発刊の運びとなった。関係 する委員会の諸先生方ならびに玉稿を寄せられた諸先生方のご尽力に、本学 の発展に大きく寄与するものとの思いから、心からなる敬意を表したい。

 本年4月に図書館長の任を受け、以来、その立場から、本学学生の教養と 知性ならびにスキルの向上等にいかに貢献できるかについて、様々に思いを 巡らしている。また、今回、『紀要』の「巻頭言」執筆の依頼を頂戴した立 場から言えば、それら(教養・知性・スキルの向上等)と教員のリサーチの 関係はどのように関連しているのであろうか。以下、そうした観点から、若 干、想念の軌跡を記させて頂くものとしたい。大半が個人的な見解になるか と思うが、その点はご容赦をお願いしたい。

 先ず、当該の想念の前提として思い浮かぶのは、文部科学省のウエブサイ トに見られる短期大学の特色のひとつとして挙げられている次の一句である

――「短期大学の個性・特色は[中略]短期間で大学としての教養教育やそ れを基礎とした専門教育を提供する点にあります」。ここで「専門教育」の

「基礎」ともなる「教養教育」とは、はたしていかなる内容をもつことが理 想なのであろうか。さらには、それと関連して短期大学生の「知性」の涵養

〔巻頭言〕

『紀要』第51号発刊に寄せて

図書館長

 三 好 楠 二 郎

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創価女子短期大学紀要 第51号

はいかにしてなされるべきなのであろうか。それらに対して、短期大学の図 書館は、そもそも、どのような貢献をなし得るのであろうか。

 ――こうした想念から手元にある『大辞泉』をひもとくと、「教養教育」

の「教養」について、次の記述が見いだされる――「学問、幅広い知識、精 神の修養などを通して得られる創造的活力や心の豊かさ、物事に対する理解 力」。一方、「知性」については次の定義がなされている――「物事を知り、

考え、判断する能力。人間の、知的作用を営む能力」。

 このような一般の国語辞典に見られる定義をふまえた上で、「教養」につ いて本学創立者池田先生が学生に与えられた指針をひもとくと「[端的に言 えば]『洗練された常識』と、言えるのではないかと思います」・「清らかな 広々とした健全なる心が、第一義となってくる」等の言葉が見いだされる。

また、「知性」については、その涵養について「社会人、職業人になってい くための、知識と知恵を与え、学び取る教育」とされている。これらの言葉 を、上に引用した文部科学省の指針をふまえた上でとらえるとき、そこには、

本学のユニークな「教養教育」と「知性」の涵養のあり方が示されているよ うに思われる。

 現在、本学図書館では、年2回、教員による「読書講演会」(本学教員が 学生に勧めたい本の紹介を行う講演会)と大手書店における「選書ツアー」

が催行され、ならびに年1回の「ビブリオバトル」が開催されている。こう した従来からの諸活動に加えて、上に触れた文部科学省の指針と創立者池田 先生の言葉を意識し、学生の「教養」・「知性」の涵養に努めていきたいと願 うものである。なお、「スキルの向上」について言えば、現在、学生の英語 力増強を目指して多読のための図書が多く配備される等しているが、その点 でも充実の度合いを高めていきたい。

 次に、今回の「巻頭言」執筆依頼を受けた立場からする教員のリサーチと 学生の教養・知性の涵養とスキルの向上との関連について。短期大学と言え ば、文部科学省から示された、その「目的」である「専門教育の提供」に主

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〔巻頭言〕『紀要』第51号発刊に寄せて

眼が置かれるが、その目的の「基礎」となる「教養教育」も看過することは できないのではなかろうか。本学においても、おそらくは他の四年制大学・

短期大学の場合と同様に、諸先生方の専門は多岐に及ぶ。学生の「スキルの 向上」を専門とする先生もおられれば、アカデミックな研究に携わられる方 もおられる。前者は「専門教育」の充実と関係し、後者は「教養教育」の充 実と関係するのではなかろうか。リサーチの充実が教育の充実に還元される ことを想定すれば、いずれの分野も等しく重要であろうと思われる。

 ――以上、いまだ明瞭な結果の出ていない私的な想念の軌跡ではあるが、

本学諸先生方のご協力を仰ぎながら、本学図書館における諸活動のますます の充実とともに、学生の教養・知性の涵養と各種スキルの向上に努めてまい りたいと願う昨今である。

参照

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