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ウミボタル系発光酵素の酵素特性と活性発現機構

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Academic year: 2021

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ウミボタル系発光酵素の酵素特性と活性発現機構

著者 小林 孝次

雑誌名 静岡大学大学院電子科学研究科研究報告

25

ページ 141‑143

発行年 2004‑03‑08

出版者 静岡大学大学院電子科学研究科

URL http://hdl.handle.net/10297/1418

(2)

氏名 。(本

  

  

  

(長野県)

学位 の種 類

 

 

 (工 )

学位 記番 号

  

工博 甲第

  240  

学位授与の日付

  

平成 15年 3月 23日

学位授与の要件

  

学位規程第5条第 1項 該当 研究科専攻の名称

  

電子科学研究科

 

電子応用工学

学位論文題ロ

  

ウミボタル系発光酵素の酵素特性 と活性発現機構

論 文 審 査 委 員   (委員長)

教 授 長 村 利 彦

 

教 授 山 田 真 吉 教 授

 

 

 

 

  

助教授

 

近江谷

 

 

生物発光は地球上 における最 も効率の良いエネルギー変換系で、熱 を伴わない発光であることか "冷"と呼ばれている。この発光は生物体内でのルシフェリン・ルシフェラーゼ反応 と呼ばれる化 学反応 によって もたらされてお り、発光生物はこの光 を求愛、防御、威嚇等 に利用 している。これ までにホタル、発光 クラゲ等の生物発光系 は解明 されてお り、近年、その発光系の特色 を利用 し

ATP、

カルシウムイオン等の微量物質の検出や、遺伝子発現のモニタリングが行われている。

日本 に生息する代表的な発光生物であるウミボタルは、 日本 にはVargula hilgendorfii、7jJjんα

jJ εα、CypπJんαjんκι脇 おの3種が生息 している。 この生物 は発光器官 より発光基質ルシフェリ

ン、酵素ルシフェラーゼを海水中に放出 し、波長460111nの鮮青色の発光を呈する。 この発光はルシ フェリン、ルシフェラーゼ、酸素分子 によって引 き起 こされる特異性の高い酵素反応である。ルシ フェリンはイ ミダゾピラジノン骨格 を有する分子量478の トリペプチ ド由来の化合物であ り、ルシ フェラーゼ もcDNAがクローン化 され、アミノ酸555個 か らなる糖 タンパクであることが明 らかにさ れている。199o年代 より、この発光系 は遺伝子発現研究におけるレポータとして利用 されている。

以前の レポータには CAT、 μhl、ホタルルシフェラーゼなどの酵素が使用 されていたが、 これ ら の酵素は定量時に細胞破壊が必要なため、継続的なモニタリングが不可能であった。これに対 し

7ん

jJg̀κ

あ√jル シフェラーゼには分泌特性があ り、タンパク発現後、細胞外 に分泌 されることか

ら、継続的なモニタリングの問題 を解消 した。これまでに アλ

jJgι

κあブjルシフェラーゼを用いて、

細胞表面の分泌口より放出されるタンパクをリアルタイムでモニタリングした報告や、成長ホルモ ンプロモータ活性 を継続的にモニタリングした報告がされている。今後、アλうなικあ′j発光系は遺伝 子発現研究の有用 なツール として更に需要が高 まると予想 される。 しか しなが ら、この発光系 には 不明な点が存在 し、特 にルシフェラーゼでは、分泌 シグナル、活性部位、糖鎖機能など分子構造の

‑141‑

(3)

詳細 が未 だ明 らか に され てい ない。本研 究 はル シ フェ ラーゼの分子機 構 の解 明 を 目指 し、

アん

jJgι

んあ√Jル シフェラーゼの新規精製法 を確立 し、精製ルシフェラーゼの特性解析 を行 った。 ま た、

oc′

jJ″θαか らルシフェラーゼcDNAのクローニングを行い、哺乳類細胞で発現 したルシフェ ラーゼの特性解析 を行 った。

jJg̀ん

あブjルシフェラーゼの新規精製法は、アλ

jJgι

んあブjが発光時 にルシフェリン、ルシフェラーゼ以外の物質を放出 しないことに着 日し、発光液か らグルろ過クロマ トグラフイーで精製を行 うシンプルな精製法である。新規精製法では、作業は24時 間以内に完了 し、

収率 も従来の約6.6倍であった。精製 したルシフェラーゼは約2,000‑3,000 Daの N結合型糖鎖 を持つ、

分子量61.9 kDaの 糖 タンパ クであった。今回測定 された分子量は、cDNAよ り計算 された分子量 よ りも300‑500 Da小 さい値であ り、予想 される分泌 シグナル配列は、15〜30アミノ酸残基 と推定 され る。一方、CんοσttJ εαルシフェラーゼのcDNAク ローニ ングか ら、cんοσJ ルシフェラーゼはア ミノ酸553個 か ら成る分子量61.4 kDaの タンパ クであることを確認 した。 これは分泌型ルシフェラー ゼのcDNAク ローニングとしては2例日である。aんοεjJ″

ルシフェラーゼは アん

jJgι

んグοグjル シ フェラーゼ と高い相同性 を持 ち、塩基配列では79.2%、 アミノ酸配列では83.1%相 同であつた。哺乳 類細胞で発現 したルシフェラーゼの酵素特性 はほぼ同 じであるが、細胞か らの分泌特性が異な り、

οεjJ″

̀α

ルシフェラーゼの方が分泌性 に優れていた。οεJ θαルシフェラーゼには2箇所のN

結合型糖鎖修飾部位があ り、配列中の位置はjJgιあ′jルシフェラーゼと一致 した。ルシフェラー ゼにおける糖鎖機能を解明するため、ルシフェラーゼのN結合型糖鎖切断酵素処理 とアミノ酸置換 による脱糖変異体の作成及び特性解析 を行 った。その結果、酵素処理による活性の減少は見 られな かつたが、182番目のアスパラギンに結合 した糖鎖の除去によリタンパク安定性は顕著に低下 し、404 番 目のアスパラギンに結合 した糖鎖の除去によリタンパクの分泌量が減少 した。この結果 より、ルシ

フェラーゼの糖鎖は安定性、分泌 に関与 してお り、活性 には関与 していないことが解明された。

‑142‑

(4)

延伸操作は、決められた方向に分子鎖 を引 き揃えることによって、材料 に強度や弾性率の向上をも たらす加工手段である。本論文では、合成高分子材料の一軸延伸 における延伸性 と、得 られる材料強 度 について、ポ リマーブレン ドの立場か らFTIR、 熱分析、X線回折、顕微鏡お よび引つ張 り試験 によって検討 した。研究対象 として着 目した高分子材料は、ポリビニルアルコール(PVA)お よび超高 分子量ポリエチ レン(■rHMWPE)である。

1章

では、産業用高分子材料の現状 と要求 される課題すなわち低 コス ト・高強度・環境調和性 を満たす材料へ向けての位置づけと研究 目的が詳述 されている。

2章お よび第3章PVAに関するものである。PvAは近年、アスベス トの代替材料 にな りう る安全 な高分子材料 として着 目されているが、側鎖のOH基間に生 じる分子間水素結合が妨げとな り、延伸 による高強度化が難 しい。この分子間相互作用 を緩和 し、延伸 を容易にする希釈剤 または可 塑剤 としての役割 をポリエチ レンオキサイ ド(PEO)に 求めた。異なる分子量のPEOを もちい、その ブレン ド比、ブレン ド条件 において、第2章ではPVAの高次組織 と延伸性 について検討 し、第3章 ではPVAと PEOの相互作用性 と延伸試料の力学特性 について検討 した結果、低分子量PEOの分子 鎖末端OHがPVAに対 して可塑剤的に作用することを明 らかにし、PVAの高強度化の可能性 を示 唆 した。

4章および第5章は■

IH―

Eに関するものである。分子鎖のコンフォメーションがPvAと 様 に平面ジグザグ構造 をとるが、OH基がすべてHに置 き換わったかたちをとるlTHMWPEは、そ の分子間にフアンデルワールスカ しか作用 しないため延伸が容易で、いわゆるグル紡糸などの手法に よつて超延伸・高強度材料の作製が可能である。 しか しPEはその化学安定性ゆえに自然環境 中で分 解 しない。そこで、 このlIHMWPEと、領1鎖に低分子量PEに類似 したオクタデシル基 をもち、骨 格 にエーテル結合 をもつ トリーθ‐オクタデシルセルロース(C18)とのブレン ドをおこない、第4章 は主に両者の相互作用 と延伸性 を検討 した。その結果、オクタデシル基およびセルロース鎖がPE分

子鎖 と同様 に配向することを確認 した。 さらに第5章では、置換度の異なるオクタデシルセルロー ス との相互作用性、ブレン ド試料のセルラーゼ分解性および土中での分解性について検討 し、オクタ デシル基の置換度 を低めた c18と のブレン ド試料 について も同様の延伸性が得 られることお よび、

ブレン ドによる生分解性の向上が確認 された。

6章は結論であ り、本論文の研究内容 をまとめ、今後の課題 と展望が述べ られている。

以上のように本論文は、高分子科学および産業に有用な新たな知見 を提案 してお り、博士(工)の 学位 を授与するに足 る内容 を持つ もの と認定する。

‑143‑

参照

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