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父親支援の検討 : 父親の子育ての現状と支援ニー ズに関する考察

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父親支援の検討 : 父親の子育ての現状と支援ニー ズに関する考察

著者 金山 美和子

雑誌名 長野県短期大学紀要

巻 63

ページ 63‑68

発行年 2008‑12

URL http://id.nii.ac.jp/1118/00000156/

(2)

長野県短期大学紀要 第 6 2 号 2 0 0 8 年 1 2 月

Jo u r na lofNa ga noPr e r e c t ur a lCo l l e ge , No . 6 3 , De c e mb e r2 0 0 8

長野県短期大学

〒 3 8 0 ‑ 8 5 2 5 長野市三輪 8 ‑

4

9 ‑ 7

父親支援 の検討

― 父 親 の 子 育 て の 現 状 と 支 援 ニ ー ズ に 関 す る 考 察 ― Examination on Child‑rearing Support of Fathers

金 山 美 和 子   M i w a k o   K a n a y a m a

Ⅰ. 問題 と目的

平成 1 6 年、少子化社会対策大綱 の重点課題の 1

つ として 「 仕事 と家庭の両立支援 と働 き方の見直 し」

の更なる取 り組み方針が示 された。大綱 には、妻 の 就労の有無 にかかわ らず男性が親 としての役割を積 極的に果 た していけるようにす るための新たな取 り 組 みの推進や、職場の管理職や地域 の町内会等で中 核的役割 を担 う人の意識改革のための取 り組 みを進 め ることなどが明記 されている。 これによ り、男性 を対象 とした子育て支援や社会全体 の意識改革の更 なる推進のための具体的支援施策の取組が各地で実 施 され るよ うにな った 1

)

。2 0 0 6 年 9 月 にはカナ ダ

ファミリー リソースプログラム協会が発行す る父親 支援 プ ログラムの企画 ・実践者 向 け‑ ン ドブック

「Support i ng Fat he r s お父 さんの育児 を助 けよう 」

の 日本語版 2) が出版 された他、各地で様々な父親 支援 プ ログラムの試みが開始 された 3 ) 。 しか し父 親支援研究 は緒 についたばか りであ り、支援 プログ

ラムや支援のあり方が模索 されている。父親 の子育 てを支えるための有効な支援が展開 され るためには 父親が持っ子育て支援ニーズの把捉 は不可欠である。

これまでの研究か ら筆者 は、父親 には母親 とは異 なる子育て支援 のニーズがあ り父親特有 の支援が必 要 であることを示 して きた 4) 。本研究 は、 父親が 仕事 と子育てを両立 させるため、そ して子 どもと過 ごすためにどのよ うな支援を必要 としているのかを 探 り、父親の子育てを促進す る子育て支援のあり方 を検討す ることを目的 とする。具体的には、子育て をする父親を対象 に子育ての現状 と必要 な支援につ いて質問紙調査並 びに聞 き取 り調査 を実施 しその結 果 を考察す る。

Ⅱ.方・法

1.調査方法

質問紙調査 によ り父親 の意見を収集 した。 それに 補足す る形で質問紙調査時に協力を申 し出た回答者 を対象 に聞 き取 り調査を行 った。

2. 調査対象

長野県上 田市の 2 企業 に協力を依頼 した。就学前 の子 どもを もつ家庭 の父親 を対象 に社内 メールで質 問紙 シー トを送信 し任意で回答を得 た。

3. 調査時期 2 0 0 7 年 1 0 月上旬 〜1 2 月下旬

4. 調査内容

( 1 ) 子育ての現状 に関す る項 目

勤務形態、育児内容、子育てに関する相談相手 に ついて選択肢を設 けて該 当す るものを複数回答可能 な形式で質問 した。 また、仕事 と子育ての両立の方 法、子育てに関す るパ ー トナーか らの評価、パ ー ト ナーへの要望 について 自由記述形式で質問 し回答者 の率直な意見を収集で きるよ うに した。

( 2) 子育て支援 に関す る項 目

必要な支援 について選択肢を設 けて該 当す るもの を複数回答可能な形式で質問 した。 さらに地域子育 て支援 の利用経験 と利用促進の条件 について選択肢 を設 けて該当す るものを複数回答可能な形式で質問 した。地域子育て支援施設 「 子育て支援 セ ンター」

「 子育てひろば」 について調査対象者 の父親 に周知

されていないことが予想 され るため、その機能 と趣

旨説明を加えた。 また、 自由記述欄 を設 けて選択肢

にない意見 を収集で きるよ うに した。

(3)

Exami nat i o no nChi l d‑ r e ar i ngSupp o r tofFat he r s

Ⅲ. 結 果 と考察

1.回答者の概要

回答者 は就学前の子 どもをもつ父親 1 0 2 人である。

回答者 の年齢 :年代別で は 3 0 代が 5 4 . 9 % と最 も 多 く、次 いで 4 0 代が 3 4 . 3 %、2 0 代が 5 . 9 %、5 0 代 が 4 . 9 % であった。

回答者の勤務形態 :平 日の昼間勤務の回答比率が 1 0 0 . 0 % であ った。

2. 子育ての現状

t l ) 父親が 日頃行なっている育児

父親が 日頃行 っている育児内容 について該当す る ものを選択肢か ら複数回答 した結果を図 1 に示 した。

01 20

1

401 601 80t 1OOl

子 どもと‑Jeに自宅で遊ぶ 子どもを浴室で入浴 させろ チどもと一拍に外川して述ぷ チどもの水取JF脱 ・五重もめ入浴 させる 排他をさせる (オムツの交姓を含む) 子どもに女中で食事を与える (ミルクも含む) チ ビもi・gFかせる 子どもを病院に連れて行 <

1どbにA事壬作って与えさ くミルクも含tJ) 声や苧攻の送迎をする 習い事の送迎や付 き添いを寸も fどもを乳幼児始港に連れてti‑1く

図 1 父親が 日頃行 っている育児内容 注.回答者数 は 1 0 2 である。

育児内容項 目の うち他 の家族 との連携が必要 な項 目であ る 「浴室で入浴 させ る」 の回答 が 8 5 . 3 % 、

「 食卓で食事 を与え る」 が 7 5 . 5 % であ った。父親 が 単独で行 う育児内容項 目である 「 衣服 の着脱 ・洗髪 後の整髪 も含め入浴 させ る」が 8 1 . 4 % 、「 食事を作 っ て与 え る」 が 5 3 . 9 % と数値 は若干低 くな る。 しか

し 「 一緒 に遊 ぶ 」8 9 . 2 % 、「 寝 かせ る 」7 0 . 6 % 、「 病 院 に連 れて行 く 」5 5 . 9 % 、 「園 の送迎 」5 0 . 0 % な ど も含め単独で行 う育児内容項 目に関す る回答数の比 率 はいずれ も 5 0 . 0 % を超 えている。

単独で行 う育児内容項 目に関す る回答数の比率が 過半数を超え ることか ら、母親 の補佐 として子育て に参加す るのではな く、担 い手 のひとりとして子育

てをす る父親が少 な くないといえよう。

( 2) 子育ての相談相手

子育ての相談相手 として該当す るものを選択肢か ら複数回答 した結果を図 2 に示 した。

Jl‑ トナ ー (チど もの母親 ) 自分の叔 友人 宅 鳩の仲間 )i‑ トナー の 故 国や学 校の先生 近所の知 り合 い 保蛙 師.心 理魚等 の噂門載 柏餅相手がいな い 頼政の必単がない

図 2 子育てに関する相談相手 注.回答者数 は 1 0 2 である。

「パ ー トナー」 の回答が 8 4 . 3 % 、次 いで 「自分 の親」 が 3 5 . 3 % 、「 友人」が 3 2 . 4%、「 職場 の仲間 」

が 3 1 . 4% である。

これ らの ことか ら回答者である父親は子育てに関 しては相談相手を必要 としており主な相談相手はパー トナーであることが示 された。園や学校の先生、保 健 セ ンター、心理職等の専門職 は地域の子育て支援 者である。 これ らの選択肢の回答率の低 さは、父親 と地域子育て支援 との接触の少 なさを示す ものであ ると推察 され る。

( 3 ) 父親が考え るパー トナーか らの評価

父親 自身が考え る子育てに関す るパー トナーか ら の評価 について得 た自由記述回答をまとめた ものを 表 1 に示 した。

表 1 子育てに関 してパー トナーか らどう評価 され ているか

現状では不十分であると評価 されている 満足 している ・喜ばれている ・感謝されている 当然の ことである ・応分の負担を期待 されている その他

% % % % 1 7 9 3 1 6 8 3 4 3 1

注.回答者数 は8 8である。

(4)

父親支援の検討

「現状 で は不十分であると評価 されている」 が 4 2 . 0 % 、「 満足 している ・喜んでいる ・感謝されてい る」が 3 7 . 5 % 、 「当然 の ことである ・応分 の負担 を期待 している」が 9 . 1 % 、 「その他」が 1 1 . 4 % で あった。「 現状では不十分であると評価 されている」

の記述回答内容の過半数に 「もっと子育てに参加 し て欲 しいと思 っているようだ 。 」 「そ■ れなりに協力は しているつ もりだが、 まだ足 りないと感 じているよ うだ 。 」 「もう少 し積極的に関与 して欲 しいといわれ る 。 」 など 「もっと 」 「まだ 」 「もう少 し」の語句が 使用 されていた。 また、「当然の ことである ・応分 の負担を期待 されている」 の記述回答には 「 共働 き 夫婦なので分担するのは当然。家事面 まで、 もっと 自分に任せて くれると嬉 しい。」 などと応分 の負担 を高い評価 として受 け止める内容が 4 件あった.一 方、「 父親が子育てをす るのは当然の ことだ と思 っ ていて感謝の言葉がない。」 などとパ ー トナーか ら 自身の子育てを当然だ と評価 されることを低 い評価 として受 け止 める内容 も同数 の 4 件であった。「そ の他」の主 な記述回答内容は 「 子 どもと自分 ( 父親) が遊んでいるとパ‑ トナーが嫉妬することがある. 」

「 妻 は育児 に専念 したい ( 会社を辞 めたい) が経済 的理由で仕事を続 けている。子 どもを保育所 に預 け なければならないことに寂 しさを感 じているようだ。 」 などのほか 「 母親 はいないのでわか らない 。 」の回 答 もあった。

( 4 ) パー トナーへの要望

父親が子育てをする上でパー トナーに求めること について得た自由記述回答を内容 ごとに分類 したも のを表 2 に示 した。

表 2 子育てをする上でパー トナーに求めること 特 にな し

口出 ししないではしい ・任せてほしい 仕事について理解 してほしい

パー トナーに対 して協力 したい ・理解 したい パ ー トナーに対 して満足 している

その他

% % % % % % 9 4 4 5 5 4 9 2 9 7 4 6 2 2 1 1

注.回答者数は 6 7 である。

父親 であ る回答者 がパ ー トナーに求 める もの は

「特 にな し」 が 2 9 . 9 % で、パ ー トナーに対 して特 に 要望は無いとの回答比率が高い。また、「 パー トナー に対 して協力 したい ・理解 したい」が 7 . 5 % 、「 パー トナーに対 して満足 している」 が 4 . 5 % で、特 に要 望 は無 い、現状に満足 している、又 は回答者がパ ー トナーに対 して更なる協力や理解を示す内容を合わ せ ると現状満足の回答比率 は 4 1 . 9 % である。

パー トナーに求めるものとして 「口出 ししないで は しい ・任せてほ しい」が 2 2 . 4%である。記述回答 内容 としては 「やろうとしていることにす ぐ口出 し

しないではしい 。 」 「 妻の思いどお りにで きな くて も 黙 っていてほしい 。 」 「自分のや り方が全て正 しいと は限 らないので任せては しい。」 などが複数み られ た。次 に 「仕事 について理解 してほしい。」 が 1 9 . 4

%で 「 仕事で疲れて帰宅 しているので、帰宅 してす ぐにいろいろ言いっけないではしい 。 」 「 平 日の帰宅 が遅い ときにあまり不機嫌 にな らないでほ しい。」

などの記述回答内容があ った。「その他」 は 1 6 . 4%

で、「たまには一人の時間がほ しい . 」 「 父親 として で きることはやっているけれど、妻の要求がどん ど ん高 くなっていって しまう 。 」 「 妻 に大人 にな ってほ しい 。 」 「 父親を悪者 に して子 どもを説得す ることは やめて はしい。 」 などの記述回答内容がみ られた。

これ らの過干渉や仕事への理解を求める記述回答内

容か らは、夫婦が対等 に協力 しての子育てというよ

りも主導権をもっ妻 に自分が添 う形での子育てを し

ていると捉えている父親が少 な くないことが推察 さ

れ る。

(5)

Exami nat i o no nChi l d‑ r e a r i ngSupp o r to fFa t he r s

3. 支援ニーズと地域子育て支援の利用状況 ( 1 ) L父親の支援ニーズ

子育てをするために必要な支援 として選択肢か ら 複数回答 した結果を図 3 に示 した。

0 1 2 0 % 4 0 1 6 0 1 8 0 1

千*てのための時桝的な余裕 チ書てのためのJI汁的な余裕 チ書てのための8許的な余裕 手書て と仕事 を粥 証させるためのtI の胡座 7書てのための斥力的な余裕 チ*てと仕事 をiq正させ るためのtJIの亜群 /i‑ トナー くずどt)の母&)の孝書やサポー ト 子 どもと‑♯ L=)ぴた行 <4所 JS姓 トイ レt=blナるオム禁洗骨や

♯3k内の札幼児用 X肋■ Tのqt 子 Eもへの凍 し方や T.ども旦JIな どの BJl亡事flAB 胡 7・で>加 でさる地七 のイ ベ ン トな どの廿和 子 ebとの古 び方や横 し方t伴■的 にす7rTz'沈金 q L',よ うt:TfT モ丁 もXIuLJ

一時漢書や 千Yてひ ろはな と Jet十●て t4にJllleqq 千*てや毛丘のGiみ t気性に胡Aで さる

q 7や1ホ

図 3 父親が子育てをするために必要な支援 注.回答者数は 1 0 2 である。

働 き方 に関する項 目では 「時間的余裕」の回答が 6 8 . 6 % 、「 精神的余裕」が 6 0 . 8 % 、「 経済的余裕」が 5 8 . 8 % 、「 職場の支援制度」が 41 . 2 % 、「 職場の理解」

と 「体力的余裕」 が 4 0 . 2 % であ った。地域子育て 支援 に関する項 目では 「 子 どもと準 びに行 く場所」

が 4 4 . 1 % であ り、 「子育てを学ぶ機会 」 「 親子で参 加で きる催 しの情報 」 「 支援セ ンターやひろばの情 報」 の項 目は 2 0 . 0 % 台か ら 1 0 . 0 % 台 に留 ま った。

「子育て相談 の相手や場所」 は 5 . 9 % であ った。本 調査では父親の支援ニーズは働 き方 に関する項 目の 回答比率の方が地域の子育て支援に関す る項 目に比 べ 全体的に高い結果であった。回答者 は平 日勤務の ため子どもと過 ごす時間は帰宅後 と休 日に限 られる。

そのため子 どもと過 ごすたb' に必要 な地域子育て支 援 に関す る項 目への回答比率が低い結果 となったと 思われる。

( 2 ) 地域子育て支援の利用経験 と利用促進の条件 域子育て支援 についての利用経験があるとの回答 比率 は 1 5 . 7 % と低 い。 これは調査実施地域 の子育 て支援セ ンター及 び子育てひろばの開設時間が平 日 の昼間のみであることが大 きく影響 していると思わ

れる。つ ぎに地域子育て支援利用促進の条件 につい て該当す るものを選択肢か ら複数回答 した結果を図

4 に示 した。

Dt 201

● 仇

又4センターやひろばL:jrjil■が

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ませtン>‑◆ひろばに号丘の1ケツフ◆父■の

図 4 地域子育て支援利用促進の条件 注.回答者数は 1 0 2 である。

「 支援センターやひろばに遊び道具が沢山あると 利用 しやすい」が 3 5 . 3 % 、「ある程度の広 さがある と利用 しやすい」が 3 1 . 4 % 、「 男性 スタッフや父親 の利用者がいると利用 しやすい」 が 2 8 . 4%、「 支援 セ ンターやひろばのスタッフか ら積極的に話 しかけ られ るのは嬉 しい 」1 7 . 6 % 、・ 「 支援 セ ンターやひろ ばのスタッフか ら積極的に話 しか けられるのは苦手 である 」3 . 9 % であった。

現在、子育て支援セ ンターや子育てひろばでは男 性の利用促進のため様々な実践が試みられている。

しか し、父親の利用促進のための具体的方策 はまだ 確立されていないのが現状である。カナダファミリー リソースプログラム協会が発行す る父親支援プログ ラムの企画 ・実践者向けハ ンドブックにおいては、

ファミリー リソースセンターが父親を温か く迎え入 れる雰囲気の構築について、セ ンターを男性が使用 する場所 は男性好みの仕様にすることや、た くさん の遊具がある広いスペースを作 ることなど具体的な 項 目を提案 している

5)

。わが国では父親の地域子育 て支援の利用 は多 くはないが今後 は父親 にとって利 用 しやすい条件の整備が必要であると思われる。

( 3 ) 仕事 と子育ての両立方法について

仕事 と子育ての両立方法について得た自由記述回

答を内容 ごとに分類 した ものを表 3 に示 した.

(6)

父親支援の検討

表 3 仕事 と子育ての両立方法

フレックスタイム制度 ・有給休暇制度 ・育児休業等の利用

2 8 . 6 %

定時で帰 る ・残業を減 らす

2 5 . 0 %

現状での両立 は無理である

1 2 . 5 %

転職 ・同居 1 0 . 7 %

帰宅後 ・休 日の関わ りを増やすよう工夫す る

8 . 9 %

上司の理解が必要である

その他

% % 4 9 5 8

注.回答者数 は

5 6

である。

「フレックスタイム制度 ・有給休暇制度 ・育児休 業等の利用」 が 2 8 . 6 % 、「定時で帰 る ・残業を減 ら す」が 2 5 , 0 % 、転職 ・同居が 1 0 . 7 % 、「帰宅後 ・休 日の関わ りを増 やす よ う工夫す る」 が 8 . 9 % 、「上 司由理解が必要である」が 5 . 4%、「その他」 が 8 . 9

%である。 また、「 現状での両立 は無理 である」が 1 2 . 5 % である。 「フ レックスタイム制度 ・有給休暇 制度 ・育児休業等の利用」の記述回答内容 は 「フレッ クスタイム制度を利用 し園の送迎を した 。 」 「フレッ

クスタイム制度のおかげで朝子 どもと接する時間を 持っ ことがで きてよか った。」 などフ レックスタイ ム制度 に関す る内容が半数以上 を占める。育児休業 の取得 は 1 件であ った。 「 定時で帰 る ・残業 を減 ら す」の記述回答 は 「 一度帰宅 して子 どもを入浴 させ 職場に戻 る 。 」 「 仕事の能率を上げ残業を極力避 ける。 」

「 人 の何倍 も効率 を上 げて仕事 を した 。 」 「限 られた 時間 しか仕事ができないので、子 どもが寝た後様々 な どジネス本 を読 み能力 をっ けた。」 な どの内容が 複数 み られ た。 「転職 ・同居」 の記述 回答 内容 は

「 前 の会社で単身赴任 にな った。単身赴任の共働 き で子育ては不可能 と判断 したので今の会社 に転職 し た 。 」 子育ての時間を確保するため転職 した 。 」

働 きを続 けるために妻 の両親 と同居 した 。 」 などで ある。

父親 の時間的余裕 が家事 ・育児分担 を左右 す る ( 前臥 2 0 0 4 ;村山,山本,諏訪,望月 ,2 0 0 8 ) 。前田 は、子 どもには子 どもの生活ペースがあるため、父 親が子育てをす るためには子 ど もの生活 ペースにあ わせ られ る時間的余裕があるか どうかがカギになる

6)

と している。本調査 にお ける仕事 と子育 ての両立 に関す る自由記述回答か らは、育児時間を確保す る ため社内制度利用や 自助努力の実態が うかがえ る。

しか し個人 の努力 には限界があ り、両立 のためのス トレスが親子関係や夫婦関係 に与え る影響 も懸念 さ れ る。職場環境の整備が急務であるといえよ う。

Ⅳ. 全体考察 と今 後 の課題

本研究では、行動計画を策定 し子育て支援 に取 り 組 む企業 において調査協力 を申 し出た父親調査 を対 象 とした。子育てに対す る父親 の意識 も高 く比較的 子育て しやすい職場環境であると推察 され る。父親 の子育てについては、父親が単独で行 な う育児 内容 項 目への回答比率が半数 を越え、回答者が積極的に 育児 に参画 していること、父親 にとって子育ての主 な相談相手 はパー トナーであることが明 らか となっ た。家庭で子育てをす る母親 に比べ会社 と家庭 の他 に地域 とのつなが りの薄 い父親 の現状か らす ると当 然 の結果 といえよう. しか し、パ ー トナーか らの過 干渉を不満に思 う記述 もみ られるように、父親にとっ てパー トナー意外の第三者 との交流や子育て相談が、

父親の子育てをよ り豊かな ものにす るので はないか と思われる。

父親の支援ニーズについては、働 き方 に関す る項

目の回答比率が地域 の子育て支援 に関す る項 目に比

べ全体的に高か った。 自由記述回答か らも父親 は自

身 の子育てについてパ ー トナーか らの評価 を 「 現状

のままでは不十分である」 と捉え、パ ー トナーに対

し仕事への理解を求 めていることが示 された。現時

点では父親 の子育てに対 しては、仕事 と子育ての両

立 のための職場 における支援が急務 といえよう。 し

か し、本調査 において地域子育て支援 に対す るニー

ズが低 い結果であ った ことは慎重 に考慮すべ きであ

る。調査対象者の支援利用経験が少 ないことが回答

結果 に影響 を与えている可能性 は否 めない。地域子

育て支援の利用経験 は」父親が時間的 ・精神的 ・経

済的余裕をもって子育てす ることができるようになっ

てはじめて保障されるものである。 この点 において、

(7)

Exa mi na t i o no nChi l d ‑ r e a ri ngSu p po r to fFa t he r s

本研究で は比較検討す るデータがな く充分 な考察 を 行 うことがで きなか った。今後 は、地域子育 て支援 の進捗状況 の異 な る複数 の地域 を対象 と した調査 を 実施 し、子育 ての現状 や支援 ニーズの比較検討 を試 みたい。

父親 の積極的な育児参加が夫婦関係 の質を向上 さ せ る

7)

。父親 の子育てを支援す ることはす なわち母 親 の子育てを支援す ることであ り、夫婦関係 の質 の 向上 は家庭 の教育機能の向上を意味す るものである。

父親支援 は健 やかな子 ど もの育 ちを保障す るための 有効 な方策 であるといえよう。

1)一例 としては 、2 0 0 5 年度か ら特定非営利活動法人市民 活動情報セ ンター ・‑ ンズオ ン埼玉が埼玉県の公募型委 託事業 に企画を提案 し実施 している 「おとうさんのヤキ イモタイム」が挙 げられる。 この事業 は、育児参加、地 域参加 を したいが きっかけが持ちに くい子育て中の父親 に地域でつなが り子育てす る楽 しさを味わ って もらい、

暮 らしや地域、子育て、家族について考え、話す機会 と す るためのキ ャンペー ンであり 、2 0 0 8 年度現在 も実施 さ れている。 また 、2 0 0 6 年 1 2 月には父親 の子育て支援活 . 動 を行 なう特定非営利活動法人 ファザー リング ・ジャパ ンが立 ち上 げ られ、 セ ミナーの開催や調査研究が進め ら れている。

2)B. Be a ur e ga r d. F. Br o wn 著 平野陽子監訳 F Sup por t i ng Fat he r s お父 さんの育児を助けよ う」 ( 特定非営利活動法 人子 ども家庭 リソースセ ンター 2 0 0 6 . 9 . 3 0 )

3) 大豆生田啓友 F 5 0 のキーワー ドでわかる子育て支援 &

子育てネッ トワーク」 (フレーベル館 2 0 0 7 )p p . 6 2 ‑ 6 5

4)拙稿 F 男性の育児を促進する子育て支援 の検討一上越 市 における実践事例を通 して ‑ 』 ( 上田女子短期大学紀要 第二十七号 2 0 0 4 . 1 ) 男性の育児 を促進す る子育て支援 の検討

(2)

一地域子育て支援の利用状況調査か ら一』( 上 田 女子短期大学紀要第二十八号 2 0 0 5 . 1 ) 『 男性の育児を促 進す る子育て支援 の検討

(3)

一企業 における子育て講座 の 実践事例か ら ‑ 』( 上田女子短期大学児童文化研究所所報 第 2 9 号 2 0 0 7 . 3 ) を参照 されたい。

5)B. Be a ur e gar d. F. Br own 著 平野陽子監訳 F Suppo r t i ng Fat he r s お父 さんの育児を助けよ う』 ( 特定非営利活動法 人子 ども家庭 リソースセ ンター 2 0 0 6 . 9 . 3 0 )p . 3 4 6 )前 田正子 『 子育て しやすい社会 保育 ・家庭 ・職場を

め ぐる育児支援策』(ミネルヴァ書房 2 0 0 4 )p. 1 4 0

7) 田村 毅 ・倉持清美 ・岸 田泰子 ・木村恭子 ・及川裕子

『出産 ・子育てが親の成長 と夫婦関係 に与える影響( 8)一 男性の子育 て参加 ‑ , )( 東京学芸大学紀要第 6 部門第 5 6

集 2 0 0 4 )p. 4 4

謝 辞

この研究 を進 めるにあた り快 く調査 に ご協力 くだ

さ った企業 の皆様 に心 よ り感謝 いた します。

参照

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