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医薬開発のための細胞検査法などへの応用が想定されている。

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科 学 技 術 動 向 2007 年 1 月号

6 Science & Technology Trends January 2007 7

  ナノテク・材料分野  TOPICS NanoTechnology & Materials

 脳の神経系を構成する細胞であるニューロンにおいては、信号の授受は樹状突起および軸索から行わ れていると言われている。これまでは、樹状突起および軸索の寸法に比べて測定デバイスが大きすぎたた め、ニューロン間に形成される接合部位としてのシナプスの信号伝達を検出する手段がなかった。 米国 ハーバード大学の研究者らは、シリコンのナノワイヤ電界効果トランジスタ(FET)を作製して、ラット のニューロンの軸索に幅が約 20nm のナノワイヤ電極を連結して、脳神経の信号を検出することに成功 した。研究者らはp型とn型のシリコンのナノワイヤ FET を並べ、培養されている単一のニューロンの 軸索に沿って FET とニューロンから構成される配列を形成した。この配列を用いて、ナノワイヤ接合部 を介して脳神経の信号を検出し、この電極を通して刺激あるいは抑制することを試みた。このデバイスは、

医薬開発のための細胞検査法などへの応用が想定されている。

トピックス4

 脳神経の信号を検出するシリコンのナノワイヤ電界効果トランジスタ

 脳の神経系を構成する細胞であるニューロンの 基本的な機能は、細胞への入力刺激により電位を 発生させ、他の細胞にその情報を伝達することで ある。ニューロンは細胞体、他のニューロンから の入力を受ける樹状突起、他のニューロンに出力 する軸索から構成されている。個々のニューロン に複数のニューロンから信号を入力したり、信号 電位を変化させて情報の修飾が行われると言われ ている。しかし、これまでは、脳の中の信号伝達 などの神経活動に関わる、ニューロン間に形成さ れる接合部位としてのシナプスの信号伝達を検出 する手段はなかった。脳の活動を測定するための これまでのデバイスの電極配列寸法は、ニューロ ンの軸索や樹状突起レベルでの活動を検出するに は大きすぎた。

 米国ハーバード大学の F. Patolsky らは、シリ コンのナノワイヤ電界効果トランジスタ(Field  Effect Transistor:FET

注)

)を作製して、ラットの 脳神経細胞の軸索にナノワイヤ電極を連結し、脳 神経の信号を検出することに成功した。研究者ら は、p型とn型のシリコンのナノワイヤ FET を並 べ、培養されている単一のニューロンの軸索に沿 って FET とニューロンから構成される配列を形成 し、この配列を用いて、ナノワイヤ接合部を介し て脳神経の信号を検出することでその伝播速度を 測定した。さらに、ナノスケールのシリコンのナ ノワイヤ FET の電極をニューロンに触れさせて、

生きている哺乳類のニューロンの軸索と樹状突起 から神経信号を検出し、電極を通して刺激あるい は抑制することが試みられた。 ニューロンとの接 触を、一つの軸索に沿って、20μm 未満の間隔で最

大 50 個所の電極を用いて電気伝導度の測定および 操作として行うことができる。シリコンのナノワ イヤから成るフィラメントの幅は約 20nm であり、

ニューロンから突き出ている軸索と樹状突起とほ ぼ同じ大きさであるため、個別の神経信号の授受 を検出でき、従来の方法より数千倍も小さいスケ ールで神経信号の測定が可能になった。

 本研究は、医薬開発のための細胞検査法などへ の応用が想定されている。

参考  1)   F. Patolsky et al., Science, Vol.313, 25  August, 1100 (2006)

  2)   S. Bradt, http://www.news.harvard.edu/

gazette/2006/08.24/99-nanowire.html 注 FET:ゲート電極に電圧をかけ、チャネルの電界によ り電子または正孔の流れにゲートを設ける原理で、ソース とドレイン端子間の電流を制御するトランジスタ。

シリコンのナノワイヤ FET とニューロンから構成される デバイス配列の模式図

参照

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