報 道 発 表
科学技術・学術政策研究所
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平成 30 年 2 月 28 日
「『博士人材追跡調査』第 2 次報告書」の公表について
文部科学省 科学技術・学術政策研究所(所長 坪井 裕、以下「NISTEP」という。)
では、博士課程への進学前の状況や在籍中の経験、また、現在の就業や研究の状況等 を把握することを目的に、博士課程を修了した者を対象にした「博士人材追跡調査」
(JD-Pro:Japan Doctoral Human Resource Profiling)を平成 26 年(2014 年)から実 施しています。今回、平成 28 年(2016 年)11 月に実施した調査の結果を「『博士人材追 跡調査』 第 2 次報告書」として公表します。第 2 次報告書では、2012 年度博士課程 修了者
*(2012 年コホート
†)の修了 3.5 年後の状況及び 2015 年度博士課程修了者(2015 年コホート)の修了 0.5 年後の状況等について結果を示しています。
平成 28 年(2016 年)11 月に実施した調査の枠組と主な結果は、以下の通りです。
○ 調査の枠組
A)2012 年コホート 3.5 年後調査
2012 年度に博士課程を修了した者への 2 回目の調査で、博士課程修了 3.5 年後の 状況を調べています。
B)2015 年コホート 0.5 年後調査
2015 年度に博士課程を修了した者への 1 回目の調査で、博士課程の状況や、博士 課程修了 0.5 年後の状況を調べています。
2012
年コホート
2015
年コホート
1.5年後
平成28年度(2016年度)実施
3.5年後
0.5年後
※「『博士人材追跡調査』 第1次 報告書」NISTEP REPORT No.165
※「『博士人材追跡調査』 第2次報告書」
* 「学校基本調査」における博士課程卒業者(満期退学者を含む)。
† コホートとは「集団」を意味する。
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○ 主な結果
(1)博士号取得率は、博士課程修了 3.5 年後には 89.5%となっています(前回調査 2012 年コホート 1.5 年後は 83.8%)。分野別に見ると、自然科学系では 9 割を超えて いますが、人文系及び社会科学系は学位取得までの期間が長いことが一般的に知 られており、今回の修了 3.5 年後調査でも博士号取得率は 6~7 割台となっていま す。
(2)文部科学省の博士課程教育リーディングプログラムによる支援を受けた者の、博 士課程の教育・研究指導等に対する主観的評価は、「支援あり」の方が「支援な し」よりも総じて高く、特に、「国際性の向上」の認識については、リーディン グプログラムによる「支援あり」と「支援なし」との差が大きくなっています。
(3)アカデミア(大学等及び公的研究機関)における任期制雇用率は、2012 年コホー ト 3.5 年後においても 52.2%となっており(前回調査 2012 年コホート 1.5 年後 は 60.3%)、半数以上の者が任期制雇用となっています。分野別で見る任期制雇 用率は、理学系が最も高く、工学系が最も低くなっています。
※本データは、各調査時点にアカデミアで雇用されている者を対象としています。
(4)所得階層は、2012 年コホート 1.5 年後から 3.5 年後の 2 年間で全体に上がってい ます。300‐400 万円の層で大きく減少し、600‐700 万円の層は大きく増えていま す。また、人文・社会科学系では、所得分布が 2 峰に分化する傾向が見られます
(前回調査 2012 年コホート 1.5 年後では、200-300 万円付近に1峰)。
(5)博士課程修了後の三大都市圏
‡と地方圏の移動について、2015 年コホートの出身 大学院の所在地と現在の所在地から分析を行った結果、「三大都市圏→三大都市 圏」という大都市循環型が最も多く、また、三大都市圏から地方圏への移動の方 が地方圏から三大都市圏への移動よりも多いこと、全体では約 4 割が地方圏に在 住していることが明らかになりました。
※本報告書は、下記の NISTEP ホームページから入手することが可能です。
(NISTEP ホームページ:http://www.nistep.go.jp)
※「博士人材追跡調査」の回答に御協力いただいた皆様で希望者には、本報告書のダイ ジェスト版を配布予定です。
‡ 本報告書では、東京・千葉・神奈川・愛知・京都・大阪・兵庫を「三大都市圏」と設定し、これ以外の都道府県を
「地方圏」としている。
(お問合せ)
文部科学省 科学技術・学術政策研究所 第 1 調査研究グループ 担当:小林淑恵、松澤孝明
TEL: 03-3581-2395(直通) FAX: 03-3503-3996
e-mail:[email protected] ホームページ:http://www.nistep.go.jp
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概 要
概要1. 博士人材と「博士人材追跡調査」の概要
博士課程の入学者数は 2016 年度に 14,972 人で、1997 年以来 19 年ぶりに 15,000 人を切 っている。入学者数のピークは 2003 年の 18,232 人であり、この時に比べ 3,000 人以上減 少している。博士課程を修了した者は、知の創出をはじめ科学技術によるイノベーション 活動の中核を担う人材であり、大学等及び公的研究機関(以下「アカデミア」という。)
はもとより、産業界を含めた多様な場で活躍することが期待されている。
このため、科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、博士課程への進学前の状況や在 籍中の経験、また、現在の就業や研究の状況等を把握することを目的に、平成 26 年(2014 年)から「博士人材追跡調査」を実施し、博士課程修了者1に向けた継続的なキャリアパスの 把握を行い、客観的根拠に基づく政策形成の実現に向けたエビデンスの構築を目指してい る。
2012 年度に日本の大学院の博士課程を修了した者(以下「2012 年コホート」という。)、 2015 年度に日本の大学院の博士課程を修了した者(以下「2015 年コホート」という。)を 対象に、平成 28 年(2016 年)には 2012 年コホートの博士課程修了 3.5 年後と 2015 年コホー トの博士課程修了 0.5 年後調査を実施した(概要図表 1)。調査内容は、博士課程への進学 理由、博士課程での教育・研究経験、博士課程での経済的支援、学位取得の状況、就業状 況、キャリア意識、研究の状況、世帯状況等である。回収状況は、2012 年コホート 3.5 年 後調査で、調査依頼数 5,044 名、回答数 2,661 名、有効回答数 2,614 名 (回答率:52.8%、
有効回答率 51.8%)であった。また、2015 年コホート 0.5 年後調査では、大学からの依頼 数 13,517 名(依頼率 87.8%)、有効回答数 4,922 名(有効回答率 36.4%)であった。
概要図表 1 「博士人材追跡調査」の実施状況
1 「学校基本調査」における博士課程卒業者(満期退学者を含む)。
2012
年コホート
2015
年コホート
1.5年後
平成28年度(2016年度)実施
3.5年後
0.5年後
※「『博士人材追跡調査』 第1次 報告書」NISTEP REPORT No.165
※「『博士人材追跡調査』 第2次報告書」
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概要2. 博士号の取得
博士号取得率の推移を示したものが概要図表 2 である。2012 年コホートでは博士課程修 了時が 72.2%であったのが徐々に増え、博士課程修了 3.5 年後には 89.5%となっている。2015 年コホートでも、博士課程修了時の 72.9%から 0.5 年後には 78.8%と増加している。満期退 学した者がその後 3 年以内で学位を取得すれば「課程博士」を授与している大学もあり、
その期間内に学位を取得する者が一定程度存在することが分かる。しかし、概要図表 3 の ように 2012 年コホートを分野別に見ると、自然科学系では博士号取得率は 9 割を超えてい るが、人文系及び社会科学系は、学位取得までの期間が一般的に長いことが知られており、
今回の修了 3.5 年後調査でも博士号取得率は 6~7 割台となっている。
概要図表 2 博士号取得率の推移
概要図表 3 博士号取得率の推移(分野別, 2012 年コホート)
72.2%27.8%
83.8%
16.2%
89.5%
10.5%
学位あり 学位なし
2012年 コホート
←修了1.5年後
←修了3.5年後
←修了年度末3月
72.9%
27.1%
78.8%
21.2%
2015年 コホート
←修了年度末3月
←修了0.5年後
79.0
80.6
79.6
82.2
37.1
54.0
89.1
90.4
88.4
93.9
47.0
66.3
93.3
94.8
92.6
95.5
65.8
76.1
0 20 40 60 80 100
理学
工学
農学
保健
人文
社会
「学校基本調査」
平成25年(2013年)3月
2012_1.5年後 2012_3.5年後 (%)
5 2015 年コホートについて、博士課程への進学理由を学生種別で見たのが概要図表 4 であ る。博士課程学生は「研究することに興味・関心があった」(73.4%)が最も高く、次いで「研 究したい課題や問題意識があった」(60.2%)であるのに対し、社会人学生では「自分自身の 能力や技能を高めることに関心があった」(58.1%)が最も高い。また、「雇用先で勧められ た、または雇用先で学位が必要だった」という理由が課程学生と外国人学生と比べて突出 していることにも特徴がある。外国人学生では「大学教員や研究者になるために必須だっ た」、「博士号を取れば良い仕事や良い収入が期待できる」、「フェローシップ等が得られた」
が課程学生と社会人学生と比べて多い。
概要図表 4 博士課程への進学理由(学生種別,2015 年コホート)
※回答率(複数回答可)。
60.2
73.4
48.4
38.9
2.6
2.8
10.5
12.4
15.4
5.8
49.3
51.4
58.1
21.7
0.3
23.7
17.7
9.8
13.2
0.9
40.8
59.7
59.2
48.0
13.9
5.7
34.7
7.6
14.9
3.4
0 20 40 60 80
1)研究したい課題や問題意識があった
2)研究することに興味・関心があった
3)自分自身の能力や技能を高めることに関心があった
4)大学教員や研究者になるために必須だった
5)フェローシップ等が得られた
6)雇用先で勧められた、または雇用先で学位が必要
7)博士号を取れば、良い仕事や良い収入が期待できる
8)尊敬している先輩や、目標となる人が進学している
9)親や指導教授等から進学をすすめられた
10)学生でいたかった、または学生という身分が必要
課程学生 社会人学生 外国人学生
(%)
6
概要3. 大学間移動
博士課程修了者の在学中の大学間移動について、以下の 4 つのパターンで見ている。
1)学部から博士課程まで同じ大学(大学院) ⇒ 学部~博士まで一貫
2)修士課程を修了後、違う大学院の博士課程に進んだ ⇒ 修士→博士で変更 3)学部卒業後、違う大学院の修士課程に進んだ ⇒ 学部→修士で変更
4)学部卒業後、違う大学院の修士課程に進み、修士課程を修了後、違う大学院の博士課程に 進んだ ⇒ 学部→修士→博士で変更
概要図表 5
のように、約半数は大学から博士課程まで一貫して同じ大学であるが、修士→博士 で変更、学部→修士で変更はそれぞれ 4 分の 1 弱、学部→修士、修士→博士の両方で変更した 者は 5.6%いる。
概要図表 5 博士課程までの大学間移動の状況(2015 年コホート)
概要図表 6a は分野別で大学間移動を示したものである。博士課程まで一貫して同じ大学の場
合は、農学系が 54.2%であり、自然科学系は総じて高い。人文・社会科学系では学部→修士課程 で違う大学に進む場合が多く、特に社会科学系で博士課程まで一貫して同じ大学の場合は、
31.8%と少なく、学部→修士課程で変更が 40.1%と最も多くなっている。
概要図表 6a 博士課程までの大学間移動の状況(2015 年コホート) (a.分野別)
47.2 24.2 23.1 5.6
0% 20% 40% 60% 80% 100%
学部~博士まで一貫 修士→博士で変更 学部→修士で変更 学部→修士→博士で変更
48.3 47.4
54.2 51.2 45.2 31.8
22.6 30.9
26.6 24.1 14.8 17.0
24.7 17.5
16.8 19.1 34.3 40.1
4.5 4.2 2.5 5.6 5.8 11.2
0% 20% 40% 60% 80% 100%
理学 工学 農学 保健 人文 社会
学部~博士まで一貫 修士→博士で変更 学部→修士で変更 学部→修士→博士で変更
7
概要図表 6b は学生種別で博士課程までの大学間移動を示したものである。博士課程までの学 生種別では、課程学生の場合に学部~博士まで一貫である場合が 6 割を超えている。自大学内 部のみの研究者の育成(アカデミック・インブリーディング)については、多様な研究の発展や人事 の公平性について負の影響が予測され、改善が期待されるところである。
概要図表 6b 博士課程までの大学間移動の状況(2015 年コホート) (b.学生種別)
61.6 37.9
22.8
12.8 34.1
40.7
22.1 21.0 27.7
3.5 7.1
8.9
0% 20% 40% 60% 80% 100%
課程学生
社会人学生
外国人学生
学部~博士まで一貫 修士→博士で変更 学部→修士で変更 学部→修士→博士で変更
8
概要4. 博士課程教育リーディングプログラム
博士課程教育リーディングプログラム(以下「リーディングプログラム」という。)とは、
平成 23 年度(2011 年度)から実施されている文部科学省の事業で、優秀な学生を、俯瞰力と 独創力を備え広く産学官にわたりグローバルに活躍するリーダーへと導くため、産・学・
官の参画を得つつ、専門分野の枠を超えた世界に通用する質の保証された学位プログラム を構築・展開するための事業である。平成 23 年度(2011 年度)から平成 25 年度(2013 年度) にかけて 62 プログラムが採択され、共同実施大学を含むと 33 大学で実施されている。リ ーディングプログラムによる支援を受けた者の特徴を概要図表 7 に示しているが、大学種 別にみると大半が国立大学に所属している。また、国籍でみると、グローバルリーダーを 育成することを目的に国内外から優秀な学生を集めているため、外国人(留学生)の割合 は、リーディングプログラムによる支援なしの約 2 倍の 34.1%となっている。分野別でみる と、理学(38.7%)、工学(29.5%)の割合が高い。年齢階級別では、25-29 歳が 37.3%、30-34 歳が 50.2%と 20 代~30 代前半が多い。
概要図表 7 リーディングプログラムによる支援の有無(2015 年コホート)
93.9
67.5
0.8
6.2
5.2
26.3
0% 20% 40% 60% 80% 100%
支援あり
支援なし
国立 公立 私立 大学種別
65.9
82.6
34.1
17.4
0% 20% 40% 60% 80% 100%
支援あり
支援なし
日本人 外国人 国籍
38.7
12.0
29.5
21.1
12.0
5.2
16.0
38.6
0.7
7.9 2.3
8.2 1.0
7.0
0% 20% 40% 60% 80% 100%
支援あり
支援なし
理学 工学 農学 保健 人文 社会 その他・不明 分野別
37.3
16.8
50.2
40.1
8.2
21.7
2.9
13.3 1.3
8.1
0% 20% 40% 60% 80% 100%
支援あり
支援なし
25-29歳 30-34歳 35-39歳 40-49歳 50歳以上
年齢階級別
9 本調査では、「博士課程で経験した教育・研究指導、その他のプログラムに関し、どのよ うに感じたか」について、以下の 5 つの項目の主観的評価を尋ねている。
リーディングプログラムの支援を受けた者(支援あり)と支援を受けていない者(支援な し)で比べると、概要図表 8 のとおり、全ての項目において、リーディングプログラムに よる「支援あり」の方が「支援なし」よりも主観的評価が高い。特に、リーディングプロ グラムで重視している「国際性の向上」について、リーディングプログラムによる「支援 あり」と「支援なし」との差が大きい。
概要図表 8 リーディングプログラムによる支援と博士課程の評価(2015 年コホート)
注 1)とてもよい=5、まあ良い=4、どちらとも言えない=3、あまり良くない=2、全く良くない=1、で指数 化した平均値。
注 2)「(2)人的ネットワークの広がり、異分野との交流・協働」、「(4)国際性の向上」については、性別、
年齢、研究分野等の基本的属性を考慮してなお、5%水準で統計的有意差が確認できている。
(1)教育・研究指 導の質
(2)人的ネットワー クの広がり、異分 野との交流・協働
(3)キャリア開発支 援や 進路指導
(4)国際性の向上
(5)博士課程に関 する 全般的な満足度
支援あり 4.1 3.9 3.2 3.9 4.0
支援なし 3.9 3.7 3.0 3.5 3.9
2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5
(1)教育・研究指導の質
(2)人的ネットワークの広がり、異 分野との交流・協働
(3)キャリア開発支援や (4)国際性の向上 進路指導
(5)博士課程に関する 全般的な満足度
支援あり 支援なし
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概要5. 博士課程の満足度
博士課程の満足度は学生からの主観的な評価であるが、大学院の質を測る指標として用いるこ とができる。「博士課程で経験した教育・研究指導、その他のプログラムに関し、あなたはどのように 感じますか。(リーディングプログラム等を含みます。)」という問いで、「博士課程に関する全般的な 満足度 」として、1)とても良い、2)まあ良い、3)どちらともいえない、4)あまり良くない、5)全く良く ない、の 5 段階の選択式の回答となっている。
2015 年コホートで、学生種別に博士課程の満足度について見たものが概要図表 9 である。「とて も良い・まあ良い」の割合が多いのは、外国人学生、次いで社会人学生、次いで課程学生となって いる。外国人学生の場合は、学費の全額免除の比率が高い事、学位取得率が高いことが知られて おり(NISTEP REPORT No.165)、これらの影響により満足度が高いことが予測される。また、満足 度につながる要因やコホート間の違いについては、今回のデータを用いることでより詳細な分析が 今後、可能となる。
概要図表 9 博士課程の満足度(学生種別, 2015 年コホート)
19.9 25.9
37.8
47.2 47.2
45.8
19.1 16.1
9.5 10.1
7.6 5.6
3.8 3.2 1.2
0% 20% 40% 60% 80% 100%
課程学生 社会人学生 外国人学生
とても良い まあ良い どちらともいえない あまり良くない 全く良くない
11
概要6. 博士課程での経済的負担
2015 年コホートの博士課程修了時の返済義務のある奨学金や借入金(学部、修士課程の 借入れ等を含む)は概要図表 10 のとおりで、借入れがある者は全体の約 4 割となっている。
学生種別で見た借入金額は概要図表 11 のとおりで、借入金がない者は社会人学生と外国 人学生では 8 割以上であるが、課程学生の場合には 4 割に満たない。また、課程学生の 42.0%
の者は博士課程修了時に 300 万円以上の借入金があることが分かる。
概要図表 10 博士課程修了時の借入れ状況(2015 年コホート)
概要図表 11 学生種別と博士課程修了時の借入金額(2015 年コホート)
借入れ あり 借入れ 37.8
なし 61.2
無回答 1.0
37.7
84.2
86.3
1.0
0.8
2.9 4.1
1.5
1.1 4.4
0.9
0.9 4.8
2.2
1.6 5.3
0.6
0.5
42.0
9.0
4.9 0.7
0.7
1.8
0% 20% 40% 60% 80% 100%
課程学生
社会人学生
外国人学生
借入れなし 60万円未満 60-120万円未満 120~180万円未満
180~240万円未満 240~300万円未満 300万円以上 非回答
12
概要7. 博士の入職経路について
2015 年コホート 0.5 年後調査では、「現在の仕事をどのように見つけたか」を尋ねており、
この結果を概要図表 12 に示している。「指導教員からの紹介」、「指導教員以外の、教員、
先輩、同僚、知人などからの紹介」、「一般のメディアを通じて(新聞、就職サイト、J-REC in など)」がそれぞれ 20%台で、「医局を通じた紹介」も 13.2%と一定の割合を占めているこ とが分かる。また、博士の多様な入職経路を調べるために、その他の選択肢の内容につい て具体的な記述を求めた。「博士課程入学前からの仕事」である場合を除き、実際の回答数
(n)とその他の中での比率を概要図表 13 に示している。「自分で探した」や「日本学術振 興会」の特別研究員制度によって現在の職に就いた者が多いが、「起業、開業」をした者も 30 人近くいる。
概要図表 12 入職経路(2015 年コホート)
概要図表 13 入職経路のその他の回答(2015 年コホート)
注)「その他」の具体的な記述数をカウントしている。他の選択肢に含められる内容である場合、また「博 士課程入学前からの仕事」である場合を除いている。
25.1 23.1 20.8 2.1
0.8 13.2 14.8
0% 20% 40% 60% 80% 100%
2015_0.5年後
指導教員からの紹介 指導教員以外の、教員、先輩、同僚、知人などからの紹介
一般のメディアを通じて(新聞、就職サイト、J-REC inなど) 大学のキャリアセンターで探した ハローワーク、公的な職業紹介機関on 医局を通じた紹介
その他 具体的に:
n 回答比率
起業、開業した 29 9.4%
家業を継いだ、家業の手伝い 19 6.1%
自営業、フリーランス 13 4.2%
日本学術振興会の特別研究員の採用を通じて 57 18.4%
自分で探した、応募した 68 22.0%
個人的なつながり、ネットワークを通じて 13 4.2%
学会を通じて 13 4.2%
試験を受けた(公務員試験、資格試験など) 13 4.2%
インターンシップ、アルバイト等を通じて 12 3.9%
ヘッドハンティング、誘われた 14 4.5%
民間の職業紹介機関を利用 6 1.9%
就職説明会によって 6 1.9%
その他 46 14.9%
計 309 100.0%
2015年_0.5年後
13
その他
・非営利団体
・個人事業主
・その他・無所属
3% 8%
89%
80% 59%
8% 12%
23%
18%
アカデミア
民間企業
概要8. 博士のキャリアパスの広がり
概要図表 14 のとおり、2012 年コホート 1.5 年後から 3.5 年後の間に雇用先組織の大き な変化は見られず、アカデミア(大学等 52.6%、公的研究機関 7.4%)で 60.0%(-1.9 ポイント)、民間企業で 26.1%(-1.6 ポイント)、その他(非営利団体 7.7%、個人事業 主 3.5%、その他・無所属 2.8%)は 14.0%(+3.6 ポイント)となっている。公的研究機 関が減った分、その他がやや増えているが、民間企業は増えておらず、キャリアパスの多 様化が進んでいるとは言い難い状況である。
概要図表 14 雇用先機関(2012 年コホート)
注)NITSEP REPORT No.165 では 2012 年コホート 1.5 年後で非回答を含む値を掲載しているが、ここでは 非回答を除いている。
より議論を分かりやすくするためにセクター3 分類を用い、2012 年コホート 1.5 年後→
3.5 年後でセクター間移動の比率を示したのが概要図表 15 である。アカデミアに留まって いる者が約 9 割で、それ以外の場合には「民間企業」よりも個人事業主や非営利団体とい った「その他」に行く比率が多い。日本の雇用慣行では新卒一括採用が多く、アカデミア から民間企業への転職のケースが少ないことが分かる。「民間企業」からの移動も同様で、
アカデミアよりも「その他」へ行く比率が高い。
概要図表 15 雇用先機関の移動(セクター3 分類, 2012 年コホート)
注)2012 年コホート 1.5 年後→3.5 年後継続回答者のみ(n=2,460)。右 図は小数点以下、四捨五入している。
52.3 8.8 24.7 7.9 3.33.0
0% 20% 40% 60% 80% 100%
2015_0.5年後
大学等 公的研究機関 民間企業 非営利団体 個人事業主 その他・無所属
50.9 52.6
11.0 7.4
27.7 26.1
2.1 7.7
4.0 3.5
4.3
2.8
0% 20% 40% 60% 80% 100%
2012_1.5年後 2012_3.5年後
大学等 公的研究機関 民間企業 非営利団体 個人事業主 その他・無所属
(%)
アカデミア 民間企業 その他 計 アカデミア 89.4 3.0 7.7 100.0 民間企業 7.8 79.9 12.3 100.0 その他 22.8 17.9 59.3 100.0 2012年コホート
_1.5年後
2012年コホート_3.5年後
14
概要9. アカデミアにおける就業
概要図表 16 はアカデミアにおける任期制雇用の状況を見たものである。2012 年コホー トの 3.5 年後においても 52.2%となっており、半数以上の者が任期制雇用となっている。
任期制雇用は 3 年契約が多いことから、今後、6 年以上経過後の任期制雇用率を観察するこ とが重要であると考えられる。概要図表 17 は任期制雇用の状況を分野別に見たもので、任 期制雇用率は、理学系が最も高く、工学系が最も低い。
※ 本データは、各調査時点にアカデミアで雇用されている者を対象としている。
概要図表 16 アカデミアにおける任期制雇用の状況
概要図表 17 アカデミアにおける任期制雇用の状況(分野別, 2012 年コホート)
29.9 36.9
9.8
10.9
60.3 52.2
0%
20%
40%
60%
80%
100%
2012 1.5年後
2012 3.5年後
任期制
テニュアトラック制
テニュア
28.1 7.5 64.4
0%
20%
40%
60%
80%
100%
2015 0.5年後
任期制
テニュアトラック制
テニュア
14.6 19.0
7.3
11.8
78.2 69.2
0%
20%
40%
60%
80%
100%
1.5年後 3.5年後
任期制 テニュアトラック制 テニュア
理学
32.1 40.2
12.7
17.8 55.2
42.0
0%
20%
40%
60%
80%
100%
1.5年後 3.5年後
任期制 テニュアトラック制 テニュア
工学
15 次に、アカデミアにおける職階とその状況を見ている(概要図表 18)。2012 年コホート 3.5 年後では、助教の割合が最も高く 29.2%であり、次いでポスドクは 18.7%となってい いる。また、准教授・教授(特任含む)は 14.8%となっており、全体の中で3番目に高い 割合であり、アカデミアの中で上位のポジションを得ている方がある程度いることが分か る。
概要図表 18 アカデミアにおける職階の状況(2012 年コホート)
24.9
39.5 16.2
16.2 58.9
44.4
0%
20%
40%
60%
80%
100%
1.5年後 3.5年後
任期制 テニュアトラック制 テニュア
農学
35.3 37.9
6.2 7.0
58.5 55.1
0%
20%
40%
60%
80%
100%
1.5年後 3.5年後
任期制 テニュアトラック制 テニュア
保健
24.2
36.5 8.1
10.2 67.7
53.3
0%
20%
40%
60%
80%
100%
1.5年後 3.5年後
任期制 テニュアトラック制 テニュア
人文
34.7 42.5
13.8 8.2
51.4 49.3
0%
20%
40%
60%
80%
100%
1.5年後 3.5年後
任期制 テニュアトラック制 テニュア
社会
29.7
18.7
23.6
29.2
3.3
6.5 5.2
3.0 5.8
4.5
13.6
14.1
8.0
14.8 5.0
3.0 5.8
6.2
0% 20% 40% 60% 80% 100%
2012_1.5年後
2012_3.5年後
ポスドク(ポスドク相当の研究員含む) 助教
特任助教 研究助手、実験助手、技術支援員等
非常勤講師 講師
准教授・教授 (特任含む) 医療関係従事者 その他
16
概要10. 今後のキャリア展望
2012 年コホート 3.5 年後調査では、アカデミアで任期制の職にある者に、「今後の職業キ ャリアに関する展望」を尋ねている。概要図表 19 のとおりであり、全体で見ると 6 割近く が、「大学や研究機関で、研究者として安定的なポジションを得たい」と考えている。博士 課程修了時の年齢階級別にみると、若い世代ほどこのような志向が強いが、年齢が高くな ると幅広い雇用先を今後の職業キャリアとして視野に入れるようになることが分かる。
概要図表 19 今後のキャリア展望(全体及び年齢階級, 2012 年コホート 3.5 年後)
注)アカデミアの任期制の職にある者のみへの設問。
56.3
66.9
58.3
46.0 43.6
13.5
10.6
13.6
16.0 14.6
6.8
9.4
5.5
5.7 13.6
13.6
10.4
13.0
14.9
16.1 7.3
2.3
7.5
12.3 10.1
2.5 0.4 2.0 4.8 2.1
0.1 0.0 0.1 0.3 0.0
0%
20%
40%
60%
80%
100%
全体 25-29歳 30-34歳 35-39歳 40-49歳
不明 その他
研究以外の仕事をしたい、研究以外の仕事 でもよい
雇用先にはこだわらないが、研究経験が活 かせる仕事に就きたい
雇用先にはこだわらないが、研究者として働 きたい
大学や研究機関で、研究に関連した仕事を したい
大学や研究機関で、研究者として安定的な ポジションを得たい
17
概要11. 所得の状況
2012 年コホートでは、博士課程修了 1.5 年後から 3.5 年後にかけての所得の変化を知る ことができる(概要図表 20)。所得階層は全体に上がっており、分布としては 300-400 万 円の層は大きく減少し、600-700 万円の層は大きく増えている。人文・社会科学系では、前 回調査と比較すると、1 峰の分布が 2 峰に分化していることが分かる(概要図表 21)。
概要図表 20 所得の変化(2012 年コホート)
概要図表 21 所得の変化(人文・社会科学系, 2012 年コホート)
0 5 10 15 20 25 30
0 50未満 50-100 100-200 200-300 300-400 400-500 500-600 600-700 700-800 800-1,000 1,000-1,200 1,200-1,500 1,500以上
所得階級 (万円)
1.5年後 3.5年後
(%) 全体
0 5 10 15 20 25 30
0 50未満 50-100 100-200 200-300 300-400 400-500 500-600 600-700 700-800 800-1,000 1,000-1,200 1,200-1,500 1,500以上
所得階級 (万円)
1.5年後 3.5年後 人文・社会科学系
(%)
18
概要12. 仕事に関する意識の変化
「現在の仕事は、博士課程在籍時の研究内容にどの程度関連していますか」という問い について、2012 年コホート 1.5 年後では「強く関連している」が 47.5%であったが、3.5 年後では 39.8%と 7.7 ポイント減少している。キャリアの過程で徐々に博士課程時の研究 から離れて行く状況が見えてきている(概要図表 22)。
概要図表 22 研究と仕事の関連度変化(2012 年コホート)
仕事満足度については、前回調査(2012 年コホート 1.5 年後)と比較すると、仕事満足 度は「満足」が 11.0 ポイント減少し、「満足」と「まあ満足」を合わせても 7.1 ポイント 減少している。一方、処遇満足度は「満足」と「まあ満足」を合わせると 2.8 ポイント増 えている。(概要図表 23)。
研究と仕事の関連度が高いと、仕事満足度が高いということが知られている(NISTEP REPORT No.165)。博士課程修了から 2 年経過することによって、概要図表 22 のように、研 究と仕事の関連度が低下し、仕事に関する満足度は低下する傾向にあることが伺える。一 方、概要図表 20 で示したように所得は全体に上がっており、これが処遇満足度を高める一 因となっていることが示唆される。
概要図表 23 仕事満足度・処遇満足度の変化(2012 年コホート)
47.5 39.8
41.9 46.7
10.7 13.4
0%
20%
40%
60%
80%
100%
1.5年後 3.5年後
関連していない やや関連している 強く関連している
41.2
30.2
24.9
22.2
40.1
44.0
35.2
40.7
11.0
14.3
18.3
17.5
5.6
8.1
14.6
13.0 2.1
3.4
7.1
6.6
0% 20% 40% 60% 80% 100%
1.5年後
3.5年後
1.5年後
3.5年後
満足 まあ満足 どちらもいえない あまり満足していない 全く満足していない
仕事満足度
処遇満足度
19
概要13. 社会人学生の状況
2015 年コホート 0.5 年後調査では、博士課程進学前に社会人経験のあった者について、
「博士課程在籍までの最も主な社会人経験について、雇用先の経営組織」を尋ねているた め、博士課程前後のセクター間の移動を知ることができる。進学前の雇用先で最も多いの が民間企業で 37.6%、次いで大学等が 32.4%である。現在の雇用先は 48.0%が大学等と半 数近くに上り、進学前に比べ 15.6 ポイント増加している(概要図表 24)。
概要図表 4 で示したように、社会人であっても博士課程への進学動機は、「大学の教員や 研究者になるために必須だった」は 2 割程度、また「研究したい課題や問題意識があった」
や「研究することに興味・関心があった」という回答率も 5 割程度ある。このような動機 を持って進学した社会人が、雇用先として大学等を選択している可能性がある。
概要図表 24 社会人学生の進学前と現在の雇用先(2015 年コホート)
博士号取得や博士課程修了が現在の仕事にどのような影響を与えているかを示したのが 概要図表 25 である。選択率が 30%を超えるのは、3)仕事における信頼が高まった、4)
仕事の幅が広がった、という個人的な意識に関するものである。しかし、1)新しい仕事に 就くことができた、2)昇進昇級につながった(または期待される)といった具体的、実利 的な影響についても 2 割程度選択されている。7)特に影響はない、は 3 割弱選択されてい る。
概要図表 25 博士号取得や課程修了による現在の仕事への影響(2015 年コホート)
※回答率(複数回答可) 32.4
48.0
7.0
7.7 37.6
24.8
14.8
11.5 3.7
3.9 4.5
4.1
0% 20% 40% 60% 80% 100%
進学前
現在
大学等 公的研究機関 民間企業 非営利団体 個人事業主 その他・無所属
20.9 22.5
30.8 32.4 13.4
2.3
29.9
0 5 10 15 20 25 30 35
1) 新しい仕事に就くことができた 2) 昇進昇給(または期待される)
3) 仕事における信頼が高まった 4) 仕事の幅が広がった 5) 国際的な活動が増えた 6) その他 7) 特に影響はない
(%)
20
概要14. 医学系博士の現状
博士課程修了者の中で、保健系は全体の約 3 割を占めており、最も高い比率である。そ の中で約 6 割の研究分野は医学系である。他の分野の博士課程進学者の多くが研究を志向 する中、医学系博士の雇用状況やキャリアパスは他の分野の博士と大きく異なることが予 測され、その特徴を明らかにすることを試みた。「最も主な仕事をどのように見つけたか」
という問いでは、医学系の場合、「医局の紹介」が 47.0%と半数近くに上り、この入職経路 が医学系博士では最も重要であることが分かる(概要図表 26)。
概要図表 26 入職経路(全体と医学系, 2015 年コホート)
所得は、医学系の場合、2 つのピークがあり、約 4 割が 1,000 万円以上の年収を得ている
(概要図表 27)。しかし、医学系の者の労働時間は、博士課程修了者全体と比べ、週 60 時 間以上の長時間労働の割合が高いことが分かる(概要図表 28)。
概要図表 27 所得の状況
(全体と医学系, 2012 年コホート 3.5 年後)
25.1 16.1
23.1 14.6
20.8 9.4
2.1 0.8
0.8 0.1
13.2 47.0
14.8 12.1
0% 20% 40% 60% 80% 100%
全体 医学
指導教員からの紹介 指導教員以外の、教員、先輩、同僚、知人などからの紹介
一般のメディアを通じて(新聞、就職サイト、J-REC inなど) 大学のキャリアセンターで探した ハローワーク、公的な職業紹介機関 医局を通じた紹介
その他 具体的に:
11.0 9.2
33.9
23.9 30.9
31.6 24.2
35.3
0%
20%
40%
60%
80%
100%
全体 医学
60時間以上 46-59時間 34-45時間 34時間以下
概要図表 28 週当たり労働時間
(全体と医学系, 2012 年コホート 3.5 年後)
0 5 10 15 20 25 30
0 50未満 50-100 100-200 200-300 300-400 400-500 500-600 600-700 700-800 800-1,000 1,000-1,200 1,200-1,500 1,500以上
所得階級(万円)
全体 医学
(%)
21 三
大 都 市 圏
地 方 圏 459 (10.6%)
265 (6.1%)
2,331 (54.0%)
1,261 (29.2%) 全体の4割は、地方圏の在住
概要15. 博士の三大都市圏と地方圏の移動
2015 年コホート 0.5 年後のデータのうち、出身大学院の所在地と現在の所在地から、博 士課程修了後の移動について分析を行っている。出身大学院の所在地は大学院名から類推 している。博士課程修了後の移動については、「三大都市圏→三大都市圏」という大都市循 環型が最も多い。しかし「三大都市圏→地方圏」への移動の方が「地方圏→三大都市圏」
よりも多く、全体では約 4 割が地方圏に在住している(概要図表 29)。都市圏への人口集 中が我が国の課題となるなか、博士人材においては三大都市圏から地方圏への移動は、地 方圏から三大都市圏への移動よりも多い状態であり、今後、各地域でのイノベーション創 出に貢献することが期待される。
概要図表 29 三大都市圏と地方圏の移動(2015 年コホート)
注 1)三大都市圏とは、首都圏(東京・
千葉・埼玉・神奈川)、中京圏(愛知)、 関西圏(京都・大阪・兵庫)としてい る。地方圏はそれ以外。
注 2)表記の数字は、実際の回答数(n)
と、全体を 100%とした場合の比率。
地域間移動型別に雇用先機関別を確認したのが概要図表 30 で、「地方圏→三大都市圏」
では雇用先として民間企業の割合が最も大きい。これに対し、「地方圏→地方圏」では、雇 用先として大学・大学院(国公立)の割合が最も大きく、「公的研究機関」等を加えたアカデ ミア全体で 6 割を超える。「三大都市圏→地方圏」についても、雇用先としてアカデミアの 割合が約 6 割を占めている。地方循環型や地方への移動において、雇用先としてアカデミ アが大きな役割を果たしていることが伺える。
概要図表 30 地域間の移動と雇用先機関(2015 年コホート)
15.3
43.5
21.4
27.2
18.5
10.6
26.5
15.3 0.0
2.7
0.1
3.0 0.0
1.5
0.6
0.9 7.8
5.9
8.5
13.6
46.6
18.7
28.5
29.2
8.1
10.3
7.6
7.1 1.6
3.8
4.0
3.1 2.1
3.0
2.9
0.6
0% 20% 40% 60% 80% 100%
地方圏→三大都市圏
地方圏→地方圏
三大都市圏→三大都市圏
三大都市圏→地方圏
1)大学・大学院(国公立) 2)大学・大学院(私立) 3)短大・高専(国公立)
4)短大・高専(私立) 5)公的研究機関 6)民間企業
7)非営利団体(学校・行政等の公的機関等含む) 8)個人事業主 9)その他・無所属
22
概要16. 博士人材の国際流動性
国籍・地域別の構成は 2012 年コホートと 2015 年コホートでやや変化している(概要図 表 31)。具体的には、中国、韓国、台湾の国籍・地域の学生の比率がやや減少し、その分、
その他アジア、欧米(中南米を含む)、その他の国籍・地域の学生比率が増えている。この 結果から、近年は、東アジアの近隣諸国だけでなく、様々な国・地域からの学生が日本の 博士課程で学ぶようになっていることが伺える。
概要図表 31 外国人の国籍・地域別
2012 年コホート
2015 年コホート
博士課程修了後の居住地について国籍・地域別に確認している(概要図表 32)。グローバルな 活躍が期待される博士であるが、日本人で海外に在住しているのは 4.4%と極めて少ない。外国人 の場合は、半数が日本に在住し、半数は海外に在住していることが分かる。
概要図表 32 博士課程修了者の現在の所在(2015 年コホート)
(a.日本人)
(b.外国人)
95.6 4.4
0% 20% 40% 60% 80% 100%
2015_0.5年後
日本在住 海外在住
50.3 49.7
0% 20% 40% 60% 80% 100%
2015_0.5年後
日本在住 海外在住 中国
49.5%
韓国 9.7%
台湾 5.4%
その他アジア 25.0%
欧米
(中南米含む)
7.7%
その他 2.8%
外国人のうち
中国 44.1%
韓国 7.7%
台湾 3.2%
その他アジア 29.0%
欧米
(中南米含む)
9.8%
その他 6.2%
外国人のうち
23
概要17. 研究活動の状況
概要図表 33 は博士課程修了後に研究活動をしている者の割合を示したものである。研究 活動をしている者は 2012 年博士課程修了 1.5 年後で 75.3%、3.5 年後で 68.7%となってお り、6.6 ポイント減少している。また、今回調査(2012 年コホート 3.5 年後調査、2015 年 コホート 0.5 年後調査)では研究上の権限について尋ねている(概要図表 34)。2012 年コ ホート、2015 年コホートともに「発表論文の責任者であった」が最も大きく、「研究室にお けるグループの予算作成・執行の実質的な責任者である」が最も小さい。
概要図表 33 博士課程修了後、研究活動をしている者の割合(2012 年コホート)
概要図表 34 研究上の権限の状況
※回答率(複数回答可)。
75.3
68.7
24.7
31.3
0% 20% 40% 60% 80% 100%
2012_1.5年後
2012_3.5年後
研究活動をしている 研究活動をしていない
0
10
20
30
40
50 独立した研究室を持っている
研究室におけるグループの予算 作成・執行の実質的な責任者で
ある
担当課題の予算作成・執行の実 質的な責任者である
特定の部下(大学院生)の指導 の責任者であった
発表論文の責任者であった
13.3
7.3
20.6
13.7
35.7 22.8
15.1
33.2
22.7
42.4 2015年コホート_0.5年後 2012年コホート_3.5年後
(%)
24
19.7 7.4
45.2 3.3
8.7 13.1 4.3
7.9 5.2
47.3 5.7
6.6 13.5 3.6
1.8 5.0
47.7 25.7
8.6 13.3 4.5
7.8 12.2
9.7 7.4
4.8 7.8 0.0
0 20 40 60 80 100 120 140 160
育児休業 短時間勤務 保育所・保育園
学童保育制度 ファミリー・サポート・
センター事業 民間のベビーシッター、
託児所、家政婦 その他の両立支援
0-2歳 3-5歳 6-11歳 12-14歳
(%)
概要18. 世帯の状況について
2012 年コホート 3.5 年後調査では、配偶者とその働き方に関する問いを設けている。「あ なたの配偶者は、現在、収入を伴う仕事をしていますか。」の問いで、男性の場合、「配偶 者(妻)はフルタイムで働いている」のが 30.7%で最も多く、次いで「配偶者(パートナ ー)はいない」が 30.2%である。「配偶者(妻)は働いていない」も 26.4%と一定の割合 を占めている。女性の場合は、「配偶者(夫)はフルタイムで働いている」のは約半数、次 いで多いのは「配偶者(パートナー)はいない」で 42.3%である。「配偶者(夫)はパートタ イムで働いている」、「配偶者(夫)は働いていない」は少数派となっている(概要図表 35)。
概要図表 35 配偶者の就業状況(2012 年コホート 3.5 年後)
2012 年コホート 3.5 年後調査では、15 歳未満の子どもがいる場合に、「博士課程を修了 してからこれまでに、育児や子育てと仕事の両立のために、どのような制度や支援を利用 しましたか。」を尋ねている。末子の年齢別に見たのが概要図表 36 で、11 歳までのいずれ の年齢層でも最も多く活用されているのが「保育所・保育園」である。それ以外の「育児 休業」、「短時間勤務」、「学童保育制度」等も活用されている。「民間のベビーシッター、託 児所、家政婦」はあらゆる末子年齢で、10%程度活用されている。
概要図表 36 末子の年齢別、子育て支援制度の利用状況(2012 年コホート 3.5 年後)
※回答率(複数回答可)。
35.4%
30.7%
46.5%
10.3%
12.2%
6.0%
19.7%
26.4%
4.2%
33.9%
30.2%
42.3%
0.6%
0.5%
1.0%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
全体
男性
女性
配偶者はフルタイムで働いている 配偶者はパートタイムで働いている 配偶者は働いていない 配偶者(パートナー)はいない 非回答