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Academic year: 2021

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Title Osteocytes as main responders to Low Intensity Pulsed Ultrasound for the treatment of fracture healing [an abstract of dissertation and a summary of dissertation review]

Author(s) 清水, 達哉

Citation 北海道大学. 博士(歯学) 甲第14534号

Issue Date 2021-03-25

Doc URL http://hdl.handle.net/2115/81250

Rights(URL) https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/

Type theses (doctoral - abstract and summary of review)

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File Information Tatsuya̲Shimizu̲abstract.pdf (論文内容の要旨)

Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP

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学位論文内容の要旨

博士の専攻分野の名称 博士(歯学)

Osteocytes as main responders to Low Intensity Pulsed Ultrasound for the treatment of fracture healing

(骨細胞は低出力超音波パルスによる骨折治癒において主に応答する)

キーワード(5つ) 骨細胞,低出力超音波パルス(LIPUS),骨折治癒,ゼブ ラフィッシュ,メダカ

生体におけるメカニカルストレスは,生体内の細胞や組織に負荷される力学 的・物理的な刺激である。骨組織においてメカニカルストレスは,骨のリモデリ ングを制御し骨量の維持に寄与することが知られている。骨組織全体の細胞の 9095%を占める骨細胞は,メカニカルストレスを感知する細胞と考えられて いる。また,骨細胞は種々のシグナル分子を産生し,骨芽細胞,破骨細胞のみな らず間葉系幹細胞や造血細胞などの骨髄内の細胞の機能を調節しうることが近 年報告されている。しかし,骨細胞におけるメカニカルストレスに対する細胞応 答,細胞内情報伝達および細胞間シグナル分子の産生など詳細な分子メカニズ ムについて明らかではない。

超音波刺激はメカニカルストレスの一つであり,LIPUS(Low Intensity Pulsed Ultra Sound:低出力パルス超音波)は 1980年代に骨折治癒を促進することが見 いだされ,骨折治癒の促進法として臨床で用いられている。長管骨の骨折治癒過 程には 1.血腫形成,炎症性細胞浸潤,2.膜性骨化,3.仮骨形成と軟骨形成,4.軟 骨内骨化,5.リモデリングといくつかの過程があり,これまでの基礎研究から LIPUSは,これら骨折治癒過程のさまざまな細胞に作用することが報告されてい る。しかし,LIPUSが骨折治癒を促進する際に,メカニカルストレスに応答する 骨細胞がどのような役割を果たすかは明らかではない。そこで,本研究では骨細 胞に対するLIPUSの作用について明らかにすることを目的とした。

まず,メダカとゼブラフィッシュを用いて骨折治癒過程とLIPUSの効果を調べ た。メダカは骨細胞を欠いた無細胞骨であり,ゼブラフィッシュは骨細胞を有す る骨であるが,両者の骨は構造,機械的性質,ミネラル密度が極めて類似してい る。各魚の尾骨の3か所に鋭利なガラスキャピラリーを用いて骨折させた。また,

(3)

骨折させたメダカとゼブラフィッシュに,LIPUSを1日1回30 mW/cm2で20分間毎 日照射した。骨折治癒過程およびLIPUSによる骨折治癒促進効果については,ア リザリンレッド染色とアルシアンブルー染色を用いて調べた。骨細胞に対する LIPUSの作用を明らかにするため,MLO-Y4細胞を培養し,LIPUSで1.5 MHz, 30

mW/cm2で20分間照射した。30分間のインキュベーション後,これらの細胞から

RNAを抽出し,RNA-seq ライブラリーを作成し,次世代シークエンサーHiSeq

2500 (Illumina社)を用いRNAシークエンス(RNAseq)を行った。q < 0.05の変動 遺伝子を有意とした。DAVID ver.6の機能アノテーションツールを用い,解析を 行った。次に,これらの解析で上位のクラスターに分類された遺伝子の発現量に ついて,ゼブラフィッシュおよびメダカの尾ヒレを骨折させた後LIPUS照射を与 え1日目と7日目の尾ヒレからRNAを抽出し,リアルタイムPCR法を用いて調べ た。

メダカとゼブラフィッシュの骨折部位はアルシアンブルー陽性の軟骨が形成 され,徐々にアリザリンレッド陽性の石灰化骨に置換された。その後,石灰化骨 表面が滑沢な状態に修復され,数か月経過しても表面正常に変化を認めなかっ たため,この時点を骨折治癒と判断した。メダカの骨折治癒日数はゼブラフィッ シュに比べて7日長かった。LIPUS照射により,ゼブラフィッシュでは骨折治癒 が促進されたが,メダカでは促進されなかった。

MLO-Y4細胞におけるLIPUS照射と非照射のRNAseq解析の結果,全16476個の 遺伝子のうち,179個の遺伝子の発現量がLIPUS照射により有意に変化した。そ のうち発現上昇した遺伝子が93,発現低下した遺伝子が86であった。骨関連遺伝 子については発現量に変化が見られなかった。DAVIDを用いた解析から,主な アノテーションは,上位に「Immunity」「Antiviral defense」「Cytoplasm」「Secreted」

「Extracellular matrix」「Transcription」が含まれていた。

ゼブラフィッシュの尾ヒレの骨折部位における各クラスターに分類された遺 伝子の発現レベルを測定したところ,Egr1, Egr2, Junb, Foxq1, Nfatc1など転写因 子の遺伝子発現量がLIPUS照射により有意に変化した。一方,メダカの尾ヒレの 骨折部位ではこれらの転写因子の遺伝子発現量に変化は見られなかった。

本研究から,骨細胞を有するゼブラフィッシュにおいてLIPUSの骨折治癒促進 が認められたことから,骨細胞は低出力超音波パルスによる骨折治療において 主に応答する細胞である可能性が考えられた。またEgr1, Egr2, Junb, Foxq1, Nfatc1 といった転写因子の遺伝子発現の変動が,骨細胞におけるLIPUSに対する応答に おいて重要な役割を果たしているという新たな知見が得られた。

参照

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