ヒュ ー ム の 国 際 収 支 調 整 機 構 につ い て*
佐 竹 正 夫
古 典 派 の 国 際 収 支 調 整 機 構 あ る い は デ ィ ビ ッ ド ・ ヒ ュ ー ム(DavidHume) の 「物 価 水 準 と 正 貨 移 動 の 理 論 」"Price‑Specie‑FlowMechanism"は,通 常 教 科 書 等 で は 次 の よ う に説 明 さ れ る 。 黒 字 国 で は 金 が 流 入 し貨 幣 量 が 増 加 す る 。 赤 字 国 で は反 対 に金 が 流 出 し,貨 幣 量 が 減 少 す る。 貨 幣 数 量 説 に よ って,黒 字 国 で は物 価 が上 が り,赤 字 国 で は下 が る。 国 際競 争 力 は赤 字 国 に有 利 にな るの で,赤 字 国 の 輸 出 は増 加 し,輸 入 は減 少 す る。 この よ うな 過 程 を 経 て,国 際収 支 の 不 均 衡 は是 正 さ れ,金 の 移 動 は止 る1)。
この 調 整 機 構 が,金 本 位 制 度 の 下 で その ま ま作 用 して い たか に つ い て は,数 多 くの 研 究 が あ り,論 争 の 対 象 で あ る2}。 しか し,本 稿 で 問 題 に す る の は,理 論 の 現 実 に 対 す る適 用 性 に つ いて で は な く,理 論 そ の もの の 性格 につ いて で あ
原 稿受 領 日1984年1月5日 ・
*本 稿 は ,小 樽 商 科 大学 土 曜 班 究 会,及 び 国 際 経 済 学 会 全 国 大会(1983年10月22,23 日)に お け る 報 告 に基 づ いて い る。 麻 田 四 郎教 授 を は じめ とす る土 曜 研 究 会 の メ ン バ ー の方 々,国 際 経済 学 会 で の 討論 者 で あ った 田 中 茂 和 氏 の コメ ン トに感 謝 します 。
もち ろん,あ り うべ き 誤 りは 筆者 の 責 任 で あ る。
1)ヒ ュ ー ム 自身 の 調 整 機 構 の説 明 は,次 の部 分 が有 名 で あ る 。「か りに,グ レー ト・ブ リテ ンの 全 貨 幣 の五 分 の 四 が一 夜 の う ち に消 滅 し,わ が 国民 が 正 金 に関 して は ヘ ン ー諸 王 や エ ドワ ー ド諸 王 の時 代 と同 じ状 態 に戻 った と す れ ば,ど の よ う な結 果 が生 ず るで あ ろ うか 。 き っ と,す べ ての 労 働 と財 貨 と の 価格 は これ に比 例 して 下 落 し, あ らゆ る もの は これ らの 時 代 と 同様 に安 く売 られ る で あ ろ う。 こ うな れ ば,い っ た い どの よ うな 国 民 が 外 国 市 場 で われ わ れ に対 抗 した り.わ れわ れ には 十 分 な利 益 を 与 え るの と同 じ価 格 で 製 造 品 を輸 出 した り販 売 した りす る よ うな まね が で き よ うか 。
したが って,ご く短 期 間 の うち に,こ の 事 情 は き っと,わ が国 が 失 った 貨 幣 を 呼 び 戻 し,わ が 国 の 労 働 と財 貨 との 価 格 を 近 隣 の す べ て の国 民 の 水 準 にま で 騰 貴 させ る で あ ろ う。 わ れ わ れ が この 点 に達 した の ち に は,労 働 と財 貨 との 廉価 と い う利 点 は 直 ち に 失 わ れ る。 そ して,こ れ 以 上 の 貨 幣 の 流 入 は,わ が 国 の 飽 和 状 態 に よ って 止 め られ るの で あ る」 田 中 敏 弘 訳,p.90。
2)例 え ばR.Triffin(1968) .第1章,D,N.McCloskeyandJ.R.Zecher(1976) を 参 照。
〔21〕
る 。 従 来 こ の 調 整 機 構 は,古 典 派 的 な 完 全 雇 用 経 済 の 下 で,先 に 示 し た よ う な
「価 格 効 果 」 を 重 視 す る 考 え 方 と,不 完 全 雇 用 経 済 に お け る ケ イ ン ジ ア ン 的 な
「所 得 効 果 」 を 重 視 す る 考 え 方 と に 分 れ て い た 。 し か し,「 価 格 効 果 」 と い っ て も,そ の 内 容 は そ れ ほ ど 明 解 に さ れ て い た よ う に は 思 わ れ な い31。 ま た ヒ ュ ー ム に 起 源 が あ る と 主 張 す る最 近 の マ ネ タ リ ー ・ア プ ロ ー チ4)の 調 整 理 論 は ,同 じ 完 全 雇 用 モ デ ル の 中 で も,「 価 格 効 果 」 で は な く,「 実 質 残 高 効 果 」 に 基 づ い て い る 。
本 稿 の 目 的 は,完 全 雇 用 経 済 に お け る 古 典 派 の 調 整 理 論 を 詳 細 に 検 討 す る こ と で あ る 。 特 に 「価 格 効 果 」 に よ る 調 整 理 論 は 二 通 り の 解 釈 が 存 在 す る こ と を 指 摘 し,そ の 違 い を 明 確 に し た い 。 第 一 の 解 釈 は,ミ ル(J.s.Mill)に よ っ て 定 式 化 さ れ,物 々 交 換 モ デ ル で 国 際 収 支 を 扱 う時 に しば しば 使 わ れ る 理 論 で あ る 。 こ の モ デ ル で は,各 国 の 物 価 水 準 の 比 は 交 易 条 件 に 等 しい 。 従 って,金 の 流 出 入 に 伴 う貨 幣 量 の 変 化 は,交 易 条 件 を 変 化 さ せ る 。 各 国 の 貿 易 量 は 交 易 条 件 の 変 化 を う け て 増 減 し,貿 易 収 支 の 不 均 衡 が 是 正 さ れ る 。私 は こ の 解 釈 を 「伝 統 的 ア プ ロ ー チ 」 と呼 ぶ が,こ の モ デ ル で は 貿 易 収 支 の 不 均 衡 は 財 市 場 の 不 均 衡 に 等 し く な る 。
第 二 の 解 釈 は,調 整 が 両 国 の 貿 易 財 の 絶 対 価 格 の 乖 離 に よ って 生 じ る 財 の 国 際 的 裁 定 に 基 づ く理 論 で あ る 。 こ の モ デ ル で は,素 朴 な 貨 幣 数 量 説 を 前 提 に す る 限 り,当 初 交 易 条 件 の 変 化 は 生 じ な い 。 こ の 考 え 方 は,ヒ ュ ー ム に 忠 実 な 解 釈 と 考 え て,以 下 で は 「ヒ ュ ー ミア ン ・ア プ ロ ー チ 」(HumeanApproach)と
呼 ぶ 。 これ らの 「価 格 効 果 」 に よ る 調 整 理 論 に 対 し て,「 マ ネ タ リ ー ・ア プ ロ ー チ 」 は,「 ヒ ュ ー ミ ア ン ・ア プ ロ ー チ 」 と 異 っ て 「一 物 一 価 の 法 則 」 に 立 ち,貨 幣 供 給 量 が 財 の 需 要 な い し 支 出 に 直 接 影 響 を 与 え る 「実 質 残 高 効 果 」 に よ る調 整 理 論 で あ る 。
以 上 の 議 論 を ま と め る と 次 の よ う に な る 。
3)サ ミュ ユ ル ソ ン(P.A.Samuelson)は,「 いず れ にせ よ,今 日ま で,テ キス トや , 論文 が そ の過 程(ヒ ュ ー ム の調 整 機構 一 引 用 者 注)の 数 学 的 に 完 全 な 説 明 を 与 え て い な い よ うに 見 え るの は不 名 誉 な こ とで あ る」q971,邦 訳p.279)と 述 べ て い る。
ヒュ ー ム の国 際 収 支 調 整機 構 に っ い て
23
完 全 雇 用 一 ・ア プ ロ ー チ)
実 質 残 高 効 果(マ ネ タ リ ー ・ア プ ロ ー チ) 不 完 全 雇 用 所 得 効 果(ケ イ ン ジ ア ン ・ア プ ロ ー チ)
以 下 で は,完 全 雇 用 下 の 三 つ の ア プ ロ ー チ を 順 次 と り あ げ,比 較 検 討 す る 。
雌 捌 欝 鵬 諜 烈 ア ン
1.伝 統 的 ア プ ロ ー チ
J.S.ミ ル は,r経 済 学 原 理 』 第三 篇 第21章 で,貿 易 収 支 の調 整 を次 の よ うに 説 明 して い る5)。貨 幣 経 済 に お け る調 整 過 程 は,物 々交換 経 済 と外 見 は異 るが, 本 質 は 同 じで あ る。物 々 交 換経 済 で は,「 輸 出 以 上 に輸 入 しよ う とす る国 は,輸 出 品 を外 国 に対 して 今 まで 以 上 に安 く提 供 して,そ の 需 要 を喚 起 して 均 衡 を回 復 しな け れ ば な らな い6)」。貨 幣経 済 で は,赤 字 国 は まず金 で差 額 を支 払 うが, そ れ に よ って 引 き起 さ れ る過 程 は物 々 交 換 経 済 と 同 じで あ る。 赤 字 国 で は,
「通 貨 は収 縮 し物 価 は下 落 す る。 と りわ け輸 出 品 の 価 格 は下 落 して,外 国 で も っ と需 要 され る よ うに な る。 他 方,輸 入 品 の 価 格 は外 国 に貨 幣 が 流 入 した ため, 騰 貴 す る可 能 性 が 強 い7)」。赤 字 国 の 輸 出 は増 加 して 輸 入 は減 少 す る。 赤 字 が解 消 す れ ば,金 の 流 出 入 は止 み価 格 の 変 化 も止 る。
ミル の 議 論 は,(1)輸 出品 の 価 格 は輸 出国 の 貨 幣 量 に よ って 決 る こ と(貨 幣数 量 説),そ して,② 輸 入 品 価 格 は相 手 国 の輸 出 品価 格 と同 じよ うに 変動 す る こと (一 物 一 価 の 法則),を 前 提 と して い る。 した が って,赤 字 国 の輸 出 品価 格 は下 落 す る が,輸 入 品(こ れ は黒 字 国 の 輸 出品 にな る)価 格 は騰 貴 す る。 す な わ ち,
4)マ ネ タ リ ー ・ ア プ ロ ー チ の 論 者 が,マ ネ タ リ ー ・ア プ ロ ー チ の 起 源 を ヒ ュ ー ム に 求 め て い る こ と は,ジ ョ ン ソ ンを 指 摘 す る だ け で 十 分 で あ ろ う 。H.G.Johnson(19 77a)pp.252‑3,(1977b)p.5。 マ ネ タ リ ー ・ア プ ロ ー チ と ヒ ュ ー ム と の 関 係 に っ い て は,D.K.Fausten(1979)を 参 照 せ よ 。 な お こ こ で,マ ネ タ リー ・ ア プ ロ ー チ と 呼 ん で い る 理 論 は,深 尾(1983)の 分 類 に 従 え ば,マ ネ タ リー ・ア プ ロ ー チ の 中 の 「マ ネ タ リ ス ト ・モ デ ル 」 に 相 当 す る(pp.8‑9第1表)。
5)J.S.Mill(1909)pp.619‑22,邦 訳pp.314‑22。 ま た 田 中(1951)第3章 も 参 照 。 6)Mill(1909)p.620.
7)Mil1(1909)pp.620‑1.
調 整 過 程 で赤 字 国 の交 易条 件 は 悪化 す るので あ る。 交 易 条 件 の 変 化 に よ って, 貿 易 量 が 調 整 され て 貿 易 収 支 の 不均 衡 が是 正 され る メ カ ニ ズ ムが,ミ ル の 国 際 収 支 の 調 整 理 論 で あ る。
チ ャコ リァ デ ス(M.Chacholiades)は,こ の よ うな 考 え 方 が,古 典 派 理 論 の 一 般 的 な解 釈 で あ った と して 次 の よ うな定 式 化 を 試 み て い る8}。2国 を 考 え, 各 国 は そ れ ぞ れ1財 しか 生 産 して い な い 。相 手 国 に は記 号 の 右 肩 に*を 付 けて,
自国 と区 別 す る。 金 本 位 制 度 か ら,世 界 全 体 の金 ス トック σは,両 国 に 配 分 さ れ るQ
σ+θ*;G (1)
世 界 全 体 の 金 ス トック は分 析 の 期 間 中不 変 で あ る と仮 定 す る。 金 と貨 幣 量 との 間 に は次 の よ うな 関係 を想 定 す る。
ルf篇9・ ρ9・G
ルf*冨9*・ ρ彦 ・ σ*
(2) (2)'
こ こ'で,〃,〃*は 貨 幣 残 高,88*は 金 ス ト ッ ク 乗 数(gold‑stocklnultiplier), ρg,罐 は 金 価 格 で あ る9}。 貨 幣 数 量 説 が 仮 定 さ れ る か ら,
ハ4y;カ1}71 ル1*y*=ρ 渉}7穿
(3) (3)' が 成 立 す る 。 こ こ で,y,γ*は 貨 幣 の 流 通 速 度 で 一 定 で あ る 。 ρ1,麓 は そ れ ぞ れ 両 国 の 物 価 で,輸 出 品 価 格 で あ る。y'!,Y古 は 両 国 の 生 産 量,あ る い は 実 質 所 得 で あ る 。 各 国 の 財 価 格 の 間 に は,
8)Chacholiades(1972),第1節 「貨 幣 数 量 説 の 機 械 的 適 用 に 基 づ く古 典 派 理 論 」 (pp.464‑6)。 な お 以 下 の 議 論 は,チ ャ コ リ ア デ ス に 完 全 に 依 拠 し て は い な い 。 チ ャ コ リア デ ス よ り も や や 複 雑 で あ る 。 しか し,エ ッ セ ンス は 同 じ で あ る 。 9)(2),(2)'式 は,A.Collery(1971)p.2に 依 っ て い る 。 金 本 位 制 度 下 に お け る 金
保 有 と 貨 幣 供 給 と の 間 の よ り 詳 細 な 定 式 化 に つ い て は,工 藤(1982)pp.183‑4を
参 照 せ よ 。
ヒュ ー ムの 国 際 収支 調整 機 構 に つ い て25
ρf=π ρ7ゴ=1,2(4)
が 成 立 す る 。 こ こ で πは 自 国 通 貨 建 為 替 相 場 で,
π=盈(5)ρ彦
と 定 義 さ れ る。
と こ ろ で ミル に 従 え ば,各 国 の 輸 入 品 価 格 は 常 に 相 手 国 の 輸 出 品 価 格 に 等 し い か ら,
1 ρ
2・≡ π ρ変,ρ 卜 一 ρ1、
π
が 成 立 す る 。 そ こ で 自 国 の 交 易 条 件 ρは, ρ1 ρ1
カ=石=誘
と な る 。 貨 幣 数 量 説(3)及 び(3)'式 か ら,こ れ は, Mγy沓
ρ=
。M・y*●7
と 表 わ さ れ る 。(工),(2),(2)'及 び(5)式 を 考 慮 す る と,(8)式 は, y誉 γgG
ρ=炉7'面
と 書 き か え られ る 。(9)式 か ら,
器 帯 ・拳 ・(δσ一σ)押
が 得 ら れ る 。 す な わ ち,
自 国 に 有 利(不 利)に な る の で あ る 。
易 条 件 が 不 利 に な る こ と が,こ の 式 か ら判 明 す る。
チ ャ コ リ ア デ ス は,第2財 で 測 っ た 自 国 の 貿 易 収 支 を β=かD季 一D2
(6)
(7)
(8)
(9)
(10) 自国 の 金 ス トック が増 加(減 少)す れ ば,交 易条 件 は
したが って,金 が 流 出す る赤字 国で は交
(11) と 定 義 す る 。 こ こ で 轡,D2は そ れ ぞ れ 両 国 の 輸 入 量 を 示 して い る。 完 全 特 化
26
商 学 討 究 第34巻 第4号だ か ら,そ れ らは 同 時 に両 国 の相 手 国 の 財 に対 す る需 要 に等 しい。 各 国 の 需 要 関 数 は,交 易 条件 に依 存 し,
DβD̀(1〃)
D卜D許(ρ 〜 ぢ一1,2
(12) (12)' と書 け る。 そ こで 貿 易 収 支 は,交 易 条件 の 関 数 に な り,交 易 条 件 の 悪化 が 貿 易 収 支 を改 善 す る こ とは,
一4βく0 4ρ
を 意 味 す る。(12),(12)'を(11)式 に 代 入 して,
η+η*>1
(13) こ れ を 解 く と,(13)式 は,
(14) とな る。 こ こで η,η*は そ れ ぞ れ 両 国 の 輸 入需 要 の価 格 弾 力 性 で あ る。 す な わ ち,伝 統 的 な ヒュ ー ムの 国 際 収 支 調 整 機 構 を 成 立 さ せ る条件 は,「 マ ー シ ャル ・ ラ ー ナ ーの 安 定 条件 」 に な る。
以 上 の ミル=チ ャ コ リア デ スの 理 論 の 性 格 を 明 らか に す るた め に は,図 を用 い るの が 便 利 で あ る。 第 ユ図 が それ を示 して い る。 図 の 第1象 限 に は,リ カ ー ド型 の 生 産 ブ ロ ッ ク とオ ッ フ ァ ー ・カ ー ブが 描 か れ て い る。 チ ャ コ リア デ ス の 定 式 化 で は,生 産 面 は 明 確 で は な いが,リ カ ー ド型 の生 産 関 数 を 想定 す る の が 自然 で あ ろ う。 貿 易 後 両 国 は そ れ ぞ れ原 点0で 生産 を行 い,そ れ ぞれ の生 産 量 はoYlと0跨 で あ る。 そ れ らは ま た 両 国 の 実 質 所 得 に な る。 オ ッフ ァー ・カ ー ブ は,相 対価格(交 易条件)の 変化 に応 じた両国の消費者 の最適消費点(貿 易 点)を 示 して い る。
貨 幣 数 量 説 に従 え ば,貨 幣 量 が与 え られ,実 質 所 得 が 決 れ ば,物 価 水 準 が 決 定 さ れ る。 この 関係 は 第4象 限 と第2象 限 で示 され る。 描 か れ て い る 曲線 は直 角 双 曲 線 で,第4象 限 は ρ1yl=Mレ を,第2象 限 は ρ2跨=π溜*γ*を 表 わ して い る10)。した が って,貨 幣 量 の増 減 にJlっ て直 角 双 曲 線 は シ フ トす る1D。 ま た 貨 幣 量(と 貨 幣 の 流 通 速 度)が 一 定 で あれ ば,経 済 成 長(}71,】酵 の 増 加)に よ
ヒ ュ ー ムの 国 際収 支 調 整 機 構 につ いて
27
第2財価格
∠r‑…
2v*毎 、1血'
濁 零
F H
(π血*)
/
ρ ガ
δ, 5
距*
s
ρ ρ
0 か
血'
第1財価格 第1図
/
、4C}三1
X1
って,物 価 水 準 は低 落 す る。 い ま初 期 の 状 態 と して,各 国 の 直 角双 曲 線 が 実 線 で 示 さ れ る もの とす れ ば,両 国 の 価 格 が そ れ ぞ れ0ρiと0ρ るに な る。 そ して 第3象 限 で 両 財 価 格 の座 標 は ∂'は点 で 示 さ れ る。 した が って原 点 と ∂'点を 通
る 直線0ρ'の 傾 きは,交 易 条 件 を 表 わ す。
当初 の 交 易 条 件 が0グ で あれ ば,第1象 限 に戻 って,交 易 条件0グ の 下 で の 両 国 の貿 易 オ ッ フ ァー量 が 示 され る。 自国 は1〜,他 国 は3点 で オ ッフ ァ ーを 意 図 して い る。 す な わ ち 自国 はCRの 輸 入 と交 換 にOCの 輸 出 を計 画 して い る。
他 国 はOHの 輸 出で,H3の 輸 入 を望 んで い る。 この 時,チ ャコ リア デ ス の貿 10)第2象 限の関係 は,酵 跨=1畔 γ串に 姥 ≡迦 を代入 す ることによ って求め られ る。
π
他 国 の価 格 を 自国 通 貨 で 表 わす の は,第3象 限 で 自国 の 交 易 条 件 を 表 わ す た め で あ る。
11)(2)な い し(2)'式 か ら,貨 幣 量 は 金 乗 数,金 価 格,金 保 有 量 に 比例 す るか ら,金 乗 数 の 引上 げ,金 価 格 の 引上 げ(為 替 切 下 げ),金 保 有量 の 増加 に よ って,直 角 双 曲 線 は上 方 に シ フ トす る。 実 質 所 得 が変 化 しな け れ ば,財 価 格 は 上 昇 す る。
易 収 支 の 定 義(11)式 に 従 え ば,自 国 の 貿 易 収 支 は 赤 字 で あ る。 何 故 な ら,(11)
式 におけ研D・ ρは第1図 で はそれぞ岬 ⑤cπ 畿 であ・か ら
β̲麗.H3̲CR‑̲朋 く004
とな るか らで あ る。 貿 易収 支 の 赤字 幅 は,外 国 財(第2財)で 測 ってF∬ で あ る。 自国 はC1〜 の輸 入 の 代 りに0、4の 輸 出 しか して い な い こ とを 意 味 して い る。 相 手 国 の 立場 か らみ る と,外 国 はOFの 輸 出 を 行 って,0・4し か 輸 入 して い な い こ とに な る。 しか るに,外 国 の第2財 の 国 内消 費量 は,今 期Y超 で あ る。 そ れ ゆ え,外 国需 要(輸 出)OFを 合 計 す れ ば,今 期 の生 産 量oγ 誉をFH だ け 上 回 る こ とに な る。 この 部 分 は在 庫 か らま か な わ れ な けれぜ な らな い。 他 方,自 国 で は今 期 第1財 をylCだ け消 費 す るか ら,輸 出 を合 わ せ て も,oγ1の 今 期 の生 産 は 全部 は消 費 さ れ な い。 売 れ 残 りが 生 じる ので あ る。 した が って, (11)式 で 定 義 され た貿 易 収 支 が ゼ ロに な るの は,両 国 のオ ッフ ァー量 が一 致 す る場 合 で,第1図 で は交 易 条 件 が0φ の 時 だ けで あ る。 交 易 条件 が0ρ よ り も 小 さ い時,す な わ ち 自 国 の 交易 条 件 が 悪 化 す れ ば貿 易 収 支 は改 善 す る。 この 場 合 に は,0グ の 時 と は反 対 に,自 国 の 財 に 対 しで 超 過 需 要 が生 じ,自 国 の在 庫 が と り くず され る。 .
す な わ ち,ミ ル=チ ャ コ リアデ ス流 の 「伝 統 的 ア プ ロー チ」で は,貿 易収 支 の 不 均 衡 は 財 市 場 の 不 均 衡 と して と らえ られ て い る。 第1図 の 第1象 限 だ け を使 っ た物 々交 換 モ デル で も,他 国 の 輸 出財 に 対 して 超 過 需 要 があ る時 に,自 国 の 貿 易 収 支 は赤 字 にな って い る とい う説 明 は多 い12)。しか し この よ うな場 合,貿
12)例 え ば,R,A.Mundel1(1971)第1章 第1‑2図(邦 訳p.13)や 第2章 第2‑1図 (同,p.23)の 説 明 を 参 照 。 ま た 「ジ ョ ン ソ ン の 基 本 方 程 式 」(H.G.Johnson, 1954)の 貿 易 収 支 の 考 え 方 も こ の 例 に 入 る 。 為 替 切 下 げ の 分 析 に お け る 「弾 力 性 ア プ ロ ー チ 」 も(11)式 と 同 様 の 貿 易 収 支 式 を 採 用 し て い る た め,そ の 貿 易 収 支 の 赤 字 や 黒 字 は 財 市 場 の 不 均 衡 で あ る 。 した が っ て,為 替 切 下 げ の 条 件 が 「マ ー シ
ャ ル ・ ラ ー ナ ー の 条 件 」 で あ る の は 驚 く に あ た ら な い 。 他 方,ス ボ ボ ダ(A.K.
Swoboda,1976)は,第1図 の 第3象 限 を 使 っ て 調 整 過 程 を 検 討 して い る が,∂'点 の よ う な と こ ろ に 両 国 の 価 格 が く る場 合 に は,他 国 の 財 に 対 す る 超 過 需 要 が 存 在 し , そ れ は 他 国 の 黒 字 と 同 じ で あ る と論 じて い る(p.245)。 同 様 の 分 析 は,工 藤(1982)
pp.185‑6に も み ら れ る 。
ヒ ュ ー ムの 国 際 収 支 調整 機 構 に つ いて
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易 が 行 わ れ る た め に は, い13)Q
先 に述 べ た よ うに 「在 庫 」 を 導 入 しな け れ ば な らな
調 整 過 程 は 次 の よ うに説 明 さ れ る。 交易 条 件 が0グ の下 で,自 国 の 貿 易 収 支 は 赤 字 に な るか ら,自 国 か ら他 国 へ金 が 移動 す る。 した が って,自 国 の 直 角 双 曲線 は下 方 に シフ トし,他 国 の そ れ は上 方 に シフ トす る。 実 質 所 得 は 変化 しな い た め,自 国 の 物 価 は 低 落 し,他 国 の そ れ は 上 昇 す る 。 し た が っ て 自 国 の 交 易 条 件 は 悪 化 し0グ は 時 計 の 針 と 同 じ方 向 に 移 動 す る 。 図 の オ ッ フ ァ ー ・カ ー ブ の よ う な 場 合,財 市 場 の 不 均 衡 は 縮 少 し,従 って 赤 字 幅 も小 さ くな る 。 最 終 的 な 均 衡 は ∂点 に 両 財 の 価 格 が く る 時 に 達 成 さ れ る14}。'交 易 条 件 は0ρ で,フ ロ ー の 財 市 場 は 均 衡 して い る。 こ の よ う に この モ デ ル で は,交 易 条 件 が 調 整 機 構 の 要 に な る。 これ は,バ イ ナ ー(J.Viner)に よ っ て 古 典 派 の 理 論 と して 強 調 さ れ た 点 で あ る15〕。
こ の ミル=チ ャ コ リ ア デ ス 流 の 議 論 を 「伝 統 的 」 と 呼 ぶ も う 一 っ の 理 由 は, マ ン デ ル(R.Mundel1)が そ の 著r国 際 経 済 学 』 の 貨 幣 的 な 分 析 で,貿 易 収 支 の 不 均 衡 が 財 市 場 の 不 均 衡 に 一 致 す る 場 合 を 「古 典 派 の ケ ー ス 」 と して い る か
13)「 在 庫 」 を 導 入 し た 分 析 と し て は,R.W.Jones(1961),1.F.Pearce(1970)第 3章,及 び 池 間(197b)第3章 が あ る 。
14)う'点 か ら δ 点 へ の 移 動 は,ポ と う を 通 る 直 線 ハ11轡 上 の 動 き で あ る 。 直 線1》1轡 は,(2)及 び(2)'式 を(3)及 び(3)'式 に 代 入 して,Gと 併 に つ い て 解 い て,
・1)式に代入す ると求 め ・れ … れ・…1‑一 藩 毎 ・響'δ ・な る。 調 整 過 程 で は,金 ス トックの2国 間 で の 配分 が 変 るだ け な の で,直 線1wV*は
・i変化 しな い。
15)Viller(1937)は 次 の よ う に述 べ て い る。 「ヒ ユー ム以 来,国 際 収 支 の あ る型 の,あ る い は あ らゆ る種 類 の撹 乱 に よ って,交 易条 件 は変 化 し,そ して こ の交 易 条 件 によ って 均 衡 が 回復 す る こ と は 一 般 に認 め られ て い た。 す で に示 した よ う に,ヒ ュー ム は他 国 に対 す る貨 幣 量 の 相 対 的 な増 加 は,外 国の 生 産 物 に対 して その 国 の商 品 の 価 格 を 引上 げ る と い う考 え を抱 いて い た 。 そ の結 果,貿 易 と正 貨 移 動 は影 響 を うけ て,再 び"富 の水 準"が 国 際 的 に均 等 化 す る の で あ る」(p.319)。 しか し,サ ミュ
エル ソ ンは ヴ ァイナ ーに は 「完 全 な モ デ ル は ど こ に も示 され て いな い」(Samuelson , 邦 訳p.279注(2))と 批 判 して い る。
16)Mundell(1971)第8章 「物 々 交 換 理 論 と貨 幣 的 調 整 機構 」 邦 訳pp.143‑5。 な お この 論 文 の 第8‑6図 に関 して,ラ ビ ン(A.A。Rabin)は 財 市 場 の 均 衡(XX 曲線)を 非 貿 易 財 の 市 場 の 均 衡 と解 釈 して い る。 しか し,マ ンデ ル の モ デ ルで は 財
らで あ る16)。 マ ン デ ル の 「古 典 派 」 は 「セ イ 法 則 」 な い し所 得=支 出 を 認 め る 立 場 で あ る 。 上 述 の モ デ ル で,「 セ イ 法 則 」 は,自 国 に つ い て ρ1}71=ρ10エ+ρ2D2 だ か ら,こ れ か ら,D2ニ ρ(γrD1)が 得 ら れ る 。 こ れ を 貿 易 収 支(11)に 代 入 す る と,β=ρ 酵 一ヵ(L‑Ol)=ρ(∠)1+Z)季 一}っ と な る 。(}の 中 は,第 ユ財 の フ ロ ー の 均 衡 条 件 を 示 し て い る。 こ れ か ら 自 国 の 赤 字 は,第1財 の 超 過 供 給 に 等 しい 。
以 上 の 「伝 統 的 ア プ ロ ー チ 」 の 欠 点 は,完 全 特 化 モ デ ル で あ る こ と で あ る。
コ ラ ァ リ ー(A.Collery)は,こ の プ プ ロ ー チ は 完 全 特 化 の 場 合 だ け 有 効 で,不 完 全 特 化 の 場 合 に は 成 立 し な い と批 判 して い る。 不 完 全 特 化 で あ れ ば,貨 幣 量 の 変 動 に よ って 輸 出 財 と 輸 入(競 争)財 価 格 は 同 方 向 に 変 化 す る か ら,交 易 条 件 は 変 化 し な い エη。 し た が って 需 要 関 数 の 性 質 か ら 貿 易 量 も 変 化 せ ず,調 整 は 起 り え な い の で あ る。
2.ヒ ュ ー ミ ア ン ・ ア プ ロ ー チ
価 格 効 果 に 基 づ く調 整 機 構 の も う一 つ の 立 場 は,同 一 の 貿 易 財 の 価 格 が 国 際 間 で 異 な り,そ れ に よ っ て 財 の 移 動 が 促 さ れ る と い う も の で あ る 。 こ の 議 論 は
「一 物 一 価 の 法 則 」 に 反 す る と い う点 で,他 の 二 つ の ア プ ロ ー チ と 際 立 っ た 対 照 を み せ て い る。 コ ラ ァ リ ー は,こ の 調 整 作 用 こ そ ヒ ュ ー ム 自 身 の 見 解 で あ る と 主 張 して い る18)が,他 方 で ヒ ュ ー ム は,「 一 物 一 価 」 を 承 認 して い た と の 見 方 も 示 さ れ て い る19)。
本 節 で は 前 節 と 同 様 完 全 特 化 の 下 で,こ の ア プ ロ ー チ を 詳 細 に 検 討 す る 。 完 全 特 化 モ デ ル を 採 用 す る の は,不 完 全 特 化 モ デ ル で も輸 入 品 と輸 入 競 争 品 が 完 全 に 代 替 的 で あ れ ば,完 全 特 化 モ デ ル と同 じ に な る と考 え る か らで あ る 。 た だ こ の ア プ ロ ー チ が 「伝 統 的 ア プ ロ ー チ 」 と 異 な る の は,輸 入 品 価 格 は そ の 国 の は 輸 出財 で もあ る か ら,財 市 場 の 均 衡 は開 放 経 済 下 で の 市 場 の 均 衡 と解 釈 す べ きで あ る。Rabin(1982)Appendixpp.21‑3参 照 。
17)Collery(1971)pp.26‑7。 池 間(1979)に 対 す る 大 山(1980)p.216の 批 判 も同 様 の 趣 旨で あ る。 拙 稿(1982)も 参 照 。
18)Collery(1971)p.26。 ま たJohnson(1977a)p.252及 び(1977b)p.5を 参 照 せ よ 。
19)例 え ばT.M.HumpkreyandR.E.Keleher(1982)pp。133‑7.
ヒュ ー ム の 国 際収 支 調 整 機 構 につ い て
31
商 品(輸 出 品)と 同 じ よ うに,輸 入 国 の貨 幣量 に 影 響 を受 け る点 で あ る。 交 易 条 件 は 今度 は財 市場 の均 衡 か ら決 定 さ れ る。 さ らに,貿 易 量 は相 対 価 格 だ け で な く,財 価 格 の国 際 間 の格 差 に も依 存 す る。
これ らの点 を考 慮 す る と,伝 統 的 ア プ ロー チ の モ デ ル は次 の よ うに修 正 さ れ る。 まず,財 市 場 の 均 衡 式
呂=DI+群 跨=Z)2+Z)穿
(15) (15)' か ら均 衡 交 易 条 件 ρが 決 ま る。 各 国 の 両 財 の 価 格 は,
五〃=ρ1}㌦=ρ2}亀(16) M*γ*一 ρ誉y誉=ρ7}瞥(16)'
に よ って決 乱 こ こで 均=ρ 呂,群=1跨'乙 そ れ ぞ れ 両国 の 輸 入 品 で 測 っ た実 ρ
質 所得 で あ る。 最 後 に貿 易 量 が相 対 価 格 だ けで な く,絶 対 価 格 の 国 際 間格 差 に も依 存 す るの は,需 要 関 係 が
几 一α(÷ ρ一 ・・鉾)(17)
0ナ=0ナ(ρ,ρ̀一πρ声)ゴ=1,2(17),
と書 き か え られ る こ と を意 味 す る。 長 期 的 に は ρ̀=πが とな るか ら,(17)(17)' 式 は相 対 価 格 だ けの 関 数 に な る。
本 節 の モ デル は,第2図 の よ うに図 示 で き る。 第1象 限 は財 市 場 の均 衡 を 示 して お り,均 衡 交 易 条 件 が 決 る。 均 衡 交 易 条 件 の下 で,第2財 で 測 った 自国 の 実 質 所 得 が,}査 琉 で 表 わ され る。 第4象 限 に は,輸 入 品 の 自国 内価 格 を決 め る貨 幣 数 量 説 が 直 角 双 曲 線 と して 描 か れ て い る。 直 角 双 曲 線 の 下方 の 四 角形 の 面 積 は!卿 で あ る。 い ま初 期 の 貨 幣 量 に 対 応 す る直 角 双 曲 線が 実 線 の そ れで あ る とす れ ば,0ρ2が 初 期 の 輸 入 品 の 国 内 価 格 で あ る。 この 商 品 の外 国 で の価 格 は,前 節(第1図)同 様 第2象 限 を通 して 決 定 され る。 しか し第1図 と違 い,
こ こで は 第2財 の外 国価 格 は そ の 国 の通 貨 で 表 示 さ れ る。 初 期 に与 え られ た外
、
第2財価格
1
加*巧 串
π
α
α 〆
σ
0 動 一加
ノ
ノ
γ1 /45。
第2財価 格 第2図
国 の 貨 幣 量 の 下 で,第2財 の 外 国 価 格 は0諺 で あ る 。 第3象 限 のo点 は,第 2財 の そ れ ぞ れ 自 国 と外 国 内 で の 価 格 を 示 す 座 標 で あ る 。 そ こで α点 を 通 る 直 線0π の 傾 き は 為 替 相 場 に な る20}。 α 点 を 通 る も う一 つ の 直 線 ∫ノ は,両 国 の 第2財 価 格 の 間 の 関 係 を 示 して い る。 こ れ は,My± ρ2・か 呂 と(3)'式 に(2), (2)'を 代 入 し,(1)を 使 え ば 得 られ,
角一一≠i鴇 発 ρ誉・ρ耕'θ(18)
と な るQ圏
調 整 メ カ ニ ズ ム を 検 討 す る た め に,ヒ ュ ー ム に な ら っ て 自 国 で 貨 幣 量 を 増 加 す る た め,金 乗 数gを 引 上 げ て み よ う 。、こ れ は 図 に お い て,ま ず 第4象 限 で 直 角 双 曲 線 を シ フ トさ せ 点 線 の よ う に す る。 ま た 第3象 限 で(18)式 が 示 して い 20)図 で は 第2財 の 価 格 が 示 され て い るが,第1財 の 価 格 に つ い て 同 様 の 図 を描 くこ と もで き る。 第1財 価 格 と第2財 価 格 は 全 くパ ラ レル に動 くの で,一 っ の価 格 を 示 す , だ け で十 分 で あ る。
ヒュ ー ムの 国 際 収 支 調整 機 構 に つ い て
33
い る よ うに ∫ノ が ∫ノ'の よ うに 変化 す る。 この 結 果,自 国 の 第2財 価 格 は0ρ2 か ら0擁,あ る い は σか ら 〆 へ 上 昇 す る。 他 国 の 価 格 は変 化 しな いか ら,自 国 通 貨 で 測 って σ〆 の 乖 離 が 生 じる。 図 で は 示 さ れ て い な いが,第1財 で も同 様 に 自国 の 価 格 が 他 国 の それ よ り も高 くな る。 そ れ ゆ え交 易条 件 は 変化 しな い。
両 財 は と もに 自国 の 方 が 高 いか ら,他 国 で売 るよ り も 自国 で 売 る方 が有 利 で あ る。 そ こで 第1財 の 自国 の 輸 出業 者 は輸 出 に ま わ す 品 物 を国 内 で 販売 しよ う と す る し,2財 の 他 国 の 輸 出 業 者 は 自国 へ の 輸 出 を 増 や そ うとす るで あ ろ う。
この よ うな 貿 易 業 者 の 行 動 の 結 果,自 国 の輸 出 は 減 少 し,輸 入 は 増加 す る。
自国 の輸 出 は,呂 一Z)エ,外国 の 輸 出 は 跨 一D誉 で あ り;生 産 量 は一 定 な の で, これ は
妥1紹ll‑一 、(∂D1ρ「 πρ†)・・'(19)
畿 霧;一 一、(∂o誉ρ2一ψ 誉)・・(19ア
を意 味 す る。 す な わ ち,外 国 の 財 価 格 に比 べ て,自 国 で そ の財 の価 格 が 上昇 す れ ば,外 国 内 で 販 売 され る品 物 が少 し安 い値 段 で 入 って 来 て,消 費 量 が 増加 す る こ とが考 え られ るの で あ る。 価 格 の 乖 離 に応 じて ど れだ け貿 易 量 が 変化 す る か は,国 際 的 な 財 市 場 の 統 合 の 程 度 に依 存 す る。 第.3図 は,(19),(19)'の 関 係 を 図 示 した もの で あ る。0σ と06は そ れ ぞ れ,価 格 差 が な い時 の 自国 の輸 出 量 と輸 入 量 で あ る。 価 格 が 両 国 の 間 で0α だ け 乖 離 す る と,自 国 の輸 出 は α〆 だ け 減少 し,輸 入 は ∂∂'だ け増 加 す る。 貿 易 量 が どれ だ け変 化 す るか は,両 曲 線 の 形 状,あ るい は価 格 乖 離 に関 す る貿 易量 の 弾 力 性 に依 存 す る。 弾 力性 が無 限 大 で あ れ ば,曲 線 は 横軸 に重 な る。 「
ヒュ ー ムの 調 整 機構 に戻 る と,自 国 の 貨 幣 量 の 増 加 に よ って,両 財 と も 自国 の 価 格 が 高 くな る。 第3図 の 関 係 か ら 自国 の輸 出 は減 少 し,輸 入 は増加 す る。
初 期 に 貿 易 収 支 が 均 衡 して いれ ば,貿 易 収 支 は悪 化 す る。 自国 か ら金 が 流 出 し, 自国 の 直 角 双 曲線 は反 転 して 下 方 ヘ シ フ トし,外 国 の それ は上 方 に シ フ トす る。
自国 の 財 価 格 は今 度 は 下 落 し,外 国 の それ は 上 昇 す る。 両 国の 価 格 の 乖離 は縮
あ 一 πρ1串
α 0
輸入
一 囑璽 一 響r冒響「
8 覧
圏 騨
〆 σ ∂ ゲ
輸出
貿易量
第3図
少 し,'自 国 の 輸 出 の 減 少 と輸 入 の 増 加 の 程 度 は 小 さ く な る。 こ れ は 赤 字 幅 が 毎 期 毎 期 縮 少 す る こ と を 意 味 し,そ れ に 伴 っ て 金 の 移 動 量 も 減 少 して い く。 最 終 的 な 均 衡 は,第2図 第3象 限 の 〆'点 で 達 成 さ れ る 。 価 格 格 差 は 消 滅 す る が, 両 国 で 両 財 価 格 は 上 昇 して い る 。 しか も 自 国 の 初 期 の 物 価 上 昇 は,赤 字 に よ る 金 の 流 出 の た め 一 部 相 殺 さ れ,外 国 の イ ン フ レ ー シ ョ ン に な って 海 外 に 伝 播 さ れ て い る。
以 上 は 通 常 は 言 葉 で しか 説 明 さ れ な い ヒ ュ ー ミ ア ン ・ア プ ロ ー チ を 詳 細 に 検 討 し た も の で あ る 。 こ の ア プ ロ ー チ に 対 す る 第 一 の 批 判 は,た び た び 述 べ て い る よ うに 「一 物 一 価 」に 関 して お り,古 くか ら論 争 され て い る点 で あ る 。 批 判 者 は, 通 信 や 輸 送 手 段 の 発 達 に よ っ て,「 一 物 一 価 」が 常 に成 立 す る と仮 定 す る方 が 正 し い と主 張 す る21)。第3図 で い え ば,二 つ の 曲 線 の 弾 力 性 は 短 期 的 に も 無 限 大 に な り,
21)最 近 の こ の よ うな主 張 は,D.LaiderandA.R.Nobay(1976)p.301に み られ る。 「一 物 一価 」 な い し 「財 市 場 の統 合 」 に関 す る学 説 史 は,Viner(1937)第6章
4節,特 にpp.316‑7,JohnsonandFrenkel(1976)pp.33‑5,Frenkel(1976) pp.32‑3,HumphreyandKeleher(1982)第5,6章 を参 照 せ よ。
ヒュー ムの 国 際 収支 調 整 機 構 に つ い て
35
横軸 に 重 な るので あ る。今世紀 の は じめ に ラウ リン(J.L.Laughlin)22)が 行 っ た こ の よ う な 批 判 に 対 して,ウ ィ テ ー カ ー(A.C.Whitaker)23}や バ バ ラ ー (G.Haberler)の よ う な擁 護 者 は,情 報 の す ば や い伝 幡 等 で 国 際 裁 定 取 引 が 活 発 に な れ ば,調 整 の 速 度 は それ だ け増 加 す るの で,む しろ ヒュ ーム の 調 整機 構 の働 き は 改善 さ れ る と反 論 して い る。 第3図 で 財価 格 の 乖離 に関 す る輸 出 入 の 弾 力性 が 高 けれ ば,価 格 の 僅 か な 差 に対 して も貿 易 量 は す ば や く反 応 す る。 貿 易 収 支 の不 均 衡 は早 く現 わ れ,金 の 流 出 入 が そ れ に 伴 う。 した が って,価 格 が 変 化 し,価 格 格 差 が 消 滅 す る時 間 は 短 か くな る。 そ れ ゆ え,こ の 議 論 に従 え ば, 弾 力 性 の 高 い経 済 他 国 との統 合 の 進 ん で い る経 済 ほ ど,国 際 収 支 の 自 動 調 整 作 用 はす み や か に 働 く24)。も っ と も,こ の よ うな 経 済 で は,(一 定 期 間 の) 貿 易 収 支 不 均衡 の 幅 は大 き くな るで あ ろ う。 私 は 「一 物 一 価 」 を仮 定 す る か否 か は,理 論 的 に は そ れ ほ ど重 要 な 問題 で あ る と は考 え な い。 それ は第3図 の 曲 線 の 形 状,あ るい は 貿 易 の価 格 乖 離 に関 す る弾 力 性 の問 題 で あ る。 長 期 に それ
は 高 く,短 期 に そ れ は低 いで あ ろ う。
む しろ ヒュー ミア ン ・ア プ ロー チ に と って 深 刻 な 批 判 は,価 格 が貨 幣 量 だ け か ら決 定 さ れ て い る と想 定 して い る点 で あ る。 これ は,貨 幣 数 量 説 に 基 づ いて い る。 チ ャ コ リア デ ス は,古 典 派 の モ デ ル は貨 幣 数 量 説 を機 械 的 に適 用 して い る と述 べ251,こ れ は 閉 鎖 経 済 で は 正 しい が,開 放経 済 で は正 し くな い と主 張 し て い る。 開放 経 済 で 価 格 を決 定 す るの は,国 際 的 な 需 要 と供 給 で あ る とい う26〕。 貨 幣量 が増 加 す れ ば,財 に対 す る需 要 が増 加 す る。 この 時 増 加 した需 要 が 国 内 財 に向 え ば価 格 は上 昇 す るか も しれ な いが,輸 入財 に 向 え ば必 ず し も上 昇 しな い と主 張 す る2η。 チ ャ コ リア デ ス 自身 は この理 由 を 明 らか に して い な い が,参
22)Laughlin(1906)pp.517‑8。
23)Whitaker(1904)p.237,Haberler(1936)p.29,邦 訳(上 巻)p.56.
24)も ち ろ ん こ れ は 赤 字 に よ っ て 金 が 流 出 し,そ の 結 果 貨 幣 量 が 縮 少 す る と い う 一 連 の 貨 幣 的 な 調 整 が ス ム ー ス に な さ れ た 場 合 で あ る 。
25)も っ と も チ ャ コ リ ア デ ス が と りあ げ て い る モ デ ル は,「 伝 統 的 ア プ ロ ー チ 」で あ る 。 し か し,両 方 と も貨 幣 量 が 価 格 に 直 接 に 一 機 械 的 に 影 響 を 与 え る 点 で は 同 じ で あ る 。
26)Chacholiades(1972)p.463,注(3).
レ
考 に して い るマ ンデ ル の論 文で,マ ンデ ル は開 放 経 済 で 価 格 が 上 昇 しな いの は, 輸 入 業 者 が 在 庫 を 多 く保 有 して い るか らだ と述 べ て い る28)。も しそ うで あ る な
ら,貨 幣 量 の 増 加 に応 じて輸 入品 の 国 内 価 格 が上 昇 す るか ど うか は,外 国 の 輸 入 財 が 国 内 の 需 要 増 加 に応 じて,ど の程 度 早 く入 って くるか に依 存 して い る。
増 加 した需 要 が 十 分 に満 た され るの で あ れ ば,輸 入 品 の国 内価 格 は 上 昇 しな い。
外 国 か らの供 給 の 増 加 に よ って,価 格 の 上 昇 圧 力 は消 滅 す るの で あ る。 ヒュ ー ミア ン ・ア プ ロ ー チで 価 格 水 準 を決 定 す るの は,あ くまで も貨 幣 量 で あ る。 価 格 の 格 差 に応 じて 外 国 か ら財 が 流 入 して も,そ れ 自体 は価 格 水 準 を 変 え な い。
国 際 収 支 が 不 均衡 にな り,金 が 移 動 して は じめて 物 価 水 準 が 変 動 す るの で あ る。
そ れ に対 して 批 判 者 は,貨 幣 的 な調 整 が 行 わ れ る前 に,価 格 は国 際 間 で 一 致 す る と主 張 す る29}。私 は国 際裁 定 を調 整 の 重 要 な働 き の一 つ と しな が ら,そ れ に よ って価 格 は 全 く影 響 を受 けな い とす るの は,こ の ア プ ロ ーチ の 重 大 な 欠 点 と 考 え る。
3.マ ネ タ リ ー ・ア プ ロ ー チ
マ ネ タ リー ・ア プ ロ ー チ は,「 一 物一 価 」 を 仮 定 す る。 し た が っ て,・(17), (17)'式 の 需 要 関 数 か ら ρ一 π酵 の 変 数 は除 か れ る。 貨 幣 供 給 は財 価 格 に直 接 影 響 を与 え るの で はな く,財 に対 す る需 要 を通 じて(世 界)価 格 に 影 響 を与 え る。 どの 程 度 影 響 を与 え る か は,そ の 国 の 経 済 が世 界経 済 に 占 め る割 合 に依 存 す る。 「小 国 」 で あ れ ば,価 格 に影 響 を 与 え る こ とは で き な い。 価 格 を変 え る こ との で き るの は,「 大 国 」 の 場 合 だ け で あ る。 以 下 で は,こ の 大 国 の 場 合, す な わ ち2国 モ デ ル を 想 定 す る。
貨 幣 量 が 財 の 需 要 に影 響 を与 え る こ と を示 す 方 法 は 二通 りあ る。 一 つ は,需 要 関 数 に 実質 貨 幣 残 高 を導 入 す る方 法 で あ る3ω。他 は チ ャ コ リアデ ス に よ って
27)Chacholiades(1972)P.464.
28)Mundell(1971)邦 訳p.137,注(4).
29)D.GirtonandL.Roper(1978)p.617,注(52)参 照 。
30)こ の パ テ ィ ン キ ン 流 の 需 要 関 数 は,F.H.Hahnσ959)に よ っ て は じ め て 国 際 収
支 の 問 題 に 使 わ れ た 。 他 にM.C.Kemp(1962),小 宮 ・天 野(1972)第13章 。
ヒュ ー ム の国 際 収 支 調 整 機 構 にっ いて
37
第2財 価 格
κ ρ2*'ρ2"凸*'
π
ゐ
∂yを*
s
0簗毎乙〃
第2財価格 第4図
E〆
/45。
現 二 珍lEゼ
示 さ れ た 方 法 で311,Myが 総 支 出E=ク1∠)1+ρ21)2に 等 しい と考 え る 方 法 で あ る。
こ こ で は 第2図 と 同 様 の 図 で 示 す こ と が で き る 点 を 考 え て,後 者 を 採 用 す る。
そ こ で
My=ρ1D1+ρ2D2
〃*γ*=ρ ずDず+ρ 穿D穿
(20) (20)' と な り,「 一 物 一 価 」 か ら
ρゴ≡ πρ野 疹=1,2
(21)が 成 立 す る 。
第4図 は 第2財 で 測 っ た 所 得 の 軸 に,.第2財 で 測 っ た 総 支 出E2,E穿 を と る 以 外 は,第2図 と 同 じ で あ る。 前 節 と 同 様,ヒ ュ ー ム の 実 験,す な わ ち 自 国 で
31)Chacholiades(1972)PP.466‑72.
貨 幣 量 を 増 加 さ せ る た め,金 乗 数 を 引 上 げ た とす る。 貨 幣 量 の 増 加 は,今 度 は 価 格 を 同 じ割 合 で 上 昇 さ せ ず,両 財 に 対 す る 需 要 を 増 大 さ せ る よ う に 働 く。 世 界 市 場 で 両 方 の 財 の 需 要 が 増 加 し,供 給 は 一 定 だ か ら,世 界 価 格 が 上 昇 す る 。 こ れ は,第3象 限 で6点 か ら1(L'線 と 直 線0π の 交 点 ∂'へ の 動 き で 示 さ れ る 。 ∂'へ の 動 き は0π 線 上 に 沿 っ て お り,移 行 過 程 で 両 国 の 財 価 格 が 乖 離 す る こ と は な い の で あ る 。 財 価 格 の 上 昇 に よ っ て,自 国 の 貨 幣 量 の 増 加 が 吸 収 さ れ る が,そ れ は 一 部 で 他 は 第2財 で 測 っ た 総 支 出 が 増 加 す る こ と に よ っ て 吸 収 さ れ な け れ ば い け な い 。 第4象 限 で 支 出 は γ2(=E2)か ら 鰯 ま で 増 加 す る 。 他 方,他 国 で は 貨 幣 量 不 変 で 価 格 が 上 昇 し た た め,ハ4*γ*=麓 瀦 を 成 立 さ せ る た め に,第2財 で 測 っ た 支 出 は 減 少 し な け れ ば な ら な い 。 自 国 の 増 加 し た 支 出 γ2班 は 他 国 の 減 少 し た 支 出 跨E蛮'に 等 し い 。 そ して,こ れ は ア ブ ソ ー プ シ ョ ン ・ア プ ロ ー チ に 従 え ば,自 国 が 赤 字 で 他 国 が 黒 字 で あ る こ と と 同 一 で あ る 。
増 加 し た 自 国 の 支 出 と 減 少 した 他 国 の 支 出 は,各 財 に 対 す る 需 要 に 影 響 を 与 え,交 易 条 件 を 変 え る 可 能 性 が あ る。 交 易 条 件 が ど の よ う に 変 化 す る か は,第
1象 限 で 新 し い 予 算 線7'班 上 で 各 財 に 対 す る 需 要 が ど う な る か に 依 存 す る 。 新 し い 消 費 点 は,両 国 の エ ンゲ ル 曲 線 に 依 存 す る 。 図 の よ うに 自 国 の 消 費 点 が R,他 国 が ε で あ れ ば,第1財 は 超 過 供 給,第2財 は 超 過 需 要 に な る か ら,交 易 条 件 は 自 国 に 不 利 に な る。 こ の 条 件 は,ト ラ ン ス フ ァ ー 問 題 で 知 ら れ て い る よ う に,両 国 の 限 界 輸 入 性 向 の 和 が1よ り も大 で あ る こ と で あ る32)。 交 易 条 件 が 自 国 に 不 利 に な れ ば,第2財 で 測 っ た 自 国 の 総 支 出E2は 低 下 す る。ま た(18) 式 で 示 さ れ る よ う に,第3象 限 の1(L'直 線 の 傾 き と 切 片 は 増 加 し て,第2財 価 格 は 上 昇 す る 。 しか し,交 易 条 件 が 悪 化 し た と して も,初 期 の 所 得 水 準 γ2ま で は 低 下 し な い の で,自 国 の 支 出 超 過=赤 字 は 変 らな い。 これ が マ ネ タ リー ・ ア プ ロ ー チ の 「短 期 均 衡 」 で あ る。 「短 期 均 簿 」 か ら 「長 期 均 衡 」 へ の 移 行 の プ ロ セ ス,ま た そ れ が 安 定 的 で あ る か に つ い て は,チ ャ コ リ ア デ ス が 議 論 して い る の で,本 稿 は 省 略 す る33)。
32)例 え ばMundel1(1971)第2章 。
33)Chacholiades(1972)pp.472‑7.チ ャ コ リア デ ス の安 定 条件 に対 す る批 判 は, R.K.AIldersonandA.Takayama(1972)p.356.
ヒュ ー ム の 国 際収 支 調 整 機 構 につ いて
39
以 上 が マ ネ タ リー ・ア プ ロ ー チ の 幾 何 学 的 な 説 明 だ が,他 の ア プ ロ ー チ と の 主 な 違 い は次 の2点 で あ る。 第一 に,貿 易 収 支 の不 均 衡 は財 市 場 の 不 均 衡 で は な く,所 得 と支 出 の 差 に な る。 そ して これ は図 に明 確 に示 す こ とが で き る(ヒ
ユ ー ミ ア ン ・ア プ ロ ー チ で は こ の 点 は 曖 昧 で あ る)。 第 二 に,交 易 条 件 の 変 化 は 一 義 的 で は な い。 他 の ア プ ロ ー チ に 比 べ る と,マ ネ タ リ ー ・ア プ ロ ー チ は 論 理 的 に は最 もす ぐれ たモ デル で あ る。 しか し,他 の ア プ ロー チ に お け る貿 易収 支 の 不均 衡 の発 生 の 原 因 伝 統 的 ア プ ロー チ で は 財市 場 の 不 均 衡,ヒ ュ ー ミ
ア ン ・ア プ ロ ー チ で は財 の 国 際裁 定 取 引 は,現 実 の貿 易収 支 を十 分 に説 明 して い る と い え る 。
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