D/A変換,A/D変換
(ディジタル機器,アナログ機器のインタフェース)
柳 原 昌 輝
D/A&A/DConverter
(InterfacesofDigital&AnalogUnits)
MasateruYanagiwara (昭和53年10月31日受理)
本研究においては,ディジタル信号はマイコンの 出力をそのまま利用するものとし,スイッチ郡とし てバッファIC(SN7407N)を用い,基準電源として は, ICのスレシホールドレベルを避けたhighlevel
voltageを用いた。
l 緒 言
最近,マイクロコンピュータ(マイコン)の出現 により,ディジタル技術が急速に進歩してきた。ま た安価に手に入れることができるため,我々のみで なく,学生の間でも購入し,ハードウェア,プログ ラミングおよびシンセサイザ等の技術を吸収するた めに利用している。
しかし,工学系においては,電圧,電流等アナロ グ量を取り扱かうことが多いため,ディジタル機器
(マイコン等ディジタル計算機) との橋渡しをする ための装置を考えなければならない。
とくに,計測,制御の分野においては, このディ ジタル量とアナログ量のやりとりは,非常に重要な 意味を持ってくる。
そこで,マイコンを利用した計測器を製作する上 で最も重要な位置を占めるディジタル量一アナログ 量のインタフェースについて2, 3試作したので報 告する。
ディジタル入力 スイッチ郡 アナログ出力抵抗回路網レジスタ
基準電源
図‑1 D/Aコンバータの基本構成
試作した8bitD/Aコンバータ(はしご形)の回
路を図−2に示す。
印印印印印印帥帥BBBBB83376543210
2 D/Aコンバータ V⑥
ディジタル入力ディジット
インタフェースの1つにD/Aコンバータがあ る。これは,ディジタル量をアナログ量に変換する
ものである。 JU
OO
2−1 はしご形D/Aコンバータ OC
D/Aコンバータの基本構成は,図‑1のように,
レジスタ,スイッチ郡,抵抗回路網で成り立ち,入 力ディジタル信号は, レジスタに貯えられ,スイッ チ郡,基準電源を通って抵抗回路網に送られ,アナ ログ信号となって出力される。
昭和54年2月
図‑2 8bitD/Aコンバータ
甲ヨ
柳原昌輝
く.れた特性であるため,十分実用できるものと思わ れる。
このD/Aコンバータの精度は基準電圧Vsおよび 抵抗の精度に大きく影響される。出力電圧V。は
▽。=J、・2。+B:‑」+……+B。・刑
と表わされる。
図において,出力電圧V・はオペアンプ("A741) を通して出力しているが,その理由として,抵抗回 路網からの電流を抑え,精度への影響を避けたこと や,ディジタルICのlowlevelvoltageはOとは限 らないため,入力がoでも出力は0(V)とならずあ る値をもっている。そのためオペアンプの零調機能 を使い補正した。
またオペアンプは,利得を抵抗比で容易に可変で きるため,出力電圧に幅をもたせることができる。
このことは,図−3でわかるように
"&.v, v。=‑ E
となることから明らかである。
出力愈圧
’
図‑4 D/Aコンバータの特性
バッファICの代りにNANDICを使うと,入力 digitが(7F) !6から(80) !6に移るところで,直線 性に問題がでてきた。この理由としては,NAND gatelCのhighlevelvoltageが,負荷電流により,
微小変動するためと考えられMSBの抵抗2Rを 調整することで補正はできた。NANDICにした場
合の特性を図−5に示す。
R】 R2
Vo
Vi 出力愈圧
図−3 オペアンプを用いた増幅回路
図−2においてICは(SN7407N),抵抗は金属 被膜抵抗を用いた。図中抵抗rはプルアップ抵抗で ある。この回路にdigit入力を入れ変換した結果を
図−4に示す。図からもわかるように,直線性にす 図‑5 NANDICにした場合の特性
アナログ出力
0
VRE +5V
+5V
0.1〃 ().叩
0.01以
図‑6 AmDAC‑08を用いた回路
秋田高専研究紀要第14号
』
樫1=さぐ三一一企 =李一
D/A変換,A/D変換
3−l 逐次比較形A/Dコンバータ (4bit) 2‑2 MOSICを用いたD/Aコンバータ
AdvancedMicroDevices社のMOS IC(Am DAC‑08)を用いた回路を図‑6に示す。
図において,オペアンプOP1,OP2を含まない 部分が基本回路である。
C,,C2は電源のバイパスコンデンサ,C3は補償用 コンデンサである。
このICは,負荷が平衡している場合常に次式が 成立する。
アナログ量をディジタル量に変換し,マイコンへ の入力信号にする訳であるが, この入力時には特に 高速性,高精度が要求される。A/Dコンバータの代 表的なものに逐次比較形A/Dコンバータがある。
ディジタル出力を4bitとして考えた回路を図‑8 に示す。
このコンバータの変換方式は,最高位のビット (MSB)B3から比較していく。最初MSB(B3)を
、1〃とし, 、1000〃をD/A変換した値VDAとアナ ログ入力V八iを比較し,VDA>VAfのとき、1〃を、O〃
として次のビットB2に移る。つまりビットを、0100"
とし同様の比較を行なう。
もし,VDA<VAfならば、1〃をそのままにし,次 のビットへと進む。これを最低位ビットBoまで行な
",A/D変換を終了する。
また,変換時間はディジタル出力の桁数だけで決 まる。変換を促がすタイミングパルスは単安定マル チ(SN74123N)で発生させた。
変換時間はRSフリップ・フロップの動作時間,
D/Aコンバータの変換時間で決まり,精度はさらに アナログ量を比較する比較器("A741)の精度にも 大きく影響をうける。
なお,A/D変換されているかどうかは先に実験し たはしご形D/Aコンバータ(4bit用)と接続し,
入出力特性(アナログ入力一アナログ出力)を求め た。結果を図−9に示す。
グラフからも確かに,A/D変換されていることが わかる。
踊一刑
×FF雁ERRVR
−−FERI
−−O−I+
01
アナログ型は正だけとは限らないため,出力電流を 正負電圧に変換する回路としてオペアンプOP1を 用いた。OP1の出力V。p!は
V。p,=R(I。‑Io)=R(21o‑IREF)
となり, IoがO〜IREFまで変化するとV。p」は−R・
IREF〜R・IREFと変化する。さらに,その出力V。p'の 範囲を可変するためにOP2を用いた。 (前述)
出力アナログ量のフルスケールを±2.5(V)にな るようにしてとった入出力特性を図−7に示す。図 からわかるように直線性は非常に良好である。
出力電圧 ﹇己出鯉桓彊eいIと入︑くご
図‑7 AmDAC‑08によるD/Aコンバータ の特性
3 A/Dコンバータ
これは,アナログ量をディジタル量に変換するた めのインタフェースで,特に計測したアナログ量を マイコンで処理する場合の橋渡しをするものであ
る。
1 2.0 3.0 4.t
一
A/Dコンバータの入力電圧[V]
1,、
図惇−9
k , 1
A/D,D/A特性 昭和54年2月
〜,α夕 一一今今・‑、寺 四二一一 一一=■四一㎡ロロ ‑=
柳原昌輝
出力ディジツト
MSBLSB アナログ入力肘
一QAQ
ラッチ SN74100
AQ CK
200K 10K
一QSRR > ハタ簑1Vアナログ比較器
▽一QAQ 一 Q
lOOK 100K
-VI,;, V,,,
AQ
200K 200K
一QSR S一 R
一QAQ − Q
lOOK
AQ
200K S 一Q
SR R
一QAQ 一 Q
IOOK
AQ
SR |Q 200K S
R Q
AQ
SN7407 200K SN7404 SN7476
SN7404 SN7476
一QAQ 一 Q
SN7400 SN74123
図−8逐次比較形A/Dコンバータ
秋田高専研究紀要第14号
。
D/A変換,A/D変換
ディジタル出力
MSB 2B○ 1︐︐○ ︶SB氏?Ⅱ&︒且︒ &︒&o 3nDo
八AAA△△△△
RRIf, Pb
-5Vc
C柵照吾No
+5V
13 5 6 7 8 9 10 11 12 22
21 CMOS8700CJ
16 20 18 17 19 15 14 23
DBUSY
DDATA VALID VRI
C3R4
j
VRZ R! R2
』まC! 』毒C2
‑5V +5V 壷R州"繋鰡CI)AMI,
工
‑5V zeroAdi
VR3
R7
R6 へ側〃 一
b貢
十三
一
R5
‑5Vc 2em
, アナログ入力
Vi"c
R8
R9
図‑10 CMOS8700CJを用いたA/Dコンバータ
3‑2 CMOSを用いたA/Dコンバータ(8bit) 5[V]の変化に直し, このICで取扱える電圧とす るために,OP2をとおしてこの変化をO〜2 (V) テレダイン社のCMOS8700CJを用いた回路を図 の変化にしている。
‑10に示す。 このCMOSの端子(pin)の中,重要なものにつ
このCMOSは,入力アナログ量として,正のみの いて説明しておく。
電圧しか扱うことができないため,正負のアナログ ○Vin:アナログ量入力Pin 量を扱えるようにレベル変換用としてオペアンプを ○5番Pin〜12番Pin:digitout 用いた回路を付け加えた。OP1の部分は変換する ○21番Pin: Initiateconversion
レベル電圧を発生する回路で,OP2の部分はしべ この端子をhighlevelにするとA/D変換が開始
ル変換回路である。 される。常に1にしておけばA/D変換を繰り返し
レベル変換回路の出力電圧e・は ている。 (freerunning)
"gL(e!+em) また変換を要求するときだけ にして働かせるこ
eo== R6 ともできる。 (clockmode) となり,入力電圧eiが−em〜emの変化に対し9 eoは ○22番Pin:Busy
A/D変換が完了したかどうかを示す端子で1の
0 2 .em.&壼竺の変化をする。 ときは変換中, 1からoに変ったとき完了したこと つまり,図‑10において,アナログ入力電圧を− を示す。
2.5〜2.5 [V)の変化とすると, これを‑0.5〜0. o23番Pin:Datavalid
昭和54年2月
柳原昌輝
この端子がhighlevelのときは,変換した結果が digitoutにラッチされていることを示す。
このCMOS8700CJによるA/Dコンバータと,前 述のAmDAC‑08によるD/Aコンバータを接続
し,入出力特性をとった結果を図‑11に示す。
ヘ/D入力窪
図‑11 CMOS8700CJによるA/Dコンバー
タの特性
4結 ー−国−
以上,D/A,A/Dコンバータの試作回路について 述べた。計測・制御システムにおいては,アナログ 量とディジタル量が共に存在するため, この変換装 置は非常に重要なものである。
最近,高速性および信頼性のある単体のICによ るコンバータも色々開発されている。
これらを使ってマイコンと結合し,計測器の開発,
並びに制御システムへの応用等に大いに利用してい
きたい。
文 献
1)猪飼國夫:ディジタルシステムの設計 2)柳原昌輝: 「マイコンとアナコンの結合シス
テム」計測自動制御学会東北支部第66回研究集
会66−4 1978
秋田高専研究紀要第14号
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