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偏微分方程式に対する共役勾配法の適用

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(1)

偏微分方程式に対する共役勾配法の適用

下血二郎*富田信昭*仁木 滉**沢見英男**

      (昭和48年11月29日受理)

Solution of the patial differential equation used the method of Conjugate Gradients.

Jiro SmMoNisHi, Nobuaki ToMiTA, Hiroshi NiKi, Hideo SAwAMi

      (Received November 29, 1973)

 S.O. R method is an effective iterativ・e method, which is usua11y used by using computer, for solving the differefice of ellipitic type.

 In this paper, we describes that the ceefficent matrix with N−degrees for Dirichlet problem connected with the Laplacian differential equation, distingush the superiority of C. G method. ln some cases, C. G method are far better than S. O. R method using optimum accelerating factor for convergence rates and equality of numerical soltttions.

       1. ま え が き

 ラプラス方程式の離散近似によって得られる行列方程式

(連立一次方程式)を計算機を利用して解く場合,実用的 な解法として,過大緩和法(Succe∬ive Over−relaxation Method;S・ O・ R法)が頻繁に使用されている。

 本報告書では,行列方程式の解法の一つである共役勾配 法(Conjugate Gradients Method;C. G法)が系統的な繰

り返し計算の収束を加速する方法であり,S.0.R法と同 様な巡回型の繰り返し法であるという見地から,これら二 つを比較し,C. G法がS.0. R法に比べて著しく優れてい

る場合があることがわかったので報告する。

 報告書の冒頭でラプラス方程式を満たすディリクレ闘題 の離散近似が正定値対称な係数行列を持つ行列方程式とな ることから,C.G法の適用が可能となることを述べる。続 いてS.0.R法およびC.G法の概略を巡回型繰り返し法の 見地から紹介し,それらの特徴と収束性について検討を加 える。後半は,矩形領域における簡単なディリクレ問題を 取り上げて,最適加速係数を用いたS.O.R法(以後S.O.R

(ωoPt)と記す。)とC. G法との比較を行い, C. G法が優れ ている場合があることを報告する。特にディリクレ境界条 件によって解の収束に要する回数がS.0.R(ω。Pt)法のそれ

に比べて約50%減ぜられる例を紹介する。最後に,S・0・R 法の解の精度が計算される変数の順位によって変化すると いう欠点に対して,C.G法の解の精度は均一であることが わかったので,その優位性について述べる。

    2.ヂィリクレ問題の離散近似化

 ここではディリクレ問題の数値解を求めることを考え る。すなわち,閉じた領域で定義され,その内部で(1)式 のラプラス方程式を満たす関数%(x,y)の値を求める。

  {}g gg一(一:sy)+tbe.(yx221L)一...(x, y)+.i,,(x,y)==:o (1)

      O〈X, Y〈1

領域の境界をrで表わすと,U(X,のは(1)式の微分方 程式の他に,次のディリクレ境界条件を満たさねばならな

い。

*電気工学科

**岡山理科大学応用数学科

  u(x,ア)一9(x,の   (x, y)∈r   (2)

ただし,9(X,y)は境界r上で定義された関数である。

 今,与えられた領域をFig.1に示すように正方格子状に 分割する。(1)式を満たし,さらに(2)式の境界条件を満た す関数κ(X,y)の近似値をこの内部格子点だけで求めるご とにする。そのようなU(X,y)の近似値を求める方法はい

(2)

So.o

St,o

9a.o

疹。,1 9。,2

リ1,1

 一

@『

tl,2

u2,1 u2.2

蟻.2,1

口uλ一z︐

亀。,。

T㌧。

Rん.。

婆。1,1

一リメー﹂︑

警五.・野ん,・ Eig. 1

g.,」一1 g.,}

リ嚇rl

u2.」一巳 Si,;

 亀﹂▼ 2

9

      3姻3え、よ

The finite−difference grid.

くつかあるが1),5点差分方程式

  4Ui,ブー(Ui+1,ノートκi,ノ+1+ai_1,ノ+z%,ノ_1)       (3)

を適用すれば,内部格子点におけるU(X,y)の近似値の平 均値として表わすことができ,内点数に等しい差分方程式

(3)式が成立する。すなわちそれらを行列の形で表わすと(4)

式となる。

    Ax=b (4)

xは(3拭を用いて得られる関数値Ui,ゴの近似値を要素とす る解ベクトルであり,bは既知の境界値9扉から計算され る要素からなる定数項のベクトルである。また,Aは次の 形を持つ係数行列であり,この形はディリクレー問題にお いては不変なものである。

礁蓋鋸翻⑤

    1二単位行列

(51式に示された係数行列は正則であり,正定値対称な行列 であることは容易に証明できる。2)したがって,正定値対 称の行列において定義されるC.G法の適用が可能となる。

        3.逐次過大緩和法

  (Saeeesive Over−Relaxation Methoの

 方程式Ax=・bをそれと同値なX==g(X)=Mx+gなる 形に変形し,任意の初期値x(o)から出発して,逐次代入 x(le+1)=g(x(ゐ))を進めて解を求める。このような方法を 反復法とよぶ。

 今,係数行列Aを対角成分のみからなる・0,左下三角行 列E,および右下三角行列Fの和

    A=D+E十F (6)

に分解すれば,反復法の代表的な一つであるS.0.R法は次 のように表現される。

  」x (le+1)=Dml(b−Ex(fe+1)一Fec(k)) (7)

  x(h+1)=x(le)+tu( x (h一+1)一xCk)) {8)

 ここで,敏々+1)はガウス・ザイデル反復法によってk+

1回の反復後に計算された値である。ωは加速係数とよば れ,1<ω<2の値で定義される。また,〔7),(8)式より X(le+1)を消去すれば次式を得る。

  x(le+1)= (1+ wD IE) rl {(1一 to)1一 toD−l17 } x(h)

  +o(D+oE) lb (9)

すなわち,

  M(.) = (1一 .D−IE) 一1 {1一 to) 1一 tuD−IF} aO)

  g== tu (D−toE) 一lb (11)

で置き換えれば,S.0.R法は反復法の一般的な形,働式で 表わすことができる。

  x(le+1)=M(to)x(k)+g (12)

M(ω)は一般に反復行列とよばれている。

 次に解の収束の様子について考える。今,(12}式の第k回 反復ベクFルエ㈲に対して,誤差ベクトルを

    e(h)=x−A−lb a3)

とすれば,

  e(k)==!1f(o)e(k 1)一M2(to)e(le−2)一・・…Mk(to)e(O) (1di

を得る。これは行列とベクトルのノルムを用いると   Ii e(le)1[)11Mle(co)ir・11e(o)II le20 as)

となるから,もしe(o)が零ベクトルでないならばllM々(ω)1 はk回反復後のe(le)とe(o)のノルムの比豚矧/豚0)「1の上

(3)

界を与える。すなわち

  R(Mk(o))1i−log((1]21fle(to)U)i/k)=一logllMk(o)ll (16)

を彦回反復の平均収束率とすれば,(16)式は各竣工の誤差ベ クトルのノルムの平均減少率を示すことになる。またleが 十分大ならば,この平均収束率は反復行列M(ω)のスペク

トル半径ρ(M(ω))を用いて㈲式と表わすことができる。

  4im R(Mle (to))一 一log (M( to)) (17)

  ゐ→◎。

結局,S.0.R法においてその解の収束速度は反復行列M(ω)

のスペクトル半径を知ることによって推測できる。

        4.共役勾配法

    (Conjugate Gradients Method)

 ディリクレ問題における係数行列A,すなわち(5)式は正 定値対称行列である。そこで,連立一次方程式

    Ax =b (4)

に対して正値二次形式

  f(x) =一} (x, Ax)一(x, b) +  C (18)

を考える。

 一つの近似解欧々)に適当な規則に基ずく修正を加えて,

!(x(k÷1))がア(x(の)より小さくなるようなx(k+1)を定め ることができ,かっこれの反復により真の解△一lbへ接近 することができれば,(4)式に示す連立方程式の解法とな る。勾配法はそのような方法として,次のように定義され

る。

 今b第fe回反復における近似値κ㈲に対する剰余ベクト ルをr(k)とすれば,r(k)はx(k)におけるf(x)の勾配に等

しい。すなわち,

  r(勧=Ax(le)一ゐ=grad/P(」じ)Ix一コF(le)       (19>

であるから,le回の近似値工㈲に対する修正ベクトル∠κ㈲

をx(o),x(1),…x(k)における勾配ベクトルの一次結合とし て用い,次回の近似値x(le+1)を⑳式の形で求める。

  x(le+1)=x(k)十zix(le)

      k

  =x(k)十Xckl ・rf  (k==O,1,2, ・・・…  )cle,kiiO (20)

     ゴ置。

この方法を一般に勾配法とよぶ。勾配法における1反復は 次の二つの手順から成る。

1)x(k)に加えるべき修正方向p㈲を一定の規則により定  める。

2)そのp(k)の方向においてf(x)が極小となる点を求め,

 それをX(k+1)とする。

修正の方向p(k)の決め方によって種々の勾配法が考えられ るが,C.G法もその代表的な一つである。

 C.G法は次のアルゴリズムで遂行される。

1)任意の初期値x(o)から   p(o)=r(O)==Ax(O)一b

 を計算する。

2).次の手順を繰り返す(k ・=O,1,2,……)

  κψ+1)=x(k)+αlep(め

  r(fe+1)==r(k)一crkAp(k)

  P(fe+1)= r(k+1)+Ble p(le)

 ただしafle,βkは

  ・k一認翻)…魚肉;1寄))

である。

 ここで,⑳式は⑳式に変形できるから          k

  r(々+1);r(le)+ΣCk,ブ・4 r(ゴ)

        ブ=o

剰余ベクトルr(のは(27)式に表現できる。

  r(fe)=Rle(A)r(O)

(21)

22)

(23)

(24)

(25)

(ee)

       (27)

邸(X)はk次の多項式であり剰余多項式とよばれる。

 今,第姻近似値x(k)の誤差ベクトル⑬式を再び考える。

  e(fe)=x(k)一A lb (13)

x(o)に対する誤差ベクトルe(o)をスペクトル分解すれば,

  e(o)=Σcゴθブ       (2鋤     ノ鵠1

となる。ただしvi(1酬=1)は係数行列Aの固有値λノ(ノ=

1,…n)に対する固有ベクトルである。〔28)式から誤差ベクト

ノレe(k)1よ

  e(k)一x(k)一A−lb =A−1r(k)一Rle(A)Σo戸ゴ    n       ゴー1

  =Σcブ1〜le(λブ)こフノ       (29)

  ブ漏1 となる。

 ここで,の巧を誤差ベクトルe(o)に対する固有値λノ のcontributionとすれば, e(le)に対するλiのcontribution はの1〜威λゴ)viであり, k回反復後の近似値κ㈲に対す る誤差ベクトルe(のは,すべての固有値のcontributionを 砺(λノ)倍したものになる。したがって,その収束の様子 を知るためには,各反復計算後に,すべての固有値λノに 対して,どのようにRle(λ ノ)が零に近づいているか知る必 要がある。

(4)

5..実験結果および考察  5・1 係数行列Aの固有値と解の収束度について  S.0.R法における解の収束速度は前述のように,反復行 列M(ω)のスペクトル半径によって決定される。加速係数 の関数となるS.0.R反復行列M(ω)のスペクトル半径はヤ コビ反復行列のスペクトル半径をパラメータとして,②図 のように表わされる。

復によって真野A−1bに到達することができる。すなわち

Rn (X) =O (X=Xl, N2一 v ptn) (33)

ただし,λはAのすべて異なった実固有値である。

 つまり,係数行列Aの固有方程式が重根を持つような問 題においては,解の収束の速度は速くなることが期待でき

る。

LO

Vept i

O.5 8(肘ω))

          ご鋳ζ

 1.0 [.5 Uloet 2D

Fig.2 Spectral radius in S.O.R as function ot m.

o  ↓ε0冨謹

一・Q

一3

一4

一5

一6

一7

 C.G

⑤q冷r

 鮎、,

O 10 20 30 40 50

      1TERATIeN NUMER Fig.3 Comparison of S.O.R(to,pt) rnethod and C.G    method for all different eigenvalues.

i

 この図の示す通り,加速係数は最適加速係数(以後ω。Pt と記す。)の上,下どちらにずれてもρ(M(ω))は大となり,

解の収束速度にかなりの影響を与えることが推測できる。

 一方,C.G法における解の収束速度は,その剰余多項式 轟(λゴ)をいかに速く零に近づけるかによって決定される ものであった。

 今,㈱式のように係数を定めるC.G法において,その剰 余多項式は次の実関数で定義される重み関数について直交 多項式となる。

  W(λ)=Σλゴ2Cブ2δ(λ一λの (δ:デルタ関数)  圃      ゴ=1

ここで,oゴは初期誤差ベクトルθ㊥のスペクトル分rw28)式 によって定義されたものである。すなわち剰余多項式は,

fw(X)Rk(X)Rl()L)dX−O (k:Ntl) {31}

{30)式を満たす。ところで,重み関数ω(X)は実固有値λ1,

λ2,……Anに対してのみ零でないから,(31)式は(32)となる。

  Σ λ ゴ2 c/ 1〜ん(λゴ)1〜」(λノ)=0      (k≒e)       (32)

 ゴー1

したがって,直項多項式の定理から,n次の多項式Rn(λ)

は係数行列Aの異なった固有値λ1,λ2……λnに対して零と なり,丸め誤差を考慮しなければ,C.G法は高々n回の反

o o

       o

Fig.4 111ustration of region and boundary condition for    Dirichlet problem with all different eigenvalues.

   comment; 1) order of matrix A is 322 degrees.

       2) number of different eigenvalues are          322.

 筆者等は最初に,N次係数行列Aの固有値が重根となら ない問題,すなわちN個の異なった固有値を持つディリク レ問題において,S.O.R(ω。Pt)法とC.G法の解の収束の様 子を反復回数に対する剰余ベクトルのノルムを観測するこ とによって比較した。その様子を(3〕図に示し,Fig.4に実

(5)

験に用いた領域の形状,および境界条件を示した。

 このように,固有値が重根とならない問題に対しては,

C・G法での解の収束は一定ではなく,その速度もS・0・R

(ω。Pt)に比べて遅いことが多い。

 次に,係数行列Aの固有値が重根となる問題について考 える。Fig. 5はAの固有値を(34)式によって解析的に求める ことができる矩形領域を示す。

{=g

λ 孔二⊥

1﹃PO @Q l

  o

CaAe(の

《誌1

o

 ここではAの固有値が重根を持つ,上記二例の問題にお いて,C.G法の収束の様子をS.O.R(ω。Pt)のそれと比較し た。その結果をFig.6,7に示す。ただし,この問題では,

S.O. R法におけるt・oPtは次式によって計算できることが

  0

﹁Oω=尋﹁﹁

一2

一3

一4

一5

一6

一7

一8

A

QT14

 9 砕

0

⊥po

o

f・e

%今

 鴇

      l         c繊(b)

Fig.5 Two modeis used the experiments.

〉.i,」= 1一一ll一 (cos}t +cos−IZItL)

  1$i:一{gP−1, 111{jS.g−Q−1 {34 ただし,P, Qは領域の縦,横の分割数である。

 ここで,P=・9, Q=14の矩形領域を考えれば係数行列 Aは104次となり,固有値の数は104となるが重根は15あ

り,異なった固有値の数は89となる。同様にP=Q−gの 正方形領域の場合はAの次数は64次となり,異なった固有 値の数は33となる。したがって,Fig.5に示す領域におけ

る問題では,その係数行列Aは複数の重根を持つことがわ かる。

  O IO 20 30

      1丁ERATION NUMBER Fig.6 Comparison of S.O.R (toopt) method and C.G    method for rectangular models.

  0

﹁OO﹁ヨ一

一2

一3

胸4

一5

一6

一7

一一W

一一X

       ts

  O 10 20 30

       iTERATION NUMBER Fig.7 Comparison of S.O.R method and C.G method    for square models.

(6)

わかっている。

a)oPt==一奄窒撃狽撃魔撃翌?D. (35)

ここで,pamaxはヤコビ反復行列のスペクトル半径であり,

(36)式で計算される。

  pmax ==S一 (cosf+cose) (36)

P,Qは圃式と同様,領域の分割数である。この時, S.O.

R(ω。Pt)反復行列M(ω。Pt)のスペクトル半径ρ(M(ω・Pt));

λmaxは次式によって与えられる。

Nmax = mllnt [(ibmax tuopt)2−2(toopt−1)

・・…ω・酬(。_ω。・,)・一・(・繭)い・)

Fig・5,6からわかるように, c.G法では係数行列Aの重根 の数が解の収束速度に大きく影響することは明らかであっ て,そのような場合,C. G法はS.0.R(tUePt)法に比べて,

解の収束性が優れている場合があることがわかる。特に上 記の特別な領域を除いては,S・0.R法の計算に先だって ω。Ptを正確に知ることは非常に困難であって,一般には計 算の過程において漸近的にt・ePtを求める方法が用いられ る。3),4),5)したがって,実用的なS.O.R法では加速係数 がωoPtに対して数%ずれることは度々生ずる。この事実 を考慮すれば,C.G法の収束はS.0.R法のそれに比べてさ らに速くなり,C.G法の優位性を顕著にする。(7)図にω・ρt

=1.4903の問題において,それが上下5%ずれた場合のS,

0.R法の収束の様子をも加えて示した。境界条件はいずれ も(5)図Case(a)とした。同様に分割数P,Qを変えてS・0・R

(a)oPt)法と比較した結果を(1)表に示す。これらの結果か.

らも同様な結論を得る。

Table 1 Comparison of S.O.R (toept) methnd and C.G     method for various rectangular models.

  =XJ 2 ci 2 Rk (N, ) Rl (Xi) 一= o (k一一X一一.1) (32)

 ブー1

上式において,のは初期近似値x(o)における誤差ベクトル e(o)のスペクトル分解によって定義された定数であった。

しかもこの定数は解かれる領域の境界条件,9(X,y)に左 右されることが(28)式よりわかる。

  e(o)=x(o)一・4−1ゐ=Σの吻               」  一1

したがって境界条件によってのが零に近くなる場合が考 えられ,実質的に(32)式の項数を減ずる可能性がある。す なわち,境界条件によってC・G法の解の収束性は改善され る可能性を暗示している。

 境界条件がC.G法の収束速度にどのように影響を与える か調べるために,(5)図Case(の, Case(ののように境界条 件を変えて,各反復後の剰余ベクトルのノルムの減少の様 子を(8)図に表した。領域の大きさは,P= Q=:9であり,

係数行列Aの次数は64である。

1    ∩り﹁8一藝

一1

一一@2

一3

一4

一5

一6

一7

一8

 slze

QxP

14 × 14 19 × 19 19 × 14 24 × 19

iteration number 一・X S.O.R (oopt)

46 65 55 75

C.G 38 55

O\

噂︑

         サ、      、  、     、、

 、      、  、         、

  、  、

  、   \    ︑  ︑     \い

 ︑   ︑︑︑  ︑監    ︑  ︑ ︑ ︑

  

@ 

㍉鞭〜 @ @ノ糧︑︑

   へ   も  ︑い\︑

︑洩覧い︑

O.O£︹ξ

  O iO 20 30

       1TERATION NUMBER Fig.8 Comparison of S.O.R (toopt) method and C.G    rntehod for some boundary conditions.

48 65

 5・2 境界条件と解の収束速度について

 ここで再び重み関数w(λ)⑳式に関しての直交多項式(32)

式を考える。

 一般にCase(ののように境界値を与えると, Case(a)1の 場合に比べて,同一初期近似値x(o)に対する剰余ベクトル r(o)のノルムはCase(のの方が大となる。しかし, Fig. 8の 結果はCase(のの境界件条がCase(a)の場合よりも収束速 度を著しく高め,解の収束に要する反復回数は,ほぼ50%

に減ぜられていることを示している。特にここでの実験結

(7)

果では,C.G法は10回の反復によって真弓に到達したと考 えてよい。すなわち,(32)式における指数は実質的に10近

くまで減ぜられていると考えられる。

 上記の結果は,本質的に収束速度が境界条件に影響され ず,反復行列M(ω)スペクトル半径によって一意的た決定

される,S.0.R法に比べて特筆すべき利点といえる。

偏りが生ずることになる。つまりここではκNの精度に比 べてXlの精度が劣るという結果になる。

Table 3 Variation of approximated solutions for S.O.R     (tuept) method and equality of approximated    solutions for C.G method.

Table 2 Comparison of S.O.R (o,pt) methpd and C.G     metbod for two boundary conditions; Case(a)

    and Case(b).

X1 (Xl,1)

Ut R l−9−1・fE99wggg4999ggggpat3

C.G [O.49999999999 iteration number

size

   i S・O−R (toept)

X2 (X2,1)

X156 (Xl,13) 1 X169(X13,13)

O.49999999987 O.49999999999

O.50000000000 O.49999999999

X155 (X2,12) X168(X12,13)

C.G

Q×P p・ase(a) 1・醐i・…(のi・ase (・)

      

・4×1引 46152;38 25

19×1例 65 174 …55 i35

      と      

14xgI35 139  31 .23

      

『鍾。幻5』}一石≡「≠.一露…じ38

・…g旨τ旨ゑ・一 副52

S.O.R i堰@O.30282s821i」tl) O.30282582Qltl,!11 it.G 1−6 1.一5511111}g{ISe302s2ss265sl,im.3022ss262s    I      I

O.30282582628 O.30282582628

X3 (X3,1) X154 (X3,13) X167(Xll,13)

S,O.R [ O.21!303301461 O.2113033e4961 O.21130330513 g9..]19::2:=:::::;1130330glnv61i O.2i1303305i610.2ii−303305i9

X4 (X4,1) i X153 (X4,14) [ X166(XIO,13)

S.O.R j O.163290334 t51 O.16329033ept9911 O.163290338rt6

 Table 2は領域の大きさを変化してCase(の,Case(b)二 種類の境界条件を与えた場合の解の収束に要する反復回数 を比較したものである。この結果からもCasee(のの境界条 件が著しくC,G法の収束を速めていることがわかる。

 なお,ここでの境界条件の意味はディリクレ閻題が満た す境界上での関数値であり,(2)式で表わされる条件であ

る。

      5・3解の精度の変化について

 ここまでは,S・O.R法とC.G法における解の収束速度に ついて論じてきた。次にそれらの方法によって求まった近 似解の精度について,若干の考察を加える。

 S.0.R法の定義式(9)式は,第海十1回の反復における解 ベクトルx(k+ユ)の第i番目の要素Xi(le+1)ρ近似には,そ の反復段階ですでに近似されている第i−1番目までの要

秦,すなわち,κ1ψ÷1),X2(k+1)……κゴ(k+1)力朝いられるこ とを示している。すなわち,二次元要素で表わせば,

  xi,」・(h+1)== xi,1・(k)+o {(xi+1,」・(le)一t−xirl,ti(k+1)

  +xi,/ +1(le)+xi,]」一1(k+1)/4)一xi,ti(k)] (38)

であって,例えば第k÷1回目の反復において,第1番目 の要素X1(k+1)はいつもk回反復後の近似値工㈲によって 近似されることになり,第エV番目の要素XN(k+1)はいつ も,k+1回反復後の近似値κ@+1)によって近似されるこ とになる。結局計算される要素の順位によって解の精度に

C.G IO.163290338621 O,163290338621 O.16329033862

 Table 3はFig.5Case(b)の境界値を持つディリクレ問 題の近似解の一部である。ただしP一・Q=14でありN;169 である。この問題ではXi, XN_i+1(1≦i≦N)の値は等し くなると共に,Fig. 1で示す二次元座標においてはXi,dと Xi,N_」+1(1.=.itt. P,1$」一:.I Q)が等しくなり,左右対 称な解を持つ。したがって,これらの値を比較することに

よって,解の精度の変化を知ることが可能となる。

 すなわち,ここでの結果では,CG法の解の精度はすべ ての解ベクトルの要素,すなわち変数Xiについて均一で.あ

り,S.O.R taの解の精度が9桁から10桁の間で変化してい ることがわかる。また,定まった順序で計算されるS.0.R 法での丸めの誤差は後位の要素に累積し,三位の要素に比 べて後位の要素の精度を劣化させる恐れがあるが,ここで の実験結果では,丸めの誤差による精度の劣化は明確に表 われていない。

 このようにC.G法の解の精度が均一であることは, S.O.R 法に比べてのC.G法の利点の一つであるといえる。

 ここでは,誤蓋ベクトルのノルムが最大境界値の10−7倍 となった時,解は収束したものとした。6)

        6.あ と が き

 S.O.R法およびC.G法が巡回型繰り返し法であるという 見地から,それらの収束性,および解の精度の変化につい

(8)

ての比較,検討を数種のディリクレ問題について行った。

その結果次のことがわかった。

1)係数行列Aの異なった固有値の数,すなわちその固有  方程式における重根の数によって,C.G法の収束速度は  大きく左右される。重根の数が多くなればなる程,その  収束は速くなり,最:適加速係数を用いたS・0・R法(S.Q.R  (ω。Pt))に比べて解の収束が速くなる場合がある。

2)C.G法における解の収束はディリクレ境界条件によっ  て著しく速くなる場合がある。特にFig. 5 Case(のの境  界値では,Sρ.R(ω。Pt)法に比べて解の収束に要する反  復回数は50%以上減ぜられることがわかった。

3)S。0.R法における解の精度が解ベクトルの要素すなわ  ち変数の計算順位によって偏るのに対して,C.G法にお  ける解の精度はすべての変数に対して均一であることが  わかった。

 以上,限られた問題において,S。O.R法に対するC,G法 の優位性を述べた。また,ここでは問題の大きを限定し,

比較的反復回数の少ない範囲での検討であって,繰り返し 計算特有の系統的丸め誤差の影響はほとんどないものとし た。また計算は1 ward/32bitのワーードマシンNEAC3200/

50(本校電算機室)で行ない,倍精度計算とした。本機にお ける倍精度計算は1変数48耀,有効桁数11桁である。.

 なお,ここで用いたC.G法はM.Engeli等の三項回帰式

を用いる:方法である。7)

 最後に本研究に協力くださった岡山理科大学恩藤哲哉氏 に感謝の意を表する。

7.文

1)M.E茜GELI et. aユ, Refind工terative Method for   Comutation of the Solution and Eigenvalues of Self−

  Adjoint Boundary Value Problems. (1959)p,p.12−23,

  B工RKHAUSER, BASEL.

2)A.R.MITCHELL Co丈nputational Methods in Partial   Differential Equations. (1969)p.p.102−103,」OHN

  WILEY&SONS.

3)BA.CARRE, The Determination of the Optimum   Accelerating Factor for Successive Over・一relaxation.

  Comput.」.,1961,4, p.73

4)H.EKULSRUD, A Practical Technique for the        ト

  Determination of the Optimum Re}axation Factor of   the Successive Over−Relaxation Method、 Comm.

  Assoc. Comp. Math.,1961,4, P.P.184−187

5)H,NIKI, PRACTICAL TECHNIQU FOR THE   SUCCESSIVE OVERRELAXATION METHOD.

  Elgctron. Lett,,1971,7, p.p.173−174 6) 3),p.77

7) 1),p.33

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