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中学校技術科 における栽培学習の諸課題

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(1)

秋田入学教育学部研究紀要 教育科学郡門

42pp 1‑14,1991

中学校技術科 における栽培学習の諸課題

佐 藤 裕 二 寺 井 謙 次

SomeProblemsofCultivationinlndustrialArts forJuniorHighSchool

(

TheResultsofaQuestionnairetotheTeachersincharge) YUJISAでO,KENJITERAI

Today,theDepartmentofEducation attachesimportanceto "School FlowerGardening and "SchoolVegetableGardening"forthepurposeof foresterlngpuplls'warm hearts.ButitseemsthattheDepartmentmakes lightofthecultivationeducationdoneinindustrialarts.

AccordingtotheRevisedCourseStudy forJuniorHighSchool,each juniorhighschoolstaffshavetochoose 3 of 4 regions(Mechanics,Metal Processing,Cultivation,ⅠnformationBasic)before1993.

Wesupposedtherewon'tbesomanyschoolsthataregolngtOChoose Cultivation Education.Therefore,Wesentouta questionnaireconcernlng cultivationeducation,toalltheteachersin chargeofindustrialartsin Akitaprefecture.

Theresults:85%oftheanswererssay'thatcultivation education is important,65%ofthem saythattheyintendtochoosecultivationeduca‑

tion.Then,asthereasonsofthedifficultiesindoingcultivationeducation

,

they mention thepressureofschoolaffairs,theinsufficienciesofeduca‑

tionalfacilities,theshortageofbudget,etc.Wefoundalsothattheyounger teachersarelessinterestedincultivationeducation.

Wethinkmuchofcultivationeducationintoday'sJuniorhighschool education.Letusposesomeproblemsaboutthepurpose,thecontentsand themethodofcultivationeducationinfuture.

1

.日 的

1958

年の学習指導要領の改訂によって,中学 校に必修教科の 「 技術 ・家庭」が誕生 した。こ の教科の内容 は, 「 男子向 き」 と 「 女子向き」

にわかれ, 「 男子向 き」は通称 「 技術科」 と呼 称 されてきた。技術科での学習領域 とそれぞれ の

3

年間の授業時数 は,設計 ・製図

(55

単位時 間),電気

(45),機械 (45),木材加工,金

属加工 ( 木工,金工合わせて

115)

,栽培

(20)

,

‑ 1

総合実習

(35)となっていた。1978

年 の改訂で は,

「 男子向き」 と 「 女子向 き」の履修方法 の関連を一層密接にす る

1

)

ために,各領域 を

A〜 Eの 「

技術系列」, F〜 Ⅰの 「 家庭系列」

に分け,技術科 はF〜 Ⅰの 「 家庭系列」か ら

1

領域を選択履修することが義務付けられた。 し か し,そのために技術科のA〜 Eの領域が履修 できな くなるということはなかった。

ところが,今回の1

989

315

日に発表され

た学習指導要預の改訂では,技術,家庭系列が

(2)

秋田大学教育学部研究紀要 教育科学部門 第

42

な くな り, 「 木材加工

「 電気

「 家庭生活」

「 食物」の

4

領域 は,男女共通 の履修領域 とな り,その他に 「 被服

「 住居

「 保育

「 金属 加工

「 機械

「 栽培」および新設 された 「 情 報基礎」の 7領域か ら3領域を選択す ることに なった。 しか し,技術科では, これ以上家庭科 関係の領域を選ぶ ことは考えに くく,おそ らく

「 金属加工

「 機械

「 栽培

「情報基礎」 の 4領域か ら3領域を選択す るのではなかろうか。

したが って, もし 「 情報基礎」を選択す ると, 従来履修 して きた領域のどれかを放棄せねばな らないという場合 も生 じて くる。新教育課程は, 平成

5

年度

(1993

年度)か ら完全実施す ること

となってお り,現場教師 は,いま上記

4

領域か ら

3

領域を選 び出す という選択 を迫 られている と言えよう 。

ところで,栽培学習 は全国的に停滞 している と言われてお り

2)3)

,果 た して この領域 が選択 されるかどうかは,かな りの疑問がある。筆者 らは,今 日の学校教育にとって,また技術教育 をすすめる上で,栽培学習 は極めて重要である との認識の もとに,今後 「 栽培」領域 の抱えて いる諸課題 について研究を進めてい く計画であ るが,今回はアンケー トによって,秋田県内で 行われている栽培学習の現状および問題点,辛

5

年度か らの 「 栽培」の選択予定状況などを 調査 し,まづ教育現場における問題点,課題を 明 らかに し,その上で今後の 「 栽培」領域の研 究課題を提起 した ものである

2.方法 と対象

ア ンケー ト ( 巻末の付録)は,秋田県教職員 組合発行の

1990

年度の 「 秋田県教職員録」に記 載 されている 「 技術」免許所有者

164

名 を対象 として送付 した。 しか し,同職員録 には

,22

校 に 「 技術」免許所有者が記載 されてお らず,ま た免許法にはない 「 技術 ・家庭」の免許所有者 が記載 されていた り,出身教科が不明であるな どの不正確な点 もあったが,他に職員録 は見あ た らないので同職員録を使用 した。同職員録 に よれば

,164

名の 「 技術」免許所有者の中でもっ とも多 いのが秋田大学教育学部卒の

87

名 ( 内技

術料

率61

名)で,つ ぎに多いのが秋田短期大学 商経科卒の

43

名である。秋田大学教育学部職業 科 および秋田短期大学卒業者 は,技術科発足時 に 「 職業」の免許 を 「 技術」に切 り替えた もの である。回答者 には, 「 無免許」 と答えた者 も

3

名あった。秋田大学教育学部卒業者で,技術 科以外の教科卒業者 は

26

名で,美術科,農業科 出身の

5

名を除 くほとんどが職業科出身 と思わ れる。 この他,秋田大学以外の国立大学卒が

12

名,私立大学卒が

15

名,県内の農業高校卒

5

名, 普通高校卒

1

名,旧制専門学校卒

1

名 となって いる.アンケー トは

,1990

7月15

日に学校長 宛 に,技術科担当者への依頼状 とともに発送 し たが,締切 りの

7月25

日までに

90

, 82

日 まで に

101

通 の回答 がよせ られ た。 回答 率 は

61.2%であった。 しか し,白紙1

通,家庭科担 当者のB] 答が 1通 あ り,分析の対象 は, この

2

通を除いた

99

通の回答 とした 。

3.

結果 と考察 1)回答者の出身校及び回答率

1

は,秋田県教職員組合発行の

1990

年度の

「 秋田県教職員録」に記載 され た卒業学校別 の 中学校 「 技術」免許所有者数 で,総数

164

名 で ある。表

2

はアンケー ト拘答者

99

名の卒業校, 表

3

は回答者の,秋田大学技術科卒業者 とそれ 以外の大学等の卒業者 との割合を示す ものであ る。また、図 1は

,1990

年度の 「 秋田県教職員 録」教員数 と回答者の関係を卒業校別に示 した もので, これか ら,秋田大学教育学部技術科卒

1 1990

年度 「秋 田県教職員録」 に記載 された 技術科担 当教員の卒業校別数

秋 田大学教育学部技術科卒

61

技術科以外卒

26

秋 田短期大学商経科卒

43

名 上記以外 の私立大学卒

15

名 上記以外の国立大学卒

12

農 業 高 校 卒

5

普 通 高 校 卒

1

専 門 学 校 卒

1

2‑

(3)

佑藤 ・寺井 中学校技術科 における栽培学習の諸課題

2

回答者の卒業校

秋 大 技 術 科

4

4名

秋 大 職 業 科

17

名 秋 田 短 大 商 経 科

16

秋 大 美 術 科

3

農 業

3

秋 大 農 業 科

2

2

経 済 学 部

2

秋 大 小 学 校 課 程

2

1

1

音 楽 大

1

5

99

3

回答者の卒業校

秋 大 技 術 科 卒

4

4名

(43%)

上 記 以 外 卒

50

(50%)

不 明

5

名 (

6%)

扶大 技 術 J g古 老. f r q ) 人8一 日

・ y ,r Ul 点の 人牧 6 暮

扶 大 技 荊 以 外

匝1 芯 老中 の 人Z L2 3

父 rLFuZ中 人 B 2

6

扶 切 九 大 回 答 寿 中 q}人 8 )れ rLAZQ)人 zt Jl63

&立大 回芥舌t l

.q)人 故 6

父■ 一F IJ Iの人 t k l S

r B正大 i / ,れ F Pl 古老巾の人玩 IAd)人 B l 2 l

丘更ホ 授 I :れ 爪J 所 帯 車中 Q Zの 人t )人 t k t 3 5

その 他

業者についての回答率 は

,61

名中4

4

名( 約72%) , 職業科,美術科,小学校課程 などを加えた秋田 大学教育学部卒業者 は

87

名中65 名 ( 約75%)で 回答率が高いことが分かる

。 2

番目に多かった 秋田短大卒業者の回答率 は,43 名中1

6

名 ( 約3

7

%)

,それ以外の国立,私立大学,高校等の卒 業者の回答率 は

,34

名中1

2

(35%)

であった。

2

)技術科の教員構成の推移

教員養成関係大学 ・学部の技術科 は,1

958

年 の 「 技術 ・家庭」教科の新設に伴 って初めて誕 生 したが,1

962

年 の改訂指導要領の実施に必要 な教員養成が間に合わず ( 例えば秋田大学教育 学部技術科 の学生募集定員 は

9

名であった), 文部省 は各都道府県 ごとに

,1959

年度 より3 ケ 年計画で, 「 職業」の免許所有者を対象に,莱 技を中心 とした現職教育を行 い,受講者に 「 技 術」の

2

級免許を与えた。従 って 「 職業」の

1

級免許所有者 は、 格下げされたことになる。 但 し, その後1

5

年 を経過す ると

1

級に格上げされた。

秋田県では県内の

3

地域で,工業高校を会場 として,工業高校の教員がその現職教育にあたっ た。1

970

年度の 「 秋田県職員録」によると, こ のように して 「 技術」免許を取得 した教員のもっ とも多いのは,秋田短期大学商経科卒の66 名で, つ ぎが,秋田大学教育学部‑甲,二甲課程職業 科卒 ( ‑甲は4 年制の,二甲は

2

年制の中学校 教員養成課程)の5

8

名,秋田青年師範学校の42 名,秋田短大以外の私立大学卒が3

4

名,農業高 校卒が2

8

名,その他,総計約3

00

名 とかな りの 数にのぼっている。表

2

の回答者の出身校の多 彩なのはこのような事情 による。一方, このよ うに して,大量の技術科教員が一挙 に誕生 した ため,秋田大学技術科の初期の卒業生 は県内就 職ができず,教員の不足 している関東方面など に就職 した。その後, これ らの現職教育で 「 技 術」の免許を取得 した教員が退職す るにつれ, 徐々に技術科卒業者 も採用 されるようになった が,出生率の低下による生徒数の減少 ( 秋田県 では

,1970

年 に比 し,現在中学生 は約

2

万人減 少)の影響 もあり,技術系の会社や,あるいは 機械,電気科が併設 された普通高校に就職す る など,中学校への就職 の道 は厳 しかった。

3‑

(4)

秋田大学教育学部研究紀要 教育科学部門 第42 集

いずれ, このような多彩な教員構成 は,免許 切 り替え時に十分な研修が行われなか ったこと もあり,他教科 には見 られない複雑な諸問題を 抱えることとなった。例えば,当時の技術科担 当教員を対象 とした筆者のアンケー ト調査 4 ) に よると

,74%

の教員が,教科書 に 「ところどこ ろ分か らない箇所がある」 と回答 している。 こ のような状況の中で,文部省 は各都道府県 ごと に,指導者養成を目的 として,1

959

年か ら3 ケ 年計画で, 2週間の実習を中心 とした講習など を行 った。また,秋田県では指導者養成のため 毎年数名ずつの

3

カ月の現職教育を秋田大学教 育学部技術科 に依頼,筆者の一人 も1 0名以上の 研修生を担当 した。

このように,教育課程の改定 に伴 うそれなり

の措置 は行われたが,決 して十分なものとは言 えなか った。設備 ・施設や予算的措置 も同様で, 当時の職員たちは多忙な勤務状況の中で,自己 研修を重ね,また薪小屋を技術室に当てるなど して,施設 ・施設 の不備を克服 しなが ら,懸命 になって技術科を背負 って きたわけである。

4

,図

2

は教職経験年数 と教員数の関係を 示すが,3

0

年以上 の経験者32 名が上 に述べた発 足時に技術科を担 ってきた教員である。 これ ら の教員が発足後の役割を終えて次々と退職 し, それに伴 って技術科卒業者が徐々に入れ替わ っ ている様子 が図

2

か ら分 か る。 なお, 図

3

1990

年度 「 秋口県教職員録」による秋田大学技 術科卒業者 とそれ以外の学校出身者の教職経験 年数別の人数を示 し,図

4は,20

年前の1

970

年 表

4

技 術 科 教 員 の 教 職 経 験 年 数

0‑ 4 5.‑9 10‑14 15‑19 20‑24 25‑29 30

年. ‑

秋 大 技 術 科 卒

16 8 7 1 5 5

0

上 記 以 外 卒

5 3 1

0

2 5 32

2

回答者の教職経験年数

0‑ 4frt

技術ホ L 8 5

5‑ g 'L状大t秋大技肘tfiJl外す

8

3

10‑ IllI.扶大技群J秋大技fil外す 71

l5‑ IfJ fA大LA87T.

20‑ 2JI'攻大技肘J欲火抜群や1外す 52

25‑ 29/,秋大技Ki鉄火u粁不以外す 55

3lトー 扶大技片々:

32 32

4

3 1990

年度 ( 技術)免許所有者

(lug.・A) l

Ot 52 02

5X)354

155855以I6‡707 580暮S

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秋大uRl 大 L l M I I ltL外 ホ J r A

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5‑

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11

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3

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78

(5)

佐藤 ・寺井 中学校技術科における栽培学習の諸課題

4 1970

年度 ( 技術)免許所有者

( r n 書 .人 )

Ar

0

LPl J IV. 4t r T t

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A

21

5‑ 9V‑

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の状況を示す。 これか ら,前記の発足時の技術 科担当教員があと1 0 年以内にすべて退職 し,殆 ど完全に技術科卒業者で占め られることが分か る。推定では

,1994

年度 ( 平成

6

年度 )か ら

3

年間が ピークで,毎年

20

名以上の退職者が出る であろう 。

3 )栽培授業の経験

5

か ら

,79%

が栽培の授業経験があること がわかる。経験のない

18

名の内

10

名が教職経験 年数

5

年以下の技術科出身者で,他 は美術科, 工学部出身者 などである。大規模校で は技術科 教員が

2

名なので,若 い技術科出身者 は栽培以 外を担当 させ られる場合が多いのであろう

4

)今年度

(1990

年度)の栽培領域の授業予定 表

6

か ら,今年栽培の授業を行 っている者が

43%

であるが,複数の回答者のいる学校 もある ので,栽培を実際に行 っている学校数 は

43%

を 少 し下回るか もしれない。実施校のほとんどが,

3

学年で

20‑35

時間履修,題材 は,複数で答え ているもの もあるが,菊が

59%

,草花一般

16%

, イ ンバチェス,野菜類が各

7%

,その他ペコニ ア,サル ビア, トウモロコシとなっている。つ まり,秋田県では菊の栽培がかな り画一的に行 われているようである。

5

栽培授業の経験

経 験 あ り

79

(79%)

経 験 な し

18

(18%)

6 1990

年度栽培授業の予定 予 定 あ り

44

43%

予 定 な し

51

52%

5)いままでの栽培授業の状況

7

,図

5

より,毎年行 っている学校が

39%

である。 しか し,年度でまちまち,あるいは一 度 もや ったことがない, という回答の中に 「 赴 任 した学校に施設があればやる」 との記載が見 られる。つまり,施設,設備の有無が回答に大 きく影響 していることがわかる

5

栽培授業の状況

7

今 まで の栽培 授業 の状 況

( 早良: 人)

毎年継続している

39

(39%)

以前は行なっていたが、今はやつていない

20

(20%)

その年度でまちまちである

18

(18%)

1

度もやったことがない

13

(13%)

5‑

(6)

秋田大学教育学部研究紀要 教育科学部門 第42 集

6)栽培学習の重要性

8

,図

6

のように,回答者の

22%が 「

極 め て重要」 と答え

,

「 他の領域 と同様 に重要」 と 答えた ものと合わせ ると

,85%が栽培学習 は重

要だという注 目すべ き回答を している

8

栽培学習の重要性 につ いて

6

栽培学習の重要性

(q t 托 : 人)

7)今後の栽培選択予定状況 ( 1) 選択の割合

平成

5

年度 の 「 栽培 」 の選択状況 に関す る 質問 [

9

]の結果が表

9

である

。 3

年後に, 4 領域か ら

3

領域 の選択を迫 られている状況の中

で,1

5%

はいまだ決めかねているが,56%は栽 培を選択すると回答 している。 しか し,結果的 には同 じ問いである選択順位を問 う質問 [

11]

では,表1

5

に見えるように, 「 栽培を選択 しな い」が35%ではぼ表

9

の結果 と同 じであるが, 無回答者が少な くな り,選択するものが62%以 上 となっている。なお, 「 教育諸条件が整 って いる場合 は,栽培 を選択す るか」 とい う質問

[10

]では,栽培の選択者 は

74%

に増えている つまり,栽培は行 うべきだと考えるが,アンケー トの質問

[9

] [

11

]では,設備がない事や栽

培の知識や経験がない事などを理由に,現実的 な回答 として 「 選択 しない」 と答えたものであ る 。

9 1990

年度 「 栽培」を選択予定

( 2) 技術科卒業者 とそれ以外の学校の卒業者 の選択状況の差異

表1 0 ,図 7は,質問

[10

]を分析 した結果で, 技術科卒業者 とそれ以外 の学校 の卒業者 との

「 栽培」の選択率 の差異を示 す。技術科卒業者 の中で,選択す る者 ( 栽培 を最低順位に書かな

7

栽培の選択 と卒業校

(

qt

托 :人

)

J 1 8

秩大技的ホ て ′刃 E 択す る

しない2119

上 .t!以 外 や

I , '遇 択 Ll 遇択 1 ‑ ち Lい 3 t 5 3

F

L累 . LI禿+Jx Zl択 Lf

Zl択 l ■

Lい l56

技 f iL tJ A外や 遇 択 する l 8

6

10

技術科卒業者 とそれ以外の学校卒業者 の 「 栽培 」選択 の差異

技 術 科 卒 技 術 科 以 外 卒

選択 しない

19(48 %) 13(27%)

1

順位で選択

5(25%) 8(23%)

選択す る 第

2

順位で選択

6(30%) 21(53%) 15(43%) 35(73%)

無回答

:

11 名

ー 6

(7)

佐藤 ・寺井 中学校技術科における栽培学習の諸課題

かった者)は

52%であるが,技術科卒業者以外

73%

と多い。

( 3) 農業関係学校卒業者 と技術,農業関係以 外の学校卒業者 と選択状況の差異

表11・1

2

,図

7

がその結果で,農業関係学校 卒業者の選択率は71

%,技術,農業関係学校卒

業者 は

75%で,農業関係学校卒業者が とくに栽

培を重視 しているとは言えない。

1

1 農業関係学校卒業者 の 「栽培」選択状況

≡ 選択 しな い

6(29%)

選択 す る

∃ 第

1

順位 で選択

3(20%)

2

順位で選択

7(47%) 15(71%)

蓑12

技術科,農業関係卒業者以外 の者 の

「栽培」選択状況

選択 しない

6(25%)

選択す る 第 第

12

順位 で選択 順位 で選択

4(8(244%) 12%) 8(75%)

( 4) 教職経験年数 と 「 栽培」選択 との関係 また,教職経験年数 と栽培選択 との関係 ( 義

13

,図

8)か らは,若年者に選択 しないものが

多いという結果が出ている。 しか し若年者には 技術科卒業者が多いので,表

10

,図

7

の結果 と 重複 していると考えられる。学校規模 と栽培選 択の関係は,表1

4

のように,大中規模校では

43

‑50%なのに,小規模校では73%が栽培を選択

するという明確な結果がでてきている。これは

小規模校 は農山村地域に存在するためと思われ

る。

衰13

教職経験年数 と 「栽培 」選択 の関係 経 験 年 数 人 数 栽培 を選択 しない

0‑ 9

32

17(53%) 10‑24

16

8(50%)

8

教職経験数 と栽培選択 の関係

0‑ 91F

l n l 7 Sホ杜

3I2f8. 10‑ 2t年.

l q7 ;

hR

255ffrr''..以上以上 郎1郎1芥 7芥 77托7托 4l4l33ll

14

学 校 規 模 と 栽 培 選 択 の 関 係

学 校 規 模 選 択 し な い

小規模学校 ( 学年毎学級数

1‑ 3) 15

(52

校 の

29%)

(

4‑ 6)

l o

枚 (20

校 の

50%)

( ′′ 7

以上 )

6

(

1

4

校 の

43%) 8

)選択 しない領域

表1

5

,図

9

に示すように,実際に完全施行年 度になった場合,どの領域を選択 しないかとい う質問に対 し,一番多いのは金属加工領域で44

%,栽域領域 は3

5%でこれにつ ぐ。 この結果か

,65%は栽培を今後 も実施することが予想 さ

れるが,施設 ・設備 ・予算その他の教育条件の

‑ 7

15

選択 しない領域

金 属 加 工

4

4名

(44%)

栽 培

35

(35%)

情 報 基 礎

13

(13%)

機 械 .

4

(4%)

無 回 答

3

(3%)

(8)

秋E E E 大学教育学部研究紀要 教育科学 部門 第

42

改善を計れば, さらに選択者がふえる可能性が ある。なお,この質問では,表

9

で無回答であっ た

15

名中

12

名が回答 してお り,内1 1 名が選択す る方 に回 っている。

9

選択 しない領域

9

)栽培学習の教育効果

栽培学習によって副次的に期待で きる教育効 果について, 4項 目を挙 げて,内 2項 目を選択 させた結果 は表

16‑ 1・16‑ 2

である。イとり を選択 した者が もっとも多か ったが,項 目毎で はクが一番多か った。 4 項 目は同 じような文章 であるが,おおよそ,アは労働観の育成,イは 人間性の育成, クは道徳性の育成,エは社会科 学的認識の育成を挙げたものである。クの生物 愛好,勤労愛好 の栽培教育 は,まさに戦前の作 業科的な職業教育であ り, これを選んだ者が多 かったのは,学習指導要領や教育課程審議会の 答申,あるいは勤労体験学習などの影響が考え られ,今後の 「 栽培」領域研究の一つの課題 と なろう。

16‑1

栽培学習の教育効果

ア. ( 仕事の重要性の認識)

15

(15%)

ィ. ( 人間性の回復)

56

(56%)

ウ. ( 道徳性の滴養)

66

(66%)

ィ, ウ

36

名 ウ, エ

20

名 ィ, エ

20

名 ア, ウ

13

ア, エ

5

ア, イ

1

10)

勤務の多忙度

今の小中学校 の教師は,非常 に多忙であると よ く言われるが,表1

7

,図1 0に見 られるように,

「 非常に多忙」を含め,約7

7%が多忙 とい う実

態が明 らかになった。それは授業時間が多い, 学級担任やクラブ,その他の校務分掌を持たざ るを得ないとい う一般的な理由の他に,授業の 準備や整備や管理 に時間がかかるという技術科 だけのもつ特殊性に基づ くものもあるであろう

勿論B] 答 は単に時間的に多忙だというだけでな く,精神的負担 も加味 されている場合もあろう こういった多忙感が,栽培領域の選択 とかかわっ ていることは十分考え られる。

表 1 7 勤務の多忙度 について

l l)栽培領域の問題点および問題点を克服 し た事例

質問の

6, 8,14

に答えて,次のような栽培領 域 における様 々の問題点およびそれ らを克服 し た例が記載 されている 。

( 1 ) 教育諸条件 の問題点

( 彰 施設,設備,備品がない。 ( 花壇,露地, 鉢を置 くたたき,温室,測定器等)

② 予算がない。 ( 土,苗,肥料,支柱等の 購入に必要)

⑨ 指導能力がない

。(

1 1 名 が知識 ・経験 の 不足を訴え,研修を必要 としている)

④ 校務が多忙で手が回 らない。

8‑

(9)

佐藤 ・寺井 中学校技術科における栽培学習の諸課題

学校花壇や学校菜園の経営 と教科の栽培 学習 とが混同 されている 。

⑥ 受験科 目でないので,父兄の関心が少な い,また農村では子弟に農業を継がせた くない と考えている父兄が多 い。

( 2) 授業上 の問題点

( 彰 生徒の栽培 に対す る関心,興味がうす く, また農山村地域でさえ栽培体験がない。

( 塾 授業で生徒の動 く場面少な く,生徒がぶ らぶ らす る

( 卦 冬期間 はで きないので,前期 に

20

時間 と らねばな らない。

④ 長期間を要す る。

(

夏休み中の管理が困難o ( 潅水,追肥, 病害虫の消毒,台風,強風などへの対処)

⑥ 日常の管理が大変。

( 彰 枯死 させ るなど失敗す るとや り直 しがさ かない。

( 参 妙な清潔感で,土 に手を触れたが らない 生徒がいる 。

( 3) 問題点を克服 した事例 ( 彰 夏休み中の管理

班当番を決め出校 させる 。

◇ 鉢 は各 自の自宅に持 ち帰 らせる。

◇ 当番制 はあてにな らないので,特定の生徒 に頼む。

◇ 当番 はなかなか守 らないので,教師が潅水 などのため毎 日出校す る。

日常の管理 も

, 1

1

鉢運動で,生徒に責 任を もたせて管理す る。

( 卦 予 算 不 足

苗っ くり,養土っ くりはクラブで,支柱,輪 台 は授業で自作す る 。

③ そ の 他

枯死を予測 して

, 1

割位多 く栽培 してお く

◇ 病害虫や品種 の問題 は,責任ある業者 とコ ネをっけると克服で きる

◇ 菊 は

B

ナイ ン, トマ トは露地栽培, ミニ ト マ ト,サツマイモは魚箱や肥料袋で栽培。

ナスを買い物袋で栽培。

全校行事 ( 勤労生産行事) との連携でゆと りの時間を活用 し,作業時間数を確保す る。

‑9

栽培学習用の畑地の整地 は,時間節約上近 くの農家の耕運機でや って もらう 。

農山村地域でありなが ら,生徒 は勤労体験 学習に消極的である。また,家庭での栽培経 験がないので,生徒の家庭 に呼 び掛 けて,各 自の家の土地の一部で野菜栽培を実施 して も らい,栽培への興味を引き出 して もらうよう 指導をお願 い している

一人一鉢運動で責任を もって各自管理させ, 学校祭の時,鉢を花の色別 にデザイ ン構成 し て陳列 させたところ,多 くの感動を呼んだ。

題材 はペコニア。

◇ 問題は教師にやる気があるかどうかにかかっ ている

◇ 題材 :菊 ( 福助っ くり

, 3

本立て,大輪, だまっ くり),インバチェス,ペコニア,ポッ

トマム,朝顔, コスモス, ナス, トマ ト, ミ ニ トマ ト,スイカ,サツマイモ

以上のように,技術科担当教員の

85%

が,栽 培学習の重要性を認めなが らも

,65%

しか選択 しないという基本的理由の主 なもとして,①設 備 ・施設がな く,また予算が不足,( 塾教師の指 導力の不足 , ⑨多忙のため時間が不足,などを 挙げている。つまり選択 した くて も選択で きな いという理由である。 これ らはいずれ も教育行 政 とかかわる問題であ り,行政的改善によって 解決で きる問題であろう 。

さらに,生 き物を題材 とす る栽培領域の特殊 性 による授業上の様々な問題点が,指摘 されて いる。 しか し, これ らは上記 の基本的な

3

つの 問題点が解決 されるな らば,十分蒐服できる問 題点ではなかろうか。 しか し,実際の学校教育 を指導監督 している立場の教育行政側に,花壇 つ くりのような勤労体験学習 と 「 栽培」学習 と の意義や指導原理の違 いについての認識に暖昧 さがあり

5

) 6 ) ,技術科の栽培学 習 のための特別 な配慮 はされていない。また,他領域 の研修 は 行なって も,多 くの教師の望んでいる栽培領域 の研修 はいまだか って実施 されたことがない。

さらに,ゆとりの時間が設定 されて も,教師の

多忙 な状況 は一向に改善 されていないo このよ

うな基本的条件が不十分な状態で,栽培学習を

(10)

秋田大学教育学部研究紀要 教育科学部門 第42 集

やれ と言われて も,教師には熱意が沸かないの は当然であろう。ア ンケー トの領域選択で,釈 設領域 の 「 情報基礎」を選ばないものが

13%

い るが, これ もコンピューターなどの設備が全 く ない状況で, 「 情報基礎」をやれと言われても, その気にならない ということであろう。しか し, 集計結果の表

16

に見 られるように,多 くの教師

は今 日のこどもたちにとって,栽培学習が他教 科では期待で きない素晴 らしい教育効果のある ことを認めてお り,栽培学習に関す る教育行政 の貧困 さを,みずか らの努力で克服 しようとい う涙 ぐま しい実践が,アンケー トの回答に記載 されている

4.

今後の栽培学習の課題 1 )教育諸条件の確立

新学習指導要領の施行 によって,栽培領域を 選択す る学校 は皆無になるのではなかろうか と いう筆者 らの予想 に反 し,回答者の84%が栽培 学習が今の こどもに欠けている心の豊かさのB]

復などに効果的であり,学校教育にとって栽培 学習 は重要であるとい う認識を もち

,65%

以上 が新学習指導要領が施行 されて も,栽培領域 は 続 ける考えであることが明 らかになった。 しか ら,設備 ・施設などの教育条件が整えば, さら に栽培 を選択す る学校が増えることも予想 され る 。

しか し,図

8

のように今後 も引 き続 き栽培を 行 うと答えた者 の内

,60%

は教職経験年数

25

年 以上の教師であ り,今後それ らの教師が退職す るにつれ,栽培 を実施す る学校が減少す ること も予想 される。

また,栽培学習の拡大,強化のためには,設 備,施設 を充実 し,予算的裏付 けを保証 し,積 極的な研修体制を確立す るなどの教育諸条件 と, 教師の多忙化を緩和す るという施策が是非 とも 必要 なことがわか った

。1978

年の学習指導要領 の改訂では, 「 充実 した学校教育を可能 とす る ために

「ゆとりの時間」を設 けたが,技術科 の教員 は,その 「ゆとりの時間」に行われ る学 校花壇や学校菜園などの運営を分掌 させ られる など,逆に多忙度が増す結果となっている。従 っ

‑ 1 0

て,今 日の学校に,名実 ともにゆとりをとれる 時間が生 まれない限 り,まともな教育 は保障 さ れ得ないであろうし, とくに栽培学習 は,それ がい くら今日的に大 きな教育効果を もっている といって も,実施校 は増えないであろう

筆者等 も,大部分の回答者 と同様 に,栽培学 習 は他教科ではで きない今 日的教育効果を期待 できると思 うし,ぜひ今後栽培分野の充実,拡 大をはかるべ きと考えるが,まず以上のような 教育諸条件の確立が,異休的な今後の第‑の課 題であろう。

2)こどもの発達 における栽培学習の役割

今回の改訂 に先立 って

1987

年 に教育課程審議 会か ら出された答申 「 幼稚園,小学校,中学校 及び高等学校の教育課程の基準の改善について」

では,豊かな心 を持 った人間,た くま しく生 き る人間の育成を,第一の狙いとして挙げている。

つまり,裏返せば 「 今のこどもたちは,心が賓 因で,ひ弱い生 き方を している」 ということで ある。相手の言 うことを聞 き,人の気持 ちを察 す るゆとりがな く,相手の命 さえ無視す る事件 さえ起 きている。ま して自然の偉大 さや,自然 の美 しさに感動す るといった人間的なゆとり, 心の豊かさを持 ったこどもは少な くなって きて いる。ア ンケー トの回答 によると,汚 いと言 っ て土に触れたが らないこどもさえいる。また, 子供 らしい集団の遊 びを失 った彼 らには,家 に 閉 じこもり,肥満児が増え,不器用なこどもも 多い。また僅かの肉体的試練にいとも簡単 に倒 れて しまう多 くのこどもを見 ることができる

また,答申は第二の狙いとして 「 社会の変化 に 主体的に対応で きる能力の育成」を挙げている。

しか し,答申の 「 主体的」 とは, 「自ずか ら進 んで」の意味のように見受 けられる。社会 は必 ず しも良 い方向に変化す るとは限 らない。 どの ように対応す るかは,各 自の判断による。つま り主体的対応 とは,無条件的対応ではな く,む しろ批判的対応 ということであるべきであろう 今 日の受験体制 の中で,学校あるいは家庭では,

こどもへの押 し付 け的教育が横行 しているので

はなかろうか。 しか し,発達段階か らみて,そ

れ らに対 して主体的判断 に基づ く対応 は難 しい

(11)

佐藤 ・寺井 巾学校技術科における栽培学習の諸課適

であろう。結局それ らへの 「 主体的対応」ない しは盲従を もって対応す るこども,あるいは逆 に 「 主体的対応」ができずに不満 と反発を持っ

こどもを生み出す ことになる 。

このような現代のこどもの状況 は,大 きな社 会問題 となっているが, こどもらを取 り巻 く社 会,学校,家庭,その他様々な環境を検討 し, それ らが こどもらにどのよ うな影響を及ぼ し, どのような発達の阻害を しているのか,またそ のようなこどもを対象 とす る学校教育の中で, 技術科教育ではどのような役割 を持て るのか, とくにこどもの発達に寄与できる栽培学習の役 割などについて明 らかに してい くことが,今後 の研究の第二の課題 と言えよう。

3)栽培学習の目的,内容,方法の理論的,

実践的研究

栽培領域の重要性を強調す る根拠について, アンケー トでは

4

項 目を挙 げたが,それ らは, あ くまで も栽培学習を行 うことによって,副次 的に期待できる教育効果であって,いま実施 さ れているような題材や授業内容 で,果 して本来 の目的である技術 を学ぶ栽培学習になるかは甚 だ疑問である。中学校の一般教養 としての技術 教育を行 う技術科教育における栽培学習の重要 性 についての指摘 は多いが,一方で技術科教育 における栽培学習の目的,あるいはその教授内 杏,教育方法などについての研究が極めて少な いために,教科教育的意義 についての再検討を 求める声が次第に大 きくなっていること

7

) に注 目 してお く必要があるだろう。秋田県の場合, ほとんどの中学校で菊の栽培を行 うといった画 一化が見 られるの も, こうした栽培学習の研究 がおざなりになっている一つの証拠 と言えよう 。

また

,1989

年 ( 平成 1年)の学習指導要領では, 栽培学習の主要な教材であった 「 草花または野 菜」の記述が削除 され, この部分が 「 作物」 と いう用語 に整理された。このことは,指導 目標 ・ 内容を再検討 してい く上で極めて重要な意味を

もってお り,大河内

7)

も指摘 しているよ うに, 教材研究を含む教育内容 と方法の理論的,実践 的研究が,今後 ますます強 く求め られて くるも のと思われる。以上のような,理論的,実践的

研究が第三の課題である

4)技術科教育の保障について

今回の新学習指導要領で最 も問題になるのは,

「 家庭生活

「 食物」 とい う技術 とは全 く無関 係な

2

領域が必修 とな り,場合によっては 「 保 育

「 被服」まで選択可能 となったことである しか も,必修の家庭科領域の授業時数 は

,35

単 位時間を標準 とされ,本来の技術科の領域であ る 「 機械」, 「 情報基礎 」 , 「 金属加工」 ,

「 栽培」は

,20‑30

単位時間に削減 されている。

その上, もしも 「 情報基礎」が男女共通の方向 で試行 されると,さ らに家庭領域 の選択を迫 ら れることに もな りかねない。

「 技術 ・家庭」が発足 した時点では,技術を 主 として学ぶ 「 男子向 き」,つまり名実共 に技 術科であったが

,1969

年の学習指導要領の改訂 では, 「 男子向 き」に消費者教育が導入 され,

1978

年 には, 「 女子向 き」 ( 家庭科)の

1

領域 の履修が義務付けられ,そしてついに今回に至 っ ている

これに対 して,男女共学運動 をすすめて きた 民間教育団体では, 「 今回の改訂で評価できる 点 は,男女 による履修領域の指定 を廃止 したこ とである

8)

と指摘 しているが,性別 に無関 係に技術教育を保障すべ きことは当然 としても, 男子の技術領域が削減 されるという矛盾が生 じ ている。 このような矛盾 は,全 く異質 な領域が 複合 して単一教科 になっていること,小学校, 高等学校 に技術科が設置 されていないことなど

に起因す るものと考え られる

このような技術科教育の本質的問題 について は,すでに検討

9

ト1 1 ) をすすめてきたが,今後 の 技術科の展望をさ ぐる上で, また栽培学習の在 り方 について考えるために も, さらに今後究明 を要す る重要 な第四の課題 と言えよう。

お わ り に

ご多忙 にかかわ らず,ア ンケー トにご協力下 さった各中学校長 な らびに技術科担当教員に対 し,また有益な意見を頂 いた本学部技術科の小 松正武助教授に, こころか ら謝意 を表す る次第 である

ll‑

(12)

秋E] 大学教育学部研究紀要 教育科学部門 第42集

文 献

1) 文部省 : 『中学校指導書技 術 ・家庭 編』 昭和

53

5

,p.1

2) 山崎文雄 ・浜島京子 ・早坂 明夫 : 「技術 ・家 庭教育の研究一福島県の現状 ‑ 」 福 島大 学教 育 実践研究紀要

,1986,pp.1‑27

3)

山崎貞登 ・横 田正信 : 「栽培 領域 にお け る基 礎 ・基本 とはなにか」 日本農業教 育 学会誌

,V.

21,No.1,1990,pp.31‑33

4)

佐藤裕二 : 「中学校技術科教 員 の現職 教育 に つ いて」秋 田大学教育学部研 究紀 要教 育科 学, 第

22

集,昭和

47

,pp.158‑166

5)

秋 田県教育委員会 : 『学 校教育 指 導 の基本構 想』昭和

57

6)

佐藤裕二 :

『 学校教育指導 の基本 構想 』 批 判」秋 田県国民教育研究所所報

,1982,pp.1‑

10

7 ) 大河内信夫 : 「 栽培 の学習指導」,佐々木享 ・ 近藤義美 ・田中喜美監修 『 技 術科教 育 法 』 , 学 文社

,1990,pp.143‑145

8)

小池‑清 : 「 現 ・新学習 指導 要領 の比 較 ・検 討」,産業教育連盟編 『技術教 室 』 民 衆社 ,N o .

458,1990,p.32

9)

佐藤裕二 : 「学習指導 要 領 にお け る中学校 技 術科 と高等学校工業化 との関連 につ いて」 秋 田 大学教育学部研究紀要教育 科学

,No.24,198

1,

pp.165‑176

10)

佐藤裕二 : 「技術 ・家庭 科 ‑ の消費者 教育 の 導入の意義 につ いて一生 涯教育 と財 界要 求 の視 点 か ら‑」秋 田大学教育学 部教 育研 究 所研究 所 報,N

o14,1977,pp.138‑157

ll)

佐藤裕二 : 「 技術科教 育 の内容 と方 法 につ い て‑増幅器学習を素材 と して‑ 」 秋 田大 学教 育 学部研究所研究所執

N

a

17,1980,pp.1‑12

付録 : 〔 技術科 の栽培学習 についてのア ンケー ト〕

註 :小項 目には○印をつ けて ください。

1)あなたの最終学歴,卒業年度 をお書 き下 さい。

( 大学 学部 科 ) ( 年度卒 )

2)平成 3年 3月現在 における教職経験年数 をお知 らせ下 さい。( 年 )

3

)あなたは,栽培領域 の学習指導の経験があ りますか ?

ア.ある

ィ.ない ( 理由 は

4)

あなたは今年度 ( 平成

2

年度)栽培領域の授業 を予定 していますか ?

7.予定 している

授業の状況 は ア :年間の総時数 イ :履修学年 ハ :適材 ィ.予定 していない

5

)あなたの栽培領域 の授業 の状況をお知 らせ くだ さい。

ア.ず っと授業 を続 けている。 ( 題材 は

ィ.以前 は行 っていたが,今 はや っていない。 ( 題材 は り.その年度 によ ってまちまちである

工.一度 もや った ことがない。

‑ 12‑

(13)

佐藤 ・寺井 中学校技術科における栽培学習の諸課題

6)栽培学習を実施 していない,あるいは年度でまちまちという方 は,その理由を簡単に挙 げて下さい。

7)あなたは栽培学習についてどう考えていますか ? ア.極めて大事である。

ィ.他の領域 と同様に大事である。

.あまり重要ではない。

8)栽培領域の授業は・多岐にわたる様々な問題点を抱えていると思いますが,思 ってお られる問題点を率直

に列挙 して下 さい。 もし・それ らの問題点を克服 した例がありましたら,その方法を教えて下さい。また,

20

時間で目的を達成できる適切な題材例なども,ありま したら挙げて下 さい。

9)あなたは新学習指導要領完全施行の平成5

年度に,栽培領域を選択履修 させるお考えをお持 ちですか ? ア,履修 させる考えである

授業の計画は ア :年間の総時数 イ :履修学年 ハ :題材 ィ,選択 しないっ もりである。

10)学習指導要領では, 4

領域の目標を次のように述べていますが,施設 ・設備その他の教育諸条件を考慮に 入れずに,一般教育 としての技術教育を行 うという視点だけか ら,重要だと思われる順位を括弧内に記入

して下 さい。

( )金属加工 「 簡単な金属製品の設計 と製作を通 して,金属材料の特徴 と加工法 との関係について理解 させ使用目的や使用条件に即 して製作品をまとめる能力を養 う

。」

( )機械 「簡単な動 く模型の設計 と製作や機械の整備を通 して,機械の仕組みやェネルギーの変換 と利用について理解 させ,機械を適切に活用する能力を養 う。」

( )栽培 「 作物の栽培を通 して作物の成育条件 と栽培技術 との関係について理解 させ,作物を計画 的に育成する能力を養 う

。」

( )情報基礎 「コンピューターの操作等を通 じて,その役割 と機能について理解 させ,情報を適切に活 用する基礎的能力を養 う

。」

l l)新学習指導要領に示 された選択領域の中で,あなたは現実的な対応 として何を選択 しよ うと考えています か ? 選択順位を ( )内に記入 して下 さい。

金工 ( )機械 ( )栽培 ( )情報基礎 ( )

‑ 13

参照

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