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連結基礎概念における利益概念の一考察

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(1)

連結基礎概念における利益概念の一考察

−少数株主持分の取扱いを中心に

Consolidation Accounting Theory on the Profits

− Mainly the handling of the Non-controlling Interests

上 間 大 輔

Daisuke UEMA

【要 旨】

 連結基礎概念は大別して親会社概念と経済的単一体概念に分けられる。我が国連結会計 基準は親会社概念に依拠しており、IASB 及び FASB は経済的単一体概念に依拠している。

 国際会計基準のコンバージェンスに揺れる我が国には、様々な会計基準が創設及び改訂 がなされているが、包括利益導入により、純利益概念と理論的整合性がないことが指摘さ れる。このように、IASB 及び FASB のように経済的単一体概念より会計理論を形成して いる会計基準を我が国に導入する場合、親会社概念とのコンフリクトが避けられない。こ のような問題点を念頭に置き、本稿では、連結基礎概念の最大の論点である少数株主持分 の取扱いを考察することによって、親会社概念から経済的単一体概念への移行の可能性を 考察した。

キーワード:

連結基礎概念、親会社概念、経済的単一体概念、少数株主持分、株主持分

はじめに

 連結会計の固有の問題である少数株主持分の位置づけは、古くから論争の焦点となって いる。少数株主持分

1

を連結貸借対照表上、株主持分の構成要素と見るべきか否かという 問題は、連結損益及び包括利益計算書上の利益概念に対しても、影響があるため大きな論 点となっている。

 我が国では、2010年6月に企業会計基準委員会から企業会計基準第25号「包括利益の 表示に関する会計基準」 (以下、包括利益会計基準という)が公表された。国際財務報告基 準(IFRS)や米国会計基準では1997年から包括利益が導入されており、我が国でも、会 計基準のコンバージェンスという形で導入が検討され、公表されるに至った(18〜20項)。

 このように、コンバージェンスという形で、我が国に新たな利益概念である包括利益が

財務情報として開示されることになるが、1つの問題点が指摘されている。それは、純利

益との理論的整合性の問題である。

(2)

 周知のように、我が国では、連結会計における会計主体論は、親会社概念であるため、

少数株主持分が株主持分に含まれず、純利益計算過程において控除される項目である。し かし、包括利益では親会社持分と少数株主持分、双方の利益が財務情報として表示される。

これは、2つの利益概念が違った連結基礎概念へ帰属していることを示す。

 そこで本稿では、我が国における純利益と包括利益の関係性について、連結基礎概念を 中心に考察し、我が国が現在採用している親会社概念について問題点を提起する。また、

2つの利益概念と連結基礎概念の考察には、少数株主持分の位置づけが重要な論点である ので、あわせて考察する。

1.連結基礎概念

 本節では、連結基礎概念について G.C. Baxter & J.C. Spinney による A Closer Look  at Consolidated Financial Statement Theory を基にして明らかにする。

1.1 親会社概念(the parent company concept)2

(1)基本的な会計観

 親会社概念は、外部財務報告の形式的な生成過程において、純粋な資本主観点に対する 実質的な代替案として発展したものである。親会社概念は「子会社の資産も所有しないし、

かつその負債も負わないが、子会社の純資産に対して未分配の持分を持っている。また、

この未分配の持分は少数株主持分と分離することができず、別個に表示される」。

 この概念の下では、連結財務諸表とは主に親会社の株主のために作成され、親会社株主 持分は実質的には連結実体の持分として表示される。つまり、「連結財務諸表は親会社の 財務諸表をより明瞭に表す形式であり、そして、子会社の資産・負債・収益及び費用の詳 細を親会社の記録に代置することから得られる改良された形式である」と解されるのであ る。かくて、親会社概念は、少数株主持分は外部者として扱われるため、連結財務諸表で は2つの持分が表示されることになり、親会社持分は純資産の内訳項目として表示され、

少数株主持分は負債として取り扱われる。

(2)連結貸借対照表項目の取扱い−資産・負債・のれん・少数株主持分について

 親会社が子会社の株式を完全でなくても所有した場合、親会社概念の下で作成される連 結財務諸表は次のような方法で子会社の純資産を含めることになる。すなわち、子会社の 資産・負債は、その歴史的原価に、純資産の公正価値と簿価との差額に対する親会社の比例 的持分を加算した額で評価される。したがって、資本主グループは、子会社の資産と負債の 公正価値とその簿価との差額に対する親会社持分だけを認識しているのは明らかである。

 次に、子会社を連結した際に発生するのれんの評価方法は、親会社による投資の取得原

価と子会社の純資産の公正価値に対する親会社持分との差額として測定される。

(3)

 取得日における少数株主持分は、取得日における子会社の純資産の簿価だけに対する少 数株主の比例的持分として算定される。つまり、連結貸借対照表で、少数株主持分は純資 産に対する簿価の持分のみを表示することになる。また、取得後においては、少数株主持 分は子会社の個別財務諸表上の損益に対する比例的持分だけ増減されなければならない。

このような方法により、少数株主持分は常に子会社の純資産簿価に対する少数株主の持分 割合に等しい額として算定される。

(3)連結損益計算書項目の取扱い−会社間損益の取扱い

 部分所有の子会社と親会社との間に売買取引が生じた場合、会社間取引から生じる「未 実現」の損益に対する親会社持分は消去され、「未実現」の損益に対する少数株主持分は、

実現したものとみなされる。この取扱いは、前述のように少数株主持分は外部者として取 扱うためである。

 連結純利益を計算するにあたって、子会社の利益に対する少数株主持分の持分割合だけ が、連結グループの合算利益から控除される。これは、連結純利益は親会社の利益とみな すため、外部者である少数株主持分は控除され、連結損益計算書の当期純利益には親会社 の利益だけが表示されることになる。

1.2 実体概念(the entity concept)3

(1)基本的な会計観

 実体概念の下では、連結財務諸表は経済的実体(economic entity)の観点から作成さ れるため、親会社持分と少数株主持分を同等のものとしてみることになる。つまり、親会 社概念とは異なり、連結手続きは2種類の持分間で区分されることはない。であるから、

少数株主持分も株主資本の一部として表示される。

(2)連結貸借対照表項目の取扱い−資産・負債・のれん・少数株主持分について

 実体概念では、企業グループを認識する際、上述のように親会社持分と子会社の少数株 主持分を同等なものとしてみるため、当該概念で連結財務諸表を作成する場合、子会社の 資産・負債のすべてを公正価値で収容することになる。連結に際して、子会社の識別可能 な純資産の公正価値と簿価との差額は、親会社持分と子会社の少数株主持分との間に比例 配的に配分される。子会社の純資産の公正価値と識別可能な純資産の公正価値との差額が のれんとして2つの持分間に比例的に配分される。また、取得日における少数株主持分は、

取得日における子会社の純資産の公正価値の比例的持分として測定される。つまり、実体

概念では、親会社の投資活動が全体としての子会社の公正価値を確定するものであり、そ

れにより子会社の資産・負債及び少数株主持分を決定するということを前提としている。

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(3)連結損益計算書項目の取扱い−会社間取引について

 部分所有の子会社が親会社もしくは他の子会社に販売をした場合、会社間取引から生じ る「未実現」の損益に対する親会社持分及び少数株主持分の双方が消去される。「経済的」実 体の観点からすると、外部者との取引がなかったことにすることにより、子会社によって 認識されたなんらかの未実現損益は連結財務諸表上消去されなければならず、また子会社 における2つの株主持分に比例的に割り当てられなければならない。同様の理由で、親会 社が販売会社である場合、なんらかの未実現の会社間損益について親会社の利益に負担さ せ、全額消去することが求められる。

 連結財務諸表の表示に際しては、純利益に対する親会社持分も少数株主持分もともに連 結純利益に含められる。少数株主持分は、連結剰余金を計算するにあたり剰余金からの控 除として扱われる。連結純利益は持分の資本を構成し、また、子会社における少数株主持 分は連結された総資本の一部であるから、連結純利益は理論的には2つの持分について発 生する利益の混合物となり、利益に対する少数株主持分は、連結実体における親会社持分 と少数株主持分とを区別して報告するために剰余金から控除することになる。

2.我が国における少数株主持分の取扱い 2.1 少数株主持分の貸借対照表における表示

 1997年に改訂された「連結財務諸表原則」は、少数株主持分を、負債の部と資本の部の 中間に独立の項目として表示することを規定した。このような表示方法は、IASB が2004 年に改訂する以前の IAS 第27号が規定していた表示方法と同様であった。アメリカでは、

改訂 SFAS 第160号が公表される以前に適用されていた会計研究公報(Accounting  Research Bulletin : ARB)第51号において、少数株主持分の表示方法は特に規定されて いなかった。しかし、実務では、少数株主持分を、負債の部と資本の部の中間に独立の項 目として表示するのが一般的であった。ここから、日本における少数株主持分の表示方法 は、改訂以前の IASB 及びアメリカにおける表示方法と同様であることが理解できる。

 当時の企業会計審議会は、少数株主持分を、負債の部と資本の部の中間に独立の項目と して表示する方法について、連結会計基準が親会社概念を踏襲している点から説明した。

親会社概念は、連結財務諸表を親会社の財務諸表の延長線上に位置づけて、資本に関して 親会社の株主持分のみを反映する。その結果、少数株主持分は、資本の部(現在の純資産 の部)に含まれない。親会社概念をとる場合でも、少数株主持分を負債の部に表示する方 法と、負債の部と資本の部の中間に表示する方法とが考えられた。しかし、少数株主持分 は、返済義務のある負債ではなく、連結固有の項目であることを考慮して、負債の部と資 本の部の中間に独立の項目として表示することとした。

 一方、現在の連結会計基準では、少数株主持分を、純資産の部の株主資本以外に独立した

項目として表示することを規定している。これは、貸借対照表に負債の部と資本の部の中

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間区分を設けることに対して、中間区分自体の性格や中間区分と損益計算との関係などを 巡る問題が指摘されたためである。また、国際的な会計基準においては、中間区分を解消す る動きがみられる。このような状況に鑑み、資本の部を純資産の部として、資産あるいは負 債に該当しないものは、資産と負債の差額として純資産の部に記載することとしている

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。  日本の会計基準が、少数株主持分を純資産の部の中で別個に表示することは、少数株主 持分が、連結企業集団の持分の一部ではないことを表す。これは日本の連結会計基準が連 結会計主体観における親会社概念に基づいていることから説明される。それに対して、

IASB 及び FASB は、いずれも少数株主持分が子会社の残余請求権を有することから持分 の定義を満たすと考えている。これは、IASB 及び FASB の連結会計基準が、連結会計主 体観において、日本と異なった経済的単一体概念に基づいていることを表す

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。また、この ような相違は、連結後の持分変動の会計処理にも影響する。親会社概念では、少数株主持 分を外部者とみることから、少数株主からの持分の追加取得や一部売却は、損益取引とし て処理され、利益数値にも影響する。経済的単一体概念では、少数株主は連結グループの 所有者であるので、資本取引とされるため、損益には影響しない。我が国会計基準におけ る企業と IASB 及び FASB による会計基準による企業とでは、比較可能性が困難になる恐 れがある。

2.2 少数株主損益の損益計算書における表示

 日本の連結会計基準では、最終的な当期純損益の金額を、少数株主持分損益を加減して 計算するように規定している(39項)。少数株主持分に帰属する損益は、企業集団の連結損 益計算書が表示すべく当期純損益の金額から控除される。すなわち、連結損益計算書にお ける当期純損益の金額は、親会社持分に帰属する部分だけから計算される。このような取 扱いもまた、少数株主持分の連結貸借対照表の表示方法と同様に、IASB が2004年に改訂 する以前の IAS 第27号が規定していた表示方法及びアメリカで一般に用いられてきた表 示方法と同様である。

 これに対して、アメリカは1991年に公表した討議資料以降、少数株主損益を連結損益計 算書における当期純損益の配分として表示することを検討し、1995年の公開草案におい てそれを提案している

6

。また、IASB は2004年の IAS 第27号の改訂で、少数株主損益 について、損益は親会社の株主及び少数株主持分に帰属するとして、企業集団の損益に対 する少数株主持分を、別個に表示するように規定した

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 改訂 SFAS 第160号は、収益、費用、利得、損失、当期純損益及びその他包括利益は、

連結財務諸表の中で親会社と少数株主持分に帰属する金額の総額で報告されなければなら

ないと規定している。当期純損益及び包括損益は、SFAS 第130号に従って、親会社と少

数株主持分に帰属させられる

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。その際、必ずしも、親会社と少数株主持分が比例的である

とは限らない。FASB は、当期純損益及び包括損益を相対的な所有者持分で配分すること

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が適切でないという理由から、親会社と少数株主持分への帰属の方法に関する詳細なガイ ドラインは示していない

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 日本の連結会計基準が、当期純損益の計算において少数株主損益を控除することは、連 結会計主体観として親会社概念に基づいていることになる。それに対して、IASB 及び FASB は、いずれも当期純損益の金額の中に、少数株主損益を含める。これは、企業集団 の損益が、親会社持分の損益に限定されるものではない。つまり、連結会計主体観として 経済的単一体概念に基づいていることを表す

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3.利益概念と連結基礎概念 3.1 利益概念の制度的変遷

 企業会計の成立は、19世紀中葉におけるヨーロッパでの第2次産業革命に起因する。重 化学工業の進展に伴い、間接金融では資金調達が間に合わず、それを補うための制度とし て、株式会社制度が誕生した

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。当時の経済活動は、「モノ作り経済」といわれるように、

プロダクト型経済で、取得原価主義による利益の算定がおこなわれた。20世紀に入り、経 済活動は徐々に実物財から金融財にシフトし、いわゆる金融商品が企業の経済活動に欠か せないものとなった。金融商品は、時価の差額により利得(又は損失)を認識することか らこれを取得原価によって評価することは、多大の含み益及び含み損を、将来へ繰り延べ ることになり、財務諸表の適正表示が問題となった。このような問題は、市場のボラティ リティ(価格の変動性)及び時価のフィージビリティ(現金化可能性)の確立により、財 務諸表能力が認められ、有価証券が時価評価されることになった。

 資産の評価と利益の測定は、いわば同時決定の仕組みのなかで相互に制約し合っている。

しかし、現行の会計基準を見ると、時価による資産の評価が自己目的化され、それがどの ような意味で投資の成果にあたるかがよく検討されないまま、利益の測定が一方的にその 影響を受ける例が増えている。金融投資の実質をもたない保有資産をあえて時価評価した 結果、投資のリスクから解放されていない評価差額の利益認識が問題になるケースであ る

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。現行会計基準にいう「その他有価証券」がその代表例である。有価証券は、その保 有目的によって次のように分類される。

        図表1 有価証券の評価基準及び評価差額の取扱い

評価差額の取扱い 評価基準

保有目的

損益に計上 時価

売買目的

償却原価

満期保有目的

原価

関係会社株式

純資産の部に直接計上 時価

その他有価証券

出所:武田隆二『最新財務諸表論』中央経済社 2008年 447頁

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 「その他有価証券」は、トレーディングを目的とするものでもなければ、企業支配を目的 とした子会社・関連会社の株式にも該当しないこの種の有価証券は、雑多なものをひと括 りにした「その他」のカテゴリーである。

3.2 包括利益概念の理論

 記述のように「その他有価証券」は、トレーディングを目的とするものでもなく、関係 会社株式にも属さない、目的が不明瞭なカテゴリーであるが、これを別途取扱うのは、例 えば業務提携や技術提携などの裏づけに企業間で保有する株式(政策投資株式)が、時価 の変動リスクを負いながらも、時価の変動による利益を犠牲にした事業の成果を期待して いるからであろう。そのため、保有している間はこれを時価で評価する一方、売却して価 格変動による利益が確定するまで、評価差額を利益(純利益)から除くというのが、現時 点では日本に限らず国際的にもほぼ共通のルールとなっている。売買目的有価証券との境 界線が曖昧になりやすいため、ストックは時価で評価し、評価差額は純資産ないし包括利 益に含めたうえ、売却まではそれを純利益から区別するのである。

 この政策投資株式が金融投資から区別されるのであれば、保有している間の値上がりは キャッシュ・フローと同等になりえない。しかし、資産の評価が投資成果の測定と切り離 して独立に決められる上記のような状況を所与とすれば、それが株主との取引(資本取引)

にならない限り、企業会計の仕組みでは利益を認識するほかに帳尻を合わせる方法がない。

包括利益というのは、そのために必要とされる概念である。資産や負債を収益や費用から 独立に定義し、その認識と評価だけで利益を決める資産・負債アプローチでは、リスクか らの解放という要件を加えた純利益でなく、純資産の増減を必要かつ十分な条件とする、

いわば純資産変動と等値の包括利益がないと概念の体系が閉じないのである

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3.3 我が国における利益概念と連結基礎概念

 我が国では、2010年6月に企業会計基準委員会から企業会計基準第25号「包括利益の 表示に関する会計基準」 (以下、包括利益会計基準という)が公表された。国際財務報告基 準(IFRS)や米国会計基準では1997年から包括利益が導入されており、我が国でも、会 計基準のコンバージェンスという形で導入が検討され、公表されるに至った(18〜20項)。

ここでは、新設された包括利益と純利益の関係について考察する。

 包括利益とは、「ある企業の特定期間の財務諸表において認識された純資産の変動額の

うち、当該企業の純資産に対する持分所有者との直接的な取引によらない部分」 (4項)と

定義される。また、純資産に対する持分所有者とは、当該企業の株主、新株予約権の所有

者及び連結財務諸表においては、少数株主も含まれる。このような定義による包括利益と

は、いわば、企業全体の視点から利益を定義しており、連結基礎概念における経済的単一

体概念と整合的な利益概念である。

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 次に、純利益とは「特定期間の期末までに生じた純資産の変動額のうち、その期間中に リスクから解放された投資の成果であって、報告主体の所有者に帰属する部分をいう」 (財 務会計の概念フレームワーク 9項)と定義される。定義上明らかなように、純利益とは報 告主体の所有者に帰属する部分、つまり、連結財務諸表上は親会社株主にのみ帰属する部 分を指すので、連結基礎概念における親会社概念に整合する利益概念である。

 このように、我が国における2つの利益概念は、連結基礎概念上別々の理論背景を持つ ことになる

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 他方、IASB では純利益と包括利益の2つの利益概念について、少数株主持分に係る損 益と親会社持分に係る損益を含めて表示しており、また、その内訳を表示することにより、

情報開示をおこなっている(IAS 第1号 par. 83)。これは、純利益・包括利益ともども経 済的単一体概念による表示方法であり、理論的一貫性がある。

 それでは、何故このような1つの計算書において、別々の理論背景を持つ2つの利益概 念が生まれたのか。筆者が考えるにそれは、親会社概念の選択にあると思われる。そもそ も、包括利益をいち早く導入した、IASB 及び FASB では、近年の会計基準の設定に際し、

経済的単一体概念を念頭に置いた基準設定を行っている

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。そのような基準を我が国に導 入する場合、コンフリクトは避けられないと思われる。

4.我が国における少数株主持分の表示に関する展望

 2007年8月に企業会計基準委員会(Accounting Standards Board of Japan:ASBJ)

と IASB との間で、「会計基準のコンバージェンスの加速化に向けた取組みへの合意」(以 下、東京合意という)が合意され公表された。これによれば、2011年6月までに日本基準 と IFRSs との間の差異を解消し、これ以降日本基準による財務諸表を作成しても、IFRSs と同等の財務諸表であるということである。東京合意以降様々な基準の改定が行われた。

少数株主持分については、現在前項までに述べたように、差異がある項目である。

 本節では、連結基礎概念の最大の焦点である少数株主持分について、個別財務諸表にお ける株主持分の定義を考察し、今後の方向性を考察する。

4.1 会計主体の一般理論

 少数株主持分の表示問題を考えるに当たり重要となるのは株主持分の会計理論における 解釈である。財務諸表の構成要素をめぐる議論は会計主体論(個別会計上の会計主体論)

を中心として行われてきた。とりわけ会計上の「持分」すなわち資産に対する請求権をい かに位置づけるかが主要な論点とされてきた。ここでは、会計主体論の典型である所有主 説と企業主体説の論争を題材として、持分及び純資産の解釈を検討する。

 まず所有主説では、企業を所有する主体の立場を重視し、資産と負債の差額すなわち純

資産を所有主に帰属する持分とみなす。所有主にとってマイナスの資産となる負債と所有

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主持分の区分は極めて重要な会計課題となる。

  資産−負債=所有主持分(純資産)

 また所有主説では、所有主持分すなわち純資産の運用による成果を期間損益とし、それ 以外の所有主との直接的取引から生じる純資産の変動を資本取引とみなす。例えば、同じ 資金調達コストであっても、支払利息は期間損益計算の構成要素となる費用項目、支払配 当金は期間損益が確定した後の所有主への分配項目(資本取引)として計上される。

  期間損益=純資産の変動−所有主との直接的取引

 ただし、個人企業ではなく現代的な株式会社を想定した場合、こうした所有主説の考え 方はそのままでは妥当しない。確かに、所有と経営が一致する個人企業であれば、 「企業実 体」を会計単位として資産・負債と記録したとしても、その差額である純資産は当然に所 有主に帰属すると解釈できる。所有主自身が企業の権利・義務関係の主体となるからであ る。しかし、所有と経営が分離した現代の株式会社では、所有主たる株主が企業経営に関 わる資産を支配することも負債を直接的に負担することもないので、何らかの擬制を用い ない限り、企業実体を基礎とした純資産とその運用成果がそのまま株主に帰属するとはい えない。

 これに対して、企業主体説では資金提供者から独立した企業それ自体の立場を重視し、

資金提供者の資産に対するすべての持分(請求権)を同等とみなす。それゆえ所有主説と は異なり、債権者持分を示す負債と株主持分の区分が課題となることはない。例えば、仕 入業者の持分を示す「買掛金」、貸付機関の持分を示す「借入金」といったように、各資金 提供者の持分を貸方勘定で表現すれば十分で、 「負債」や「株主持分」の小計に積極的な意 味はないといえる。なお借方の資産には、企業主体説でも企業実体を会計単位とするので、

株主の所有とは関係なく企業自体が支配する項目が含まれる

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  資産=持分

 また企業主体説では、持分権者との直接的取引以外の持分の変動すなわち運用による成

果を期間損益とする。それゆえ、支配利息及び支払配当金はいずれも期間損益計算の構成

要素とはならずに期間分配項目(資本取引)と捉えられ、期間損益は資金調達コスト控除

前の営業活動から生じるものとして計算される。資金調達の形態いかんで期間損益の額が

変わることはない点に留意されたい。

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  期間損益=資産の変動−持分権者との直接的取引

 また、所有主説と企業主体説では、純資産がどの持分権者に帰属するかという点も争点 となりうる。所有主説では、定義上、純資産は株主持分に帰属する。一方、企業主体説で は、資産から債権者持分の累計(負債)を控除した後の純資産を企業持分と捉える見解が 有力である。この見解は、そもそも企業自体の観点からすれば株主持分を中心とする必然 性はなく、純資産に対する株主の請求権が必ず成立するとは限らないという点に着目して いる。

 こうした純資産の解釈をめぐる対立は、株主持分の意味する請求権に起因すると考えら れる。

 株主持分はそもそも法律的な概念であり、その主たる請求権として以下のものを挙げる ことができる。

(1) 議決権…株主総会に出席してその決議に加わる権利

(2) 配当請求権…定期的に営利企業の成果配分を請求できる権利

(3) 残余請求権…株式会社の解散・清算時に残余財産の分配を請求できる権利

 (1)の議決権は、例えば取締役の選任・解任等を通じて、株式会社の経営に参加するこ とを保証する。しかし、所有と経営の分離が常態となった現代の株式会社では、子会社化 を企図しないかぎり、ほとんどの株主が議決権行使による経営参加を試みることはない。

また(2)の配当請求権は一般的には行使されているが、配当として請求できるのは、株 主総会や取締役会決議によって法的に確定した部分のみであり、貸借対照表における純資 産全体ではない。特に留保利益(利益剰余金)が純利益を源泉とするからといって、その まま配当請求権を形成するとはいえないのも明らかである。そこで伝統的には、純資産が 示す株主持分とは、仮に当該株式会社が解散・清算に至った場合に生じる(3)の残余請 求権ないし残余財産分配権をさしてきた。

 このように株主持分を残余請求権と解釈した場合、その定義からわかるように、財産が 優先的に分配される債権者の持分すなわち負債が先に確定し、その後に株主持分である純 資産が残余として計算されることになる。IASB や FASB における概念的枠組みでも、こ うした所有主説に従った理論構成を採用している

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。例えば、SFAC 第6号では、所有主 説に従った株主持分の定義を前提としながら、純資産が出資者(株主)の残余請求権を示 すとしている。

 「営利企業においては、持分は出資者の請求権である。出資者の請求権は、所有権(また

はその同等物)から生じ、かつ企業と、従業員、仕入先、得意先、貸付機関または他の所

有主以外の役割としての出資ではなく、所有主とみなされる出資者との関係にかかわるも

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のである。持分は企業資産に対する請求権としての負債の後に位置づけられるので、残余 請求権である。(a)持分は、純資産と同じであり、企業の資産と負債との差額である。」

(par. 60)

 ただし、本来、株主が残余請求権を有するのは会社が解散したときのみで、継続してい る間は純資産について何ら請求権を有していない。この点を考慮すれば、企業主体説のよ うに、純資産を企業持分と捉えることも否定できない。つまり、純資産が株主持分を示す という所有主説の命題は、あくまで会計上の擬制の上に成り立っているのである。

 さらに、純資産は株主との取引以外の要素からも構成されるという特質をもっている。

債権者持分を示す負債の処理と比較してみよう。現行の会計ルールに基づく限り、同じ貸 方項目である負債は債権者からの歴史的収入額ないし取引額によって示されている。一方、

株主からの歴史的収入額に相当するのは、資本金及び払込剰余金から構成される払込資本 である。純資産のもう1つの構成要素である留保利益は、企業成果の累計を基礎とした資 金の内部留保利益を示すものであり、資金提供者との取引から生じるものではない。つま り、払込資本に限定されない純資産額によって株主持分を示すというのは、資金提供者と の取引を基礎とした負債すなわち債権者持分の測定ルールとも異なった考え方に立つとい える。

 以上のように、所有主説における株主持分は、解散・清算を擬制した残余請求権として の側面と資金提供者との取引額ではない要素も含むストック残高としての側面を有してい る。以下(2)では、こうした株主持分の特質を前提として、会計主体の一般理論と連結 基礎概念との関係、そして少数株主持分の表示問題を考察していく

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4.2 連結基礎概念と株主持分−少数株主持分との関連を中心に

 個別会計における会計主体論の一般理論は、主に株式会社という「法的実体」を想定し た議論であった。「経済的実体」としての企業集団を前提とする連結財務諸表ではどのよう な議論が可能であろうか。上記で示された純資産と株主持分の特質を手がかりとして考察 していく。

 親会社が子会社の発行済株式の100%を所有していれば、子会社資本(純資産)のすべ てが親会社持分となる。連結貸借対照表上の純資産に対する請求権も親会社のみが有する ので、連結資本も親会社個別財務諸表と同じ構成で十分といえる。しかし、親会社が子会 社の発行済株式の100%を所有していない場合、子会社には親会社以外の少数株主が存在 することになる。そこで、この少数株主の請求権すなわち少数株主持分を連結財務諸表に いかに表示するかが問題となる。周知のように、少数株主持分の処理は連結財務諸表をど の立場から作成するかという「連結基礎概念」におって異なるとされてきた。

 親会社概念では、連結財務諸表を親会社個別財務諸表の拡張もしくは延長線上のものと

して捉えるので、連結資本は親会社持分に帰属する部分のみで構成される。ただし、親会

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社概念では、親会社の請求権が子会社純資産に対して包括的に設定されている点に着目し、

子会社個別財務諸表における各勘定科目を総額で収容する全部連結を採用する。子会社の 資産・負債のうち親会社に相当する部分のみを計上する比例連結では、親会社の有する請 求権が個々の資産・負債に設定されているような誤解を与えるからである。

 これに対して、経済的単一体概念は、親会社個別財務諸表の拡張ではなく、親会社から は独立した企業集団それ自体の活動状況を重視する。企業集団という経済実体を中心とす ることから、実体説とも呼ばれていた。経済的単一体概念では、資産・負債の記録につい て親会社概念と同様に全部連結を採用する。しかし、親会社株主も少数株主も企業集団全 体の株主であることに変わりはないとみなすので、 「少数株主持分」勘定は企業集団に対す る株主持分すなわち連結資本を構成する。この連結資本の構成が親会社概念と異なる点で ある。

 ここで第一に明らかにしなければならないのが、連結基礎概念における経済的単一体概 念と一般理論における企業主体説との関係である。経済的単一体概念は、少数株主持分を 独立の表示区分としているわけではなく、 「連結資本の一構成要素」という言明にみられる ように、一般理論における所有主説と同様、負債と資本(株主資本)の区分を前提として いる。また支払利息と支配配当金を同列に扱うことまで意図しているわけではない。一方、

一般理論における企業主体説を連結会計に適用した場合、負債と株主持分の区別が前提と されておらずに各持分がそのまま並列表示されるはずである。これらの点を考慮すると、

連結基礎概念における経済的単一体概念は、企業主体説とは直接的な関係はなく、会計単 位としての経済実体に基づいて純資産すなわち株主持分を記録すべきという主張にほかな らないと解釈できる。

 以上のように、全部連結を前提とした親会社概念と経済的単一体概念は、連結純資産に 対する包括的な株主持分を基礎としている点で同じ立場といえる。

       図表2 連結基礎概念と会計主体の一般理論

 それでは、親会社概念と経済的単一体概念のうちいずれが妥当といえるであろうか。そ もそも一般理論における所有主説では、株主持分について経営参加を目的とした議決権で はなく残余請求権を想定していた。少数株主及び親会社のいずれもが子会社純資産に対し て同等の残余請求権を有していることからすれば、少数株主持分を連結資本の構成要素と

出所:梅原秀継「会計主体と株主持分」『會計』第169巻第4号2006年4月 23頁

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する経済的単一体概念の方が一般理論と整合的であるといえる

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。仮に親会社概念を支持 するのであれば、どのような株主請求権を想定しているのかを明示する必要がある。

 また、特定の子会社が経済実体である企業集団に含まれる際に、少数株主は実際に出資 を行っていないので、その持分は連結資本とはいえないという見解もありうる。確かに通 常の株主取引に基づく払込資本の増加とみなすのは困難である。しかし、例えば支配獲得 時の資本連結手続きを考えると、貸方の少数株主持分に見合って連結純資産が増加するの も事実である。既述のように、払込資本以外の純資産も株主持分に含むという所有主説の 考え方からすれば、出資がなくても少数株主持分を連結資本とみなすことは可能といえ る

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おわりに

 IASB の近年における会計基準の開発は、従来の収益費用アプローチでは、認識できな かったオフバランス項目の開示に焦点が当てられている。そのため、IASB では資産負債 アプローチに整合的な利益概念である包括利益を導入し、従来オフバランスされていた項 目の損益計算を可能にしている。このような利益概念の登場は、我が国における連結基礎 概念の整合性にも影響する。我が国における純利益とは報告主体の所有者に帰属する部分 を指すので、連結基礎概念上は親会社概念に帰属する利益概念であることが明らかとなっ た。対して包括利益は親会社株主持分及び少数株主持分の双方の持分に対する利益を算定 することから、経済的単一体概念に帰属する利益概念である。このように、2つの利益概 念は双方違った連結基礎概念に帰属することから理論的整合性が無いことが指摘される。

 次に、本稿では採り上げなかったが、実務面の影響についてアンケート結果を紹介した い。鳥毛〔2010〕によると、財務諸表作成者、財務諸表利用者双方とも、包括利益の導入 は会社経営・投資判断への影響が大きいことが明らかとなったとされている。また、包括 利益を活用されるかという問いに対し、財務諸表利用者の8割が活用すると答えている

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。  包括利益の導入により、財務諸表利用者に対し、当該企業の退職給付、証券投資、為替 に関するマーケットリスクを明示することになり、本業の利益と比較してそのリスクが過 大であるかどうかを把握することができるようになるため

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、このような結果が得られた のであろう。我が国における親会社概念による純利益では、少数株主持分が含まれていな いため、財務諸表利用者のリスク把握の算定時に、他国同業種の企業間比較をおこなう際、

比較可能性が損なわれる恐れが考えられる。また、本稿では連結基礎概念及び2つの利益 概念に共通する論点として少数株主持分を考察した。

 我が国では少数株主持分を株主持分以外の項目として純資産の部に表示しており、親会

社概念による、連結財務諸表の作成を選択している。そこで、本稿では個別会計における

会計主体論と連結基礎概念の考察をおこない今後の方向性を模索した。親会社概念及び経

済的単一体概念は、負債と資本(株主持分)の区分を前提としていることから、所有主説

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に帰属する概念であることを指摘した。そして、所有主説では、株主持分を経営参加目的 とした議決権ではなく残余請求権を想定し、かつ、親会社株主及び少数株主のいずれもが 子会社純資産に対して同等の残余請求権を有していることから、少数株主持分を連結資本 の構成要素とする経済的単一体概念が会計主体論と整合的であることを明らかにした。今 後も親会社概念を採用する場合は、どのような株主請求権を有しているのか、我が国は明 らかにしなければならない。

1 IASB 及び FASB では、少数株主持分という用語を非支配持分に改めた。本稿では、少数株主持分 と統一する。

2 G.C. Baxter & J.C. Spinney〔1975〕,  pp.32˜34.

3 I bid.,  pp.35˜36.

4 向伊知郎〔2008〕48〜49頁 5 向伊知郎〔2008〕50頁

6 FASB,〔1995〕,par. 22. 向伊知郎〔2008〕50頁

7 IASB,〔2004〕,par.4. 向伊知郎〔2008〕50頁,企業会計基準委員会訳〔2005〕

8 FASB,〔2007〕,pars. 29-30. 向伊知郎〔2008〕50頁,公認会計士協会訳〔2007〕14頁 9 FASB,〔2007〕B38. 向伊知郎〔2008〕50頁 公認会計士協会訳〔2007〕38頁

 

10 向伊知郎〔2008〕50頁  

11 武田隆二〔2008〕5〜6頁  

12 斉藤静樹〔2009〕41頁  

13 斉藤静樹〔2009〕41〜42頁  

14 安部由佳里〔2007〕9頁

15 IASB 及び FASB では、共同で概念フレームワークの開発を行っており、予備的見解において、「一 般目的外部財務報告により提供される情報は、ある1つのグループのニーズではなく、むしろより広 範な利用者のニーズに対応するべきである。したがって、財務報告は企業の所有者や他の特定グ ループの観点ではなく企業体の観点を反映するものとなる。」(IASB,〔2006〕par. OB10)として、

概念フレームワーク内においても、経済的単一体概念の検討をしている。

 

16 梅原秀継〔2006〕14〜16頁,黒川行治〔1997〕89〜92頁  

17 IASB 概念フレームワークパラグラフ49(c) によれば、「持分とは、企業のすべての負債を控除し た残余の資産に対する請求権である。」と規定されている。

 

18 梅原秀継〔2006〕16〜19頁、また同様に個別会計主体論から連結基礎概念を整理し、少数株主 持分の表示を分類した文献として次のものがある。佐藤信彦〔2003〕。

 

19 また、石川教授によれば、我が国株式市場は、少数株主持分を株主持分として評価していることが 実証研究から明らかになったとされている(石川博行〔2006〕71〜73頁)。

 

20 梅原秀継〔2006〕21〜24頁  

21 鳥毛拓馬〔2010〕25〜26頁  

22 鳥毛拓馬〔2010〕27頁

(15)

参考文献

1.  安部由佳里〔2007〕「利益概念と会計主体に関する一考察−連結基礎概念を中心に−」『関西学院 商学研究』第58号

2.石川博行〔2006〕「少数株主持分に対する株式市場の評価」『會計』第170巻第3号 3.梅原秀継〔2006〕「会計主体と株主持分」『會計』第169巻第4号

4.企業会計基準委員会訳 『国際財務報告基準書』レクシスネクシス・ジャパン 2005年

5.黒川行治〔1997〕「連結会計諸概念と情報の有用性−資本連結方法と財務諸表分析」『三田商学研 究』第40巻第3号

6.公認会計士協会訳〔2007〕 財務会計基準書第160号 「連結財務諸表中の非支配持分− ARB 第 51号の改訂」

7.斉藤静樹〔2009〕『会計基準の研究』中央経済社

8.佐藤信彦〔2003〕「少数株主持分の性格−会計主体との関連を中心にして」『企業会計』第55巻第 7号

9.武田隆二〔2008〕『最新財務諸表論』中央経済社  

10.鳥毛拓馬〔2010〕「利用者視点でみる包括利益会計基準とその影響」『旬刊経理情報』第1257号   

11.向伊知郎〔2008〕「少数株主持分と会計基準の国際的収斂」『愛知産業大学論叢 経営学研究』第 17巻第3号

参考文献(英文)

1.FASB,  〔1995〕,  ED,  Consolidated Financial Statement : Purpose and Policy, FASB.

2.FASB, 〔2007〕,SFAS No.160(Revised)Noncontrolling Interests in Consolidated Financial  Statements, FASB.

3.G.C.  Baxter  &  J.C.  Spinney〔1975〕 A  Closer  Look  at  Consolidated  Financial  Statement  Theory CA magazine Vol.106 No.1, January 1975.

4.IASB, 〔2004〕,IAS No.27, Consolidated and Separate Financial Statements, IASB.

5.  IASB,〔2006〕  Discussion  Paper,  Preliminary  Views  on  an  improved  Conceptual  Framework for Financial Reporting : The Objectives of Financial Reporting and Qualitative  Characteristics of Decision-useful Financial Reporting Information, July 2006.

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