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2.新 1.は ?支

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(1)

北 海 道 の 雪 氷 No.24(2005)

トピックス

鹿 が 起 こ した か

?支

笏 湖 畔 の 雪 崩

竹 内

 

政 夫 (雪研 ス ノー イ ー タ ー ズ)、 山 田

 

知 充 (北 海 道 工 業 大 学)

1.は

じめに

平成 17年 2月 19‑20日 、支笏湖畔の約 40° の急なカルデ ラ斜面の湖岸 を通る 国道 453号 の約 4kmの 間で、31カ 所の道路 を埋める雪崩が発生 した。雪崩 は急 斜面 に短時間(12〜

24時

間)で大量 (30cm以 上

)の

降雪 のあった時 に発生す る乾 雪表層雪崩であった。新雪 の層全体がなだれ る ことや地 山 に降 った場合 は全層 雪崩 となる ことか ら、表層、全層 を区別せず に新雪雪崩 と呼ぶ ことが多い。 同 時 に複数箇所で発生す る特徴 はあるが、平成 13年 2月 にほぼ同 じ箇所で発生 し た 16箇 所 も、今回の 31箇 所 も異常 に多い。また、平成 13年 にも数頭のエゾシ カが雪崩 に巻き込 まれていたが、今年 2月 の雪崩 には最終的に 44頭 のエゾシカ が雪崩 に巻き込 まれていた ことが確認 されている。鹿の行動は雪崩の引き金 に もな り、逆 に斜面の雪の安定化 にも働 く、 ここでは鹿 と雪崩の関わ りについて 述べ る。尚、本文 は トビックス として発表 した もので、研究論文 とは異な り内 容 に多少の厳密 さに欠 ける ところがある。

2.新

雪雪崩

最近北海道では急なため これ まで雪が積 もらなか った よ うな斜面 にも、短時 間 に 40cmを 超 える新雪が積 も り、雪崩 となった事例が多数報告 されるよ うにな った。北海道の急斜面では、数セ ンチ も新雪が積 もる と写真

1の

よ うな無数の 点発生表層雪崩 (スラフ

)が

間断な く発 生す るため、大量 に新雪が積 もる こと はない と考 え られてきた。 しか し、 これ まで大量の雪が積 もる ことも無 く雪崩 の発生履歴 も無かった、北海道で も寒冷な地方の勾配

45度

の急斜面か らも、厳 冬期 に雪崩 の発生事例が報告 されている。急斜面 に大量の雪が積 もるのは発達 した低気圧の通過 に寄る ことが多 く、その際の降雪時の気温は‑5〜0℃の間で高 め に推移 している ことが多 い (竹内ほか、2005)。 最近 にな って、 このよ うな 新雪雪崩 の発生が非常 に多 くな っている ことか ら、地球 の温暖化 の影響 をも連 想 させ られ る。新雪雪崩 は一旦発 生す る と流動性が高 く、樹林密度 の大 きい 自 然斜面や従来の雪崩予 防柵 (吊

)の

横張部材 の隙間や列間をもす り抜 けて流 れ下る (写真 2)。 このため雪崩対策 を難 しくしてお り、新雪雪崩 に対応 し得 る雪崩予防柵の開発が急務 とされている。

‑46‑

(2)

北 海 道 の 雪 氷 No 24(2005)

写真

点発生乾雪表層雪崩 (スラフ)

急斜面 に積 もるさ らさ らした雪 は無数のスラフとな って滑 り落 ちるので急斜面 には雪が積 もらない。雪崩の規模 を大きくしない一種の安全弁の働きをする。

写真

雪崩予防柵 をす り抜 けた雪崩

大量 の新雪が崩れる新雪雪崩 は流動化するため、樹林密度 の高い森林や雪崩 予防柵 をす り抜 けて流れ る ことが ある。

3.鹿

が起 こした雪崩

大量 の新雪が積 もって不安定 にな って も雪崩 になるとは限 らない。地震、動

‑47‑

(3)

北海道の雪氷

 No24(2005)

物や スキー ヤー な どが 引き金 とな って発 生す る ことが多 い とされ て いる。写真3 は 自然 に発 生 した雪崩 の破 断面 と鹿 の足 跡 で あるが 、足 跡 か らも雪 崩 が発 生 し て いるのが分 か る。 この ことか らも、

31の

雪崩 の幾 つ か は鹿 が 引き金 にな った と考 え られ る。 また、 図

1は

推定 され た 、雪 崩 の発 生時 刻 と雪 崩 の発 生件 数 を 示 した もので ある。最初 の発 生 は19日 23:00であ ったが 、約

12時

間 の間 に特 に

20日 9:00以

降 に発 生件数 が多 くな って いる。降雪 は 11:Ooには止 んで いた ので件 数 の多 さが 、

11時 30分

に約

60cmと

計測 され た新雪 の量 による ものか鹿 の活 動が活 発 にな って きた時 間帯 に相 当す るか は定 かで はな い。

写真

雪崩発生の上端 を示す破断面 と鹿の足跡

道路か ら見 えた雪崩の発生点 には鹿 の足跡 も残 って いた。雪崩 は小規模であっ たが道路 を埋めた

新雪雪崩 は新積雪深が 40〜

50cmで

発生す る ことが知 られるよ うになってき た。しか し、最初の雪崩が発生 した 19日 23:00は 支笏湖畔のテ レメータでは降 雪 は

10cm強

と記録 されている。また、最初の雪崩発生か ら

7時

間後 の 20日 6:00 には発生地点での断面観測で新雪の深 さが

40cmと

報告 されて いる。 同様 に、

20日

11:30で もテ レメータの値 は

35cmで

現地実測

(60cm)と

比べて小さく出 る傾向はある。その ことを考慮 して大 き く見積 もって も、最初の雪崩 は 30〜

40cmに

満 たない新雪が崩れた可能性が高 い。鹿の行動が引き金 にな ったのであ ろ うか

?も

しそ うであれば、雪崩 の発生条件 に鹿の行動 も考慮す る必要があ り、

雪崩の安全管理 にも影響 を与える ことになる。

逆 に鹿 の行動が雪崩管理 に役 に立つ こともある。一般的 には雪崩 が発生 した 区間では、安全のため降雪が止んだ後 も積雪が安定す るまでの例 えば

12時

間は 通行止 めにす る ことが望 ましいと考 えて きた。鹿の活発 な行動 は、雪崩の引き

‑48‑

=ノ

跡 C 足

F L ρ   O

I l J

(4)

北海道の雪氷

 N024(2005)

金 とな って雪 崩 エ ネル ギー の解放 にな り、脆 い新雪 をか き回す ことによ って斜 面 の積雪 を安定化 す る ことに もな る。そ のた め、支笏湖畔 の よ うに鹿 の行 動 が 活発 な場合 は待機 時 間 を短縮 で きる。今 回の雪崩危 険度調査 で は斜 面 に鹿 の群 れや足跡 が道路 に平行 に随所 に見 られ 、それ が決 め手 にな って雪崩 の危 険は小 さい と評価 され、直 ぐに除雪作 業 に入 る ことがで きた。鹿 の効 能 ともいえよ う。

20駄

15翠

10潔

8  8  8

発生時刻

雪崩発生時間 (推

)と

件数

(453号

支笏湖畔)

最初の雪崩が発生 した 2月 19日 23:00か ら

20日

10:30の

11時

30分

の間 に 31カ 所で雪崩が発生 したが、降雪が止んだ

11時

には治 まった。

4.あ

とがき

国道

453号

支笏湖湖畔の約

4km区

間で道路 に達する雪崩が

31箇

所で発生 し た。支笏湖湖畔では鹿が大繁殖 し、雪崩発生後の調査にも 20〜

30頭

の群れが幾 つ も見 られたが、雪崩の跡には多数の鹿の死骸が残 されていた。鹿の足跡か ら 発生 した形跡 も見 られた。鹿の行動が幾つかの雪崩 を誘発 した と考え られるが、

鹿は雪崩の引き金 になるとともに斜面の雪の安定化にも役立っている。

5.文

竹内、大槻、山田、石本、2005、 北海道の道路雪崩と現場対応、雪工学会誌 2005‑4 掲載予定

‑49‑

参照

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