九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
Mucosal IL23A expression predicts the response to Ustekinumab in inflammatory bowel disease
西岡, 慧
http://hdl.handle.net/2324/4784503
出版情報:九州大学, 2021, 博士(医学), 課程博士 バージョン:
権利関係:やむを得ない事由により本文ファイル非公開 (2)
(別紙様式2)
論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨
西岡 慧 氏 名
副 査 九州大学 教授 中村 雅史 副 査 九州大学 教授 新納 宏昭
炎症性腸疾患(IBD)に対する強化治療として、抗腫瘍壊死因子(TNF)-α抗体製剤が使われて久 しいが、近年インターロイキン(IL)-12及びIL-23のp40サブユニットに対する生物学的製剤(ウ ステキヌマブ)の使用が増加している。しかし、これらの治療効果予測因子に関する情報は限ら れている。申請者らは、それらの治療効果予測因子を探索する事を目的とした。抗TNF-α抗体に ついてはIBD患者33名を対象としたレトロスペクティブ研究を、ウステキヌマブ(UST)について はIBD患者23名と非IBD患者11名を対象としたプロスペクティブ研究を行った。腸管の粘膜生検標 本を治療開始前に採取し、18の代表的なサイトカイン及び転写因子を定量的ポリメラーゼ連鎖反 応(PCR)で解析した。患者背景については、治療抵抗群と有効群の間に差は見られなかった。オ ンコスタチンM(OSM)とその受容体(OSMR)の発現量が多い事が抗TNF-α抗体の治療抵抗性と最 も強く関連し、IL23Aの発現量が少ない事がUSTの治療抵抗性と最も強く関連していた。また、遺 伝子の絶対的な発現量に加えて、特定の遺伝子セットの発現の傾向が治療感受性や抵抗性と関与 していた。抗TNF-α抗体抵抗性と腸管粘膜のOSM及びOSMRの発現との関連は、欧州でのコホートで 行われた先行研究の結果と一致した。腸管粘膜のIL23Aの発現が高いとUSTによる寛解を達成する 可能性が高いという今回の研究結果はこれまで報告がなく、今後の薬剤選択の一助となりうると 考えられた。
以上の成績はこの方面の研究の発展に重要な知見を加えた意義あるものと考えられる。本論文 についての試験はまず論文の研究目的、方法、実験成績などについて説明を求め、各調査委員よ り専門的な観点から論文内容及びこれに関連した事項について種々質問を行ったが適切な回答を 得た。
よって調査委員合議の結果、試験は合格と決定し、博士(医学)の学位に値すると認める。
論 文 名 Mucosal IL23A expression predicts the response to Ustekinumab in inflammatory bowel disease
論文調査委員
主 査 九州大学 教授 澤 新一郎