【野菜】 病害虫・雑草の発生生態と防除 目次
共通 【病害】 1.灰色かび病 p 1 2.菌核病 p 2 3.うどんこ病 p 3 4.白絹病 p 4 5.ウイルス病(モザイク病含む) p 6 6.軟腐病 p 8 7.青枯病 p 10 【害虫】 1.ハダニ類 p 12 2.ホコリダニ類 p 13 3.アザミウマ類 p 14 4.アブラムシ類 p 17 5.ハモグリバエ類 p 18 6.ヤガ類 p 20 7.コナジラミ類 p 22 8.コガネムシ類 p 24 9.ネキリムシ類 p 25 10.ナメクジ類・カタツムリ類 p 26 11.コオロギ類 p 27 12.センチュウ類 p 28 イチゴ病害 1.灰色かび病 p 31 2.菌核病 …「共通」の項参照 3.うどんこ病 p 32 4.炭疽病 p 33 5.輪斑病 p 35 6.疫病 p 36 イチゴ害虫 1.アザミウマ類 p 39 2.アブラムシ類 p 39 3.ハダニ類 p 40 4.ヤガ類(ハスモンヨトウ、オオタバコガ) …「共通」の項参照 5.イチゴメセンチュウ p 41 6.クルミネグサレセンチュウ p 41 7.チャノキイロアザミウマ p 42 8.チビクロバネキノコバエ p 42 9. イチゴハナゾウムシ p 43 10.カキノヒメヨコバイ p 43 ナス病害 1.モザイク病 p 44 2.青枯病…「共通」の項参照 3.茎腐細菌病 p 45 4.灰色かび病 …「共通」の項参照 5.菌核病 p 46 6.綿疫病 p 47 7.褐紋病 p 48 8.黒枯病 p 49 9.うどんこ病 p 50 10.すすかび病 p 51 11.すす斑病 p 52 12.半枯病 p 53 13.半身萎凋病 p 54 14.褐色腐敗病 p 55 ナス害虫 1.ミナミキイロアザミウマ p 564.アブラムシ類 p 57 5.ハダニ類 p 58 6.ホコリダニ類…「共通」の項参照 7.ニジュウヤホシテントウ p 59 (テントウムシダマシ) 8.ヤガ類(ハスモンヨトウ、オオタバコガ) …「共通」の項参照 9.センチュウ類(ネコブセンチュウ) …「共通」の項参照 10.ホオズキカメムシ …「ピーマン」の項参照 トマト病害 1.モザイク病 p 60 2.青枯病…「共通」の項参照 3.かいよう病 p 61 4.軟腐病 p 63 5.茎えそ細菌病 p 64 6.斑点細菌病 p 65 7.灰色かび病 p 66 8.菌核病 …「共通」の項参照 9.ばら色かび病 p 67 10.葉かび病 p 68 11.輪紋病 p 69 12.白絹病…「共通」の項参照 13.小粒菌核病 p 70 14.萎凋病・根腐萎凋病 p 71 15.疫病 p 72 16.すすかび病 p 73 17.黄化葉巻病 …「防除方法の試験研究成果等」参照 18.黄化病 22.半身萎凋病 p 78 23.斑点病 p 79 トマト害虫 1.コナジラミ類 p 80 2.ハモグリバエ類 p 80 3.トマトサビダニ p 81 4.アブラムシ類 …「共通」の項参照 5.ホオズキカメムシ …「ピーマン」の項参照 6.ネコブセンチュウ類 …「共通」の項参照 ピーマン病害 1.モザイク病 …「共通」の項参照 2.青枯病 …「共通」の項参照 3.うどんこ病 p 82 ピーマン害虫 1.ホオズキカメムシ p 82 2.コナジラミ類 …「共通」の項参照 3.アブラムシ類 …「共通」の項参照 4.ミナミキイロアザミウマ …「共通」の項参照 キュウリ病害 1.モザイク病 p 83 2.斑点細菌病 p 84 3.縁枯細菌病 p 85 4.灰色かび病 p 85 5.菌核病 …「共通」の項参照 6.べと病 p 86 7.褐斑病 p 87 8.炭疽病 p 88 9.うどんこ病 p 89 10.黒星病 p 90 11.つる枯病 p 90
15.黄化えそ病 …「防除方法の試験研究成果等」参照 キュウリ害虫 1.ミナミキイロアザミウマ …「共通」の項参照 2.コナジラミ類 …「共通」の項参照 3.アブラムシ類 …「共通」の項参照 4.ハダニ類 …「共通」の項参照 5.ホコリダニ類 p 93 6.ウリハムシ(ウリバエ) p 93 7.タネバエ p 94 8.キノコバエ類 p 94 9.センチュウ類(ネコブセンチュウ) …「共通」の項参照 10.ワタヘリクロノメイガ p 95 11.ウリキンウワバ p 95 スイカ病害 1.緑斑モザイク病 p 96 2.黒星病 …「キュウリ」の項参照 3.炭疽病…「キュウリ」の項参照 4.つる枯病…「キュウリ」の項参照 5.つる割病 p 96 6.疫病 p 97 スイカ害虫 1.アブラムシ類 …「共通」の項参照 2.ダニ類 p 97 3.ウリハムシ(ウリバエ) …「キュウリ」の項参照 メロン類の病害 (メロン・マクワウリ・シロウリ) 1.えそ斑点病 p 98 2.灰色かび病 p 98 3.菌核病 p 98 6.うどんこ病 p 99 7.炭疽病 …「キュウリ」の項参照 8.つる枯病…「キュウリ」の項参照 9.つる割病 p 100 10.疫病 …「キュウリ」の項参照 11.退緑黄化病 …「防除方法の試験研究成果等」参照 メロン類の害虫 1.ミナミキイロアザミウマ …「共通」の項参照 2.アブラムシ類 …「共通」の項参照 3.ダニ類 …「共通のハダニ・ホコリダニ類」の項参照 4.ウリハムシ(ウリバエ) p 100 …「キュウリ」の項参照 スイートコーン害虫 1.アブラムシ類 …「共通」の項参照 2.アワノメイガ p 101 3.アワヨトウ p 102 オクラ病害 1.黒根病 p 103 2.苗立枯病 p 103 オクラ害虫 1.アブラムシ類 p104 2.フタトガリコヤガ p104 3.ワタノメイガ p104 サヤインゲン病害 1.モザイク病 p105 2.灰色かび病 …「共通」の項参照 3.菌核病 …「共通」の項参照
6.白絹病…「共通」の項参照 7.根腐病 p106 サヤインゲン害虫 1.ハモグリバエ類…「共通」の項参照 2.マメアブラムシ p106 3.ハダニ類 …「共通」の項参照 4.コガネムシ類…「共通」の項参照 5.コナジラミ類 …「共通」の項参照 6.アザミウマ類 …「共通」の項参照 ソラマメ病害 1.モザイク病 p107 2.赤色斑点病 p107 ソラマメ害虫 1.アブラムシ類 p108 実・サヤエンドウ病害 1.灰色かび病 p109 2.うどんこ病 p109 実・サヤエンドウ害虫 1. ハモグリバエ類(ナモグリバエ) …「共通」の項参照 アブラナ科病害 共通 1.軟腐病…「共通」の項参照 2.黒斑細菌病 p110 3.黒腐病 p110 4.黒斑病 p110 5.べと病 p111 6.菌核病…「共通」の項参照 7.根朽病 p111 1.モザイク病 p114 2.白斑病 p115 ハクサイ・タカナ・ヤマシオナ・ブロッコリー 1.白さび病 p116 ダイコン 1.萎黄病 p117 2.わっか症 p117 アブラナ科害虫 共通 1.アブラムシ類 p118 2.キスジノミハムシ p119 3.ヤサイゾウムシ p119 4.コナガ p120 5.アオムシ(モンシロチョウ) p121 6.ハイマダラノメイガ p121 (ダイコンシンクイムシ) 7.ヤガ類…「共通」の項参照 8.ネキリムシ類…「共通」の項参照 9.コオロギ類 …「共通」の項参照 10.ウスカワマイマイ…「共通」の項参照 11.カブラハバチ p122 12.ハモグリバエ類(ナモグリバエ) …「共通の項」参照 ダイコン 1.キタネグサレセンチュウ p123 2.ダイコンサルハムシ p123 レタス類病害 1.モザイク病 p124 2.萎黄病 p124 3.腐敗病 p125 4.斑点細菌病 p125
9.根腐病 p127 10.べと病 p127 レタス類害虫 1.アブラムシ類 p128 2.ヤガ類 p128 3.ハモグリバエ類(ナモグリバエ) …「共通」の項参照 4.ネキリムシ類 …「共通」の項参照 5.ウスカワマイマイ …「共通」の項参照 ネギ・タマネギ病害 1.萎黄病 p129 2.軟腐病 p129 3.貯蔵病害 p129 4.疫病 p130 5.白色疫病 p130 6.黒点葉枯病 p130 7.黒斑病 p131 8.さび病 p131 9.べと病 p132 10.葉枯症(ボトリチス属菌) p132 11.乾腐病 p133 12.萎凋病(ネギ) p133 ネギ・タマネギ害虫 1. アザミウマ類(ネギアザミウマ) …「共通」の項参照 2.ネギハモグリバエ p134 3.ネギアブラムシ p134 4.ロビンネダニ p135 5.ネギコガ p135 6.ヤガ類(シロイチモジヨトウ) …「共通」の項参照 ニラ病害 1.さび病…「ネギ・タマネギ」の項参照 2.乾腐病…「ネギ・タマネギ」の項参照 3.えそ条斑病 p136 ニラ害虫 1. アザミウマ類(ネギアザミウマ) …「共通」の項参照 2.ロビンネダニ …「ネギ・タマネギ」の項参照 3.ネギアブラムシ …「ネギ・タマネギ」の項参照 アスパラガス病害 1.斑点病 p137 2.褐斑病 p138 3.茎枯病 p139 4.立枯病、株腐病 p139 5.灰色かび病 p140 アスパラガス 1. アザミウマ類(ネギアザミウマ) …「共通」の項参照 2.コナジラミ類…「共通」の項参照 3.アブラムシ類…「共通」の項参照 4.ハダニ類…「共通」の項参照 5.ヤガ類…「共通」の項参照 ホウレンソウ病害 1.べと病 p141 2.炭疽病 p141 3.斑点病 p142 4.萎凋病 p142 5.株腐病 p143 ホウレンソウ害虫 1.アカザモグリハナバエ p143
3.ホウレンソウケナガコナダニ p144 4.ヤガ類(ハスモンヨトウ) …「共通」の項参照 シュンギク病害 1.べと病 p145 2.炭疽病 p145 シュンギク害虫 1.ハモグリバエ類 …「共通」の項参照 フキ病害 1.白絹病…「共通」の項参照 2.半身萎凋病 p146 フキ害虫 1.フキノメイガ p146 ミョウガ病害 1.いもち病 …「ショウガ」の項参照 2.葉枯病 p147 3.根茎腐敗病 …「ショウガ」の項参照 ミョウガ病害 1.アワノメイガ p147 パセリ病害 1.うどんこ病 p148 パセリ害虫 1. アザミウマ類(ネギアザミウマ) …「共通」の項参照 2.ヤガ類(ハスモンヨトウ) …「共通」の項参照 2.ヤガ類(ヨトウガ) …「共通」の項参照 ニンジン病害 1.軟腐病…「共通」の項参照 2.うどんこ病 p150 3.黒斑病 p150 4.黒葉枯病 p151 5.白絹病…「共通」の項参照 ニンジン害虫 1.キアゲハ p151 2.ヤガ類 p151 3.ネキリムシ類 …「共通」の項参照 4.センチュウ類(ネコブセンチュウ) …「共通」の項参照 サトイモ病害 1.軟腐病…「共通」の項参照 2.汚斑病 p152 サトイモ害虫 1.セスジスズメ p152 2.センチュウ類(ネコブセンチュウ) …「共通」の項参照 3.ヤガ類(ハスモンヨトウ) …「共通」の項参照 4.ハダニ類(カンザワハダニ) …「共通」の項参照 カンショ病害 1.黒斑病 p153 カンショ害虫 1.ナカジロシタバ p153
バレイショ病害 1.モザイク病 p155 2.軟腐病 p155 3.そうか病 p156 4.疫病 p156 5.粉状そうか病 p157 バレイショ害虫 1.アブラムシ類 p158 2.ニジュウヤホシテントウ (テントウムシダマシ)…「ナス」の項参照 3.ジャガイモガ p158 ゴボウ病害 1.やけ症 p159 ゴボウ害虫 1.ハモグリバエ類 …「共通」の項参照 2.アブラムシ類 p159 3.センチュウ類(キタネグサレセンチュウ) …「共通」の項参照 ショウガ病害 1.いもち病 p160 2.紋枯病 p160 3.根茎腐敗病 p161 ショウガ害虫 1.アワノメイガ p161 2.アズキノメイガ(フキノメイガ) …「フキ」の項参照 ヤマノイモ病害 1.モザイク病 p162 2.根腐病 p162 ヤマノイモ害虫
共通
1 . 灰 色 か び 病
B o t r y t i s c i n e r e a 〈 生 態 〉 果 実 や 葉 な ど に 、 灰 色 の か び が 密 生 し た 病 斑 を 生 じ る 。 病 原 菌 は 被 害 残 渣 中 の 菌 糸 や 土 壌 中 の 菌 核 で 越 年 す る が 、 施 設 栽 培 で は 罹 病 植 物 体 の 菌 糸 、 分 生 胞 子 な ど で も 容 易 に 越 年 す る 。 病 原 菌 の 発 育 適 温 は 2 2 ℃ 付 近 に あ り 、 分 生 胞 子 は 空 気 湿 度 が 8 0 ~ 9 0 % と 高 い 時 に 多 量 に 形 成 さ れ 、 風 や わ ず か な 振 動 で 飛 散 し 空 気 伝 染 す る 。 分 生 胞 子 は 開 花 後 に 萎 れ た 花 弁 に と り つ き や す く 、 花 梗 や 葉 身 、 葉 柄 に も 発 病 す る 。 一 旦 発 病 す る と 病 斑 上 に は 極 め て 多 量 の 分 生 胞 子 を 形 成 し 、 そ の 後 の ま ん 延 が 著 し く な る 。 気 温 が 2 0 ℃ 前 後 で 湿 度 が 高 い 場 合 に 発 病 し や す く 、 施 設 栽 培 で 発 生 が 多 い 。 特 に 暖 房 施 設 が な く 、 保 温 の た め に 密 閉 し た 多 湿 ハ ウ ス な ど で 被 害 が 著 し い 。 ま た 、 軟 弱 な も の や 過 繁 茂 の 場 合 は 発 病 し や す く 、 朝 夕 の 急 激 な 冷 え 込 み は 発 生 を 著 し く 助 長 す る 。 本 病 菌 は イ チ ゴ 、 ナ ス 、 ト マ ト 、 キ ュ ウ リ 、 レ タ ス 等 に 寄 生 し 、 極 め て 多 犯 性 で あ る 。 〈 防 除 法 〉 ( 1 ) 比 較 的 低 温 で 多 湿 の 場 合 に 発 病 が 多 い の で 、 ハ ウ ス で は 換 気 を 図 り 、 ま た 、 加 温 機 や 除 湿 機 を 運 転 す る 等 し て 多 湿 を 避 け る こ と が 最 も 重 要 で あ る 。 露 地 栽 培 で は 排 水 を よ く し 、 過 繁 茂 に な ら な い よ う に 施 肥 、 整 枝 を お こ な う 。 ( 2 ) 発 病 後 、 菌 密 度 が 高 く な る と 防 除 が 難 し い の で 、 発 病 茎 葉 な ど を 取 り 除 く と と も に 発 病 初 期 の う ち に 防 除 を 徹 底 す る 。 ( 3 ) プ ラ ス チ ッ ク フ イ ル ム で マ ル チ を 行 い 、 マ ル チ 下 か ん 水 を 行 っ て ハ ウ ス 内 湿 度 を 高 め な い よ う に す る 。 ナ ス の 病 果 ナ ス の 病 葉共通
2 . 菌 核 病
S c l e r o t i n i a s c l e r o t i o r u m 〈 生 態 〉 病 斑 は 上 下 に 拡 大 し 、 病 斑 上 に は 白 い 絹 の よ う な か び を 生 じ る 。 病 斑 が 茎 を と り ま く と 、 そ こ か ら 上 の 茎 葉 は 枯 れ て し ま う 。 病 原 菌 は 、 被 害 部 に 生 じ た 鼠 糞 状 の 菌 核 が 落 下 し 、 土 壌 中 で 越 年 、 越 夏 す る 。 春 と 秋 の 比 較 的 低 温 期 に 子 の う 盤 ( キ ノ コ ) を 作 り 、 子 の う 胞 子 を 飛 散 し て 伝 染 す る 。 こ の 菌 核 は 不 適 な 環 境 に 対 す る 抵 抗 力 が 非 常 に 強 く 土 中 で 2 ~ 3 年 は 生 存 す る 。 菌 糸 の 発 育 適 温 は 1 5 ~ 2 0 ℃ 前 後 で 、 多 湿 の 場 合 に 発 病 が 多 い 。 ハ ウ ス 、 ト ン ネ ル 栽 培 で は 一 般 に 春 季 は 3 ~ 4 月 、 秋 季 は 1 1 月 に 発 生 が 多 い が 、 冬 季 で も 発 生 す る 。 露 地 で は 春 の 3 ~ 4 月 頃 と 秋 の 9 ~ 1 1 月 頃 に 発 生 に 発 生 が 多 い 。 本 病 菌 は 多 犯 性 で あ り 、 ナ ス 科 を は じ め ウ リ 科 、 ア ブ ラ ナ 科 、 マ メ 科 等 多 く の 作 物 を 侵 す 。 水 田 の 裏 作 で は 発 生 が 少 な い 。 病 菌 が 付 着 し て い る と 、 輸 送 中 に お い て も 発 病 す る 。 〈 防 除 法 〉 ( 1 ) 比 較 的 低 温 で 多 湿 の 場 合 に 発 病 す る の で 、 施 設 栽 培 、 ト ン ネ ル で は 保 温 と 換 気 を 図 り 、 発 病 初 期 に 防 除 を 徹 底 す る 。 ( 2 ) 施 設 栽 培 で は 、 プ ラ ス チ ッ ク フ ィ ル ム で マ ル チ を 行 い 、 子 の う 盤 か ら の 子 の う 胞 子 の 飛 散 を 防 ぐ と と も に 、 マ ル チ 下 か ん 水 を 行 っ て 湿 度 を 高 め な い よ う に す る 。 ( 3 ) 露 地 で は 、 春 秋 の 大 雨 の 後 に 注 意 し 、 発 生 初 期 の 防 除 を 徹 底 す る 。 ( 4 ) 露 地 で は 、 多 発 ほ 場 で は 、 水 田 転 換 を 行 う か 、 夏 期 に 湛 水 す る 。 ( 5 ) 被 害 葉 、 被 害 株 、 被 害 果 、 被 害 茎 葉 や 不 用 な 花 弁 は 菌 核 を 作 ら な い う ち に 早 め に 除 去 す る 。 ( 6 ) 発 病 の 恐 れ の あ る ほ 場 で は 、 果 菜 類 で は 3 0 c m 以 上 、 葉 菜 類 で は 5 ㎝ 以 上 の 反 転 耕 を 行 い 、 菌 核 を 埋 没 さ せ て 子 の う 盤 の 形 成 を 抑 え る 。 ( 7 ) 輪 作 を 行 う 。 キ ャ ベ ツ の 病 株 と 菌 核 ( 写 真 : 福 岡 県 園 芸 ・ 茶 病 害 虫 図 鑑 よ り )共通
3 . う ど ん こ 病
G o l o v i n o m y c e s s p p . O i d i u m s p p . S p h a e r o t h e c a s p p . E r y s i p h e s p p . U n c i n u l a s p p . P o d o s p h a e r a s p p . 〈 生 態 〉 下 位 葉 の 葉 の 裏 か ら 発 病 、 薄 い 白 色 菌 そ う を 生 じ 、 後 ひ ど く な る と 葉 が 黄 変 、 落 葉 し 被 害 が 大 き く な る 。 菌 そ う の 色 が 薄 く 葉 裏 に 発 生 す る の で 発 見 が 遅 れ や す く 、 防 除 が 手 遅 れ に な る こ と が あ る 。 本 菌 は 、 キ ュ ウ リ 、 カ ボ チ ャ 、 メ ロ ン 、 ゴ ボ ウ 、 フ キ な ど 多 く の 植 物 を 寄 主 と し て い る が 、 寄 主 性 に 相 違 が あ り 、 系 統 の 異 な る も の が あ る 。 ま た 、 本 菌 は い ず れ も 生 き た 植 物 ( 細 胞 ) に し か 寄 生 し な い 絶 対 ( 活 物 ) 寄 生 菌 で 、 発 病 適 温 は 2 0 ~ 2 5 ℃ で あ る 。 第 一 次 伝 染 源 は 被 害 株 上 の 子 の う 胞 子 と 考 え ら れ 、病 斑 上 の 分 生 子 は 第 二 次 伝 染 源 と な る 。 な お 窒 素 過 多 、 過 繁 茂 は 発 病 を 助 長 す る 。 病 原 菌 は 、 施 設 栽 培 で は 罹 病 組 織 上 の 分 生 胞 子 、 菌 糸 の 形 態 で 越 年 す る 。 乾 燥 条 件 で は 、 気 温 が 2 8 ℃ 前 後 で 通 風 の 悪 い 場 合 発 病 が 多 い が 、 多 湿 条 件 で も 発 病 す る 。 施 設 栽 培 で は 周 年 的 に 発 生 す る が 、 露 地 栽 培 で は 平 均 気 温 が 2 0 ℃ 以 上 に な る と 初 発 が み ら れ 、 夏 か ら 秋 に か け て 多 発 す る 。 な お 、O i d i u m 属 菌 な ど に つ い て は 完 全 世 代 が 確 認 さ れ て お ら ず 、 生 活 環 は 不 明 で あ る 。 〈 防 除 法 〉 ○ 耕 種 的 防 除 ( 1 ) 被 害 残 渣 を ほ 場 内 に 残 さ な い よ う に す る 。 ( 2 ) 無 病 苗 を 植 え 付 け る 。 発 病 し た 茎 葉 は 速 や か に 除 去 す る 。 ( 3 ) 株 の 過 繁 茂 や 草 勢 の 低 下 を 防 止 す る た め 、 適 切 な 施 肥 を 行 う 。 ( 4 ) 密 植 を 避 け 、 不 用 な 枝 葉 は 除 去 、 処 分 し 、 通 風 、 採 光 を よ く す る 。 ( 5 ) 病 勢 が 進 展 し て か ら で は 防 除 が 困 難 な の で 、 早 期 発 見 、 早 期 防 除 に 努 め る 。 ( 6 ) 施 設 栽 培 で は 多 湿 に な ら な い よ う に 換 気 に 注 意 す る と と も に 、 ほ 場 の 排 水 対 策 も 心 が け る 。 ( 7 ) ほ 場 周 辺 の 雑 草 管 理 を 徹 底 す る 。共通
4 . 白 絹 病
S c l e r o t i u m r o l f s i i 〈 生 態 〉 主 に 茎 の 地 際 部 に 発 生 す る 。初 め 暗 褐 色 の や や く ぼ ん だ 病 斑 を 生 じ 、拡 大 し て 茎 を と り ま き 、く び れ を 生 じ る 。病 斑 上 に は 白 色 絹 糸 状 の 菌 糸 を 生 じ 、の ち 多 数 の 菌 核 を 生 じ る 。菌 核 は ナ タ ネ 粒 大 で 、ほ ぼ 斉 一 な 球 状 を し て お り 、は じ め 白 色 を 呈 す る が 、の ち 黄 白 色 な い し 褐 色 に 変 わ る 。菌 核 は 発 病 株 周 辺 の 土 の 上 で も 多 数 認 め ら れ 、 生 育 は 不 良 と な り 、 萎 凋 し て つ い に は 枯 死 す る 。 病 原 菌 は 、被 害 株 や 株 の 周 辺 土 壌 表 面 に 形 成 さ れ た 菌 核 で ほ 場 に 残 り 、土 壌 中 で は 5 ~ 6 年 間 生 存 し 、 第 一 次 伝 染 源 と な る 。 発 病 は 2 5 ~ 3 5 ℃ の 高 温 条 件 が 適 し て お り 、高 温 ・ 多 湿 で 被 害 が 多 い 。育 苗 床 で 感 染 し た 苗 を 持 ち 込 ん で 発 病 す る 場 合 も 多 い の で 、 育 苗 床 で は 無 病 土 を 使 用 す る 。 菌 核 は 3 ~ 4 ヶ 月 湛 水 す る と 死 滅 す る の で 、水 稲 と の 輪 作 が 有 効 で あ る と さ れ て い る が 、実 際 に は 畦 な ど に 菌 核 が 付 着 し て 生 き 残 る 例 が 多 く 、 決 定 的 な 対 策 と は な り 得 な い 。 わ ら 等 の 有 機 物 を 多 量 に 土 壌 に 混 和 す る と 、株 元 ま で 敷 き わ ら を す る と 土 壌 湿 度 が 高 ま り 、多 発 す る こ と が あ る 。病 原 菌 は 非 常 に 多 犯 性 で あ り 、ナ ス 科 を 始 め マ メ 科 、 ウ リ 科 な ど 1 6 0 種 以 上 の 植 物 を 侵 す 。 露 地 栽 培 で は 、高 温 期 、と く に 梅 雨 期 か ら 夏 の 終 わ り 頃 に か け て 、多 湿 状 態 で 被 害 が 多 い 。 〈 防 除 法 〉 ( 1 ) 土 壌 中 に 残 存 し た 菌 核 が 第 一 次 伝 染 源 と な る の で 、 前 年 発 病 し た ほ 場 で は で き る だ け 連 作 を 避 け る か 土 壌 消 毒 を 行 う 。ま た 、菌 核 は 3 ~ 4 か 月 湛 水 す る と 死 滅 す る の で 、 イ ネ 科 作 物 と の 輪 作 が 有 効 で あ る 。 ( 2 ) 連 作 を 避 け る 。 ( 3 ) 被 害 株 お よ び 病 原 菌 が 付 着 し た 敷 き わ ら や 土 壌 表 面 上 の 菌 核 等 は 直 ち に 除 去 、 処 分 す る 。 ( 4 ) 3 ~ 4 年 間 イ ネ 科 作 物 を 輪 作 す る か 、 田 畑 輪 換 を 行 う 。 ( 5 ) 無 病 苗 ・ 種 茎 を 植 え 付 け る 。 ( 6 ) 敷 き わ ら を す る 場 合 は 、 株 元 は 覆 わ ず に 乾 燥 さ せ 通 路 な ど に 行 う 。 ( 7 ) 菌 核 の 死 滅 を 図 る た め 、 休 閑 期 に 天 地 返 し を 行 う 。共通
地 際 部 の 白 色 菌 糸
共通
5 . ウ イ ル ス 病 ( モ ザ イ ク 病 含 む )
〈 生 態 〉 植 物 が ウ イ ル ス 病 に 罹 病 す る と 、宿 主 と ウ イ ル ス 種 の 組 合 せ に よ っ て 異 な る が 、 一 般 に 花 弁 や 葉 に 濃 淡 の ま だ ら が 生 じ る モ ザ イ ク 症 状 、葉 の 黄 化 、 斑 紋 、 輪 紋 、 茎 葉 が 壊 死 す る え そ 症 状 、 葉 が 縮 れ る 縮 葉 、 株 全 体 が 縮 む 萎 縮 や わ い 化 症 状 な ど 様 々 な 症 状 が 現 れ る 。 多 く の ウ イ ル ス は ア ブ ラ ム シ 類 に よ っ て 媒 介 さ れ る が 、ア ザ ミ ウ マ 類 、コ ナ ジ ラ ミ 類 な ど の 虫 媒 感 染 、セ ン チ ュ ウ 類 、土 壌 中 の 糸 状 菌 な ど に よ る 土 壌 感 染 、種 子 や 種 イ モ か ら の 感 染 や 、感 染 植 物 と 健 全 植 物 の 接 触 や 管 理 作 業 中 に 剪 定 バ サ ミ や 指 に 付 着 し た 時 の 汁 液 感 染 が あ る 。( 表 参 照 ) ウ イ ル ス 病 に 感 染 ・ 発 病 す る と 有 効 な 薬 剤 は 無 い の で 、伝 染 経 路 に 応 じ た 予 防 に 努 め る こ と が 重 要 で あ る 。 < 防 除 法 > ・ 共 通 発 病 株 は 早 期 に 発 見 し 、 除 去 、 処 分 す る 。 ま た 、 収 穫 後 の 残 渣 も 不 用 意 な 投 棄 等 を 行 わ な い よ う に 注 意 す る 。 耐 病 性 品 種 を 栽 培 す る 。 ・ 虫 媒 感 染 ( 1 ) 防 虫 ネ ッ ト や シ ル バ ー ポ リ マ ル チ な ど 媒 介 虫 に 忌 避 効 果 の あ る 資 材 の 利 用 に よ り 保 毒 虫 の 侵 入 抑 制 に 努 め る 。 ( 2 ) ほ 場 周 辺 の 除 草 を 徹 底 し 、 ウ イ ル ス 媒 介 虫 の 増 殖 源 を 断 つ 。 ( 3 ) 育 苗 中 に 寒 冷 紗 被 覆 を 行 い ア ブ ラ ム シ 類 の 飛 来 を 防 ぐ 。 ・ 土 壌 感 染 輪 作 も し く は 土 壌 消 毒 を 行 う 。 ・ 種 子 ・ 種 イ モ 感 染 ウ イ ル ス に 汚 染 さ れ て い な い 種 苗 を 用 い る 。 種 子 消 毒 を 行 う 。 ・ 汁 液 感 染 ( 1 ) 剪 定 や 株 分 け 時 に 使 用 す る ハ サ ミ や ナ イ フ は 煮 沸 処 理 、 ま た は 第 三 リ ン 酸 ナ ト リ ウ ム な ど で 消 毒 し 、 汁 液 感 染 の 防 止 に 努 め る 。 ( 2 ) 発 病 ほ 場 で は ハ サ ミ 等 を 数 本 用 意 し 、 順 次 消 毒 し な が ら 管 理 を 行 う 。 ( 3 ) 誘 引 、 摘 心 、 摘 葉 等 の 際 は 、 病 株 に 触 れ な い よ う に 注 意 す る 。 ( 4 ) や む を 得 ず 触 れ た 場 合 は 、 手 指 を 石 け ん で よ く 洗 う 。共通
表 主 要 野 菜 の ウ イ ル ス 病 及 び 伝 染 経 路 作 物 名 病 名 ウ イ ル ス 種 類 伝 染 経 路 ナ ス モ ザ イ ク 病 キ ュ ウ リ モ ザ イ ク ウ イ ル ス ( C M V ) タ バ コ モ ザ イ ク ウ イ ル ス ( T M V ) ア ブ ラ ム シ 類 、 汁 液 汁 液 、 土 壌 、 種 子 ト マ ト モ ザ イ ク 病 キ ュ ウ リ モ ザ イ ク ウ イ ル ス ( C M V ) ト マ ト モ ザ イ ク ウ イ ル ス ( T o M V ) ジ ャ ガ イ モ X ウ イ ル ス ( P V X ) ア ブ ラ ム シ 類 汁 液 、 土 壌 、 種 子 汁 液 黄 化 え そ 病 ト マ ト 黄 化 え そ ウ イ ル ス ( T S W V ) ア ザ ミ ウ マ 類 黄 化 葉 巻 病 ト マ ト 黄 化 葉 巻 ウ イ ル ス ( T Y L C V ) タ バ コ コ ナ ジ ラ ミ ピ ー マ ン モ ザ イ ク 病 キ ュ ウ リ モ ザ イ ク ウ イ ル ス ( C M V ) タ バ コ モ ザ イ ク ウ イ ル ス ( T M V ) ア ブ ラ ム シ 類 、 汁 液 汁 液 、 土 壌 、 種 子 キ ュ ウ リ モ ザ イ ク 病 キ ュ ウ リ モ ザ イ ク ウ イ ル ス ( C M V ) ス イ カ モ ザ イ ク ウ イ ル ス ( W M V ) パ パ イ ア 輪 点 ウ イ ル ス ( P R S V ) ズ ッ キ ー ニ 黄 斑 モ ザ イ ク ウ イ ル ス ( Z Y M V ) ア ブ ラ ム シ 類 、 汁 液 〃 〃 〃 緑 斑 モ ザ イ ク 病 キ ュ ウ リ 緑 斑 モ ザ イ ク ウ イ ル ス ( K G M M V ) 汁 液 、 土 壌 、 種 子 退 緑 黄 化 病 ウ リ 類 退 緑 黄 化 ウ イ ル ス ( C C Y V ) タ バ コ コ ナ ジ ラ ミ ス イ カ モ ザ イ ク 病 ス イ カ モ ザ イ ク ウ イ ル ス ( W M V ) ア ブ ラ ム シ 類 、 汁 液 緑 斑 モ ザ イ ク 病 ス イ カ 緑 斑 モ ザ イ ク ウ イ ル ス ( C G M M V ) 【 発 病 果 は 「 こ ん に ゃ く 果 」 と な る 】 汁 液 、 土 壌 、 種 子 メ ロ ン 類 え そ 斑 点 病 メ ロ ン え そ 斑 点 ウ イ ル ス ( M N S V ) 汁 液 、 土 壌 、 種 子 イ ン ゲ ン モ ザ イ ク 病 イ ン ゲ ン モ ザ イ ク ウ イ ル ス ( B C M V ) イ ン ゲ ン 黄 斑 モ ザ イ ク ウ イ ル ス ( B Y M V ) ア ブ ラ ム シ 類 、 種 子 ア ブ ラ ム シ 類 ソ ラ マ メ モ ザ イ ク 病 ク ロ ー バ ー 葉 脈 黄 化 ウ イ ル ス ( C I Y V V ) イ ン グ ン マ メ 黄 斑 モ ザ イ ク ウ イ ル ス ( B Y M V ) ソ ラ マ メ ウ イ ル ト ウ イ ル ス 2 ( B B W V 2 ) ア ブ ラ ム シ 類 、 汁 液 〃 〃 ア ブ ラ ナ 科 モ ザ イ ク 病 カ ブ モ ザ イ ク ウ イ ル ス ( T u M V ) キ ュ ウ リ モ ザ イ ク ウ イ ル ス ( C M V ) ア ブ ラ ム シ 類 、 汁 液 〃 レ タ ス 類 モ ザ イ ク 病 レ タ ス モ ザ イ ク ウ イ ル ス ( L M V ) キ ュ ウ リ モ ザ イ ク ウ イ ル ス ( C M V ) ア ブ ラ ム シ 類 、 汁 液 、 種 子 ア ブ ラ ム シ 類 、 汁 液 ニ ラ え ぞ 条 斑 病 ア イ リ ス イ エ ロ ー ス ポ ッ ト ウ イ ル ス ( I Y S V ) ネ ギ ア ザ ミ ウ マ ( 永 続 伝 搬 ) 、 経 卵 伝 染 は 無 い 。 ジ ャ ガ イ モ モ ザ イ ク 病 キ ュ ウ リ モ ザ イ ク ウ イ ル ス ( C M V ) ジ ャ ガ イ モ A ウ イ ル ス ( P V A ) ジ ャ ガ イ モ M ウ イ ル ス ( P V M ) ジ ャ ガ イ モ S ウ イ ル ス ( P V S ) ジ ャ ガ イ モ Y ウ イ ル ス ( P V Y ) ジ ャ ガ イ モ X ウ イ ル ス ( P V X ) ア ブ ラ ム シ 類 、 汁 液 、 種 い も 〃 〃 〃 〃 汁 液 黄 斑 モ ザ イ ク 病 ジ ャ ガ イ モ 黄 斑 モ ザ イ ク ウ イ ル ス ( P A M V ) ア ブ ラ ム シ 類 、 汁 液 、共通
6 . 軟 腐 病
P e c t o b a c t e r i u m c a r o t o v o r u m 〈 生 態 〉 お も に 基 部 の 方 か ら 水 浸 状 と な っ て 病 斑 が 拡 大 し 、 高 温 多 湿 条 件 下 で は 数 日 で 軟 化 腐 敗 す る 。 ま た 、 腐 敗 部 分 は 独 特 の 臭 気 を 発 す る 。 病 原 菌 の 発 育 適 温 は 3 2 ~ 3 3 ℃ で あ り 、 3 0 ℃ 前 後 の 高 温 、 多 湿 条 件 の 梅 雨 期 頃 発 病 が 多 い 。 レ タ ス で は 輸 送 あ る い は 保 存 中 に も 発 病 し 腐 敗 す る 。 初 夏 か ら 初 秋 ま で の 気 温 の 高 い 時 期 に 発 生 し や す い 。 ハ ウ ス 、 ト ン ネ ル 栽 培 の 春 採 り の も の で は 湿 度 が 高 く な り 、 収 穫 が 遅 く な る と 急 に 発 生 す る こ と が あ り 、 露 地 栽 培 の 初 夏 採 り の も の で 収 穫 期 に 降 雨 が 続 く と 発 生 が 多 い 。 細 菌 類 の 植 物 体 へ の 侵 入 口 は 水 孔 な ど の 自 然 開 口 部 と 傷 口 に 限 ら れ る が 、 本 病 菌 は 傷 口 か ら 感 染 し や す く 、 管 理 作 業 に よ る 傷 の ほ か 、 害 虫 類 の 食 害 痕 な ど も 感 染 の 門 戸 と な る 。 各 種 植 物 の 茎 、 葉 、 葉 柄 、 バ ル ブ 、 花 梗 、 根 な ど の 部 分 を 侵 す 。 病 原 細 菌 は 、 ナ ス 科 、 ア ブ ラ ナ 科 等 多 く の 作 物 を 侵 す 多 犯 性 の 細 菌 で 、 土 壌 中 で 越 年 す る 。 病 原 細 菌 は 土 壌 中 の 生 存 能 力 が 高 く 、 土 壌 中 の 被 害 残 渣 や 雑 草 の 根 圏 土 壌 で も 生 存 し 、 土 壌 伝 染 す る 。 乾 燥 条 件 下 で は 短 時 間 で 死 滅 す る が 、 通 常 の 畑 状 態 で は 3 年 以 上 生 存 す る 。 特 に 、 土 壌 湿 度 が 高 く 、 地 温 が 2 0 ℃ 以 下 の 場 合 に は 土 中 に 長 く 生 存 す る 。 第 一 次 伝 染 源 は 土 壌 や 鉢 用 土 、 鉢 、 棚 、 被 害 残 渣 な ど で 、 二 次 感 染 は 発 病 株 で 増 殖 し た 病 原 細 菌 が 各 種 の 管 理 作 業 に よ っ て 生 じ た 傷 口 や 害 虫 の 食 害 痕 か ら 移 り 発 病 す る 。 多 湿 条 件 や 多 肥 栽 培 で は 発 病 が 助 長 さ れ る 。 ハ ウ ス の サ イ ド や 天 井 の ビ ニ ル 開 閉 部 等 、 雨 の 降 り 込 み や す い 部 分 や 湿 度 の 高 い 部 分 で 発 生 が 多 い 。 薬 剤 防 除 は 、 発 病 後 で は 効 果 が 期 待 で き な い の で 、 予 防 散 布 を 中 心 と し 、 特 に 、 高 温 、 多 湿 時 期 の 防 除 を 徹 底 す る 。 〈 防 除 法 〉 ○ 耕 種 的 防 除 ( 1 ) 土 壌 伝 染 す る の で 、 健 全 な ほ 場 、 用 土 を 用 い る 。 ( 2 ) 発 病 ほ 場 で 栽 培 す る 場 合 は 、 土 壌 消 毒 を 行 う か 夏 の 間 に 耕 起 し て 日 光 に 当 て る 対 策 を 行 う 。 ( 3 ) 連 作 は 発 病 を 助 長 す る の で 、 連 作 を 避 け 、 イ ネ 科 や マ メ 科 作 物 と の 輪 作 を 行 う 。 ( 4 ) 汚 染 し た 鉢 や 棚 、 ベ ン チ も 伝 染 源 と な る の で 、 健 全 な も の を 使 用 す る 。 再 利 用 す る 場 合 は 、 よ く 洗 浄 し て 乾 燥 す る か 消 毒 し た あ と に 使 用 す る 。 ( 5 ) 病 原 菌 は 傷 口 か ら 侵 入 す る の で 、 い た ず ら に 傷 を 生 じ な い よ う 適 切 に 管 理 を 行 う 。 害 虫 の 被 害 傷 口 よ り 侵 入 す る の で 害 虫 防 除 も 実 施 す る 。 ( 6 ) 排 水 を 図 り 、 多 湿 を 避 け 、 土 砂 が 跳 ね 上 が ら な い よ う に 注 意 す る 。 低 湿 地共通
( 8 ) ハ サ ミ 、 ピ ン セ ッ ト な ど の 作 業 器 具 は こ ま め に 熱 湯 で 滅 菌 す る か 、 消 毒 し て 使 用 す る 。ま た 、汚 染 の 恐 れ が あ る 作 業 後 は 手 指 を よ く 洗 っ て 作 業 を 継 続 す る 。 ( 9 ) 発 病 株 に 触 れ た 手 で 健 全 株 に 触 れ な い よ う に す る 。 管 理 作 業 の 際 に は 、 畝 ご と に ハ サ ミ を 交 換 し 、 発 病 が 疑 わ れ る 株 付 近 の 作 業 は 最 後 に 行 う 。 ( 写 真 : 福 岡 県 園 芸 . 茶 病 害 虫 図 鑑 よ り ) キ ャ ベ ツ の 病 株共通
7 . 青 枯 病
R a l s t o n i a s o l a n a c e a r u m 〈 生 態 〉 本 病 は 地 温 2 0 ℃ 前 後 の 頃 か ら 発 生 し 、 発 病 適 温 は 2 5 ~ 3 7 ℃ で 、 春 先 ~ 夏 期 に か け て 発 病 し や す い 。 ま た 、 促 成 栽 培 で は 定 植 時 期 の 早 進 化 に よ っ て 発 生 が 助 長 さ れ る 。 排 水 不 良 や 窒 素 過 多 あ る い は 管 理 作 業 に よ る 根 の 損 傷 、 セ ン チ ュ ウ の 発 生 な ど で も 発 病 が 助 長 さ れ る 。 芽 か き 跡 の 傷 口 か ら 侵 入 す る こ と も あ る 。 発 病 す る と 日 中 は 株 の 一 部 が 萎 れ 、 夜 間 や 雨 天 時 に は 回 復 す る と い う 症 状 を 繰 り 返 す が 、 つ い に は 枯 死 す る 。 3 年 位 水 田 に す る と 発 病 が 少 な く な る 。 病 原 細 菌 は 、 被 害 株 の 茎 葉 や 根 と と も に 土 壌 中 に 生 存 し 、 主 に 傷 口 か ら 侵 入 す る 。 ナ ス 、 ト マ ト 、 ピ ー マ ン の 他 、 イ チ ゴ 、 ダ イ コ ン 、 バ レ イ シ ョ 等 多 く の 作 物 を 侵 す 。 抵 抗 性 台 木 を 使 用 す る と 発 病 が 抑 え ら れ る 。 な お 、 病 原 細 菌 に は 5 つ の 菌 群 が あ り 、 抵 抗 性 台 木 で も 侵 さ れ る 場 合 が あ る 。 詳 し く は 、 指 導 資 料 「 Ⅵ ナ ス 、 ト マ ト 、 キ ュ ウ リ の 主 要 品 種 の 病 害 虫 抵 抗 性 」 の 項 参 照 。 〈 防 除 法 〉 ( 1 ) 発 病 の 恐 れ が あ る ほ 場 で は 栽 培 を 避 け る 。 や む を え ず 栽 培 す る 場 合 は 土 壌 消 毒 を 行 う 。 ( 2 ) 抵 抗 性 台 木 に よ る 接 木 栽 培 を 行 う 。 詳 し く は 、 指 導 資 料 「 Ⅵ ナ ス 、 ト マ ト 、 キ ュ ウ リ の 主 要 品 種 の 病 害 虫 抵 抗 性 」 の 項 参 照 。 青 枯 病 菌 は 病 原 性 の 異 な る 5 つ の 菌 群 が あ り 、 抵 抗 性 台 木 で も 侵 さ れ る 場 合 が あ る の で 他 の 耕 種 的 防 除 法 も 併 せ て 実 施 す る 。 ( 3 ) 促 成 栽 培 で は 高 温 期 ( 地 温 の 高 い 時 期 ) の 定 植 を 避 け る 。 ( 4 ) 健 全 な 床 土 で 育 苗 し 、 無 病 土 に 栽 培 す る 。 ( 5 ) 連 作 を 避 け る 。 ( 6 ) 発 病 ほ 場 は 3 年 程 度 水 田 化 す る 。 ( 7 ) 被 害 株 は 除 去 、 処 分 す る 。 ( 8 ) 発 病 株 に 触 れ た 手 で 健 全 株 に 触 れ な い よ う に す る 。 触 れ た ら 手 を 石 け ん で よ く 洗 う 。 ( 9 ) 移 植 後 に 植 傷 み の な い よ う に 注 意 し 、 管 理 作 業 で 根 を 傷 つ け な い よ う に す る 。 ( 1 0 ) 被 害 株 は 除 去 、 処 分 す る 。 ( 1 1 ) 排 水 を 図 り 、 多 湿 に な ら な い よ う に す る 。共通
初 病 初 期 の 萎 ち ょ う 株 病 株
導 管 部 の 褐 変 菌 泥 の 噴 出