《報告》「首都直下地震に関する都民調査」概要報
告
著者
森 康俊
雑誌名
災害復興研究 = Studies in disaster recovery
and revitalization
号
5
ページ
39-45
発行年
2013-06-30
*関西学院大学災害復興制度研究所研究員・社会学部 准教授
森 康 俊
*「首都直下地震に関する都民調査」概要報告
1 問題
内閣府が想定する「首都直下地震」の発災後、 都民の避難生活はどのようなものになるだろう か。東日本大震災前から、私たちは大規模な広域 避難にどのように備えるべきか、知見を得るた めに(1)関東大震災の歴史的考察、(2)阪神淡 路大震災による県外避難者の調査研究を進めてき た。それらをふまえて、東京都以外の道府県出身 者で、現在、都内に生活する人に首都直下地震な らびに防災、避難、疎開に関する調査を実施した。2 方法
調査の概要は次の通りである。 調査方法: web によるオンライン調査1) 調査時期: 2012 年 1 月 14 日〜 16 日2) 調査対象: (株)サーベイリサーチセンターの調査モニ ター(都内在住者) 回 収 数 : 1656 票(男女、20 歳から 79 歳までの年齢、 出身道府県・地域ブロック区分を基本に、 目標回答者数を設定し、スクリーニング調 査を行い、回答者数を得る)3 結果
3─1 首都直下地震の認知と備え
本調査では、東京都以外の道府県出身の都民に 対し、首都直下地震ということば、発生確率、被 害想定3)を知っているかどうか尋ねた。まず、首都 直下地震ということばについては、9 割以上の回答 者が「聞いたことがある」と回答している。但し、 20 歳代は他の年齢層に比べ認知度が低い(図 1)。 「30 年以内に 70%以上」という発生確率につい ては、男女とも 7 割の回答者が「知っている」と 回答している。発生確率の認知についても、20 歳代、30 歳代は他の年齢層に比べて認知度が低 くなっている(図 2)。 被害想定については、「知っていた」との回答 は 2 割で、「少し知っている」をあわせると 7 割 である。この二つの選択肢をあわせて、男性より も女性が、年齢層の高い方が認知度は高い(図3)。 60% 65% 70% 75% 80% 85% 90% 95% 100% 全体 男性 女性 20∼29 歳 30∼39 歳 40∼49 歳 50∼59 歳 60∼69 歳 70 歳以上 聞いたことがある 聞いたことがない 95.6 95.2 96.0 91.9 93.1 96.2 97.4 97.6 98.3 4.4 4.8 4.0 8.1 6.9 3.8 2.6 2.4 1.7 図 1 「首都直下地震」ということばの認知度 (男女・年齢層別)[N=1656; M=849, F=807]《報 告》
40 研究紀要『災害復興研究』第 5 号 地震災害への備えについては、「ラジオ」「乾電 池」「水」「食料品」の備蓄が 5 割を越えている(図 4)。但し、「非常持出袋」になると 4 割である。 避難行動については、「指定避難場所の確認」 は 6 割、「家族との連絡手段の確認」と「災害時 帰宅ルートの確認」は 5 割を割っている。「防災、 避難訓練への参加」は 2 割に止まっており、「自 主防災組織への加入」は 5%に満たない。意外な ことに、東日本大震災や台風被害による帰宅困難 者問題があった後でも「帰宅支援マップ」の購入 は 1 割に満たない。 住居については、「家具の転倒防止」が 4 割、 「地震保険への加入」が 3 割、「住まいの耐震診断」 は 2 割、「住まいの耐震改修」は 1 割である。 戸建てか集合住宅か、また持ち家か借家・賃貸 かという居住形態と地震保険への加入を見れば、 戸建て、集合住宅とも持ち家の人は約半数が加入 しているが、借家・賃貸の場合は 2 割以下となっ ている(図 5)。 図 2 発生確率の認知度 (男女・年齢層別)[N=1656; M=849, F=807] 0% 20% 40% 60% 80% 100% 全体 男性 女性 20∼29 歳 30∼39 歳 40∼49 歳 50∼59 歳 60∼69 歳 70 歳以上 知っていた 知らなかった 69.9 69.6 70.1 60.7 60.2 70.1 73.3 77.2 80.0 30.1 30.4 29.9 39.3 39.8 29.9 26.7 22.8 20.0 図 3 被害想定の認知度 (男女・年齢層別)[N=1656; M=849, F=807] 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 全体 男性 女性 20∼29 歳 30∼39 歳 40∼49 歳 50∼59 歳 60∼69 歳 70 歳以上 ほとんど知らなかった 全く知らなかった 知っていた 少し知っていた 51.3 51.1 51.4 41.5 47.8 52.7 55.4 53.9 56.7 20.4 22.9 17.8 18.8 15.3 17.8 22.7 24.9 23.3 23.2 20.4 26.1 32.1 27.4 25.1 18.2 18.3 20.0 5.1 5.7 4.6 7.7 9.5 4.4 3.7 3.0 0.0 図 4 首都直下地震への備え [N=1656] 0% 20% 40% 60% 80% 100% 5. ラジオ 2. 乾電池の備蓄 10. 指定避難場所の確認 3. 水の備蓄 4. 食料品の備蓄 14. 家族との連絡手段の確認 6. 家具の転倒防止 1. 非常持出袋 12. 災害時帰宅ルートの確認 9. 地震保険への加入 11. 防災・避難訓練への参加 7. 住まいの耐震診断 8. 住まい耐震改修 13. 帰宅支援マップの購入 15. 自主防災組織への加入 している していない 35.4 36.0 37.4 39.6 45.2 53.9 57.8 58.9 59.6 67.5 79.1 80.7 89.9 91.2 95.3 64.6 64.0 62.6 60.4 54.8 46.1 42.2 41.1 40.4 32.5 20.9 19.3 10.1 8.8 4.7 図 5 居住形態と地震保険の加入 [N=1656] 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 戸建持家 (n=362) 戸建借家 (n=40) 集合住宅(持家) (n=470) 集合住宅(賃貸・社宅) (n=784) 加入している 加入していない 55.2 92.5 50.0 82.3 44.8 7.5 50.0 17.7
さまざまな備えの中でも費用のかかる「住まい の耐震改修」について見れば、暮らし向き(主観 による生活レベルの自己評価)に従って、実施し たかどうかに違いがあることがわかる(図 6)。
3─2 都市住民の近所づきあいと家族
大都会に住まいする者にとって、プライバシー が確保され、煩わしいつきあいのない生活は本来 メリットであるが、災害時には助け合いの妨げと なり、自らの生命・財産を危うくするおそれがあ る。回答からは、全体で 3 割の人が隣人について 何も知らず、あいさつをするのも 5 割程度である (図 7)。20 歳代、30 歳代については 9 割が「日々 の暮らしについての会話」さえしない。これに対 して、50 歳代、60 歳代の 2 割は「日々の暮らし についての会話」をする程度のつきあいがある。 いずれの年齢層においても、「立ち入った相談が できる程度のつきあいがある」隣人のいる人は 5%未満である。 自治会や町内会への参加については、年齢層が 高くなるほど関与が高まるが、60 歳代、70 歳代 でも「積極的に参加している」との回答は 1 割に 満たない(図 8)。20 歳代では「必要最低限の参加」 を含めても 1 割で、30 歳代も 2 割に満たない。 40 歳代で 2 割、50 歳代で 3 割の参加が認められ る程度であり、あらためて都民の自治会・町内会 への関与の低さがわかる。 これに対して、親とのつながりはどうであろう か。ここでは男性よりも女性の方が親を訪ねる頻 度がやや高くなっている(図 9)。1 年に 1 回は訪 ねる人は、20 歳代・30 歳代が 8 割、40 歳代が 7 割、50 歳代が 6 割、60 歳代が 4 割と年齢構成上、 妥当な結果となっている。 図 6 生活レベル(主観)と耐震改修 [N=1656] 0% 20% 40% 60% 80% 100% 上(n=249) 中の上 (n=308) 中の中 (n=670) 中の下 (n=437) 下(n=149) DK/NA (n=68) 耐震改修している 耐震改修していない 33.3 12.3 11.6 6.6 6.7 5.9 66.7 87.7 88.4 93.4 93.3 94.1 図 7 近所づきあい (男女・年齢層別)[N=1656; M=849, F=807] 0% 10% 20% 30% 40% 50%60% 70%80%90% 100% 全体 男性 女性 20∼29 歳 30∼39 歳 40∼49 歳 50∼59 歳 60∼69 歳 70 歳以上 日々の暮らしについて会話することがある 立ち入った相談ができる程度のつきあいがある 隣人についてほとんど知らない あいさつをする程度のつきあいがある 53.7 56.8 50.6 35.9 48.2 53.0 58.5 61.7 69.2 29.2 29.3 29.0 59.0 42.7 31.4 19.6 13.2 5.8 13.3 11.8 15.0 2.6 5.5 12.1 17.0 21.0 23.3 3.7 2.1 5.5 2.6 3.6 3.6 4.8 4.2 1.7 図 8 自治会・町内会への参加 (男女・年齢層別)[N=1656; M=849, F=807] 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 全体 男性 女性 20∼29 歳 30∼39 歳 40∼49 歳 50∼59 歳 60∼69 歳 70 歳以上 ほとんど参加していない 全く参加していない 積極的に参加している 必要最低限の参加をしている 24.2 25.1 23.2 6.4 10.9 18.0 31.8 38.3 44.2 3.7 3.9 3.6 0 3.3 1.5 4.0 7.5 7.5 22.7 24.0 21.3 14.5 15.3 25.1 25.9 25.7 31.7 49.4 47.0 51.9 79.1 70.4 55.3 38.4 28.4 16.742 研究紀要『災害復興研究』第 5 号
3─3 長期避難・疎開の意向
本調査では「首都直下地震によって、長期避難 (=疎開)が必要になった場合、東京都以外の道 府県による被災者救援策に応じて地方に疎開」す るかどうかを尋ねている。男女、年齢層に関わら ず、8 割弱が「行く」と回答している(図 10)。 但し、働き盛りの 40 歳代において、「行かない」 という回答がやや多いことに注意する必要がある。 また、18 歳以下の子どもがいる場合といない 場合で、疎開意向に差があるかを見ると、いる場 合には疎開意向が低くなる傾向が窺える[|2検 定 p< .01](図 11)。 また、自治体間の「対口支援」(災害で都内に 住めなくなった場合に備えて、都民と被災者を受 け入れる地方団体との間で、災害が起こる前から 避難や疎開についての協定を結んでおこうとい う取り組み)について、知っているか尋ねたと ころ、知っているのは全体の 2 割に止まった(図 12)。年齢層が高くなるについて認知度が高くな るのは、先に見た首都直下地震についての認知度 と同様の傾向である。 広域避難者や疎開者を支援する地方自治体にお いては、避難を契機として定住を促すような施策 をとる自治体もある現況に鑑み、その施策の賛否 について尋ねたところ、概ね 8 割は賛成であった (図 13)。 首都機能の分散についても賛否を尋ねたが、9 割の賛成であった(図 14)。但し、20 歳代はやや 図 9 親を訪ねる頻度 (男女・年齢層別)[N=1656; M=849, F=807] 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 全体 男性 女性 20∼29 歳 30∼39 歳 40∼49 歳 50∼59 歳 60∼69 歳 70 歳以上 年に 1 回程度訪ねる 月に 1 回程度訪ねる 半年に 1 回程度訪ねる 親はいない 数年に 1 回程度訪ねる ほとんど訪ねることはない 32.2 30.6 34.0 54.3 48.2 33.7 29.0 17.4 0.8 10.3 8.1 12.6 9.0 8.8 10.7 14.5 10.2 4.2 19.3 19.1 19.6 18.8 21.9 27.5 19.6 13.8 6.7 11.5 13.0 9.9 9.4 10.9 14.8 17.0 6.3 5.0 5.1 5.9 4.3 4.7 7.3 7.4 4.8 2.7 2.5 18.3 19.9 16.6 0.9 1.5 4.1 11.4 44.6 77.5 3.2 3.4 3.0 3.0 1.5 1.8 3.7 5.1 3.3 図 10 地方への疎開意向 [N=1656; M=849, F=807] 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 全体 男性 女性 20∼29 歳 30∼39 歳 40∼49 歳 50∼59 歳 60∼69 歳 70 歳以上 行く 行かない 78.4 78.4 78.3 77.4 79.9 74.6 78.4 82.6 77.5 21.6 21.6 21.7 22.6 20.1 25.4 21.6 17.4 22.5 図 11 高校生以下の子どもがいる場合の疎開意向 0% 20% 40% 60% 80% 100% 18 歳未満の子どもいる 18 歳未満のこどもいない 行く 行かない 25.4 20.7 74.6 79.3 図 12 対口支援の認知度 [N=1656; M=849, F=807] 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 全体 男性 女性 20∼29 歳 30∼39 歳 40∼49 歳 50∼59 歳 60∼69 歳 70 歳以上 知っていた 知らなかった 18.4 21.8 14.7 15.4 12.0 16.0 17.9 25.1 27.5 81.6 78.2 85.3 84.6 88.0 84.0 82.1 74.9 72.5否定的であった。
3─4 社会意識
本調査では、性別、年齢、年収、居住環境など 基本属性の他、疎開意向や避難行動の説明変数と して、社会意識について尋ねている。 まず「運命」に関して、災害では「そう思う」 と「まあそう思う」をあわせて 9 割近くが運命だ と回答している(図 15)。これは「事故」が 8 割弱、 「病気」が 6 割であることに比べて高い。ただ、 「災害は人間が自然を破壊したことに対する報い である」という「天譴論」については、「そう思う」 と「まあそう思う」をあわせて 4 割弱であること をあわせて考えると災害は人間がコントロールで きる事柄ではないが、人間に非があるものではな いという見方が背景にあることが窺える。災害が 人間の手に負えないことは、「今の世の中では一 人一人の人間はあまりにも無力である」という項 目で「そう思う」と「まあそう思う」をあわせる と 6 割になることからもわかる。天譴論は日本人 の災害観をめぐる議論の中で、ひとつの焦点であ るが、男女、年齢層別に見ると、男性よりも女性 の方がやや同意する傾向にあり、年齢層が高いほ どそう考える傾向が見て取れる(図 16)。 防災対策の有効性に関わる「人間がどんなに対 策をとっても、地震の被害を減らすことはできな い」という項目でも半数が同意し、半数がそうは 図 13 疎開を契機とした定住政策への賛否 (男女・年齢層別)[N=1656; M=849, F=807] 0% 20% 40% 60% 80% 100% 全体 男性 女性 20∼29 歳 30∼39 歳 40∼49 歳 50∼59 歳 60∼69 歳 70 歳以上 賛成 反対 81.3 79.2 83.5 81.6 81.8 83.1 78.7 81.7 82.5 18.7 20.8 16.5 18.4 18.2 16.9 21.3 18.3 17.5 図 14 首都機能分散への賛否 (男女・年齢層別)[N=1656;M=849, F=807] 0% 20% 40% 60% 80% 100% 全体 男性 女性 20∼29 歳 30∼39 歳 40∼49 歳 50∼59 歳 60∼69 歳 70 歳以上 賛成 反対 88.9 89.8 88.1 82.5 88.7 87.9 90.9 92.2 92.5 11.1 10.2 11.9 17.5 11.3 12.1 9.1 7.8 7.5 図 15 社会意識(災害観・政治意識・信頼感など) [N=1656] 0% 20% 40% 60% 80% 100% 3. 災害に遭うか遭わないかは 運命である 2. 事故に遭うか遭わないかは 運命である 6. 今の世の中では一人一人 の人間はあまりにも無力である 1. 病気になるかならないかは 運命である 8. 政治のことよりも自分の 生活のほうが大事だ 4. 人間がどんなに対策をとっても、 地震の被害を減らすことはできない 7. 今の世の中では自然破壊は 防ぎようがない 14. いつもやらなければならない ことに追われているように感じる 16. ふだん「明日は明日でなんとか なる」と思って暮らしている 13. 人を助ければ、今度は自分が 困っている時に誰かが助けてくれる 5. 災害は人間が自然を破壊 したことに対する報いである 12. 私は人を信頼するほうである 17. まわりの人たちと興味や考え方が 合わないと思うことがよくある 15. 自分が他人にどう思われて いるのか気になる 9. 政治のことは難しすぎて 自分にはよくわからない 11. ほとんどの人は他人を 信頼している 10. ほとんどの人は基本的に 正直である あまりそう思わない そうは思わない そう思う まあそう思う 33.8 24.8 19.4 16.7 16.4 13.8 12.6 10.6 9.0 8.5 7.6 7.6 5.7 7.2 5.2 5.6 2.5 53.1 52.4 47.2 46.8 50.7 34.1 39.5 43.1 55.4 56.6 60.2 29.4 34.6 40.3 55.7 32.6 45.0 9.4 18.1 28.2 29.0 28.6 40.8 38.8 40.0 30.3 29.6 27.1 42.6 46.8 48.1 32.0 44.9 44.1 3.8 4.8 5.3 7.4 4.3 11.2 9.2 6.3 5.3 5.2 5.1 20.4 12.9 4.4 7.1 16.9 8.444 研究紀要『災害復興研究』第 5 号 思わないというように人智のコントロールの評価 とあわせて、東日本大震災後の天譴論を再考する 意義は少なくない。 政治意識に関しては、「政治のことよりも自分 の生活のほうが大事だ」とするのは、「そう思う」 と「まあそう思う」をあわせて 7 割弱、「政治の ことは難しすぎて自分にはよくわからない」が「そ う思う」と「まあそう思う」をあわせて 4 割であっ た。 信頼に関しては、「私は人を信頼するほうであ る」が「そう思う」と「まあそう思う」をあわせ て 7 割弱あるのに対して、「ほとんどの人は他人 を信頼している」では「そう思う」と「まあそう 思う」をあわせて 5 割弱である。これは自己の信 頼と他者の信頼の乖離を表している。
3─5 リスク要因への不安感
本調査では、さまざまなリスク要因に対する不 安感を尋ねている。「いつも不安」と「時々不安」 をあわせた数字を見ていくと、最も不安に感じら れているのが「がんになること」で 6 割である(図 17)。次いで、「個人情報漏洩」「交通事故(被害 者)」「火災」であり、いずれも「いつも不安」と 「時々不安」をあわせて 6 割である。 「交通事故(加害者)」、「住宅倒壊」が「いつも 不安」と「時々不安」をあわせて 5 割、「産地偽 装」「空き巣」「エレベータ閉じ込め」「戦争」「風 水害」「通り魔」は「いつも不安」と「時々不安」 をあわせて約 4 割である。「航空機事故」「銀行破 綻」「テロ」「副作用」「食中毒」は 3 割以下であった。 例えば、「エレベータ閉じ込め」に関する不安 感を集合住宅居住者(n=1254)の階層(5 階以 下と 6 階以上に区分)を見てみると、高層階居 図 16 天譴論 (男女・年齢層別)[N=1656; M=849, F=807] 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 全体 男性 女性 20∼29 歳 30∼39 歳 40∼49 歳 50∼59 歳 60∼69 歳 70 歳以上 あまりそう思わない そうは思わない そう思う まあそう思う 29.4 25.1 34.0 23.1 24.5 26.9 32.4 36.5 32.5 7.6 6.9 8.3 9.0 8.0 4.7 6.8 9.6 9.2 42.6 40.5 44.7 40.6 44.2 45.0 44.9 39.2 40.0 20.4 27.4 13.0 27.4 23.4 23.4 15.9 14.7 18.3 図 17 リスクへの不安感 [N=1656] 0% 20% 40% 60% 80% 100% 10. 自分ががんになること 2. 自分の個人情報が漏洩すること 4. 自分が交通事故の 被害者になること 11. 自分の住まいが火災になること 3.自分が交通事故の 加害者になること 14. 自分の住まいが地震災害 で倒壊すること 9. 自分の買った食品の産地が 偽装されていること 4. 自分の住まいに 空き巣が入ること 13. 自分が地震被害で エレベーターに閉じ込められること 17. 日本が戦争に巻き込まれること 6. 自分が通り魔事件に 巻き込まれること 12. 自分の住まいが 風水害被害にあうこと 5. 自分が航空機事故に 巻き込まれること 16. 自分が利用している 銀行が破綻すること 15. 自分がテロ事件に 巻き込まれること 7. 自分が外食した際に 食中毒になること 8. 自分が薬の副作用で 体調を崩すこと あまり不安でない 全く不安でない いつも不安 時々不安 11.7 8.8 7.4 6.9 8.2 8.5 5.3 3.8 4.2 4.3 4.6 3.2 4.0 3.0 3.0 2.7 1.4 54.6 56.3 57.7 52.6 42.6 43.1 39.3 40.6 37.7 32.7 33.3 37.9 28.7 30.6 27.3 25.7 21.7 29.5 31.3 31.9 35.6 36.3 40.2 46.5 47.0 47.7 49.2 49.5 49.8 54.6 51.0 57.2 55.6 64.8 3.7 3.0 12.9 8.3 8.9 8.6 10.4 13.8 12.6 9.1 12.7 15.3 12.4 16.1 12.0 4.9 4.2 図 18 集合住宅居住階とエレベータ閉じ込め不安 [n=1254] 0% 20% 40% 60% 80% 100% 集合住宅高層階 (6 階以上:n=584) 集合住宅低層階 (5 階以下:n=670) あまり不安でない 全く不安でない いつも不安 時々不安 51.0 49.0 52.0 48.0 44.0 56.0 37.0 63.0住者の不安感が高い傾向が見て取れる[|2検定 p< .05](図 18)。 以上が調査の概要である。 注 1) Web によるインターネット調査にともなう回答者属 性のバイアスとして、高学歴・高収入の傾向が認め られる。バイアスの詳細は、2010 年 3 月実施の住民 基本台帳による層化 2 段階抽出を行った調査と別途 比較する。 2) 東京大学地震研究所・平田直教授による「M7 級首 都直下地震、4 年内 70%」(読売新聞 2012 年 1 月 23 日)の確率という一連の報道以前に実査は終了して おり、この件の回答者への影響はない。 3) 冬の 18 時風速 15m/s の場合、建物全壊棟数・火災 焼失棟数が約 85 万、死者は約 1 万 1000 人、重傷者 数 3 万 7000 人。
http://www .bousai .go .jp/syuto_higaisoutei/pdf/ higai_gaiyou .pdf