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消化器がん患者の手術前サルコペニア要因の有無が手術後経過に及ぼす影響 -手術後合併症の発症率,運動機能変化,生活の質に着目して-

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(1)

Japanese Physical Therapy Association

NII-Electronic Library Service

Japar ユese  Physlcal  Therapy  Assoclatlon

理 学 療 法 学   第42巻第5号  416

427頁 (2015年 ) 研 究

論文 (

著)

消 化 器

が ん

患者

手術 前

コ ペ ニ

要 因

有 無

         

手術 後経 過

す影 響

一 手 術

動機能変化

, 生

し て 原

1)#

久 保

 

2)

修 輔

1) 要旨 【目 的】消 化器 が ん患 者の手術前サル コ ペ ニ ア要 因の有 無が手術後 合 併症の発 症率や 周術 期か ら自宅 復 帰 後の運動 機 能 変 化と 生活の 質 (以 下

QOL

)に影 響 する か検 討 すること

【方 法】対 象は

周 術 期消化 器 がん患 者97例 (男 性

54

女 性43例

年 齢

62,

5

士 12

1歳 ) 。 サル コ ペ ニ ア要 因の有 無は

筋 肉 量を腹 部CT 画 像の骨 格 筋 断 面 積 筋 力 を 等 尺 性 膝 仲 展 筋 力

身 体 能 力 を6分 間 歩 行 距 離より評 価し

3 群に分類し た。対 象 者 各 群で手 術 後 合 併 症の発 症 率

手 術 前か ら退 院後の運 動 機 能 変化と

QOL

を 比較した。 【結 果 】サル コ ペ ニ 要 因 を含 む群で は

他の群と比 較して手 術 後 合 併 症の発 症 率が有 意に高 く

QOL

も 有 意に低 かっ た

運 動機 能 変 化で は

手術 前 後で他の群 よ り低 下 する傾 向にあっ た

【結 論 】 消 化 器 がん 患 者のサル コペ ニ 要 因 は

合 併 症の 発 症率や周術 期の運動 機能 変 化 お よ び

QOL

に影響す るこ と が 明 ら か と なっ た

ド  消 化 器がん患 者

サルコ ペニ ア要 因

手術 後 経 過 は じ め に   近 年が ん生 存 者は

早 期 診 断や治 療 技 術の進 歩などが ん医 療の発 展に より

世 界 的に増 加 傾 向にある1)

我が 国のが ん 生存 者 数は

,1999

年 末で

298

万人 であっ た が

2015

年に

533

万 人へ 達る と測 さ れい る2 )

この 変 化に伴い が ん患 者の ア ウ トカム は

単 に 生命予後や 生 存率の み を 指 標とるこ とが 少 な く なり

がん患者の受 け てい る 医療の満足度

退 院後の生 活 状況 な ど患 者 自身 の幸福 度を基 盤と した生 活の質 (

Quality

 of 

Life

;以 下

QOL

)の維 持

上 を考 慮 し た指 標とすること が求め ら れ は じ めて いる 3)4)。 我が国で も

2006

年に 成 立 し た がん対 策基本 法に は

基本的施 策の中に 「がん患 者の療 養生活の質の維 持 向上」

すな わ ち が ん 患者の

QOL

の 向上 が指 摘さ れて いる

こ れ らの変化に 伴い

2010

度 *

  Effect of Preoperative Sarcopenia on Postoperative Course   in Gastrointestinal Cancer Patients

 with  Spccific Focus on

  Postoperative  Complications

 Physical Function Changes

 and

  Qし1ality of Life

l) 国際 医療 福 祉 大 学三田病 院

 (〒 108

8329 東 京 都 港 区三田 1

4

3)

 Tsuyoshi  Hara

 PT

 PhD  

Shusuke Kusano

 MD

 PhD;International   University of Health and Welfare Mita Hospital

2) 国際 医療 福 祉 大 学

  Akira Kubo

 PT

 PhD:rnternational University of Health and

  Weげare

# E

mail:tsuyoshi

h@iuhw

ac

jp

  〔受 付日 2014年7月14日/ 受 理 日 2015年4月13日) 診 療 報 酬 改 定で は

がん患 者リハ ビリ テ

ショ ン (以下

リハ ) 料が新 設さ れ

周 術 期か ら緩 和ケ ア まで様々な 状 況下 でのが ん患 者が リハ の対 象 となっ た 5) 。 こ の こ とか ら我々 リハ 分野 は

新しいが ん医療の

端と して

入 院 加 療 中のが ん 患者へ の貢 献が義務づ け ら れ ている

 昨 今

身 体的 な 障害や

QOL

の低下

死 な ど有 害な転 帰の リス ク を伴 う

進 行 性お よ び全 身性の骨 格 筋 量

骨 格 筋 能 力の 低 ドを 特 徴とする症 候 群と してサル コ ペ ニ ア 6)7)が注目 さ れ てい る。 サル コ ペ ニ アの診 断には

European

 

Working

 

Group

 on 

Sarcopenia

 in 

Older

People

(以 下

 

EWGSOP

が サル コ ペ ニ 診 断 基 準

1.

筋肉 量の低下

,2.

筋 力の低 ド

3.

身 体 能 力の低下) を 推 奨 して い る8 >

周 術期 消 化器 がん患 者に おい て

EWGSOP

サル コペ ニ 項 目

各々独立し て 予 後 不良因 子 と し て報 告さ れ てい る9

19)。 手 術 前に 他の患 者 と比較し て低 骨 格 筋 量と判 断 された消 化 器 がん 患者は

手術後合併症の 発症 率が高 く9)12)

積 極 的 治 療後 で 高率に が ん が 再発し10)

生 存 率が低い 10)ll)13)14) ことが報 告さ れ てい る

。一

低 運 動 機 能 (筋 力や身体 能 力 )と判 断さ れ た消 化器 がん患 者で は

手 術 後 合 併 症 の発 症率15

18)や手術 後の死亡率16)19)など手 術 後 経 過 と関連し てい ることが報 告 されてい る。 これ らの報 告よ り

EWGSOP

サルコ ペニ ア診 断基準の内

1つ 以 上の基 準に該 当する周 術 期 消 化 器 がん では

手 術 後 経 過が不 良 N工 工

Electronlc  Llbrary  

(2)

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消 化 器が ん患 者に おける手 術 前サルコペ ニ ア要因 の影 響 417 図1 本研究に おけるEWGSOP サ ルコペニ ア診断 基 準に用いた対象 者の分 類 方 法 である可 能 性 が 示 唆 さ れる。 今 回

我々 は

先 行研 究と 同様に

基準以 上該 当し た周 術 期 消 化 器が ん患 者では

手 術 後 経 過 良 好で も手 術 後の運 動 機 能 変 化や

QOL

に影 響 する 可能 性があるとい 研 究 仮 説 を立 案し た

な お

これ らの研 究仮 説 を 客 観 的に検 討 した 報 告はない

 そこ で 本研 究で は

手 術 前に消 化器 が ん 患者 を

EWGSOP

サルコ ペ ニ 診 断基 準

1

以 上該 当す と診 断 基 準に該 当 し ない群に分 類 し

群 間で手術 後 合 併 症の発 症 率

周術 期か ら自宅 復 帰 後の運 動 機 能 変 化およ び

QOL

につ い て比 較 検 討 した。 こ の検 討に より消 化 器 がん患 者に おい て手 術 前サル コ ペ ニア要因の有無は

手術後経 過に影響する

情 報と な る か否か

その可 能 性 につ い て 明 らか にする こ と を 目 的 と し た

対 象 と方 法

1.

対 象   対 象は

平 成24年

5

1

平 成

26

1

31

日ま で に当 院へ 手術 治療で 入 院 し

依 頼の あっ た周 術 期 消 化 器が ん患 者

207

例である

対象者の取りこ み基 準は

手術 前に運 動 機 能お よ び 認知機 能に障害が認

め ら れず

Functional

 

lndependence

 Measure が満 点

あ り

退 院 後に自宅 復 帰が 可能で あっ た者と し た

除外 基 準 は

手術 前に骨 転 移が診 断さ れ た者と し た

本研 究 で は

手術後合併症の症率の比較に際して前述 し た取 りこみ基 準お よ び 除外 基 準に 該 当 し

本 研究 参 加に同 意 が得 られた周術 期 消 化 器が ん患 者

97

例 (男 性

54

女 性43例

年齢

62.

5

± 12

1

平 均 値±標 準 偏 差 ) を 対 象と し た

EWGSOP

サル コ ペ ニ 診 断に 用 象者を 分 類する に あ たり本 研 究で は

手術前に 主治 医の 確 定診 断 時に消 化 器が ん に関 連する臨床症 状お よ び特記 すべ き既 往 症が認め ら れず

手術 後の病理診 断に て初 発 の早期が ん (が ん進行 度 :

Stage

 

I

)と診 断さ れ た

65

未 満の周 術 期 消 化器 が ん患 者

20

例 を 基準群 と して選 出 し

カッ トオフ値を 男女別 に算出 し た

各基準の カッ ト オフ値 算 出に は

,EWGSOP

が推奨 し て い る平 均 値

2SD

 8)用 し た

な お 基対 象 者

手 術 前に運 動 機 能 低 下 や 急 激 な体 重 減 少 などの自覚 が な く

手 術 前のリハ の診 察で主疾 患に よる運 動 機 能へ の 影 響が な く状 態が安 定してい る と判 断され た者と した

基 準 群を除い た周 術 期 消 化 器 がん患 者

77

例は

すべ の基準の計 測 値が カッ トオフ値以 上であっ た者 を非 該 当 群

各 基準の計測値が

基 準以 上 カッ トオフ値 未 満で あっ た者を該 当 群の 2群に分 類し た (図 1)。 加 えて本 研究で は

手術 後 経 過 良 好 者の周術 期か ら自宅 復 帰 後の 運動 機 能お よ び

QOL

変 化 を追 跡 比 較 する 目 的 で

全 対 象 者

97

例 か ら重 篤 な 呼 吸 器 疾 患など手 術 後 合 併 症を 発 症し た 15例

自宅 復 帰 後に紹 介 元の 医 療 機 関で治 療 経 過を観 察 するため デ

タ収 集が 困 難となっ た

26

例 を 除 外 した

56

例 (男 性

29

女 性

27

年 齢

62.

5

± 12

0歳 )を選 出 した。 対 象 者の基 本 情 報 (年 齢

性別

N工 工

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(3)

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418 理学 療 法 学   第42巻 第5号

手術 前

手術 後日数

  

前 日 T

術 当 日 LPOD 2POD 3POD 4POD 5POD 6POD 7POD 8POD gPOD 10POD llPOD 2SPOD

患 者 状 態 注射

補 液 手 術

処 置 食事摂 取 退 院 時 指 導

有酸 素運動 操 グ ク 体 ン ン 筋   ニ   ニ 底  

 

盤 レ レ 骨 ト ト   筋 筋   幹 肢   体 卜 習 習 練 練 段 行 階 歩 ン   導 導 ヨ 指 指 シ 作 吸

  動 呼 テ 居 , 起 叱 レ 吸 呼 リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン 介 入 内 容 オエ ン テ

ション 評 価 必要時                                        抜 釧 可 前処置  手術 施行   胃管抜 管    ドレ

ン抜 去 禁飲 食              飲 水

f 食上げ開始               全粥以上摂 取可

     低

呼兜

自 宅 退 院 外 来 診 察

  萼

  宇

リ テ

1

ζ

ン 非 実 施

     ⇒

      盛

 

  μ

1

  甑 必 要 時 継 続

      病棟内      

 喉   」 ヂ  

     

η、

誘 影   ぢ

      匡

 

 

      轟

 

1

 

       ツハ

     

       戸

 

 

 

“内

,   

 

      纏 鱒 綜 囎 貯 当院ク リニカル パ スよ り

部 抜粋

POD;postopcrativc duy

図2  当 院に おける周術期が ん リハ ビリ テ

ションのフロ

ー・

チャ

が ん 進 行 度 (

Stage

分 類 )

手 術 部 位 Body Mass

Index

手 術 情 報 (手 術 術 式

手 術 時 間

出血 量)

手 術日よ り1 日 以上前の時 期 (以 下

手 術 前 )と手 術凵よ り

10

日前 後 経 過 した 時期 (以 下

手 術 後 )に実 施 さ れ た生 化 学 検 査 よ り収 集 し た反 応 性 蛋 白 (

C−

reactive protein ;以 下

 

CRP

併存疾 患

がん治 療 経 験の有 無 (本 研 究へ 参術 治あ るい は補 助 療 法な ど が ん に対する治 療 経 験)

在院 日数

リハ実 施 単 位 数 をカ ル テか ら収 集し た

ま た

手 術 後 合 併 症の有 無は

主治 医の記載し た カルテ よ り調査し た。 な お

本 研 究に おけ る手 術 後 合 併 症は

手術 後 経 過 観 察 中に外 科 合 併 症 基 準 (

Clavien

−Dindo

分 類)20)に該 当し た有害事象と し た、 2

研 究デザ イン   研 究デザインは

まず対 象者を手術 前に評 価し

サル コ ペニ ア要 因の有 無で 分 類 し た 後

群問 で手術 後 合 併 症 の発 症 率を 比較 する横 断研 究と

各群で

1

手 術 前

,2

) 手術 後

3

) 自宅 復 帰さ れ手 術日 より

28

日前 後経過 し た 時 期 (以 下

退 院 後 )の

3

つ の時期 に 運動 機 能 (筋 力

身 体 能 力 )

,QOL

を計 測 する前向き観察研究 とし た

3

リハ 介入 内容  対 象 者へ の リハ 介入 は

手術 前日 か ら退 院前まで の 在 院期間 中のみ と し た (図

2

4

筋 肉 量 評価   筋 肉量 評価に は

健 常 者お よびが ん患者の除脂 肪 量 と 高い相 関 関 係21

23)が あ り

周術 期 消 化 器が ん 患者のサ ル コ ペ ニ の診 断に も使 用さ れて い たlo )12

14 )第

3

腰 椎レベ ル腹 部骨 格 筋断 面 積 (以 下

筋 断 面 積 ) を 採 用 し た。 筋 断面 積は

手 術 前に 主治 医が 主疾患を確定診 断 す る 目的で撮 影さ れ た 腹 部 computed  tomographic  scan

ning 画像の 第3腰 椎の左 右 横 突 起 が もっ と も 鮮 明 に観

察できるレベル (以 下

L3CT 画 像 )か ら計 測し た

断 面積の計 測 方 法は

L3CT 画像を骨 格 筋が もっ とも反

映する

29Hounsfield unit 以 下

 HU

150

 

HU24

に調 整し

Image 

Jl

48 で腹 部 各 筋の断面 積を計測 し た。

計 測 値には

腹 部 各 筋の断 面 積の和 (cm2 )を身長の二

乗 (m2 >で正規 化した値25)を採 択し た

5.

筋 力 評 価

 筋 力 評 価に は

等 尺 性 膝 伸 展筋 力 (lsometric Knee

Extension

 Force ;以下

 

IKEF

を採用 し た。 IKEF の

(4)

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消 化 器が ん患 者にお ける手術 前 サル コペ ニ 要 因の影 響 419 計 測 機 器に は

下 肢 筋 力 強 化 機 器の アイソ メ ト リック

テ ス ト機 構 (HUR

5530 レッ グエ ス テ ン ショ ン/カ

ル リハ ブ)を使 用し た 計 測 姿 勢

対 象 者の膝 窩 部が 座 面に接 触 し両上 肢で前 方の グ リップ を把 持した座 位 姿 勢で

測 定下肢の大 腿 部 を付 属さ れ てい るベ ル トで固定 し下腿 遠位 端 前面 にパ ッ ド を 設 置 し た 状態と し た

計 測 動 作は

対 象 者がパ ド にし て 最大 努 力下 で

5

伸 展 筋 力 を発 揮 すること と した。 計 測は右下肢で

2

回行 い

計 測 値に は最 大 値 (N)と膝関節 内側の関節裂 隙 か らパ ッ ドが 下腿 遠 位 端 前 面に設 置し てい る部 位 までの 距 離 (m ) よ り関 節 トル クを算 出し

対象者の体 重 (

kg

) で 正 規 化 し た値 (

Nm

kg

)を採 択 し た

6.

身体能力評価  身 体 能 力 評 価 に は

6

分 間歩行 距離 (6

Minute Walk

Distance

;以 下

.6MWD

)を採用し た

6MWD

計 測前に ア メ リ カ胸 部 医 学 会の ガ イ ドライン26)に基づ 説明 し実 施 し た

。6MWD

の中止 基準は

耐え ら れ ない 手 術 創 部の疼 痛や呼 吸 困 難

胸 痛

大 量の発 汗

顔 面 蒼 白

チ ァ ノ

ゼが 出現 した場 合とし た

6MWD

の 計 測 動 作は

対象者が院 内の配の ない 平 坦

50m

の直線 コ

ス を

6

分 間で 可能な 限り往 復 すること を

1

回 実施 す る こと と した

計測値は

計測 動作中の対象者 を 検 査 者 が後方か ら追 跡し

歩行用距 離 測 定 器 (セキス イ樹 脂

SDM −1

)を使用 し て得ら れ た歩行距 離 (m )を採択し た

な お対 象 者に は

6MWD 実 施 中に疲 労な ど を感じ た場 合に休 憩がで きるこ と

休 憩 して症 状 が改 善 しない 場 合 に は中止できるこ と を予め説明 し

計測し た

7.

QOL

評価  

QOL

の指標に は

健 康 関 連

QOL

の包 括 的 尺 度で あ り

消 化 器が ん 患者へ の使 用が報 告27)28)され て い る

Short

Form  36

ltem Health 

Survey

 version 

2

(以

SF36

)29)3D)を使 用 した。 な お

QOL

周 術 期か ら 自 宅復 帰 後まで の短 期 間で 3回評 価 する ことか ら

過 去1 週間の

QOL

を反 映 する

SF36

の アキュ

ト版 を使 用 し た31)

。SF36

自己記入式の質 問用 紙を対 象 者に記 入 して も らい

認定NPO 法人健 康 評 価 研 究 機 構iHope Internationalが 推 奨 してい る

SF −36v2TM

日本 語 版ス コ ア リング プロ ラ ム を使 用 して得 点 化 した

使 用 した SF36 アキュ

ト版は

国 民 標 準 値が算 出さ れてい ない た め

,SF36

を構 成 してい る

8

つ の健 康 概 念である身 体 機能 (

Physical

 

functioning

;以下

  PF

身体 的 日常 役 割 機 能 (Role physical 以 下

  RP

の痛み (Bodily

pain : 以 下

 

BP

全体 的 健 康 感 (

General

 health

perceptions ;以下

 

GH

活 力 (Vitality;以 下

 

VT

社 会生活 機 能 (Social functioning;以 下

 

SF

精 神的 日常 役 割 機 能 (Role emotional

 

RE

健 康 (Mental health;以 下

 MH ) 各々の下 位 尺 度 得 点 を 計 測 値と して採 択し た。

8.

統計学的処理  対象者各群の属 性 情報比較において全対 象 者97例に は

元 配 置 分 散 分 析 と多重 比 較検定 (Bonferroni法 )

Z2 検 定を使用 し

周 術 期か ら自宅復 帰 後まで追 跡 可 能

であっ た 56例 に はKruskal Wallis検 定とBonferroni 正 し た

Mann −Whitney

U

検 定

 

Z2

検 定 を 使 用 し た

ま た

手 術 後 合 併症の発 症率の比較に は

Z2検 定を使 用 し

対象者各群 問の術後合 併 症 有 無の割 合を 比較し た

手 術 前か ら 退院後の運 動 機 能 (IKEF

6MWD )の 変 化に は

対 象 者 各 群と計 測 時 期 を2要 因に設 定 した 分 割プロ ッ トデン の 二元 配置分散分析と多重 比 較検 定 (Bonferroni法 )を使 用し

対 象 者 各 群にお ける運動 機 能の差と手 術 前 か ら退 院後の運 動 機 能 変化

各 計 測 時 期 間に おける運動 機 能の差につ い て比 較 し た

加 えて

計 測 時 期 間に有 意 差が認め ら れ た運動機能は

「後評価 時 期の測 定 値 / 前 評 価時期の測定値x100 %」の式に挿 入 して運 動 機 能 変 化 比 (%)を算出 し

Kruskal Wallis 定と

Bonferroni

補正 し た Mann

Whitney の

U

検 定 を用

対 象 者群間で の運 動 機 能 変 化比の差につ て比 較

し た

各計 測 時 期の

QOL

 Kruskal Wallis検 定と Bonferroni補正 したMann

−Whitney

U

検 定 を使 用し

各計 測 時期に おい て対 象 者 各 群 問で の

SF36

下 位 尺 度 得 点の差につ い て比 較し た

統 計ソ フ ト に は

IBM

 

SPSS

Statistics

 

21.

0

を 使用 し

 

Bonferroni

正 し た

Mann −

Whitney の U 検 定 を1

6

%未 満

他の検 定 を

5

% に設 定 し

統 計 学 的有 意と した。 な お

タ は

平均 値±標 準 偏 差 また は件 数と割 合

,SF36

下位 尺 度 得 点は

中 央 値 (25パ

セ ンタイル

75

セ ンタイルで表記し た

9.

倫理的 配 慮  本 研 究は

国際 医療 福 祉 大学 三 田病院倫理委員 会の承 認 (H23

−05

)を受け て 実施し た

な お対 象 者に は

研 究 の趣 旨や目的

研 究 結果 の取り扱い な ど につ い て書面 で 十 分に説 明 し同 意 を得た

結 果

1.

対 象 者 各群に お け る属性情報と手術 後 合 併 症の発症 率  全対 象 者お よ び手 術 後 経 過 良 好 者の属 性 情 報は

1,

2

に 示 し た

カッ トオフ値を用い て分 類し た結 果より 全 対 象 者で は

基 準

ev

 

20

例 (男 性10例

女 性 10例

年 齢53

9.

4

非 該 当 群

63

男 性

38,

女 性25

年 齢

64.

1

±

ll,

0

該 当 群

14

男 性

6,

女 性

8

va

 

68.

1

±

14.

3

歳)で あっ た

属 性 情 報の比較で は

基準群 と非 該 当 群の間で年 齢

がん進 行 度

手 術 術 式

基準群 と該 当群の聞で年 齢

がん進 行 度

手術 術 式

出 N工 工

Electronlc  Llbrary  

(5)

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Japar ユese  Physical  Therapy  Association

420 理 学 療 法 学   第42巻 第5号 表 1 対象者各群の基 本 的属 性 周 術 期 消 化 器 がん患 者 全 症例 基準 群 非 該 当 群 該 当 群 P値 症 例 数 (例) 年齢 (歳 ) 性 別 (例) 男 性 女 性 がん進行度 〔Stage分 類 ) (例 ) 1 手 術 部 位 (例 ) 手 術 術 式 (例 ) 手術 時 間 (分) 出血 量 (ml )

Body Mass Index (kg〆m2 ) 腹部骨 格 筋 断 面積 (cm2fm2 ) C反 応 性 蛋 白 (mg /dD 生 化 学 検 査 日 (POD ) 併 存 疾 思 (例) が ん 治療 経験 の 有 無 (例) 在 院 日数 旧 〉 実施 単位 数 (単位) 手術 前運動機 能評 価日 (POD ) 手術後合併症の有無 (例) 皿 皿 食 道 田 目 朋臓 胆 嚢 膵 臓 結 腸 直腸 腹 腔 鏡 補 助r 開 胸

開 腹 手 術 前 手術後 手術前 手術後 高血 圧症 脂 質 異 常 症 糖 尿 病 心 疾 患 呼 吸 器 疾 患 整 形 外 科 疾 患 あ り な し あ り な し 内訳 97 (IOO%) 62

5土 12

154 〔56%) 43 〔44% ) 32 (33%) 16〔16%) 31 〔32%) 18〔19%) 1 〔 1%) 26 (27%) 12(12%) 2 (2%〕 2(2%) 29(30%〕 25(26%} 69(71%) 28(29%) 287

2 ± 120

9 392

6 ± 783

2 23

0 ± 4

334

2±9

30

35 ‡ 1

61 2

70± 4

39

13

2± 11

69

2± 1

722 (23%) 2 〔2%) 8 〔8% ) 2 〔2%) 4 (4%) 4 (4%〉 11 (ll%) 86 (89%) 20

9 土 13ユ 20

7± 14

6

1

9± 1ユ 15 〔15%) 82 (85%)   無 気 肺:6 創 部 感 染:5 縫 合 不 全:2 イレウス

2 20 (21%) 53

6 ±9

410 (50%) 10 (50%) 20 (100%) 0( 0%) O ( 0%) 0 ( 0%) O (0%) 8 (40%) 1 〔5%) 1 〔5%) 0 (0%) 3 〔15%) 7 〔35%) 20 〔100%) 0 〔0%) 318

3土 123

8 177

 469

1 24

0士 5

638

1 ± 11

9 0

16 土 O

40 2

67 ± 4

19

18

6± 14

99

4± 2

16 (30%) 1 (5%) 3 (15%) 0 (0%) 0 (O%) 0 (0%) 0 〔0%) 20〔100%) 17

8 ± 11

7 18

7 ± 14

6

1

8 ± 1

42 (10%) 18(90%) 無 気 肺 :2 63 〔65%) 64

1± 11

038 〔6D%) 25 〔40%) 9 (14%) 15 (24%) 26 (41%) 13 (21%) 0 (0%〕 17 (27%) 7 (11%) 0(0%) 2 (3%〉 21 (33%) 15 (25%) 45 (71%) 】8 (29%) 257

3 ±89

7 262

6土4729 22

3 土 3ユ 34

5 ± 7

70

14土D

20 2

41 ± 4

56

12

1 土 9

58

9± 1

613 〔21% ) 1 ( 2%) 5 ( 8%12 ( 3%) 3 ( 5%) 2 ( 3%〉 8 (13%) 55 (87%) 18

7 ±9ρ 18

6 ± 11

3

L8± 0

98 〔13%) 55 (87%)   無 気 肺:2 創 部感 染:3 縫 合不全 ;2 イ レ ウス ;1 14(14%〉 68

1 土 14

36 (43%〉 8 (57%) 3 (21%) 1 (7%) 5 (36%) 5 (36%〉 1 (7%) 1 (7%) 4 〔29%) 1 〔 7%) 0〔 0%) 5 〔36%) 2 〔14%) 4 (29%) 10(71%) 377

1 ± 180

7 1284

7 ± 1

459

9 25

0 ± 6

e27

5 土 921

71 ± 4

20 4

05 ± 3

89

10

0土13

1 10

1 ± 1

53 (21%) 0 ( 0%) 0 ( Q%) 0 ( 0%) 1 ( 7%) 2 (14%) 3 〔21%) 11 〔79%) 35

4± 20

5 33

4± 21

5

2

1 ± 1

35 (36%) 9 (64%)   無 気肺 :2 創 部 感 染:2 イ レ ウ ス :1 <0

Ol’1)2) n

S

く0

01†1)z) <0

05 t3〕 く0

Ol†D2}3) く0

Ol

3冫 くO

Ol  3)  n

S

〈0

05*2)3}      

2)3) く0

05n

s

 n

S

く0

05 *3〕 n

s

n

s

n

S

n

S

n

s

 n

s

く0

D5 †2〕 くO

Ol*2)3) <O

Ol

z)3)  n

s

<D

05 †3)

年 齢

手 術 時 間

出 血 量

Body Mass Index

腹部骨格筋 断 面 積 C反 応 性 蛋 白

生 化 学 検 査 日

在 院 日数 実施単位 数

手 術 前 運 動 機 能 評価 日は 平 均 値±標 準 偏 差で表記

性 別

がん進 行 度

手 術 部 位

手 術術 式

併存 疾患

が ん治 療 経 験の有 無

手 術 後 合 併 症の有 無は件 数 (割 合 )

手術 後合併症の内 訳は件 数のみ表 記

POD;postoperative day

;B。nferr・ni法

†;ノ検 定 

n

s

;・・t・ig・ificant

1)基 準 群vs 非 該 当 群

2>蛬 準 群vs 該 当群

3)非該 当群vs 該 当群

(6)

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Japar ユese  Physical  Therapy  Association

消化 器が ん患者に おける手術 前サル コペ ニ 要 因影 響 421 表2 対 象 者各群の基 本 的属 性 (手 術 後 経 過良好者) 全 症例   周術期 消化器が ん患者 基準群        非 該 当群 該 当群 P値 症例 数 (例) 年 齢 (歳 ) 性 別 (例 ) がん進 行 度 (Stage分 類 ) (例 ) 手術部位 (例) 手 術術式 (例) 手 術 時 間 (分 ) 出 血 量 (ml) B・dy Mass Index (kg〆m2 ) 腹 部 骨 格 筋 断面 積 (cm2 /m2 ) C反 応 性 蛋 白 (mg /d[) 生 化 学 検 査 日(POD ) 併存 疾患 (例 ) がん治 療 経 験の有 無 (例 ) 在院 日数 (日) 実 施単位数 (単 位) 運 動機 能

QOL評 価 日 (POD ) 男 性 女 性 1 皿 皿 食 道 胃 肝 臓 胆 嚢 膵臓 結 腸 直 腸 腹 腔 鏡補 助

ド 開 胸

開 腹 手 術 前 手術 後 手術前 手 術 後 高 血 圧 症 脂 質 異 常 症 糖 尿 病 心 疾 患 呼 吸 器 疾 患 整 形 外 科 疾 患 あ り な し 手術 前 手術 後 退 院 後  

 

錨 脚

231237

 

螺 川

 

嵎 89412 。 。 。 。

嫐 蜘 脚

61 − − 225

珊 闘 酬

 

くO

el

1} 〈e

01t3} く0

Ol†D2)3) く0

05 †2)3) く0

05 †1〕2〕3}  n

S

 n

S

 n

s

  n

s

 n

s

 n

S

 n

S

 n

S

 n

S

 n

s

  n

S

  n

s

 n

S

 n

S

<0

D5 †2> n

S

n

s

n

s

n

S

n

s

年 齢

手 術 時 間

出 血 量

Body Mass 工ndex

腹 部 骨 格 筋 断 面 積

 C反 応性 蛋 白

生化 学 検 査 日

在 院 日数 実 施 単 位 数 運 動 機 能

QOL 評 価日 は

平 均 値±標 準 偏差 で表 記

性別

が ん 進行 度

手 術 部 位

手 術 術 式

併 存 疾患

が ん治 療 経 験の有 無は件 数 (割 合 )で表 記

QOL;Qua!ity of Life

 POD;postoperative day

;Bonferroni補正 し たMann

Whitneyの U検 定

†;X2検 定

 n

s

;not signficant

l)基準 群vs 非 該 当群

2) 基 準 群vs 該 当 群

3) 非 該 当群vs 該 当群 血量

腹 部 骨 格 筋 断 面 積

手 術 前

CRP ,

がん治 療 経 験 の有 無 在 院日数 実 施 単 位 数 非 該 当 群と該 当 群の 間 で手 術 部 位

手 術 術 式

手 術 時 間

出血 量

腹 部 骨 格 筋 断 面積

手 術 前

CRP ,

在院 日数 実 施 単 位 数に各々有 意 差 が 認められた (表

1

)。 また

手 術 後 経 過 良 好 者では

基 準群

14

例 (男 性

7,

女 性

7

年 齢 52

9.

2

歳)

非 該 当群

37

例 (男性

21,

女 性

16

年齢

61.

5

±

10.

5歳)

該 当 群 5例 (男 性 1

女 性

4

年 齢

70,

2

±

19,

0

歳) N工 工

Electronic  Library  

(7)

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422 理 学療法 学 

99

 42巻 第5号 表3  周 術 期 消 化 器が ん患 者に おける等 尺 性 膝 伸 展 筋 力の経 時 的 変 化 手 術 前 (1> 計測時期 手 術 後 (2) 退院後 (3) 多重比較 対 象 者 各群     基 準 群 (i) 非 該 当 群 (iD 該 当 群 (iii) (n

14) (n

37) (n

5) 5

3

± 1

74

3± 1

43

5± 1

2

4.

4

±

1.

64

1± 1

42

6± 0

9

4.

8

± 124

4± 1

2 2

9± 1

2 (1) 〉 (2)

(iiii* 等 尺性 膝 伸 展 筋力 (Nm 〆kg)は平 均 値±標 準 偏 差で表記

p 〈 〔)

05(B〔}nferroni 法 ) 対 象 者 各 群 と計測 時 期の要 因 間に有意 な 交 互作 用 効 果 あ り

表4 周 術 期 消 化 器が ん患 者に おける

6

分 問歩行 距 離の経 時的変 化 手 術 前 (1) 計 測 時 期 手 術 後 (2) 退 院 後   多 重 比 較 対象 者 各群    基準群 (i) 非 該 当群 (ii) 該 当 群 (iii) (n

14)   569

4± 63

5 (n

37)   537

7± 66

9 (n

5)   379

2± 23

7 499

9 ± 65

5     573

9 ± 56

4                        (1)(3) 〉 (2* 503

0± 83

4    544

7± 862                        (i> (ii>  〉  

@

(iii)  340.3  ± 

57

.8     393.7  ±

40

46 分間 歩 行距離(

m

) は平均 値 ± 標準偏 差

記 .

p<

0

.05 (Bonferro 法) 対 象者各 群と計測 時期 の要 因 問 に有意な交 互 作用

なし . 表

5

周術 期消 化器 がん患者に おけ

ラメ ー タ の 変 化 比 ホ象 者 群 基準群 (n =1j 非該当 (  7

当群 (n;

5

P

値 等

性膝伸 筋力  手 術 前 〜 手 術 後

6

分 間 歩 距 離     手 術 前 〜 手 術後         

 

  手術後

退 後 83、6± 

14

989 ,4 ±

 

1 D3116 .3± 15.998 .4

±

2  @

 

    76.9±21,093 ,7± 

11

8  

 

   89.5± ll.3108 ,9 ± 

98

  

 

    7

1

 

 

13

0

05 ‡

n

S

n

S

. 各 パラメ ー

化比 (%)は平均値±標準偏差 で

記.

Kruskal Wallis 検定  

n

s

. ;

not

 

significant

であ た。 属

情 報の 比 較 で は , 基

群と 非該当 群の間 年 齢, が ん

行度 手 術

式 , 基 準

と該当群 の問で

進 行 度 ,手術 部 位, 手術術 式

がん治 療 経 験 の 有 無

非 該 当 群と該当群 の間で性別 , が ん 進行度手

位, 手術術式に各々 有 意 差 が認めら れた( 表

2

)。  

象者各群に おけ る手 術 後 合 併症の 発 症率

よ び 内訳 は, 表

1

に示した 。 手術後合 併 症 の発 症 率

, 非該当群 と 該 当 群の間 に 有 意 差が 認 めら れた。また, 該当 群 の中 ナEWGSOP サ ルコ

ニ ア 診断基 準を用

て 手術前 に ル コ ペ

アと 判 断(

1

.筋 肉量 の低下 と

2

.筋力 の 低 あ る い は

3

.身 体能

の低下 の2基 準 に 該

)8) れた 周 術 期消化 器がん患 者は,9 癇

 

例 存 在 し ,内

2

例 に 手 術後合 併症の発症が 認 め れ た 。

D

対象者 各 群にお ける運 動 機 能 の経 時的 変化 と運動機 @能 変 化比  対象者 各群に お

る手 術前 か

退 院 後ま の 運 動 機能 の計値 は , 表

3

と表

4

に 示 し た 。

IK

は, 対象者 各 群 お よび計測時期 の各

因に 有 意な主 果が認められ, 多重 比 較 検

の 結 果よ り基 準

と該当 ,手 術前と 手 術 後 の 各々に有意差が 認 め ら れ た 。ま IKEF は ,

象者 各群 と計 測 時 期 の要因 問 に交互 用 効果が認め ら れ た 。

6MWD

では, 対象者各 群お び計 測時

の各要因に有

な主 効 果が認 め

れ, 多 比 較 検定の結果より 基 準群 と 該 当

,非 該当 群と 該 群

手 術 前 と 手術後 , 手 術後 と退院後の各々に 有意 が 認 め ら れ た 。

6MWD

に は, 対 象 者 各 群 計測 時期の要因 聞 に 交

作用効 果 が 認 め ら れ な か っ た 計測時 期

に 有 意差が 認 め ら れた IKEF と6MW

,各々 計 測時 期 間の

動機 能変 化比 を 算出 し,対象 各 群 で 比 較 し た(表

5

)。 較 の 結

よ り運動 機 能 変 化 比は,手術 前 か手術後 の

(8)

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消化 器 が ん患 者に お け る 手 術 前 サル コ ペニ 要 因影 響 423 表

6

対 象 者 各 群に おける各 計 測 時 期の

SF36

下位尺度 得 点 PF

1}3 〕 RP BP   SF36下 位 尺 度 得 点 GH*2)        VT *D SF RE MH

iiiilii

1

1

手術 後  基 準 群 非 該 当 群 82

5 〔63

B

 88

8) 80

0 (60

0

 95

0) 該 当 群    65

0(65

0

70X〕) 100

0 (88

O

100

D) 8生0  (62

0

 100

0) 100

0 (87

5

 100

0}   80

0 (4e

O

 leO

O) 28

1 (25

0

 359) 50

0 (1&8

 75

0) 56

3 (50

e

 56

3) 騰

iiiiiliilii

liiililiilii

31

0 (22

0

 41

0) 41

0 (31

0

 52

0) 41

e (41

0

 52

0) 84

0〔650

IOOS〕) 74

O (52

0

 84

0) 6生0(41

Q

 SO

O) 磁

5 (53

3

 81

5〕 62

0  (50

O

 70

0> 52

0 〔35

0

 55

0)

1

ll

1

1

:顎

1

1

56

3 (43

8

 75

O)    IOe

O  〔50

0

 100

O)   お

3  〔50

0

 100

0 )

iiiiiii

 

iiii

iii

iiii

ア2ρ (57

0

 79

3) 00

O (52

0

 72

D) 55

0 (45ρ

 62

0) 65

6 (62

5

 75

0) 62

5 (5e

O

 75

0) 43

8  (37

5

 5e

O) 50

0  (25

0

 墨

4)   4L7  (1&8

 75

0 〕 62

5 (25

0

 87

5>    58

3  (お

D

 91

7) 62

5 (5e

O

 87

5}    50

0  (33

3

 75

e) 81β (50

0

 loe

O) 75

e 〔50

0

 lee

O〕 75

O (62

5

 75

0) 95S (56

3

 100

0) 75

0  (se

O

 100

O) SO

e  (33

3

 66

7> 72

5 〔66

3

 88

8) 7e

O (50

e

 断

0) 60

0 (35

O

 &5

O) 675  (55

D

 75

O) 65

0(60

D

80

0) 55

0 (55

0

 70

0) 8e

O (76

3

 跼

O) 8D

O  (65

0

 85

0) 60

0(60

0

75

0) SF36下 位 尺 度 得 点 は

中 央値 (25percentile

75percentile)で表 記

PF ;Physical functioning

 RP;Role physical

 BP;Bodily pain

 GH;General health perceptions

 VT ;Vitality

 SF;Secial functioning

 RE;Role emotional

 MH ;

Mental

 

health

p<O

05 (Kruskal Wallis検 定 )

**pく0

05 (Bonferroni補正 し たMann

WhitneyのU検 定)

1)手術 前

2) 手 術 後

3) 退 院後

3

各 計 測 時期における対象者 各群の

QOL

 各 計 測 時 期に おける対象者各群の

SF36

下位尺度 得 点 は

6

に 示 し た

。SF36

下位尺度 得 点は

手 術 前で は

PF

の 基準群 と該 当 群お よ び VT の基 準 群と非 該 当 群

手術後で は

GH

の基準群 と該 当群

退 院後ではPF の基 準 群 と該 当 群

各々 に有意 差 が認め ら れ た。 考 察 1

サルコ ペニ ァ要 因と手 術 後 合 併 症の発 症率の 関係に   つ いて  昨 今 サル コ ペ ニ 発 症 関連 要 因 とし て

,IL−6,

 II

1

TNF α

  CRP 炎 症 性サ イ トカイン の増加が 報告さ れ てい る32

35)。 炎 症 性 サ イ トカインは

高 齢 者の筋 量や 筋 力と負の相 関 関係にあ り32

34)

加 齢に伴 うホル モ ン 変 化 お よ び身 体 組成変 化な どに よ り増 大し

老 年 病や老 年 症 候 群の発 症

進 展に関 与 してい る 可能 性が 示唆さ れ てい る35)。 本 研 究において EWGSOP サルコ ペ ニ ア診 断 基準に

基 準 以上カ ッ トオフ値 未満が認め られ た該 当群 はt 他の群と比 較し手術 前

CRP

が有 意に高かっ た (表

1

この こと から該 当群では

手 術 前に お け る消 化器 が ん 患者のサル コ ペ ニ ア要因の有 無を 反 映 し た と推 察 す る, 加えて該 当群は

非 該 当群 と比 較し

手 術 後 合 併症 の発症率が有 意に高 率であっ た (表

1

本研 究に おい て もっ と も多 く発 症し た手術 後 合 併 症は

創 部 感 染や 縫 合 不全 とい っ た自己免 疫に関連 するもの であっ た

。一

般 的 に手 術 侵 襲に伴い生体 内で は

免 疫 反応が活 性 化し

損 傷 し た 細 胞の修 復や外 部か らの病原体の侵入 を防止する と同 時に

そのエ ルギ

源に は おもに全身の骨格 筋に 存 在するア ミ ノ酸が使 用 される 36)

加 えて

周 術 期 消 化 器 が ん 患者におい て手術 前の炎 症 性サ イ トカイン の 加は

免 疫 機 能の担 当 する血 液細 胞である リンパ 少と関 連して おり37

39)

手 術 後 合 併 症の発 症リス ク が 増 大 するこ と が報 告 されて い る  

したがっ て

手 術 前に低 骨 格 筋 量および 炎 症 性サ イ ト カ インの増 加が認め られ た消 化 器が ん患 者で は

同様に手術 侵 襲に伴 う免 疫 反 応の活 性 化が 不良 となり

自己免 疫に関連する手術 後 合 併 症の

発 症 要因と なっ た可 能性が推 察 される。 また

次いで多 く発 症し た手 術 後合併症 は

無 気 肺であっ た。 無 気 肺 な ど呼 吸 器 合併症は

手術 術 式や麻 酔 時 聞 など 様々な発 症 要 因が存 在 する中

手 術 前にお ける心 肺 機 能 の低 予 備 力 が

発 症 要 因 と して挙 げ られてい る 17)

手 術後の生体 内では

免 疫 反応が活性 する と 同時に酸 素消 費量 が増 大し41)

手 術 後の全 身 性 酸 素 供 給に は手術 前 の心肺 機 能 予 備 力が大 き く関 与 して い る 42)。 加 えて

手 術 後に吸 器 合併症の徴 候がある場 合に は

酸 素要求 量 が さ ら に増 大 するこ とで酸 素 負 債 を 引 き起こ し17)

心肺 機 能 予 備 力が低 ければ臓 器 不 全とな り呼 吸 器 合 併 症 の発症 に至る 43)。 身 体 能 力 評 価に使用 し た

6MWD

骨 格 筋 など末 梢 器 官での酸 素 利用増 加と呼吸循環 器を中 心と し た酸 素 運 搬シス テムに よ る全 身性 酸 素供給の双方 を捉える ことが で き44)

酸 素 摂取 量

二酸化 炭 素の排 出量

肺血流 量 などを反 映 する17 )

こ の こ と か ら リハ 医学 分 野におい て 6MWD は

簡 易 的に心 肺 機 能の予 備 力を把 握で きる評 価スケ

ル とし て 有 用 で あ り

世界的 に汎 用さ れてい る 17)26)。 し た がっ て

手 術 前に低身体 能 力が認め られた消 化 器 がん患 者で は

手術 前の心肺 機 能 予 備 力が低 く

呼吸 器合 併症の

発 症 要 因 と なっ た 可 能性が推 察 される。 以 上の ことか ら

EWGSOP

サルコ ペ ニ ア診 断基 準の内

低 骨 格 筋 量 と低運動機能のい れ か

準 あい は

基 準以上 に該 当し た 消 化 器 が ん 患 者で は

他の消 化 器 がん患 者 と比 較し て手術後合併症の発 症 率が有 意に高 率であっ た と推 察 する

N工 工

Electronlc  Llbrary  

(9)

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424 理学 療 法 学   第42巻 第5号  しか し

方で該 当群 は

他の群 と 比較し て有 意に出血 量 が多く高 侵 襲であり

手術侵襲の程 度が手術 後 合 併 症 の発 症 率に影響してい る可能性が示 唆さ れ る

。一

般 的 に 于 術 治 療は

腫瘍の大 きさ

リン パ節や他臓 器へ な ど患 者の病 態に合わせ て選 択さ れ

早 期が んであ れ ば 低 侵 襲な腹 腔 鏡 補 助下手 術が適 用と なり

逆に腫 瘍が 大 き ければ 開 胸

開 腹 手術 が 適用 され 切 除 範 囲 も広 範 囲と な る

加 えて前 述 し た 腫 瘍の大 き さ

リンパ 他 臓 器 へ の浸 潤は

手術前に おける周術期消化器 がん患 者の 炎 症 性サ イ トカ イン増 加の

要 閃で あ る こ と が報告さ れ て い る 45

49)

該 当群で は

他の群 と 比 較 して手 術 前

CRP

が 有 意に高かっ た要 因と して腫 瘍の 代謝 量 を 反 映 してい る可 能 性 が 推 察で き

手 術 治 療 も高 侵 襲と なっ た 可 能 性 が示 唆され る。 ま た

手 術 侵 襲に伴 う骨 格 筋か らの ア ミ ノ酸 放 出36)は

生 体が受 け た 手 術 侵 襲の程 度に比 例 し て増 加 する50 )

す な わ ち

手 術 侵 襲が大 きい ほ ど免 疫 反 応に必 要 なエ ネルギ

源 (骨 格筋内の ア ミ ノ酸)は

減 少 し

手術 後の 自己 免 疫 力低 下に繋が り

直接的 に手 術 後 合 併症の発 症リ ス ク増 加に影響 す る 可能 性が 示唆さ れる。 今 後 周 術 期 消 化 器が ん患 者に おい て手術前サルコ ペニ ア要 因の影 響 力を さ ら に探 究 する に は

手術 侵襲の 程 度や がん の進 行 度 などの属 性 情 報を 群問で統制 し

再 検討 する 必要が あ る

2.

周 術 期 運 動機 能 変 化に対 するサル コ ペ ニ ア要 因の影   響 につ い て   周 術 期 消 化 器 がん患 者におい て手 術 前か ら自宅復 帰 後 ま での 運動 機 能 を 追 跡し た結 果 IKEF と6MWD と も に手 術 後 有 意な低下 が認められ

自宅 復 帰 後に手 術 前と 同程度まで回復 するこ とが明 らかとなっ た (表

3,

4

)。 こ れ は

周 術 期 消 化 器 がん患 者に手 術 後 1週 間程 度 持 続 する 全身 性の蛋白異 化亢 進51

53 )

手 術 後の食 事 制 限

急 性 期 安 静な どによ り

手 術 後

時 的な運 動 機 能 低 下 が 認め ら れ た と推 察 さ れ

先 行 研究と同様の結 果が得られ た 54)

ま た

IKEF

に は

対象者 各 群 と計 測 時 期の 2要 因 間に有 意な交互作用効 果が認め られた (表3)。 加え て算出 し た

IKEF

の 手術 前後 変 化 比で は

対 象 者各群で 有 意な 主効 果が認め ら れ た (表

5

)。 該 当 群で は

他の 群 と比較して手 術 前

CRP

が高い 傾 向にあ り

手 術 も高 侵 襲であっ た

前述 した ように手術前の炎 症性サイトカ イン の増 加は

腫瘍の大 き さ

リンパ 他臓 器へ の浸 潤な ど が

要 因であ り45

49 )

腫 瘍の代 謝 量 を反 映 する と と もに手 術 治 療 も 高 侵 襲 と な る 可能 性が示 唆さ れ る

加 えて

手 術 後に発生 す る全 身 性の蛋 白異 化 亢 進は

生 体が受 けた手 術 侵 襲に 比 例 し て増 加 する50)。 した がっ て該 当群で は

他の群 と比 較 し て手 術が高 侵 襲で

手 術 後に発 生 する蛋 白異 化 亢進 に伴 う骨 格 筋か らのアミ ノ酸 放 出 量 が多い可能 性があ り

手 術 後サル コ ペ ニ 要 因の 有 無が手 術 後 運 動 機 能 低 下に影 響し た可 能 性が推 察さ れ る。

6MWD

の手 術 前 後 変 化比では

対 象 者各群 で 有 意 な主 効果 が 認め ら れなかっ た (表 5)。 前述 し た よ うに

6MWD

末 梢 器 官での酸 素 利 用 増 加と全 身 性 酸 素 供 給の双 方 を捉 えるこ とがで きる 4の 簡 易 的に心 肺 機 能の予 備 力の評 価ス ケ

ル である 17)26)。 し た がっ て本 研 究で は

手術侵襲の高低 を原因 とした手 術 後の蛋 白異 化 亢 進に伴 う骨 格 筋か らの ア ミ ノ酸 放 出量の多 寡 を お も に心 肺 機 能を反 映 する 6MWD で は な く

骨 格 筋の能力 を反 映 する

IKEF

が 捉 えた可 能 性が推 察さ れ る

 し か し手術前か ら自宅 復 帰 後まで追跡で き た非 該 当群 と該 当 群の 問に は

男 女比 に有意 差 が 認 め ら れ た (表

2

加 齢に伴 う骨 格 筋 量

骨 格 筋 能 力の低 下は

男 女と も に 認 め ら れ55

57〕

閉経 後の女 性で著 明と なる 55)57)

した がっ て本 研究 に おい て非 該 当群と該 当群の間に認め ら れ た男 女比の差 は

運動 機 能回復に影 響し ている可 能 性が推 察さ れる

今 後 周 術期 消 化 器 が ん 患 者 に お け る手 術 前サルコ ペ ニ 要 因の有 無と運 動 機 能変 化の関連性に つ いて よ り信 頼 性の高い 見 解る に は

前述 し た 要 因 を統 制し

再 検 討 する こと が 必 要 と 考 え る

3.

周 術 期から 自宅 復 帰 後の

QOL

と サル コ ペ ニ ア要 因   の関 係につ い て  高齢 者を 対象に

SF36

を用い て

QOL

を評 価し

サル コ ペ ニ ア要因との関連 性につ いて検 討し た報 告は

国外 よりい くつ か散見 さ れる 58)59)。 地 域在 住 高 齢者 を 対象 に縦 断 的に

QOL

を追跡 した大 規模 疫 学 調査では

 

SF36

ド位尺度の

PF ,

 

GH

と サル コ ペ ニ ア要 因の 関連性が報 告さ れ てい る

また同報 告で は

対 象 者の性 差や有 病 率 社 会 的 因子 な どを考 慮した場 合で も

前述 した PF

 

GH

とサル コ ペ ニ ア要 因 に 関連性が認め られ

PF

  GH が サ ル コ ペ ニ ア要 因を 反 映 する重 要な指標である こと を示唆 して いる59)

本 研 究 に おいても手 術 前 か ら 自宅 復 帰 後 まで周 術期 消 化 器が ん患 者の

QOL

を追 跡し た結 果

該 当群 は 基準群 と 比較して手 術 前と退 院 後の PF

手 術 後 の

GH

に各々有 意に低 値であっ た (表6)。 PF は

身体 的健 康 を 示 すサマ リ

ス コ ア (Physical 

Component

Summary

;以 下

 PCS )に属し対 象 者の歩 行能力を 反 映する と報 告さ れ てい る31〕。 基 準 群と 比較して該 当群 の 6MWD は

周 術 期か ら自 宅復 帰 後 まで 同様の変 化を 示し た が

計測 値 が有 意に低 値であっ た (表4)

該 当 群 に属した 周術 期 消 化 器 がん患 者は

運 動 機 能が安定し てい る手 術 前 と手 術 創 部の治 癒 過 程が良 好に 進行し てい る と判 断さ れ た自宅 復 帰 後に お いて患者自身が歩行 能 力 のさを 自覚してい る可 能 性 が 示 唆さ れ る

ま た

GH

PCS に属し 日常 生 活上で の活 動量 を 反映 すると報 告 さ れ てい る31)

基 準 群と比較して該 当 群 は

手 術が高 侵 襲で あ り

より手 厚い周 術 期 管理 が 必 要 となっ た ことで N工 工

Electronlc  Llbrary  

図 2   当 院 に お け る 周術 期 が ん リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン の フ ロ ー・ チ ャ ー ト

参照

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