1. はじめに
近年,地球温暖化の原因とされる温室効果ガスの総排出 量を抑制するための取り組みのひとつに,水素燃料電池自 動車が着目され,産学官共同による大型プロジェクトの研 究開発が進められている.(財) 日本自動車研究所 (JARI) で は,水素を自動車の燃料として使用するために,これらの 基準の策定に必要なデータの取得,および社会的受容に必 要な安全情報を得るために,新エネルギー・産業技術総合 開発機構 (NEDO) の委託を受けて,水素燃料電池自動車安 全性評価試験施設 (Hy-SEF) を開発した (図 1 参照).この 施設は,耐爆火炎試験設備,圧縮水素試験設備,液化水素 試験設備,水加圧試験設備で構成されており,水素燃料電 池自動車の総合的な安全性を評価することができる.特に, 図 1 の中央部にある円筒形をした耐爆火災試験設備は,自 動車用の水素燃料容器が破裂しても安全な強度を持った屋 内の火災試験設備である.また,火災試験で発生した排煙 も環境に配慮した処理をすることができる.これにより, 天候や自然環境の影響を受けずに,より精度の高いデータ を得ることができるようになった. 本稿では,これらの設備等を利用しながら JARI がいま まで実施してきた水素・燃料電池自動車の安全性に関わる 研究課題の中から,燃焼に関連がある火災安全に関わる研 究活動を取り上げ,既存技術の安全対策に関して紹介を取 り混ぜながら,試験概要と今後の課題を概説する. * Corresponding author. E-mail: [email protected]Fire Safety of Compressed Hydrogen Cylinder and Hydrogen Fuel Cell Vehicle
田村 陽介*
TAMURA, Yohsuke*日本自動車研究所 FC・EV 研究部 〒311-4316 東茨城郡城里町小坂高辺多 1328-23 Japan Automobile Research Institute, 1328-23 Takaheta, Osaka, Shirosato 311-4316, Japan
Abstract : This paper reports research outlines and safety issues from an experimental study conducted recently by Japan Automobile Research Institute on the fire safety, including existing safety measures, of hydrogen fuel cell vehicles (“HFCV”). One of the concerns about the fire safety of vehicles equipped with a compressed hydrogen cylinder is the proper presence and function of a pressure relief device (“PRD”) designed to release hydrogen gas from the cylinder at the detection of a fire. Since bursting energy in a 70-MPa high pressure compressed hydrogen cylinder can reach 2.4 - 4.2kg in TNT equivalent in case of PRD failure, every necessary step must be taken to prevent PRD malfunction. If the PRD of a 35-MPa hydrogen cylinder is activated, an upward flame of as high as 10m is generated for about 1 minute. However, this short-lived flame is not thermally sufficient for adjacent vehicles to catch fire; HFCV on fire are equivalent with CNG and gasoline vehicles on fire in terms of their thermal impact on surroundings. Furthermore, HFCV fire can be extinguished by an spraying of water while dispensing with any special fire fighting measures.
Key Words : Hydrogen, Fire safety, Vehicle
2. 圧縮水素貯蔵容器の火災安全性
2.1. 自動車用圧縮水素貯蔵容器 水素の貯蔵方法には,圧縮水素,液体水素及び水素貯蔵 材料による貯蔵方法の 3 通りがある.この内,主流の貯蔵 方式は圧縮水素である.この貯蔵方法は構成要素部品が少 なく,システムが容易で,かつ容器質量も比較的軽量なこ となどの理由から,車載用として広く採用されている.現 在,一層の利便性向上を図るために,自動車用圧縮水素容 器の最高充填圧力は 35 MPa から 70 MPa へ増大する動きが あり,我が国では 70 MPa 化に対応するための基準が発効 される予定である.図 2 に,自動車用圧縮水素燃料容器の 一例を示す. この容器は,軽量化を図るために,燃料ガスをバリアす るためのライナーと,ライナーを補強する炭素繊維強化プ ラスチック (CFRP: Carbon Fiber Reinforced Plastics) 層およ び口金で構成される.容器はライナーの材質によって分類 され,金属製ライナーの圧縮水素容器を VH3 (あるいは Type3),樹脂製ライナーの圧縮水素容器を VH4 (あるいは Type4) 容器と呼ばれる. 2.2. 火炎暴露試験 ガス容器が火災によって炙られ続けた場合を考える.火 災熱によって容器内のガスが膨張することで内圧が上昇 し,やがて容器が耐えきれなくなり破裂してしまう.その ため,圧縮ガス貯蔵容器には安全弁 (PRD: Pressure Relief Device) が装着される.安全弁は容器が過熱されているこ とを検知し,容器内のガスを放出させる安全装置である. 安全弁の作動方式には,主に圧力作動方式と熱作動方式の 2 通りがあるが,CFRP 複合容器については,一般の鋼製 容器よりも耐熱性が劣るため,これに装着される安全弁は 熱作動式が採用される[1].熱作動式安全弁の作動温度は規 定されていないが,ほとんどが 110 ℃付近である.この安 全弁を組み付けた容器の健全性を確認するため,図 3 に示 すような火炎暴露試験 (Bonfire test) が規定される[2]. この試験では,容器全体が軽油などのオイルパンやプロ パンガスバーナなどによる火炎で炙り,安全弁作動し,容 器が破裂しないことを確認する. 2.3. 安全弁が作動しなかった場合の周囲影響 もし,安全弁が作動せずに容器が破裂した場合,周囲に 与える影響はどの程度であろうか.これを調べるために, 安全弁を取り外した 70 MPa 自動車用高圧水素容器燃料容 器の火炎暴露試験を行った.図 4 には,VH4 容器 (容積 35 L) が破裂した時の状況を示す. この容器の場合,バーナ点火開始 (試験開始) から 21 分 21 秒後,容器の内圧は約 70 MPa から約 100 MPa まで上昇 し,破裂した.その時に形成されたファイアーボールは最 大約 18 m であった.また,ファイアーボールの持続時間 は約 1 秒であった.図 5 に地上高 1 m の容器から 5 m と 10 m 位置での爆風圧の時間変化を示す.Fig.2 Compressed hydrogen cylinder for automobile
Fig.3 Bonfire test
Fig.4 Fire burst test scene (70MPa, VH4, 35ℓ)
爆風のピーク最大圧力は,破裂直後 5 m 地点において 110.5 kPa,その 0.013 秒後に 10 m 地点で 23.4 kPa を記録し た.また,金属製ライナーの圧縮水素容器 (VH3,34ℓ) に ついても同様の試験を行い,双方の爆風圧のピーク最大圧 力から容器の破裂エネルギーを TNT 当量で換算すると, 約 2.4∼4.2 kg となった[3].図 6 に容器 (VH3,34ℓ) の飛 散状況を示す. 容器片は吹き飛び,容器の一部は最大約 200m 離れた平 地に燃えたまま飛翔した.また,この際,容器のカーボン 繊維は塵状になって散乱した.このように,容器が破裂す ると,その周辺は大きな危害を与える恐れがある.まして, 都市部で発生した場合には大変な事態になる.そのため, 容器が破裂する事態は避けなければならない. しかし,近年,海外において,安全弁が作動せずに容器 が破裂する事故が発生した.事故車両は圧縮天然ガス (CNG) 自動車であるが,容器自体は先述した火炎暴露試験 に合格した容器である.安全弁が作動しなかった原因は, 安全弁の近傍にある火炎が車両のパネルによって遮られ, 安全弁に熱が伝わらなかったためと推定された[4].この事 故を受け,北米から安全弁から離れた位置で容器を局所的 に炙る局所火炎暴露試験が提案され,現在,試験方法の確 立に向けて議論が活発化している[5].このような背景から, これからの自動車用圧縮水素容器の火災安全技術は,局所 火炎にも耐えうる容器の研究開発の方向に向かうものと考 えられる.
3. 水素燃料自動車の火災安全性
3.1. 安全弁作動時の水素火炎の規模 次に,圧縮ガス燃料容器が車載された状態での火災安全 性を考えてみる.安全弁の作動時に噴出される可燃性ガス を安全に着火させ,かつ噴出火炎を安全な方向へ導くため に,放出管が装着される.放出管の向きは,ほとんどの車 両で上方,あるいは下方に向けられている.図 7 は 35 MPa 水素容器 (容積:45ℓ) の火炎暴露試験を行い,放出管 (内 径 7.2 mm) を上方向に向けた場合の安全弁作動の水素火炎 を状況を示す.また,図 8 には,最低地上高 280 mm, 車幅 1.5 m の車両を想定した放出管が下方向に向けられた場合の水 素火炎の状況を示す. 上方へ放出した場合,最大火炎高さは 10.9 m (容器安全 弁作動後 0.5 秒) である.下方へ放出した場合,最大火炎幅 は 6.0 m (容器安全弁作動後 1.33 秒) である.いずれも,容 器安全弁作動 12 秒後には火炎高さや直径は 4 m 以下とな り,約 1 分間で水素火炎の放出が完了する[6].このような 水素火炎が,火災時に車両から噴出される. 3.2. 従来車との比較 水素燃料自動車は火災時において安全弁の作動により水 素火炎が噴出される特徴を持つため,ガソリン車などの現 Fig.6 Dispersion of cylinder (70MPa, VH3, 34ℓ)Fig.7 Visible image of jet flame during PRD activated (upward)
Fig.8 Visible image of jet flame during PRD activated (downward)
Fig.9 Visible image of hydrogen flame vented downward during PRD activation
Fig.10 Visible image of CNG flame vented downward during PRD activation
行車と比べて火災性状が異なることが想定される.そこで, 水素燃料自動車の火災安全性を評価するために,現行車で あるガソリン車および天然ガス自動車 (CNG) と比較した. 図 9, 10 には,それぞれ水素および CNG 車の火炎が最も ピークとなる安全弁作動直後の状況を,図 11 にはガソリ ン燃料タンクに火炎が移行した時の状況を示す. 水素と CNG の火炎規模を比較すると,CNG の方が火炎 の拡がりは大きく,ガスの放出終了までの時間も長い.さ らに,車両周囲の可燃物の損傷も CNG の方が広範囲に及 ぶ.一方,ガソリン車は火勢が増している時間帯が長く, 火炎の拡がりも大きい. 車両周囲の熱的影響を評価するために,図 12 に各車両 周囲の熱流束 (車両側面 1 m,高さ 1.2 m 位置) を示す. 水素燃料自動車の最大熱流束は,安全弁が作動した直後 の 186 kW/m2 である.CNG 車では安全弁が作動した直後 の 231 kW/m2 であり,水素よりも大きい.ガソリン車では, 燃料タンクに火が回った時に発生した 200 kW/m2 が最大で あり,その値は水素よりも高く,かつ水素や CNG 車に比べ, 高い熱流束が継続する時間帯が長い.その他,車両周囲の 焼損程度などと比較しても,水素自動車は CNG 車やガソ リン車に比べて極めて危険な状況には至っておらず,現行 の自動車と同等レベルであった[7]. 3.3. 複数台の周囲影響 水素燃料電池自動車が普及した際,複数台の水素燃料自 動車が火災に至る可能性がある.ここでは,自動車運搬専 用船での海上輸送を想定した複数台の水素燃料自動車の火 炎試験の結果を示す. シナリオは,自動車運搬専用船での車両輸送を模擬し, 駐車間隔,隣接車両も同一車両,車両の窓は全閉とした. また,火災・出火位置は後部タイヤ部位近傍からのもらい 火とした.図 13 に,試験方法の概念図を示す. 隣接車両は出火源となる車両 (A 車) の横側に 1 台 (B 車),後側に 1 台 (C 車) の合計 3 台である.自動車運搬専 用船での駐車間隔とし,横方向は 10 cm,前後方向は 30 cm の間隔で駐車させた. 車両の床下には,安全弁を装着した鋼製の容積 40ℓ 相 当の模擬容器を搭載し,A 車と B 車には後輪車軸の前後に 1 本ずつ (計 2 本) を,C 車には後輪車軸の前に 1 本を搭載 した.安全弁の作動タイミングを得るために,安全弁には 約 8∼10 MPa の小容量のヘリウムガスで加圧しておく.A 車の安全弁が作動した際,車両の外部から水素を供給 (70 MPa・容積 40ℓ×2 本) し,安全弁作動時による水素の放出 を模擬する.水素の放出は,容器安全弁が設置されている 箇所から斜め後方に 45°方向に,内径 4 mm のベント管か ら放出した. 図 14 に A 車の安全弁が作動するまでの間の燃焼過程の Fig.11 Visible image of gasoline-fed flame from cylinder
Fig.12 Heat flux at the position of 1m from vehicle body side surface and 1.2 m height from ground in each the tests
模式図を示す. 試験開始から約 109 分後,側面に駐車した B 車の右後部 側面が着火した.114 分後,A 車はほぼ全焼に至り,後部 に駐車した C 車のフロントバンパーとエンジンフードが着 火した.試験開始約 117 分後,A 車の後側容器部位に装着 した安全弁が作動した.水素を後部容器のベント管から放 出させると,火炎は B 車の車両中央部まで,C 車の車両底 部の後輪部まで及んだ (図 15 参照). 放出した水素は約 2 分間で,圧力が 1 MPa 以下となり, 水素の放出が終了した.試験開始 119 分 47 秒後,側面に 駐車した B 車の後側容器安全弁が作動した.試験開始 122 分 14 秒後,A 車前側容器の安全弁が作動したため,水素 を前側容器のベント管から放出させた.これにより,車両 3 台は全焼状態に至り,急速に延焼が拡大した. その他にも,水素燃料自動車にガソリン車が隣接駐車し た場合を想定した火災試験を行い,その延焼性についても 調べたが,双方ともに,隣接車両は出火車両の内外装品の 燃焼による火炎により着火し,出火車両の安全弁はそれ以 降であり,容易には安全弁が作動しないことが分かった. ただし,安全弁作動後には,急激に延焼が拡大するため, 安全弁が作動する前に,迅速かつ適切な火災検知と消火活 動を行うことが,被害を最小限にするために重要である[8].
4. 消火対応について
4.1. 消火対応の課題 水素・燃料電池自動車は,使用実績の乏しい,あるいは 全く使用実績のない新規の技術が適用されているため,事 故時や事故後の対応に関しては,未知の部分が多い.たと えば,消火対応についても,さまざまな課題がある. たとえば,安全弁作動時の噴流火炎への消防の対応とし て,米国カルフォルニア燃料電池パートナーシップでは, 水素噴流火炎を消炎させてしまうと,生ガスの滞留により ガス爆発する恐れがあるため,噴流火炎のベント部に向け て放水すべきではない[9]とされる.その一方で,一般の建 造物などの火災では,火災熱による鋼製ガス容器の破裂を 防ぐために,放水によって圧力容器を冷却する処置がとら れる[10].そこで,水による消火が行われた場合に危惧さ れる事象を調べるため,安全弁の作動によって形成される 水素噴流火炎が散水により消炎するかどうか,および放水 の冷却による容器の強度や安全弁への影響を調べた. 4.2. 水素噴流火炎の消炎の可能性 水素ガス容器 (約 15 MPa,容積 47ℓ) に充填された水素 ガスを,安全弁作動時のガス放出孔を模擬したベント管 (直 径 4.2 mm) から大気中に噴出して着火させ,形成された水 素噴流火炎の基部に向けて散水させた.散水ノズルは最大 放水量 500 L/min・m2,呼び径 50 A を使用した.また,参 考までに水以外に ABC 消火器も使用した.試験は,模擬 車両を製作し,その車両にベント管を取付け,アスファル ト舗装路面を敷いた上で実施した.ガスの噴出方向は上方, および斜め下方 45°の 2 通りとした.ベント管は上方に向 けた場合は,模擬車両のルーフ後部中央に,斜め下後方 45 °に向けた場合は,車両の後輪軸の床下に設置した.消炎 の有無は,熱電対および赤外線熱画像装置により判断した. 図 16 に試験状況の一例を,表 1 に試験結果を示す.こ の結果,噴流の上流圧力が極めて低い場合を除いては火炎 が十分に強いため,消炎しなかった.また,試験 #7, #8 では, 一旦消炎したが,加熱されたアスファルトによって数秒後 に再着火した.しかし,再着火しても,ガス爆発などの危 害を及ぼすような事象は生じなかった. 4.3. 消火放水による容器・安全弁への影響調査 次に,火災で過熱された容器と安全弁が放水された時の 事象の確認,および急冷による容器の強度変化を調査した. 供試容器にはアルミライナー複合容器を用いた. 放水された時の事象を確認するため,容器の火炎暴露試 Fig.15 Fire situation when the PRD activated験を行い,安全弁が作動した時点で,放水させた.その時 容器内圧と安全弁周囲温度を図 17 に示す. この安全弁は,通常,水素ガスの放出は約 1 分で完了す るが,安全弁作動時に容器全体を水で冷却した場合,水素 の放出時間は 4 分以上になった.そのため,試験の安全性 を配慮し,別途,設けた緊急放出弁により,容器内のガス を強制放出させた.安全弁が再閉塞した理由は,融点の低 い金属で構成された安全弁の溶栓が冷却によって再凝固 し,構造上,水素を放出する流路が一部閉塞されたためで ある.ただし,現在の規定では安全弁の再閉塞に対して規 定がないが,再閉塞しない構造のものが既に開発されてい る. 図 18 に容器の強度変化の試験方法を示す. 始めに,容器の火炎暴露試験を行い,数通りの時間まで 容器を過熱する.時間経過後,自然空冷,あるいは直ちに 散水して冷却し,その後,常温で容器の破裂試験を行い, 容器の強度を調べる. 図 18 に火炎暴露時間と水破裂試験の破裂圧力の関係を 示す.ここで,火炎暴露時間 0 分で示されている破裂圧は, 本供試容器自体の耐圧 (110.3∼116.2 MPa) である.また, □の印は,安全弁を装着しない状態で 35 MPa の水素ガス を充填した本供試容器の火炎暴露試験による破裂圧と破裂 時の時間[3]を示している. 安全弁作動時まで火炎暴露を止めた場合 (2 分 15 秒で安 全弁が作動) には,直後に散水した場合,および自然放置 でも,容器の耐圧は供試容器自体の耐圧と同じであり,破 裂強度は低下していない. 5 分間の火炎暴露では,自然放置させた場合のみ,耐圧 が低くなった.さらに,8 分間の火炎暴露では,両者とも に耐圧が小さくなったが,この場合も,散水させた方が強 度は高かった.この理由は,5 分間以上,容器が火炎に晒 されると,CFRP 繊維を固める樹脂 (レジン) が熱分解をし て燃え始める.レジンが抜けると容器の強度が低下するた め,散水した方が容器の強度が保たれるためである[11]. 以上の結果から,このような大気開放空間での火災に 至っては,放水によって消火しても問題ないことが分かっ た.一方,地下駐車場や船舶輸送などの閉鎖空間での火災 の場合においては,従来のガソリン車相当の消火戦略で良 いのかどうか分からない.このように,消火対応について Fig.17 Internal pressure and PRD temperature (The cylinder cooled by
water spray after PRD activation)
Fig.18 Test process for evaluation on the strength of cylinders
Fig.19 Influence of increase in flame exposure time on burst pressure of cylinders after bonfire tests
蔵容器の破裂と,安全弁作動時において水素噴出火炎が形 成される火災形態に関わる安全性と消火対応に関わる研究 を紹介した. 今後の火災安全関連の課題としては,先述したように局 所火炎に対する評価方法や局所火炎から容器を保護するた めの安全技術の開発および安全な消火対応がある.また, 火災発生後の対応も多くの課題が残されている.たとえば, 消火活動によって安全弁が作動する前に消火できた場合で も,その車両には水素ガスが充填されたままの状態で,火 炎によって弱体化した燃料容器が存在する可能性があり, これをどうやって安全に対処すれば良いのかといったこと がある.このように,事故の対応する消防や警察,および 一般ドライバーやサービスマンなどに対しても,さまざま な想定の下で起こり得る可能性がある事象と適切な対応を 促す知識の提供が,今後,水素・燃料電池自動車を普及さ せる上で重要である.
References
1. Craig Webster, Exprience using PRDs in CNGV and Fill
Station Service, Transport CANADA, TP14076, (2002).
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治,渡辺正五,70MPa 自動車用圧縮水素容器の火炎
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1646-1652 (2010): http://www.nhtsa.gov/DOT/NHTSA/NVS/ Crashworthiness/Alternative%20Energy%20Vehicle%20 Systems%20Safety%20Research/811303.pdf
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