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特殊シリカ液のさんご混じり砂への適用性とさんご混じり改良砂の変形 強度特性 岡二三生 1 小高猛司 2 大野康年 3 1 京都大学大学院 2 名城大学 3 東亜建設工業株式会社 1. はじめにさんご混じり砂は炭酸カルシウムを多く含んでいるため酸性反応剤を使用した特殊シリカ液を注入した場合, 反応剤と

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(1)

11.0 土質 深度 GL-(m) 0.0 N値 10 20 30 40 50 改 良 範 囲 埋 立 砂 0.01 0.1 1 10 0 20 40 60 80 100 通 過重量 百分率 ( % ) 粒 径 (mm) GL-2.0m ~ GL-3.0m

特殊シリカ液のさんご混じり砂への適用性とさんご混じり改良砂の変形・強度特性

岡二三生1・小高猛司2・○大野康年3 1京都大学大学院・2名城大学・3東亜建設工業株式会社 1.はじめに さんご混じり砂は炭酸カルシウムを多く含んでいるため酸性反応剤を使用した特殊シリカ液を注入した場合,反応剤と炭酸カル シウムとの化学反応により炭酸ガスが発生する.従来ではこの炭酸ガスの気泡が改良砂中に残留してスポンジ状の固結体を形成 するため強度が得られず,酸性反応剤を使用した特殊シリカ液ではさんご混じり砂のような炭酸カルシウムを多く含有する地盤に は適用が困難とされていた.本研究では,地盤への薬液注入時および養生時には拘束圧が作用していることに着目し,改良砂形 成時の拘束圧の影響について示すことで特殊シリカ液のさんご混じり砂への適用性について検討する.また,さんご混じり改良砂 の単調載荷の非排水ねじりせん断試験,繰返し中空ねじりせん断試験等を実施し,改良砂の変形・強度特性について検討する. 2.改良砂形成時の拘束圧がさんご混じり改良砂性状へ与える影響 改良砂形成時の拘束圧が改良砂性状へ与える影響を検討するため,岡ら1)の改良砂作製手法を用いて室内実験を実施すると ともに,さんご混じり砂地盤にて現地試験施工を実施した.岡ら 1)の改良砂作製手法は,拘束圧条件下にて改良砂の作製が可能 なことから現地盤にて形成される浸透注入改良砂を室内で忠実に再現できる特長を有している.写真-1 に改良砂作製用モールド を示す. (1)砂試料および現地試験施工サイト 室内実験に使用した砂試料は現地試験施工を実施した中城(なかぐすく)湾港埋立て地盤より採取したさんご混じり砂(中城砂) である.当該埋立て地盤は昭和62 年に造成され,埋立てにはさんご礁堆積物の浚渫土を主に使用している. 中城砂の土質柱状図と標準貫入試験結果を図-1 に示し,粒径加積曲線を図-2 に示す.中城砂の物理特性は土粒子密度 ρs =2.80 g/cm3, 最大間隙比emax = 1.908, 最小間隙比emin = 1.164, 平均粒径D50 = 0.3mm,均等係数Uc =3.6, 細粒分含有率 Fc = 8.3%である.また,フレーム原子吸光法により中城砂のカルシウム含有量を測定した結果,40,900 mg/kg であり,千葉県袖 ヶ浦市南袖にて採取した細砂を主体とした埋立て砂(南袖砂)2)729mg/kg と比較して約 56 倍の含有量を有している. (2)使用薬液 室内実験および試験施工に使用した薬液は酸性反応剤を用いた溶液型の特殊シリカ液である3).多くの特殊シリカ液は薬液ゲ ル化時間の調整のため酸性反応剤を使用しており,特殊シリカ液とさんご混じり砂に含まれる炭酸カルシウムとの化学反応によっ て炭酸ガスを発生する. (3)実験内容 実験は,所定の拘束圧を作用させて作製した改良砂と拘束圧を作用させない状態にて作製した改良砂について固結状態を観 察した後,一軸圧縮試験を実施した.拘束圧条件下の改良砂作製法は φ5cm のモールド内に所定の密度で作製した飽和地盤 に所定の拘束圧を作用させた状態で薬液を注入し,薬液注入後も拘束圧作用させた状態で養生した.拘束圧ゼロ条件下の改良 砂作製法は,締固めによる手法4)に基づき,φ5cm モールド内に薬液を溜めた後,乾燥砂を所定の密度が得られるよう投入してそ

Applicability of permeation grouting method using colloidal silica for coral sand and deformation and strength

characteristics of coral sand improved by permeation grouting using colloidal silica ; Fusao Oka1, Takeshi Kodaka2,

Yasutoshi Ohno3 (1Kyoto University, 2Meijyo University, 3TOA Corporation)

図-1 土質柱状図と標準貫入試験結果 図-2 中城砂の粒径加積曲線

(2)

のまま養生した.改良砂の作製条件は,相対密度 Dr= 50%(e= 1.536),拘束圧 σc’= 50kPa,薬液シリカ濃度 5%,養生期間は 28 日とした.現地試験施工の改良平面,断面図を図-3(a),(b)に示す.施工は薬液注入時に裏込め石への薬液逸走を防止するた め事前に薬液ゲル化時間が5秒程度の瞬結タイプの特殊シリカ液を裏込め石背面に沿って注入することで約0.5m 厚の壁を形成 した後,薬液浸透注入工法により1.5m 厚の難透水層を形成した.採用した薬液浸透注入工法は多点浸透注入工法5)である.使 用した薬液のシリカ濃 度は7%である.現地 試験施工にて形成さ れた現地改良砂は28 日養生後,トリプルチ ューブサンプリング によりGL-3.0m お よびGL-5.0m の深 度にて不攪乱試料を 採取して一軸圧縮試 験を実施した.また, 養生約20 ヶ月後,GL-2.0m まで掘削し,出来型形状と固結性状を確認するとともにブロックサンプリングにより改良砂の不攪乱試 料を採取し,一軸圧縮試験を実施した.試料採取位置は図-3(a),(b)に示す. (4)実験結果 写真-2 および写真-3 に室内作製改良砂および現地採取改良砂の固結状況を示す.目視観察の結果,室内作製改良砂では 改良砂作製時に拘束圧を作用させない場合,写真-2 に示すように発生した炭酸ガスの気泡が改良砂中に残留し,スポンジ状の 改良砂が形成されているが,改良砂作製時に拘束圧を50kPa 作用させた場合,改良砂中に顕著な気泡の残留は見られない.一 方,写真-3 に示すように薬液注入時および養生期間中に拘束圧が作用している現地改良砂も改良砂作製時に拘束圧を作用さ せた場合と同様に改良砂中に顕著な気泡の残留は見られない.写真-4 に発掘した改良砂の全景を示し,写真-5 に浸透注入改 図-3(b) 改良断面図(A-A 断面) -8.0 L.W.L +0.10 3.7m 6.8m +3.80 ケーソン 裏込石 :瞬結注入 :浸透注入 凡 例 H.W.L +2.00 :掘削範囲 D.L. 図-3(a) 改良平面図 海側 陸側 瞬結注 入 浸透注 入 瞬結注入部 浸透注入部 :ブロックサンプリング ケーソン ① ② A A : トリプルチューブサンプリング 写真-2 室内作製改良砂の固結状況 [作製時拘束圧無] [作製時拘束圧有] 写真-3 現地改良砂の固結状況(養生 28 日) [採取深度 GL-3.0m] [採取深度 GL-5.0m] 写真-5 改良砂固結状況(試料 No.②,養生 20 ヶ月) ブロック試料 多点式 注入管 写真-4 改良砂発掘全景(養生 20 ヶ月) 瞬結注入 浸透注入 海 側 陸 側

(3)

1.0 1.0 1.0 1.0 100 100 100 100 0.377 0.381 0.411 0.501 0.1 0.1 0.1 0.1 1.441 1.405 1.353 1.337 シリカ濃度 (%) 7 7 7 7 28 28 28 28 繰返し応力振幅比 τ/σmo' 載荷周波数 (Hz) 材 令 (日) 初期間隙比 e0 試 料 K0 軸方向応力 σa' (kPa) 改良中城砂(不攪乱)

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:作製時拘束圧無 :作製時拘束圧有(50kPa) :現地改良砂(GL-3.0m 養生28日) :現地改良砂(GL-5.0m 養生28日) :現地改良砂(GL-3.0m 養生20ヶ月) 圧縮応力 σ (k Pa ) 圧縮ひずみ ε(%) 良砂のブロックサンプリング時のブロック試料No.②を示す.現地改良砂(浸透注入部)は設計改良幅 1.5m を満足し,発掘した改 良砂の表面および内部には炭酸ガスの気泡の残留は見られない.また,改良砂(浸透注入部)では薬液ゲルが脈状に介在した割 裂部の見られない浸透注入形態による注入形態を示している.これは当該工事において注入圧力と注入速度が比例関係にある 浸透注入形態の領域にて設定した注入速度にて薬液を注入したことによる. 図-4 に改良砂の一軸圧縮試験より得られた応力~ひずみ関係を示す. 作製時に拘束圧を作用させない改良砂はスポンジ状を呈しているため, 作製時に拘束圧を作用させた改良砂の応力~ひずみでは曲線の形が大 きく異なり,拘束圧を作用させない改良砂の強度と,初期勾配は小さくな っている.また,現地改良砂の応力~ひずみ関係は作製時に拘束圧を作 用させた改良砂の応力~ひずみ関係とほぼ同様な曲線形状をしている. 一軸圧縮強さは作製時に拘束圧を作用させない改良砂でqu =3.0kPa, 作製時に拘束圧を作用させた改良砂でqu =53.6kPa,現地改良砂でqu= 54~74kPa である. 実験結果より改良砂作製時の拘束圧の有無によって改良砂の固結性状 および改良強度に違いが認められた.作製時に拘束圧を作用させて作製 した改良砂と現地改良砂の固結性状および強度特性は同様で,炭酸カル シウムと酸性反応剤との化学反応により発生する炭酸ガスの気泡の顕著な 残留は見られず,所定の改良強度も得られることがわかった.これら改良砂 作製時の拘束圧の有無による改良砂の固結性状および改良強度の違いは 拘束圧作用時には拘束圧が作用しない場合と比較して発生する炭酸ガス 気泡の大きさが小さいこと,および拘束圧作用時には炭酸ガス発生による砂粒子の浮き上りが拘束圧によって抑えられ,炭酸ガス は間隙を通じて地表面に抜けるか,または間隙水中に溶けることにより炭酸ガスの気泡を含まない改良砂が形成されるものと考え られる. 以上より,酸性反応剤を用いた特殊シリカ液は炭酸カルシウムを多く含有する地盤にも適用可能であることがわかった.ただし, 従来よく使用されてきた拘束圧ゼロ条件下の締固めによる改良砂作製方法 4)では薬液注入時および養生時に拘束圧が作用して いる現地地盤と条件が異なるため,酸性反応剤を用いた溶液型特殊シリカ液を適用する場合,炭酸カルシウムを多く含む砂の薬 液注入改良砂の評価は困難である.したがって,岡らの手法1)のような拘束圧条件下の改良砂作製法を用いる必要がある. 3.さんご混じり改良砂の変形・強度特性 特殊シリカ液のさんご混じり砂への適用性に ついて改良砂の固結性状と一軸圧縮試験結果 に基づいて拘束圧条件下では化学反応による 影響がないことを示した.しかし,この化学反応 が液状化強度特性等へ影響を与えることも予想 される.ここでは,中城砂および改良中城砂の非 排水単調および繰返し中空ねじりせん断試験結 果に基づき,さんご混じり改良砂の変形・強度特 性を把握するとともに特殊シリカ液を用いた浸透 注入による改良効果について検討した. (1)実験内容 実験に使用した試料は,当該埋立て地盤より 採取した中城砂(不攪乱)と採取した中城砂を再 構成して作製した改良中城砂および当該試験施 工にて形成した改良砂より採取した改良中城砂 (不攪乱)である.中城砂(不攪乱)の採取には大 口径ラバル型サンプラー6),改良中城砂(不攪乱) の採取にはトリプルチューブサンプラーを用いた. 採取深度は中城砂(不攪乱)がGL-2.0m~-5.0 m,改良中城砂(不攪乱)がGL-5.0mである.再 構成した改良中城砂は岡ら1)の改良砂作製手法 に従い,当該埋立て地盤の相対密度にあわせてDr=50%の中城砂にシリカ濃度5%の特殊シリカ液を浸透注入した.また,繰返し 図-4 圧縮応力~圧縮ひずみ関係 表-1 実験条件一覧(単調載荷試験) 中城砂 (不攪乱) 1.0 1.0 1.0 50 50 100 0.5 0.5 0.5 1.513 ― ― ― 5 5 ― 28 28 試 料 改良中城砂 初期間隙比 e0 シリカ濃度(%) 材 令 (日) K0 有効拘束圧 (kPa) ひずみ速度 (%/min) 表-2 実験条件一覧(繰返し載荷試験) 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 50 50 50 50 50 50 0.200 0.250 0.300 0.400 0.500 0.600 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 1.526 1.373 1.504 ― ― ― シリカ濃度 (%) ― ― ― 5 5 5 ― ― ― 28 28 28 初期間隙比 e0 材 令 (日) 試 料 繰返し応力振幅比 τ/σmo' ひずみ速度 (%/min) 中城砂 (不攪乱) 改良中城砂 K0 軸方向応力 σa' (kPa)

(4)

中空ねじりせん断試験は中城砂(不攪乱),再構成改良中城砂はひずみ制御(ひずみ速度0.5%/min),現地より採取した不攪乱 の改良中城砂(不攪乱)は応力制御(載荷周波数0.1Hz)にて実施した.中城砂,改良中城砂の実験条件を表-1および表-2に示 す. (2)実験結果 1)単調載荷ねじりせん断試験結果 図-5(a),(b)に中城砂(不 攪乱),改良中城砂の有効 応力経路図を示す.図-5 (a),(b)中のMf,Mmは破壊 線と変相線の傾きを示して いる.中城砂(不攪乱)およ び中城改良砂はせん断の 初期において過剰間隙水 圧の発生に伴う平均有効 応力の減少が見られるが, 中城改良砂は中城砂(不 攪乱)より平均有効応力の 減少量が少なくなっている. また,中城砂(不攪乱)の破 壊線,変相線が原点を通る のに対して改良中城砂の 破壊線は原点を通らず, せん断応力軸に対して 切片を有している.これ は,改良中城砂がせん断 に対して粒子間のかみ合 わせと薬液固化体による 粘着力によって抵抗する ためと考えられる. 図-6にせん断応力~ せん断ひずみ関係を示 し,図-7に応力比~せん 断ひずみ関係を示す.こ こで応力比とはせん断応 力を有効拘束圧で正規化 したものである.改良中城 砂は中城砂(不攪乱)と比 較して同じ拘束圧条件下 では応力比が大きくなって いる. 2)繰返しねじりせん断試 験結果 中城砂(不攪乱)および 改良中城砂のせん断応力 ~せん断ひずみ関係およ び有効応力経路を図-8 および図-9 に示し,せん 断ひずみと繰返し回数の 関係を図-10 に示す. 中城砂(不攪乱)のせん 断応力~せん断ひずみ関 -6 -4 -2 0 2 4 6 -30 -20 -10 0 10 20 30 改良中城砂 K0=1.0 τ/σm0'= 0.500 N = 30 せ ん 断応 力 τ (k P a) せん断ひずみ γ (%) 0 10 20 30 40 50 60 -30 -20 -10 0 10 20 30 せ ん 断応力 τ ( kP a) 平均有効応力 σm' (kPa) 図-9 改良中城砂のせん断応力~せん断ひずみ関係と有効応力経路図 0 10 20 30 40 50 60 -15 -10 -5 0 5 10 15 せ ん 断応力 τ (kP a) 平均有効応力 σm' (kPa) -8 -6 -4 -2 0 2 4 6 8 -15 -10 -5 0 5 10 15 中城砂(不攪乱) K 0=1.0 τ/σm0'= 0.250 N = 18 せ ん 断応 力 τ (k P a) せん断ひずみ γ (%) 図-8 中城砂(不攪乱)のせん断応力~せん断ひずみ関係と有効応力経路図 図-7 応力比~せん断ひずみ関係 -2 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 中城砂 改良中城砂 σc'        : 50kPa 0.50%/min : 100kPa 0.50%/min 応 力比 τ / σ m ' せん断ひずみ γ (%) -2 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 中城砂 改良中城砂 σc'        : 50kPa 0.50%/min : 100kPa 0.50%/min せん断ひずみ γ (%) せん 断応 力 τ (k Pa) 図-6 せん断応力~せん断ひずみ関係 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 220 240 260 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 Mm=0.66 中城砂  σc'      : 50kPa 0.50%/min 平均有効応力 σm' (%) せ ん 断応力 τ (k P a) Mf=0.85 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 220 240 260 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 改良中城砂 σc'      : 50kPa 0.50%/min : 100kPa 0.50%/min 平均有効応力 σm' (%) せん 断応 力 τ ( kP a) 8.5 2.5 M f=0.89 M m=0.65 図-5(a) 有効応力経路図[中城砂(不攪乱)] 図-5(b) 有効応力経路図[改良中城砂]

(5)

0.1 1 10 100 1000 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 中城砂(不攪乱) 改良中城砂 改良中城砂(不攪乱) 繰 返 し応力振 幅比 τ/σ m0 ' DA=7.5%における繰返し回数(回) DA=7.5% 係は,せん断初期のせん断ひずみの発生は微小であるが,繰返し回数を重ねる毎に過剰間隙水圧が上昇し,有効応力経路が変 相線に達したあたりでせん断ひずみが急増する.これらの変形特性は緩詰砂と同様である.一方,改良中城砂は応力振幅比が大 きいため繰返しの初期にある程度のせん断ひずみが発生するが繰返しを重ねる毎にひずみの増加量は減少する.有効応力経路 も最終的に平均有効応力がゼロ近くになっているが,せん断ひずみは微増を続けるのみで改良砂特有のねばりの挙動を示してい る. せん断ひずみの発生傾向を図-9 のせん断ひずみ両振幅と繰返し回数の関係でみると,中城砂(不攪乱)ではひずみの急増が 顕著であるのに対して,改良中城砂ではひずみの 急増は見られずに繰返し回数に応じて徐々にせん 断ひずみが増大している.改良中城砂のひずみ発 生傾向は密詰砂と同様であり,改良豊浦砂7)~9) 改良南袖砂2)にて観察されるようなひずみが小さな ひずみレベルで収束する傾向とは異なる.この改良 砂におけるせん断ひずみ抑制メカニズムについては 繰返しせん断に伴う変相線の変動が密接に関連し ている7)~9) 中城砂(不攪乱),改良中城砂の有効応力経路図 に破壊線,変相線を記入した図を図-11 に示す.変 相線,破壊線は非排水単調ねじり試験結果から求め たものである.中城砂(不攪乱)の変相線は繰返し回 数の増加による変相線の変化は見られない.一方, 改良中城砂は繰返し回数の増加に伴い,単調載荷 の非排水ねじりせん断試験から求めた初期の変相線 より内側で変相するようになり,破壊線と変相線で囲ま れる正のダイレイタンシーを発揮する領域が拡がって いる.したがって,改良中城砂はひずみの発生については密詰砂に近 い挙動を示したが,破壊線と変相線で囲まれる領域が拡大することでは 密詰砂と異なり,改良砂特有の挙動7)~9)を示していることがわかる. 中城砂(不攪乱)および改良中城砂の7.5%せん断ひずみ両振幅に おける繰返し回数と応力振幅比の関係を図-12 に示す.図中には現地 にて採取した改良中城砂(不攪乱)の結果も併記している.室内にて作 製した改良中城砂と現地にて採取した改良中城砂(不攪乱)はほぼ同じ 値を示している.また,液状化強度比RL20(20 回の繰返しせん断によっ てせん断ひずみ両振幅が7.5%に達するようなせん断応力比)を比較す ると,中城砂(不攪乱)にて0.22,改良中城砂(不攪乱)および改良中城 砂にて0.45 程度となり,改良によって液状化強度比が 0.2 程度増加し, 改良前の約2 倍になっていることがわかる. 4.結 論 0 10 20 30 40 50 60 -20 -10 0 10 20 破壊線 変相線 せ ん 断応力 τ (kP a) 平均有効応力 σm' (kPa) [中城砂(τ/σm0’=0.300)] 0 1 0 2 0 3 0 4 0 5 0 6 0 7 0 8 0 9 0 1 0 0 0 5 1 0 1 5 2 0 中城砂 τ/σ' m0 0.400 0.500 0.600 繰返し回数 N (回) せ ん 断ひずみ両振幅 D A ( % ) 0 1 0 2 0 3 0 4 0 5 0 6 0 7 0 8 0 9 0 1 0 0 0 4 8 1 2 1 6 2 0 改良中城砂 τ/σ' m0 0.400 0.500 0.600 せん 断ひず み 両振 幅 DA ( % ) 繰返し回数 N (回) 図-10 せん断ひずみ両振幅~繰返し回数関係 図-11 有効応力経路と変相線 0 10 20 30 40 50 60 -30 -20 -10 0 10 20 30 破壊線 単調載荷試験より求めた初期変相線 変相線 せん断 応 力 τ (k P a) 平均有効応力 σm' (kPa) [改良中城砂(τ/σm0’=0.600)] 図-12 7.5%せん断ひずみ両振幅における 繰返し回数と応力振幅比の関係

(6)

本研究では,酸性反応剤を用いた特殊シリカ液のさんご混じり砂への適用性について検討するとともにさんご混じり改良砂の変 形・強度特性について各種室内試験により検討した. さんご混じり砂は炭酸カルシウムを多く含有し,炭酸カルシウムと酸性反応剤との化学反応により発生する炭酸ガスは拘束圧ゼ ロの条件下では炭酸ガスの気泡が改良砂中残留し,スポンジ状の改良砂が形成される.一方,拘束圧条件下では 1)発生する炭 酸ガスの気泡が小さい,2)砂粒子の拘束によって炭酸ガスによる砂粒子の浮き上がりがないことから改良砂中には気泡の残留が ほとんど見られず,十分な強度を有する.これにより,従来では適用が困難とされてきた炭酸カルシウムを多く含む地盤においても 酸性反応剤を用いた特殊シリカ液の適用が可能であることが明らかになった.また,本研究にて用いた岡らの改良砂作製手法1) 作製・養生時の拘束圧を考慮していない従来の改良砂作製手法では困難であった炭酸カルシウムを多く含有する砂の改良強度 を評価することが可能である. さんご混じり改良砂は,改良豊浦砂 7)~9),改良南袖砂 2)に代表される改良砂のように繰返し載荷に伴い,せん断ひずみが収束 することはなく,密詰砂のようにせん断ひずみが徐々に増加する傾向が見られた.しかしながら,1)粘着力の付加,2) 繰返し載荷 に伴い変相線が初期の変相線の内側へ移動することにより破壊線と変相線で囲まれる正のダイレイタンシー発揮する領域の拡大, 3)液状化強度の増加が確認され,改良によって液状化に対する強度・変形特性が改善されていることが明らかになった. 謝 辞 本研究を実施するにあたり室内実験にご協力いただいた大阪ガス株式会社 鈴木宏尚氏(元京大院生),株式会社奥村組 山 崎順弘氏(元京大院生)ならびに中城砂,現地改良砂等をご提供頂いた沖縄県中城湾港建設事務所の方々に感謝いたします. 参考文献 1) 岡二三生,大野康年,小高猛司,関口宏二:一定拘束圧下の薬液浸透注入による安定化処理砂の供試体作製方法,第 37 回 地盤工学研究発表会講演集,pp.843-844,2002. 2) 岡二三生,小高猛司,大野康年,田久勉,西松範介,山崎順弘:現地採取砂の浸透注入改良供試体の液状化抵抗について, 土木学会第58 回年次学術講演会,Ⅲ-615,pp.1229-1230,2003. 3) 米倉亮三,島田俊介:恒久グラウト-第1回恒久グラウトの恒久性のメカニズム-,土木施工 Vol.40 No.7, pp.99-106 ,1999. 4) 社団法人地盤工学会:土質試験の方法と解説 ― 第一回改訂版 ―,2000. 5) 地盤工学会:地盤工学実務シリーズ 18 液状化対策工法,pp. 332-335,2004. 6) 岡二三生,八嶋厚,三村衛,橋本正,坂上敏彦,市原浩司:大口径ラバル型サンドサンプラーの開発と適用,土と基礎 pp.19-21, 1998. 7) 岡二三生,小高猛司,大野康年,田久勉;コロイダルシリカ改良砂の繰返しせん断特性,日本材料学会 第6回地盤改良シン ポジウム論文集,pp.149-152,2004.

8) Kodaka, T., Ohno, Y. and Takyu, T.: Cyclic shear characteristics of treated sand with colloidal silica grout, Proc. 16ICSMGE, pp.401-404, 2005.

9) Kodaka, T., Oka, F., Ohno, Y., Takyu, T. and Yamasaki, N.: Modeling of cyclic deformation and strength characteristics of silica treated sand, Geomechanics Testing, Modeling, and Simulation, ASCE, Geotechnical Special Publication No.143, pp.205-216, 2005.

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