基 礎 編
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高次脳機能障害とは
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就労上の影響と雇用管理上の配慮
基礎編
シーン1
高次脳機能障害とは
はい 人事課 清河 です お 久 しぶりです 経理部 の 小谷 です 小谷 さん! 調子 は どうですか 経理部の小谷真一さん 半年前に脳血管障害を 発症し、 現在もリハビリ 通院を行っています おかげさまで 順調 に 回復 して います それは よかった! まだリハビリ 中 ですが そろそろ 職場復帰 のことに ついて、 一度相談 させて いただきたいと 思 っています 事故 による 後遺症 などは どうですか?ビリテーション受付
人事課
基礎編 身体 にまひは ないのですが ﹁ 高次脳機能障害 ﹂が あると 診断 されて いますので 高次脳機能障害 か⋮ 以前 テレビ 番組 で 特集 が 組 まれていたな たしか 交通事故 や 脳卒中 で 脳 に 損傷 を 負 ったときの 後遺症 だと 思 ったけど まずは どんな 障害 なのか 調 べてみよう その後清河さんは 以前障害者を雇用した際に 支援を受けた 就労支援機関から 高次脳機能障害者 支援センターで セミナーが開催される という情報を得ました 近々病院 の 方 と 一緒 にお 伺 いして 説明 できれ ば と⋮ どこかで 高次脳機能障害 に 関 するセミナーとか 行 ってないかな⋮ 07
セミナー 「高次脳機能障害者の雇
高次脳機能障害
「見えにくい、
わかりにくい障害」
基礎編 これだけたくさんの 会社 が、 うちの 会社 の ような 問題 に 直面 して いるということか⋮ 高次脳機能障害 という 言葉 は 近年 メディアでもし ば し ば 取 り 上 げられているので 聞 かれたことがあるかも しれません 全国 で 約 27万人 いると 言 われており、 そのうち 18歳以上 65歳未満 は 少 なくとも 約 7万人 ※と 推定 されています ※『高次脳機能障害ハンドブック』 (中島八十一、寺島彰編 医学書院 2006)より引用 高次脳機能障害 は よく ﹁ 見 えにくい わかりにくい 障害 ﹂と 言 われていますが すごい 人 だな 本日 はお 集 まり いただきまして ありがとう ございます 具体的 にどのような 障害 なのか、 原因 、特徴 などを 説明 いたします セミナー 「高次脳機能障害者の雇用について」 高次脳機能障害者 の 数 は 各調査 により さまざまでは ありますが基礎編 高次脳機能障害 は 脳 の 血管 に 関連 した 病気 や 高次脳機能障害 に 医学的 に 統一 した 定義 は なく、 専門家 によっても 高次脳機能障害 を 示 す 範囲 は 異 なっています
高次脳機能障害の原因
■高次脳機能障害診断基準■ Ⅰ.主要症状等 1. 脳の器質的病変の原因となる事故による受傷や疾病の発症の事実が確認されている。 2. 現在、日常生活または社会生活に制約があり、その主たる原因が記憶障害、注意障害、遂行機 能障害、社会的行動障害などの認知障害である。 Ⅱ.検査所見 MRI、CT、脳波などにより認知障害の原因と考えられる脳の器質的病変の存在が確認されてい るか、あるいは診断書により脳の器質的病変が存在したと確認できる。 Ⅲ.除外項目 1. 脳の器質的病変に基づく認知障害のうち、身体障害として認定可能である症状を有するが 上記主要症状(Ⅰ-2)を欠く者は除外する。 2. 診断にあたり、受傷または発症以前から有する症状と検査所見は除外する。 3. 先天性疾患、周産期における脳損傷、発達障害、進行性疾患を原因とする者は除外する。 Ⅳ.診断 1. Ⅰ~Ⅲをすべて満たした場合に高次脳機能障害と診断する。 2. 高次脳機能障害の診断は脳の器質的病変の原因となった外傷や疾病の急性期症状を脱した 後において行う。 3. 神経心理学的検査の所見を参考にすることができる。 出典:「高次脳機能障害者支援の手引き」(2008年11月)厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部、国立障害者リハビリテーションセンター ※なお、本マニュアルでは、脳損傷に起因する言語の障害である失語症についても触れています。 交通事故 などに よって、 脳 に 損傷 を 受 けたことに より 起 こります 現在 、行政的 な 定義 としては ﹁ 記憶障害 注意障害 遂行機能障害 社会的行動障害 などの 認知障害 ﹂ となっています そのほか、心肺停止状態が長かっ たときなどに脳の神経が障害を 受ける低酸素脳症や、脳腫瘍など が原因となることもある。 交通事故や転倒、転落などにより 脳が直接損傷を受けたり、脳を包 んでいる硬膜の外に血が溜まって 脳が圧迫されて損傷を受ける。 脳の血管が詰まってしまう「脳梗塞」、脳 の血管が破裂して起こる「脳出血」、動脈 瘤などが破れて脳の表面を中心に出血 を生じる「くも膜下出血」に分けられる。外傷性脳損傷
脳血管障害
なるほど 小谷さんの 場合は ﹁脳血管障害﹂ だな… 09基礎編 それぞれの 障害 の 具体的 な 症状 について ご 紹介 したものが こちらです これらの 障害 に 典型的 な 症状 の 一 つである ﹁ 失語症 ﹂も 加 えて 説明 します 見たことや聞いたことをすぐに忘れてしまう、 忘れたことの自覚がない、昨日までできて いたことが今日忘れている・できなくなる、 過去の記憶の順番に混乱が生じやすい 1つのことに集中できない、同時に物事を こなせない、他のことに行動を切り替え られない 計画が立てられない、課題や作業を正しい 方法で続けられない、実行できても 仕上がりに無頓着 子どもっぽくなったり周囲に依存的に なるほか、怒りっぽくなる・突然泣き出す など感情のコントロールに問題をきたす、 このほか、周囲への反応が乏しく意欲に 欠ける場合もある 話そうとしても言葉が出てこない、相手の 言っている言葉の意味が分からない、文章 が読めない、文字が書けないなど、「話す」 「聞く」「読む」「書く」という言葉による コミュニケーションの障害 記憶障害 注意障害 遂行機能障害 社会的行動障害 失語症 これらの 症状 は いずれも 認知機能 に 関 わっています それが 高次脳機能障害 が ﹁ 見 えにくい わかりにくい 障害 ﹂ といわれるゆえんであり 周囲 からは 理解 されにくく 気 づきにくい 障害 と いえるのです 認知機能 とは 脳 の 中 で 理解 し 考 え、 決定 して どのように 行動 に 移 すのかと いうもので 誰 にもその 過程 は 見 えません
それぞれの障害の症状
高次脳機能障害
「見えにくい
わかりにくい障害」
基礎編 なお、 これらの 症状 は 単一的 に 現 れるのではなく 複合的 に 組 み 合 わされて 現 れますし、 脳 の 損傷部位 などにより 人 それぞれ 症状 の 現 れ 方 が 異 なります さらに 受障 している 本人 がその 症状 を 自覚 しにくい ことも 特徴 です 高次脳機能障害 があると 診断 された 場合 器質性精神障害 として 精神障害者保健福祉手帳 の 交付対象 ※になります なお、 脳 の 損傷 により まひや 失語症 があるなど 身体 に 障害 のある 方 は 身体障害者手帳 の 交付対象 ※にもなります ﹁リハビリを 続 けれ ば いつかは 発症 ・ 受傷前 の 状態 に 戻 るのですか﹂ という 質問 を 受 けます 高次脳機能障害 は その 名 のとおり ﹁ 障害 ﹂ ですので、 リハビリを 継続 する ことで 症状 が 大幅 に 改善 する ことは 難 しいといえます ただし、 周囲 の 適切 なサポートや 失 われた 機能 を 補 う 代償手段 を 獲得 することによって できなかったことやできづら かったことができるように なることはあります ■
改善の見込みについて
■ ■障害者手帳
■ 障害者手帳 ○○県 高次脳機能障害と診断 器質性精神障害として 『精神障害者保健福祉手帳』の交付対象 交付されるには、お住まいの市町村等の担当窓口で申請が必要 ※ 精神障害者保健福祉手帳、身体障害者手帳いずれにおいても、個人の障害の状態等によって 判断されるため、申請すれば必ず交付されるものではないことにご留意ください。 11基礎編
就労上の影響と雇用管理上の配慮
シーン2
高次脳機能障害者 が 就労 する 際 その 症状 による 影響 が どのように 現 れるか についてご 説明 します 次 に高次脳機能障害者の就労上における一般的な特性
※ 高次脳機能障害の特性は個別性が高いため、全ての高次脳機能障害者が以下に示す 特性の全てに当てはまるものではありません。 ● 新しい作業の工程や留意す べき点が覚えられなかった り、短時間で忘れてしまう ことがある 作業内容によって、習得す るのに時間がかかる場合が ある ● 口答のみでの指示が理解しにくい ● てきぱきと作業を処理することが苦手である (自発的な行動が苦手、周囲のことに気が散って しまうなどによる) ● 接客や電話応対などでの臨機応変な 対応が苦手である ● 同時に複数の作業をこなすことが苦手である ● 集中力が続かない、作業にムラが出やすい ● 周囲の状況に気づけなかったり 逆に余計なことに気が向いてしまう など、注意の向け方にアンバランス さがある … あれを こうして これを… これ… どうするん だっけ? どれから 手をつけ る? 待ってるん ですけど 左上留めで 100枚コピー基礎編 ● 発症・受傷前の能力を現状でも 維持していると捉えがちで 現在の自身の状況を客観的に 把握することが苦手である ● 疲れやすい(本人は気づいてい ないことがある) ● 気持ちの面で意欲が湧かない、 気分が沈みがち、イライラして しまいがちなことがある ● 職場での適切なコミュニケーション が図りにくい ● 会話などで適切な応答が苦手である ● 場の空気を読むことが苦手である ただし、 高次脳機能障害 は 個別性 が 高 く これらの 特性 は 一般的 な 特性 を 列挙 した ものですので、 全 ての 高次脳機能障害者 に 当 てはまるものではないことに 注意 して ください 小谷 さんは どんな 症状 が あるのだろう 元 の 職場 に 復帰 することが できるのだろうか⋮ いそ が しいのに … そうだね… そ… 飲み会 楽しみ だね 13
基礎編 ■
高次脳機能障害者の雇用管理上の配慮
■ ◆ 担当者がこれらを対象者と常に共有する ことで、対象者が記載した事項に誤りが ないか、確実に遂行されているかを確認 することが、よりよい活用の仕方につな がります 職場 ではどのような 雇用管理上 の 配慮 が 求 められるので しょうか 代表的 なものを まとめてみました 全 般 ● スケジュール帳やメモリーノートの活用 ※ メモリーノートに関する詳細は、P48の解説ページを参照ください。 ◆ 対象者が、1日のスケジュールや覚えておく べき事項を視覚的に把握することで、いつ 何をすべきかが理解されやすくなります ● 作業の定型化 ● 作業マニュアルの作成 ● チェック表による作業の確認 作業の進め方 ● 作業は一つずつ行うようにする ◆ 複数の作業を同時並行で行うことを苦手と 感じる対象者が多いです ● 口答での指示は、端的かつ明確にする ◆ 対象者が指示内容を理解しやすくなり メモを取りやすくなります ● 指導担当者を決める(複数でも可) ◆ 指導、指示内容に一貫性があることが重要です ● 作業や仕事ぶりに対するフィードバック をきめ細かく実施する ◆ ここでいうフィードバックとは、評価結果だけではなく、実際の行動や 事実のほか、課題点やほめられるべき内容等について、改めてじっくり と話し合ったり、動機づけたりしながら、今後の成長につながるアドバ イスを与えることをいいます 作業に対する指示の仕方 コンテナに 入れる…に チェックして 次は ⋮基礎編 ◆ 社内での役割を分担することで、一人(一部 署)にかかる負担を軽減するとともに、対象 者としても誰に何を相談するのがよいかを 明確にすることで安心感を与えることがで きます ● 定期的な面談や相談の実施 ◆ 不安などを受け止めるほか、できていること をきちんと認めることで自信や安心感を 与えたり、会社の中で役割をきちんとこなして いることをフィードバックしながら本人の 職場への帰属意識を醸成することが 望まれます ● 指導担当者や相談役などの役割 を分担する ● 就業時間の設定を、対象者の様子を 見ながら段階的に延長 ● こまめな休憩の確保 ● 職場の上司等による日常的な声かけ ◆ 作業中に突然声をかけるのはできるだけ 避け、作業のきりがいいときや休憩の 時間などを活用することが望まれます 働きやすい環境づくり 対象者 の 状況 を 見極 めながら より 良 い 配慮 の 方法 を 検討 する 必要 があります 先 ほどもお 話 ししたとおり 一般的 な 対応 が 全 ての 高次脳機能障害者 に 当 てはまるわけでは ありません また、 できないことよりも できることに 目 を 向 けて 能力 の 活用 を 図 ることが ポイントとなります 実務指導者 相談役 9:00 〜13:00 ▼ 9:00 〜15:00 ▼ 9:00 〜17:00 15
基礎編 高次脳機能障害者 を 雇用 する、 または 職場復帰 させるに 当 たり 会社 が 悩 まれる ポイントの 一 つに ﹁ 職務内容 の 設定 ﹂が 挙 げられます
職務内容を決定する際の判断要因
1) 障害の状況
2) 職務経験・スキル
3) 本人の希望
4) 会社が提供できる職務
一般的 には ﹁ 手順 に 沿 って 一連 の 流 れで 遂行 できる 作業 ︵ 定型作業 ︶﹂ ﹁ 判断 を 伴 わない または 判断基準 が 明確 な 作業 ﹂が 向 いて いると 言 えます 提供 できる 職務 とは⋮ 本人 の 障害状況 に 加 えて、 職務経験 や スキル、 希望 する 職務 を 把握 して 会社側 が 提供 できる 職務 との 関連性 の 中 で 決 めていく ことが 望 まれます しかし、 雇用管理上 の 配慮 と 同様 に 高次脳機能障害 は 個別性 が 高 いため ﹁ 向 いている 仕事 は これです﹂ と 一概 には 言 えません 職務内容 を 決 めるには いろいろなことを 考慮 する 必要 が あるんだな 小谷 さんともよく 話 し 合 わなけれ ば ⋮⋮ ここでは 高次脳機能障害者 が 実際 に 従事 している 職務 について、 参考 までにご 紹介 します基礎編 ■
高次脳機能障害者が従事する職務内容の例
■ ● PCによる定型的なデータ入 力(顧客情報、アンケート、出 退勤データ、伝票等の入力) ● 紙媒体の電子データ化(スキャ ニング)とデータ整理 ● 会議資料のコピー ● 消耗品や備品等の管理・補充 ● コピー機の用紙補充 ● 郵便物の仕分け・配付・発送 ● ダイレクトメールの封入・封緘 ● スタンプ押し ● 給茶器や給湯室の管理 ● リサイクルペーパーの仕分け、 メモ用紙の作成 ● 会議室や休憩所、 駐車場等の清掃 ● 生花の水やり ● リサイクルペーパー 等の回収・分別 ● カートやかごの洗浄 ● 洗車 ● 梱包容器の組立・解体 ● 袋詰め、判断が 明確な分別作業 ● ラベル貼り 事務的な作業 ● 手順が定型化した組立作業 製造関係 ● スーパーマーケットでの 品出し作業、バックヤード 作 業( 野 菜 や 惣 菜 な ど の カット・計量・袋詰め・結束・ 値札シール貼り、段ボール 整理など) ● 衣料店などでの商品出し、 バックヤード作業(POPの カット、ハンガーかけ、サイ ズチップ整理、袋出しなど) ● 倉庫内作業(ピッキング作 業など) ● 介護補助業務 ● 調理補助業務 ● 印刷補助業務 など その他 労務系の作業 17就職・職場復帰までの流れ 基礎編
就職や職場復帰までの流れと、支援機関との連携
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手術 などの 治療 を 終 えた 後 高次脳機能障害者 は どのような 流 れを たどって 就職 や 職場復帰 をするのか をご 説明 します これから 小谷 さんをどのよ うに 職場復帰 させれ ば いい んだろう⋮? 8時までに 図書館へ 行くには… 時刻表と 料金は… J R? 地下鉄? ・ 薬物治療や外科的治療の実施 ・ 記憶や注意力など認知面の機能の 状態を把握し、回復を図る ・ 認知面で障害が残る場合の代償手段 の獲得を目指す医学的リハビリテーション
〈主にリハビリテーション病院などで実施〉❶
・ 日常生活や社会生活を送る上で必要 な能力(調理・洗濯・掃除・公共交通機 関の利用・金銭管理などの生活に必要 な活動)を高める ・ 作業等を通して生活リズムの確立や 体力の向上を図る ・ 他者とのコミュニケーションを通じ て対人技能の向上を図る社会リハビリテーション
〈主に障害者支援施設で実施〉❷
基礎編 この 流 れは 一般的 な 例 であ り、 個人 の 症状 や 支援 の 方 針 、社会資源 の 状況 などに よって 利用 する 機関 や 施設 は 異 なります。 また、 病院 や 施設 、支援機関 によっては この 三 つのリハビリテー ションのうち、 複数 を 織 り 交 ぜな がら 実施 し ている 場合 もあります リハビリテーション に 関 わる 機関 は 高次脳機能障害 に 関 する 知識 や 高次脳機 能障害者 のことを 詳 しく 把握 しています 高次脳機能障害者 の 雇用 を 検討 する 場合 や 職場復帰 を 進 める 際 に は 企業 だけで 悩 まず これらの 機関 に 今後 の 進 め 方 について 積極的 に 相談 し ともに 進 めていくこと が 望 まれます もし、 どこに 相談 すれ ば よいか わからない 場合 は 高次脳機能障害支援 拠点機関 または 地域 障害者職業 センターへ 相談 することをお 勧 め します ○ 地域障害者職業センター 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が運営 し、各都道府県に設置されています。 障害者職業カウンセラーが配置され、ハローワーク 等の関係機関と密接な連携の下、障害者に対して職業 評価、職業指導、職業準備支援、ジョブコーチによる支 援事業等の専門的な職業リハビリテーションを、また事 業主に対して雇用管理に関する助言等を行っています。 ○ 高次脳機能障害支援拠点機関 障害者総合支援法に基づき専門性の高い相談窓口(支 援拠点)として、各都道府県のリハビリテーションセン ター、大学病院、県立病院等に1箇所~複数箇所設置さ れています。 支援コーディネーターが配置されており、高次脳機 能障害者やその家族、関係機関等からの相談を受け付け、 生活や就労などに関して地域の福祉・医療機関等と連 携しながら支援したり、高次脳機能障害への理解促進 のための普及啓発や、相談支援の実務に役立つ研修等 を実施しています。 この他、支援拠点機関の中には、医療や福祉と一体的 なサービスを行うこととしている機関もあります。 ・ 職業訓練、模擬的な作業場面や職場実習を通して 職場における課題や配慮事項などの把握 代償手段の獲得を目指す ・ 適切な職務の選択や職場環境の調整により 就職や職場復帰を目指す ・ 就職や職場復帰後のフォローアップを実施する
職業リハビリテーション
〈主に就労支援機関で実施〉❸
※高次脳機能障害支援拠点機関及び地域障害者職業センターの一覧につい ては資料P74~77を参照ください用語解説
職業リハビリテーションセンター 19基礎編 これまでいろいろと 説明 してきましたが いかがでしたか 近年 、医療 の 進歩 により 身体 の 機能 が 一定程度 回復 する 一方 で 高次脳機能障害者 は 増加 しています そして、 事故 に 遭 ったり 脳血管障害 を 発症 して 高次脳機能障害者 に なる 可能性 は 誰 にでも あります 高次脳機能障害 への 理解 と 一定 の 配慮 があれ ば 、一人 の 社員 として 十分戦力 となる 人 がたくさん いることを 理解 していただきたい と 思 います 参加 して よかったなぁ そうですね とても 勉強 に なりました わが 社 としても まずは 小谷 さんや 病院 のスタッフと 話 し 合 って 状況 をきちんと 把握 すること から 始 めないといけないな よし! 帰 ったら 上司 にも 報告 して 小谷 さんの 職場復帰 に ついて 社内 でも 前向 きに 検討 を 進 めていこう!