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日本開発政策 人材育成基金 Japan Policy and Human Resources Development Fund(PHRD) PHRD 年次報告 2013 年度 日本政府

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日本開発政策・人材育成基金 Japan Policy and Human Resources Development Fund(PHRD)

PHRD年次報告

2013年度

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日本開発政策・人材育成基金

年次報告

2013年度

日本開発政策・人材育成基金は、 日本政府からの多大な支援を受けて世界銀行が運用している信託基金です。 途上国における貧困の削減、生活の改善、経済成長促進を図る 世界銀行の多面的な取組みを支える専門知識、指導、研究、教育、援助に グラントを提供しています。 表紙写真提供:Ray Witlin

日本政府

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信託基金・パートナーシップ

局長からのメッセージ

アフリカでは、IDAからの資 金を活用しながら、西アフリ カ農業生産性プログラムをは じめとする様々なプロジェク トの支援を続けています。ま た、西アフリカ諸国において 高度技術導入の支援も行いま した。 日本/世界銀行共同大学院奨学金制度は、途上国で専門職に ついている若手の人材に対して世界中の著名な学術機関の 大学院で学ぶ機会を提供しました。これまでに同プログラム を通じて5,300人以上の開発関係者による世界的ネット ワークが構築され、その多くが母国の開発に携わっていま す。2013年度は157人の奨学生が支援を受けました。 スタッフ・長期コンサルタント・プログラムの下、PHRD の資金により37人の日本人が世界銀行に採用されました。 PHRDは、今後も日本政府と世界銀行の共通の開発目標を 達成するため支援を続けると共に、PHRDの価値と有効性 の持続を目指し、機会や新たな方法を追求してまいります。 2013年度、日本開発政策・人材育成基金(PHRD)には、 大きな意味を持ついくつかの変化がありました。技術協力プ ログラムの規模を拡大して実施を開始したこと、TICAD V (第5回アフリカ開発会議)に基づいて新たに農業及び農村 エネルギー・アクセスに重点を置いたPillar(テーマ)を定 めたこと、さらに仙台会合及びPHRDが支援して完成した 「仙台レポート」を踏まえ、防災グローバル・ファシリティ (GFDRR)とより一層歩調を合わせて減災・復興の取組み を進めていくために「災害の削減と復旧」のPillarを終了し たことです。 4つのPillarで構成されるPHRDの戦略は、複雑で多面的な 現場レベルの課題を対象としています。この点は、地震リス クに対するコミュニティの強靱性の向上(バングラデシュと ブータン)、障害者の社会・経済への取り込みに対する障壁 解消(ジャマイカとモルドバ)など、本年度に承認された新 規グラントにも表われています。 また、本年度の年次報告では、メコン川流域の統合的水資源 管理プロジェクト(ベトナム)、大規模な水セクター投資プ ロジェクト(アルバニア)など、一部の旧TAプログラムの 成果も紹介しています。 PHRDの協調支援グラント(総額3400万ドル)は、ベトナ ム、インドネシア、キルギス、ガンビア、モルドバ、モンゴル において、世界銀行グループのプロジェクトを推進しまし た。また、気候変動イニシアティブ・グラントを通じて、メ キシコ、ボリビア、エクアドル、ペルーで気候変動問題への 取組みを支援しました。

Jaehyang So

世界銀行 信託基金・パートナーシップ (DFPTF)局長

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ii

日 本 開 発 政 策 ・ 人 材 育 成 基 金 年 次 報 告 2 0 1 3

目次

略語 iii 第1章 序論及びプログラム概要 1 1.1 PHRDとは? ������������������ 1 1.2 PHRDへの日本の拠出 �������������� 1 1.3 中核プログラム ������������������ 2 1.4 2013年度のプログラムの実行 ����������� 3 第2章 PHRD技術協力プログラム 5 2.1 概要 ����������������������� 5 2.2 プログラムの傾向 ����������������� 5 2.3 PHRD技術協力プログラムの 拠出額、実行額、未配分残高 ������������ 5 2.4 2013年度に終了したPHRD技術協力グラント ��� 6 2.5 新TAプログラム ���������������� 10 第3章 キャパシティ・ビルディング、 及びパートナーシップ・プログラムを通じた人材育成 17 3.1 日本/世界銀行共同大学院奨学金制度 ������� 17 3.2 日本/インドネシア大統領奨学金プログラム(JIPS) � 18 3.3 日本・世界銀行パートナーシップ・プログラム ��� 18 第4章 PHRDが支援するその他のプログラム 21 4.1 日本PHRDスタッフ・ETCプログラム ������ 21 4.2 ドナー支援職員採用プログラム (DFSP/JPO)への日本の参加 ��������� 22 4.3 PHRDの支援により世界銀行が管理する その他のプログラム ��������������� 22 4.4 グローバル・ディベロップメント・ ネットワーク(GDN) �������������� 22 第5章 PHRD活動のモニタリングと評価 25 5.1 PHRD活動の進捗状況と成果のモニタリング ��� 25 第6章 今後の展望 27 囲み一覧 囲み1 2013年度に終了した プロジェクト準備グラント(一部)の成果 ����� 7 囲み2 2013年度に終了した 協調支援グラント(一部)の成果 ��������� 8 囲み3 2013年度に終了した 気候変動イニシアティブ・グラント(CCIG)の実績 � 10 囲み4 アフリカにおける 稲作研究・生産性プログラムの成果 ������� 11 囲み5 JJ/WBGSPのハイライト ����������� 17 囲み6 パートナーシップ・グラント ���������� 18 囲み7 2013年度の他のプログラムへの資金移転 ���� 22 図一覧 図1 PHRDへの年間拠出額の推移 ����������� 1 図2 PHRDプログラム別実行額、2012-2013年度 ��� 3 図3 PHRDプログラムの実行額 ������������ 6 図4 PHRDプログラムへの拠出額 ����������� 6 図5 PHRD技術協力プログラムの未配分残高 ������ 6 図6 承認されたPHRDスタッフ・ETCグラント件数、 2001~2013年度 ��������������� 21 表一覧 表1 新TAプログラムの承認グラント、 2012~2013年度 ��������������� 10 表2 承認されたPHRDスタッフ・ETCグラント件数、 2011~2013年度 ��������������� 21

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略語

IAVI International AIDS Vaccine Initiative 国際エイズ・ワクチン推進機構

IBRD International Bank for Reconstruction and Development

国際復興開発銀行

ICM Implementation Completion Memorandum 実施完了メモランダム

ICR Implementation Completion Report 実施完了報告書

IDA International Development Association 国際開発協会

IEG Independent Evaluation Group 独立評価グループ

IRRI International Rice Research Institute 国際稲研究所

ISR Implementation Status Report 実施状況報告書

JICA Japan International Cooperation Agency 国際協力機構

JIPS Japan Indonesia Presidential Scholarship Program 日本/インドネシア大統領奨学金プログラム

JJ/WBGSP Joint Japan/World Bank Graduate Scholarship Program

日本/世界銀行共同大学院奨学金制度

JPO Junior Professional Officer

ジュニア・プロフェッショナル・オフィサー

JSDF Japan Social Development Fund 日本社会開発基金

MCH Maternal and Child Health 母子保健

MIDP Most Innovative Development Project 最も革新的な開発プロジェクトに対する日本賞

MOF Ministry of Finance 財務省

ORD Outstanding Research on Development リサーチ部門国際開発賞

PI Project Implementation プロジェクト実施

PHRD Policy and Human Resources Development Fund 日本開発政策・人材育成基金

PP Project Preparation プロジェクト準備

RVP Regional Vice President 地域総局担当副総裁

TA Technical Assistance 技術協力

TDLC Tokyo Development Learning Center 東京開発ラーニングセンター

WBI World Bank Institute 世界銀行研究所

ARC Africa Rice Research Center アフリカ稲研究センター

ASCEND Alumni and Scholars Capacity Enhancement Network for Development

奨学生・元奨学生の開発分野の能力向上ネットワーク

CAADP Comprehensive African Agricultural Development Program

包括的アフリカ農業開発プログラム

CARD Coalition for African Rice Development アフリカ稲作振興のための共同体

CC Climate Change Initiative 気候変動イニシアティブ

CEPF Critical Ecosystem Partnership Fund クリティカル・エコシステム・パートナーシップ基金

CFP Concessional Finance and Global Partnership 譲許性資金・グローバル・パートナーシップ

CFPTO Global Partnership and Trust Fund Operations グローバル・パートナーシップ信託基金業務局

CGAP Consultative Group to Assist the Poorest 貧困層支援協議グループ

CGIAR Consultative Group on International Agriculture Research

国際農業研究協議グループ

CoF Project Co-financing プロジェクト協調支援

D&D Disability and Development 障害と開発

DFSP Donor Funded Staffing Program ドナー資金による職員採用プログラム

DFPTF Trust Funds and Partnerships under Development Finance Vice Presidency, World Bank Group 世界銀行グループ開発金融総局信託基金・パートナーシップ局

DRR Disaster Reduction and Recovery 減災・復興

GFDRR Global Facility for Disaster Reduction and Recovery 防災グローバル・ファシリティ

GDN Global Development Network

グローバル・ディベロップメント・ネットワーク

GoJ Government of Japan 日本政府

ETC Extended Term Consultant 長期コンサルタント

FCPF Readiness Fund for the Forest Carbon Partnership Facility

森林カーボン・パートナーシップ基金

FY Fiscal Year 年度

GPEF Global Partnership for Education Fund 教育のためのグローバル・パートナーシップ基金

GRM Grant Monitoring Report グラント・モニタリング・報告

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1.1 PHRDとは?

日本開発政策・人材育成基金(PHRD)は、日本政府と世界銀行 のパートナーシップの下、25年近く前に設立されました。途上 国による人材育成および組織・制度面の能力強化を支援する他、 健全な開発政策の策定や危機管理にも途上国と共に取り組んで います。 PHRDは、経済・金融危機に直面している国々への譲許的資金の 提供を開始し、様々な分野で先頭に立って開発を進めています。 世界銀行借入国がそれぞれのニーズに対応するための強固なプ ロジェクトを策定できるよう能力強化を図る他、世界銀行プロ ジェクトの開始時や実施中の強化を図り、気候変動、アフリカ地 域の農業、障害と開発、危機に瀕する生態系の保全といった主要 な開発イニシアティブを支援してきました。PHRDは、世界銀行 が運営する信託基金の中でも最大規模です。 また、将来に寄与する研究への資金提供、数千人に上る開発専門 家の訓練、全世界への知識の普及促進、さらに学術機関、民間セ クター、非政府組織(NGO)、政府といったステークホルダー間 の強固なパートナーシップ構築を支援してきました。 PHRDは、加盟国に対し、世界銀行 やその他の機関からの数十億ドルに 上る開発資金へのアクセスを提供す るなど、貧困削減と繁栄の共有促進 の闘いにおいて中心的な役割を担っ ています。

1.2 PHRDへの日本の拠出

PHRD設立以来、日本政府は人材育成と組織・制度面の能力強化 のために、PHRDを通じて27億8,000万ドルを提供しています。 この内23億2,000万ドル以上が、既に実行されています。 PHRDプログラムへの日本の年間拠出額は、2002年度から 2007年度の間に、約1億3,000万ドルから3,000万ドルまで 減少しました。しかし、2010年度~2012年度には、年間拠出 額の平均が8,000万ドルまで戻り、2013年度には1億500万 ドルに増加しました(図1参照)。

第1章

序論及びプログラム概要

図1

PHRDへの年間拠出額の推移(単位:100万ドル)

1 0 0 万 ド ル 1988 1989 1990 1991 199 2 199 3 1994 199 5 1996 199 7 1998 1999 2000 200 1 200 2 200 3 2004 2005 2006 200 7 2008 2009 2010 20 11 20 12 20 13 250 200 150 100 50 0 出典:世界銀行 年度

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序論及びプログラム概要

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1.3 中核プログラム

PHRDには、以下の4つの中核プログラムがあります。 技術協力 人材育成及びキャパシティ・ビルディング 日本人スタッフ及びコンサルタント 日本・世界銀行パートナーシップ 各プログラムの内容は以下の通りです。 技術協力 PHRD技術協力(TA)プログラムは、以前は、国際復興開発銀行 (IBRD)の貸出およびIDAの融資・贈与を受けたプロジェクトの 準備、協調融資、実施のためのグラントを提供していました。また、 2008年までは、一連の気候変動対策も支援していました。TAプ ログラムには、プロジェクト準備(PP)グラント、プロジェクト 実施(PI)グラント、プロジェクト協調支援(CoF)グラント、気 候変動イニシアティブ(CC)グラントで構成されていました。 2013 年 6 月末に実施中の 44 件のグラントの内、21 件が旧 PHRD TAプログラム、23件が新PHRD TAプログラムによる ものでした。両プログラムのグラント総額は1億5,700万ドルで、 その内訳は旧TAプログラムが5,300万ドル、新TAプログラム が1億400万ドルでした。実行率は、旧TAプログラムが70%、 新TAプログラムが11%となっています。2013年度には新TA プログラムの実施率が向上し、承認済みグラントの86%が実行 され、初期の課題もほとんどが解決されています。各国政府はター ゲットを絞った支援策の実施に力を入れており、こうしたグラン トを受けた活動が現地で多数の人々に恩恵をもたらしています。 2013年度、新TAプログラムの実行額は総額1,870万ドルに上 り、2012年度の170万ドルから大幅に増加しました。実行額の 大半はアフリカ農業プログラム(Pillar I)に対するもので、全体 の約87%(1,620万ドル)を占めています。次に多かったのが障 害と開発プログラム(Pillar III)で実行額170万ドル(9%)、さ らに減災プログラム(Pillar II)が実行額82万3,000ドル(4%) で続きました。 人材育成及び キャパシティ・ビルディング・プログラム 日本政府は、PHRDを通じて(i)日本/世界銀行共同大学院奨学 金制度(JJ/WBGSP)と(ii)日本/インドネシア大統領奨学金 プログラム(JIPS)という2つの人材育成プログラムを支援して います。 (i) 日本/世界銀行共同大学院奨学金制度(JJ/WBGSP)は、 1987年に設立され、加盟国の国籍を有する人材を対象に大 学院修士課程教育を受けるための奨学金を提供しています。 日本は他にも国際開発金融機関の管理する同様の奨学金プロ グラムを支援していますが、JJ/WBGSPはその中でも最も 歴史が古く、規模も最大です。JJ/WBGSPの設立以来、日 本政府は総額2億7,760万ドルを本プログラムのために承 認し、その95%が2013年度末までに実行されました。 (ii) 日本/インドネシア大統領奨学金プログラム(JIPS)は、経 済、経営、教育、保健、農業、インフラ、環境など、開発関連 分野での研究を支援するため2008年に設置されました。こ のプログラムに対する日本の拠出総額は800万ドルに上り、 内60%が実行済みです。

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序論及びプログラム概要

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日本人スタッフ及びコンサルタント・プログラム 日本PHRDスタッフ・長期コンサルタント(ETC)プログラムは、 世界銀行グループのスタッフまたは長期コンサルタントとして日 本人を採用する目的で2004年に設置されました。2013年度末 現在、このプログラムに対する日本政府の拠出総額は4,560万 ドルで、内75%が実行されています。 日本・世界銀行パートナーシップ・イニシアティブ 日本・世界銀行パートナーシップ・プログラムは、主要な開発問 題に関して日本のステークホルダーと世界銀行の関係を構築する ものです。その中で、国際的開発問題に対する日本国民の関心を 高めることや、援助協調イニシアティブの強化が図られます。 2013年末現在、このプログラムに対する日本の拠出額は6,530 万ドルで、内85%が実行されています。 他の世界銀行プログラムに移転されるPHRD資金 PHRDは、この他にも、世界銀行の活動を支援しています。多く の場合、PHRDから次のような他の世界銀行プログラムへの資金 の移転を通じて行われます。 森林カーボン・パートナーシップ基金(FCPF) クリティカル・エコシステム・パートナーシップ基金(CEPF) 貧困層支援協議グループ(CGAP) 国際エイズ・ワクチン推進機構(IAVI) 防災グローバル・ファシリティ(GFDRR) 教育のためのグローバル・パートナーシップ基金(GPEF) 国際農業研究協議グループ(CGIAR) ドナー資金による職員採用プログラム(DFSP) 緑の気候基金 変革のための学術研究推進プログラム(KCP) 中東・北アフリカ地域移行基金(MENA TF) 生態系サービスの経済価値評価(WAVES)マルチドナー信託 基金 太平洋災害リスク・ファイナンス/保険マルチドナー信託基金 日本社会開発基金(JSDF)

1.4 2013年度のプログラムの実行

2013年度のPHRDの総実行額は、2012年度の3,900万ドル から5,200万ドルに増加し、前年度比33%増となりました。 2013年度、技術協力プログラムの実行額は、前年度比で2倍以 上の2,350万ドル(2012年度は1,030万ドル)に上りました(図 2参照)。また、実行額全体に占めるPHRD技術協力プログラムの 割合も、2012年度の25%から2013年度は45%となり、倍増 しています。 一方、奨学金プログラムの割合は、2012年度の46%から2013 年度は28%に半減しました。PHRDのその他の中核プログラム の実行額は、横ばい、もしくは増加傾向にあります。 技術協力 プログラム 気候変動 奨学金 パートナー シップ スタッフ・ グラント JIPS 図2

PHRDプログラム別実行額、2012-2013年度

(単位:100万ドル)

出典:世界銀行 25 20 15 10 5 0 2012年度 2013年度

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2.2 プログラムの傾向

技術協力(TA)プログラムの実行額は、2008年度~2011年度 の間、プログラム再編のために減少しました。しかし、2012年 度~2013年度には60%と大幅に増加し、TAプログラムの実行 総額が2012年度の1,700万ドルから2013年度は2,700万ド ルに伸びました。 2012年度は旧TAプログラムが同年度の実行総額1,700万ド ルの内83%を占めましたが、2013年度はこの割合が大幅に低 下し、実行総額2,700万ドルの内わずか29%になりました。ま た、2013年度の実行額の内63%はPillar I:「アフリカ農業」で した。 今後数年間に、いくつかの新規プロジェクトの実施が開始され、 新TAプログラムの実行額が増加する見込みです。

2.3 PHRD技術協力プログラムの

拠出額、実行額、未配分残高

1 拠出額は、2012 年度の 7,500 万ドルから 2013 年度は 1 億 500万ドルへと着実に増加しました。2013年6月30日現在の 技術協力プログラムの未配分残高は1億1,660万ドルで、2012年 度末の1億4,760万ドル、2011年度末の2億3,100万ドルと比 べて大きく減少しています(図3、図4、図5参照)。

2.1 概要

2013年6月30日までに世界銀行と日本が2009-13年度技術 協力政策文書に基づいて承認したグラント総額は、1億600万ド ルに上ります。 新TAプログラム(下記セクション参照)は、2012年に本格的な 実施が始まりました。現在、新TAプログラムでは24件のプロジェ クトとPillar IV:「その他の活動」のイニシアティブが一つ(太 平洋諸国大災害リスク評価融資イニシアティブ)進行中です。 2013年度、世界銀行と日本は、新TAプログラムの2つのPillar で4件のプロポーザルを承認し、グラント額は合計1,040万ド ルに上りました。承認されたプロポーザルの地域別内訳は以下の 通りです。 ラテンアメリカ・カリブ海地域(LCR)におけるPillar III: 「障害と開発」のプロジェクト1件 南アジア地域(SAR)におけるPillar II: 「減災・復興」のプロジェクト2件 ヨーロッパ・中央アジア地域(ECA)におけるPillar III: 「障害と開発」のプロジェクト1件 現在、東アジア・大洋州地域(EAP)の2件のプロジェクトが審 査中です。 さらに、(a)東ティモールにおけるPillar II:「減災・復興」のプ ロジェクト(297万ドル)と(b)フィリピンにおけるPillar IV:「その他の活動」のプロジェクト(273万ドル)の2件のコン セプト・ノートが審査中です。 2013年度、日本・世界銀行パートナーシップ・プログラムで承 認されたプロポーザルはありませんでしたが、「IEGによる系統 的レビューとインフラのインパクト評価」(100万ドル)と「世界 銀行・日本パートナーシップ及びアウトリーチ・プログラム」 (40万ドル)の2件のコンセプト・ノートが日本の承認を求めて 提出されました。

第2章

PHRD技術協力プログラム

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PHRD技術協力プログラム

2

2.4 2013年度に終了した

PHRD技術協力グラント

2013年度に終了したPHRD技術協力グラントは18件で、その 総額は4,100万ドルでした。グラントの種類別の成果は以下の 通りです。 プロジェクト準備グラント プロジェクト準備グラントは、上水、運輸、保健、教育(高等教育 を含む)、水資源管理、行政に関するプロジェクトを支援しまし た。2013年度に終了したプロジェクト準備グラント7件の内2 件が世界銀行/IDA融資プロジェクトにつながりました。 その他のグラントで支援した セクター及び国家政策: ベトナム: メコン川流域の統合的水資源管理プロジェ クトの第2期プロジェクト開発(2,500万 ドル)(囲み1参照) アルバニア: 水セクター投資プロジェクト(6,250万 ドル)(囲み1参照) ベトナム: 行政機構近代化の長期ビジョン構築 マダガスカル: 2014-2018年の保健セクターの新たな 政策と戦略ならびに将来の教育セクター 政策の指針に対する支援 アゼルバイジャン: 政府内での国際的な高等教育改革の導入 フィリピン: 政府による民間セクターとの高速道路プ ロジェクトの準備に対する支援 出典:世界銀行 250 200 150 100 50 0 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 図5

PHRD技術協力プログラムの未配分残高

(単位:100万ドル)

出典:世界銀行 図4

PHRDプログラムへの拠出額(単位:100万ドル)

110 100 80 60 40 20 0 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 出典:世界銀行 図3

PHRDプログラムの実行額(単位:100万ドル)

70 60 50 40 30 20 10 0 実行額 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 技術協力プログラム 気候変動 奨学金 パートナーシップ スタッフ・グラント JIPS WBIセミナー 年度

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2

PHRD技術協力プログラム

囲み1

2013年度に終了したプロジェクト準備グラント(一部)の成果

ベトナム・メコン川流域の統合的水資源管理プロジェクト このPHRDグラントは、2012年7月に実行率99%で終了し、メコン川流域水資源管理プロジェクトの準備に役立てられました。 プロジェクトは以下の通り、域内の持続可能な統合的水資源管理を支援しています。 メコン・デルタ東部での漁業及び水産資源の管理と水資源管理の構成要素コンポーネントを体系化。 プロジェクトのフィージビリティ・スタディや漁業向け実施マニュアルなど、水資源管理に関する重要文書の作成及び保管。 メコン・デルタ東部の灌漑開発について詳細に調べるエンジニアリング調査を完了。追跡調査を行うべき主要な社会・環境問題 を特定。 漁業の共同管理、孵化場の設計と運営、コミュニティ・ベースの水資源管理、近隣諸国でのベスト・プラクティスに関する知識 をクライアントに提供。 アルバニア水セクター投資プロジェクト PHRDグラントがプロジェクト準備を支援したこのプロジェクトは、2013年12月に世界銀行理事会の承認を得ました。プロジェ クトは、ドゥレス水道公社の管轄地域内での上下水道事業の質の向上、および同公社の財務実績の改善を図ります。 同プロジェクトの主な受益者はドゥレス地域及びその周辺の水の消費者(個人用と業務用の両方)です。ピーク時には最大40万 人(オフピーク時には33万人)が、安定供給と質の向上による恩恵を享受することになります。プロジェクトの具体的な内容は以 下の通りです。 ドゥレス水道公社の管轄地域内の深刻な水不足を解消する大容量の送水パイプラインと井戸6基など、水供給のための投資。 下水道網への投資により、豪雨時の下水氾濫を抑えるために、ドゥレス市内の下水設備の基幹部分の修復、必要に応じた豪雨用 の排水網の分離、ドゥレス海浜地区における第二・第三の下水道網の建設。

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PHRD技術協力プログラム

2

・ ガンビア: 地方自治体と連携し、農村コミュニティが優先順位の高い社会 的・経済的投資を計画、実施、維持できるよう支援しました。 ・ モルドバ: 金融アクセスなどビジネス環境を改善することによって企業の 競争力を高めました。また、度量衡・標準・試験・品質(MSTQ) システムの近代化も支援しました。 ・ モンゴル: 農村部の住民への情報通信技術(ICT)サービスの普及と利用 の大幅な拡大を促進しました。農村部を対象としたICT市場へ の民間事業者の参入を促すインセンティブ・プログラムを支援 しました。 さらに、アルバニアの土地管理・都市開発プロジェクト、アルメ ニアの司法改革プロジェクト、モンゴルの持続可能な生活プロ ジェクトに対する協調融資も、このグラントが支援しました。 プロジェクト協調支援グラント 2013年度には9件のプロジェクト協調支援グラント(総額 3,430万ドル)が終了し、承認額の95%が実行されました。これ らグラントにより、公共インフラ投資、キャパシティ・ビルディ ング、組織・制度面の強化のための助成金が提供されました。国 別の内訳は以下の通りです。 ・ ベトナム: 都市部の貧困への対策として、都市貧困層の生活状況や環境条 件が改善されました。プロジェクトの計画立案は、貧困者に配 慮した参加型の手続きに従って行われました。 ・ キルギス共和国: 農業セクターでの金融アクセスの機会を拡大し、農業金融市場 での競争に強い環境の構築に役立てられました。 ・ インドネシア: 都市部の投資サブプロジェクトを支援し、透明性・参加・説明 責任(TPA)に変革をもたらしました。また、プロジェクトに 参加した都市部自治体による一部都市サービスの改善にも役立 ちました。 囲み2

2013年度に終了した協調支援グラント(一部)の成果

インドネシア都市セクター開発改革プロジェクト このプロジェクトが計画・実施されたのは、インドネシアで都市化政策の抜本的な変革とガバナンス改革の拡大が進められていた 時期です。プロジェクトに参加している都市部自治体(ULG)による都市サービスの改善を目的とし、達成に向けて、自治体ガバ ナンスの改革、組織・制度面の能力開発、優先順位の高い都市投資のために資金を調達します。PHRDは、都市制度開発プログラ ム(UIDP)及びプロジェクト実施を支援するために500万ドルの協調支援グラントを提供しました。 2013年度終了するまでに、PHRDの支援を受けた本プロジェクトのコンポーネントのほとんどで、以下の通り、予想以上の成果 が得られました。 参加するすべてのULGが、地方経済開発及び都市開発の総合的な戦略を策定 プロジェクトにより地方予算、年次監査報告、調達計画、手数料が公開されるなど、地方自治体のガバナンスの透明性が大幅に向上 説明責任を高め、一般からのフィードバックを得る仕組みを構築するために、新たなユニットを設置 多くのULGが健全な財務・調達管理手法を導入 9ページに続く

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2

PHRD技術協力プログラム

囲み2

2013年度に終了した協調支援グラント(一部)の成果(続き)

コミュニティ主導によるガンビア開発プロジェクト 貧困問題に取り組む世界銀行のマルチセクター支援の一部として、農村コミュニティが、地方自治体と連携して、優先順位の高い 社会・経済的投資を計画し、実施し、維持するための支援を目指しました。 PHRDは協調支援グラントを提供し、1,000万ドルのIDA資金を動員しました。所得創出活動や地方の能力向上のためのサブグ ラントにより、社会・経済インフラのための資金が提供されました。PHRDのコンポーネントは、以下の通り貢献しました。 600の村落と88の区で社会的・経済的投資活動の計画・管理のための能力育成 地方自治体や特定分野の公的機関における人的資本向上と、環境管理能力の強化 プロジェクトのアウトリーチや広報キャンペーンの支援 モルドバ競争力強化プロジェクト モルドバ政府による企業間の競争力強化を支援するため、対企業サービスの標準や質の向上を通じたビジネス環境の改革を行いま した。また、金融危機の影響を緩和するために地元企業への信用供与枠を設けました。プロジェクトの資金の大半を提供したのは IDAですが、PHRD協調支援グラントは、後にIDA融資を受けることとなる活動のために、最初のコンサルティング・サービスに 資金を提供しました。 本プロジェクトは以下のような貢献を実行しました。 政府がビジネス環境改革の課題を推進できるよう組織・制度面の能力を強化 国の度量衡・標準・試験・品質システムを改良し、アクセスを向上 国際認証、品質改良、製品の最新化などに関する企業への現地コンサルティング・サービスの質を向上し、範囲を拡大 輸出志向の中小企業に対して運転資本や投資資金の調達を目的とした金融アクセス拡大を支援

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日 本 開 発 政 策 ・ 人 材 育 成 基 金 年 次 報 告 2 0 1 3

PHRD技術協力プログラム

2

気候変動イニシアティブ・グラント 気候変動イニシアティブは、温室効果ガス(GHG)排出量の削減、エネルギー効率化の促進、気候変動問題への対応のためのキャパシ ティ・ビルディングなど、受益国の取組みを支援しています。 2013年度には2件の気候変動グラント(総額180万ドル)が終了した他、承認額の内、平均96%が実行されました(囲み3参照)。

2.5 新TAプログラム

新 TA プ ロ グ ラ ム に は 4 つ の Pillar が あ り ま す( 下 記 参 照 )。 2013年度、日本政府はこれらのPillarで合わせて4件のグラン ト・プロポーザル(1,040万ドル)を承認しました。2012年度 及び2013年度に承認されたグラントの内訳は表1の通りです。 囲み3

2013年度に終了した気候変動イニシアティブ・グラント(CCIG)の実績

メキシコ:メキシコシティのCCIG低炭素輸送回廊プログラム メキシコシティの公共交通機関(MCMA)からの温室効果ガス排出 量及び現地の基準汚染物質2の削減を目的としたプロジェクトで、バ ス交通網を拡大し、低炭素ガス技術を利用しました。グラントの提 供先は以下の通りです。 ハイブリッド型のバス及び設備を導入し、その操作方法に関する トレーニングを実施するパイロット・プロジェクト。PHRDグラ ントにより、メキシコシティのパイロット区域を走行する新車の ハイブリッド・バス9台を調達。 ・ エネルギー効率の高い新ハイブリッド・システムの操作・維持の ためのクライアントのキャパシティ・ビルディング。 ボリビア、エクアドル、ペルー:熱帯アンデス氷河後退適応策 2007年に承認されたこのプロジェクトにより、対象国政府は、気候変動による熱帯氷河の急速な後退がもたらす経済的影響を数 値化できるようになりました。プロジェクト終了時までに以下の活動がPHRDグラントの支援を受けました。 高地氷河監視ステーション8カ所とその他の科学機器の調達 陸域観測技術衛星だいち(ALOS)の画像による氷河変動の把握 プロジェクトを通じて収集された情報の効率的な利用に関するスタッフのトレーニングやその他のキャパシティ・ビルディン グ活動 表1

新TAプログラムの承認グラント、2012~2013年度

Pillar 2012年度 2013年度 農業 1件、1,496万ドル タンザニア 災害 9件、2,240万ドル 2件、440万ドル パキスタン、スリランカ、 バングラデシュ、ブータン バヌアツ、ラオス人民民主共和国、 モンゴル、ソロモン諸島、ネパール、 パプアニューギニア、キリバス 障害 5件、1,330万ドル 2件、590万ドル ルーマニア、モロッコ、インド、 ジャマイカ、モルドバ ギニア、ペルー 写真提供:Curt Carnemark、世界銀行アーカイブ

(17)

2

PHRD技術協力プログラム

新TAプログラムの4つのPillar

Pillar I:アフリカにおける稲作研究・生産性プログラム コメは、アフリカで最も重要な主食の1つです。サブサハラ・ア フリカでは過去20年間にコメの消費量が急増しています。 しかし、生産高がこの需要拡大に追いついておらず、輸入依存度 が上昇しています。 食糧価格はどこでもそうですが、輸入米の価格が急騰しているた め、アフリカでは、それでなくてもかろうじて命をつないでいた 数百万人の人々が、食糧不足の影響を一段と受けやすくなってい ます。しかし、アフリカ大陸の一部地域の気候や地形を考えると、 アフリカは今後、稲作を拡大して食糧価格を低下できる可能性が 大きいと言えます。 アフリカにおける稲作の拡大を支援するため、アフリカ稲作振興 のための共同体(CARD)が設立されました。2008年の第4回 アフリカ開発会議(TICAD)において立ち上げられたCARDに は、国際協力機構(JICA)、「アフリカ緑の革命のための同盟」、「ア フリカ開発のための新パートナーシップ」が参加しており、農業 を繁栄させることで高価格の輸入米への依存度を下げ、農業セク ターを繁栄させることで食糧安全保障を高めることを目指してい ます。PHRDは、食糧安全保障を含む日本の援助戦略に合致する この取組みを支援しています。 2013年6月現在、本プログラムにより6件の受領者実施グラン ト(総額6,500万ドル)が、モザンビーク、タンザニア、シエラ レオネ、リベリア、ギニア、コートジボワールの各国で行われて います。このほか、PHRD技術協力プログラムはCGIARプロジェ クト「サブサハラ・アフリカ及び東南アジアにおける次世代コメ 品種」に2,000万ドル、「アフリカにおける稲作研究・生産性プ ログラム」(囲み4参照)の支援に8,000万ドルを提供しています。 囲み4

アフリカにおける

稲作研究・生産性プログラムの成果

西アフリカ農業生産性プログラムに対するPHRDの支援 農業は、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の主要 産業ですが、アフリカの農業生産は生産性が低いため、国 際市場、国内市場のいずれでも、競争力をつけられずにい ます。 ECOWAS域内の人口の約65%は農村部に住み、そのほ とんどが農業に依存しています。農業は、域内GDPの 35%、輸出の15%以上を占めています。域内の生産高は 食糧ニーズの80%を満たしていますが、輸入高の約20% は食糧が占めています。穀類及び畜産品の純輸入地域であ る西アフリカは、現行の世界的な食糧・燃料価格高騰に よって大きな打撃を受けています。域内での農産物取引も 限られており、全世界の農産物貿易高における西アフリカ のシェアは、ごくわずかにしか過ぎません。 PHRD が 支 援 し た 西 ア フ リ カ 農 業 生 産 性 プ ロ グ ラ ム (WAAPP-1C)により、参加国において、また西アフリカ 地域における各種の主要農産物の分野において、高度技術 の採用が可能になっています。WAAPP-1Cプロジェクト でPHRDグラントは、IDA贈与、IDA融資、食糧価格危機 対応マルチドナー信託基金から資金を動員しました。 PHRDグラントは、リベリアとシエラレオネで実施されて います。 シエラレオネにおけるプロジェクトは、受益者の人数が1 万244人に上り、内26%が女性です。中間報告では、(a) 農民による種子増殖計画の策定(国内の13農業地区にお いて、それぞれ5首長区が対象)、(b)研究者のトレーニン グと2つのNCOSでのいくつかの建造物の修復、(c)技術 採用を促進する40のイノベーション・プラットフォーム の設立(28がコメ、12がキャッサバ)が進められています。 12ページに続く

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PHRD技術協力プログラム

2

Pillar II:減災・復興 災害の脅威に対応するための新たな方法の開発では、日本の技術 者、実務者、研究者らが世界的に主導的立場にあります。PHRD の「防災」Pillarは、そうした世界の優良事例を指針とし、「兵庫 行動枠組2005-20153」で特定されているような防災に関する 国際基準や枠組みにも関心を寄せています。 同Pillarでは、PHRDはマルチドナー信託基金である防災グロー バル・ファシリティ(GFDRR)と連携して、災害に対して強靱な 国づくりに取り組んでいます。GFDRRが各国政府などに提供す る技術支援や助言は、需要主導型であり、PHRDが重視する政府 実施のパイロット・プロジェクトやキャパシティ・ビルディング を補完する形で、世界銀行が実施します。GFDRRもPHRDも受 益国政府のオーナーシップとリーダーシップを活動の中心に据え ており、両者間のパートナーシップを通じて、短期的な知識の不 足と、災害に対する長期的な強靱性構築に取り組んでいます。 2013年度、日本政府はPHRDのPillar 「減災・復興」で、以下 の2件のプロジェクト・プロポーザル(総額440万ドル)を承認 しました。 ブータン:地震リスクに対する強靱化プロジェクト(140万ドル) このプロジェクトは、地震に対する強靱性を高めることが目的で す。ブータンはヒマラヤ山脈の地震多発地帯に位置しており、地 滑りや洪水、その他の自然災害頻発の高いリスクを抱えています。 本PHRDプロジェクトの目的は以下の通りです。 地震に関する総合的なデータセット構築による、国内の地震危 険度に関する理解促進 インフラの脆弱性評価のための現地でのキャパシティ・ビル ディング 建造物の建設や修繕のための耐震設計及び施工方法の開発・ 改良 囲み4

アフリカにおける

稲作研究・生産性プログラムの成果(続き)

ギニアでは、プロジェクトの受益者は1万2,500人に上り、 2万7,000ヘクタールの農地で高度技術が使われていま す。同プロジェクトの主要な成果の1つが、持続可能で効 率的な種子システムの構築です。これにより1,300トン の保証種子が生産され、次の生育期には栽培面積も拡大さ れる見込みです。このプロジェクトでは新たなコメ加工技 術も導入されており、その1つであるパーボイルドライス 加工技術は、女性団体が急速に採用しています。 WAAPPの第1期で実施されたリベリアのプロジェクト は、PHRDグラントの支援により、(a)国内の農業研究・ 助言システムの運営面のキャパシティ・ビルディングを通 じた研究システム強化、及び(b)需要主導の技術への資金 提供を行いました。2013年度末には、リベリアで本プロ ジェクトが本格的に機能しています。中央農業研究所 (CARI)への技術支援の提供についてIITAとアフリカ稲 研究センターが合意に達しており、学校で技術を学ぶ学生 37人が選ばれています。 コートジボワールのプロジェクトは、プランテン・バナナ 栽培の革新的技術を導入し、全国専門機能センター全体で 生み出された技術の採用が進みました。WAAPPは、イノ ベーション・プラットフォーム、農業学校、栽培現場での 技術採用など、いくつかの手段を活用して、これを支援し ました。さらに、1994年から中止されていた種子認証シ ステムの運用が再開されました。プロジェクトの受益者の 内、10万人以上が女性です。 写真提供:世界銀行グループ

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2

PHRD技術協力プログラム

Pillar III:障害と開発 PHRD技術協力の「障害と開発」Pillarの目的は以下の通りです。 グラント受益国における障害関係の問題に対する理解の促進 そうした問題に取り組むための政策及び開発支援の策定 障害者に直接的な恩恵をもたらすプログラムに対する資金提供 PHRDは、世界銀行の人間開発ネットワーク内にある「障害と開 発」チームと連携しました。両者が緊密に連携することにより、 世界銀行の「障害と開発」チームの専門知識と、PHRDの金融ア プローチを組み合わせることができるのです。 2013年度、日本は技術協力プログラムの「障害と開発」Pillarで モルドバとジャマイカの2件のプロジェクト・プロポーザルを承 認しました。 モルドバ:通常学校への障害児統合プロジェクト このプロジェクト(300万ドル)は、障害を抱える子供の通常の 学校システムへの統合を促進するもので、次の3つの目標が掲げ られています。 学齢期の障害児の通常教育への参加を拡大 20のテスト校で、障害を抱える子供や特別な支援の下での教 育を必要とする子供の学習環境を向上 広報活動を通じて、障害児は通常の学校や幼稚園に通うべきで はないと考える人々の考え方を転換 バングラデシュ:地震に対する強靱性向上による安全な都市づく りプロジェクト(300万ドル) このプロジェクトは、バングラデシュの防災における深刻な不備 の解消を目指すものです。特に大都市圏において建築基準を改善 し、建築物やその他のインフラの全体的な耐震性を高めます。活 動内容には、技師、石工、鉄筋加工者などを対象として災害に対 して強靱な建設に関する研修や認証が含まれます。また、建築基 準条例執行の強化や耐震建造物の試験的建築も行われます。 2013年度、日本政府は1件のプロジェクト「東ティモール:ディ リ-アイナロ道路及び連結道路沿いのコミュニティの災害/気候 強靱性の構築」のコンセプト・ノートを承認しました。 2010年12月のPHRD防災プログラム開始から2013年度末ま での間に、日本はアジア・大洋州地域の11カ国のグラント・プ ロポーザル11件(総額2,678万ドル)を承認しました(付表2 参照)。仙台会合及びPHRDが資金を提供した仙台レポートを踏 まえ、防災への取組みがGFDRRに沿って進められるよう、プロ グラムのPillar「減災・復興」は終了しました。 写真提供:Augustin Maria、世界銀行グループ 写真提供:Elena Prodan、世界銀行グループ

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PHRD技術協力プログラム

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Pillar IV:その他の活動 2013年度、パートナーはこのPillarで1件のコンセプト・ノー ト「広域マニラ首都圏における持続可能な治水に向けたプログラ ムの準備」へのグラントを承認しました。このプロジェクトの最 大の目標は、マニラ地区における治水と強靱性を向上させるプロ ジェクトの準備をすることです。この目標を達成するため、(a) 優先度の高い治水インフラのための設計研究、ならびに(b)フィ リピン政府と共同での持続可能な治水のための制度構築が行われ ます。 ジャマイカ:障害者の社会的・経済的包摂プロジェクト このプロジェクトでは貧しい障害者の雇用の問題に取り組むと共 に、障害を抱えた貧困児童の教育アクセスを向上させます。 PHRDグラント290万ドルが、以下の取組みに役立てられます。 貧しい障害者約300人が雇用適性を向上させるための訓練そ の他のサービスを見つけられるよう支援 貧しく障害を抱えた児童600人が教育を受けられるよう、制 度面の支援、手段、設備を提供 2011年から2013年6月末までの間に、日本政府はPHRDの Pillar「障害と開発」を通じて7件のグラント・プロポーザルを 承認しました。グラント総額は2,000万ドル近くに上り、アフリ カ地域、南アジア地域、中東・北アフリカ地域、ラテンアメリカ 地域、ヨーロッパ・中央アジア地域で7カ国が恩恵を受けました。 1  未配分残高とは、前年度の未配分残高に新規拠出額及びその他の流入額(終了した実行アカウントからの還流など)を加え、新規配分額を差し引い た額。 2  基準汚染物質とは、スモッグ、酸性雨や、健康被害の原因となるその他の大気汚染物質。 3  今後10年間の指針となる兵庫行動枠組は、2005年1月18日~22日に兵庫県神戸市で開催された国連防災世界会議で採択された。兵庫行動枠 組は、災害による損害を減少させるために、あらゆるセクター及び関係者に求められる取組みを明らかにしようという初の試みである。兵庫行動 枠組は、政府、国際機関、災害の専門家、その他の多くのパートナーが共通の協調体制の下に集結し、災害リスク減少のために策定、合意された。

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第3章

キャパシティ・ビルディング、

及びパートナーシップ・プログラムを通じた人材育成

日本は、PHRDを通じて、日本/世界銀行共同大学院奨学金制度 (JJ/WBGSP)及び日本/インドネシア大統領奨学金プログラム (JIPS)という2つの人材育成プログラムを支援しています。

3.1 日本/世界銀行共同大学院奨学金制度

JJ/WBGSPの目的は、経済・社会開発の分野で極めて有能な専 門家集団を構築することにあります。主に世界銀行グループ借入 国で専門職についている中堅の人材に対して大学院教育を受ける 機会を提供します。JJ/WBGSPプログラムには、修士号取得に 向けて、通常プログラムとパートナーシップ・プログラムの2つ があります。 毎年、通常プログラムでは、同プログラムの推奨する47の修士 課程プログラムのいずれかに合格した応募資格者に対して公募を 行い、約140人の奨学生を選定しています。 14のパートナーシップ・プログラムのそれぞれから質の高い選 抜候補者リストが JJ/WBGSP に提出され、その中から JJ/ WBGSPが所定の定員で奨学生を選定します。パートナーシッ プ・プログラムでは、経済政策管理、インフラ管理、税制など開 発の主要分野で専門教育が提供されます。 2013年度、本プログラムのアウトリーチ活動の一環である奨学 生・同窓生の開発分野能力向上ネットワーク(ASCEND)によ り、知識共有フォーラムが3回、スタディツアー1回、交流イベン ト3回が開催されたほか、プログラムの開発成果の追跡・評価を 目的とする年2回の元奨学生追跡調査が実施されました。 また、2013年度には、オンラインによるプログラムの参加者が 1,600人を超えました。オンライン・コミュニティは、奨学生、 元奨学生、研究者、そして日本政府及び世界銀行のステークホル ダーを結び付け、元奨学生がプログラムに継続的に関与すること ができ、奨学金プログラムがもたらす影響を強化する事に役立っ ています。 囲み5

JJ/WBGSPのハイライト

1987年の設立以来、JJ/WBGSPは、世界銀行加盟国 にある主要大学が行う開発関連分野での研究に対して 5,305件の奨学金を提供してきました。この内1,554 件の奨学金が、パートナーシップ・プログラムの下で 様々なパートナー機関の研究のために提供されました。 2013年度、日本政府はJJ/WBGSPに1,460万ドル を提供しました。これにより同プログラムは、通常プロ グラムの下で157人、パートナーシップ・プログラム の下で新たに104人に対して奨学金を提供しました。 写真提供:春木由美

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日 本 開 発 政 策 ・ 人 材 育 成 基 金 年 次 報 告 2 0 1 3

キャパシティ・ビルディング、及びパートナーシップ・プログラムを通じた人材育成

3

具体的には、国会議員、メディア、学術機関、シビルソサエティ、 民間セクターといった日本の主要関係者と世界銀行との対話に役 立てることが目的となっています。政策協議、コミュニケーショ ン、世界銀行プロジェクトに関する情報の普及を通じて、また、 広報活動を組織することにより、対話を促進します。さらに、世 界銀行のプロジェクト、調達、取引手順に関する助言サービスを 通じて、公正なビジネスの機会について、日本企業やコンサルタ ントの間での認識向上にも役立てられます。

3.2 日本/インドネシア

大統領奨学金プログラム(JIPS)

2008年に導入されたJIPSは、インドネシア国家教育省の大統 領奨学生プログラムを支援しています。日本政府から1,000万 ドルのグラントを受け、設立以来43人の奨学生を支援してきた JIPSは、大学職員の資質と経験の向上、高等教育の場で職に就く 新たな人材の発掘、国内外の学術パートナーシップの構築を支援 しています。2013年度にはJIPSの卒業生12人が論文を提出し て口頭試問に合格し、インドネシアに帰国して高等教育機関の教 員になりました。

3.3 日本・世界銀行

パートナーシップ・プログラム

日本・世界銀行パートナーシップ・プログラムは、以下の活動を 支援します。 主要な開発問題に関して、日本のステークホルダーと世界銀行 とのパートナーシップを構築 国際的開発問題に対する日本国民の関心を喚起 援助協調イニシアティブの強化 2013年度、日本政府は本プログラムによる2件のグラント(総額 70万ドル)を承認しました。グラント総額の93%は、2012年に 東京で開催された年次総会の開催準備と実施に充てられました。 残りの額は、世界銀行・日本民間セクター・パートナーシップ強 化イニシアティブに移転されました。同グラントは、世界銀行と 日本のステークホルダーのパートナーシップを強化し、世界銀行 のプロジェクトやその他の開発問題を日本国民に広く知らせるこ とを目的としています。 囲み6

パートナーシップ・グラント

2013年度は以下の2件のグラントが承認されました。 2012年東京総会: 世界銀行東京事務所アウトリーチ支援へ60万ドル 世界銀行/日本・民間セクター・パートナーシップ強化 イニシアティブ第6期へ4万ドル

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(26)
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第4章

PHRDが支援するその他のプログラム

有期雇用職員 最初の2年間を当初の任期とし、一定の条件を満たせば3年目 の延長が可能。 2013年度、日本政府はPHRDを通じて有期雇用職員及びETC の申請37件を承認しました。グラント額は720万ドルでしたが、 これは前年度のグラント総額と比べて24%減少しています。 2011年度~2013年度の本プログラムによる職員カテゴリー別 の累積グラント承認件数は、表2の通りです。 日本政府は、PHRDを通じて、世界銀行/日本・スタッ フ・長期コンサルタント(ETC)プログラムなど、世界銀 行が運営管理するいくつかのプログラムを支援していま す。また、PHRDは世界銀行が管理するその他の信託基 金にも貢献しています。

4.1 日本PHRDスタッフ・

ETCプログラム

日本PHRDスタッフ・ETCグラント・プログラムは、日 本人が職員あるいは長期コンサルタント(ETC)として 世界銀行で勤務する機会を創出するものです。本プログ ラムは以下の2つのカテゴリーでの採用を支援します。 ETC 2005年度に導入された本カテゴ リーは、任期後に世界銀行の業務 予算から給与を受ける有期雇用、 又は無期雇用職員の候補者となる 優秀な人材が対象。ETCの任期は 1年間で、2年目の延長が可能。 無期雇用 有期雇用 ETC 図6

承認されたPHRDスタッフ・ETCグラント件数、2001~2013年度

50 45 40 35 30 25 20 15 10 5 0 グ ラ ント 件 数 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 年度 表2

承認されたPHRDスタッフ・ETCグラント件数、

2011~2013年度(単位:100万ドル)

2011年度 2012年度 2013年度 カテゴリー 件数 金額 件数 金額 件数 金額 スタッフ 17 $ 5.5 19 $ 6.7 18 $ 5.2 ETC 31 3.0 27 2.8 19 2.1 合計 48 $ 8.5 46 $ 9.5 37 $ 7.3

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22

日 本 開 発 政 策 ・ 人 材 育 成 基 金 年 次 報 告 2 0 1 3

PHRDが支援するその他のプログラム

4

4.2 ドナー支援職員採用プログラム

(DFSP/JPO)への日本の参加

ドナー支援職員採用プログラム(DFSP)は、外部資金による職員 採用のための各種プログラムの調和を図るために設けられまし た。ジュニア・プロフェッショナル・オフィサー(JPO)及びミッ ドキャリアの採用に資金を提供し、有期雇用職員の採用を行いま す。日本は本プログラムに創設時から参加しており、2013年度 までにジュニア・プロフェッショナル・オフィサー(JPO)15 名、ミッドキャリア6名を支援しています。2013年度には、日 本はJPO3名、ミッドキャリア6名を支援しました。

4.3 PHRDの支援により世界銀行が管理する

その他のプログラム

2013年度、PHRDは世界銀行が管理するその他のプログラムに 1,630万ドルを移転しました(囲み7参照)。

4.4 グローバル・ディベロップメント・

ネットワーク(GDN)

グローバル・ディベロップメント・ネットワーク(GDN)は、国 際開発賞を支援しています。国際開発賞は、経済学や社会科学の 研究者の研究能力を向上させ、途上国で社会から取り残されてい る人々に恩恵をもたらす革新的な社会開発プロジェクトに資金を 提供するために設けられました。 日本政府は、GDNを通じて(a)リサーチ部門日本国際開発賞 (ORD)と、(b)プロジェクト部門日本国際開発賞(MIDP)とい う2つの賞を支援しています。2013年度、国際開発賞には710 件の応募がありました。2013年6月にマニラで開催された第14 回GDN年次総会では、最終選考に残った候補者が、400人以上 の研究者や実務者を前にプロポーザルと論文を発表しました。 囲み7

2013年度の他のプログラムへの資金移転

中東・北アフリカ地域移行基金に400万ドル 世界銀行ディスタンス・ラーニング・パートナーシップ 第2期に300万ドル 教育のためのグローバル・パートナーシップ基金に 220万ドル IAVI仙台ベクトルの支援に200万ドル 太平洋災害リスク・ファイナンス/保険 マルチドナー 信託基金に180万ドル 生態系サービスの経済価値評価(WAVES)マルチド ナー信託基金に160万ドル KCPII-経済開発・構造改革 マルチドナー信託基金に 100万ドル グリーン気候基金(TF)に50万ドル 貧困層支援協議グループ(CGAP)に基づく中核的活動 のための日本信託基金に30万ドル

(29)

4

PHRDが支援するその他のプログラム

(b) プロジェクト部門日本国際開発賞(MIDP) この賞は、途上国や経済移行国で社会から取り残されている人々 や不利な立場に置かれている人々に影響を与える社会的革新性の あるプロジェクトに資金を提供するものです。様々なテーマにお ける革新的な社会開発プロジェクトの中から受賞者が選ばれま す。また、強力な社会的影響力があり、他の途上国でも同様に実 施可能なプロジェクトであることが条件です。プロジェクトの代 表者は研究に関する情報交換の研修にも参加します。 この賞では、研究に注目を集めることにより受賞者の認知度を高 めます。それにより新たな資金が集まり、キャリアのさらなる前 進に役立ちます。2013年度に受賞したのは、(i)公衆衛生を通じ た保全(ウガンダ)のプロポーザル「ブウィンディ原生国立公園 周辺における総合的な生物多様性保全・保健・コミュニティ開 発」、(ii)Dnet(バングラデシュ)のプロポーザル「情報及び包摂 的な知識システム構築のためのインフォレディの促進」、(iii)ト ランスペアレンシー・インターナショナル・インディア(インド) のプロポーザル「開発協定」でした。 (a) リサーチ部門日本国際開発賞(ORD) この賞は、貧しい新興社会では、質の高い研究を公共政策に適用 することにより、開発への展望を向上できるという認識に基づい ています。また、開発を加速させるためには、地方や地域で数世 代にわたって、社会科学者や研究者が集まり、相互に連携し合う ことが必要であるという考えもその根底にあります。 この賞の対象となるのは、途上国の若手研究者で、優れた成果が もたらされる可能性が高く、開発課題への明確な政策を提案する 研究に資金を提供します。 受賞者は、研究から政策へとつながる研究プロポーザルのための 助成金をグラントとして受領します。グラント実施期間中、専門 家による技術的なメンタリングが提供され、受賞者である社会科 学者の研究能力の構築が図られます。また、政策アウトリーチの 強化や発信手段開発のために、研究に関する情報交換の研修も行 われます。通常、このプログラムには100カ国近くの途上国や新 興国の研究者から応募があります。 2013年度に受賞したのは、(i)強制給付規則及び社会保障加入 が労働市場に及ぼす影響(エクアドル)、(ii)dPlaCo-MK:男女 間の賃金平等化のためのツール(マケドニア)、(iii)人間開発の 包摂性(インドにおける)に関する研究プロポーザルでした。

(30)
(31)

第5章

PHRD活動のモニタリングと評価

また、四半期ごとに未監査財務諸表が作成されます。これにより 世界銀行とドナーは拠出によるコミットメントのレベル、実行資 金への割当とその実行状況を把握することができます。また、独 立した外部監査人が各会計年度の終了時に財務諸表の監査報告書 を作成し、その結果が日本政府と共有されます。 プログラム管理の一環として、PHRDチームは特定のプロジェク トに関する定期的な監督任務を果たしました。2013年度、チー ムはモザンビークとタンザニアを訪問しました。PHRDチームは 実施の進捗状況を審査し、実施の遅れがあればその原因について 議論し、コミュニティ・レベルやプロジェクト・レベルでのド ナーの認知度向上の実施状況を評価します。 JJ/WBGSPは、世界銀行研究所(WBI)による管理の下、追跡 調査を行い、奨学生の学位取得件数、出身国に帰国した奨学生の 数とその後の雇用やキャリア・アップなどを報告しています。追 跡調査では教訓も明らかにされます。

5.1 PHRD活動の進捗状況と

成果のモニタリング

PHRD技術協力プログラムの短・中期的な開発インパクトは、測 定可能な開発成果指標を使って評価されます。日本政府と信託基 金・パートナーシップ(DFPTF)局は信託基金の支援を受けた 活動について、成果に重点を置いて報告を行います。PHRDプロ グラムの有効性の評価は外部評価によって行われ、既に2度の評 価が実施済みです。 一方、グラント・モニタリング報告(GRM)及び実施完了メモラ ンダム(ICM)は、短期的な成果と中間結果を把握するものです。 GRMではグラント実施の進捗状況が測定されます。具体的には、 ポートフォリオのモニタリングや、特定のグラントについて成果 が上がっている理由や期待通りの成果が上がっていない理由の分 析を行い、それに基づいてPHRD事務局が意見を示すことや改善 策を提案します。プロジェクトが完了すると、タスクチームが業 績、結果、教訓に関する総合的な最終報告書を作成します。

(32)
(33)

第6章

今後の展望

2012年に開催された仙台会合、及びPHRDが支援した仙台レ ポートを踏まえ、年次協議では、災害・復興の取組みをGFDRR のプログラムと密接に協調しつつ行うことも探っていきます。こ のことは、防災(DRM)の実践こそが強靱な社会の決定的な特徴 であり、従って開発のあらゆる側面に組み入れるべきであるとす る報告書の主要メッセージと呼応しています。 日本は常に開発問題の最前線に立ってきました。PHRD技術協力 の第1期も、日本は早い段階から、キャパシティ・ビルディング、 パートナーシップ、気候変動イニシアティブを持続可能な開発の 重要な側面と位置づけるなど、日本政府の将来を見据えた前向き なアプローチを顕著に表す実例となっています。 PHRD再編の決定時にも、こうした前向きな考え方が中心にあり、 障害や災害の問題を途上国における開発課題の本流に組み入れる ことや、コメの生産を通じた栄養状態改善など、喫緊のニーズに 重点が置かれました。 PHRDプログラムの再編は、日本の財務省と世界銀行の間で行わ れた2013年の年次協議からスタートしました。この年次協議の 場で、新TAプログラムの現在の戦略的重点が再検討され、第5 回アフリカ開発会議(TICAD V)の成果が新たにプログラムに 組み入れられました。TICAD VのPillarの焦点は、以下の通り です。 農業 小規模農家の組織・制度面の能力及び知識ベースを構築するこ とにより、脆弱性の低下、サービスの提供、食糧の自家生産と 消費を改善。 農村部のエネルギー供給へのアクセス アフリカの脆弱・紛争国(FCS)の農村部における近代的エネ ルギー・サービスの提供を拡大。

(34)

写真提供:Er

(35)
(36)

譲許性資金・グローバル・パートナーシップ総局 PHRDプログラム運営担当ユニット 世界銀行グループ 1818 H Street, N.W. Washington, D.C. 20433 U.S.A. www.worldbank.org/phrd Eメール:[email protected] 日本政府

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