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環境配慮型製品における経路依存性 : 現在主流となっている太陽電池技術

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環境配慮型製品における経路依存性

― 現在主流となっている太陽電池技術 ―

The Path Dependency of Environmentally-Conscious Products

― The Mainstream Technology for Solar Cells ―

Atsuo ISHIKAWA

石 川 敦 夫

1.はじめに

 2012年,再生可能エネルギー1の買取制度が始まって以降,太陽光発電は普及率が最も伸びた再生 可能エネルギーとして注目されている。2004年には,日本は太陽光発電の生産量,設置量はともに 世界一を誇っていたが,現在はともに世界3位から4位に低迷している。しかも,その太陽光発電 システムに用いられる太陽電池は大幅な価格下落の状況に陥っている。  再生可能エネルギーは,フィード・イン・タリフ(以下FIT)という固定価格での電力買取制度によっ て普及が促進されている。この制度は太陽光発電は経済合理性に基づいて普及を促進し,現在主流 となっている技術(太陽電池)は結晶系シリコン太陽電池である。しかし,環境保全における様々 な視点を考慮すると,この技術は,必ずしも最適技術の選択ではなかったのではないかと考えられる。  太陽電池は,太陽光でエネルギー(電気)を発電するだけでなく,地球環境保全に貢献すべきこ とが本来の目的と考えれば,製造の際に使用されるエネルギーや原材料の使用量の多寡を総合的に 判断して,技術が選択されるべきだと考える。しかし,現在主流となっている技術は,経済的側面 のみが強調された技術選択であるといえる。すなわち,FIT制度により,ユーザーやメーカーにとっ て利益誘導が最も容易な技術が選択されたと考えられる。本稿では,太陽電池の低価格化の事実を 踏まえ,太陽電池の技術の選択に影響を与えた要因について検討を行う。

2.技術の経路依存性

 技術における経路依存性とは,その製品の技術が選択される際に,一つ又は複数の特定事象に制 約され,特定の技術が選択されることをいう。すなわち,人々は技術選択を行う前に,既にその時 点でロックインされている偶然事象の結果に捉われ,技術選択を行っている2。その製品が具備すべ き技術は,技術決定論的な判断基準ではなく,その時点での社会的,技術的,あるいは経済的要因 等による偶然事象にて決定されるというものである。  経路依存性を示す例として,キーボードの配列や,1900年代初頭の米国での自動車の動力源の事 例がある。キーボードは現在QWERTY配列が主流となっているが,このQWERTY配列は,1900年 前後,タイプライターのタイピング速度を故意に遅くするための配列であった。この配列が今なお

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使用されているのは,既にこの配列でのタイピングを習得したユーザーが,のちに開発されたタイ ピング速度のより速いDVORAK配列への転換によるスイッチングコストの発生を忌避したからであ る。また,1900年代初頭,米国では,蒸気自動車,ガソリン自動車,電気自動車の3種類が存在し, それぞれ技術改良が進められていた。しかし,北米で発生した馬の疫病により,馬車によるスチー ムエンジン用の水の運搬が中断されたり,フォードがガソリン自動車であるT型フォードの大量生 産システムを構築したりといった出来事により,ガソリン自動車の優位性が決定された3  これらは,新たな習得技術への抵抗や馬の疫病の流行など社会的要因がその後の技術を特定した 例である。ただこのように社会的要因で技術が決定されるという考えもある一方,組織間の政治的 な相互作用によって技術の方向性が決められるとする考え4や,社会的,制度的要因に単純化して考 えるべきではないとする社会的構成論(SCOT)の考えもある。  しかし,本稿では,社会的,技術的,経済的等の要因の視点から,太陽電池における経路依存性 について検討を行う。次節では環境保全に関する事例として,景観のための電線の地中化事例とEU におけるディーゼルエンジンの普及事例をあげ,環境保全に用いられる技術の経路依存性に影響を 与える要因を明らかにする。 2.1 景観に関する経路依存性  日本における電線の地中化比率 は,ヨーロッパや米国に比べ非常 に少ない。図1に示すように5,欧 米の主要都市では70%以上地中化 されている。  この経緯として,まずロンドン を例に挙げると,19世紀末には治 安維持のために街灯がどうしても 必要だった。当時,街灯のための 技術的な選択肢として,ガスと電 気が存在していた。ガスはもとよ り地中に敷設されていたのに対し,電気は架空線とすることができたのだが,これでは電気配線が 安価に敷設でき,ガスとの競争条件が公正ではなかった。そこで“電気法”が制定され架空線が禁 止された。もちろん景観保全の意味合いもあったと考えられるが,電線地中化の最大の要因は,経 済的競争条件の公正化にあったといわれる。  アメリカでは,19世紀末のニューヨークのマンハッタンには,架空電線が蜘蛛の巣のごとく張り 巡らされており,当時の銅版画からも知ることができる6。しかし,その電線は裸線であり,規制も なく業者が勝手に架線していたため,人が触れ感電死する事故が多発した。このため行政が指導し, 電線の地中化を行ったという経緯がある。 図1 欧米の主要都市と日本の都市の電線類地中化の現状 出所)無電柱化計画,http://www.hrr.mlit.go.jp/road/mudenchu/1.html ロンドン パリ・ボン 東 名古屋市 大阪市 全国 京 23区 ストックホルム ニューヨーク コペンハーゲン ミュンヘン ハンブルグ ベルリン (%) 100 80 60 40 20 0 100 99.2 95.7 88.3 79.0 72.1 50.8 6.6 2.4 2.3 1.9

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 日本では,戦後の経済発展のためには安価な電気の安定供給が最大の課題であった。戦後,労働 基準法の改正などにより,電線の事故責任が下請けから元請けとなり,架空線の裸線も問題視され るようになる。しかし,架空線が普及した時期がアメリカとは半世紀ずれていたため,電線を被覆 する技術がすでにできていた。そのため安全性が被覆により確保されたので,電線を地中化する必 要性は大きく減少した。すなわち,電気事業に求められる公共性は,「安価」,「安定供給」に向かい, 安全性は確保されたものとして架空電線が普及していった7  このように,地中電線のロンドンでの普及は,“電気法”という法規制による社会的競争原理の公 平性のためであり,ニューヨークでの地中電線の普及は,安全性の確保のためであった。日本にお いて架空電線が採用されたのは,安価と安定供給という経済性に重心をおいた社会的要請によるも のであった。 2.2 ディーゼル車の普及に関する経路依存性  二酸化炭素排出量の削減のためのエコカーとして,日本ではハイブリッドカーが主流であり,電 気自動車も数社で販売されている。一方EUでは,図2に示すように,国によっては乗用車の新車登 録台数の半数以上がディーゼルエンジン車という国もある8。近年は若干減少傾向にあるものの, 2009年にはEU全体で乗用車の新 車登録台数の約48%がディーゼル 車であった。  この傾向は日本とは好対照をな している。日本ではディーゼル乗 用車はほとんど姿を消しているが, その理由として,NOx規制値が厳 しく,トレードオフの関係にある 燃費の悪さが原因の一つだと考え られている。  更に日本ではPM(粒子状物質)規制が緩かったため,トラックなどの大型車から排出される黒 煙が許容され,ディーゼル車にはダーティーなイメージが持たれたことも原因の1つだといえる9 また,1996年に特定石油製品輸入暫定措置法が撤廃され,ガソリンと軽油の価格差が縮小したこと もディーゼル車の減少理由の一つである。日本国内の乗用車の年間走行距離は平均9,900kmであり, 米国の18,870km,英国の14,720km,フランスの14,100kmなど海外の年間走行距離10と比較すると短 い。これによりディーゼル車のコストメリットは小さくなり,ディーゼル車が減少した理由の一つ であると考えられる。かつて,多くの乗用車にはディーゼルエンジンの設定があったが,ディーゼ ル車のイメージが悪くなったこともあり,メーカーではディーゼル車の車種を減らした11。その結果, 車種が減少し,販売数も減少するという悪循環を形成したことも原因の一つといえる。 図2 EU における乗用車の新車登録数に占めるディーゼル車の割合 出所)ACEA(欧州自動車工業会)HP を参照し筆者作成 乗用車数に占めるディーゼル車比率 (%)100 80 60 40 20 0 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 (年) オーストリア イタリア フランス オランダ ドイツ スペイン ギリシャ イギリス

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 これに対して,EUでディーゼル車が広く普及した理由として,1つは技術革新があげられる。 1990年代の前半から,高圧噴射技術のコモンレールが採用され,排出ガス,動力性能,騒音・振動 等で大幅な性能向上が見られた。さらに1990年代後半には,DPF12やNOx吸蔵還元触媒などにより, 市場は革新的な変化を体感,認知することができた。また,税制の違いからEUではクルマの取得, 保有段階での税額は日本よりも低いが,燃料に対する税負担が高い。EUの国々では年間平均走行距 離は日本より長いため,ユーザーは燃料価格に対する経済性に対して敏感である可能性が高い。こ のような背景から,ガソリン車より燃費の良いディーゼル車が好まれるのではないかと考えられる。 事実,メルセデスベンツのEクラスのガソリン車とディーゼル車の燃費を比較すると,ディーゼル 車の高速燃費は約32%,市街地走行でも34%改善されている。このようにヨーロッパではディーゼ ル車の技術革新,税制あるいはライフスタイルの面などから燃費の良さが重視され,ディーゼル車 が広く普及している。また,EUでは乗用車の約8割以上がMT仕様車であり13,このことは大半の 人がMT仕様車を問題なく運転できることを示している。ディーゼルエンジンのAT仕様車は、専用 のATの技術開発が必要となるが,EUでは多くのユーザーがMT仕様車を運転できるため,MT仕様 のディーゼル車が多くとも問題はなかったと推測できる。  最後にアメリカでは,ガソリン単価が安価であるため,燃費の良いクルマを選ぶ必要性はEUより も小さい。年間走行距離はEUよりも長い18,000km以上であるが,燃費に拘らずガソリン車を購入 する人が多いのではないかと考えられている14 2.2 電線地中化とディーゼル車の普及に見られる経路依存性  以上の2つの環境保全に用いられる技術において,その技術が選択された当時の外部要因をまと めると表1,表2のようになる。  電線の地中化に関してロンドンの場合は,経済競争の公正化という社会的要因により地中化が進 んだと考えられる。一方,ニューヨークの場合は,安全性の確保という社会基盤の根幹となる社会 的要因が優先された。  地中化が行われなかった日本の場合は,既に安全が被覆技術により担保されており,戦後の経済 成長のために,架空配線が優先されたといえる。3都市に共通することは,景観の維持という環境 的要因は,技術が選択される際の最重要の課題ではなかったということである。  表2からは,技術そのものは異なるものの,日本とEUにおいては技術によって環境的要因を満た している。しかし,両者の違いは,燃料税やガソリンと軽油の価格差の違いによる購入後の維持費 である。そのため,年間走行距離の長いEUのユーザーは,安価な燃料費という経済的要因で,ディー ゼル車(技術)を選んだことになる。  また,EUのメーカーの立場として,NOxの規制値がそれほど厳しくなく,しかも多くの人がMT 仕様車を運転できるという利点を活かし,大きな設備投資を必要としない従来からのディーゼル車 を優先的に製造,販売することで,車両のコストダウンを可能にしたと考えられる。

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表1 電線の地中化が行われた/行われなかった要因 ロンドン ニューヨーク 日本 選択された技術 地中配線 地中配線 架空配線 経済的要因 安価な配線,安定供給 社会的要因 公平な価格競争 地中配線により 被覆された電線により架空配線 環境的要因 景観保全 景観保全  出所)筆者作成 表2 ディーゼル車/ガソリン車が広く普及した要因 EU 米国 日本 選択された技術 ディーゼル車 ガソリン車 ガソリン車 技術的要因 コモンレール,DPF NOx吸収還元触媒 ハイブリッドカー 経済的要因 燃料税が高い ガソリンが安い ガソリンと軽油の価格差が少ない 法的要因 NOxの規制値が厳しい 社会的要因 ほとんどの人がMT仕 様車を運転できる 95%以上の乗用車が AT仕様車 平均走行距離が長い 平均走行距離が長い 平均走行距離が短い ディーゼル車に対する 悪いイメージ 環境的要因 二酸化炭素の排出量が 少ない 二酸化炭素の排出量が 少ない  出所)筆者作成  ここで挙げた事例から,環境保全のための景観や,環境配慮型製品であるエコカーのそれぞれの 技術に対する経路依存性について,いくつかの考慮すべき項目が明らかになった。環境的要因はも ちろんのこと,技術的,経済的,社会的,法的要因が,技術の経路依存性を検討するには必要な項 目だと考えられる。本稿ではこれらの要因に着目し,太陽光発電において現在主流となっている結 晶系シリコン太陽電池の技術に対する経路依存性について検討を行う。

3.太陽光発電の普及

 太陽光発電の研究は1950年代に始まり,当初は人工衛星や灯台などに使用されてきたが,1980年 代には電卓など民生用にも使用されるようになった。1990年代に入ると住宅用として太陽電池が使 用され,現在は再生エネルギーの代表格として広く普及している。 3.1 日本における太陽電池の普及  日本では,1994年から経産省(当時通産省)の太陽光発電の普及促進事業15により,太陽光発電

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システムの購入者に補助金を支給することで普及が図られた。当時,太陽光発電の平均的な設置容 量は3kWであり,当初1kWあたり90万円の補助金が支給されたが,それでもユーザーが支払う総 費用は300万円を超えていた。その後販売価格の低下にあわせ補助金額も減額され,2000年以降は3 kWシステムで,ユーザーが支払う金額はほぼ180万円前後でほぼ推移するようになった。  太陽光発電を設置することで,自家消費電力を太陽光発電によって賄い,余剰電力はユーザーが 購入する電力料金(買電金額)と同じ価格で,地域の電力会社に買い取ってもらうことができた。 当時,電力会社は1kW時24円前後で買取り,設置した家庭では(3kWシステムの場合)年間約 7万円~8万円節約することができた。しかし,設置金額は180万円前後であることから,利子等を 考慮しなくても回収期間は25年前後必要であった。太陽電池の寿命は約20年~25年といわれ,初期 投資額を回収できないまま,太陽電池を廃棄する可能性もあった。  しかし,図3に示すように2009 年に1kWあたり48円での買取り が始まると,初期投資額を売電金 額で回収することのできる期間が 従来25年前後から一気に10年余り に短縮されたため,国内販売量は 2009年から大幅に増加し始めた。  また2012年7月からは,EUの 国々にならい,“再生可能エネル ギー特措法”により,固定価格で の買取りが始まると,一般家庭だ けでなく,企業も太陽光発電の発電事業に参入を始めた。電力の買取り金額は,初年度の2012年度 が42円/kWであり,2013年度には37.8円/kWとなっている。また,法人が大規模発電所(メガソー ラー)16として参入することで,太陽光発電の普及の中心が一般家庭からメガソーラーに移り,現在 では国内発電量のうちメガソーラーによるものが半分以上を占めている17。メガソーラーは土地の賃 借料や固定資産税等を考慮しても,現在の38円~42円の買い取り価格であれば,11年前後で初期投 資額が回収されるため18,多くの企業が,経済合理性や企業ブランドの構築に基づいて発電事業に参 入し始めている。 3.2 世界の太陽光発電の普及  ドイツで2000年に“再生エネルギー法”が制定され,発電した電力の固定価格での買取りが始まると, 太陽光発電システムの普及が加速した。2000年当時,ドイツの太陽光発電の設置量は日本,米国に 続き世界第3位であったが,FIT導入後設置量が増加し,図4に示すように2005年には日本を抜い て世界第1位の太陽電池設置国となった19。EUの多くの国々がこの方式を採用し,2008年にはスペ インが長期に亘り収益性の高い買い取り条件を提示した。その結果,全世界の生産量の40%の太陽 図3 太陽光発電のユーザー負担額と補助金額 出所)新エネルギー財団のデータ等を参照し筆者作成 700 600 500 400 300 200 100 0 140 120 100 80 60 40 20 0 太陽光発電国内出荷量( MW ) ユーザー負担額(万円/ kW ) 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008(年) ユーザー負担額(万円/kW) 太陽電池の国内出荷量(MW)

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電池がスペインに設置され,スペ インは世界第2位の太陽電池設置 国となった。 3.3 世界の太陽電池メーカーの動向  2005年当時の世界の太陽電池メーカーの生産量は,上位5社のうち4社まで日本のメーカーで占 められ,残る1社はドイツQ-Cellsであった。しかし,2009年では上位5社のうち,中国メーカーが 2社,米国(FirstSolar),ドイツ(Q-Cells),日本(シャープ)のメーカーが各1社となり,2010 年には上位5社のうち4社が中国メーカーで,残る1社は米国のFirstSolarだけとなった。日本のメー カーはシャープが第6位,京セラが第10位である20  2010年における国別の太陽電池の生産量は,中国が45%,台湾15%,日本9%,ドイツ8%,米 国5%,その他の国々が18%となっている21。このように中国,台湾のメーカーだけで6割を占め, 太陽電池の低価格化に対応できるメーカーがシェアを伸ばしている。米国のFirst-Solarが上位5社 の中にはいれるのも,低コストで製造が可能なCdTe系太陽電池を製造しているからだといえる22  この低価格化の波により,2011年には米国の太陽電池メーカーのソリンドラ,エバーグリーン・ ソーラーが破綻し,2012年2月にはエナジー・コンバージョン・デバイシズ,4月には2007年, 2008年生産量世界第1位だったドイツQ-Cellsが経営破綻した。さらに2013年3月には,2010年, 2011年と生産量世界第1位だった中国の太陽電池メーカー,サンテックも倒産するという事態を招 いている23

4.太陽電池の技術の方向性

 先に述べたように海外の多くの太陽電池メーカーが経営破綻をしているが,その理由は太陽電池 のコモディティ化よる低価格化競争であるといわれる。コモディティ化の定義を,ここでは汎用化 することで企業間の製品の差別化が難しくなるという意味で捉える24。太陽電池はコモディティ化し, 差別化が難しくなり低価格化競争に巻き込まれた。その中で主流となった太陽電池が結晶系シリコ ン太陽電池である。以下に結晶系シリコン太陽電池が選択された要因を検討する。 4.1 太陽光発電の固定価格買取制度  日本でも2012年に“再生可能エネルギー特措法”が施行され,太陽光発電システムによって発電 図4 主要国の太陽光発電累積導入量 出所)IEA のデータを参照に筆者作成 30,000 25,000 20,000 15,000 10,000 5,000 0 累積導入量( MW ) 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 (年) ドイツ スペイン イタリア 日本 米国

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された電力を1kWあたり42円での買取りが始まると,一般家庭だけでなく,企業もメガソーラーと いう形で太陽光発電事業に参入するようになった。  日本における電力の買取制度では,ユーザーは毎年ほぼ同額の売電による収入を得ることができ, その収入は,初期投資額をほぼ10数年で回収できる金額である。初期投資額を回収した後は,太陽 電池の寿命(20年~25年)までの間,毎年ほぼ同額の収入を得る(節約をする)ことができる。し たがって,企業が大規模発電事業に参加することは経済合理性に基づいた行動といえる。この設置 者へ支払う原資は,一般家庭や事業者の電気料金に賦課金として上乗せされ,普及が進めば進むほど, 電気料金が高くなる仕組みである。  環境保全のために太陽光発電を普及させる政策としてのFITは,ユーザーにおける経済合理性を 前提とした普及政策であるため,より安価な太陽電池の技術が求められる。1ワットあたりの電力を 発電する太陽電池価格である「ワット単価25」を如何に安価にできるかという技術が求められる。 4.2 太陽電池の顧客価値  注目を浴びた薄型の3D(立体)テレビもほとんど見かけることはなくなった。従来のテレビと の差異を知覚できた製品であったかも知れないが,市場のニーズがなかったと考えられる26。この ように製品が持ついくつかの機能を向上させ高付加価値をつけても,差別化ができない場合もある。 延岡はこの理由として「顧客価値の頭打ち」を挙げており,いくら優れた技術であっても,商品機 能に対して顧客が価値を見出さなければ対価は支払われない。たとえば,デジタルカメラの画素数 が500万画素を超えれば,それ以上の画素は必要ないと多くの顧客は考えるであろう27  日本製の太陽電池は,長期信頼性が差別化できる点といわれているが28,顧客価値の視点から太陽 電池を見れば,実際の日照時間に対して想定される発電量があれば,概ねの購入者はそれで満足す る29。このように,太陽電池は差別化が難しく,市場は大量生産された安価な太陽電池の技術を求め ていると考えられる。 4.3 モジュラー型技術と技術の流出  日本の工業製品の強みはインテグラル型いわれるものづくりである30。摺合せ技術によって高性能, 高機能な製品を作り出すモノづくりであり,海外企業はこの技術に簡単に追いつく事の出来ないた め競争優位を維持できる。しかし近年,液晶パネル,DVDプレーヤーのように日本が開発した技術 もキャッチアップされ,競争優位が長期に亘り続くことは少なくなっている31。その理由として,製 品がモジュラー化し,組み立てるだけで製品が完成するため,低価格化競争に巻き込まれるためだ といわれている。  太陽電池は,それぞれのパーツがモジュラー化されており,簡単に組み立てることができる製品 である。太陽電池の構造は,ガラス基板上に発電部(セル,薄膜)があり,背面を耐候性の高い樹 脂フィルムで封止され,周囲はアルミフレームで囲まれている。インテグラル型技術と呼ばれるの はこの発電部分である。この発電部分がキャッチアップされ,製造することができるようになれば,

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新興国でも太陽電池は容易に組立て製造することができるようになる。その結果,新興国は低賃金 を背景に労働集約型産業として,低コストの太陽電池を製造することができる。  インテグラル型の技術も,近年その技術と人材が海外に流出し,容易にキャッチアップされるよ うになっている。たとえば,液晶テレビの調整技術は日本独自の技術であったが,S社が液晶テレ ビを韓国サムスンに製造委託することで,重要な技術が流出し,それ以降サムスンでも品質の高い 大型のテレビが作れるようになったといわれる32。太陽電池においても,2009年以降太陽電池のシリ コンの供給不足が解消されたのは,中国で原料のシリコンセルの供給ができるようになったためで, このシリコンインゴッド製造技術もインテグラル型技術であり,日本の技術者が中国で指導し,中 国で生産を可能にさせたためだといわれている33 4.4 新興国の政府支援  新興国の政府の支援も低価格化の原因の一つである。韓国政府や台湾政府は国家的な支援として, 企業の生産設備の減価償却費負担を軽くし,日本や欧米諸国からの製造設備を購入しやすくした。 その結果,技術の伝搬速度が速まり,高機能の太陽電池を生産できるようになった34  新興国がグローバル市場で競争優位を獲得するためには,低賃金を背景に労働集約型生産を行い, 現有の技術を活かす製造設備の増設による規模の拡大により,低コスト化を実現することが必要である。  しかし,こうした支援のもと,中国企業の太陽電池並びにセルの生産設備はオーバーキャパシティ (生産能力過剰)状態となり,中国国内企業の太陽電池の生産能力は35GWに達したといわれる。そ のような生産能力を有するにも拘らず,昨年の生産量は20.1GWであり,世界の太陽電池需要(29GW) をも超えている。サンテックの経営破綻も,このような過剰な設備投資が原因だといわれる。

5.現在の太陽電池技術

 太陽電池は大きく分けて,LSIなどに使用されるシリコンを原料としたシリコン系太陽電池と, カドミウム,テルルあるいは銅,インジウム,セレンなど用いた化合物系太陽電池がある。これ以 外には,有機系太陽電池,色素増感太陽電池があるがいずれも開発段階である。各種太陽電池の構 成元素を比較すると,シリコンは他の元素に比べ地球上に多く存在し安定供給できるという利点が ある。 5.1 太陽電地の種類ごとの変換効率  太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する際の効率を変換効率(以下効率と記す)と呼ぶ。 太陽電池はシリコンを使用した太陽電池が一般的であり,シリコンを使用した太陽電池には単結 晶,多結晶,薄膜(アモルファス)のタイプがある。実用サイズでの効率は単結晶20%,多結晶は 15%,薄膜は10%前後となっている。  また化合物系太陽電池の効率は銅・インジウム等を成分とする太陽電池(以下CIS系太陽電池) で12%,カドミウム,テルルを成分とする太陽電池(以下CdTe系太陽電池)で11%である。シリコ

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ンの薄膜と結晶を組み合わせることで,より高効率の太陽電池を実現しているメーカーもある。 5.2 太陽電池の環境に対する特性  各種太陽電池間で比較すると,太陽電池に使用する原材料の少なさ,あるいは製造に要するエネ ルギーの少なさなど,それぞれ省エネ,省資源の視点からは,より環境保全に適した太陽電池がある。  太陽電池に使用する原材料の量を比較すると,結晶系シリコン太陽電池の厚みは100~200μm(μ mミクロンメートル:1mmの1/1000)で,これに比べ薄膜シリコン太陽電池の厚みは約1~2μmで ある。またCIS系太陽電池の厚みは3μm前後,CdTe系太陽電池の厚みは3~7μmである。したがっ て使用する原材料という視点では,薄膜シリコン,化合物系太陽電池はより省資源の太陽電池である。  さらに太陽電池の環境面での評価方法としてエネルギー・ペイバック・タイムという評価がある。 これは太陽電池の製造のために投入したエネルギーが,その太陽電池で発電するエネルギーを用いれば, 何年分に相当するかを評価した数値である。単結晶系シリコン太陽電池では3.0年,多結晶系シリコ ンは2.2年,薄膜シリコンは1.75年,CIS系太陽電池は1.4年となっている35。この視点からも薄膜シリ コン太陽電池,化合物系太陽電池が優れている。

6.太陽光発電の経路依存性

 太陽電池において低価格化競争が行われている現実を踏まえ,結晶系シリコン太陽電池が主流となっ た背景を調べることで,太陽電池技術の経路依存性が依拠する要因を検討した。表3には,結晶系 シリコン太陽電池が選択された要因を,技術的,経済的,社会的,環境的要因に分けた。  地球温暖化防止のために太陽光発電を広く普及させることは,国として環境問題において世界で のイニシアティブを取るためにも必要であったといえる。そこで選択されたFITによる買取制度は, 経済合理性に基づく施策であったため,低価格の太陽電池が志向された。  社会的要因としては,太陽電池自身は製品価値(意味的価値)の見いだしにくいコモディティ化 しやすい(差別化の難しい)製品であったため,市場が経済合理性を重視したと考えられる。技術 的要因として,太陽電池そのものがモジュラー型製品であったことと,新興国がインテグラルとい われる技術をキャッチアップしたことが考えられ,その技術導入と人件費の安さを背景に現有技術 の太陽電池が低コストで製造されるようになったことが経済的要因と考えられる。企業の競争力強 化をサポートし,グローバル市場での競争優位を高めた政府による支援は社会的要因といえる。  FIT制度は経済合理性を正当化し,市場は独自価値を見出すことが難しい太陽電池の価値判断を, 価格を以って選択基準とした。また,政府は国力の増強のため自国企業に優遇措置を与え,そして 企業は現有資産(製造設備,技術)で最も利益を得やすい技術を求めた。こうして安価で安定供給 が可能な太陽電池として,現在主流の結晶系シリコン太陽電池が選択されたと考えられる。  太陽電池の地球温暖化防止への貢献として,製造段階での省エネ,省資源が考えられるが,現段 階では,エネルギー・ペイバック・タイムの短縮,使用原材料の削減などの環境的要因に優れた太 陽電池が,現行の結晶系シリコン太陽電池を変更するまでには至っていない。

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表3 結晶系シリコン太陽電池が主流となった要因 選択される技術 シリコン太陽電池 化合物系薄膜太陽電池 技術的要因 新興国にてシリコンインゴッドの製造 セル部分に高度な技術が必要 太陽電池がモジュラー型製品 経済的要因 新興国内でモジュラー型パーツを自給 社会的要因 FITによる買取制度の実施 製品の差別化が難しい 政府が税制支援 環境的要因 化合物系,薄膜系シリコン太陽電池よりも 変換効率が高い(15~20%) 原材料の使用量が少ない 製造エネルギーが少ない  出所)筆者作成

7.まとめ

 太陽光発電において、現在なぜ結晶系シリコン太陽電池が主流であるかという経路依存性の要因 を技術的,経済的,社会的,環境的要因に分類した。  経産省のロードマップ36(PV2030+)では,太陽光発電の発電コスト目標は2020年に14円/kWh程度, 2030年に7円/kWh程度としており,今後もコストダウンの研究が続けられる。電力の買取価格と 太陽光発電の発電コストの関係に基づき太陽光発電の普及は影響を受けると考えられるが,現在の ような経済合理性に基づく施策が続くのであれば,低コストを優先した太陽電池の技術が今後も求 められると考えられる。 【注】 1 再生可能エネルギーとは,太陽光,風力,地熱,バイオマスのよう自然界に存在するエネルギー源で,利用する以上の 速度で再生するエネルギーの速度が速いエネルギーを指す。 2 David, A. [1985], pp.332-337. 3 朱頴[2003],pp.85-102。

4 Tushman, M. L. and Rosenkopf L. [1992], pp.311-347.

5 無電柱化推進計画,http://www.hrr.mlit.go.jp/road/mudenchu/1.html (2013年11月22日閲覧)。 6 松原隆一郎[2002],pp.187。 7 松原隆一郎[2002],pp.182-190。 8 欧州自動車工業会資料,http://www.acea.be/images/uploads/files/20101003_Diesel_1008.pdf   (2013年11月22日閲覧)。 9 1999年8月から東京都は「ディーゼル車NO作戦」を展開し,基準に満たないトラック,バスなどの大型車の走行禁止と する条例を成立させた。 10 日本貿易振興会(JETRO)「対日アクセス実態調査報告書 補修用自動車部品」,2002年3月。 11 ディーゼル乗用車の車種数は,2002年3月末時点で24車種,2004年3月末には10車種に減少している。国土交通省自動 車交通局資料「自動車燃費一覧」より。

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12 ディーゼル微粒子捕集フィルター。ディーゼルエンジンの排気ガス中の粒子状物質をこし取り,粒子状物質の発生を軽 減させるフィルター。 13 日本のAT仕様車の割合は95%である。 14 経産省クリーンディーゼル乗用車の普及・将来見通しに関する検討会,pp.8-24。 15 住宅用太陽光発電システムモニター事業。 16 メガソーラーとは1000kW以上の発電設備を持つ大規模発電所であり,現在では,鹿児島県七ツ島にある37万kWの施設 が日本最大で,2013年11月より稼働している。第2位は大分市臨海工業地帯にあるメガソーラーで26.5MW,第3位は福 岡県にある九州ソーラーファームで21.8MWとなっている。 17 日本経済新聞,「風力・地熱伸び悩み」2013年8月21日。2013年5月末までに運転を開始した出力では,非住宅用は52% となっている。運転は開始していないが,設備認定を受けた出力では92.6%となっている。 18 栗井英大,『新潟経済社会リサーチセンターセンター月報』,「固定価格買取制度下における売電事業への参入手順と注意 点」,2012年8月号,pp.12-19。

19 IEA, “Trends in Photovoltaic Applications –Survey Report of Selected IEA countries between 1992 and 2011”, Report IEA-PVPS T1-21:2012. 20 「繰り返す凋落の歴史」,日経ビジネス,2012年4月2日号,p54。 21 尾崎弘之,「サンテックの破綻と再エネ買い取り価格引き下げの接点」,日経ビジネスONLINE   http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20130322/245422/?P=1(2013年11月22日閲覧)。 22 中国では結晶系シリコン太陽電池が9割以上を占める。 23 中国のサンテックパワー(尚徳電力)は2010年,11年の世界一の生産量を誇ったが,2013年3月に倒産した。過剰な設 備投資が経営破綻の原因といわれている。 24 恩蔵直人[2007],pp.1-36。 25 青島矢一[2012],p.88。1ワットあたりの電力を発電する太陽電池の価格で,具体的にはモジュール価格をモジュール の発電能力で除した価格。

26 Vlad Savov: “It’s official:3D is dead”, THE VERGE (2013.1.8),

  http://www.theverge.com/2013/1/8/3852452/death-of-3d(2013年11月25日閲覧)。 27 延岡健太郎[2006],p.94。このような顧客ニーズが頭打ちになることによりコモディティ化が進み,価格競争,コスト 競争に陥ることを避けるために,製品の顧客価値を高める方法として,顧客価値の新規性,顧客価値の多義性が求めら れる。顧客価値の新規性は主に,製品の機能軸を伸長させたものや,あるいは新しい顧客価値を見出すものである。い ずれも現行の機能に対し製造側が新しい機能を伸長,あるいは追加する形になる。一方,顧客価値の多義性については, 顧客側の製品に対する認識がある。一つはこだわり価値であり,一つは自己表現価値である。この顧客価値の多義性, 新規性により顧客ニーズの頭打ちは避けることができる。 28 日本経済新聞,「太陽電池に耐久性基準」,2013年3月29日。 29 尾崎弘之,「サンテックの破綻と再エネ買い取り価格引き下げの接点」,日経ビジネスONLINE,   http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20130322/245422/?P=1(2013年11月22日閲覧)。 30 藤本隆宏[2003],pp.87-98。 31 小川紘一,「繰り返す凋落の歴史」,『日経ビジネス』,2012年4月2日号,p57。 32 立石泰則[2011],pp.249-251。 33 尾崎弘之[2011],pp.124-125。 34 小川紘一,「繰り返す凋落の歴史」,『日経ビジネス』,2012年4月2日号,p57。 35 みずほ情報総研:「太陽光発電システムのライフサイクル評価に関する調査研究」,NEDO成果報告書,プロジェクト番 号P07015, pp.108-116(2008.8.29)。 36 独立行政法人 新エネルギー・産業技術開発機構 新エネルギー開発部「太陽光発電ロードマップ(PV2030+),2009年6月。

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【参考文献】

・David, A. [1985], ”Clio and the Economics of QWERTY”, The American Economy Review, Vol.75, No.2.

・Tushman, M. L. and Rosenkopf L. [1992], “Organizational Determinants of Technological Change: Toward a Society of Technological Evolution”, Research in Organizational Behavior, Vol.14.

・青島矢一,「環境,エネルギー産業競争力の両立を考える」『一橋ビジネスレビュー』,第59巻,第4号,2012年春。 ・尾崎弘之,『環境ビジネス5つの誤解』,日経プレミアシリーズ,2011年。 ・恩蔵直人,『コモディティ化市場のマーケティング論理』,有斐閣,2007年。 ・経産省クリーンディーゼル乗用車の普及・将来見通しに関する検討会,報告書,平成17年4月。 ・朱頴,「ドミナントデザイン発生の分析視角」『跡見学園女子大学マネジメント学部紀要』,創刊号,2003年3月。 ・立石泰則,『さよなら!僕らのソニー』,文春新書,2011年。 ・延岡健太郎『MOT「技術経営」入門』,日本経済新聞社,2006年。 ・藤本隆宏,『能力構築競争-日本の自動車産業はなぜ強いのか-』,中公新書,2003年。 ・松原隆一郎,『失われた景観 -戦後日本が築いたもの-』,PHP新書,2002年。 ・新潟経済社会リサーチセンターセンター月報。 ・日経BP社,『日経ビジネス』。 ・日本経済新聞社『日本経済新聞』。 【参考Website】 ・無電柱化推進計画,http://www.hrr.mlit.go.jp/road/mudenchu/1.html. ・欧州自動車工業会(ACEA),http://www.acea.be/ ・THE VERGE,http://www.theverge.com ・日経ビジネスONLINE,http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/

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