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MHの早期葉面撒布が馬鈴薯の生育経過並びに体内成分の消長に及ぼす影響について-香川大学学術情報リポジトリ

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香川大学農学部学術報告 第9巻第3号 正誤表

URL

http://www.lib.kagawa-u.ac.jp/metadb/up/AN00038339/AN00038339_9_3_e.pdf

Notice

Technical Bulletin of Faculty of Agriculture, Kagawa University

Vol.9 No.3 Errata

URL

(2)

第9巻罪3号(1958)

MHの早期葉面撒布が馬鈴薯の生育経過並びに

体内成分の消長に及ぼす影響について*

玉 置 秩,中 潤三郎,藤 田 勲

The effect of maleic hydrazide early foliage SPray On the

gr・OWth behavior and the variations of chemical

COmPOnentS Of potato plants.

KiyoshiTAMAXI,Junzaburo NAKA andIsao FuTITA

(Laboratory of Crop Science) (Received October30,1957) 119 1949年ScHOENE&HoFFMANNにより,マL/イン酸ヒドラミyツト(MH)がトマトの伸長の一時的停止作用,更に は預部優勢の破壊作用をもつことが発見されて以米,植物生長抑制剤として多方面に研究が進み,現在既に.相当実用 化されるに至って釆た‘即ら芝生の伸長停止,果樹。花渾類の開花遅延,タバコの腋芽防止,茂彙類の拍苔並ぴに.萌 芽抑制、禾本科植物に.対する租発芽防止或ほ撰択的除琴等である. 然し乍ら従来の報告を見るに,MIiが植物体に及ぼす影響について.は処理濃壁,枝物の種類及び令,環境等により 可なり広い変異を示している而して馬鎗薯の生眉・収鼠並びに塊茎萌芽抑制に及ぼす影響に関してほ多数の報告が あるが(1$4715,1819212325ノ,更に生理機構・体内成分に.及ばす影響に関しても既に若干の研究(6,16L172038)が行われ ている然るに生得期間を通してこのMHによる馬鈴薯植物体の生長抑制と体内成分消長との関係についてほ未だ詳 細な報告を見ない.よって本実験軋おいては,この点に関して追究し,馬鈴薯に対するMH撒布の基礎資料に供せん と.するものである 実験材料及び方法 〔A〕供試 材 料 実験材料としては昭和3つ年秋季岡山県産「農村1号」を用い, 空31年3月14日本学部圃場に招種し,その後の管理 は慣行法によったが,肥料ほ全鼠基肥として施すと共に.,植物体ほ一体立により膏生した、. 〔B〕M H 撒 布 平均萌芽日は4月15日であったが,その2通関後に当る4月30日(開花前3週間)にMH−3〔)の02%(活性成分) 水溶液を1株当り10cc撒布したのに対し,対照区ほ無撒布とした. 〔C〕≡則 定 法 (1)炭水化物:MicI0−BERTRAND法に・より還元糖,非喝元糖並.びに澱粉の走塁を行い,それらを葡萄糖として表 示せる数の和を以って全炭水化物鼠とした.. (2)窒素化合物:MicIO−K.JELDAHll法により蛋白態及び可溶態窒素の定斑を行い,両者の和を以って絶望素量と した、 実験法果並びに考察 〔A〕MH撒布が植物体の生育経過に及ぼす影響 「・般をこ馬鈴薯地上部の伸長は開花前期までに略々完了を乱それ以後の伸長ほ殆どないと云われているが(61424 2628),本実験の対照区においても開花期ほ5月24日前後であり,之と.良く・一・致した.而して撒布区では生育の初期即

楊馬鈴薯に対する生長調整物栗の影響と利開に関する研究I Studies onthe effect and utilization of growth regulators on potato plants,Ⅰ

(3)

香川大学農学部学術報含 120

ち対照区の完成時に比し草丈におt、てほろ包,乗数においてほ砿の時期にMHを撒布したことになるが,之は塊茎数決

蔑期前に.相当する(624)

ControlploL Sprayed pIoも 凸 属 ⑳−−−−−−・・⑳ ○−・−一一O Le州爪de 芦 声 ◎…・◎ ◎・−−−・◎錮0】 他方大泉(18′によれば馬鈴薯におけるMHの吸収は比較的早く, 撒布2日以降政穫した塊茎でほ極めて顕著な萌芽抑制効果が認 められたと報告されているが,本実験の撒布区における地上部 生育の抑制現象は10日目墳より見られ始めた而して.この点ほ 2,4−D等(2930ノの撒布による反応が可なり早く発現したのに比 し極めて買っている.又MoIERO&B乙ACKHURST(11)はササ ゲにおいて15日訂で抑制が見られたと報じているが,その効果 発現の比較的遅いことは本実験においても同様であった.. 更にそ秒後ほ時日の経適確伴って撒布区でほ植物体の蟹化・ 叢状化が顕著に現われたぃ即ちFig.ユに.示す如く,鑓背末期に. おいてほ対照区に比し草丈並び龍茎雇で約砲を示した.又乗数 ・菓身重に.おいては閑7E盛期までは大差なく経過し,その後は 対照区よりも低い偲を示したが,草丈・茎塵における如き顕著 な差異ほ.なかった之ほ撒布時の展開菓が引続き発育し,更に. 葉肉の肥厚等が見られたこ.とと併せ考えて首肯出来るけ 尚この 点ほERGLE&McILRATH(21が棉において,MoLERO&BL− ACKHURST(11)がササゲにおいて∴或ほ杉・池田・棉畑(23) にDENISEN(1)が馬鈴薯において認めている如く,MH撒布に より明かに植物体のJj∃部優勢ほ破壊されるが,側枝が多発して 叢状にな ったと報じているのと類似している,叉撒布区に.おけ

Apr26 MaylO 24 Tun7 2ユ

FigL The variation of fresh weight oi

the tops and tubeIS Of potato plants (per plant) る乗の槌色・硬化・肥厚及び茎の花背実弟私等ほMHの特異な 作用として他の報告(12S82)とも・一・致した聞対照区でほ着蕾髄びに開花が夫々5月10日頃及び5月24日前後に見られ たが,撒布区では着蕾の気配すら認められなかった. 次に地下部の状況を見ると,ヌ‖頂区に.おける塊茎の肥大開始ほ略々開花期頃であり,爾後急激な肥大が諮られた が,この点も他の報嘗(614242¢28)と合致した然るに撒布区においては根重及び御杖重は両区に大差を認めなかった が,瑛茎の肥大は可なり抑制され,収穫時の塊茎遥ほ対照区の約ろ島であった(Figl参照)い又薯数紅おいては異常 塊茎(ニ次生長(1132325)・芽薯(12)・亀裂塊茎(】23))及び小撃を含めると却って一対照区を凌思したが,上薯ほ少かった一 雨してDENISEN(1)はMH撒布により小塊茎の形成が多いことを示し,砂川・大森(25)に・よればMH撒布が紀薯数に及 ぼす影響ほ春秋作別にてそれぞれ可なり異り,春作早期処理ほ蕃数の増加をきたすことが大であったが,秋作にはこ の傾向がなかったと報じ,共に本実験の成絞と一致している、尚異常塊茎の形成についても杉・池田・横畑(23),DE・ NISEN(1),砂川・大森(25)等の報じている所とよく一致したい 〔B〕MH撒布が体内環水化物含盈の消長に及ぼす影響 先ず還元糖について見ると,・一・般に馬鈴薯の地上部においては生育の初期書こその含崖が少く,花器形成期頃より開 花期に急増し,その後ほ減少を示すと報告されているが(928),本実験の対照区に應ける変化も大略之と同様であっ た。而してこの点ほ開花期までに地上部の伸長が略々完了したのに反し,新坊茎の肥大が綬慢なため同化産物が主と して還元塘の形で茎及び葉柄に.一・持古潰され,その後塊茎の肥大に伴い清酒‡こ転流されることに基ずくと考えられ る然るに撒布区においてほ菜・身内で対照区より少い乍らも殆んど同じ傾向iこて推移したのに反し,葉柄及び茎にお いてほ撒布穣一・時対帽区を凌駕したが,更にその後ほ対照区と全く逆に.推移し,次第にその含隠を増加した。他方塊 茎をこおいては一・般に形成初期に極めて多良含有され,肥大と共に急激に.減少サーると.報告されているがく926),本実験の 対照区においても大略同じであった又撒布区では対照区に比し常に低合致乍らも同様な推移を示した(Fig 2,a 参鼠酎而してこの点に.ついてほ緒方・井上・水方(18)lPAYNE&FtJLT■S(20)等も殆んど類似の結果を得ている 次に非還元糖に.ついて見ると,Fig2,biこ示す如く,葉柄の含量は撒布区が高いが,推移の様相ほ略々類似していた のに.対し,対舅召区の共身及び茎において生育初期より花雷形成期(5月10日頃)前後まで減少し,その後開花盛期頃

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第9巻節3号(1958) ユ2ユ

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Fig.2・The variation ofsugar contents、Of potato plants(mg/gdry wt)

増加した後漸滞したが,撒布区においては運に推移し,還元轄の場合と同様,次第に増加の傾向を示した然し両区と もその含崖ほ概して低く..且つ変動が少かったり之に対し塊茎でほ地上部各器官に比してその含蔓が遥かに大であっ た即ら対照区においてほ急増して開花盛期に極大に達した後減少したが,之ほ非還元糖が塊茎に.おける・一・時的蓄積 型として考えられること.r26)と関連する.然るに撒布区においてほ開花盛期まで急増しその後も漸増したが,対照区 に.比し梢々低い佃であった而しで金兵・神谷(8)がタマネギのMH処理球に.おいては−・般に糖分が多く,還元糖の 割合ほ少かったと述べ,MIKXELSEN,GRIFFITH&RIRIE(10)はM王i撒布21日後よりピートの聴糖含屈がい}2% 上昇することを報じている...更にPAYNE&Ft71TS(20)ほ馬鈴薯においてMHの初期撒布区ほ庶楯が対照区紅比し .1%の有拡差を以って−多く,叉後期撒布区も聴塘含盗が精々多いこと.を示しているが,上述の諸点から見るとM王i撒 布により塊茎における一・時的蓄積型としでの非還元糖の増加が生育末期まで恕航しているものと解される. 次に全糖含鼠について見ると,地上部でほ対照区において開花盛期に極大に達した後減少したが(14),撒布区にお いてほ之と殆ど逆の傾向を示し,生育後期に含巌の増大が見られた。.又塊茎では対照区忙おいて開花盛期頓に相当高 い含鼠を示し,その後若干減退したが,撒布区においてほ生育末期まで漸増した(Fig.2,C参照).他方清水(22Jほ MH処理によりタバコ其の水溶性糖が多くなることを報じているが,本実験に.て−ほ地上部に.おいて仝魔及び還元糖が, 又塊茎においてほ全糖特に.非還元塘の増加を示した. 以上の如く糖分について見ると,対照区においてほ地上部に・一・旦蓄篇され,開花後退かに且つ多盗に二塊茎へ.送り込 まれるのに対し,撒布区におい・て−は生育未期に.なっても可なりの鼠が地上部に残されるのみならず,却って更に苔債 を続けていたと考えられる.事実地上部において花菖繋集積が極めて明かに見られたこともこの点と関連するものと 思われるが,M王i撒布による糖分の蓄蔵と花昏素発現との関連についてほTATtJM&CIJRME($2)もトクモロコレにお いて同様な結果を得ている, 更に扱粉含鼠について見ると.Fig.3,aに示す如く,菜身におい■てほ両区とも大なる変動を示さなかったが,全般と して撒布区に梢々低い傾が認められた‖又茎及び柴柄に.おいても対掲区でほ全期を通じて顕著な変動がなく,その経 過ほ糖分の場合と同じく開花盛期に梢々高い値を示し,その後漸減した之に対し撒布区二においては対媚区より概し て高い僧で終始し,且っ生育末期にほ増加の様相を呈した又塊茎において偲両区を通じ肥大と共に澱粉含嵐の増加 が見られたが,撒布区においてほ肥大前半に対照区を凌駕したのに反し,後半でほ逆に低い値で経過した.而して緒 方・井上・水が16)ほ喝玲蕃塊茎においてMⅡ処理後より収穫に至るまで撒布区の方が概して大なる値で経過したこ とを示しているが,史書こ薬部及び塊茎のアスコルビン敢含星も共に撒布区が高く,之が所謂Phosphorylase−amylase 作用力のバラソヌに.関与して,塊茎の澱粉が多いこと.紅間接的に役立つものではほいかと推測している今之を本実 験と対照するに,前半期におい・てほ同氏等の結果と同様であったが,後半期の異常塊茎でほ可なり高い含鼠を認めた のに反し,正常域茎においてほ可なり低い含鼠が見られた而してこの点ほ供試品種が異るのみでなく,撒蕎の時期 をこも相異があり,今後の研究にまつ次第である小

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香川大学農学部学術報告

122

Con乙巾】phl Sp・叩d plot

O−・}診 ○−−−O Lくユ川ade ◎・−−−・◎ ◎−・…◎Pttiol &一一 △−・「△Slalk 皿−=・−お 口−・・巧Iukr =ダニ二 〆ごご 畑 ㈱ 叩 耕 β巴ph貞Oq旨U一票ち↑ ク・ ク〆 l ク 呪 卿 ■′ 師 占U︼雲S ∧p【2¢ MaylO 24 】un† 21

Fig.3,The variation of staICh and totalcarbohydrateぐOntentS Of potato plants(mg/g dry wt,)

以上の如く澱粉について見ると.,MH撒布紅より地上部から塊茎への炭水化物の転流が妨げられ,茎及び葉柄に.糖 分が蓄積されるのみならず,更に一・部は澱粉として残留されるよう紅解される“ 最後に全炭水化物について見ると,黄身にほ両区間に大差を認めず,且つ生育期問を通じて略々−・定であった.又 茎及び葉柄でほ対照区において開花期に最大となり,その後塊茎の肥大に伴って減少するのに.反し(14),轍祐区におい てほ後期に可なり高い僧を示した.又塊茎でほ対照区において下層昔変期(6月フ日頃)まで急増し,爾後はその含 盟を持続しつつ.更に肥大を続けて行くのに対し,撒布区において:は塊茎の肥大が可なり抑制されると共に澱粉の蓄積 も少かったが,異帯塊茎においては却って対照区に傑る傾向を示したのは興味深い(Fig.3,b参照)い 以上の如く全炭水化物の消長よF)見ると,馬鈴薯においてほ地上部特に茎及び葉柄が塀茎の急激な肥大に備えて同 化産物の一時的蓄積器官としての役割を有していることほ既に.発表した所(14)と同様であるが,M臥年散布によって地 ⊥部の伸長は停止すると共に,別に倹した葉緑素の含量変化(81)よりしても炭酸同化作用が可なり弱いと推測された にも拘らず,囁茎への炭水化物の円滑な転流が妨げられる結果,地上部の諸器官特に茎及び葉柄がその・−・時的蓄積器 官としての役割を生眉の末期まで持続することと相まって,堺茎内貯蔵鼻の減少が引起されると考えられる.事実本 実験の撒布区に.おいて,茎及び葉柄の水分合憲が対照区のそれに比し可なり低いことが認められた点ほ以上の考察と も合致する所である, 〔C〕MH撒布が体内窒素化合物含意の消長に及ぼす影響 先ず琵自壊窒素について見るとFig4,aに.示す如く,対照区の地上部ほ生育初期庭相当高い含盈を有し,その後開 花盛期まで急減した後漸減の様相を呈したが,他の報告(ユ428)でも大略同様な傾向を認めている.而して撒布区にお いては処理後−Ⅷ寺対照区に比し急減したが、開花期以後は茎に.おける減少の割合が相々綬憬となり,時日の経過と共 に却って対照区よりも若干高い含農を示したのに反し,葉身及び発柄においては生育末期に可なり対照区のそれを下 廻る結果が言忍められた.一・方塊茎は対照区においてその形成初期に比較的高い含i鼓を示し,その後肥大と共に減少し たが,その傾向は田川・岡沢(27)の成績と咤々同じであった.之に対し撒布区の塊茎においては.減少の程度が小さ く,対照区より高い含鼠を有しつつ経過した…而して炭水化秒で高い含鼠を示した処理区の茎において蛋白懇望素も 開花期後ほ同様に高い舎監を示した.のに反し,乗身をこおいては可なり低い含畏で経過したのは柴内蛋白態窒素がMH によってその分解を促進されることをこ関連するものと考えられる. 次に可溶態窒素について見ると,葉身の含還ほ両区共に大差なく,然も下乗黄変期頃まで漸減した。又対照区の茎 及び葉柄でほ生育初期化著しく高い合崖を有したが,開花盛期まで急減しその後は漸減した、而してこれらの傾向ほ 馬鋒常に.ついて検した他の報告(1‘428)と大略類似していた然るに撒布区においてほ対照区に.比し,概して高い含意 を以って経過した‖他方瑛茎では対照区にて肥大初期に可なり高い舎監を有し,以後減退した(27)のに対し,撒布区 でほ僅かずつ減少し,生育末期においてほ対照区より若干高い含罷を有していた(Fig,4,b参照)い 而して葉身の

(6)

罪9巻第3骨(1958) 123 叩 00 Cqdrqlp!っt Spr凡yed両l O・・・・一喝=〇−−O Lc斗…一両 ◎…−@◎・・・・−◎pr・1・ ▲−−・・▲ △−・「△St硝 ■−・−・℡ ロー・−8T両【

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Jl川7 2I Apr28 MaylO 24 Jun7 2l

Fig。4.The variaton of nitrogen contents of potato plants(mg/g dry wt)

告白儲窒素が撒布区にて著しく減退しねのに反し,可溶態窒素に.ほ両区間に大差を認めなかったが,之ほMHが葉内 蛋白分解の促進に関連し、可溶儲窒儲が茎及び共柄等に保持されることによるものと推察される 最後に総窒素含二景に.ついて見るとFig.4,Cに示す如く,地上部ほ対照区にて初期に.相当高い倉鼻を示した後,塊 茎形成期頃より茎葉伸眉繁茂期に.おいて著しく減少し,壊茎も亦形成初期に可なり高い含量を示した後減少すること は他の報告(6142728)と−・致した.然るに撒布区では茎及び葉柄にて撒布後一・時対照区より低下し,その後ほ塊茎と共 に常に対照区を凌駕する含忍が見られたが,葉身においては生育後期に却って対照区より低い含患を示した.而して MH撒布が植物体の窒素含妄批及接す影野に関し,YASUDA・PAYNE&FuLTS(3き)は馬鈴薯について一塊茎内全窒素 の増加を認めているのに.対し,清水(22)ほ処理タバコ柴中の全窒素含有率が低下し,アンモニア態窒素が増加すると 共に,蛋白態窒窮ほ金宝窮とのバランスを欠き少い傾向が見られたと報告している点ほ興味深い所である. 上述の諸牒より見れば,MHの早期薬面撒布が馬鈴薯体内成分の消長に及はす影響としては,先ず葉内に.て窒素化 合物の分解が起り,これが他の器官特に茎及び葉柄に転流して貯えられ,一方炭水化物ほ塊茎への転流が不十分とな り,地上部特に茎及び葉柄に蓄卍iされるもののようである.而してこの様な体内成分の異常な消長が植物体全般の生 長抑制とも関連していることは十分推察されるが,更にその生理機構並びに撒布時期との関係等についてほ今後の研 究にまつ次第であるハ (木研究の要旨ほ昭和32年5凡19日開催の日本植物学会中国四国支部香川大会において講演発表した…) 摘 要 本研究ほMHの早期菓面撒布が馬鈴薯の生育経過並びに体内成分の消長に及ぼサ影響を追求する目的で,「農林1. 号」を供試材料として実施したものであるが,その結果の概要を示すと次の如ぐである− 1小実験開始後10日日頃より撒布区でほ生育の抑制が見られ始めたが,時日の経過に伴って植物体が倭化及か叢状 化すると共に.,茎葉に.おける肥厚並二びに花市索集積,塊茎の肥大抑制等が認められた. 2.体内成分の消長に.関しては,対照区で開花期まで−・旦地上部に苗潰された炭水化物並びに窒累化合物がその後 速か軋塊茎へ転流するのに対し,撒布区でほ炭水化物が地上部特に茎及び葉柄において引続き蓄積されると共に,窒 素化合物ほ茎及び盛柄のみならず塊茎においてもその含鼠が概して大なる値で経過した. 3・従って撒布区の塊茎においてほその肥大が抑制されるのみでなく,特に炭水化物が対照区よりも低い傾向を示 すことが知られたり

(7)

香川大学農学部学術報彗 124 引 用 文 献 (1)DENISEN,EL:Proc”Amer小Soc.Horth Sci,(18)大泉久−・:農業試験研究年軌 昭和29年度,13フ (1955). (19)PATERSON,DR.,WITTWER,S.軋,WELLER, LいE。,SELL,H。M:PlaniPhySiol”,27,135 (一1952)、 (20)PAYNE,M.Gい,FuLTS,J、L:A椚卯.Pofαfo .Joz‘γ−,32,144(1955)1 (21)RAO,SN,,WITTWER,S∴虻:Amer ,/0〟㌢.,32,5ユ、(1955). (22j 清水義治,岩崎英雄:日作紀,25,96(1956ト (23)杉 完貞夫,池田定男,横畑 磐:農及園,28,1333 (1953), 日劇 ∴ ,枯水口 強,安藤隆夫:中国四国農試 朝,1,1(1952)‖ 臣句 砂川尚一,大森 盟 ‥兵庫農試鞭,No2,29 (.1955). (26)l刀川 隆,岡沢兼三:北海道馬鈴薯採種組合連合 会質料,No5,1(.1949)‖ 研 一−−,∵− :札幌博物会鞘,19,1(1950).. (2功 一】M−−,酒井隆太郎:北大比邦文紀要,1ッ22 (1951.) (29)玉置 秩,中 潤三郎:作物学会四国支部紀事, No1,(1953) 日印 −−,−−:日作紀,26,128(195フ)

(31)+

,∴ , 藤田 勲:未発表 (32)TATUM,L Aい,CuRME,JH.:A加扉」鞘.γ・ SよoJ‖,26,836(1951).. (33)YASUDA,G小Ⅹ.,PAYNE,MG,FuLTS,J. L:入物J〟γβ,176,1029(1955). 62,411(1.953) (2)ERGLE,D.R.,McIIRATH,WJ.,:Boi GαZ114,114(1952) (3)FRANKLIN,EいW,THOMPSON,NhRr:Amer Pクfαfo.Jo〟′L.,30,259(1953). (4)FuLTS,J小L,PAYNE,MGl:Amer.Potato †0〝γ.,32,451(1955) (5)←Ⅶ− ,→:思扉G(ZZ,118,130 (1956) (6)稲見五郎,佐藤健吉:農及臥14,ユフ33(1939) (7)KENNEDY,E.丁小,SMITIi,0.:P70CA∽β7 50C肋′fり5c云,6■i,395(1953) (8)金具忠雄,神谷真太郎:静岡大農報,No、3,1フ8 (.1.953) (9)LuTMAN,B.F:A椚押..Joαタ.βoJり6,181 (1919) (10)MIKKELSEN,DS,GRIFFITH,R。B.,RIRIE,

D

(11)MoLERO,FJ,BLACKHURST,HTり:クエ∂C A∽βγSocL助㌢才S(よ,67,416(1956) (1功 中 潤三郎:香川農専報,1(3),36(1950ト (13)Ⅶ【欄:香川農大報,2,⊥(1950) (川 −−,玉置 秩:香川農大報,7,225(1956) (15)中島東宮,樹下毎郎:盟産加工技研寵,1,202 (1954) (捕 縄万邦安,井上 隆,水方 昭:国学雑,25,1弓1 (1956) (17)+,−− 【 ,頓田卓夫:園学雑,25,232 (195フ) S u m m aI−y

Itis a wellknown fact that maleic hydrazide(MH)is one of the chemicals whichinhibit or retard the gIOWth of plantsSeveralpublications describing the effects of the chemicals on plantsindicate that MH can be used as a plant growth regulantJn oIder to obtain someinfor’mationlユpOn the effect of MH foli・ age spray on the variation of carbohydrate and nitrogen contents throughout the entire gIOwing stage, the present study was made,uSing potatoes of variety 〝Norin Nol〝 as material.The experimental

results obtained may be slユmmarized as follows:

l.In ten days after spraylng,the growthinhibition appeared,and as they grew older,the p!ants dwarfed,theleaves and stalks grew thickeIand developed the red pigment

2小 7n the controlplot the carbohydrates which were stored temporar−ilyin tops,eSpeCiallyin both

stalks and petioIs,remOVed to tubers after the flowering stage。Whereasin the sprayed plot tops kept doing aI■01e as a temporary storing organ up to the end of the growing stage

(8)

第9巻第3号(1958) ユ25

3.Moreover,in the controlplot nitrogen contents which were highin tops and tubers at the early Stage Of plant gIOWth,decreased rapidly as the plants grew older.Whereasin the sprayed plot they decreased gradua11y and at the harvesting stage considerable amounts were foundin the tops and tubers, exceptin theleaves of plants

4…Itis pointed out that the tubersin the spIayed plot showedinhibitionin their development and moreover s美owed a tendency of rather g工adualincreasein the variation of carbohydrate content thanin

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