企業年金における年金・一時金の選択について
~逆選択および終身年金パズルの視点から~
2016年12月16日
日本保険学会 第221回関東部会
問題提起
わが国の企業年金の大きな特色
終身年金よりも確定年金が広く普及
年金受取だけでなく一時金受取も選択可能
私的年金において年金受取(または終身年金)の普及が進まない理由
年金受取と一時金受取の税制上の差異
終身年金パズル(逆選択、遺産動機など)、保証期間の設定に係る規制
etc
企業年金の給付実態を踏まえつつ、公私の
年金で長寿リスクに対応するための方策とは?
企業年金の給付実態を踏まえつつ、公私の
年金で長寿リスクに対応するための方策とは?
1. 企業年金の特性(1)
~制度によって異なる性格・役割
公的年金:
社会保障制度の一環
強制加入、所得再分配、実質価値の維持(スライド)、終身給付
企業年金:
報酬(給与・退職金)
企業にとっては人事労務管理、従業員にとっては労働条件
個人年金:
自助努力
選定および加入(購入)は個人の任意
1. 企業年金の特性(2)
~公的年金・個人年金との違い
退職金制度としての性格
給付建て(確定給付型:
DB)制度: 退職金の分割払い、給与の後払い
掛金建て(確定拠出型:
DC)制度: 退職金の前払い(給与そのもの)
退職金原資の「外部積立」
資産保全機能、倒産隔離機能
費用負担の「平準化」
適正な年金数理に基づく平準的な積立(過大損金算入防止の側面も)
一時金の「年金化」
年金支給による老後所得の安定
⇒ しかし多くの制度で一時金が選択可能
2. 企業年金の給付設計(1)
~確定給付企業年金における給付の種類・要件
年金給付および一時金の額は、合理的な基礎に基づいて算定されるものでなければならない。
給付額は、加入年数や給与等に照らし、特定の者について不当に差別的なものであってはならない。
老齢給付金
加入者または受給待期者が、規約で定める以下の要件を満たしたときに支給 【法定給付】 60歳以上65歳以下の規約で定める年齢に達したとき 50歳以上支給開始年齢未満の規約で定める年齢に達した日以後に退職したとき 20年を超える加入者期間を給付要件として定めてはならない年 金
支給期間 : 終身年金または5年以上の有期年金 支払時期 : 毎年1回以上、一定の時期に支給 保証期間 : 20年以内 給付設計 : 定額、給与比例、ポイント制、キャッシュバランスプラン など一時金
(選択一時金)
規約で定める以下の要件を満たすことにより、全部または一部を一時金で支給可能 老齢給付金に保証期間が定められていること 受給権者本人の選択により支給するものであること 選択時期は、裁定請求時または支給開始5年経過後(特別の事情がある場合を除く)脱退一時金
老齢給付金の支給要件を満たさない加入者が資格喪失したときに支給 【法定給付】 3年を超える加入者期間を給付要件として定めてはならない障害給付金
規約で定める程度の障害に該当するに至った場合に支給 【任意給付】遺族給付金
加入者または受給権者等が死亡したときに、その遺族に支給 【任意給付】2. 企業年金の給付設計(2)
~保証期間とは
保証期間とは、生命年金において、受給者の生死に関係なく年金が支払われる期間をいう。
保証期間中に受給者が死亡した場合は、保証期間の残存期間相当分の年金原資を受給者の遺族に対して支払う。
確定年金
(
annuity certain)
(貯蓄機能のみ)
受給者本人の生死に関係なく
一定期間支払う年金
※保証期間=受給期間生命年金
(
life annuity)
貯蓄機能
+
保険機能
有期年金
(
temporary life annuity)
受給者本人の生存を条件に
一定期間支払う年金
※保証期間部分は受給者本人の 生死にかかわらず支給
終身年金
(
whole life annuity)
受給者本人の生存を条件に、死ぬまで支払う年金
※保証期間部分は受給者本人の生死にかかわらず支給 終了 受 給 者 数 受給開始 保証期間 受 給 者 数 受給開始 終了 終了 受 給 者 数 受給開始 保証期間2. 企業年金の給付設計(3)
~選択一時金とは
わが国では、退職時にまとまった一時金を支給する退職一時金制度が先行して普及・慣行化した経緯があり、退職
時に多額の一時金を必要とするニーズが依然として多いことから、受給者本人の選択により、年金に代えてその全
部または一部を一時金として支給することが認められている。
年金に代えて支給される一時金のことを
「選択一時金」
という。
厚生年金基金
(加算部分)
確定給付企業年金
確定拠出年金
金 額
(上限額)
保証期間部分の年金現価
保証期間部分の年金現価
個人別管理資産額
選択時期
加算適用加入員でなくなった後
から保証期間終了時までの任
意の時期
請求時あるいは年金支給開始
から
5年経過日以後
請求時あるいは年金支給開始
から
5年経過日以後
支給事由
なし
なし
(年金支給開始から5年未満に選択 する場合は、災害、債務の弁済、重 度の心身障害、長期間入院など)なし
一部選択
一部選択の選択肢を必ず設け
なければならない
任意で可能
任意で可能
2. 企業年金の給付設計(4)
~年金規約における選択一時金の規定例(抜粋)
(一時金として支給する老齢給付金)
第●条 老齢給付金の受給権者は、受給権の裁定を請求するとき、又は年金として支給する老齢給付金の支給を開
始してから5年を経過した日以後、老齢給付金を一時金として支給することを請求することができる。ただし、次
に掲げる事由に該当した場合にあっては、年金として支給する老齢給付金の支給を開始してから
5年を経過する
日までの間においても、当該請求をすることができる。
一 受給権者又はその属する世帯の生計を主として維持する者が、震災、風水害、火災その他これらに類する
災害により、住宅、家財又はその他の財産について著しい損害を受けたこと。
二 受給権者がその債務を弁済することが困難であること。
三 受給権者が心身に重大な障害を受け、又は長期間入院したこと。
四 その他前3号に準ずる事情
2 老齢給付金の受給権者が、前項ただし書の規定に基づき、年金として支給する老齢給付金の支給を開始してから
5年を経過する前に老齢給付金を一時金として支給することを請求する場合にあっては、前項各号の特別な事情
があることを明らかにすることができる書類を事業主に提出しなければならない。
3 老齢給付金の受給権者が、第1項の請求をする場合には、老齢給付金のうち一時金として支給を請求する部分の
割合として、次のいずれかの割合(同項の請求をする前に第
2号以降の割合を選択した者にあっては、第1号の割
合に限る。)を選択することができる。
一
100パーセント
二
75パーセント
三
50パーセント
四
25パーセント
(以下略)
3-1. 退職給付制度の実施状況(1)
~時系列
(注1)調査期日は、1997年以前は12月末現在、2003年以降は1月1日現在。 (注2)( )内は、退職給付制度がある企業を100とした割合。 (注3)本社の常用労働者が30人以上の民営企業を調査対象としている。 (出所)厚生労働省「就労条件総合調査」各年版 (65.8) (55.3) (46.5) (47.5) (47.0) (49.3) (51.9) (55.4) (62.1) (67.1) (71.3) (86.5) (22.6) (31.9) (33.9) (32.2) (34.5) (39.3) (33.8) (26.2) (21.5) (19.7) (27.2) (13.4) (11.6) (12.8) (19.6) (20.3) (18.6) (11.3) (14.3) (18.5) (16.4) (13.2) (1.5) (0.1) 75.5 83.9 86.7 88.9 92.0 88.9 89.0 92.1 92.2 90.7 90.8 退職給付制度あり 82.8 24.5 16.1 13.3 11.1 8.0 11.1 11.0 7.9 7.8 9.3 9.2 退職給付制度なし 17.2 0% 20% 40% 60% 80% 100% 13 08 2003 97 93 89 85 81 78 75 71 1966 退職一時金制度のみ 両制度の併用 退職年金制度のみ3-1. 退職給付制度の実施状況(2)
~企業規模別
(注1)2013年1月1日現在。 (注2)( )内は、退職給付制度がある企業を100とした割合。 (注3)常用労働者が30人以上の民営企業を調査対象としている。 (出所)厚生労働省「就労条件総合調査」2013年版(74.1)
(56.0)
(31.5)
(23.0)
(65.8)
(17.3)
(30.0)
(41.3)
(48.1)
(22.6)
(8.6)
(14.0)
(27.2)
(28.9)
(11.6)
72.0
82.0
89.4
93.6
退職給付制度あり
75.5
28.0
18.0
10.6
6.4
退職給付制度なし
24.5
0%
20%
40%
60%
80%
100%
30~99人
100~299人
300~999人
1,000人以上
企業規模計
退職一時金制度のみ
両制度の併用
退職年金制度のみ
3-2. 企業年金の給付設計の状況(1)
~終身年金・有期年金の実施状況
(注)各制度を実施している企業数を100とした割合。 (出所)人事院「民間企業退職給付調査」2011年版。厚生年金基金以外は有期年金が主体
厚生年金基金以外は有期年金が主体
25.6%
9.1%
43.5%
79.8%
58.1%
82.1%
53.9%
7.2%
16.2%
8.8%
2.6%
13.0%
0%
20%
40%
60%
80%
100%
確定拠出年金
(企業型)
確定給付企業年金
(規約型)
確定給付企業年金
(基金型)
厚生年金基金
終身年金
有期年金
不明
3-2. 企業年金の給付設計の状況(2)
~終身年金の支給期間の状況
(注)終身年金を実施している企業数を100とした割合。 (出所)人事院「民間企業退職給付調査」2011年版。DB・DCは20年
(法令上の上限)
が主流
DB・DCは20年
(法令上の上限)
が主流
5.9%
27.1%
25.0%
53.8%
77.9%
53.4%
54.7%
31.6%
16.2%
19.6%
20.3%
14.5%
0%
20%
40%
60%
80%
100%
確定拠出年金
(企業型)
確定給付企業年金
(規約型)
確定給付企業年金
(基金型)
厚生年金基金
保証期間
15年
保証期間
20年
その他
3-2. 企業年金の給付設計の状況(3)
~有期年金の支給期間の状況
(注)有期年金を実施している企業数を100とした割合。 (出所)人事院「民間企業退職給付調査」2011年版。規約型DBでは10年が主流
規約型DBでは10年が主流
28.1%
76.7%
19.1%
7.3%
56.6%
5.4%
42.8%
56.7%
15.3%
18.0%
38.1%
36.0%
0%
20%
40%
60%
80%
100%
確定拠出年金
(企業型)
確定給付企業年金
(規約型)
確定給付企業年金
(基金型)
厚生年金基金
支給期間
10年
支給期間
20年
その他
3-3. 年金・一時金の選択状況(1)
~選択一時金の導入・実施状況
(注)企業年金制度を実施している企業数を100とした割合。 (出所)人事院「民間企業退職給付調査」2011年版。大半の制度で一時金選択制を実施
大半の制度で一時金選択制を実施
26.8%
53.1%
42.2%
24.6%
49.8%
39.5%
51.1%
28.8%
6.9%
2.4%
5.0%
31.4%
16.6%
5.0%
1.7%
15.3%
0%
20%
40%
60%
80%
100%
確定拠出年金 (企業型) 確定給付企業年金 (規約型) 確定給付企業年金 (基金型) 厚生年金基金全額選択のみ
一部選択も可
制度なし
不明
3-3. 年金・一時金の選択状況(2)
~年金受給資格者の選択状況(時系列)
(注)年金受給資格を有する退職者がいる企業における、当該退職者数を100とした割合。 (出所)厚生労働省「就労条件総合調査」各年版。受給資格者の7~8割が一時金を選択
受給資格者の7~8割が一時金を選択
68.7%
59.6%
56.9%
11.8%
12.0%
11.6%
19.5%
28.4%
31.4%
0%
20%
40%
60%
80%
100%
2013年
2008年
2003年
全額一時金受給
一時金と年金の併用
全額年金受給
3-3. 年金・一時金の選択状況(3)
~年金受給資格者の選択状況(企業規模別)
(注)年金受給資格を有する退職者がいる企業における、当該退職者数を100とした割合。 (出所)厚生労働省「就労条件総合調査」2013年版。受給資格者の7~8割が一時金を選択
受給資格者の7~8割が一時金を選択
72.9%
76.8%
78.3%
62.9%
68.7%
14.0%
4.1%
5.9%
15.6%
11.8%
13.1%
19.2%
15.8%
21.5%
19.5%
0%
20%
40%
60%
80%
100%
30~99人
100~299人
300~999人
1,000人以上
企業規模計
全額一時金受給
一時金と年金の併用
全額年金受給
3-3. 年金・一時金の選択状況(4)
~年金現価に占める一時金額の割合①
(注)2012年の1年間における勤続20年以上かつ年齢45歳以上の定年退職者における平均額。 (出所)厚生労働省「就労条件総合調査」2013年版。金額ベースでも7~8割を一時金で受給
金額ベースでも7~8割を一時金で受給
企業年金のみ実施している企業の場合
1,923 1,611 1,131 1,024 1,512 1,313 1,012 896 78.6% 81.5% 89.5% 87.5% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 大卒(事務) 高卒(事務) 高卒(現業) 中卒(現業) (万円) ①年金現価 ②うち一時金選択額 一時金選択割合(右軸) (=②/①)3-3. 年金・一時金の選択状況(5)
~年金現価に占める一時金額の割合②
(注)2012年の1年間における勤続20年以上かつ年齢45歳以上の定年退職者における平均額。 (出所)厚生労働省「就労条件総合調査」2013年版。他に一時金制度があるため選択割合は減少
他に一時金制度があるため選択割合は減少
企業年金と退職一時金を併用している企業の場合
1,264 1,192 811 796 669 650 610 660 52.9% 54.5% 75.2% 82.9% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 大卒(事務) 高卒(事務) 高卒(現業) 中卒(現業) (万円) ①年金現価 ②うち一時金選択額 一時金選択割合(右軸) (=②/①)3-3. 年金・一時金の選択状況(6)
~厚生年金基金(加算部分)の状況
(注)加算型基金の新規裁定者数における、全額一時金選択者数の割合。 (出所)企業年金連合会「企業年金に関する基礎資料」各年版を基に、りそな年金研究所作成。選択割合は40~70%の間で推移
選択割合は40~70%の間で推移
69.8% 65.8% 58.0% 56.1% 56.0% 51.5% 48.1% 49.2% 47.6% 43.7% 43.7% 39.8% 40.0% 39.0% 42.2% 43.8% 43.6% 42.7% 41.0% 38.9% 39.6% 40.1% 43.2%44.0% 43.0% 47.6% 50.8% 57.1% 53.7% 58.7%59.2% 51.2% 52.8% 50.2% 48.0% 53.8% 63.2% 67.0% 64.6% 30% 40% 50% 60% 70% 1976 78 80 82 84 86 88 90 92 94 96 98 2000 02 04 06 08 10 12 14 (年度末)3-3. 年金・一時金の選択状況(7)
~確定給付企業年金・確定拠出年金の状況
(注1)確定給付企業年金は、厚生労働省「平成25年就労条件総合調査」より、退職者の年金現価に占める一時金選択額の割合を特別集計。 (注2)確定拠出年金は、記録関連運営管理機関による調査(平成24年度)に基づき、年金受給者と一時金受給者の割合を集計。 (出所)第9回社会保障審議会企業年金部会「資料2-1 一般企業向けの取組」p.68DB・DCでは一時金での受給が主流
DB・DCでは一時金での受給が主流
一時金で受給
年金・一時金の併用
年金で受給
確定給付企業年金
72%
10%
18%
確定拠出年金
94%
───
6%
4. なぜ一時金が選好されるのか(1)
~選択一時金の選択理由
(注)選択一時金を実施している企業191社による回答割合である。 (出所)中央労働委員会「退職金、定年制および年金事情調査』1989年。一時金選択の理由
回答割合(複数回答)
住宅ローン返済のため
60.2%
住宅・土地の取得のため
42.4%
子女の結婚・教育のため
33.0%
一括受取の方が税制上有利なため
19.4%
災害・疾病のため
14.1%
年金支給額が少額なため
5.8%
物価スライド不備のため
4.7%
開業資金のため
1.6%
その他
9.4%
4. なぜ一時金が選好されるのか(2)
~わが国の年金税制の概要
制 度 名 拠 出 時 運 用 時 給 付 時 (退職・老齢給付の場合) 年 金 一時金公 的 年 金
【事業主拠出】 全額損金(必要経費)算入 【加入者拠出】 全額社会保険料控除 ──── 雑所得として課税公的年金等控除の対象 ────企
業
年
金
厚生年金基金 【事業主拠出】 全額損金(必要経費)算入 【加入者拠出】 全額社会保険料控除 【運用収益】 非課税 【積立金】 代行部分の3.23倍 を超える部分に対し特別法人 税課税※3 雑所得として課税 公的年金等控除の対象 退職所得として課税 退職所得控除の対象 確定給付 企業年金 【事業主拠出】 全額損金(必要経費)算入 【加入者拠出】 生命保険料控除 【運用収益】 非課税 【積立金】 加入者拠出分を除 いた部分に対し特別法人税 課税※3 加入者拠出相当分を除 き雑所得として課税 公的年金等控除の対象 加入者拠出相当分を除 き退職所得として課税 退職所得控除の対象 確定拠出年金 【事業主拠出(拠出限度あり)】 全額損金(必要経費)算入 【加入者拠出(拠出限度あり)】 全額小規模企業共済等掛金控除 【運用収益】 非課税 【積立金】 特別法人税課税※3 雑所得として課税 公的年金等控除の対象 退職所得として課税 退職所得控除の対象 個人年金 保険型 生命保険料控除 または 個人年金保険料控除 【運用収益】 非課税 【積立金】 非課税 必要経費見合い分を除 き雑所得として課税 必要経費見合い分を除 き雑所得または一時所 得として課税※4 貯蓄型 課税 【運用収益】 源泉分離課税 【積立金】 非課税 非課税 非課税 ※1 遺族給付は、公的年金および厚生年金基金では非課税、それ以外の制度は相続税課税。 ※2 障害給付は、上記すべての制度において非課税。 ※3 特別法人税は、2017(平成29)年3月末まで課税が停止(凍結)されている。 ※4 保証期間付き終身年金の保証部分の一括受取は雑所得課税、確定年金および有期年金の一括受取は一時所得課税。 (出所)りそな企業年金研究所編(2011)『そこが知りたい 企業年金の税制』p.11を加筆修正0 50 100 150 200 250 300 0 200 400 600 800 1,000 1,200 (万円) 収入(万円) 公的年金等控除(65歳以降) 公的年金等控除(60歳代前半)
4. なぜ一時金が選好されるのか(3)
~年金給付への課税
通常の雑所得 = その年中の総収入金額 - 必要経費
公的年金等に係る雑所得 = その年中の公的年金等の収入金額 -
公的年金等控除
※受給者の年齢の判定は、その年の12月31日での年齢による。 受給者の年齢 公的年金等の年間収入額(a) 公的年金等控除額65歳以上
330万円以下 120万円 330万円超 410万円以下 (a)× 25%+ 37.5万円 410万円超 770万円以下 (a)× 15%+ 78.5万円 770万円超 (a)× 5%+155.5万円65歳未満
130万円以下 70万円 130万円超 410万円以下 (a)× 25%+ 37.5万円 410万円超 770万円以下 (a)× 15%+ 78.5万円 770万円超 (a)× 5%+155.5万円 所得税法の根拠 公的年金等控除の対象となる年金給付 第35条第3項 第1号 国民年金、厚生年金保険、国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、私立学校教職員共済、 農業者年金、廃止前の農林年金、旧船員保険、厚生年金基金、国民年金基金、石炭鉱業年金基金など 第35条第3項 第2号 恩給(一時恩給を除く)、廃止前の国会議員互助年金、 過去の勤務に基づき使用者であった者から支給される年金(自社年金) 第35条第3項 第3号 確定給付企業年金、適格退職年金(閉鎖型)、小規模企業共済、確定拠出年金、特定退職金共済、 中小企業退職金共済、外国年金(外国の法令に基づく保険・共済に基づいて支給される年金)0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 5年 10年 15年 20年 25年 30年 35年 40年 非課税額(万円) (勤続年数)