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日本酒の新たな呈味性成分 d- アミノ酸 近年の分析技術の進歩により,d- アミノ酸は医学, 薬学分野において様々な生理機能との関連が明らかとなってきた また, 食品分野においても呈味性や機能性の面から大変注目され, 呈味性を改善するための調味料や機能性を訴求する健康食品, 美容食品などに利用されて

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Academic year: 2021

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“d-Amino acid”, a New Ingredient Effecting on Sake Taste

Tadao Oikawa(Department of Life Science and Biotechnology, Faculty of Chemistry, Materials, and Bioengineering,

Kansai University) 1.はじめに  日本酒は,日本伝統の発酵技術を用いる醸造酒であ る。日本酒は,西洋に起源をもつビールやワインと醸 造酒という点では類似しているが,その起源は約数千 年前にさかのぼり,原料が米である点が大きな特色で ある1)。また,日本酒の醸造工程は,いわゆる並行複 発酵であり,米由来のデンプンが麹菌(Aspergillus oryzae)2)によってブドウ糖に変換される糖化と,そ のブドウ糖が酵母(Saccharomyces cerevisiae)3)によ ってアルコールに変換される発酵とが同一容器中で同 時に行われる点が,ビールやワインなど4)複数の発酵 工程が別々に行われる醸造酒の醸造方法と大きく異な っている。近年,日本食はユネスコ無形文化遺産にも 登録され,そのエキゾティックな味わいや健康の面か ら欧米の食事に取り込まれてきている。特に日本酒は, 世界中で食されている日本の代表的な食品の 1 つであ る。  一方,D- アミノ酸は,野菜5),果物5),ミルク6), オレンジジュース7),ビール8),ワイン9),ココア10) 等の多種多様な食品中に含まれていることが高速液体 クロマトグラフィー(HPLC)11),ガスクロマトグラ フィー(GC)12),キャピラリー電気泳動(CE)13) 用いて明らかにされている。またさまざまなD- アミ ノ酸の生理的機能も明らかにされており,D- セリンは, 動物の中枢神経系で重要な役割を果たしており,D -アスパラギン酸は,内分泌あるいは神経内分泌器官で の生理的な機能が明らかにされている14, 15)。また D -アラニンやD- アスパラギン酸には,ヒトの皮膚の重 要な構成成分の産生を促進する効果があると考えられ ている。このような背景において,われわれは,食品 中のD- アミノ酸の第二次機能,とりわけ食品中のD -アミノ酸が食品の味に及ぼす影響を明らかにすること に強い興味を持ち日本の伝統食品である日本酒を対象 として研究を行った。  本稿では,われわれらが日本全国の 51 社の醸造会 社の 141 種類の製品中のD- 及びL- アミノ酸の定量を 行い,その存在を明らかにするとともに,その結果に 基づき日本酒中のD- アミノ酸含有量と製造方法や味 との関係やその生成機構について得られた知見につい て紹介する。 2.日本酒中のd- 及びl- アミノ酸の定量方法  われわれは,日本酒中のD- 及びL- アミノ酸の定量 に HPLC を用いた。また,D- 及びL- アミノ酸の蛍光 キラル誘導体化には,① OPA/NAC プレラベル法(o-フタルアルデヒド /N- アセチル -L- システイン),② FLEC/AMAM プレラベル法((+)-1-(9- フルオレ

日本酒の新たな呈味性成分「

D

- アミノ酸」

 近年の分析技術の進歩により,d- アミノ酸は医学,薬学分野において様々な生理機能との関連が明らか となってきた。また,食品分野においても呈味性や機能性の面から大変注目され,呈味性を改善するための 調味料や機能性を訴求する健康食品,美容食品などに利用されている。d- アミノ酸は乳酸菌を始めとする 微生物が関与する発酵食品中に広く分布することから,清酒中のd- アミノ酸についても大変興味が持たれ るところである。本稿では,清酒に含まれるd- アミノ酸と製造方法の関係や味への影響について解説頂く とともに,その生成機構についても解説頂いた。清酒の多様化という観点からの研究開発に大いに参考とな ることから,是非ご一読をお勧めしたい。

老 川 典 夫

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醸  協( ) ニル)エチルクロロホルメート /1- アミノアダマンタ ン),③ OPA/NAC ポストラベル法を併用することに より,システイン(システインはDL- システインとし て定量)とグリシン(光学異性体がない)を除く全て の日本酒中のD- 及びL- アミノ酸を定量する方法を確 立した16)D- 及びL- アミノ酸は検量線法で定量した。 ①~③の蛍光キラル誘導体化法について,それぞれ検 量線を作成することにより,蛍光キラル誘導体化法の 違いによる蛍光強度の違いを除外した。①,②,③の 蛍光キラル誘導体化法でのD- 及びL- アミノ酸の測定 限界は,それぞれ 6 nM ~ 20 μM,10 nM ~ 20 μM, 1.5 μM であった。また,D- アミノ酸の相対含有割合 (%D)は,  %D = 100 × AD/(AD+ AL),   AD:D- アミノ酸のピーク面積   AL:L- アミノ酸のピーク面積 で算出した。 3.分析に用いた日本酒  分析には,51 社の醸造会社の 141 種類の日本酒をラ ンダムに購入し使用した。これらの日本酒の種別とそ の数は,大吟醸(9 製品),純米大吟醸(14 製品),吟 醸(9 製品),純米吟醸(42 製品),特別本醸造(2 製 品),特別純米酒(9 製品),本醸造(15 製品)純米酒 (35 製品),普通酒(6 製品)であった。また,開封三 か月後,全ての日本酒のD- 及びL- アミノ酸の定量を再 度行った。 4.日本酒中のd- 及びl- アミノ酸の定量結果  われわれは,日本酒中のD- 及びL- アミノ酸の立体 選択的定量に初めて成功した。分析結果を解析した結 果,日本酒には,D- アラニン,D- アスパラギン,D -アスパラギン酸,D- アルギニン,D- グルタミン酸,D -グルタミン,D- ヒスチジン,D- イソロイシン,D- ロ イシン,D- リシン,D- セリン,D- チロシン,D- バリン, D- フェニルアラニン,D- プロリンが含まれているこ とが明らかとなった。興味深いことに,分析したいず れの日本酒にもD- メチオニン,D- スレオニン,D- ト リプトファンが含まれていないことが明らかとなった。 それぞれのD- アミノ酸を含む製品の割合は,D- アス パラギン酸(97.8%),D- アラニン(96.4%),D- アル ギニン(82.9%),D- プロリン(71.4%),D- グルタミ ン酸(66.4%),D- バリン(65.7%),D- リシン(60.7%), D- フ ェ ニ ル ア ラ ニ ン(59.9%),D- イ ソ ロ イ シ ン (58.4%),D- ヒ ス チ ジ ン(52.1%),D- ア ス パ ラ ギ ン (51.4%),D- チロシン(51.1%),D- グルタミン(33.8%), D- ロイシン(4.4%),D- セリン(2.5%),D- メチオニ ン(0%),D- スレオニン(0%),D- トリプトファン (0%)であった。一方,日本酒中には,ほとんど全て のL- アミノ酸が含まれていた。それぞれのL- アミノ 酸を含む製品の割合は,L- アラニン(100%),L- アス パラギン(100%),L- アルギニン(100%),L- アスパ ラギン酸(100%),L- ヒスチジン(100%),L- メチオ ニン(100%),L- スレオニン(100%),L- トリプトフ ァン(99.3%),L- フェニルアラニン(99.3%),L- バリ ン(99.3%),L- セリン(99.3%),L- グルタミン(99.2%), L- プロリン(99.2%),L- グルタミン酸(99.2%),L- イ ソロイシン(97.8%),L- リシン(97.1%),L- ロイシン (88.3%),L- チ ロ シ ン(75.9%),DL- シ ス テ イ ン (75.6%)であった。また,分析した全ての日本酒には グリシンが含まれていた。  そこで得られた分析結果に基づき,日本酒中のD -アミノ酸含有量に及ぼす要因を明らかにするため,わ れわれは分析した日本酒中でD- アミノ酸濃度が最も 高い製品から 20 製品の生産地,種別,日本酒度,酸 度,アミノ酸度,原料米の精米歩合,アルコール濃度, 原料米の種類,特徴について比較した(第 1 表)。第 1表から,D- アミノ酸を高濃度で含む日本酒と,その 種別には関連性がないことが明らかとなった。また, 一般に日本酒の味の指標として用いられている日本酒 度,酸度,アミノ酸度,原料米の精米歩合,アルコー ル濃度,原料米の品種は,日本酒のD- アミノ酸濃度 と明確な関連性がないことが明らかとなった。しかし, 仕込み水と醸造方法は,日本酒中のD- アミノ酸濃度 に影響を与えることが明らかとなった。  たとえば,海洋深層水で仕込んだ日本酒(製品番号 2903,製品番号 3901),生酛造りの日本酒(製品番号 4401, 製 品 番 号 0204, 製 品 番 号 3303, 製 品 番 号 4701),山廃酛造りの日本酒(製品番号 2204),長期 熟成の日本酒(製品番号 0802,製品番号 1401,製品 番号 1303)中のD- アミノ酸濃度は,他の製品より高 いことが明らかとなった。第 2 表は,海洋深層水で仕 込んださまざまな日本酒のD- 及びL- アミノ酸の濃度 を示している。海洋深層水で仕込んだ日本酒中のD

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-アミノ酸濃度と,海洋深層水以外の仕込み水で仕込ん だ日本酒中のD- アミノ酸濃度を比較すると,海洋深 層水で仕込んだ日本酒中には,D- チロシンが著量含 まれていることが明らかとなった。海洋深層水のよう な硬水は,各種ミネラルを多く含んでおり発酵を促進 する効果があることが知られている17)。また海洋深 層水は,日本酒醸造中に酵母のアミノ酸代謝に関与す るいくつかの遺伝子の転写レベルを向上させることが 知られている。一方われわれらは,製品番号 2903 の 仕込み水として用いられた海洋深層水のアミノ酸分析 を行った。その結果,この海洋深層水には,いかなる D- アミノ酸も含まれていないことが明らかとなった。 したがって,海洋深層水仕込みの日本酒中に含まれる D- アミノ酸は,仕込み水に由来するものではないこ とが明らかとなり,海洋深層水は,日本酒中のD- ア ミノ酸,特にD- チロシン濃度を高めるのに効果があ ると考えられる。微生物のD- チロシンの生合性経路 については,詳細は明らかになっていないが,ある種 産地 製品番号 特定名称 区  分 日本酒度 酸度 アミノ 酸度 精米歩合 (%) アルコール 度数(%) 原料米 特記 千葉県 4401 純米酒 -38 8 4.9 90-93 6-15 無農薬米 (コシヒカリ等) 生酛 富山県 2903 本醸造 5 1.3 1.2 55 15以上 16 未満 - 海洋深層水 三重県 0204 純米吟醸 2 1.7 1.4 53 16以上 17 未満 三重山田錦 生酛 石川県 3901 本醸造 2 1.3 - 68 14以上 15 未満 石川県産五百万石 海洋深層水 鳥取県 3303 純米酒 6.5 2.3 - 60 16.2 山田錦生酛 大分県 3403 本醸造 -1 1.2 - 65 15以上 16 未満 - -愛媛県 2105 純米吟醸 4.5 1.9 - 60 15以上 16 未満 しずく媛 -和歌山県 4503 純米吟醸 4 1.7 2.3 麹米 55, 掛米 60 18 和歌山県産山田錦 協会 9 号系酵母 茨城県 0802 特別本醸造 5 1.5 - 55 15.5 美山錦 長期熟成 長崎県 3502 純米酒 0 1.3 1.2 60 15以上 16 未満 - 佐賀県有田町 黒髪山状流水 岐阜県 1401 純米吟醸 10 1.4 1.1 45 15以上 16 未満 美山錦 長期熟成 大分県 3402 純米酒 -2 1.4 - 60 15以上 16 未満 - -和歌山県 4502 純米吟醸 0 1.5 2 麹米 55, 掛米 60 18 備前雄町 協会 9 号系酵母 愛媛県 2104 純米酒 -61 2 - 65 9.5 - 桃色酵母 大阪府 4701 特別純米酒 8 2.1 1.3 70 18以上 19 未満 山田錦 生酛 山梨県 2502 純米酒 5 1.7 - 60 15以上 16 未満 玉栄 -埼玉県 1303 純米酒 6 1.6 - 55 15以上 16 未満 五百万石 長期熟成 福島県 4901 純米酒 -50 8 2.5 60 8.2 五百万石 桃色酵母 青森県 2003 特別純米 3 1.5 - 55 15以上 16 未満 華吹雪 -島根県 2204 純米吟醸 3 1.6 - 55 15以上 16 未満 山田錦 山廃酛 第 1 表 D- アミノ酸濃度が高い日本酒の種別,日本酒度,酸度,アミノ酸度,精米歩合,アルコール度数,原 料米 製品番号 2903 2901 2905 3601 4001 4002

AA L-AA D-AA %D L-AA D-AA %D L-AA D-AA %D L-AA D-AA %D L-AA D-AA %D L-AA D-AA %D

μM μM μM μM μM μM μM μM μM μM μM μM Asp 275 46.9 14.6 162 8.8 5.2 178 4.2 2.3 239 1.1 0.5 196 2.2 1.1 195 2.3 1.2 Glu 568 20.9 3.5 503 1.5 0.3 395 3.1 0.8 545 2.9 0.5 549 2.6 0.5 466 1.6 0.3 Asn 275 5.9 2.1 248 ND - 297 9.8 3.2 480 7.3 1.5 457 6.5 1.4 386 3.5 0.9 Ser 375 6.6 1.7 251 ND - 253 ND - 453 ND - 560 6.9 1.2 622 0.7 0.1 Gln 10 ND - 50 2.2 4.3 21 ND - 28 ND - 308 ND - 161 4.4 2.7 Thr 165 ND - 104 ND - 106 ND - 519 ND - 831 ND - 353 ND -Gly 308 - - 359 - - 231 - - 309 - 140 - 253 0.0 His 216 ND - 138 ND - 179 ND - 405 ND - 223 ND - 177 7.2 3.9 Ala 1000 524.3 34.4 946 7.7 0.8 922 75.3 7.6 1095 52.5 4.6 1122 93.5 7.7 1048 84.3 7.4 Arg 933 4.9 0.5 897 23.4 2.5 801 21.8 2.6 171 39.6 18.8 894 10.2 1.1 724 24.7 3.3 Tyr 186.4 54.9 22.8 150.8 10.4 6.5 148.5 59.1 28.5 304.9 5.5 1.8 177.5 44.3 20.0 132.4 106.8 44.6 Val 13 3.1 19.3 251 23.9 8.7 24 ND - 20 ND - 55 ND - 25 ND -Met 35 ND - 19 ND - 40 ND - 36 ND - 23 ND - 7 ND -Trp ND ND - ND ND - ND ND - ND ND - ND ND - ND ND -Phe 133 ND - 147 27.1 15.6 111 ND - 184 ND - 166 ND - 114 ND -Ile 80 ND - 199 2.1 1.0 27 ND - 64 ND - 32 ND - 38 ND -Leu 10 ND - 115 ND - ND ND - ND ND - ND ND - ND ND -Lys 187 0.4 0.2 278 0.5 0.2 165 1.4 0.9 188 2.1 1.1 9 1.0 10.0 41 ND -Cys ND - - ND - - ND - - ND - 26 - 18 -Pro 961 ND - 504 ND - 608 ND - 935 ND - 871 ND - 709 ND -第 2 表 海洋深層水で仕込んだ日本酒中のD- 及びL- アミノ酸含有量

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醸  協( ) の微生物がワイン醸造過程においてD- アミノ酸を生 産することが知られている18)。おそらく海洋深層水 中のミネラルが,発酵微生物の生育を促進し,その結 果D- アミノ酸の生成能が向上するのではないかと考 えられる。  また第 3 表は,生酛,山廃酛,長期熟成で仕込まれ たさまざまな日本酒のアミノ酸含有量をまとめたもの である。生酛及び山廃酛で仕込まれた日本酒は,D -アスパラギン酸,D- グルタミン酸,D- セリン,D- ア ラニン,D- アルギニン,D- チロシン,D- バリン,D -プロリンなどのさまざまなD- アミノ酸を高濃度で含 んでいることが明らかとなった。生酛造りは伝統的な 酒母づくりの技法である。蔵にいる天然の乳酸菌が, 酒母調製時の汚染菌の増殖を抑制するのに役立つ。生 酛造りは,後に山卸しという重労働を廃止した山廃生 酛造りへと改良される。生酛や山廃酛で仕込まれた日 本酒中のD- アミノ酸の含有量が高いのは,酒母の製 造工程で乳酸菌か関与することに起因すると考えられ る。また製品番号 4401 の日本酒中には,特に高濃度 の日本酒が含まれていることが明らかとなった。この 日本酒の醸造には,精米歩合が 90 ~ 93% の原料米が 使用されている。この精米歩合はほぼ炊飯用の米と同 じである。一般に玄米中には 1 g あたり 4 ~ 6 nmol のアミノ酸が含まれており,大部分のアミノ酸は精米 の段階で失われてしまう19)。したがって,醸造方法 だけでなく,原料米の精米歩合が日本酒中のD- アミ ノ酸含有量に影響を与えると考えられる。また長期熟 成の日本酒中のD- アミノ酸含有量は高い傾向が見ら れるが,その詳細な機構は明らかにはなっていない20) 一方開封後室温(25℃)で 3 ヶ月間保存した後再度 D- アミノ酸濃度を測定したところ,興味深いことに アデニン要求性の清酒酵母(赤色清酒酵母)を用いて 醸造し火入れをしていない日本酒中のD- アミノ酸含 有量が高いことが明らかとなった。一般に清酒酵母の ゲノム中にはアミノ酸ラセマーゼがコードされていな いので,赤色清酒酵母を含めて清酒酵母はD- アミノ 酸を生産しないことが明らかとなっている。おそらく 赤色清酒酵母は普通の清酒酵母に比べてアルコール生 産能力が低く,また生酒であるため製品中の乳酸菌等 の微生物が生存しているためこれら微生物の作るD -アミノ酸が製品中のD- アミノ酸濃度を高めているの ではないかと考えられる。 5.日本酒中のd- アミノ酸の味や総合評価に及ぼ す影響  分析した 141 種類の日本酒中にはD- アラニン,D -アスパラギン,D- アスパラギン酸,D- アルギニン,D -グルタミン酸,D- グルタミン,D- ヒスチジン,D- イ ソロイシン,D- ロイシン,D- リシン,D- セリン,D -チロシン,D- バリン,D- フェニルアラニン,D- プロ リンがそれぞれ 0-524.3 μM,0-68.8 μM,0-66.9 μM, 0-133.1 μM,0-132.0 μM,0-38.8 μM,0-70.9 μM, 製品 番号 4401 0204 3303 4701 2204 0802 1401 1303 AA L-AA D-AA %D L-AA D-AA %D L-AA D-AA %D L-AA D-AA %D L-AA D-AA %D L-AA D-AA %D L-AA D-AA %D L-AA D-AA %D

μM μM μM μM μM μM μM μM μM μM μM μM μM μM μM μM Asp 695 18.1 2.5 490 66.9 12.0 650 6.8 1.0 906 7.7 0.8 298 33 10.0 555 33.8 5.74 278 21 7.02 619 9.4 1.50 Glu 771 132.0 14.6 927 38.3 4.0 715 11.4 1.6 809 33.3 4.0 612 16 2.5 1232 ND - 588 9 1.51 736 11.7 1.56 Asn 1298 6.0 0.5 316 ND - 663 7.4 1.1 204 3.9 1.9 762 7.5 1.0 536 2.8 0.52 468 ND - 319 ND -Ser 1228 11.6 0.9 1554 ND - 1183 ND - 815 0.7 0.1 465 1 0.2 775 ND - 493 ND - 730 ND -Gln 958 ND - 26 ND - 42 ND - 176 7.2 3.9 106 ND - 40 ND - 33 ND - -3 ND -Thr 966 ND - 907 ND - 1011 ND - 895 ND - 183 ND - 906 ND - 405 ND - 959 ND -Gly 406 - - 607 - - 358 - - 514 0.0 339 - - 771 - - 467 - - 344 - -His 527 ND - 152 ND - 449 ND - 438 ND - 87 ND - 131 ND - 220 ND - 324 6.5 1.95 Ala 1228 367.1 23.0 1554 315.1 16.9 1183 78.2 6.2 1328 83.8 5.9 1015 7.8 0.8 1807 179 9.01 1046 133.6 11.33 1452 107.7 6.91 Arg 1877 49.9 2.6 156 ND - 862 133.1 13.4 1287 11.5 0.9 246 49.0 16.6 1636 10.3 0.63 355 ND - 754 ND -Tyr 504 31.4 5.9 510.3 1.4 0.3 454.4 17.5 3.7 468.4 12.1 2.5 332.9 13 3.8 426.6 ND - 302.2 9.5 3.05 367 10.4 2.76 Val 340 ND - 1099 29.1 2.6 21 ND - 755 ND - 460 13.7 2.9 189 ND - 510 19.9 3.76 802 22.3 2.71 Met 33 ND - 57 ND - 45 ND - 81 ND - 38 ND - 871 ND - 51 ND - 29 ND -Trp 134.5 ND - 90.7 ND - 12.3 ND - 75.3 ND - 34.5 ND - 41.4 ND - 55.4 ND - 19.3 ND -Phe 984 ND - 363 ND - 581 ND - 500 19.9 3.8 234 31.5 11.9 398 ND - 208 13.3 6.01 304 8.2 2.63 Ile 660 ND - 209 ND - 341 ND - 832 8.3 1.0 346 3.8 1.1 196 ND - 250 3.2 1.26 529 7.1 1.32 Leu 0.5 ND - 836 ND - 1045 ND - 624 ND - 270 ND - 1042 ND - 600 ND - 1141 15.5 1.34 Lys 410 ND - 366 0.8 0.2 495 2.0 0.4 ND 528 - 20 2.2 9.9 670 ND - 267 2.8 1.04 421 4.9 1.16 Cys 157 - - 75 - - 147 - - 1683 - 1350 - ND - - ND - - 3 - -Pro 3808 2.4 0.06 1292 0.8 0.06 1788 0.2 0.01 232 - - 65 - - 1216 ND - 1084 0.5 0.05 1691 0.3 0.02 第 3 表 生酛,山廃酛,長期熟成で仕込まれた日本酒中のD- 及びL- アミノ酸含有量

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0-13.6 μM,0-501.3 μM,0-31.5 μM,0-15.7 μM, 0-31.5 μM,0-68.4 μM,0-63.9 μM,0-6.6 μM 含 ま れ ていることが明らかとなった。そこで日本酒中のD -アミノ酸濃度と日本酒の味との関係を解明するため, アミノ酸分析を行った 141 種類の日本酒の官能評価試 験を実施した。官能評価試験は大阪国税局官評会評議 員 1 名により実施した21)。141 種類の日本酒の種別の 内訳は,大吟醸(9 本),純米大吟醸(14 本),吟醸 (9 本),純米吟醸(42 本),特別本醸造(2 本),特別 純米(9 本),本醸造(15 本),純米(35 本),普通(6 本)である。官能評価は以下の各項目について実施し た:色沢(濁り(あり・なし),色(無色・黄色・茶 褐色),香り(高低(高い・普通・低い),酸臭(強 い・弱い・なし),炭臭(強い・弱い・なし),甘臭 (強い・弱い・なし),特性(新酒香・吟醸香・熟成 香・個性的),その他),味(濃淡(旨味ある・濃醇・ 普通・淡麗・なめらか・キレ良い・うすい・甘い), 苦味(苦味うく・強い・普通・弱い),酸味(酸う く・強い・普通・弱い),旨味(だれる・強い・普 通・弱い),甘味(だれる・甘うく,普通・弱い),そ の他),総合(調和(良好・普通・不調和),熟度(熟 成・普通・若い))。総合評価は 3 段階でその他の項目 は 10 段階で評価した。得られた各日本酒の官能評価 のスコアとD- アミノ酸濃度の関係を主成分分析で解 析した。その結果,興味深いことに日本酒中に含まれ ているD- アミノ酸の内,D- アラニン,D- アスパラギ ン酸,D- グルタミン酸が高濃度含まれている日本酒 は味や総合評価が高くなることが明らかとなった(第 1図)。そこでこれらのD- アミノ酸のうち厚生労働省 から食品添加物として認められているDL- アラニン (食品グレード)を味や総合評価が低くかつD- 及びD -アミノ酸濃度が低い日本酒製品番号 2402 に添加し, その味や香りに及ぼす影響を調べたところ,対照とす る同濃度のL- アラニンを添加した場合と比較して, -3.0 -2.5 -2.0 -1.5 -1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 0 200 400 600 -3.0 -2.0 -1.0 0.0 1.0 2.0 0 20 40 60 80 -3.0 -2.5 -2.0 -1.5 -1.0 -0.50.0 0.5 1.0 1.5 2.0 0 10 20 30 40 50 D-アスパラギン酸濃度 (μM) D-アラニン濃度 (μM) 第1主成分得点(味+総合評価) 第 1主成分得点(味 +総合評価) 第1主成分得点(味+総合評価) D-グルタミン酸濃度 (μM)

A

B

C

第 1 図 日本酒中のD- アミノ酸濃度と第 1 主成分得点(味+総合評価)の関係 A:D- アラニン,B:D- アスパラギン酸,C:D- グルタミン酸

(6)

醸  協( ) DL- アラニンを添加した場合,より低濃度で旨味が向 上することが明らかとなった(第 2 図)。同様の効果 は評価やアラニン含有量が低い日本酒製品番号 4003 や製品番号 4504 を用いた場合でも確認された。また DL- アラニンは日本酒の香りには影響を与えないこと も明らかとなった。 6.生酛由来乳酸菌によるd- アミノ酸生産とd -アミノ酸代謝関連酵素  生酛造りの日本酒中のD- アミノ酸濃度が高い原因 を解明するため,代表的な生酛乳酸菌である Lactoba-cillus sakei と Leuconostoc meseteroides の 基 準 株 (NBRC 102480 と NBRC 15893)のD- アミノ酸生産 能を検討した。これらの乳酸菌を MRS(培地中 30℃ で静置培養したところ,L. sakei はD- アラニン,D -アスパラギン酸,D- グルタミン酸を,L. mesenteroi-des はD- アラニン,D- グルタミン酸,D- リシンをそ れぞれ菌体外に mM レベルで生産することを発見し た(第 3 図)。Lactobacillus sakei ゲノムは 2009 年フ ランス農業研究所(INRA)によって,また Leuco-nostoc meseteroides ゲノムは 2006 年アメリカ国立衛 生研究所(NIH)によってそれぞれ解読されている。 そこでこれらの生酛乳酸菌ゲノム中のD- アミノ酸代 謝関連酵素遺伝子の存在をホモロジー検索したところ, L. sakei ゲノムにはアラニンラセマーゼ,アスパラギ ン酸ラセマーゼ,グルタミン酸ラセマーゼのホモログ 遺伝子が,L. mesenteroides には 3 つのアラニンラセ マーゼとグルタミン酸ラセマーゼのホモログ遺伝子の 存在が確認された。そこでこれらの 7 つのアミノ酸ラ セマーゼのホモログ遺伝子を大腸菌で高発現させ精製 後,それぞれの遺伝子産物の酵素科学的性質を検討し た。L. sakei では,ホモロジー検索の結果から推定さ れていた通り 3 つのアミノ酸ラセマーゼのホモログ遺 伝子は,アラニンラセマーゼ,アスパラギン酸ラセマ ーゼ,グルタミン酸ラセマーゼをコードしていること が明らかとなった。一方,L. mesenteroides では,ホ モロジー検索の結果から推定されていた 3 つのアラニ ンラセマーゼは存在せず,アラニンラセマーゼ,リシ ンラセマーゼ,ヒスチジンラセマーゼとグルタミン酸 ラセマーゼがコードされていることが明らかとなった。 これまでさまざまな起源由来のアミノ酸ラセマーゼが 報告されているがヒスチジンに特異的に作用するアミ ノ酸ラセマーゼの報告はなく,本酵素が最初の例とな る。生酛由来乳酸菌の 7 種のアミノ酸ラセマーゼの酵 素科学的性質を第 4 表に示した。これらの結果から, 生酛乳酸菌 L. sakei のD- アラニン,D- アスパラギン -1.5 -1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 第1主成分得点(味+総合評価) DL-アラニン及びL-アラニン濃度 (mM) 第 2 図 味や総合評価の低い日本酒 No.2402 へのDL- アラニンまたはL- アラニンの添加濃度と第 1 主成分得点 (味+総合評価)の関係 ●,日本酒 No.2402 +DL- アラニン;○,日本酒 No.2402 +L- アラニン

(7)

酸,D- グルタミン酸生産にはそれぞれアラニンラセ マーゼ,アスパラギン酸ラセマーゼ,グルタミン酸ラ セマーゼが関与し,L. mesenteroides のD- アラニン, D- グルタミン酸,D- リシン生産にはそれぞれアラニ ンラセマーゼ,グルタミン酸ラセマーゼ,リシンラセ マーゼが関与することが示唆された。このように生酛 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 0 20 40 60 80 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0 20 40 60 80 培養時間 (時間) D-アミノ酸濃 度 (mM) 培養時間 (時間) D-アミノ酸濃 度 (mM)

A

B

第 3 図 生酛乳酸菌のD- アミノ酸生産 A:Lactobacillus sakei NBRC 102480 B:Leuconostoc meseteroides NBRC 15893 ●,D- アラニン;■,D- グルタミン酸;▲,D- アスパラギン酸

(8)

醸  協( ) 乳酸菌は,日本酒の味や総合評価を高めるD- アラニ ン,D- アスパラギン酸,D- グルタミン酸を菌体外に 著量生産し,これらのD- アミノ酸は生酛乳酸菌内で それぞれアミノ酸ラセマーゼによって生産されている ことが明らかとなった。 7.おわりに  われわれの研究からD- アラニン,D- アスパラギン 酸,D- グルタミン酸は日本酒の味や総合評価を高め る作用があり,生酛乳酸菌がこれらのD- アミノ酸を 作り,生酛造りの日本酒の中にはこれらのD- アミノ 酸が著量存在するということが明らかとなった。生酛 造りの日本酒の味や総合評価を決める因子は多数ある と考えられるが,D- アミノ酸がその一つであること は疑いようのない事実であると考える。古来行われて きた伝統的な日本酒醸造技術である生酛造りは,単に 自然界に存在する乳酸菌の力を借りて原材料中の雑菌 を殺すために用いられているのではなく,経験的にこ の製造方法で造り上げた日本酒の味が優れているから こそ時間や労力のかかるこの製造方法が今も数少ない 蔵で継承されているのではないかと思われる。生酛乳 酸菌が乳酸を作るということは古くから知られていた ことであるが,まさかD- アミノ酸を作り,それが日 本酒の味に影響を与えるなどということは昔の人は知 る由もなかったことであろう。伝統的な日本酒造りに おける経験に基づく味の評価というものが,現代の最 先端の分析技術で明らかとなったことは非常に興味深 いものである。今後日本酒の新たな呈味性成分として 「D- アミノ酸」が着目され,おいしい日本酒造りに活 かされることを期待している。 〈関西大学〉 謝 辞  本研究は,独立行政法人農業・食品産業技術研究支 援センター「イノベーション創出基礎的研究推進事 業・技術シーズ開発型」(平成 20 年度~平成 24 年 度)から研究助成を受け実施したものである。また本 研究を実施するにあたりご助言,ご協力いただきまし た 秋田県立大学 橋爪克己様,菊正宗酒造株式会社  溝口晴彦様,(独)酒類総合研究所 伊豆英恵様, 酒米研究会の皆様に厚く御礼申し上げます。 引用文献

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10) R. Pätzold and H. Brückner: Amino acids, 31,

菌名 乳酸桿菌* 1 乳酸桿菌* 1 乳酸桿菌* 1 乳酸球菌* 2 乳酸球菌* 2 乳酸球菌* 2 乳酸球菌* 2 酵素名 アラニン ラセマーゼ アスパラギン酸 ラセマーゼ グルタミン酸 ラセマーゼ アラニン ラセマーゼ グルタミン酸 ラセマーゼ リシンラセ マーゼ ヒスチジン ラセマーゼ 最適反応温度(℃) 35 45 37 15 25 25 50 熱安定性(℃) 45 40 30 40 55 35 35 最適 pH 10.5 6.5 10.5 6.5 7.5 8 9.5 pH 安定性 10 7.0-7.5 10 7.5 7.5 7.5-8.0 7 基質特異性 アラニン, セリン アスパラギン酸 グルタミン酸 アラニン, セリン グルタミン酸 リシン, アルギニン, オルニチン ヒスチジン 補酵素 PLP なし なし PLP なし PLP PLP サブユニット構造 ホモ二量体 ホモ二量体 単量体 ホモ二量体 単量体 ホモ二量体 ホモ二量体 *1: Lactobacillus sakei NBRC 15893

*2: Leuconostoc mesenteroides subsp. sake NRRC 102480

(9)

63-72(2006)

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21) K. Okada, Y. Gogami, and T. Oikawa: Amino Acids, 44, 489-498(2013) 老川典夫< Tadao Oikawa> 昭和 38 年 12 月 17 日生まれ<勤務先と所在地>関西 大学化学生命工学部生命・生物工学科 〒 564-8680 大阪府吹田市山手町 3-3-35 <略歴>昭和 61 年筑波大 学第二学群農林学類卒,平成 3 年京都大学大学院農学 研究科農芸化学専攻博士後期課程所定単位修得後退学, 平成 3 年関西大学工学部助手,平成 20 年関西大学化 学生命工学部教授,現在に至る。京都大学博士(農 学)<抱負>伝統的酒造りと最先端の生命科学のコラ ボレーションをめざす。<趣味>ガーデニング,特に クリスマスローズの栽培。 橋本建哉< Kenya HasHimOtO> 昭和 40 年 9 月 23 日生まれ<勤務先と所在地>宮城県 産業技術総合センター 〒 981-3206 宮城県仙台市泉 区明通 2 丁目 2 番<略歴>平成 2 年東北大学農学研究 科博士課程前期修了。同年宮城県入庁,宮城県工業技 術センター開発部醸造科,平成 11 年組織改編により 宮城県産業技術総合センター食品バイオ技術部,現在 に至る。現在食品バイオ技術部上席主任研究員。<抱 負>日本酒造りに係わる全国の皆さまと「日本酒のお いしさ」「日本酒のある食卓の楽しさ」を多くの方に お伝えしていきたい。<趣味>旬のおいしいものをお 酒と一緒に楽しむことと大きなラッパ(チューバ)を 吹くこと。 伊豆英恵< Hanae izu> <勤務先と所在地>独立行政法人酒類総合研究所 〒 739-0021 広島県東広島市鏡山 3-7-1 <略歴>平成 10 年鳥取大学大学院連合農学研究科博士課程修了(博士 (農学)),同年日本学術振興会特別研究員(この間, 平成 11 ~ 12 年シドニー大学に留学),平成 13 年山口 大学大学院医学研究科助手,平成 16 年独立行政法人 酒類総合研究所,現在に至る。<抱負>若い人や女性 がお酒に興味を持ってもらえるきっかけを作りたいで す。 境 雅子< Masako sakai> 昭和 32 年 4 月生まれ<勤務先と所在地>熊本大学大 学院自然科学研究科 〒 860-8555 熊本市中央区黒髪 2-39-1 <略歴>昭和 55 年お茶の水女子大学理学部化 学科卒業,平成 19 年放送大学大学院修士課程修了 (高等学校理科講師のかたわら放送大学で学ぶ),平成 21年熊本大学大学院自然科学研究科博士後期課程入 学,平成 26 年熊本大学大学院自然科学研究科博士後 期課程修了,現在に至る。<抱負>次の世代のために, 与えられた時間を大切にして研究を行いたいと思いま す。<趣味>絵画鑑賞,読書,散歩 森村 茂< Shigeru mOrimura> 昭和 32 年 2 月 26 日生まれ<勤務先と所在地>熊本大 学大学院自然科学研究科 〒 860-8555 熊本市中央区 黒髪 2-39-1 <略歴>昭和 55 年大阪大学工学部醗酵工 学科卒業,平成元年熊本大学助手,平成 14 年熊本大 学准教授,現在に至る。<抱負>微生物の不思議な世 界についてもっと知りたい。<趣味>これ以上の体重 増加を防ぐべく愛犬との散歩を楽しんでいる。 執筆者紹介(順不同・敬称略) ────────────────────────────────────

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