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Academic year: 2021

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(1)

凝縮式粒子計数器(CPC)の校正手順

桜井 博 産業技術総合研究所 計測標準研究部門 1. 適用範囲

この文書は、凝縮式粒子計数器(Condensation Particle Counter)の校正手順を記述したものであ る。 注 1 NEDO ナノ粒子特性評価プロジェクトにおいて行う CPC 校正は、産総研・計測標準研究部 門における CPC 校正の依頼試験サービスと同一の内容である。CPC 校正業務には品質管理システ ムが確立されており、校正に関する各種マニュアルがすでに整備されている。以下の文書は、CPC 校正に関する品質管理マニュアルのうち、技術的に重要な部分を抜粋したものである。 注 2 校正業務では校正証明書を発行するが、プロジェクト内で行った校正では結果の報告書を 作成する。 2. 校正原理 気中粒子濃度校正用エアロゾル・エレクトロメータ一次標準器と校正対象 CPC とで気中粒子数 濃度の並行測定を行い、エアロゾル・エレクトロメータ一次標準器の測定値から推定される CPC サンプル吸入口における濃度CNと、CPC の示す濃度C ′ とを比較し、校正を行う。また、校正対N 象 CPC の検出効率ηをこれらの比C ′N/ CNとして算出し、校正結果として報告する。 比較測定は、粒子発生設備により発生した校正用粒子を上記 2 台の装置で同時に計測すること で行う。図 1 にエアロゾル・エレクトロメータ一次標準器を用いた気中粒子数濃度測定のブロッ ク図を示す。 産総研 一次標準 計測器 校正対象 計測器 粒子発生 設備 図 1 エアロゾル・エレクトロメータ一次標準器を用いた CPC 校正のブロック図 エアロゾル・エレクトロメータ一次標準器はファラデーカップ・エアロゾル・エレクトロメー タであり、その吸入口における粒子数濃度CN0の算出は、以下の式により行う。 F N0 η zeQ I C = (1) ここで I は電流、z は粒子の平均帯電価数、e は電気素量、Q はサンプル流量、ηFはファラデー カップ係数と呼んでいる補正係数である。

(2)

一次標準器の吸入口濃度CN0から校正対象器物の吸入口濃度CNを算出するため、分流での濃 度の偏りを定量的に調べ、その補正を行う。 χ / 0 N N C C = (2) ここでχは実験により求めた分流での濃度の偏りに対する補正係数である。 粒子発生設備は、粒径が揃い、+1 価に帯電し、濃度が一定で、化学組成が既知である校正用粒 子を発生する。校正に用いる粒子の粒径および濃度は校正依頼者が指定する。粒子の化学組成に ついても、30 nm~200 nm ではポリスチレン粒子、10 nm~約 100 nm ではポリアルファオレフィ ン(PAO)またはショ糖から、校正依頼者が指定する。 エアロゾル・エレクトロメータの電流やサンプル流量の測定は気温による影響を受けるため、 測定の精度を確保するため校正室の環境条件を定め、さらに恒温容器内に一次標準器を設置して 校正測定を行っている。 3 CPC 校正のための気中粒子数濃度測定装置の構成 図 2 に CPC 校正用気中粒子数濃度測定装置の概要図を示す。 気圧・ 温度 ファラデーカップ 微小電流計 体積流量計 AE一次標準器用 流量制御器 気圧・温度計 恒温チャンバー 温度制御装置 エレクトロスプレー式 粒子発生器 エアロゾル 電荷中和器 微分型電気移動度 分析器(大粒径用) (小粒径用) DMA制御器 モニター用CPC 圧力調節器 粒子混合器 分流器 流量調整器 一次希釈器 二次希釈器用 流量制御器 校正測定制御 プログラム 流量記録 プログラム 微小電流計初期化 プログラム 粒径分布および個数 濃度測定プログラム MFC制御プログラム モニターCPC濃度 記録プログラム データ解析前半用 Excelテンプレート データ解析後半用 Excelテンプレート 粒子 電流 粒子 粒子 粒子 粒子 粒子 粒子 粒子 粒子 粒子 空気 空気 流量値 初期化 命令 電圧・シース流量 圧縮空気 圧縮空気 温調された 空気 制御 命令 濃度値 濃度値 管理用標準AE 制御命令 電流値 気圧・温度値 濃度値 電流値 濃度値 流量値 気中粒子数濃度 制御命令 制御命令 制御 命令 粒径標準粒子 粒径校正 粒径校正 DMA粒径校正 プログラム 図 2 CPC 校正用気中粒子数濃度測定装置の概要 4. 校正手順

(3)

校正作業は、測定とデータ解析の 2 つの作業からなる。 測定は、図 3 に示す順序に従って行う。 校正設備立ち上げ・暖機運転 粒子発生液の調製 流量測定 粒子発生準備と粒子発生開始 SMPSによる粒径分布測定 粒径・濃度・安定性 の確認 再調整・交換 NO +2価帯電粒子の濃度測定 YES 濃度調節 標準器と校正器物による濃度測定 他の濃度で 測定するか? YES 他の粒径・ 他の粒子種で 測定するか? NO 粒子発生液・キャピラリーの交換 YES 粒子発生器停止 NO 流量測定 翌日も測定を 継続するか? YES(翌日) 校正設備停止 測定終了 NO 1-2 1-3 1-4 1-5 1-6 1-8 1-7 1-9 1-10 1-11 1-12 1-14 1-13 1-15 1-16 1-17 1-18 校正器物の設置 1-1 図 3 測定のフローチャート 1) 測定 1-1) 校正対象 CPC の設置

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1-2) 校正用設備の立ち上げと暖機運転

校正用設備の各機器を起動させる。校正用設備内の温度・湿度等を記録するプログラム 「LabMon61.vi」を起動する。プログラム「061120 6430 Current Init.vi」を実行して微小電流計 の初期化を行う。 少なくとも 4 時間の暖機運転を行う。 1-3) 粒子発生液の調整 校正目的に基づいて適宜粒子種を選定し、校正条件を満たす粒径と粒子濃度を発生可能な粒 子発生液を調整する。 1-4) 流量測定 体積流量計を用いて被校正装置の流量を測定し、記録する。 1-5) 粒子発生準備と粒子発生開始 粒子発生器で使用するキャピラリーは、粒子種に応じて異なる径のものを装着する。PSL 粒 子の場合には内径 40 μm のものを用い、ショ糖と PAO の場合は内径 25 μm のものを用いる。 粒子発生器の空気流量を 1 L/min、送液圧力を 26 kPa(圧力計表示は 3.7 psi)となるよう調 節する。

発生器にバッファー液を入れ、キャピラリー内部の洗浄を 3 分間行ったあと、粒子発生液に 交換する。

コーンジェットモードでの粒子発生となるように電圧を調節する。 1-6) SMPS による粒径分布測定

Aerosol Instrument Manager プログラム「Aim.exe」を起動し、粒子発生器の発生する粒子の 粒径と濃度を SMPS 測定する。測定データをファイル名「YYMMDD.S80」(YY は西暦下 2 桁、 MM は月 2 桁、DD は日 2 桁)として保存する。

1-7) 粒径・濃度・安定性の確認

上記 1-6 での SMPS 測定の結果において、モード粒径が目標値の±4 %以内であることを確認 する。

DMA の設定を校正粒径に合わせる。プログラム「060921 OPC+CPC Conc Read.vi」を起動し、 モニター用 CPC の粒子濃度を画面表示させ、濃度が安定しているか確認する。 粒子発生器の電流表示値とテイラーコーンの形状が安定していることを確認する。 1-8) 再調整・交換 上記 1-7 において粒径・濃度・安定性のいずれかに問題が見つかった場合には、以下の措置 を行う。 ・ エレクトロスプレーの電圧を再調節する。 ・ キャピラリーの再洗浄または新品との交換を行う。 ・ 粒子発生液を作り直す。 ・ 粒子発生器を清掃する。 このあと 1-6 と 1-7 の確認を繰り返す。 1-9) +2 価帯電粒子の濃度測定

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DMA を校正粒径に合わせ、モニター用 CPC の濃度値を記録する。このときの DMA 印加電 圧 V を記録する。 DMA の印加電圧を 2・V に合わせ、モニター用 CPC の濃度値を記録する。 1-10) 濃度調節 モニター用 CPC の表示濃度が校正濃度の+10 %の値になるよう、一次・二次希釈器を用いて 調節する。 1-11) 標準器と校正対象 CPC による濃度測定

プログラム「070328a DMA ON OFF scheduler for AE13+RION.vi」を起動する。校正粒径に相 当する電圧 V の数値を入力する。 校正対象 CPC のデータ取り込み用プログラムを起動する。測定間隔を 1 秒、測定長さを 21 分に設定する。ファイル名「YYMMDD.拡張子」(拡張子は校正対象 CPC による)データを保 存する。 これら 2 つのプログラムを同時に実行し、2 つの計測器による濃度測定値をファイルに記録 する。標準器の電流データは測定開始時刻(YYMMDDHHMMSS.d30)のファイル名が自動的 に付与されてコンピュータに保存される。 1-12) 他の濃度での測定 同じ粒子種・粒径のまま、濃度のみを変えて校正測定を続ける場合には、上記手順 1-10 に 戻る。 1-13) 他の粒径・他の粒子種での測定 異なる粒径や、異なる粒子種で校正測定を続ける場合には、手順 1-14 に進む。校正測定を 終える場合には手順 1-15 に進む。 1-14) 粒子発生液・キャピラリーの交換 粒子発生器の粒子発生液とキャピラリーを交換し、手順 1-5 に戻る。 1-15) 粒子発生器停止 エレクトロスプレーのキャピラリーを洗浄する。電圧、送液圧力、空気流量をゼロにする。 1-16) 流量測定 手順 1-4 と同様に、体積流量計を用いて被校正装置の流量を測定し、記録する。 1-17) 粒子用設備停止 校正用設備の各機器を停止する。 2) データ解析 2-1) 解析前半 測定データを測定日ごとに解析する。 2-1-1)産総研一次標準データ解析 校正時に記録した微小電流計による電流データ、体積流量計による流量データ、気圧・温度 計による気圧と温度のデータのそれぞれのファイルを取り出し、データ解析前半用 Excel テン

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プレートの所定のシートに貼り付け、エアロゾル・エレクトロメータ一次標準器による気中粒 子数濃度を算出する。 2-1-2)校正対象 CPC のデータ解析 校正時に CPC が記録した気中粒子数濃度データのファイルを取り出し、2-1-1 で使用したフ ァイルの所定のシートに貼り付ける。 2-1-3)モニターCPC データ解析 校正時にモニターCPC が記録した気中粒子数濃度データのファイルを取り出し、2-1-2 で使 用したファイルの所定のシートに貼り付ける。 2-2) 解析後半 2-1 において測定日ごとに解析したデータを 1 つのファイルに統合する。 2-2-1)解析前半データを全日分まとめる 各測定日に対して 2-1-3 で作成したファイルの該当する箇所からエアロゾル・エレクトロメ ータ一次標準器、校正対象 CPC、モニターCPC により測定された気中粒子数濃度値をそれぞ れ取り出し、データ解析後半用 Excel テンプレートの所定のシートに貼り付ける。 2-2-2)産総研一次標準濃度値の補正 エアロゾル・エレクトロメータ一次標準器の粒子数濃度値に対し、検出効率、多価帯電、分 流での偏りの 3 項目についての補正を行う。 2-2-3)各校正条件ごとに 10 回繰り返し分のデータを選別 エアロゾル・エレクトロメータ一次標準器の測定データにおいて大きなノイズが見られた場 合、粒子発生器に顕著な濃度の変動が見られた場合、校正対象 CPC 測定値のコンピュータへ の取り込みにおいて不具合が見られた場合、粒子数濃度が目標値から大きくはずれた場合の測 定データを除外した上で、10 回繰り返し分の測定データを選別する。 2-2-4)校正値の計算および不確かさの算出 2-2-3 で各校正条件ごとに選別された 10 回繰り返しデータに対し、校正対象 CPC の検出効 率を算出し、さらにその平均値を算出する。それぞれの検出効率平均値に対して不確かさを推 定する。 2-2-5)校正結果報告書の作成 2-2-4 で得られた検出効率や不確かさなどを校正結果報告書に記入する。 (2009 年 5 月版)

参照

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