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あいさつ文 会員の皆さまへ 建設業においては 雇用 医療 年金保険について 法定福利費を適正に負担しない保険未加入企業が存在し 技能労働者の医療 年金など いざというときの公的保証が確保されず このことは若年入職者減少の一因となっているほか 関係法令を遵守して適性に法定福利費を負担する事業者ほど競争

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設 業 社 会 保 険 加 入 指 導 マ ニ ュ ア ル 全 国 社 会 保 険 労 務 士 会 連 合 会

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会員の皆さまへ 建設業においては、雇用、医療、年金保険について、法定福利費を適正に負 担しない保険未加入企業が存在し、技能労働者の医療、年金など、いざという ときの公的保証が確保されず、このことは若年入職者減少の一因となっている ほか、関係法令を遵守して適性に法定福利費を負担する事業者ほど競争上不利 になるという矛盾した状況が生じています。 国土交通省では、こうした状況を改善すべく、関係者を挙げて社会保険未加 入問題への対策を進め、建設業の持続的な発展に必要な人材の確保を図るとと もに、事業者間の公平で健全な競争環境を構築する必要があるとして、平成2 4年度から平成28年度の5年間の社会保険加入計画を策定し、これを建設業 担当部局及び社会保険担当部局との連携により周知・啓発するとともに、監督 指導の強化を図ることとしました。 こうした状況において、連合会といたしましては、重層下請構造等の大きな 課題を抱える建設業の社会保険未加入対策については、労働社会保険の専門家 として取組むべき問題であり、率先して建設企業への支援体制を構築すること で、建設業における社労士の関与を大きく向上させることのできる機会である と考えております。 加えて、今回の建設業における社会保険未加入対策において、社労士が積極 的に関与し、問題の解決に貢献することで、長引く不況によりコンプライアン スの軽視が進み、労働条件の低下等が目立つその他の業界においても、社会保 険未加入問題の解決の要は社労士であるとの認識が広がり、ひいては社労士に 対するニーズが一段と高まることが予想されることから、この対策に全面的に 協力することといたしますので、会員の皆さまにおかれましても、建設業の社 会保険未加入対策とその内容をご理解のうえ、特段のご協力を賜りますようお 願い申し上げます。 平成25年9月 全国社会保険労務士会連合会 会長 大西 健造

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1.建設業の社会保険未加入問題とは何か ··· 3 2.建設業の産業構造とその特徴 ··· 6 3.未加入対策は建設業法が適用される業種が対象 ··· 9 4.建設業の許可制度の解説 ··· 11

第 2 章 社会保険未加入対策の内容

1.社会保険未加入対策の内容 ··· 17 (1)許可・更新書面へ保険加入書類の添付義務 ··· 18 (2)経営事項審査における保険未加入業者の減点幅の拡大 ··· 20 (3)特定建設業者の下請指導義務 ··· 25 (4)施工体制台帳への保険加入状況の記載が義務化 ··· 28 (5)再下請通知書による保険加入状況のチェック ··· 31 (6)元請企業の役割と責任 ··· 35 (7)下請企業の役割と責任 ··· 38 (8)法定福利費の適正な負担義務 ··· 40 (9)不良・不適格業者の排除 ··· 42 (10)許可行政庁による指導・監督 ··· 44 (11)相互通報制度の設置 ··· 47 2.国土交通省から社労士会への協力依頼と社労士会の対応 ··· 49 (1)国土交通省への協力の背景 ··· 49 (2)連合会の国土交通省への協力状況 ··· 49 (3)建設業の労務管理向上にむけた連合会の取組み ··· 51 3.助成金の活用について ··· 53

第 3 章 建設業者等への指導のポイント

1.建設業の働き方の特徴 ··· 57 2.労働者・事業者の選別の必要性 ··· 59 3.労働者・請負人判断のチェックポイント ··· 60 4.労働者と判断された者への対応 ··· 63 5.請負人と判断された者への対応 ··· 65 6.契約の違いと特徴 ··· 68 7.働き方の違いと特徴 ··· 71

第4章 不法行為とペナルティー

1.建設業法違反と監督処分 ··· 75 2.違法就労とペナルティー ··· 77 (1)偽装請負 ··· 78 (2)偽装派遣 ··· 80 (3)偽装委託 ··· 82

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<1> 許可申請書添付書類「健康保険等の加入状況」 ··· 89 <2> 許可申請に必要となる書類の一覧 ··· 90 <3> 社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン ··· 92 <4> 建設業における労働者・請負人の判断 ··· 103 建設業社会保険加入指導マニュアル 発行日 平成 25 年9月1日 著 者 木田 修(東京会) 発行者 全国社会保険労務士会連合会

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建設業の保険未加入問題と

直面する課題

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1.建設業の社会保険未加入問題とは何か

建設業はいま、公共投資の急激な減少により需給のバランスが崩れ、過剰供 給構造の中で激しい受注競争が繰り広げられており、かつてない厳しい経営状 況に直面しているといわれています。 こうした状況を背景に、国土交通省の建設産業戦略会議が「建設産業の再生 と発展のための方策 2011」として取りまとめた提言のなかに、建設業の社会保 険未加入問題があります。それによれば、建設業では下請企業を中心に健康保 険、厚生年金保険、雇用保険の各保険(以下「社会保険」といいます。)への未 加入によって、法定福利費(※①)を適切に負担しない企業が多数存在し、こ のことは技能労働者の処遇を低下させ、若年入職者の減少の一因となっている と指摘されています。 (※①)法定福利費 事業者が法律上当然に負担しなければならない労働者のための福利費用で、一般には「健 康保険、厚生年金保険、介護保険、労災保険、雇用保険」の 5 つの保険制度をいう。法定 福利費は産業や業種を問わず、社会保険が適用されるすべての事業所とその従業員が義務 的に負担しなければならない費用である。 「建設産業の再生と発展のための方策 2011」における提言(要旨・抜粋) 1.建設産業の現状について 建設業は近年の建設投資の急激かつ大幅な減少等により過剰供給構造にあり、受 注競争の激化等によってかつてない厳しい状況に直面している。とくに地域におい ては、地域社会を支えてきた建設企業が疲弊し、これまで担ってきた災害対応等の 機能の維持が困難となり、災害対応空白地帯が発生する等の問題が指摘されてい る。また、労働環境の悪化等により、若年者の入職が減少し、建設生産を支える技 能・技術の承継が困難になっている。さらに、建設投資の減少に伴う工事原価の圧 縮等により、技能労働者の雇用環境の悪化が進んでおり、これが若年入職者の減少 と就業者の高齢化の一因となっていると考えられ、将来的な技能労働者の不足や、 建設生産を支える技能・技術が承継できないといった問題が生じている。 2.建設産業が直面する課題 建設業においては、下請企業を中心に、慣習的に技能者を直用、準直用などと呼 ぶ不明確な関係で使用し、関係法令により義務付けられている社会保険・労働保険 (以下「社会保険等」という。)のうち、特に年金、医療、雇用保険について、企

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業として未加入、一部労働者の未加入など、法定福利費を適正に負担しない保険未 加入企業が存在している。 社会保険等の未加入は、技能労働者の処遇を低下させ、若年入職者減少の一因と なっている。また、保険未加入企業の存在により、適正に法定福利費を負担し、人 材育成を行っている企業ほどコスト高となり、競争上は不利になるという矛盾した 状況が生じている。このため、保険未加入企業の排除に向けた取組みにより、建設 産業の持続的な発展に必要な人材の確保を図るとともに、企業間の健全な競争環境 を構築する必要がある。 3.技能労働者の雇用環境の悪化 技能労働者は、工事現場における建設生産の担い手であり、要である。しかしな がら、技能労働者の過不足状況をみると、平成 20 年以降は過剰傾向にあるものの、 高齢化が進む一方で若年労働者が減少しており、将来的には技能労働者の不足が見 込まれている。建設企業は、建設投資の減少に伴い売上高が減少する中で、企業経 営を成り立たせるため、技能労働者の非正社員化・非常勤化、日給月給制等への転 換等を行うことで、労務費や外注費等の工事原価を縮減してきたと推察される。そ の結果、労務費が変動費化し、賃金の低下等、技能労働者の雇用環境の悪化が進ん だことが、若年入職者の減少と就業者の高齢化の一因となっていると考えられる。 「建設産業の再生と発展のための方策 2011」では、社会保険未加入問題につ いて「関係者一体となった取組みが必要であり、建設産業全体としての枠組み を整備し、行政、元請企業及び下請企業が一体となって取組んでいくことが必 要である。」として、次のような取組みの方向を示しています。 「建設産業の再生と発展のための方策 2011」における提言(要旨・抜粋) 1.行政における取組み 行政においては、建設産業行政担当部局が、社会保険等担当部局における加入徹 底の取組みと連携して、建設産業の健全な発展を促進する観点から、指導監督して いく枠組みが必要である。具体的には、建設業許可更新時、経営事項審査時及び立 入検査時における保険加入状況のチェックや監督指導を行い、未加入企業をなくし ていく取組みを行うべきである。 2.元請企業における取組み 社会保険未加入対策への取組みの方向

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元請企業においては、下請企業を中心に保険未加入企業が存在している状況を改 善していくため、建設工事の施工及び労働者の使用に関する法令についての指導責 任の一環として、下請企業の保険加入を指導する枠組みが必要である。 具体的には、特定建設業者による下請指導責任及び下請指導内容を明示し、元請 企業が、施工体制台帳、作業員名簿等により、下請企業や建設現場の各労働者の保 険加入状況をチェック・指導し、保険未加入企業を排除していく仕組みを行うべき である。また、行政においては、これら元請企業による下請指導状況をチェックし ていくことにより、実効性を確保していくべきである。 3.下請企業における取組み 下請企業においては、現場就労者について、雇用関係にある社員と請負関係にあ る者の二者を明確に区別した上で、雇用関係にある社員についての保険加入を徹底 すべきである。また、請負関係にある者については、再下請通知書を活用して保険 加入状況をチェックすることにより、保険未加入企業を排除していく取組みを行う べきである。 その際、労働者単位の加入状況のチェックを効率的に行うため、建設産業団体に おいて労働者の保険加入状況をITを活用してチェックする方策など、効率化のた めの方策を講ずべきである。 4.派生する課題への対応 保険未加入企業の排除方策の実施に伴い、法定福利費の事業主負担分の支払い又 は抑止のため、労働者の賃金へのしわ寄せやいわゆる一人親方の増加が懸念される ところである。このため、法定福利費については、発注者が負担する工事価格に含 まれる経費であることを周知徹底するとともに、個別の請負契約の当事者間におい て見積時から適正に考慮するよう徹底していくなど、下請企業まで適正に流れてい く方策を講じていく必要がある。また、建設業における請負契約及び雇用に関する ルールの徹底など重層下請構造の是正方策を併せて実施していく必要がある。 5.進め方 専門工事業の実態、職種によっては、保険加入状況と目指すべき姿にギャップが ることから、排除方策の全体像を示した上で、1 年程度の周知・啓発期間を設け、 行政・元請企業・下請企業が一体となって、保険加入の促進に向けた機運を醸成す る体制を整備する必要がある。周知・啓発期間の終了後、速やかに大規模工事から 行政によるチェックの徹底を進め、その範囲を順次拡大していくことで、実施後 5 年を目途に、企業単位では加入義務のある許可業者について加入率 100%、労働者 単位では製造業相当の加入状況を目指すべきである。

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2.建設業の産業構造とその特徴

社会保険労務士が建設業の社会保険未加入対策に関与し、協力していくため には、建設業の産業構造や現状についての一定の知識が必要となります。 このため、建設業の産業構造の特徴や建設業が抱える問題等について解説し ます。 建設業は、我が国の「道路、鉄道、港湾、空港、電話通信、上下水道、病院、 公園、学校、公共住宅」等、経済活動の基盤となる社会資本の整備を担う重要 な産業と位置づけられています。 しかし、建設業は資本金別に見ると 3 億円未満の中小企業者が全体の 99.4% を占め、個人事業者の割合が 20%に達するといわれています。そして建設業に は産業構造上の次のような特色があります。 □受注生産であること 建設工事は、建売住宅など一部の建設工事を除き、注文者から依頼を受け てはじめて工事に取りかかる受注生産であるため、あらかじめ需要を予測し た見込み生産ができない。 □個別生産であること 建設工事は、注文者の利用目的や好みなどによって一つひとつ形や大きさ が異なり大量生産ができない。 □移動生産であること 建設工事は、注文者の指定した場所において行われるため、一つの工事が終れ ば、また次の注文者の指定した場所に仕事の場所が変わる移動生産である。 □屋外生産であること 建設工事は、その大部分が屋外で行われるため、天候や気象条件に左右さ れ、計画的な生産や日程の調整が難しく、労働者の管理が難しい。 □総合生産であること 建設工事は元請、下請、専門工事業者など多数の事業者の協力によって行 われる。 建設業は、こうした生産構造の特徴だけでなく、「公共工事と民間工事」「土 木工事と建築工事」「競争入札と随意契約」「単独工事と共同企業体」「総合建設 業者と専門建設業者」「元請負人と下請負人」「重層下請構造」等、非常に複雑 で、他の産業には類を見ない構造で成り立っています。 建設業の産業構造の特徴

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建設業許可業者数は、平成 11 年度のピーク時と比較して 17%程度の減少にと どまっています。これは建設投資の減少に比べ企業数はそれほど減少していな いこと、競争が激化し営業利益率が全産業に比べ低迷していること、販管費負 担が重くなっていること等を考えれば、建設産業は企業数としては過剰になっ ていると判断することができます。 ☆建設業者数 平成 11 年 平成 24 年 60 万1千社 48 万 4 千社 (出典)建設産業の再生と発展のための方策 2011「建設産業の現状に関する定量分析」 建設業が他の産業には類を見ない独特の生産構造を持つ産業であることは広 く知られているところです。 建設業の歴史は古く、8 世紀後半から手間請負という請負方式にはじまり、17 世紀半ばごろから神社仏閣の建設を一手に引受ける建設一式工事の請負方式が 始まったと伝えられています。そして、当時のなごりである建設業の仕事に携 わる者は請負人という考え方が近年まで引継がれてきたため、今日においても 建設業に従事する人々を労働者として雇い入れ、労務管理を行うという習慣に はなじみ難い構造が随所に見受けられます。 建設業は、こうした独特の産業構造により、従来から労務管理体制の脆弱さ が指摘されていたところですが、このたびの社会保険未加入対策を契機に、労 務管理体制の改善が迫られているところです。 建設業は、就業者数、雇用者数ともに全産業の1割近くを占め、我が国の社 会資本の整備を担う重要な産業と位置づけられていますが、その実態は、中小 零細企業が圧倒的に多く、雇用環境においても臨時、日雇いといった不安定な 雇用形態の労働者が多く、その生産構造も重層的な下請制度であることから、 労務管理上の多くの問題を抱えています。 建設労働者数は平成 9 年に 685 万人であったものが、現在は 497 万人とすべ ての世代で減少を続けています。とくに将来の建設業を担う 20 代の者も 10 年 前に比べて 50~60 万人が減少したといわれています。一方、建設労働者の高齢 建設業の就労構造について 建設業者数について 建設労働者数について

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化が進み 55 歳以上の者が全体の 33%強と高齢化の進行が鮮明になっています。 また、近年、東日本大震災の復興に従事する労働者をはじめ、建設業全体に わたって労働者不足が深刻な問題に発展しつつあります。 ☆建設労働者数 平成 4 年 平成 23 年 減少数(率) 就業者総数 619 万人 497 万人 122 万人(20%) 技術者数 36 万人 30 万人 6 万人(17%) 技能労働者数 408 万人 316 万人 92 万人(23%) ☆建設労働者の離職の理由 (1)収入が少ないから (2)仕事がきついから (3)作業環境が悪いから(3K 等) (4)休日が少ないから (5)身分が保証されないから ☆建設業からの 3 年以内の離職率 高卒者 大卒者 43.7%(製造業 24.4%) 27.6%(製造業 15.6%) ☆社会保険加入状況(平成21 年度) 保険制度名 建設業 製造業 雇用保険 61.0% 92.6% 健康保険(協会けんぽ) 42.9% 39.1% 厚生年金保険 61.9% 87.1% ☆建設労働者の年齢構成(平成 22 年) 55 歳以上の者の割合(全産業平均) 29 歳以下の者の割合(全産業平均) 33.1%(28.5%) 11.6%(17.5%) (出典)国土交通省・総務省労働力調査・厚生労働省雇用動向調査・その他

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3.未加入対策は建設業法が適用される業種が対象

建設業の社会保険未加入対策への対応に当たって、対象となるのは建設業法 が適用される業種とされています。このため、社会保険加入手続においては建 設業の事業に該当する業種か否かの判断が必要になります。 その判断に当たっては次の基準を参考にしてください。 建設業法では、建設業とは「元請、下請その他いかなる名義をもってするか を問わず、建設工事の完成を請負う営業をいう」と定義し、建設業者とは「建 設業の許可を受けて建設業を営む者」とされています。また建設工事とは「土 木建築に関する工事で「別表 1」に掲げるものをいう」とされています。 したがって、これらのすべてに該当する建設業を営む者(※②)が社会保険 未加入対策の対象になります。 ☆別表1 (※②)建設業を営む者 建設業を営む者とは、建設業の許可業者及び許可を必要としない軽微な建設工事のみを 請負うことを営業とする者、その他の無許可営業者を含むすべての者の総称。“建設業者” という場合は建設業の許可を受けた者のみを指す。 建設業法では、上記 28 業種の建設工事に該当する者であっても、政令で定め る軽微な建設工事のみを請負うことを営業とする者(※③)は、建設業の許可 建設工事の種類 1. 土 木 一 式 工 事 2. 建 築 一 式 工 事 3. 大 工 工 事 4. 左 官 工 事 5. と び ・ 土 工 ・ コ ン ク リ ー ト 工 事 6. 石 工 事 7. 屋 根 工 事 8. 電 気 工 事 9. 管 工 事 10. タ イ ル ・ れ ん が ・ ブ ロ ッ ク 工 事 11. 鋼 構 造 物 工 事 12. 鉄 筋 工 事 13. ほ 装 工 事 14. しゅんせつ工事 15. 板 金 工 事 16. ガ ラ ス 工 事 17. 塗 装 工 事 18. 防 水 工 事 19. 内 装 仕 上 工 事 20. 機械器具設置工事 21. 熱 絶 縁 工 事 22. 電 気 通 信 工 事 23. 造 園 工 事 24. さ く 井 工 事 25. 建 具 工 事 26. 水 道 施 設 工 事 27. 消 防 施 設 工 事 28. 清 掃 施 設 工 事 建設業法が適用される業種 軽微な建設工事のみを請負う者にも適用

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を必要としておりません。しかし、建設業の社会保険未加入対策では、建設業 の許可を必要としない軽微な建設工事のみを請負うことを営業とする者であっ ても例外とは認められていません。 (※③)許可を必要としない(政令で定める軽微な)建設工事 工事 1 件の請負代金の額が建築一式工事にあっては千五百万円に満たない工事又は延べ 面積が 150 ㎡に満たない木造住宅工事、建築一式工事以外の建設工事にあっては五百万円 に満たない工事とする。 建設業に関連する仕事であっても、「別表2」に掲げる業種は建設業法の適用 外業務であるため、社会保険未加入対策の対象業種とはなりません。ただし、 これらの業種であっても、兼業として建設業法に基づいた事業(請負)が行わ れている場合、又は国土交通省の直轄工事、地方自治体、公共工事の発注機関 等において独自の基準が設けられた場合においては適用業種と見なされる場合 がありますので、その際には設定された基準に従わなければなりません。 ☆別表2 建設工事の種類 ① 建 築 士 事 務 所 ② 測 量 会 社 ③ 設 計 事 務 所 ④ 土 質 調 査 会 社 ⑤ 残 土 運 搬 会 社 ⑥ 生コン運搬業者 ⑦ 工 事 現 場 を ガ ー ド す る 警 備 会 社 ⑧ 工事現場周辺の交通整理を行う事業者 ⑨ 土 木 ・ 建 設 機 械 等 の リ ー ス 会 社 ⑩ 重機の運搬業者 ⑪ 河 川 工 事 に お け る 警 備 船 業 務 ⑫ 家 屋 調 査 ⑬ ボーリング調査会社 ⑭ 土 壌 分 析 会 社 ⑮ 建設資材の納入業者 ⑯ 仮設材のリース業者 建設業に該当しない業種は適用除外

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4.建設業の許可制度の解説

建設業の許可は建設業者の「施工能力、技術力、資力、信頼性」等を審査す ることにより、一定の基準を満たした者だけに与えられる制度です。 建設業の許可は「都道府県知事許可(以下「知事許可」という。)」と「国土 交通大臣許可(以下「大臣許可」という。)」に区分されています。建設業を営 もうとする者は軽微な建設工事のみを請負うことを営業とする者を除き、その どちらかの許可を受けなければなりません。 知事許可と大臣許可の違いは、一つの都道府県内だけに営業所を設けて営業 しようとする場合は都道府県知事の許可、他の都道府県にも営業所を置いて営 業しようとする場合は国土交通大臣許可となります。 大臣許可と知事許可の区分は、行政庁の許可事務の執行又は監督上の便宜に より分けられたもので、法律上の効果はまったく同一です。そして営業できる 区域や建設工事の施工区域についての制限もありません。したがって、知事許 可業者も大臣許可業者も原則として日本国中どの地域であっても建設工事を行 うことができます。 建設業の許可は、「一般建設業」と「特定建設業」に区分して与えられます。 建設業を営もうとする者のうち、発注者から直接請負った建設工事 1 件につき、 その下請代金の合計額が3千万円(建築一式工事は 4 千5百万円)以上となる 下請契約を締結しようとする者は、特定建設業の許可を受けなければなりませ ん。これに該当しない元請業者や、元請から工事を請負うことを専門にしてい る下請業者等は、請負代金の額にかかわらず一般建設業の許可でよいことにな ります。 特定建設業 発注者(施主)から直接請負った建設工事 1 件につき、そ の下請代金の合計額が3千万円(建築一式工事は 4 千5百万 円)以上となる下請契約を締結する場合は、特定建設業の許 可を受けなければならない。 一般建設業 上記以外の場合は、請負代金の額にかかわらず一般建設業 の許可を受けなければならない。 大臣許可と知事許可の違い 特定建設業と一般建設業の違い

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建設業の許可は、特定建設業の許可又は一般建設業の許可を問わず、次表の とおり 28 種の建設工事の種類に分類されており、建設業を営もうとする者はそ れぞれ請負おうとする建設業について許可を受けなければなりません。 許可は一の建設業者が同時に二以上を受けることは差し支えなく、許可を受 けた後に追加の許可を受け、又は一部の許可業種を廃止することも自由です。 建設業の許可の有効期間は 5 年とし、有効期間が満了すれば許可は自動的に その効力を失います。許可の満了後も引続き建設業を営もうとする者は、許可 の効力を失う日の 30 日前までに許可の更新手続を行わなければなりません。 建設業の許可を受けるためには、次に掲げる 5 つの条件をクリアしなければ なりません。このうちの一つでも要件を満たさない項目があれば許可は与えら れません。(建設業法第7条) 1.経営業務の管理責任者がいること 建設業の経営は他の産業の経営とは著しく異なった特徴を有しているため、適正な建 設業の経営を期待するためには、建設業の経営業務について一定期間の経験を有した者 が最低でも1人は必要であると判断され、この要件が定められました。 許可を受けようとする者が法人である場合には常勤の役員のうちの1人が、個人であ る場合には本人または支配人のうちの1人が次のいずれかに該当することが必要であ 建設業の許可業種の種類 1. 土 木 一 式 工 事 2. 建 築 一 式 工 事 3. 大 工 工 事 4. 左 官 工 事 5. と び ・ 土 工 ・ コ ン ク リ ー ト 工 事 6. 石 工 事 7. 屋 根 工 事 8. 電 気 工 事 9. 管 工 事 10. タ イ ル ・ れ ん が ・ ブ ロ ッ ク 工 事 11. 鋼 構 造 物 工 事 12. 鉄 筋 工 事 13. ほ 装 工 事 14. しゅんせつ工事 15. 板 金 工 事 16. ガ ラ ス 工 事 17. 塗 装 工 事 18. 防 水 工 事 19. 内 装 仕 上 工 事 20. 機械器具設置工事 21. 熱 絶 縁 工 事 22. 電 気 通 信 工 事 23. 造 園 工 事 24. さ く 井 工 事 25. 建 具 工 事 26. 水 道 施 設 工 事 27. 消 防 施 設 工 事 28. 清 掃 施 設 工 事 建設業の許可業種は 28 種類ある 許可の有効期間は 5 年間 許可を受けるための 5 つの条件

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り、これらの者を経営業務の管理責任者といいます。 ① 許可を受けようとする建設業に関し、5年以上経営業務の管理責任者としての経験 を有していること。 ② 許可を受けようとする建設業以外の建設業に関し、7年以上経営業務の管理責任者 としての経験を有していること。 ③ 許可を受けようとする建設業に関し、経営業務の管理責任者に準ずる地位にあって 次のいずれかの経験を有していること。 (a)経営業務管理の執行に関して、取締役会の決議を経て取締役会又は代表取締役 から具体的な権限委譲を受け、かつ、その権限に基づき、執行役員等として 5 年以上建設業の経営業務を総合的に管理した経験 (b)7年以上経営業務を補佐した経験 2.専任の技術者が営業所に常勤していること 建設工事に関する請負契約の適正な締結、履行を確保するためには、許可を受けよう とする建設業に係る建設工事についての専門的知識が必要になります。見積、入札、請 負契約締結等の建設業に関する営業は各営業所で行われることから、営業所ごとに許可 を受けようとする建設業に関して、一定の資格または経験を有した者(専任技術者)を 設置することが必要です。 また、この専任技術者は、許可を受けようとする建設業が一般建設業であるか特定建 設業であるか、また建設業の種類により、それぞれ必要な資格等が異なります。 3.請負に関し誠実性を有していること 請負契約に関し、役員、個人事業主、支配人、支店長、営業所長等が不正行為又は不 誠実な行為をするおそれが明らかではないこと。 4.請負契約を履行するに足りる財産的な基礎又は金銭的な信用を有していること 建設工事を着手するに当たっては、資材の購入及び労働者の確保、機械器具等の購入 など、一定の準備資金が必要になります。また、営業活動を行うに当たってもある程度 の資金を確保していることが必要です。このため、建設業の許可が必要となる規模の工 事を請け負うことが可能となるだけの財産的基礎等を有していることを許可の要件とし ています。 さらに、特定建設業の許可を受けようとする場合は、この財産的基礎等の要件を一般 建設業よりも加重しています。これは、特定建設業者は多くの下請負人を使用して工事 を施工することが一般的であること、特に健全な経営が要請されること、また、発注者 から請負代金の支払いを受けていない場合であっても下請負人には工事の目的物の引渡 しの申し出がなされてから50日以内に下請代金を支払う義務が課せられていること等 の理由からです。 《一般建設業の許可を受けようとする場合》 次のいずれかに該当すること。 ① 自己資本が500万円以上であること ② 500万円以上の資金調達能力を有すること ③ 許可申請直前の過去5年間許可を受けて継続して営業した実績を有すること 《特定建設業の許可を受けようとする場合》 次のすべてに該当すること。

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① 欠損の額が資本金の20%を超えていないこと ② 流動比率が75%以上であること ③ 資本金の額が2,000万円以上であり、かつ、自己資本の額が4,000万円以 上であること 5.欠格要件に該当しないこと 許可申請書またはその添付書類中に虚偽の記載があった場合や重要な事実に関する記 載が欠けている場合、また、許可申請者やその役員若しくは建設業法施行令第3条に規 定する使用人が欠格要件に1つでも該当する場合、許可は行われません。(建設業法第 8 条、同法第 17 条(準用)) 《欠格要件例》 ① 許可申請書又は提出書類に虚偽の記載があり、又は重要な事実の記載が欠けている 場合 ② 法人、役員、個人事業主、支配人、支店長、営業所長等が次の要件に該当したとき ・成年後見人、被補佐人又は破産者で復権を得ないもの ・不正な手段等で許可を受けたこと等により、許可を取消されて 5 年を経過しないも の ・許可の取消しを免れるために廃業の届出をしてから 5 年間を経過しないもの ・建設工事を適切に施行しなかったために公衆に危害を及ぼし又は及ぼすおそれがあ るとき。 ・請負契約に関し不誠実な行為をしたこと等により営業の停止を命ぜられ、その停止 期間が経過しないもの ・禁固以上の刑に処せられその刑の執行を終わり又は刑の執行を受けることがなくな ってから 5 年を経過しないもの ・建設業法、建築基準法、労働基準法、暴力団による不当な行為防止に関する法律の 規定に違反し刑に処せられ、その執行を受けることがなくなった日から 5 年を経過 しないもの 建設業の許可を受けるためには、建設業法で定められた書面を提出しなけれ ばなりません。(許可申請に必要となる書類の一覧は巻末の参考資料<2>参 照) 建設業の許可を受けるために必要な書類

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1.社会保険未加入対策の内容

建設産業においては、下請企業を中心に、雇用、医療、年金保険について、 法定福利費を適正に負担しない企業(すなわち保険未加入企業) が存在し、技能 労働者の医療、年金など、いざというときの公的保障が確保されず、このこと は若年入識者減少の一因となっているほか、関係法令を遵守して適正に法定福 利費を負担する事業者ほど競争上不利になるという矛盾した状況が生じていま す。 このため、国土交通省では、建設業の社会保険未加入問題に対処するため、 建設業法施行規則の一部改正をはじめ、「社会保険の加入に関する下請ガイドラ インの設置」「建設業法遵守ガイドラインの一部改正」、その他指針等の改正に より、次表のような取組みを行うことによって社会保険未加入問題に対処する こととしています。 社会保険未加入問題への対策と取組み (注)上記は社会保険未加入対策に直接関係のある項目です。 社会保険未加入問題対策に関する具体的な内容は、次ページ以降に紹介して おりますが、法令上の解釈や専門的な内容については、できるだけ専門用語を 避け、平易な用語を用いて解説を加えて紹介しています。 主な取組み 1.許可・更新書面への保険加入書類の添付義務 2.経営事項審査時の保険未加入業者に対する減点幅の拡大 3.特定建設業者の下請指導 4.施工体制台帳への保険加入状況の記載義務 5.再下請負通知書による保険加入状況のチェック 6.元請企業の責任と役割の明確化 7.下請企業の責任と役割 8.法定福利費の適正な負担義務 9.不良・不適格業者の排除 10.建設業担当部局による指導監督の強化 11.建設担当部局と社会保険担当部局との相互通報制度の設置 12.監督処分の基準の改正

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(1)許可・更新書面へ保険加入書類の添付義務

平成 24 年5月1日付で、建設業法施行規則の一部改正が行われ、平成 24 年 11 月1日から施行されたことに伴い、建設業の許可及び許可の更新申請書に、 社会保険への加入状況を確認するための添付書類として、健康保険等の加入状 況を記載した書面の提出が義務付けられました。 社会保険加入状況の確認の対象となるのは、「新規、更新、許可換え新規、般・ 特新規、業種追加」の許可の申請(以下「許可の申請等」といいます。)を行う すべての建設業者です。 建設業の許可の申請等を行おうとする者は、建設業法第6条に基づき許可申 請書に添付書面を添えて提出しなければなりません。その添付すべき書面に「健 康保険等の加入状況(巻末の参考資料<1>参照)」の確認ができる書面の添付 が義務づけられました。 1.健康保険・厚生年金保険の適用に関する確認 社会保険加入の確認は次のように行われます。 社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入を確認する建設業者は、「法人の 事業所(営業所)」及び「個人経営で常時 5 人以上の従業員を使用する事業所(営 業所)」が、適用事業所(確認対象事業所)となり、個人経営で常時使用する従 業員が4人以下の場合は適用除外となります。 (1)法人の営業所又は個人経営で常時5人以上の労働者を使用する営業所で あっても、健康保険の被保険者となるべき従業員が、年金事務所長の承 認を受けて、「全国土木建築国民健康保険組合」等の国民健康保険に加入 している場合は、「適用除外」となるので適用除外と記載すること。 (2)小規模な事業所(営業所)であるため、人事管理部門を有する本店で、 すべての保険加入の手続を行っている場合は、当該営業所については、 「保険加入の有無」の欄は、加入と記入すること。 <確認書類> 社会保険加入の確認書類は、以下の①~③のいずれか1点(写しでも可)を 提出すること。 ① 許可申請時直前の保険料納付に係わる「領収書」 許可申請時の確認と添付書面

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② 許可申請時直前の保険料納付に係わる「社会保険料納入証明書」 ③ 許可申請時直近の「健康保険・厚生年金保険資格取得確認及び標準報酬決 定通知書」 2.雇用保険の適用に関する確認 雇用保険の加入を確認する建設業者は、「労働者を一人でも雇用する事業所 (営業所)」が適用事業所(確認対象事業所)となる。常時使用する労働者が0 人の場合は「保険加入の有無」欄は適用除外となります。 <確認書類> 雇用保険の加入の確認書類は、以下の①~③のいずれか1点(写しでも可) を提出すること。 ① 許可申請時直前の「労働保険概算・確定保険料申告書」 ② ①により申告した保険料の納入に係わる「領収済通知書」 ③ 雇用保険被保険者資格取得等通知書(事業主通知用) 建設業の許可及び許可の更新にあたって、社会保険への未加入であっても不 許可扱いとはされません。ただし、許可と同時に保険加入指導文書が送付され、 一定の期間後に加入状況の報告が求められます。 その際、未加入であれば加入についての指導が行われ、指導してもなお未加 入の場合は、厚生労働省の保険担当部局に報告されることになります。(詳細は 「本章(11)相互通報制度の設置」参照のこと) 保険未加入者に対する取扱い

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(2)経営事項審査における保険未加入業者の減点幅の拡大

経営事項審査項目の一つとなっている「社会性等(労働福祉の状況)」の評価 に関しては、従来、雇用保険の加入及び届出の有無のほか、健康保険と厚生年 金保険の二つを合わせて一個の評価項目として、加入業者は加点、未加入業者 は減点の評価が行われていましたが、このたびの法改正により雇用保険、健康 保険、厚生年金保険それぞれの加入の状況について個別に加点、減点の評価が 行われることになりました。 経営事項審査の審査項目の一つである「社会性等(労働福祉の状況)」の評価 において、社会保険(雇用保険、健康保険、厚生年金保険)への未加入の場合 は、従来から減点評価が行われていましたが、平成 24 年 7 月 1 日以降、未加入 の場合の減点幅が拡大されました。 具体的には、社会保険への未加入企業の減点幅を次のように拡大して評価が 行われることになり「健康保険」、「厚生年金保険」、「雇用保険」の各項目につ いて未加入の場合は、それぞれ 40 点の減点、3 保険すべてに未加入の場合は 120 点の減点が行われます。 ☆労働福祉の状況(社会保険への未加入) 従 来(未加入) 改正後(未加入) 雇用保険 30 点減点 雇用保険 40 点減点 健康保険 厚生年金保険 30 点減点 健康保険 40 点減点 厚生年金保険 40 点減点 すでに受診した経営事項審査において、いずれの保険も「加入有」又は「適 用除外」とされている場合においては、新基準による再審査を受けた場合も総 合評定値に影響はありませんが、いずれか一つの保険について「加入無」とさ れている場合には、総合評定値が変わることになります。 発注者が、今後の競争参加資格審査において、次表のうち「影響なし」とさ れているケースについては、旧経審(改正前の評価方法)の使用を認める旨の 取扱いを行った場合、再審査の受審が必要となる建設業者は次表のうち「影響 あり」とされる企業に限定されることになっています。 保険未加入企業の減点幅の拡大 再審査の取扱いについて

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☆現行の加入の有無による改正の影響 健康保険及び厚生年金保険 加入有 加入無 適用除外 雇 用 保 険 加入有 影響なし 影響あり 影響なし 加入無 影響あり 影響あり 影響あり 適用除外 影響なし 影響あり 影響なし 経営事項審査の対象となるのは、公共性のある施設又は工作物に関する建設 工事のうち政令で定めるものを発注者から直接請負おうとする建設業者です。 公共性のある施設又は工作物に関する建設工事(公共工事)とは、次に掲げる 発注者が発注する施設又は工作物に関する建設工事とされています。 ①国、地方公共団体が発注する工事 ②公共法人等(地方公共団体を除く)が発注する工事 ただし、軽微な建設工事(建築一式工事は1千 5 百万円未満、その他の建設 工事は 5 百万円未満の工事)や物理的・経済的に影響の大きい、災害等により 必要を生じた応急の建設工事及び緊急の必要、その他やむを得ない事情により 国土交通大臣が指定する建設工事については経営事項審査の義務付の対象外と されています。

≪経営事項審査の解説≫

建設業者(許可を受けた建設業者のみ)が、公共工事の入札に参加しようと するときは、「経営の健全性・経営の規模・技術能力」等に関して、資格審査を 受けて格付けをしてもらわなければなりません。これを「経営事項審査」とい います。経営事項審査を受けなければならないのは、国や地方公共団体、公共 法人等が発注者となる公共施設などの建設工事を、発注者から直接請負おうと する建設業者です。 経営事項の審査項目は、大別して「①経営状況(売上高経常利益率など)、② 経営規模(完成工事高、自己資本額、利益額など)、③技術力(種類別技術職員 数など)、④その他の審査項目(社会性等)」となっています。 そして、「その他の審査項目(社会性等)」の審査は「①労働福祉の状況 ② 工事の安全成績 ③営業年数 ④建設業経理事務士等の数」に区分され、最高 点が 967 点となっていますが、社会保険の 3 保険に未加入の場合は評価点が 120 点減点されることとなっています。 公共性のある建設工事とは

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公共工事を発注者から直接請負おうとする建設業者は、その公共工事につい て発注者と請負契約を締結する日の 1 年7ヵ月前の日の直後の事業年度終了の 日以降に経営事項審査を受けなければなりません。したがって、公共工事につ いて発注者と請負契約を締結できるのは、経営事項審査を受けた後、その経営 事項審査の申請の直前の事業年度の終了日から1年7ヵ月の間に限られること から、毎年公共工事を発注者から直接請負おうとする建設業者は、審査基準日 から1年7ヵ月の公共工事を請け負うことができる期間に切れ目がなく継続す るよう、毎年定期に経営事項審査を受けることが必要となります。 社労士の視点①「社労士は評価点アップのお手伝いができる」 経営事項の審査項目のうち「労働福祉の状況」には 7 つの評価項目があり、それらは 加点項目と減点項目の二つに区分されています。 加点評価されるのは、「①建設業退職金共済制度加入の有無、②退職一時金制度の導入 の有無、③企業年金制度の導入の有無、④法定外労働災害補償制度加入の有無」の4つ の項目です。 一方、減点評価されるのは、「①雇用保険加入の有無、②健康保険及び厚生年金保険加 入の有無、③賃金不払の件数」の3つの項目です。 公共工事の入札に参加しようとする建設業者にとって、経営事項審査の評価点が上が ることは、それだけ大きな工事の受注につながることになるので、建設業者は評価点を 上げるために様々な努力を行っています。 労働福祉の 7 つの評価項目はすべて社労士業務につながる内容であることから、以下 の項目について社労士が適切なアドバイスを行えば、経営事項の評価点のアップに貢献 できることになります。 《加点項目のポイント》 1.建設業退職金共済制度への加入 公共工事を受注した建設業者の請負代金の中には、中小企業退職金共済法に基づく「建 設業退職金制度」へ加入するための掛金が積算されています。このため元請企業は、建 設業退職金共済事業本部の各都道府県の支部が発行する「加入・履行証明書」を提出し なければなりません。そして建設工事の施工に当たっては、下請負人の労働者を含め工 事に参加する労働者の人数分の証紙を購入し、退職金共済手帳を所持する労働者の労働 日ごとに貼付しなければなりません。 しかし、正当な理由なく共済証紙の購入の実績がない場合、又は契約の履行が劣って いる場合等契約の締結が名目的なものに過ぎない場合は契約の履行とは認められませ ん。公共工事に限らず民間工事においても退職金共済制度への加入が奨励されています ので、加入の促進を図ることによって、建設労働者の福祉の向上につながることになり ます。 2.退職一時金制度の導入 期間雇用者、試用期間中労働者その他これらに類する者を除き、原則として建設業に 従事するすべての従業員を対象とした退職一時金制度(中小企退職金共済制度等)が導 経営事項審査の有効期間

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入されている場合において、就業規則等に退職金の決定、計算及び支払の方法、退職手 当の支給期間に関する定めがある場合は退職一時金制度への加入と認められます。(常時 10 人以上の労働者を使用する場合は労働基準監督署に届出ていること。) 一方、労働協約又は就業規則等において退職手当の定めがある場合においても、著し く低額であり名目的な導入に過ぎない場合、又は全く支払が行われていない場合等につ いては導入とは認められません。社労士にはその導入の有効性についてアドバイスする 等の役割があります。 3.企業年金制度の導入 厚生年金基金の発行する加入証明書、又は適格退職年金契約の契約書により加入の確 認が行われます。社労士はこれらの証明書類の入手手続等を行うことができます。 4.法定外労働災害補償制度の導入 建設業者にとって工事の安全施工は最も重視すべき事項なので、大部分の建設業者が 建設業福祉共済団、全国建設業労災互助会、全国中小建設業共済協同組合などの法定外 保険制度に加入しています。 しかし、経営事項審査において法定外労働災害補償制度導入の確認は、以下のすべて の要件に該当することが要求されていますので、社労士はそれらの加入手続や指導等の 役割を担うことになります。 ① 業務災害と通勤災害のいずれも対象とするものであること。 直接の使用関係にある職員及び下請負人(数次の請負による場合にあっては下請負 人のすべて)の直接の使用関係にある職員のすべてを対象とするものであること。 ③ 死亡及び労災保険の障害等級 1 級から 7 級までの身体障害のすべてを対象とするこ と。ただし、業務起因性の疾病については対象から除いてもよい。 《減点項目のポイント》 雇用保険、健康保険、厚生年金保険ともに資格取得届を提出していることが条件で、 基準日までに届出を行っていない場合に減点評価されます。基準日とは、審査の申請を しようとする日の直前の営業年度の終了日をいい、審査基準日の直前の 1 年間とは、た とえば、審査基準日が平成 25 年 3 月 31 日であれば、平成 24 年 4 月 1 日から平成 25 年 3 月 31 日までの期間をいいます。 このように経営事項の審査においては、過去 1 年間の加入状況が評価の対象となりま すので注意が必要です。

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建設業法施行規則の一部を改正する省令(平成 24 年国土交通省省令 52 号) 及び建設業法第 27 条の 23 第 3 項の経営事項審査の項目及び基準を定める件の 一部を改正する告示(平成 24 年 5 月 1 日付国土交通省告示 523 号)が制定され たことを踏まえ、「経営事項審査の事務取扱いについて」(平成 20 年 1 月 31 日 付国総建第 270 号)の一部が次表のとおり改正されました。 《健康保険》 健康保険は、健康保険法(大正 11 年法律第 70 号)に基づき被保険者(常時 5 人以上の 従業員を使用する個人の事業所又は常時従業員を使用する法人の事業所に使用される者を いう。)を使用する事業主がその使用する者の異動、報酬等に関し報告等を行わなければな らないものであることから、当該事業所に使用される者が健康保険の被保険者になったこ とについて、日本年金機構又は各健康保険組合に届出を行っていない場合(被保険者資格 取得届を提出していない場合を言う。)に、減点審査をするものとする。なお、常時使用す る従業員が 4 人以下である個人事業主である場合等、上記の義務のない場合には、審査の 対象から除くものとする。 《厚生年金保険》 厚生年金保険は、厚生年金保険法(昭和 29 年法律第 105 号)に基づき被保険者(常時 5 人以上の従業員を使用する個人の事業所又は常時従業員を使用する法人の事業所に使用さ れる者をいう。)を使用する事業主がその使用する者の異動、報酬等に関し、報告等を行わ なければならないものであることから、当該事業所に使用される者が厚生年金保険の被保 険者になったことについて、日本年金機構に届出を行っていない場合(被保険者資格取得 届を提出していない場合をいう。)に減点して審査するものとする。 なお、常時使用する従業員が 4 人以下である個人事業主である場合等、上記の義務のな い場合には、審査の対象から除くものとする。 (出典)経営事項審査の事務取扱について(平成 20 年 1 月 31 日付け国総建 270 号)の一 部を改正する通知(平成 24 年 5 月 1 日国土建第 54 号) 経営事項審査の事務取扱いの一部改正

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(3)特定建設業者の下請指導義務

発注者から直接建設工事を請負った特定建設業者は、その工事の施工に参加 する下請負人が下請負に係る建設工事の施工に関し、建設業法の規定又は建設 工事の施工若しくは建設工事に従事する労働者の使用に関する法令の規定に違 反しないよう、下請負人の指導に努めなければなりません。 また、下請指導ガイドラインにおいても、社会保険加入に関する下請指導の 徹底が求められています。 発注者から直接建設工事を請負った特定建設業者は、建設業法第 24 条の6の 定めにより、その工事に参加する下請負人が下請負に係る建設工事の施工に関 し、建設業法の規定又は建設工事の施工若しくは建設工事に従事する労働者の 使用に関する法令の規定に違反しないよう、下請負人の指導に努めなければな りません。また下請指導の実効性を確保するため、社会保険の加入に関する下 請指導ガイドラインにおいても、社会保険への加入について、下請指導を徹底 するよう求められています。 (1)特定建設業者は下請負人の保険加入状況等を確認し、未加入企業に対し ては、保険加入を指導すること(直接契約関係にある下請負人を通じた 確認・指導も可) (2)工事現場でポスターの掲示やパンフレット等により周知啓発すること (3)調達部門においては協力会社等を通じて加入状況を把握し、未加入企業 に対しては加入を勧奨すること 下請指導の対象となるのは、元請企業と直接の契約関係にある者に限られず、 元請企業が請負った建設工事に従事するすべての下請企業とされています。し かし、元請企業がそのすべてに対して自ら直接指導を行うことが求められるも のではなく、直接の契約関係にある下請企業に指示し又は協力させ、元請企業 はこれを統括するという方法も可能であるとしています。もっとも、直接の契 約関係にある下請企業に実施させたところ指導を怠った場合や、直接契約関係 にある下請企業がその規模等にかんがみて明らかに実施困難であると認められ る場合には、元請企業が直接指導を行うことが必要であるとされています。 下請に対する指導要領 1次下請だけを指導すればよいのか

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建設業法第 24 条の 6 の規定により、特定建設業者は下請企業を指導しなけれ ばなりませんが、特定建設業者が下請業者を指導したにもかかわらず、下請負 人が違反の事実を是正しない場合は、特定建設業者はその旨を速やかに許可行 政庁(大臣許可業者は国土交通大臣、知事許可業者は都道府県知事)に通報し ければなりません。 特定建設業者が、下請の指導を行わず又は違反事実の通報を怠った場合には、 指示処分(第5章「不法行為とペナルティー」参照)の対象になります。 元請企業である特定建設業者の下請指導は、建設工事の期間中、すなわち、 元請・下請関係が継続している間実施する必要がありますが、元請企業の協力 会や災害防止協会等の協力会社組織に所属する協力会社に対しては、長期的な 観点から指導を行うことが望まれます。 また、保険未加入対策を効果的なものとするためには、元請企業において保 険未加入の協力会社とは契約しないことや、保険未加入の建設労働者の現場入 場を認めないことを将来的に見据えつつ、協力会社の指導に取組んでいくこと が求められています。 このため、元請企業としては、様々な機会をとらえて協力会社の社会保険に 対する意識を高めることが重要であり、具体的には国土交通省「社会保険の加 入に関する下請指導等ガイドライン」(巻末の参考資料<3>参照)において、 次の取組みを行うべきであるとされています。 (1)協力会社の社会保険加入状況について定期的に把握を行うこと (2)協力会社組織を通じた社会保険の周知啓発や加入勧奨を行うこと (3)社会保険へ適正に加入していない協力会社が判明した場合には、早期 に加入手続を進めるよう指導すること(労働者であるにもかかわらず 社会保険の適用除外である個人事業主として作業員名簿に記載するな ど、不自然な取扱いが見られる協力会社についても、事実確認をした うえで適正に加入していないと判明した場合には、同様に指導を行う こと。) 下請を指導しても従わない場合の措置 保険未加入の協力会社とは契約の解除も

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≪特定建設業者に関する解説≫

建設業の許可制度は、特定建設業と一般建設業の二種類に区分されており、 発注者から直接請負った一件の建設工事につき、その工事の全部又は一部を、 下請代金の額(その工事に係る下請契約が二以上あるときは、下請負代金の総 額)が 3 千万円以上(建築工事あっては 4 千 5 百万円以上)となる下請契約を 締結して施工しようとするものは、特定建設業の許可を受けなければなりませ ん。 そして、特定建設業者に対しては、発注者から直接請負った建設工事に参加 しているすべての下請負人が、その建設工事の施工に関し、建設業法の規定や 建設工事の施工に関する法令あるいは建設工事に従事する労働者の使用に関す る法令の規程に違反しないよう指導に努める義務が課されています。 建設業法第 24 条の6により、特定建設業者が下請負人を指導しなければなら ない事項のうち、労働者の使用に関する法令の規定は次のとおりです。 社労士の視点②「いよいよ社労士の出番がやってきた」 特定建設業の許可業者は、原則として大規模な工事を元請の立場で行う者です。そして 特定建設業者は施工や安全管理の面において傘下の下請企業との連携を密にする必要が あるため、“協力会”という組織を持っています。 下請に対する指導はその協力会を通じて行われるのが通常ですが、特定建設業者が下請 を指導しなければならない事項のうち、労働者の使用に関する法令の規定は専門的な知識 が要求されるため、その指導体制はあまり万全とはいえない状況にあります。 しかし、社会保険加入対策が進められることにより、特定建設業者にはより高度な対応 が求められることになりました。特定建設業者をクライアントに持つことは、その傘下に ある下請業者にも影響力が及ぶことになるため、社労士にとっては新たな事業の展開に大 いに期待が寄せられるところです。 特定建設業者が指導しなければならない事項(関連項目のみ) 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. 労働基準法第 5 条(暴行等による強制労働の禁止) 労働基準法第 6 条(中間搾取の排除) 労働基準法第 24 条(賃金の支払方法及び支払額等に関する規制) 労働基準法第 56 条(労働者として使用できる最低年齢の制限) 労働基準法第 63 条・64 条の4(満 18 歳未満の者又は女子の坑内労働の禁止) 労働基準法第 96 条の2第2項・96 条の3第1項(労働者の安全及び衛生のための 必要な措置命令) 職業安定法第 44 条(無許可の労働者供給事業の禁止) 職業安定法第 63 の第 1 号(暴行等による職業紹介・募集・労働者の供給を行った者 に対する罰則) 職業安定法第 65 条9号(法令違反現場への労働者の供給禁止) 労働安全衛生法第 98 条第1項(労働者の危険又は健康障害を防止するための必要な 措置) 労働者派遣法第4条第3項(労働者派遣事業の禁止)

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(4)施工体制台帳への保険加入状況の記載が義務化

特定建設業者が、平成 24 年 11 月1日以降に発注者と締結した請負に係わる 建設工事については、施工体制台帳の記載事項に「健康保険等の加入状況」が 追加されました。このため施工体制台帳の記載にあたっては「健康保険等の加 入状況(健康保険、厚生年金保険、雇用保険の各保険)」の加入に関する状況に ついて記入しなければならなくなりました。 施工体制台帳の作成に関し、平成 24 年 5 月 1 日付けで建設業法施行規則の一 部改正が行われ、特定建設業者及び下請負人が、その請負う工事における下請 負人等の保険加入状況を把握することを通じて、適正な施工体制の確保に資す るよう、特定建設業者が発注者と締結した請負契約に係る建設工事について、 施工体制台帳の記載事項に健康保険等の加入状況が追加されることになりまし た。また、施工体制台帳を的確かつ速やかに作成するため、施工に携わる下請 負人の把握に努め、これらの下請負人に対して速やかに再下請通知書を提出す るよう指導するとともに、特定建設業者としても自ら施工体制台帳の作成に必 要な情報の把握に努めなければなりません。 発注者から直接建設工事を請負った特定建設業者は、建設業法の規定により 当該建設工事について、下請負人の「商号、名称、工事の内容、工期、監理技 術者の氏名」等を記載した施工体制台帳を作成し、工事現場ごとに備付なけれ ばなりません。 施工体制台帳の作成義務は、発注者から直接請負った建設工事を施工するた めに締結した下請契約の総額が3千万円以上(建築一式工事は4千5百万円) 以上の工事を施工する特定建設業者に発生するものです。 国土交通省の「施工体制台帳等についての指針(平成 24 年5月1日付国土建 第 57 号)」では、施工体制台帳の作成が義務付けられていない小規模工事等で あっても、建設工事の適正な施工を確保する観点から、元請企業は施行規則(第 施工体制台帳の作成について 施工体制台帳の作成を要しない工事の取扱い 施工体制台帳作成のための指針の概要

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14 条の 2~第 14 条の7まで)の規定に準拠した施工体制台帳の作成が望ましい とされています。 また同指針では、より的確な建設工事の施工及び請負契約の履行を確保する 観点から、施工体制台帳の記載事項とされていない「安全責任者、雇用管理責 任者、就労予定労働者数、工事代金支払方法、受給者選定理由」等の事項につ いても、できる限り記載することを推奨しています。 さらに、「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」(巻末の参考資料 <3>参照)においても、元請企業は、下請企業の社会保険の加入状況及び各 作業員の保険加入状況について適宜の方法によって把握し、未加入の場合には 指導を行うことが望ましいとされています。

≪施工体制台帳に関する解説≫

特定建設業者が発注者と締結した請負関係に係わる建設工事については、施 工体制台帳の記載事項に「健康保険等の加入状況」の記入が追加されました。 これは特定建設業者及び下請負人が、その請負う工事における下請負人等の社 会保険加入状況を把握することを通じて、適正な施工体制の確保に資するため です。 建設工事を適正に施工するためには、発注者から直接工事を請負った特定建 設業者が、直接の契約関係にある下請業者のみならず、建設工事の施工に当た るすべての建設業を営む者を監督しつつ工事全体の施工を管理することが必要 です。このため、発注者から建設工事を直接請負った特定建設業者で、下請契 約の総額が3 千万円(建築一式工事は 4 千 5 百万円)以上になるものについて、 下請負人の名称その他、下請に係る工事の内容、工期等を記載した施工体制台 帳を作成し、工事現場ごとに備え付けなければなりません。 この場合の下請負人とは、特定建設業者と直接下請契約をした下請負人に限 らず、二次、三次下請等を含め、その建設工事に携わるすべての下請負人です。 また、建設業の許可を受けている建設業者はもちろんのこと、許可を受けてい ない建設業を営む者も下請負人に該当します。 施工体制台帳の作成義務は公共工事であれ民間工事あれすべての建設工事に ついて求められるものです。

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施工体制台帳の作成が義務づけられているのは、発注者から建設工事を直接 請負った特定建設業者で、「下請契約の総額が 3 千万円(建築一式工事は 4 千 5 百万円)以上になるもの」であって、これに該当しない者は、特定建設業者で あっても施工体制台帳の作成は義務づけられていません。 施工体制台帳の作成が義務付けられていない者とは、特定建設業者のうち、 「①下請に施工させる請負代金の額が上記に掲げる金額に満たない場合 ②請 負代金の額に関わらず下請を使用せず自ら施工する場合 ③下請業者として施 工する場合」等がこれに該当します。 なお、下請として工事を施工する者は特定・一般建設業者を問わず施工体制 台帳の作成に関する法的義務は発生しません。 社労士の視点③「社会保険の記号・番号まで確認する必要がある」 施工体制台帳の記載事項のうち「健康保険等の加入状況」欄の「健康保険、厚生年金保 険、雇用保険」について、それぞれ「加入」「未加入」「適用除外」の項目が追加されたこ とにより、特定建設業者には、それらの状況の確認という仕事が新たに加わりました。 施工体制台帳には、元請及び下請企業について事業所整理記号及び事業所番号の記載を しなければならず、さらに一括適用の承認に係る営業所については、本店の整理記号及び 事業所番号を記載することになっています。建設業には事業所番号が複数あるので、社労 士としては、相談・指導にあたって次のような点に注意する必要があります。 1.健康保険・厚生年金保険 事業所整理記号及び事業所番号については、政府管掌の場合は同じ整理番号を記入し、 組合健保の場合はアルファベット等による記号が記入されていることを確認すること。 2.雇用保険 事業所適用番号ではなく「労働保険番号」を記載することになる。建設業では、労働保 険番号は、ほとんどの場合複数の番号があるので「所掌番号は3」に該当する。また個別 加入の場合は、事業所記号と労働保険番号が同一となっている。事務組合等に委託してい る場合は異なるため、注意が必要。 施工体制台帳の作成を要しない建設業者

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(5)再下請通知書による保険加入状況のチェック

施工体制台帳の作成が義務付けられた建設工事に参加する下請負人が、その 請負った建設工事を他の建設業を営む者(再下請)に請負わせるときは、特定 建設業者に再下請負通知書を提出しなければなりません。再下請通知書の記載 事項には「健康保険、厚生年金保険及び雇用保険の加入状況」に関する事項の 記載が義務化されています。 施工体制台帳の作成が義務付けられた建設工事に参加する下請負人が、その 請負った建設工事をさらに他の建設業を営む者(下請負人等)に請負わせたと きは、「再下請通知書」(巻末の参考資料<3>社会保険の加入に関する下請指 導ガイドライン(別紙1)参照)を元請負人である特定建設業者に提出しなけ ればなりません(建設業法施行規則第 14 条の4)。 また下請企業は再下請通知書を活用して再下請企業の加入状況をチェックす るとともに、元請企業からの指導がすべての下請企業に伝わるよう協力しなけ ればなりません。 このため、現場労働者について雇用関係にある社員と請負関係にある者の二 者を明確に区別した上で、雇用関係にある者については、再下請通知書を活用 して保険加入状況をチェックする必要があります。 雇用者と請負者の区分については、雇用者は「賃金支払、保険加入、労働者 名簿、賃金台帳に記載」し、請負業者については、次のような措置を講じなけ ればなりません。 ① 請負契約の締結、請負代金の支払い状況をチェックする ② 労務関係諸経費の削減を意図して、請負契約の形式をとりながら、実態は 労働者として扱う偽装請負の禁止の徹底を図る ③ 再下請企業に対しては、再下請通知書の記載を徹底させることにより、保 険加入状況を確認する ④ 再下請通知書の記載事項に被保険者番号記入欄を追加する ⑤ 特定建設業者が行う指導が建設工事の施工に携わるすべての下請企業に伝 わるように、下請企業においては、特定建設業者が行う指導に協力する。 再下請通知書で保険加入状況をチェック

参照

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