• 検索結果がありません。

No 年 1 月 10 日発行 ( 季刊 ) c o n t e n t s 特集 睡眠 巻頭文不眠症への対応について 西田慎吾1睡眠時無呼吸症候群とは 舛谷仁丸3快適な睡眠に効く7つのポイント 坪田聡7 連載 放射線ストレスと葉酸による放射線障害予防 香川靖雄6ヘルスケアカウンセ

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "No 年 1 月 10 日発行 ( 季刊 ) c o n t e n t s 特集 睡眠 巻頭文不眠症への対応について 西田慎吾1睡眠時無呼吸症候群とは 舛谷仁丸3快適な睡眠に効く7つのポイント 坪田聡7 連載 放射線ストレスと葉酸による放射線障害予防 香川靖雄6ヘルスケアカウンセ"

Copied!
8
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

No.203 2012年1月10日発行(季刊)

c o n t e n t s

特集

「 睡眠

巻頭文 不眠症への対応について ・ ・・・・・・・・ 西田慎吾   1 睡眠時無呼吸症候群とは ・・・・・・・・・・・ 舛谷仁丸   3 快適な睡眠に効く7つのポイント ・・・・・・・ 坪田   聡   7 【連載】 放射線ストレスと葉酸による放射線障害予防 ・・ 香川靖雄   6 ヘルスケアカウンセリングケース研究 ・・・・・ 小関俊祐   

巻頭文

不眠症への対応について

公益財団法人神経研究所附属睡眠学センター  

 

西田慎吾

はじめに   不 眠 症 の 原 因 は 多 岐 に わ た る が、 ス ト レ ス に 伴 う 不 眠 は 特 に 重 視 さ れ て お り、 適 応 障 害 性 不 眠 症 ま た は 急 性 不 眠 症 と 呼 ば れ る。 ま た、 心 理 的 な 要 因 が 消 失 し た 後 に 長 期 間 持 続 す る 不 眠 は、 精 神 生 理 性 不 眠 症 ( p sy ch op h y si ol og ic al insomnia : P P I ) と 呼 ば れ る。 こ こ で は、 主 に こ れ ら の 不 眠 症 の 鑑 別 と 対 応 の ポ イ ン ト、 治 療 に つ いて概説する。 不眠症の有病率と治療意義   日 本 の 一 般 人 口 に お け る 不 眠 症 の 有 病 率 は、 夜 間 不 眠 症 状 の 有 無 の み に 注 目 し た 場 合、 21.4% ~ 23% と 極 め て 高 い が、 日 中 の 生 活 へ の 影 響 の 程 度 を 考 慮 す る と、 こ の 水 準 は 10% 強 に な る も の と 推 定 さ れ る。 い ず れ に せ よ、 不 眠 症 は common disease の 1 つ と し て、 日 常 臨 床 で 目 に す る 機 会 の 多 い 症 状の1つである。     不 眠 症 は、 慢 性 化 に 伴 い 精 神 運 動 機 能 や 作 業 効 率 の 低 下 を 生 じ、 社 会 職 業 的 活 動 に 影 響 す る だ け で な く、 抑 う つ 症 状 の 発 現 ⑴ や Q O L( quality of life ) 低 下 ⑵ に 結 び つ く 可 能 性 が あ る。 ま た、 不 眠 症 は、 高 血 圧 、 糖 尿 病 な ど の 身 体 疾 患 の リ ス ク 上 昇 を 招 く と の 報 告 も あ る。 近 年 で は 不 眠 症 状 の 心 身 へ の こ れ ら の 悪 影 響 を 考 慮 し て、 治 療 対 応 の 重 要 性 が 強 調 さ れ て い る。 不 眠 症 状 を 有 す る 患 者 に 対 し、 早 期 に 適 切 な 治 療 を 行 う こ と で、 こ れ ら の リ ス ク を 低 減 す る こ と が 可能になる。 不眠の鑑別・対応のポイント   不 眠 の 原 因 を 鑑 別 す る 際 に は、 初 診 時 に お け る 系 統 的 な 問 診 が 必 要 に な る。 不 眠 症 患 者 を 診 察 す る 場 合 に 確 認 す べ き 事 項 を 表 1 に ま と め た。 こ れ ら の 事 項 を 初 診 時 に 患 者 自 身 に 丁 寧 に 問 診 す る こ と で、 不 眠 の 原 因 を か な り 絞 り こ む こ と が 可 能 で あ る。 し か し、 不 眠 症 患 者 の 中 に は、 自 覚 症 状 と 他 覚 的 所 見 が 解 離 す る ケ ー ス も 少 な く な い。 十 分 な 情 報 を 得 る た め に は、 可 能 な 限 り 同 居 家 族( 特 に ベ ッ ド パ ー ト ナ ー) に よ る 客 観 的 な 睡 眠 に 関 す る 情 報 を 聴 取 し て お く こ と も 必 要である。   問 診 の 結 果、 い び き や 無 呼 吸 な ど の 症 状 が 出 現 す る 睡 眠 時 無 呼 吸 症 候 群( sleep apnea syndrome: S A S ) 、 睡 眠 覚 醒 リ ズ ム が 後 退 す る こ と で、 入 眠 困 難 や 起 床 困 難 な ど の 症 状 が 出 現 す る 睡 眠 相 後 退 症 候 群( delayed sleep phase syndrome: D S P S ) な ど の 睡 眠 障 害 に よ る 不 眠 が 強 く 疑 わ れ る 場 合 に は、 睡 眠 障 害 に 関 す る 検 査 や 治 療 が で き る 医 療 施 設 と 連 携 を 取 り、 必 要 に 応 じ て 終 夜 ポ リ ソ ム ノ グ ラ フ ィ ー ( po ly so m no gr ap hy : P S G ) 検 査 を 実 施 し、 鑑 別 診 断 と 治 療 を 行 う 必 要 が あ る。 ま た、 身 体 疾 患 や 精 神 疾 患 に 伴 う 不 眠 で は、 基礎疾患への治療が優先される。 慢 性 不 眠 症 特 に 精 神 生 理 性 不 眠 症 ( PPI )   心 理 的 要 因 に よ っ て 生 じ た 不 眠 が、 ス ト レ ス 要 因 が 消 え た 後 も 長 期 間 持 続 し、 慢 性 化 し た 不 眠 症 で あ る P P I で は、 不 眠 を 過 度 に 心 配 し、 そ の 不 安 に 付 随 し て 過 覚 醒

(2)

と身体的緊張をきたす。   不 眠 症 の 中 で も P P I は 治 療 抵 抗 性 が 高 く、 容 易 に コ ン ト ロ ー ル で き な い 症 例 も 少 な く な い。 精 神 科 の 睡 眠 障 害 専 門 外 来 を 受 診 す る 患 者 の 中 で P P I が 26.6% と 最 も 頻 度 が 高 い と の 指 摘 も あ る。 P P I は、 特 に そ の 好 発 年 齢 で あ る 中 高 年 の 不 眠 症 の 原 因 と し て 重 要 視 さ れ る が、 他 の 睡 眠 障 害 に 併 発 す る ケ ー ス が 多 い こ と に も 留 意 す べ き である。 不眠症の慢性化防止の た め の治療法   不 眠 症 の 治 療 は、 薬 物 療 法 と 非 薬 物 療 法 に 分 類 で き る。 非 薬 物 療 法 に は 睡 眠 衛 生 指 導 と、 よ り intensive な 認 知 行 動 療 法 ( co gn iti ve b eh av io ra l th er ap y for insomnia: CBT-i ) が 含 ま れ る。 不 眠 症 の 治 療 に お い て は、 こ れ ら の 3 つ を 適 切 に 使 い こ な す こ と が 重要である。 ①非薬物療法 睡 眠 衛 生 指 導: 不 眠 症 治 療 の 最 も 基 本 と な る の は、 睡 眠 衛 生 指 導 で あ る。 睡 眠 衛 生 指 導 で は、 睡 眠 に 関 す る 正 確 な 知 識 を 提 供 し、 質 の 良 い 十 分 な 睡 眠 を 得 る た め の 寝 室 を 含 め た 生 活 環 境 の 見 直 し、 不 眠 を 強 化・ 慢 性 化 さ せ る 誤 っ た 睡 眠 習 慣 を 是 正 す る こ と が 中 心 と な る。 具 体 的 な 内 容 は、 表 2 ⑶ に あ げ た 睡 眠 障 害 対 処 の 12の 指 針 に 簡 潔 に ま と め ら れ て い る。 睡 眠 衛 生 指 導 を 行 い な が ら、 患 者 と の 治 療 関 係 を 構 築 し て い く こ と も、 重 要 な ポ イントとなる。 不眠症の認知行動療法( CBT-i ): 不 眠 症 の 進 行 過 程 に お い て は、 発 症 要 因、 増 悪 要 因、 維 持 要 因 の 3 つ が 関 連 し て い る。 CBT-i は 特 に 維 持 要 因 へ の 治 療 ア プ ロ ー チ を 主 体 と し、 加 え て 発 症 要 因 と な る 過 覚 醒 状 態 の 鎮 静 化 や 増 悪 要 因 と な る ス ト レ ス へ の 対 処 法 を 習 得 さ せ る こ と で 不 眠 症 を 改 善 す る。 CBT-i の 有 効 率 は 70~ 80% で、 米 国 睡 眠 医 学 会 で は CBT-i を 慢 性 不 眠 症 に 対 す る 標 準 的 治 療 法 と し て 推奨している。   CBT-i は、 前 述 の 睡 眠 衛 生 指 導、 刺 激 統 制 法、 睡 眠 制 限 法、 認 知 療 法、 リ ラ ク セ ー シ ョ ン( 筋 弛 緩 法、 自 律 訓 練 法、 バ イ オ フ ィ ー ド バ ッ ク 法 ) が パ ッ ケ ー ジ 化 さ れ て お り、 刺 激 統 制 法 と 睡 眠 制 限 法 は 睡 眠 ス ケ ジ ュ ー ル 法 と し て ま と め て 用 い ら れ る。 CBT-i の治療セッションは、 週 1 回 60分 の セ ッ シ ョ ン を 1 ~ 2 週 間 隔 で 合 計 6 ~ 8 回 程 度 施 行 す る こ と が 多 い。 刺 激 統 制 法 は、 ① 眠 く な っ た 時 だ け ベ ッ ド に 入 る、 ② ベ ッ ド は 眠 る た め だ け に 利 用 す る、 ③ 入 床 か ら 15分 経 過 し て も 眠 れ な い 時 は、 ベ ッ ド か ら 出 る、 ④ 毎 朝、 同 じ 時 間 に 起 床 す る、 ⑤ 昼 寝 を し な い と い う 5 つ の 方 法 を 用 い て 睡 眠 行 動 を 是 正 す る。 睡 眠 制 限 法 は、 ① 睡 眠 日 誌 か ら 平 均 睡 眠 時 間 を 計 算 し、 そ れ に 基 づ い て 就 床 ― 起 床 時 刻 を 決 め る、 ② セ ッ シ ョ ン 前 1 週 間 の 睡 眠 効 率 が 85% 以 上 で あ れ ば、 睡 眠 時 間 を 15分 増 や し、 80% 以 下 で あ れ ば、 睡 眠 時 間 を 15分 減 ら す と い う 方 法 を 用 い て、 睡 眠 効 率 の 上 昇 を 目 指 す。 認 知 療 法 は、 睡 眠 に 対 す る 誤 っ た 考 え を 修 正 す る も の で、 特 に 入 眠 潜 時 と 中 途 覚 醒 へ の 効 果 が 期 待 さ れ る。 ま た リ ラ ク セ ー シ ョ ン は、 不 眠 症 患 者 の 過 覚 醒 状 態 の 鎮 静 を 目 指 し、 入 眠 潜 時 と 睡 眠 の 質 の 改 善 効 果 が 高いことが明らかにされている。   こ れ ら の 技 法 を 組 み 合 わ せ た CBT-i は、 薬 物 療 法 と 比 較 し て、 治 療 終 了 後 も 効 果 が 持 続 す る こ と や 不 眠 症 状 の 軽 減 の み な ら ず、 睡 眠 薬 の 漸 減 に も 有 効 な 点 が 長 所 と さ れ て い る。 さ ら に、 睡 眠 薬 を 長 期 服 用 中 の 慢 性 不 眠 症 難 治 例 者 に 対 し て も 有 効 で あ る と の 報 告 ⑷ も あ り、 今 後 の 幅 広 い 普 及 が 期 待 さ れる。 ②薬物療法   現 在、 不 眠 症 に 使 用 す る 代 表 的 な 薬 剤 と し て は、 超 短 時 間 型( 半 減 期 4 時 間 以 内 ) な い し 短 時 間 型 ( 同 10時 間 以 内 ) の ベ ン ゾ ジ ア ゼ ピ ン( benzodiazepine: BZ) 睡 眠 薬 も し く は BZ受 容 体 ア ゴ ニ ス ト 睡 眠 薬 が 中 心 と な っ て い る。 こ れ ら の 半 減 期 の 短 い 薬 剤 は、 従 来 か ら 問 題 視 さ れ て き た 催 眠 鎮 静 作 用 の 翌 日 へ の 持 ち 越 し は 少 な く な っ て お り、 特 に BZ受 容 体 ア ゴ ニ ス ト 睡 眠 薬 で は、 ふ ら つ き や 転 倒 の リ ス ク が 少 な い と さ れ て い る。 し か し、 副 作 用 が 比 較 的 少 な い と さ れ る 超 短 時 間 型 BZ受 容 体 ア ゴ ニ ス ト 睡 眠 薬 で も、 健 忘 や 夜 間 異 常 行 動 な ど の 副 作 用 の 出 現 ⑸ や 依 存 形 成 の 可 能 性 が 無 視 で き な い の で、 こ れ ら を 使 用 す る 時 に は、 基 本 的 に は 単 剤・ 常 用 量 で の 使 用 に と ど め、 多 剤 併 用 や 乱 用 を 防 止 す る こ と が 大 切である。 おわりに   不 眠 は、 そ の 原 因 に 見 合 っ た 対 応 や 治 療 を 実 施 す る こ と が 大 切 で あ る。 睡 眠 衛 生 指 導 や 認 知 行 動 療 法( CBT-i ) に よ り、 症 状 が 改 善 す る ケ ー ス も 多 い の で、 こ れ ら を 重視するよう心がけたい。 参考文献 ⑴ Komada Y, Nomura T, Kusumi M, et al. C or re la tio ns a m on g in so m ni a sy m pt om s, sle ep m ed ica tio n us e an d de pr es siv e sy m pt om s. Ps yc hia try a nd Clin Neur osci . 651(1): 20-29, 2011. ⑵ Sa sa i T ,In ou e Y ,K om ad a Y , e t al. E ff ec ts o f in so m n ia a n d s le ep m ed ic ati on o n he alt h-r ela te d qu ali ty of life. Sleep Med . 11(5): 452-457, 2010. ⑶ 厚 生 科 学 研 究 費 補 助 金・ 障 害 保 健 福 祉 総 合 研 究 事 業 睡 眠 障 害 対 応 の あ り 方 に関する研究   平成 13年度研究報告書 ⑷ 岡 島 義、 井 上 雄 一   睡 眠 薬 を 長 期 服 用 し て い る 慢 性 不 眠 症 患 者 に 対 す る 認 知 行 動 療 法 の 効 果   行 動 療 法 研 究   36(3): 195-203, 2010. ⑸ 西 田 慎 吾、 井 上 雄 一   睡 眠 薬 使 用 時 の 夜 間 異 常 行 動 に つ い て   臨 床 精 神 薬 理 14(2): 227-234, 2011.

プロフィール

西田慎吾

(にしだ しんご)  医療法人社団絹和会睡眠総合ケアクリ ニック代々木常勤医、公益財団法人神 経研究所附属睡眠学センター研究員、 東京医科大学睡眠学講座兼任助教、自 治医科大学精神医学教室病院助教。医 師(精神保健指定医)。自治医科大学大 学院医学研究科博士課程修了(医学博 士)。専門分野は、睡眠医学、臨床精神 薬理学。 表1 不眠症の問診で必要な確認事項(筆者作成) ・発症時期 ・症状経過 ・不眠症状の構造(入眠困難、中途覚醒など) ・身体疾患や精神疾患の確認 ・服用薬(処方薬、市販薬)の確認 ・嗜好品(カフェイン、喫煙、アルコールなど) ・生活習慣(平日・休日の睡眠時間、起床(就寝) 時刻、昼寝の有無など) ・起床時の活動(勤務時間、職務内容、通勤時間、 日中や夜間の過ごし方、眠気など) ・睡眠に関する素因(朝型・夜型、長時間睡眠・短 時間睡眠など) ・睡眠環境(就寝する部屋の騒音や照度など) 表2 睡眠障害対処の12の指針(文献⑶より引用、改変) 1 睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分 2 刺激物を避け、寝る前には自分なりのリラックス法を 3 眠くなってから床に就く、就寝時刻にこだわりすぎない 4 同じ時刻に毎日起床 5 光の利用でよい睡眠 6 規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣 7 昼寝をするなら、15時前の20~30分 8 眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝、早起きに 9 睡眠中の激しいイビキ・呼吸停止や足のぴくつき・むず むず感は要注意 10 十分眠っても、日中の眠気が強いときは専門医に 11 睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと 12 睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全

(3)

睡眠時無呼吸症候群(

Sleep Apnea Syndrome

:SAS)とは

医療法人ますたに呼吸器クリニック

特集

「 睡眠

 

舛谷仁丸

  睡 眠 時 無 呼 吸 症 候 群( Sleep Apnea Syndrome : 以 下 S A S ) と は 睡 眠 中 に 10秒 以 上 の 呼 吸 の 停 止 状 態( こ れ を 無 呼 吸 と 定 義 さ れ ま す ) が 5 回 以 上 繰 り 返 さ れ る 病 気 で す。 主 に、 ひ ど い い び き と 無 呼 吸 の 指 摘、 昼 間 の 眠 気、 熟 睡 感 の 欠 如、 起 床 時 の 頭 痛 な ど の 症 状 が あ り ま す。 ま た S A S は 生 活 習 慣 病 と 密 接 に 関 係 し て お り、 放 置 す る と 生 命 に 危 険 が 及 ぶ こ と が 報 告 さ れ て い ま す。 ま た S A S 特 有 の 眠 気 は 交 通 事 故 な ど を 起 こ す 危 険 も あ り、 早 期 に 適 切 な 治 療 を す る こ と が 大 切 で す。 こ の 病 気 は 成 人 だ け の 病 気 で は な く、 幼 児・ 小 児 で も み ら れ ま す。 こ の 場 合、 学 習 や 発 達 な ど へ の 悪 影 響 が 問 題 視 されています。 SASの原因と症状 原因   睡 眠 時 無 呼 吸 は、 上 気 道( 空 気 の 通 り 道 ) が 閉 塞 す る こ と に よ り 起 こ り ま す。 閉 塞 の 原 因 は、 首 周 り の 脂 肪 の 沈 着、 扁 桃 肥 大、 ア デ ノ イ ド、 気 道 へ 舌 が 落 ち 込 む、 舌 が 大 き い( 巨 舌 症 )、 鼻 が 曲 が っ て い る な ど が 挙 げ ら れ ま す。 ま た、 欧 米 人 の S A S 患 者 さ ん は 肥 満 し て い る 人 が ほ と ん ど で す が、 日 本 人 の 中 に は 顎 が 小 さ い( 小 顎 症 ) た め、 気 道 が ふ さ が れ や す く、 や せ て い る の に S A S で あ る 方 も お ら れ ま す。 で す の で、 S A S の 患 者 さ ん 全 員 が 太 っ て い る と 思 う の は間違いです。 日本人 (アジア人) は そ の 骨 格 的 特 長 か ら 気 道 が 狭 い 方 が 多 く、 S A S の 有 病 率 も 決 し て 少 な く あ り ま せ ん。 最 近 で は 成 人 の 12% が S A S で あ る と い う 報 告 も あ り ま す ⑴ 。 子 ど も の S A S は ア デ ノ イ ド や 扁 桃 肥 大 が 原 因 の ことが多く見られます。 症状   S A S は さ ま ざ ま な 症 状 を 伴 い ま す。 い び き、 日 中 の 眠 気、 起 床 時 の 頭 痛、 睡 眠 中 に 何 度 も 目 が 醒 め る、 倦 怠 感、 起 床 時 の 熟 睡 感 の 欠 如、 う つ 傾 向、 イ ン ポ テ ン ツ な どがあります。   子 ど も の S A S に つ い て は、 ジ ョ ン ・ ホ プ キ ン ズ 大 学 医 学 部 の Halbower ら が 率 い る 研 究 チ ー ム に よ る と 記 憶、 知 能、 行 動 面 で 問 題 が あ る と 報 告 し て い ま す ⑵ 。 睡 眠 時 無 呼 吸 の 子 ど も は、 記 憶 や 行 動 に 問 題 が あ り、 ま た I Q が 通 常 の 子 ど も に 比 べ 16ポ イ ン ト 低 い ( 85対 101) と い っ た こ と が 判 明 し ています。 SASの危険性は?   S A S は 治 療 せ ず に 放 置 す る と 患 者 さ ん 本 人 に も 社 会 的 に も 悪 影 響を及ぼします。 交通事故について   S A S 特 有 の 昼 間 の 眠 気 は、 居 眠 り 運 転 事 故 や 労 働 災 害 な ど に つ な が り ま す。 2 0 0 3 年 の 山 陽 新 幹 線 運 転 士 さ ん の 居 眠 り 運 転 は こ の S A S の 眠 気 に よ っ て 起 こ っ た こ と で し た。 海 外 で は S A S と 交 通 事 故 の 危 険 性 に 対 し て は、 1 9 8 8 ~ 8 9 年 以 降 多 く 報 告 さ れ て お り、 S A S 患 者 さ ん が 交 通 事 故 を 起 こ す 確 率 は、 S A S が な い 方 の 約 7 倍、 一 般 ド ラ イ バ ー の 約 3 倍 で あ り、 し か も S A S が 重 症 に な れ ば な る ほ ど そ の 確 率 は 高 く な る と報告さ れ て い ま す(図2 ・ 3) 。   S A S に よ る 眠 気 で は あ り ま せ ん が、 1 9 9 3 年 の ア メ リ カ 睡 眠 疾 患 調 査 研 究 委 員 会 報 告 書 “ W ak e up A m er ic a -A National Sleep Alert ” に よ る と、 ス リ ー マ イ ル 島 の 原 子 力 発 電 所 の 事 故 や、 ス ペ ー ス シ ャ ト ル チ ャ レ ン ジ ャ ー の 事 故 は 睡 眠 障 害 に よ っ て 引 き 起 こ さ れ た と 報 告 さ れ て い ま す。 た か が 眠 気 と 侮 っ て い る と 大 事 故 な ど を 起 こ し か ね ません。   幸 い S A S に よ る 眠 気 は S A S を し っ か り 治 療 す る こ と で コ ン ト ロ ー ル で き ま す。 心 当 た り の あ る 方 は 早 期 に 専 門 施 設 を 受 診 さ れ る ことをお薦めいたします。 軟口蓋 軟口蓋 軟口蓋沈下 舌根沈下 閉塞 正常 小顎症 舌が大きい 鼻中隔湾曲症 扁桃肥大 アデノイド 首周りの脂肪 舌 舌 図1 SAS の原因 SAS患者の事故発生率 事故率(%) 6% 健常者 SAS患者 全ドライバー 41% 16% 50 40 30 20 10 0 図2 SAS 患者の事故発生率

(Findley L, et al. Am Rev Respir Dis. 1988 ; 138 : 337 から抜粋) SAS重症度ごとの事故発生率 事故率(%) 16% 13% 全運転手 軽症 中等症 重症 24% 46% 50 40 30 20 10 0 図3 SAS 重症度ごとの事故発生率 (Findley L, et al. NEJM 1989 ; 320 : 828 か

(4)

合併症(生活習慣病について)   S A S 患 者 さ ん の 多 く は 高 血 圧、 心 臓 病、 脳 卒 中、 糖 尿 病 な ど の 生 活 習 慣 病 を 合 併 し て い ま す。 ま た S A S は、 最 近 ク ロ ー ズ ア ッ プ さ れ て い る メ タ ボ リ ッ ク 症 候 群 と 密 接 な 関 係 が あ り、 睡 眠 時 無 呼 吸 症 候 群 と 診 断 さ れ た 方 の 約 半 数 が メ タ ボ リ ッ ク 症 候 群 を 合 併 し て い ま す。 放 置 す る と 生 命 に 影 響 を 及 ぼ す こ と が あ り ま す。 そ れ ほ ど S A S は 生 命 に 関 係 し て い る 疾 患 で す。 し か し、 S A S を 治 療 す る こ と で そ の リ ス ク を 軽 減 で き た り、 予 防 す る こ と も で き ま す。 患 者 さ ん の 中 に は S A S 治 療 を す る こ と で 高 血 圧 の お 薬 を 中 止 で き た 方 も い ら っ し ゃ い ま す。 適 切 な 検 査 を 行 い、 ご 本 人 に あ っ た 治 療 を 行 う こ と が 大切です。   ア メ リ カ で は 重 症 睡 眠 時 無 呼 吸 症 候 群 の 患 者 さ ん は 合 併 症 な ど の た め に、 約 4 割 の 方 が 9 年 後 に 亡 く な っ て い る と い う デ ー タ が あ り ます(図4) 。   日 本 で も 109人 の S A S 患 者 の 平 均 100カ 月 の フ ォ ロ ー ア ッ プ で 死 亡 率 は、 治 療 成 功 群 で 2 %、 不 成 功 群で 11.9%と報告されています ⑶ 。 検査について   無 呼 吸 を 指 摘 さ れ た り、 S A S の 疑 い が あ る 場 合 は、 専 門 医 療 機 関 な ど へ 受 診 し ま し ょ う。 睡 眠、 自 覚 症 状 に つ い て な ど の 問 診 の あ と そ の 後 の 検 査 方 法 を 決 定 し ま す。 専 門 医 療 機 関 で は S A S が 疑 わ れ る 場 合 は、 夜 間 睡 眠 中 の 状 態 を 診 る た め 基 本 的 に は 入 院 検 査 と い う こ と に な り ま す。 最 近 で は 人 間 ド ッ グ や か か り つ け の 医 療 機 関 で、 簡 易 的 な 検 査 を 受 け る こ と が で き る よ う に な っ て き ま し た。 検 査 が 可 能 な 施 設 で 簡 易 検 査 を 受 け て み て、 精 密 検 査 が 必 要 と さ れ る 場 合、 専 門 医 療 機 関 を 紹 介 し て も ら う こ とも可能です。 終夜睡眠ポリグラフィー検査   通 常 は 病 院 に 1 泊 の み 入 院 し て、 患 者 さ ん の 睡 眠 状 態( 眠 り の 深 さ や 睡 眠 の 質 ) と 呼 吸 状 態 を 同 時 に 測 る 検 査 で す。 脳 波 や 心 電 図、 胸 部・ 腹 部 の う ご き、 鼻 か ら の 気 流、 動 脈 血 中 の 酸 素 の 量 を 連 続 し て 計 測 し、 そ の 結 果 を ト ー タ ル に 医 師 が 判 断 し ま す。 こ の 検 査 は 体 に 電 極 や セ ン サ ー な ど を つ け て 行 い ま す が、 決 し て 痛 い 検 査 で は あ り ま せんのでご安心ください。 治療について   S A S と 診 断 さ れ た 場 合、 次 に 治 療 法 を 決 定 し ま す。 治 療 は、 内 科 的 治 療、 歯 科 装 具、 手 術 に 分 け ら れ ま す。 患 者 さ ん に あ っ た 治 療 法 を 患 者 さ ん と 相 談 し な が ら 医 師 が 選 択 し ま す。 ま た、 治 療 を 効 果 的 に 行 う た め に も 生 活 習 慣 の 改 善 に心がけましょう。 生 活 習 慣 の 改 善 に つ い て( 日 々 の 生活で気をつけること)   肥 満 を 合 併 し た S A S の 場 合 は 生 活 習 慣 と 密 接 に 関 係 し て い ま す。 で す の で S A S 治 療 の 第 一 歩 は 生 活 習 慣 を 見 直 す こ と か ら 始 ま り ま す。 生 活 に 運 動 を 取 り 入 れ た り、 晩 酌 を さ れ る 方 は 量 を 減 ら す こ と で、 無 呼 吸 が 軽 減 す る 場 合 が あ り ます。 減量   肥満し て い る方は食事療 法や運動を行い、 減量に励 みましょう。 飲酒の制限   お 酒 は 上 気 道 の 筋 力 を 弱め る作用が あ り無呼吸を 悪化させるため、 寝る前の 飲酒はやめましょう。 禁煙   タ バ コ は 上 気 道 炎 症 を 起こさせたり、 上気道の筋 力を低下さ せ悪化さ せ る と の報告があります。 睡眠薬   睡眠薬の中に は か えって 無呼吸を悪化さ せ るタイプ のものがあります。 睡眠薬 を 服 用 し て い る 方 は、 主 治 医 に 相 談 し ま し ょ う。 無 呼 吸 を 適 切 に 治 療 す る こ と に よ り 睡 眠 薬 が 不 要 に なる場合もあります。 治療法の選択   S A S の 最 大 の 問 題 は、 そ の 方 の 生 活 の 質 を ご 本 人 が 知 ら ず 知 ら ず に 下 げ て し ま う こ と に あ り ま す。 そ れ だ け で な く S A S は、 睡 眠 中 に 体 内 が 酸 素 不 足 に な り 様 々 な 悪 い 影 響 を 引 き 起 こ し ま す。 重 症 の 場 合 は 虚 血 性 心 疾 患、 脳 梗 塞 な ど を 発 病 し や す く な る と も 報 告 さ れ て い ま す。 良 い 睡 眠 を 取 り 戻 し、 も っ と 元 気 な 本 来 の 生 活 を 取 り 返 経過年 ENTRY 軽症 重症 生 存 率 図4 重症 SAS 患者の生存率について

He J, Kryger MH, Zorick FJ, et al :Mortality and apnea index in obstructive sleep apnea(experience in 385 patients)chest 94 : 9-14, 1988

睡眠時無呼吸

閉塞

CPAP療法

(5)

プロフィール

舛谷仁丸

(ますたに ひとまる)  医療法人ますたに呼吸器クリニック   大阪天満橋睡眠呼吸障害センター院 長・理事長。日本内科学会認定医・日 本呼吸器学会専門医・日本睡眠学会認 定医。 す た め に は、 適 正 な 治 療 を 受 け る こ と が 必 要 で す。 代 表 的 な S A S の治療法を紹介します。 CPAP   C P A P( Continuous Positive Airway Pressure : 経 鼻 的 持 続 陽 圧 呼 吸 療 法 ) と い い、 鼻 か ら 専 用 の マ ス ク を 介 し て 空 気 を 送 り 気 道 を 広 げ る 療 法 で す。 睡 眠 時 無 呼 吸 症 候 群 の 治 療 法 の 中 で 最 も 有 効 性 が 高 く 安 全 か つ 確 実 な 方 法 が C P A P 療 法 で す。 睡 眠 中 に 鼻 マ ス ク を 装 着 し、 鼻 マ ス ク か ら 空 気 が 一 定 圧 で 送 り 込 ま れ、 睡 眠 中 に 緩 ん だ 喉 の 筋 肉 に よ っ て 喉 が 塞 が っ て し ま う の を 防 ぎ ま す。 送 ら れ て く る の は、 酸 素 で は な く 空 気 で す。 C P A P を 使 う こ と に よ っ て、 熟 睡 が で き る よ う に な り、 昼 間 の 眠 気 か ら 解 放 さ れ、 仕 事 や 運 転 な ど で も 眠 気 が な く 集 中 で き る よ う に な る こ と が 多 い で す。 日 本 の 健 康 保 険 制 度 で は、 無 呼 吸 指 数( 一 時 間あたりの無呼吸 ・ 低呼吸の回数) が 20回 以 上 の 中 等 症 の 睡 眠 時 無 呼 吸 症 候 群 の 方 が 保 険 適 用 と な っ て お り、 C P A P の 継 続 的 な 使 用 に よ っ て 虚 血 性 心 臓 病 や 脳 血 管 障 害 に よ る 死 亡 の リ ス ク を 軽 減 す る こ と が で き る と 報 告 さ れ て い ま す。 治 療 効 果 は、 翌 朝 か ら 劇 的 な 効 果 を 実 感 で き る 場 合 も あ り ま す が、 そ う で な く て も 徐 々 に 効 果 を 体 感 で き る 方 が 多 い で す。 導 入 当 初 の マ ス ク や、 空 気 圧 の 違 和 感 な ど は、 個 人 差 が あ り ま す が、 た と え 当 初 違 和 感 が 強 く て も 徐 々 に 慣 れ て し ま う こ と が 多 い で す。 治 療 成 功 の カ ギ は、 適 正 な 空 気 圧 設 定 と マ ス ク 選 択 / フ ィ ッ テ ィ ン グ で、 そ の た め 専 門 医 療 機 関 を 受 診 し 睡 眠 ポ リ グ ラ フ 下 で 適 正 圧 を 設 定 / 効 果 確認することが重要です。 マウスピース   主 に い び き 症 の 方 や 軽 症 の 無 呼 吸 症 の 方 に 有 効 な 治 療 が マ ウ ス ピ ー ス 療 法 で す。 無 呼 吸 症 の 方 に 適 応 さ れ る マ ウ ス ピ ー ス は、 一 般 の 歯 ぎ し り 防 止 用 や ス ポ ー ツ 選 手 が 使 用 さ れ て い る も の と 異 な り、 下 顎 を 前 方 に 数 ミ リ 突 き 出 し て か み 合 わ す よ う に す る も の で す。 こ れ に よ り 咽 頭 部 が 広 が り、 睡 眠 中 に 喉 が 狭 窄 / 閉 塞 す る こ と を 防 ぎ ま す。 い び き 症 の 方 に も 有 効 な 場 合 が あ り ま す。 個 人 の 歯 形 に 合 わ せ て 製 作 し ま す。 作 製 に は 経 験 が 必 要 で、 睡 眠 の 専 門 医 療 機 関 と 連 携 の あ る 熟 練 し た 歯 科 医 に 受 診 さ れ る こ と を お 勧 め し ま す。 副 作 用 と し て 顎 の 痛 み や 違 和 感 が あ り ま す が、 数 カ 月 の 使 用 で 徐 々 に 慣 れ て い く ケ ー ス が 大 半 で す。 睡 眠 時 無 呼 吸 症 候 群 の 方 は、 マ ウ ス ピ ー ス 作 成 後 そ の 治 療 効 果 を ポ リ グ ラ フ 検 査 で、 確 か め る こ と を お 勧 め し ま す。 総 入 れ 歯 や、 ひ ど い 顎 関 節 症 の 方 は 使 用 で き ま せ ん。 簡 易 検 査 な ど で“ 無 呼 吸 が 軽 症 で 治 療 が 必 要 で な い ” と 診 断 さ れ た 方 の 中 に も 睡 眠 の 障 害 が 比 較 的 強 い 場 合 が あ り、 一 度 専 門 施 設 を 受 診 さ れ る こ と を お 勧 め し ま す。 S A S と 診 断 さ れ た 方 に は、 平 成 16年 4 月 より健康保険が適用になりました。 手術療法   無 呼 吸 の 責 任 部 位 が 明 確 な 場 合 に 適 応 さ れ ま す。 小 児 の 睡 眠 時 無 呼 吸 症 候 群 の 大 半 は 扁 桃 肥 大・ ア デノイドが原因で、 そ の た め扁桃 ・ ア デ ノ イ ド 摘 出 術 が 有 効 で す。 全 身 麻 酔 で 行 う 手 術 で す。 成 人 の 場 合 は、 責 任 部 位 が 明 確 で な い こ と が 多 く、 ま た 肥 満 を 合 併 さ れ て い る ケ ー ス も 多 い た め、 手 術 適 応 に は 慎 重 な 判 断 が 必 要 で す。 ま た 肥 満 合 併 の 重 症 の 方 の 場 合 は、 手 術 そ の も の の リ ス ク が 高 い こ と も 念 頭 に お い て お く 必 要 が あ り ま す。 た だ C P A P や マ ウ ス ピ ー ス で 治 療 を 行 う 場 合 で も 鼻 の 通 気 が 良 好 な こ と が、 よ り 不 快 感 を 減 少 さ せ る た め、 ま た 鼻 詰 ま り が 無 呼 吸 の 悪 化 要 因 に な っ て い る ケ ー ス も あ り、 鼻 の 治 療 に は 積 極 的 に 取 り 組 む こ と が 必 要 で す。 耳 鼻 科 手 術 を 考 慮 さ れ る 場 合 は、 い び き / 睡 眠 時 無 呼 吸 症 候 群 を 専 門 に さ れ て い る 耳 鼻 咽 喉 科 へ の 受 診 を お 勧 め し ます。 最後に   み な さ ん に 知 っ て い た だ き た い こ と は、 こ の 病 気 が 決 し て 珍 し い 病 気 で は な い こ と、 治 療 す れ ば 症 状 の 改 善 が 期 待 で き る こ と、 成 人 だ け の 病 気 で は な く、 子 ど も た ち に も S A S の 方 が 潜 在 的 に 存 在 す る こ と、 そ し て 気 づ い て あ げ ら れ る の は、 家 族・ 友 人・ 恋 人 な ど 周 囲 の 人 で あ る こ と で す。 ご 本 人 が 自 分 で 気 が つ く こ と は 意 外 と 少 な いのです。   大 き な い び き を か い て い な い か、 不 規 則 な い び き で は な い か、 い び き が 止 ま っ た り し て い な い か、 日 中 の 眠 気・ 集 中 力 の 欠 如 の 有 無 の 確認が大事です。   学 童 期 で は 扁 桃 肥 大 や ア デ ノ イ ド を 指 摘 さ れ て い る 場 合 に、 眠 気 や 集 中 力 の 欠 如 な ど が あ れ ば 要 注 意です。   一 方 眠 気 = S A S で は な く 眠 気 を 引 き 起 こ す 睡 眠 障 害 は 他 に も あ り、 ま た 現 代 社 会 で は 睡 眠 時 間 が 年 々 短 く な り、 睡 眠 不 足 で 会 社 や 授 業 中 居 眠 り し て い る 人 が 圧 倒 的 に 多 く な っ て い ま す。 こ の 睡 眠 不 足に起因する問題も重要です。 参考文献 ⑴ 谷 川 武、 櫻 井 進、 磯 博 康: 睡 眠 呼 吸 障 害 の 疫 学・ 呼 吸 器 科   2005 ; 7 : 295-300 ⑵ Halbower AC, Degaonkar M, Barker P B , E ar le y C J, M ar cu s C L , e t al. (2 00 6) C hil dh oo d O bs tru cti ve S le ep A p n e a A s s o c ia t e s w it h N eu ro ps yc ho lo gi ca l D ef ic its a nd N eu ro na l B ra in In ju ry . P Lo S M ed 3 (8) : e 3 0 1 . d o i: 1 0 .1 3 7 1 / jo u r n a l. pmed.0030301 ⑶ In ou e Y , N an ba K , H az aw a G , e t

al:long term cardiovascular outcomes

in men with obstructive sleep apnea s y n d r o m e .P s y c h ia t. C li n Neur osci 2001.55:245-246

(6)

 今年は福島第1原子力発電所の爆発で私たちの生活が 大きく変わりました。半減期の長い放射性セシウムにつ いて、政府は暫定基準値として水、牛乳は200Bq/kg (Bq= ベ ッ ク レ ル は 放 射 能 の 単 位 )、 他 の 食 品 は 500Bq/kg以下ならば安全と決めました。しかしドイ ツでは全食品の基準が、青少年、乳幼児は4Bq/kg以下、 大人8Bq/kg以下と125倍も低いのです。日本は年間 5mSv(mSv=ミリシーベルト:被曝の程度を示す線 量当量)以下を目標としドイツは年間0.3mSvとするか らです。そこで数値の発表を求める世論が強いのですが、 500Bq/kg以下の数字を公表すれば、食品は売れ残り、 生産者に打撃を与えます。  どんな微量でも遺伝子変異が起こるので、ドイツの基 準値は良い制度のように見えます。しかし、私達の身体 に は4000Bqも の カ リ ウ ム40の 放 射 能 が あ り、 約 100Bqを毎日食品から摂っているのです。そこで大事 なのは身体を自然や汚染の放射能被曝からも防護する食 品なのです。飛行機の旅行者、医療被爆者にも放射線防 護食が必要です。  放射線が遺伝子を壊す仕組みには、水分子を活性酸素 に変えてこれが遺伝子を壊す間接作用と、直接に遺伝子 を壊す直接作用があります。間接作用を防ぐにはビタミ ンCやEなどの抗酸化ビタミンや、トマトのリコピンな どの抗酸化物質を摂取すればよいのです。また壊れてし まった遺伝子を修復するには葉酸があるのです。事実、 ビタミンC、Eと葉酸は放射線被爆のストレス後急速に 減ります(図1)。なぜならビタミンC、Eは間接作用で 生じた活性酸素で分解され、葉酸は遺伝子損傷の修復に 大量に消費されます(図1)。そこで葉酸とそれを助け るカルシウムを摂ると、放射線を被曝しても遺伝子を大 幅に治してくれます(図2)。さて、私は長崎大学原爆 後障害医療研究施設の客員教授として、被爆者の方々の 健康度は一般人よりも良いことを知りました。被爆者健 康手帳の所持者は無料検診を受けられるのに一般人の受 診率は大変低いのです。大量被爆で多くの遺伝子が破壊 されていても、検診で早期に治療すれば病気にはならな いからです。被爆者の中でも特に野菜、果物の摂取の多 い方ほど全固形癌が少なく(図3)、また脳卒中も少な い(図4)のです。被爆者は66歳以上ですが、百歳老 人の方も多数おられ、中江ひろさんは113歳と日本人 最高齢に近くお元気です。これは放射能被爆の恐怖に対 する大変勇気づけられる事実です。

放射線ストレスと葉酸による放射線障害予防

図1 

女子栄養大学副学長 香川靖雄

図2  図3  図4  図1 放射線照射後のストレスに対抗し骨髄ビタミンC,E,葉酸は激減 する。3GyのX線(0.5Gy/分)全身照射後のマウス骨髄中のビタミンC(○),ビタミンE(▲), 葉酸(■)を図の各時間で測定。*は非照射対照との有意差(p<0.05)

(7)

快適な睡眠に効く7つのポイント

雨晴クリニック副院長

 

坪田

 

特集

「 睡眠

  厚 生 労 働 省 は、 よ り 充 実 し た 睡 眠 に つ い て の わ か り や す い 情 報 を 提 供 す る こ と を 目 的 と し て、 「 健 康 づ く り の た め の 睡 眠 指 針 」 を 作 成し公表しています。 その中の 「快 適 な 睡 眠 の た め の 7 か 条 」 を 実 践 し て 睡 眠 の 質 を 改 善 で き れ ば、 体 と 心 の 病 気 の 発 症 や 悪 化 の 予 防 に も 役 立 ち ま す。 こ こ で は「 快 適 な 睡 眠 の た め の 7 か 条 」 に つ い て、 そ れ ぞ れ の 項 目 を 具 体 的 に ご 紹 介 します。 快適な睡眠でいきいき健康生活   日 中 に メ リ ハ リ の あ る 生 活 を し て い る と、 夜 は グ ッ ス リ 眠 れ ま す。 さ ら に、 十 分 な 睡 眠 が 取 れ て い る と、 1 日 を 健 康 に 過 ご せ ま す。 そ れ に 対 し て、 ス ト レ ス い っ ぱ い の 生 活 を し て い れ ば、 寝 つ き が 悪 い と か 眠 り が 浅 い な ど の 睡 眠 障 害 が 起 こ り、 そ れ 自 身 が ス ト レ ス と な っ て し ま い ま す。 ま た、 睡 眠 不 足 や 睡 眠 障 害 は、 労 働 災 害 や 交 通 事 故 の 原 因 の 1 つ で も あ り ま す。 睡 眠 は 個 人 の 健 康 だ け で な く、 社 会 全 体 の 問 題 を 引 き 起 こ す こ と も あ るのです。   睡 眠 に 問 題 が あ る と、 高 血 圧 や 心 臓 病、 脳 卒 中、 糖 尿 病 な ど の 生 活 習 慣 病 に な る リ ス ク が 上 昇 す る こ と も、 明 ら か に な っ て い ま す。 し か し、 メ タ ボ リ ッ ク 症 候 群 を 予 防 し よ う と 思 っ て も、 夜 遅 く に 激 し い 運 動 を す る こ と は 考 え も の で す。 運 動 で 交 感 神 経 が 刺 激 さ れ て 心 身 が 興 奮 し、 逆 に 寝 つ き が 悪 く な っ て し ま う か ら で す。 し か し、 日 中 に 行 う 適 度 な 運 動 な ら、 夜 の 睡 眠 の 質 を 向 上 し て く れ ま す。 高 齢 者 で は 夕 方 の 散 歩 な ど も 効 果 的 です。   食 生 活 も 見 直 し て み ま し ょ う。 朝 食 を し っ か り 摂 る こ と で、 心 と 体 を 目 覚 め さ せ、 元 気 な 1 日 を ス タ ー ト で き ま す。 夜 は 空 腹 で も 満 腹 す ぎ て も、 快 適 な 睡 眠 が 妨 げ ら れ て し ま い ま す。 夜 食 を 摂 る 場 合 は あ ま り 遅 く な ら な い 時 刻 に、 消 化 の 良 い ク ラ ッ カ ー や う ど ん な ど、 ご く 軽 い も の に し て お き ま し ょ う。 高 カ ロ リ ー の ラ ー メ ン や 消 化 に 時 間 が か か る 肉 な ど は、 避 け た ほ う がよさそうです。 睡 眠 は 人 そ れ ぞ れ、 日 中 元 気 は つ ら つが快適な睡眠のバロメーター   年 齢 に よ っ て、 必 要 な 睡 眠 時 間 は 大 き く 変 化 し ま す。 一 般 的 な 睡 眠 時 間 は、 10歳 代 で 8 ~ 10時 間、 20~ 50歳 代 は 6.5~ 7.5時 間、 60歳 代 以 上 で 6 時 間 弱 と い わ れ て い ま す。 若 年 者 ほ ど 日 中 の 活 動 が 活 発 で、 そ の 回 復 の た め に 長 時 間 の 睡 眠 が 必 要 で す。 一 方、 高 齢 に な る ほ ど 心 身 の 活 動 量 が 減 る た め、 そ れ ほ ど 長 い 時 間 眠 ら な く て も よ く な っ てきます。   心 身 が 必 要 と す る 睡 眠 時 間 は 個 人 差 が 大 き く、 同 じ 人 で も 疲 労 の 程 度 な ど に よ り 変 わ っ て き ま す。 平 均 的 な 睡 眠 時 間 は 参 考 程 度 に と ど め て、 自 分 に 必 要 な 睡 眠 時 間 と リ ズ ム を 知 り、 そ れ に 合 わ せ て グ ッスリ眠ることが大切です。   朝、 目 が 覚 め て も 寝 床 で ダ ラ ダ ラ 過 ご し て い る と、 熟 睡 感 が 減 っ て し ま い ま す。 こ れ は、 無 理 に 長 時 間 眠 ろ う と し て 浅 い 眠 り が 続 く と、 か え っ て 睡 眠 の 質 が 低 下 す る か ら で す。 あ ら か じ め 決 め た 時 刻 が き た ら、 サ ッ サ と 寝 床 か ら 出 て しまいましょう。   睡 眠 障 害 は 夜 だ け の 問 題 と 思 わ れ が ち で す が、 実 は、 昼 間 に 不 都 合 が 起 き て い ま す。 夜、 グ ッ ス リ 眠 れ る か ど う か も 大 事 で す が、 日 中 に 思 い 通 り の 活 動 が で き て い れ ば、 寝 不 足 を 感 じ て い て も 大 き な 問 題 で は あ り ま せ ん。 日 中 の 元 気 は つ ら つ は、 快 適 な 睡 眠 の バ ロ メ ーターというわけです。 快適な睡眠は、自ら創り出す   就 寝 前 に カ フ ェ イ ン を 摂 る と、 脳 が 興 奮 状 態 に な っ て 寝 つ き が 悪 く な り ま す。 コ ー ヒ ー や 紅 茶、 緑 茶 な ど の カ フ ェ イ ン を 含 む 飲 み 物 は、 寝 床 に つ く 3 ~ 4 時 間 前 ま で に し て お き ま し ょ う。 気 付 き に く い こ と で す が、 栄 養 ド リ ン ク や コ ー ラ、 チ ョ コ レ ー ト に も カ フ ェ イ ン が 含 ま れ て い ま す。 で す か ら、 こ れ ら を 飲 ん だ り 食 べ た り す る 時 刻にも注意が必要です。   夕 食 と 一 緒 に 適 度 の ア ル コ ー ル を 飲 む と、 リ ラ ッ ク ス し て 眠 り や す く な り ま す。 し か し、 睡 眠 薬 代 わ り の 寝 酒 は、 ほ ど ほ ど に し て お き ま し ょ う。 少 量 の ア ル コ ー ル な ら 寝 つ き が 良 く な り ま す が、 量 が 過 ぎ る と 睡 眠 の 質 を 悪 く す る か ら で す。 ア ル コ ー ル の 働 き に よ っ て 眠 り が 浅 く な り、 途 中 で 目 覚 め た り 熟 睡 感 が 得 に く く な り ま す。 ま た、 利 尿 効 果 の た め に ト イ レ へ 行 く 回 数 も 増 え ま す。 ア ル コ ー ル を 連 用 す る う ち に 同 じ 酒 量 で は 寝 つ け な く な り、 ア ル コ ー ル 依 存 症 と なる危険性もあります。   睡 眠 薬 を 飲 ん で い る 人 が 飲 酒 す る と、 薬 の 作 用 が 強 ま っ た り、 記 憶 障 害 や ふ ら つ き、 尿 失 禁 な ど の 副 作 用 が 出 た り す る こ と が あ り ま す。 絶 対 に、 睡 眠 薬 と お 酒 は 一 緒 に 飲 ま な い で く だ さ い。 睡 眠 薬 と 飲 み 合 わ せ の 悪 い 薬 は 他 に も あ り ま す か ら、 薬 の 説 明 書 を よ く 読 む か、 主 治 医 に 相 談 し て チ ェ ッ ク し ておくことも大切です。   快 適 な 睡 眠 の た め に は、 寝 室 や 寝 床 の 環 境 を 整 え る こ と も 欠 か せ ま せ ん。 温 か い 居 間 で 過 ご し た 後 に 寒 い 寝 室 に 入 る と、 交 感 神 経 が 刺 激 さ れ て 目 が 覚 め、 寝 つ き が 悪 く な り ま す。 冬 の 寝 室 は「 ナ イ ト ウ ェ ア に 1 枚 は お っ て 寒 く な い 程 度 」 が 良 い と さ れ て い て、 室 温 16 ~ 19度の範囲が理想的です。   冬 に エ ア コ ン や 電 気 ス ト ー ブ な ど を 使 う と、 空 気 が と て も 乾 燥 し ま す。 湿 度 が 低 く 乾 燥 し す ぎ て い る と、 鼻 や ノ ド の 粘 膜 を い た め て 睡 眠 の 質 が 悪 く な り ま す。 快 適 に 眠 る た め に は、 寝 室 の 湿 度 を 50% 前 後 に 保 つ こ と が 勧 め ら れ て い ま す。 加 湿 器 を 使 っ た り 濡 れ タ オ ル を 部 屋 に か け た り し て、 湿 度 を 調 整しましょう。 眠る前に自分なりのリラックス法を   「眠り た い!   眠ら な く ちゃ!」 と、 眠 る こ と に ば か り 気 持 ち が 集

(8)

うつ

にならない 

―毎日を元気に過ごすための工夫― 

主催:財団法人パブリックヘルスリサーチセンター

■日程:2012 年2月 12 日(日)13:00 ~ 17:00 ■会場:早稲田大学 国際会議場 井深大記念ホール ■参加無料 先着 450 名 ■お申し込み先・お問い合わせ先   財団法人パブリックヘルスリサーチセンター TEL:03-5287-5070  e-mail:info@phrf.jp

第2弾 

ストレス科学シンポジウム

プロフィール

坪田 聡

(つぼた さとる)  医師、医学博士。日本睡眠学会、日本 医師会、日本コーチ協会所属。ビジネス・ コーチと医師という2つの仕事を活か し、行動計画と医学・生理学の両面か ら睡眠の質の向上に役立つ情報を発信。 2007 年からインターネットの総合情 報サイト ALL ABOUT の「睡眠ガイド」 を 務 め る。http://allabout.co.jp/ gm/gp/3/ 主な著書に『不眠の科学』 (サイエンス・アイ新書)などがある。 中 す る と、 逆 に 頭 が 冴 え て き て 寝 つ き を 悪 く す る も の で す。 自 然 に 眠 た く な っ て か ら 寝 床 に 入 る ほ う が、快眠が得られやすくなります。   ど う し て も 眠 れ な い と き は、 読 書 や 音 楽、 香 り、 体 操、 入 浴 な ど 自 分 に あ っ た 方 法 で、 心 身 と も に リ ラ ッ ク ス す る よ う 心 が け て み ま し ょ う。 読 書 は 軽 い 読 み 物 や、 逆 に 難 し い 哲 学 書 な ど が お 勧 め で す。 面 白 く て 没 頭 し て し ま う よ う な 本 は 眠 れ な く な る こ と が あ る の で、 避けたほうがよいかもしれません。   音 楽 は、 一 般 的 に は ク ラ シ ッ ク な ど の 静 か な も の が 勧 め ら れ て い ま す。 し か し 音 楽 に は 好 き 嫌 い が あ る の で、 自 分 の 好 き な 曲 を 聴 く ほ う が 快 眠 効 果 は 上 が り ま す。 香 り も う ま く 利 用 し て み ま し ょ う。 ラ ベ ン ダ ー や カ モ ミ ー ル、 ベ ル ガ モ ッ ト な ど の ハ ー ブ や ア ロ マ に は、 気 持 ち を 落 ち 着 け て 眠 り を 誘 う 効 果が期待できます。   寝 る 前 に は ス ト レ ッ チ ン グ や ヨ ガ な ど の 軽 い 体 操 を す る と、 体 も 心 も ほ ぐ れ て お 休 み モ ー ド に 入 れ ま す。 38~ 40度 の や や ぬ る め の お 風 呂 に 入 る と、 リ ラ ッ ク ス 効 果 以 外 に も 良 い こ と が あ り ま す。 入 浴 で い っ た ん 温 ま っ た 体 温 が 下 が る と き に 眠 気 が 強 ま る の で、 寝 つ き が よ く な り ます。 目 が 覚 め た ら 日 光 を 取 り 入 れ て、 体内時計をスイッチオン   ヒ ト の 脳 の 中 に は、 生 体 リ ズ ム を コ ン ト ロ ー ル す る 体 内 時 計 が あ り ま す。 朝、 日 光 を 浴 び る と 体 内 時 計 が リ セ ッ ト さ れ て、 外 界 の 昼 と 夜 の リ ズ ム に 合 っ た 体 内 リ ズ ム が 作 ら れ ま す。 防 犯 上 の 問 題 が な け れ ば カ ー テ ン を 少 し 開 け て お き、 夜 が 明 け た ら 自 然 に 日 光 が 部 屋 に 入 っ て く る よ う に し て お く と、 ス ッキリ目覚められます。   早 起 き は 早 寝 に も 通 じ て い ま す。 睡 眠 に 重 要 な ホ ル モ ン の メ ラ ト ニ ン は、 そ の 日 に 初 め て 光 を 浴 び て か ら、 14~ 16時 間 後 に 分 泌 が 始 ま り ま す。 朝、 適 度 な 日 光 を 浴 び る こ と が、 快 適 な 睡 眠 の 確 保 に つ な がっているのです。   休 日 に 遅 く ま で 寝 床 で 過 ご す と、 そ の 日 の 晩 に 寝 つ き が 悪 く な り、 結 局、 翌 日 の 朝 が つ ら く な り ま す。 平 日 の 睡 眠 不 足 を 休 日 に 取 り 戻 す こ と は 理 に か な っ て い ま す が、 休 日 の 起 床 時 刻 を 平 日 よ り 2 時 間 以 上 遅 く す る こ と は や め て お き ま し ょう。 午後の眠気をやりすごす   ヒ ト の 睡 眠 の リ ズ ム と し て、 午 後 2 ~ 4 時 こ ろ に 眠 気 が 生 じ る の は 自 然 な こ と で す。 そ の た め、 仕 事 の 効 率 を 考 え る と、 昼 食 後 の 昼 寝 が 勧 め ら れ て い ま す。 日 本 で は、 職 場 や 学 校 で の 居 眠 り は 良 く な い こ と と 考 え ら れ て い ま す が、 南 ヨ ー ロ ッ パ や 熱 帯 地 方 で は、 昼 寝 が 習 慣 と な っ て い る と こ ろ も 多 く あ り ま す。 日 本 で も 昼 寝 の 習 慣 が 広 まることを願っています。   長 い 昼 寝 や 夕 方 以 降 の 仮 眠 は 夜 の 睡 眠 に 悪 影 響 を 及 ぼ す こ と が 多 い た め、 午 後 3 時 以 前 に 20~ 30分 の 短 い 昼 寝 を す る こ と で リ フ レ ッ シ ュ し、 う ま く 午 後 の 眠 気 を や り 過ごしましょう。   昼 寝 の 直 前 に カ フ ェ イ ン を 含 む 飲 み 物 を と っ て、 椅 子 な ど で ち ょ っ と 眠 る の が コ ツ で す。 マ ナ ー モ ー ド に し た 携 帯 電 話 の ア ラ ー ム を 設 定 し て 胸 ポ ケ ッ ト に 入 れ て お け ば、寝過ごす心配もありません。 睡眠障害は専門家に相談を   寝 つ け な い、 夜 中 に 目 が 覚 め る、 早 朝 に 目 が 覚 め て し ま う、 熟 睡 感 が な い、 日 中 の 眠 気 が 異 常 に 強 い な ど の 症 状 は あ り ま せ ん か?   睡 眠 障 害 は 体 や 心 の 病 気 の 症 状 と し て 現 れ て い る こ と も あ る の で、 1 人 で 悩 ま ず 早 め に 睡 眠 障 害 の 専 門 医 へ 相 談 し ま し ょ う。 日 本 睡 眠 学 会 の ホ ー ム ペ ー ジ に は、 睡 眠 医 療 の 認 定 医 や 認 定 医 療 機 関 が 紹 介 されています。   激 し い イ ビ キ を か い た り 睡 眠 中 に 息 が 止 ま る 人 は、 睡 眠 時 無 呼 吸 症 候 群 な ど の 病 気 の 可 能 性 が あ り ま す。 足 が ム ズ ム ズ し て 眠 れ な い と か 歯 ぎ し り が 激 し い 場 合 に も、 医 師 や 歯 科 医 師 に 早 め に 相 談 す る ことをお勧めします。   う つ 病 で は、 早 朝 に 目 が 覚 め た り、 寝 つ け な い、 熟 睡 感 が な い な ど の 症 状 を 示 し ま す。 こ の よ う な 睡 眠 障 害 を 早 い う ち に 見 つ け て 適 切 に 治 療 す る こ と に よ り、 う つ 病 の 悪 化 を 予 防 し、 さ ら に 自 殺 を 予 防することにもつながります。

参照

関連したドキュメント

健康人の基本的条件として,快食,快眠ならび に快便の三原則が必須と言われている.しかし

1-1 睡眠習慣データの基礎集計 ……… p.4-p.9 1-2 学習習慣データの基礎集計 ……… p.10-p.12 1-3 デジタル機器の活用習慣データの基礎集計………

たとえば、市町村の計画冊子に載せられているアンケート内容をみると、 「朝食を摂っています か 」 「睡眠時間は十分とっていますか」

公益財団法人日本医療機能評価機構 理事長 河北博文 専務理事 上田 茂 常務理事 橋本廸生 執行理事 亀田俊忠..

大気浮遊じんの全アルファ及び全ベータ放射能の推移 MP-1 (令和3年7月1日~令和3年9月30日) 全ベータ放射能 全ベータ放射能の

一般社団法人 葛西臨海・環境教育フォーラム事務局作成 公益財団法人 日本財団

1.管理区域内 ※1 外部放射線に係る線量当量率 ※2 毎日1回 外部放射線に係る線量当量率 ※3 1週間に1回 外部放射線に係る線量当量

眠れなくなる、食欲 が無い、食べ過ぎて しまう、じんましん が出る、頭やおなか が痛くなる、発熱す