「薬物治療と肝病態」
大竹孝明
旭川医科大学 臨床消化器・肝臓学診療連携講座 特任教授 消化器・血液腫瘍制御内科 講師 旭川医科大学病院 肝疾患相談支援室 室長平成26年2月13日(木)、旭川薬剤師会館
平成25年度旭川医科大学薬剤部冠講座
人間ドック学会の全国集計報告から
http://www.ningen-dock.jp/concerned/kinenshi/pdf/hikaku.pdf
人間ドック全国集計では、生活習慣病が増加しており、特
肝臓の役割・機能
糖質・蛋白質・脂
肪・ビタミン・ミネラルの
貯蔵
栄養素から生体活動に必要なエネ
ルギーや重要蛋白・酵素を産生
老廃物・
薬物
・アルコールの
分解・代謝、毒物の解毒
体の代謝・解毒・栄養貯蔵の中心臓器
ホルモン代謝
Kojima S et al. J Gastroenterol, 2003; 38:954-961改変
0
10
20
30
40
1990
1995
2000 年
%
女性
男性
検診受診者において脂肪肝が増えている
我が国の肝硬変の成因
第15回日本肝臓学会大会 特別企画:我が国における 非B非C肝硬変の実態調査(2011年) http://www.jsh.or.jp/medical/date/kankouhen.pdf B型 12.0%非B非C型
26.0%
C型 60.9% B+C型 1.1%全肝硬変における非B非C型の頻度
非アルコール性
エタノール20g以下
14.5%
非B非C型肝硬変の成因別頻度
アルコール性
エタノール70g以上
55.1%
中等量飲酒者
20g < エタノール < 70g
2.5%
PBC AIH その他 寄生虫性 うっ血性 代謝性 原因不明 その他の胆汁うっ滞• 我が国の肝硬変の4分の1が
肝炎ウイルスの関与がない
• その内の7割が脂肪肝を初期
像として進展する肝硬変
(25,020例の調査) (6,999例の調査)脂肪肝の原因
肝炎ウイルス (HCV)お酒
いろいろな薬食べ過ぎ
高脂肪食
肥満
遺伝 環境 老化 ホルモン異常 栄養失調 感染症脂肪肝の原因と言えばアルコール
そして、アルコール性肝障害は脂肪肝から始まる
正常肝
脂肪肝
脂肪肝の組織 大部分の肝細胞が脂肪化し、白く抜けている 核は脂肪滴に押されて偏在している 正常に比べ黄色っぽい肝臓 脂肪滴はないが腫大している細胞があるアルコール性肝せんい症から肝硬変へ
肝細胞の周囲にせ んい(赤茶色)が密 につき始めている。 脂肪化がないことも ある。 厚いせんいで囲まれた再生結節肝せんい症
肝硬変
肝臓表面が凹凸不整正常肝
肝硬変
脂肪肝
肝臓の組織が肝内血管 像より暗くなっている 正常では肝臓の組 織は肝内血管像よ り明るい 肝硬変になると脂肪化は少なくなるCT像の変化
食べ過ぎと肥満による脂肪肝の発症
中性脂肪
(トリグリセリド)
として貯蔵
(脂肪肝)
脂肪酸
食べ過ぎ
脂肪組織
皮下脂肪
内臓脂肪
エネルギーを取り出す
ための代謝系へ
日本人糖尿病の死因
1991-2000年の10年間、18,385名での検討
(堀田 等、糖尿病、2007年から作成)生活習慣病の代表である糖尿病の死因第一位は悪性腫瘍(がん)
で、中でも肝がんが最も多く、さらに肝硬変も含めた肝臓病関連死
は14%に達する。
9% 5% 25% 7% 10% 10% 14% 1% 19% 肝がん 肝硬変 その他のがん 糖尿病性腎症 虚血性心疾患 脳血管障害 感染症 糖尿病性昏睡 その他肝臓病関連死
女性では年齢と共に脂肪肝発症の割
合が増えている
Kojima S et al. J Gastroenterol. 2003
改変
0
10
20
30
20
30
70~ 歳
%
女性
男性
40
50
60
非B非C型肝硬変の原因は男女で異なる
女性でNASHが多い
NASH
9.5%
アルコール性
73.4%
境界型
3.4%
自己免疫性 3.4% 原因不明 7.9% その他 2.4%女性
男性
NASH
24%
アルコール性
19.8%
境界型
0.9%
自己免疫性 37.1% 原因不明 15.4% その他 2.8%0
20
40
60
80
100
2010/1/28
2011/1/28
2012/1/28
2013/1/28
リピディル(高脂血症治療薬) ゼチーア(高コレステロール血症治療薬) リバロ(高コレステロール血症治療薬 アロシトール(高尿酸血症治療薬) ユリノーム(高尿酸血症治療薬) インスリン治療開始 シタグリプチン 30歳代男性、非アルコール性脂肪肝でフォロー中、急激な体重増加に伴って糖尿病・ 脂肪肝が悪化した。インスリン治療導入し、体重減少、血糖値の改善と共に脂肪 肝も改善し、その後、糖尿病治療薬は中止することができた。 体重 82.65 kg 68 kg 67.6 kg 68 kg HbA1c 10.4 % 4.4 % 4.5 % 4.5 %ポイント
• 脂肪肝は急激な肥満の悪化、糖尿病発症に
伴って悪化する。
• 早期のうちにメディカルスタッフと協力し、適
切な食事・運動療法・薬物治療を行うことが
重要である。
アクトス(糖尿病治療薬) ネシーナ(糖尿病治療薬) リオベル(糖尿病治療薬) ウルソ アクトス・シタグリプチン (糖尿病治療薬) 20歳代男性、肥満、糖尿病、非アルコール性脂肪肝でフォロー中。糖尿病薬物治療お よび瀉血療法を開始し、改善傾向を示していたが、体重のリバウンドと共に再び 悪化。減量が不十分でALTの改善が乏しい。 体重 116 kg 113 kg 112 kg 129 kg 126 kg HbA1c 8.3 % 5.9 % 5.6 % 7.4 % 6.1 %
0
200
400
600
0
100
200
300
400
2011/5/26 2011/11/26 2012/5/26 2012/11/26ALT
フェリチン
瀉血療法肝細胞の脂肪化が高度。炎症は弱いが、肝臓のせんい化は中等度。20歳代とい う年齢を考慮すると積極的な薬物治療が必要と考えられる。
ポイント
• 服薬・食事・運動療法のコンプライアンス不良
はすぐにリバウンドし、肝機能が悪化する。
• 食事・生活習慣改善を維持するための意識
づけが必要である。
• 無理なダイエットプログラムはリバウンドの原
因となるので、継続可能な食事・運動療法を
計画する。
• 定期的に薬剤師・管理栄養士の指導を受け
る。
バラクルード(核酸アナログ製剤) クレストール(高コレステロール血症治療薬) リピディル(高脂血症治療薬) メトグルコ(糖尿病治療薬) 30歳代男性、B型肝炎でフォロー中、当初より脂肪肝・高フェリチン血症があったた め、バラクルード導入時に瀉血療法も併用した。HBV-DNAの低下が遅延していた が、体重増加に伴って、血清ALTが変動するため、肝生検を施行した。 体重 85 kg 78.5 kg 83 kg 88 kg 93.6 kg HBV-DNA 6.2 4.2 3.1 2.6 <2.1
ALT
フェリチン
瀉血療法0
100
200
300
400
0
50
100
150
200
2009/3/1 2010/3/1 2011/3/1 2012/3/1 2013/3/12011年9月20日、バラクルード導入2年5か月、体重81kg, HBV-DNA 2.3, ALT 48
50
100
150
200
250
0
30
60
90
120
糖尿病型の基準
正常上限
糖負荷
体重がダイエット成功時の78.5kgから88kgにリバウンドした。空腹時血
糖値 97㎎/dL、ヘモグロビンA1c 5.6% (国際基準 6.0%)は正常域で
あったが、インスリン抵抗性の指標であるHOMA-IRが5.0(正常1.6未
満)であることから
インスリン抵抗性
と診断した。糖負荷試験をしたと
ころ、
境界型
であった。
血清インスリン値 24.48 161.50 161.10 72.43 143.60 (分) 血 糖 値ポイント
• 核酸アナログ製剤が効いているのに血清ALT
が31以上になっているときは脂肪肝が合併し
ていることも念頭に入れる。
• ウイルス性肝炎と脂肪肝は合併しうるので抗
ウイルス療法施行中においても食事・生活習
慣に配慮が必要である。
特殊なNASH
• 肥満のないNASH
• 薬物性
• タモキシフェン
• ステロイド
• アミオダロン
• 消化器の手術後
• 小腸、膵臓の手術
手術 40歳代女性、左乳がん術後患者、術前抗がん剤治療、左乳房切除、術後放射 線治療後、内分泌治療中に肝機能障害で紹介となる。 タモキシフェン 術前化学療法でステロイド ウルソ ベイスン(糖尿病治療薬)
0
100
200
300
400
NASHの治療薬は?
• 糖尿病治療薬(インスリン抵抗性改善薬)
• 抗酸化作用のあるビタミンE
• ある種の高血圧の薬
• 抗コレステロール薬
• ウルソ
• 瀉血療法
• 世界中でNASH治療薬が開発中である。しかし、
今のところ適切な食事療法・運動療法以上の効
果をあげている薬物は実用化されていない。
3METS以上の主な活動(運動)の強度
METS
運動強度歩く・走る
日常生活
レジャー・スポーツ
3
歩行(ゆっくり)
自転車で買い物
掃除
ペットの散歩
ゴルフの打ちっ放し
ボウリング
柔軟体操
4
歩行(普通)
一般的な家事
水中フォーキング
社交ダンス
ゴルフ(コース)
5
歩行(速い)
子供と遊ぶ
階段を下りる
エアロビックダンス
テニス
6
ジョギング(ゆっく
り)
雪かき
サイクリング
スイミング
メッツ × 時間 = エクササイズ
肥満の運動療法としては1日平均4~5エクササイズ行う
本邦における肝炎ウイルス感染患者数
(厚生労働省推定2010)
B型肝炎
C型肝炎
キャリア数
110~140万人
190~230万人
患者数
約7万人
CH 5万人
LC・HCC 2万人
約37万人
CH 28万人
LC・HCC 9万人
検診受診者におけるHBs抗原陽性率
都道府県別比較
平成19年度肝炎ウイルス検診等の実績についてより改変 http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/03/dl/h0304-1a.pdf 全国平均 1.14% 0% 1% 2% 3% 沖 縄 県 北 海 道 鳥 取 県 青 森 県 秋 田 県 宮 城 県 広 島 県 鹿 児 島 県 佐 賀 県 熊 本 県 長 崎 県 富 山 県 岩 手 県 福 岡 県 福 島 県 山 形 県 大 分 県 福 井 県 宮 崎 県 大 阪 府 愛 媛 県 石 川 県 島 根 県 栃 木 県 新 潟 県 徳 島 県 高 知 県 兵 庫 県 山 梨 県 奈 良 県 香 川 県 東 京 都 山 口 県 神 奈 川 県 岐 阜 県 和 歌 山 県 静 岡 県 岡 山 県 愛 知 県 埼 玉 県 茨 城 県 京 都 府 千 葉 県 三 重 県 長 野 県 群 馬 県 滋 賀 県 全国平均 1.14%北海道は沖縄県に次ぎ全国2番目に高いHBs抗原陽性率
B型肝炎ウイルスの形態
HBs抗原
HBV
-DNA
HBc抗原
HBVは直径42nmの二重構造の球形のDNA型ウイルス
HBV電子顕微鏡写真 •持続感染で発癌リスクとなる
•感染性はHCVの10倍、HIVの100倍
HBV持続感染者の感染パターン
• 垂直感染(母子感染)
• HBVキャリアの母親からの妊娠・出産時に感染
• 約90%がキャリア化
• 水平感染(乳幼児期)
• 乳幼児期はHBVに対する宿主の免疫応答が未
発達のためHBV持続感染に至る。3歳以下の感
染で約80%、4~10歳の感染で約30%がキャリア化
• B型肝炎訴訟対象者を念頭
本邦のHBV持続感染
• 本邦におけるB型肝炎ウイルス(HBV)感染率は約
1%。北海道は約2%。
胎児期・出産時・乳 幼児期感染 持続感染 若年期にe抗原セロ コンバージョン (非活動性キャリア)9割
9割
1割
活動性肝炎 (年率2%で肝硬変)多くは15~30歳になるとHBVに対する免疫
応答が活発となり肝炎となる。そのうち
90%でHbe抗原セロコンバージョン(SC)が
起こり、肝炎が終息し、無症候性キャリア
となる。SCが起こらないかSC後もウイルス
増殖がある方では、肝病変が進展する。
HBV感染患者に対する治療目標
• 急性肝不全からの離脱
– 予測・予防に限界がる
– 抗癌剤・免疫抑制剤によるHBV再活性化を予防
• 慢性肝不全の予防
• 肝発癌の予防
– ハイリスク群の拾い出し、囲い込みが可能
– 抗ウイルス療法によって発症リスク低減が可能
HBV抗ウイルス療法の目標
• 短期目標
• 長期目標:HBs抗原の消失
慢性肝炎
肝硬変
ALT
30以下
30以下
HBe抗原
陰性
陰性
HBV-DNA
核酸アナログ治療継続例
IFN終了例/NA中止例
陰性
<4 log copies/ml
陰性
陰性
平成24年 B型慢性肝炎の治療ガイドライン (厚生労働省)
B型慢性肝炎治療ガイドラインの基本指針
• 35歳未満ではdrug free, 最終的にHBs抗原陰
性化
を目指して、IFN単独治療あるいは核酸
アナログ製剤(NAs)・IFNのsequential療法を基
本とする。
• 35歳以上はHBV-DNAの持続陰性化
および
ALT値の持続正常化を目指してNAsの長期投
与あるいはNAs・IFNとのsequential療法でHBs
抗原陰性化を目指す。
HBV持続感染者における治療対象
ALT
HBV-DNA量
慢性肝炎
≥31 U/L
≥4.0 log copies/mL
肝硬変
―
陽性
Peg-IFN
a
2aとENTの薬理特性
Peg-IFN
a
2a
エンテカビル
作用機序 抗ウイルス蛋白の誘導 免疫賦活 直接的ウイルス複製阻害 投与経路 皮下注射 経口投与 治療期間 24~48週間 長期投与 薬剤耐性 なし 3年で1% 副作用 高頻度で多彩 少ない 催奇形性 なし あり 妊娠中の投与 原則不可 原則不可 非代償期肝硬変 への投与 禁忌 可能 治療反応の頻度 Hbe抗原陽性の20~30% Hbe抗原陰性の20~40% 高率 治療中止後の 効果持続 セロコンバージョン例では高率 低率B型肝炎の治療目標 ①
ウイルス増殖をおさえる → ウイルスDNAを低くする
52 84 0 20 40 60 80 100 PEG-IFN (n=69) ETV (n=37)【HBeAg 陰性】
(%) 16 52 0 20 40 60 80 100 PEG-IFN (n=61) ETV (n=33)【HBeAg 陽性】
(%) エ ン テ カ ビ ルt 投 与 1 年 後 の ウ イ ル ス 消 失 率核酸アナログはウイルス増殖をよく抑える
腎機能障害時のETV減量
CCr
Cystatin C
ETV 投与量
50以上
1.2未満
通常用量0.5㎎毎日
30~50
1.2~1.8
0.5mgを2日に1回
10~30
1.8~3.7
0.5mgを3日に1回
10未満
3.7以上
0.5mgを7日に1回
血液透析又は腹膜透析(CAPD)患者
0.5mgを7日に1回
(透析後に投与)
核酸アナログ製剤の問題点
②服薬を止めるとHVB-DNA、血清ALTが再上昇する
→肝炎が再燃する
(Dienstag JL, NEJM 2008)
ペガシス®を用いた
シークエンシャル療法(海外データ)
経過観察1年 ペガシス180 µg /週 1年 N=23 核酸アナログ 1年以上 N=23 HBVDNA量 < 102 copies/mL53.8%
50.0%
0% 20% 40% 60% e抗原陽性 e抗原陰性DNA低値持続
T.Ba Trung et al , AASLD 2011
0
50
100
150
200
0w
4w
8w
12w
16w
20w
24w
ALT
sAg
180μ g PEG-IFNα2a ETV <2.1- HBV-DNA (U/l) (IU/ml)HBsAg
1.88
HBsAg
176.1
<2.1+症例:48歳、男性、NAs服用134カ月間、HBV-DNA<2.1(-), Genotype
C, HBsAg 176.1, HBeAb(+), HBcrAg 3.3, Drug free score 2点
• 癌化学療法・免疫療法の進歩に伴い、多様な抗癌剤や免疫抑
制剤を使用する機会が増加している。
• HBs抗原(+)例に対する癌化学療法に伴うHBV再活性化は、従来
より報告されていた。
• 一方、HBs 抗原(-)でHBc 抗体(+)ないしHBs 抗体(+)例は、従来
HBV 既往感染とされ、臨床的には治癒の状態と考えられてき
た。
• 最近、リツキシマブなど強力な免疫抑制剤の使用により、このよ
うな既往感染例からもHBV 再活性化により重症肝炎が発症す
ることが報告され、de novo B 型肝炎と呼ばれている。
• 厚生労働省班の全国調査によりこのようなde novo B型肝炎は
通常のB型肝炎に比して劇症化する頻度が高率で、死亡率も高
いことが明らかになっている。
HBV再活性化の現状
楠本 茂 等,血液・腫瘍科 54(6):737-748, 2007. 坪内博仁 等,肝臓 50(1):38-42, 2009.慢性B型肝炎ウイルス感染の自然経過
22% 9% 0 5 10 15 20 25 100% 47% 0 20 40 60 80 100 de novo肝炎 5/23 急性肝炎 45/529
劇症化した場合の死亡率
%劇症化率
%HBV既往感染例からの肝炎(de novo 肝炎)と急性肝炎の予後の違い
de novo肝炎 5/5 急性肝炎 21/45 P = 0.031 P = 0.048Umemura T, et al., Clin Infect Dis 2008; 47(5): e52-56
日本におけるHBV感染率
References HBVキャリア HBV既往感染 HBs抗原(+) HBs抗原(-) HBc抗体(+) and/or HBs抗体(+) S. Kusumoto 2) (2009) (56/3,874)1.5%
(899/3,874)23.2%
Y. Urata 3) (2011) (6/428)1.4%
(135/428)31.5%
2) S. Kusumoto et al. Int J Hematol 2009 (90): 13-23. 名古屋市立大学病院の輸 血前検査データ(2005~2006年の2年間3,874検体)
3) Y. Urata et al. Mod Rheumatol 2011 (21):16–23. 青森県五所川原市立西北中 央病院リウマチ科のリウマチ治療患者428例。HBs抗原陰性422例の年齢中 央値:62.3歳
HBV再活性化の頻度とリスク
HBV
免疫抑制 全身化学療法 造血細胞移植 臓器移植 リツキシマブ+ ステロイド併用 HBs抗原(+) HBs抗原(-) HBc抗体(+) and/or HBs抗体(+) 全マーカー (-) 高リスク 12.2-23.8% 4), 11) 高リスク 14-20% 3), 8) 低リスク 1.0-2.7% 4), 7) 極めて高リスク >50% 5) 高リスク 24-53% 6), 7), 10)S. Kusumoto et al. Int J Hematol 2009 (90): 13-23 3) Dhedin N et al. Transplantation. 1998;66:616–9. 4) Hui CK et al. Gastroenterology. 2006;131:59–68. 5) Lau GK et al. Bone Marrow Transplant.1997;19:795–9. 6) Lau GK et al. Gastroenterology. 2003;125:1742–9. 7) Lok AS et al.
免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策ガイドライン
(2011.9.26 改訂版)
難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究班、肝硬変を含めたウイルス性肝疾患の治療の標準化に関する研究班、日本 肝臓学会 http://www.jsh.or.jp/medical/index.html スクリーニング(全例) HBs抗原 HBe抗原、HBe抗体、 HBV DNA定量 HBc抗体(+) and/or HBs抗体(+) モニタリング HBV DNA定量 1回/1~3か月 (AST/ALT 1回/1~3か月) 治療終了後少なくとも12ヶ月まで継続 HBc抗体(-) and HBs抗体(-) HBV DNA定量 核酸アナログ投与 通常の対応 (+): 検出感度以上 (+): 2.1以上 (-): 検出感度未満 (-): <2.1 (+)以下 HBc抗体、HBs抗体 HBs抗原(+) HBs抗原(-)de novo B型肝炎の臨床パターン
C-K Hui,et al. Gastroenterology 2006;131:59-68
RCHOP, rituximab, cyclophosphamide, adriamycin, vincristine, prednisolone; LOD, limit of detection.
① HBV DNA上昇
② HBs抗原陽転化
「重要な基本的注意」としてB型肝炎再活性化に関する注
意が添付文書に記載されている主な薬剤
対象疾患 適用 薬効分類名 一般名 関節リウ マチ 抗リウマチ剤 ・メトトレキサート1) 免疫抑制剤 ・タクロリムス2) 完全ヒト型可溶性TNFα/LTαレセプター製剤 ・エタネルセプト3) 抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤 ・インフリキシマブ 4) ・ アダリムマブ 5) ・ ゴリムマブ 6) T細胞選択的共刺激調節剤 ・アバタセプト7) 1) 添付文書 2011年8 月改訂(第15 版), 2) 添付文書 2011年7月改訂(第28版) 3) 添付文書 2010年9月改訂(第8版), 4) 添付文書 2011年8 月改訂(第20版) 5) 添付文書 2011年9 月改訂(第11版), 6) 添付文書 2011年9月作成(第1版) 7) 添付文書 2011年5 月改訂(第2 版)Hepatitis C virus
NS3/4Aプロテアーゼに対するシメプレビルの酵素阻害作用(社内資料 BiochemActivity-AVMR)