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じ め に
タイは、わが国にとって、米国、中国、カナダ、オーストラリアに次ぐ主要な輸入相手 国であるとともに、現在 7 番目の農水産物輸出先国でもあり、かつお・まぐろ類など水産 物を中心として同国向けに輸出を行っていることから、食料の貿易相手国としては重要な 位置を占めている。また、同国は豊富な原材料や安価な労働力といった好条件の下、食品 加工産業が近年、著しい発展を遂げており、現地に進出している数多くの日系企業も、冷 凍食品、農産加工品、インスタントラーメン、菓子類、飲料など多伎に渡って、日本市場、 タイ国内市場向けに供給を行っている。また、自由貿易化が急速に進む中、最近ではアセ アン諸国等、第三国向けに販路を拡大している企業もあるという。他方、日本国内におい ても、近年、地方の食品関連の中堅・中小企業を中心に日本の食材・食品等を海外向けに 輸出しようとする動きが活発化している。 本報告書は、このような状況に鑑み、タイにおける輸入制度および市場の実態を把握し、 日本の食品企業等海外への貿易・投資を促進するための参考に資することを目的に、ジェ トロ・バンコクセンターがとりまとめたものである。 関係各位にとって、ご参考になれば幸いである。 2004 年3月 日本貿易振興機構(ジェトロ) 産業技術・農水産部目 次
I.基礎調査... 1
1.食品輸入制度... 1
1.1. 輸入制度概要 ... 1
(1)関係機関... 1 (2)食品輸入に関連する法令... 2 (3)関税制度... 41.2. 輸入手続き... 7
(1)輸入制限品目... 7 (2)原材料関税還付制度...11 (3)EDIシステム... 14 (4)検疫制度... 161.3. 食品法における輸入規制 ... 23
(1)食品法の概要... 23 (2)食品法による食品の分類... 24 (3)食品法による輸入規制... 27 (4)食品輸入の手続き... 29 (5)輸入食品の表示について... 34 (6)食品添加物の規制... 39 (7)GMP製造基準に関する規則... 391.4. 食品安全性に係る政策 ... 43
(1)残留化学物質問題... 43 (2)GMO 対策... 53 (3)食品安全性の政策... 582. タイの食品産業および市場規模 ... 61
(1)タイの食品産業の概況... 61 (2)食品産業の構造... 62(3)日系進出食品企業の概況... 70 (4)タイの食品小売市場... 78 (5)タイの外食市場... 79
3.貿易動向... 83
(1)食品の貿易収支... 83 (2)国別の食品輸出入... 83 (3)品目類別の食品輸出入... 864.消費動向... 92
(1)食料消費の推移... 92 (2)家計消費に占める食料消費支出... 93 (3)ライフスタイルの変化と消費動向... 95II.日本食品普及状況調査 ... 101
1.主要食品の産業動向 ... 101
(1)しょう油... 101 (2)魚介類... 102 (3)野菜(有機農産物)... 104 (4)果実... 105 (5)小麦粉製品...110 (6)菓子類...113 (7)麺類...116 (8)調理冷凍食品...118 (9)緑茶...119 (10)日本酒... 1212.食品の流通状況 ... 124
(1)ハイパーマートの流通状況... 124 (2)地方都市(コンケン)における日本食普及について... 1253.競合状況および価格調査 ... 129
(1)日本食品の価格調査... 129 (2)現地日系食品企業の食品価格調査... 138 (3)現地日系食品企業の競合相手... 144I.基礎調査
1.食品輸入制度 1.1. 輸入制度概要 (1)関係機関 タイにおいて食品および農水産物の輸入管理は商務省、財務省関税局を中心に、保健省、 農業協同組合省が実施し、輸入食品および農水産物の安全性に関する行政機関は、保健省 を中心に、農業協同組合省、工業省、科学技術省などがある。食品の安全性に関しては首 相、内閣の承認の下、関係省庁間で共同し食品政策をサポートするため、国家食品委員会 が設置されている。 食品および農水産物の輸入管理に関係する行政機関商務省(Ministry of Commerce, http://www.moc.go.th )
外国貿易局(Department of Foreign Trade, http://www.dof.go.th ) ・WTO、AFTAなどの渉外、輸出入政策、輸入規制
財務省(Ministry of Finance, http://www.mof.go.th ) 関税局(Custom Department, http://www.customs.go.th ) ・輸出入手続きの管理、関税制度の運営
国家食品委員会(National Food Committee) ・関係機関の横断的な食品政策
保健省(Ministry of Public Health, http://www.moph.go.th ) 食品委員会(Food Committee,)
・食品法の政策運営
食品医薬品局(Food and Drug Administration, http://www.fda.go.th ) ・国内食品の安全性確保に係る製造、販売、輸入の基準策定、許認可 医科学局(Department of Medical Science, http://www.dmc.go.th ) ・食品調理法登録申請のための分析証明書の発行
農業協同組合省
(Ministry of Agriculture and Agricultural Cooperatives, http://www.moac.go.th ) 農業局(Department of Agriculture, http://www.doa.go.th )
・ 植物検疫、GMO規制、農薬などの化学物質の安全な使用、植物品種保護 農業普及局(Department of Agricultural Extension, http://www.doae.go.th )
・ GAP 指導、衛生野菜の認証
畜産振興局(Department of Livestock Development, http://www.dld.go.th ) ・安全な畜産物の生産または加工基準、畜産物検査、証明書の発行、HACCP 認証 水産局(Department of Fishery, http://www.fisheries.go.th )
・ 水産物捕獲または養殖に関する安全な適正技術の確保、工場および製品の検査
工業省(Ministry of Industry, http://www.moi.go.th ) 工業規格研究所(TISI, http://www.tisi.go.th )
・ GMP、ISO、HACCP の認証
科学技術省(Ministry of Science and Technology. http://www.most.go.th ) 平和原子力エネルギー局(Office of Atomic Energy for Peace)
・食品の放射能検査、証明書の発行 遺伝子工学および生物技術センター(BIOTEC)
・GMO農作物研究、分析サービス
タイ国立食品研究所(National Food Institute, http://www.nfi.or.th ) ・食品政策の提言、食品技術の開発または普及、HACCP 指導 (2)食品輸入に関連する法令 タイにおける食品輸入に関する法令は、商務省による輸出入管理法、農業協同組合省に よる動物伝染病予防法および植物検疫法、保健省による食品法が主要な法律であり、さら に食品輸入に関連する法令として関税法、外国為替管理法、飼料管理法、薬事法、公衆衛 生法、消費者保護法、植物品種保護法などがある。各省庁はこうした法律に基づき、詳細 の規則等を状況に応じて随時告示の形で発令している。 それ故、農水産物、食品の輸入に携わる者は、各省庁のこうした告示を随時チェックして おく必要がある。
輸出入管理法(Import and Export of Commodity act, 1979) 商務省外国貿易局 国内重要産品、国際法上の輸出規制品目について、国内産業のための原材料確保、野生 生物の保護、他国との貿易協定等の理由により、輸出許可品目、輸出禁止品目が定められ ている。輸入については、公益上の理由、国内産業および産品の保護、外貨流出防止の理 由により輸入が制限されている。
動物伝染病予防法(Animal Epidemic Act.)1999 年改正 農業協同組合省農業局 動物の移動、輸出、輸入の検疫、伝染病措置等について規定している。
植物検疫法(Plant Quarantine Act)1964 年およびその改正法 1999 年 農業協同組合省農 業局 植物、農産物の輸出入にかかる検疫および検疫証明書の発行規則等について定めてい る。 食品法(Food Act)1979 年 保健省食品医薬品局 食品工場設置、食品輸入の許可、製造、表示、販売、広告の許認可など食品衛生に係る 運用規則を定めている。2000 年に食品法改正の準備が進められたが、依然公布されていな い。 関税法(Custom Act 1939) 財務省関税局 関税に係るすべての諸制度、特に原材料輸入のための関税還付制度( 19 条)などが法制 化されている。 外国為替管理法 財務省 1942 年に施行された外国為替管理法と 1954 年に公示された財務省令があり、その運用 については、財務省告示またはタイ中央銀行からの告示、命令により定められる。 これらにより、決済通貨、外貨集中義務、輸出入取引、銀行預金、貸付、両替、投資に ついての規制が敷かれている。 薬事法(Drug Act)1998 年改正 保健省食品医薬品局 医薬品および動物医薬品の製造、販売、輸入、使用基準等を規制している。
飼料管理法(Animal Food Control Act)1982 年 農業協同組合省畜産振興局 飼料の製造許可、製造方法、飼料の輸出入について規定している。
公衆衛生法(Public Health Act) 1990 年 保健省
広く国民の健康状況の維持、向上するために母子保健、伝染病予防、水道衛生管理、 飲食店、フードマーケットの設置基準等について規定している。
消費者保護法(Consumer Protection Act ) 1979 年 総理府
消費者保護特別委員会の下、国民が消費する製品、サービスに対して消費者を保護 するため、流通、広告等を規制している。
植物品種法(Plant Act)1976 年、植物品種保護法(Plant Variety Act)1999 年 農業協 同組合省農業局
植物、農作物の品種の輸出入、遺伝子組み換え植物、植物の品種保護の権利につい ての規定をしている。
(3)関税制度
タイの輸入関税は、1926 年の関税法(The Custom Law)に基づき関税局発行の税率表に より品目ごとに定められた税率に従うが、1987 年関税率緊急勅令により、財務大臣が内閣 の了承により、そのときの経済情勢などにより臨機応変に関税率を変更することができる (第 12 条)ようになっている。 関税評価については、2002 年 6 月の WTO での合意により、これまでの見做し課税制度か ら、申告納税制度(評価申告制度)となり、日本と同様に輸入者の申告するインボイス価 格によって課税対象額が決定される。 タイの輸入関税率については、通常の輸入関税率(MFN)の他に、WTO 協定、AFTA、GSPT 制度の関税率が設定されている。近年の輸入関税率の動向としては、最近の積極的な FTA 外交、国内の原材料、中間製品、完成品の産業間における税構造の歪み、国内生産力の強 化などの観点から関税率の削減を容認しているのが特徴である。 農水産物および食品分野の関税幅は次のとおりである。 表 1-1 HS 分類(01∼22 類)の関税率 HS 分類 通常関税(MFN) WTO 関税 AFTA 関税 01 生きている動物 0-40% 0-32% 0-5% 02 食肉およびくず肉 60% 30-52% 5% 03 魚、甲殻類、軟体動物およびその他水棲無 脊椎動物 60% 5-30% 0-5% 04 酪農品、鶏卵、蜂蜜および食用動物製品 0-65% 5-220.8% 0-5% 05 動物性製品(他にさだめのないもの) 0-60% 27-35% 0-5% 06 生きている植物ならびにその部位;切花ま たは観葉植物 60% 30-55.2% 5% 07 食用野菜ならびに特定の根および塊茎 60% 0-145.2% 5% 08 食用果実およびナッツ;柑橘果実またはメ ロンの皮 60% 20-55.2% 5% 09 コーヒー、茶、マテ、および香辛料 30-60% 27-92% 0-5% 10 穀物 0%(2.75 バーツ 20-74.6% 5% 11 製粉工業の製品 40-60% 27-44% 5%
12 油糧種子および油糧果実、その他の穀類、 種子および果実 5-60% 0-222.8% 0-5% 13 ラック、ガム類、樹脂、およびその他の植 物の樹液類 15-30% 13.5-28.2% 1.5-5% 14 植物性の生産品または組物材料 5-35% 4.5-31% 0-5% 15 動植物油脂およびワックス 30-60% 20-149.2% 0-20% 16 食肉、魚、甲殻類、軟体動物類 60% 20-52% 0-5% 17 砂糖および砂糖菓子 30-65% 30-96% 5% 18 ココアおよびココア製品 30-60% 27-44% 5% 19 穀物、小麦粉、でん粉、または乳の調整品; ベーカリー製品 10-60% 9-44% 0-5% 20 野菜、果実、ナッツ、またはその他の植物 の一部の調整品 60% 30-44% 5% 21 その他の食用調整品 60% 20-62% 3-5% 22 飲料、アルコール、および食酢 60% 0-84.9% 5% 出所:関税局(関税局 HP より集計、2003 年 9 月時点 注:通常関税(MFN)は各品目で従量税も設定されている。WTO 関税の税率範囲には関税割当外の 税率も含む。 なお、タイ政府は国内生産者の競争力強化、税構造の矛盾の解消、各段階の製造工程との 整合性、貿易自由化政策に備えて製造業の開発、等の観点から関税構造の改定を漸次に実 施してきており、2003 年7月に 1,511 品目の関税率を改定している。そのうち農産物につ いては以下の品目となっている。 ・WTO で拘束される税率へと引き下げるのが 420 品目で、すなわちウマ、ロバ、ラバ生体、 食肉その他の食用部位、乳製品、動物を原料とする製品ならびに動物または魚製添加 物など。 ・財務省が定めた税構造に即時移行させるため関税率を引き下げるのが 25 品目で、すな わち化粧品または飼料の生産要素となる製品。 ・ 毎年等しいレートで引き下げていき、2005 年 1 月 1 日より財務省が定める税構造に基 づくレートにするのが 1 品目で、すなわち小麦紛。 ・ 財務省が定める税構造よりも低い税率に改めるのが 7 品目で、すなわち小麦、小麦製 スターチ、小麦製グルテン、植物養液またはエキス。 ・ 飼料生産者に選択の余地を与えるため、WTO で拘束される税率より低く財務省が定め る税構造より高い税率に改めるのが 11 品目で、すなわちエンドウ、キマメ、インゲ ン、ササゲ、未焙煎のピーナッツなど豆類。
① WTO WTO の合意に基づいてタイでは 24 品目の農水産物に対して関税割り当てを採用している。 品目ごとの割当数量と税率のスケジュールは以下のとおりである。 表 1-2 2002 年∼2004 年の関税割当品目および割当スケジュール 品目 割当内 関税割当数量(トン) 割当外関税率(%) 関税率 (%) 2002 年 2003 年 2004 年 2002 年 2003 年 2004 年 生乳 42.0 41.5 41.0 加工乳 20.0 2,374.67 2,387.33 2,400.00 85.8 84.9 84.0 低脂肪乳 20.0 52,777.78 53,888.89 55,000.00 220.8 218.4 216.0 ジャガイモ 27.0 298.89 300.44 302.00 127.8 126.4 125.0 タマネギ 27.0 361.22 363.11 365.00 145.2 143.6 142.0 ニンニク 27.0 64.33 64.67 65.00 58.2 57.6 57.0 ココナッツ 20.0 2,401.44 2,414.22 2,427.00 55.2 54.6 54.0 乾燥ココナッツ 20.0 1,054.11 1,105.56 1,157.00 36.8 36.4 36.0 コーヒー豆 30.0 5.19 5.22 5.25 92.0 91.0 90.0 茶 30.0 618.56 621.78 625.00 92.0 91.0 90.0 コショウ 27.0 44.56 44.78 45.00 52.2 51.6 51.0 メイズ 20.0 54,121.33 54,410.67 54,700.00 74.6 73.8 73.0 米 30.0 247,113.89 248,435.44 249,757.00 53.2 52.6 52.0 大豆 20.0 10,806.44 10,864.22 10,922.00 81.8 80.9 80.0 タマネギの種子 30.0 3.12 3.13 3.15 222.8 220.4 218.0 大豆油 20.0 2,257.00 2,269.00 2,281.00 149.2 147.6 146.0 パーム油 20.0 4,808.67 4,834.33 4,860.00 146.2 144.6 143.0 ココナッツ油 20.0 396.78 398.89 401.00 53.2 52.6 52.0 砂糖 65.0 13,614.44 13,687.22 13,760.00 96.0 95.0 94.0 インスタントコー ヒー 40.0 132.67 133.33 134.00 50.2 49.6 49.0 大豆粕 20.0 228,119.22 229,339.11 230,559.00 136.0 134.5 133.0 タバコ 60.0 6,367.00 6,401.00 6,435.00 73.6 72.8 72.0 生絹糸 30.0 477.89 480.44 483.00 232.2 229.1 226.0 乾燥竜眼 30.0 7.33 7.67 8.00 54.2 53.6 53.0 出所:外国貿易局
② AFTA ASEAN 諸国からの輸入はセンシティブリストを除くすべての品目で 0∼5%の関税に設定 されている。また 1999 年に開かれた ASEAN 自由貿易協定担当閣僚会議では、旧来の ASEAN 加盟国(ブルネイ、シンガポール、タイ、フィリピン、マレーシア、インドネシア)が 2010 年までに 0%に、2003 年までに関税引き下げ実施品目の 60%で 0%にすることに合意し、 2003 年 1 月にタイ政府はすでに 0%とする措置を実施している。さらにセンシティブリス トである 7 品目(切花、ジャガイモ、ジャガイモの種、コーヒー豆 3 品目、コプラ)につ いても 2003 年に関税引き下げ実施品目に組み込むことも決定している。 なお、AFTA の関税率の適用を受けるためには輸出国からの原産地証明 FormD の添付が必要 である。 ③ GSTP(世界貿易特恵制度) 1989 年に創設された途上国間の関税優遇制度で、現在、世界の途上国 48 カ国が加盟して いる。タイも設立当初から加盟しており、加盟国からの輸入に関しては 2.5%∼100%の関税 が適用されている。なお、GSTP の関税率の適用を受けるためには輸出国からの原産地証明 FormGSTP の添付が必要である。 ④ FTA 現在、タイは積極的に FTA 締結に向けた交渉を各国間と実施しており、すでにバーレン と枠組合意し、中国とも ASEAN 中国包括的経済協力枠組協定の一環であるアーリーハーベ ストプログラムの下で野菜、果実(HS 分類コード 07 および 08 類)の関税を 2003 年 10 月 1 日より撤廃している。今後 2004 年までに動物生体、食肉、魚介類、動物の残留物、植物 生体、酪農品(01 類∼06 類)の関税も撤廃する予定となっている。またインドとも FTA 枠 組み合意がなされ、2004 年にアーリーハーベストプログラムによる関税引き下げが実施さ れる。その他現在 FTA 締結に向けた交渉を実施している相手国は米国、日本、オーストラ リア、ペルー、韓国などである。また ASEAN の枠組みでも中国のほか、日本、オーストラ リア/ニュージーランドと ASEAN 経済パートナーシップ宣言を 2002 年に採択し、2003 年 10 月に ASEAN と中国、日本、インドと包括的経済協力枠組協定に調印している。 1.2. 輸入手続き (1)輸入制限品目
1979 年の輸出入管理法(Import and Export of Commodity Act)に基づいて、一部の品 目については1)経済の安定、2)公共の利益の保護と維持、3)公衆衛生上の利便、4) 国民の道徳、平和、安定、5)国際的合意の合致、の観点から輸入禁止品目と輸入制限品 目が設定されている。輸入制限品目はさらに輸入承認品目、輸入課徴金品目、特別な輸入 手続品目と分類されており、これらの品目は毎年商務省によって更新されている。2003 年
の輸入規制品目は以下のとおりである。 2003 年の商務省による輸入基準設定品目数 注:()内は農水産物品目 表 1-3 近年の輸入制限品目数の推移 1999 年 2000 年 2001 年 2002 年 2003 年 輸入許可品目 46 30 39 41 41 農水産品目 22 13 29 20 20 その他工業品目 24 17 19 23 21 輸入課徴金品目 7 23 7 7 8 農水産品目 3 9 3 3 3 その他工業品目 4 14 4 4 5 輸入規定設置品目 4 4 8 8 7 農水産品目 1 1 2 2 2 その他工業品目 3 3 6 6 5 出所:外国貿易局資料より ①輸入禁止品目 農水産物で輸入禁止品目は定められていない。 ②輸入制限品目 a. 輸入許可品目 輸入の際には商務省からの輸入許可を必要とする農水産品(20 品目) 1 米 11 大豆 2 コショウ 12 大豆油 輸入禁止品目 7 品目(0 品目) 輸入規定設置品目 7 品目(2 品目) 輸入許可品目 41 品目(20 品目) 輸入課徴金品目 8 品目(3 品目) 輸入制限品目 56 品目(25 品目) 輸入基準設定品目 63 品目(25 品目)
3 ニンニク 13 パームオイル 4 タマネギ 14 コーヒー生豆 5 タマネギの種子 15 コーヒー製品 6 ジャガイモ 16 茶の葉、粉 7 乾燥ロンガン 17 バターミルク(低脂肪) 8 フィッシュミール(たんぱく質が60% 未満のもの) 18 原乳または加工乳 9 ココナッツ 19 ケナフまたはジュート 10 ココナッツオイル 20 砂糖 品目 関税番号 目的 国王布告、省令 備考 稲もみ、玄米、白米、 および米粉 1006, 1006.10, 1006.20, 1006.30, 1006.40 国内生産の保護 商務省規則(No.1)1996 商務省令(No.3)1996 商務省令(No. 1)1996 ・WTO、もしくは GATT(1947)加盟 国が原産地となっている品目に限 る。 ・輸入者は企業でなければならな い。 あらゆる種類のコショ ウ、およびチリ 09.04 栽培農家の保護 国王布告(No.9)1953 商務省令(No.281962.5.28 ニンニク 0703.20(生鮮、 乾燥) 0712.90(ニンニク 全般) 栽培農家の保護 商務省令(No.6)1980.11.6 商務省令(No.3)1980.11.6 国内生産が不足した場合に許可す る。 タマネギ 0712.20 国内生産の振興 および栽培農家の 保護 商務省令(No.631989.3.20 国内生産が不足した場合、国内価 格が高騰した場合、輸出用の原材 料として使用される場合に限る。 あらゆる種類のタマ ネギの種子 1209.91 国内生産の管理 商務省令(No.631989.3.20 タイ農業組合に属するタマネギ生産 者の栽培目的に限る 加工したものを除くジ ャガイモ(生鮮、冷 蔵、冷凍) 0701, 0710.100 栽培農家の保護 商務省令(No.491987.3.27 ・栽培目的に限る。 ・輸入者は企業でなければならい。 乾燥ロンガン 0813.40 国内生産の保護 商務省令(No.15)1982.3 商務省令(No.55)1987.12.29 国内産業に影響を与えない量に限 る 魚粉(タンパク質 60% 以下のもの) 2301.20 漁民および国内 魚粉生産の保護 商務省令(No.72)1990.3.7 商務省令(No.19)1997 許可を必要とするが、商務省は国内 生産および貿易状況を考慮し、柔 軟に対応する。 ココナッツ、およびコ コナッツの実 0801.10(生鮮、 乾燥) 12.03(ココナッツ 全般) 栽培農家の保護 商務省令(No.67)1989.10.25 ココナッツの実、繊維を乾燥させた ものに限る あらゆる種類のココナ ッツオイル 1513.100, 1513.190 栽培農家および 国内生産の保護 国王布告(No.8)1953 商務省令 1975.9.25 大豆(消費、その他 の目的) 1201 栽培農家の保護 商務省令(No.68)1989.10.25 状況に応じて許可する。
大豆油(化学的処理 を施していないもの) 15.07 国内生産の保護 商務省令(No.57)1988.1.6 工場もしくは、公共倉庫機構(PWO) での製造のための原材料として使 用する場合許可する。ただし、適当 量に限る。 パームオイル、およ びパーム種子の油 (化学的処理を施し ていないもの) 15.11、1513.21、 1513.29 国内生産の保護 商務省令(No.69)1989.10.25 適当な状況のもとで許可する コーヒー豆 09.41 栽培農家の保護 国王布告(No.9)1953 商務省令(No.28)1962.3.28 ・原産地証明がある場合、もしくは WTO、GATT1947 加盟国からの輸 入に限る ・個人的な使用に限って許可はいら ない。ただし生コーヒー豆は 60kg、 コーヒーの実は 120kg、剥皮したコ ーヒー豆は 75kg、焙煎したコーヒー 豆は 50.4kg を超えてはならない。 コーヒー製品 2101.10 国内生産の保護 国王布告(No.9)1953 商務省令(No.28)1962.3.28 商務省令(No.25)1982.12.6 ・原産地証明がある場合、もしくは WTO、GATT1947 加盟国からの輸 入に限る ・個人的な使用に限って許可はいら ない。ただし粉末コーヒー 60kg を超 えてはならない。 茶葉、および茶の粉 末 09.02 国内生産の保護 国王布告(No.9)1953 商務省令(No.28)1962 WTO 非加盟国から輸入する場合、 輸入業者は国産品を、茶葉は輸入 量に対して 60%、茶の粉末は 50%、 仕入れなければならない。 脂肪率1.5%以下のバ ターミルク 0403.900 国内産業の開発 および酪農家の保 護 商務省令(No.27)1983.3.28 商務省令(No.35)1984.3.26 商務省令(No.44)1985.3.27 商務省令(No.55)1987.12.29 商務省令(No.3)1985.12.21 規則に従って許可される。 牛乳 04.01(非濃縮乳) 22.02(加工乳) 国内生産の振興 および酪農家の保 護 商務省令(No.39)1984.12.16 省規則(No.2)1985.6.21 規則に従って許可される。 ケナフ、およびジュー ト繊維(生、漂白) 5303.10、 5303.90、 5303.91、5303.99 栽培農家の保護 商務省令(No.2)1979.12.17 商務省令 サトウキビ、ビート、ま たは蔗糖から作る砂 糖 17.01 国内産業の保護 国王布告(No.6)1952 商務省令 1962 WTO、もしくは GATT(1947)加盟国 からの輸入の場合、WTO 協定、お よび商務省令(No.111)にしたがっ て許可を得た後、税金を支払わなけ ればならない。 b.輸入課徴金品目 輸入の際に課徴金を支払わなければならない農水産品(3品目) 1 フィッシュミール(たんぱく質が60% 以上のもの) 3 大豆かす 2 メイズ
品目 関税番号 目的 国王布告、省令 備考 フィッシュミール(タン パク質が60%以上の もの) 2301.20.0106 国内の飼料原料価格 を適正に維持する。 商務省令(No.74)1990 商務省令(No.19)1997 商務省令 1999 輸入課徴金を支払い、支払証明書を 税関へ提出しなければならない。 (尚、2002 年の輸入課徴金はなく、支 払証明書を提出必要はない) 輸入前に タンパク質含有量は食品 医薬品局のフィッシュミール検査課で 検査されなければならない。 飼料原料として用い られるメイズ 1005.90 WTO 合意に従う。十 分な飼料原材料を確 保する。国内の飼料 原料価格を適正に維 持する。原材料コスト を下げるために市場 を開放する。 商務省令(No.74)1990 商務省令(No.111) (No.115),(No.117)1996 商務省令(No.19)1997 商務省令(No.140)2001 商務省令 2001 商務省規則 2002 商務省規則(No.1)1995 外国貿易局へ申請し認証を受ける必 要がある。輸入課徴金は180 バーツ/トン 大豆粕 2304.00.0008 国内の飼料原料価格 を適正に維持する。 商務省令(No.74)1990 商務省令(No.19)1997 商務省令(No.85)1993 WTO 加盟国、ラオス、カンボジアから の輸入は WTO の農業合意に従った 関税を支払わなければならない。(こ れらからの輸入は輸入課徴金を払う必 要がない) WTO 非加盟国からの輸 入は商務省令(No.111), (No.115), (No.117)1996 に従い輸入課徴金を支 払わなければならない。 c. 輸入規定設置品目 規定に沿って輸入しなければならない農水産品目(2 品目) 1 キハダマグロ 2 木材、加工木材、木材より作られた製品 品目 関税番号 目的 国王布告、省令 備考 キハダマグロおよび その製品 0302.320, 0303.420, 1604.140 環境保護、特にイルカ の保護、国際貿易の利 益供与 商務省令(No.103)1994 商務省規則(No.1)1994 ・水産局より発行されるマグロおよび その製品の輸入証明書を税関へ提 出しなければならない。イルカに危害 が生じる引き網を使用して捕獲されて いないこと。 木材および木製道 具等を含むあらゆ る種類の木材加工 品 44.03,44.07-44.21 不法伐採の防止、国内 産を輸入として偽るこ とを防止すること、近 隣諸国と協力し、近隣 諸国からの不法伐採を 防止すること。 商務省令(No.92)1992 チェンマイ、チェンライ、ターク、 メーホーソン、カンチャナブリ、ペ ブリ、プラチュアップキリカーン、 チュンポン、ラノーンの税関を通っ てきたもの:これらは輸出国の輸出 許可書または原産地証明書が必要 とされる。 (2)原材料関税還付制度 タイでは輸入した原材料を加工して製品として輸出する場合、原材料に対して輸入する 際に課された輸入税を還付することが認められている。この仕組みは関税法第 19 条(BIS
‐19 条と呼ばれている)に基づく輸入税に関する還付制度によって規定されている。還付 を受けられれば免税と同じことになるが、これは免税制度ではない。すなわち、原材料の 輸入時に一旦納めた輸入税が、製品として輸出する際に還付申請を行うことによって返還 されるという仕組みを取っている。 以下、この手続きの概要を示す。 1) 原材料を輸入するまでに法人の登録を行う。次に製品を輸出するときまでに、加 工または製造工程を示した原材料計算証明書を税関に対して提出して承認を得る。 承認後、登録を受ける。新しい品目の原材料計算証明書の承認と登録の際、税関 吏による工場検査を受ける。この検査は30日(労働日)以内に実施される。 2)原材料の輸入を申告するには、原材料を加工して輸出するときに BIS‐19 条に従 って輸入税の還付を申請するという旨の申告を行う。 3)輸入税の納付は、1)現金で納付する、2)(初回の納付を除いて)銀行保証状( Bank L/G)を差し入れて Deposit にする、という 2 つの方法がある。現金で納付する場 合は、分割して還付を受けることが可能であるが、銀行保証状を用いる場合はそ の相当分の輸出がすべて終了しないと還付の手続きが行えない。 4)原材料輸入から製品輸出までの期間は 1 年以内という制限が設けられている。も し輸入原材料が1年以内に製品輸出の原材料として使用されず、引き続き関税還 付の適用を受けたい場合は、期限終了後の1ヵ月以内に輸入関税額の月利1%相 当の金額を支払う必要がある。 5)製品輸出の通関においては、輸出を申告する書類上に BIS‐19 条による輸入税還 付についての申告を行う。 6)原材料の輸入者と製品の輸出者が異なる場合、輸入企業の登録を行う際に輸出者 との関係を証明する書類を添付しなければならない。さらに、製品の輸出時には 輸入税の還付を申告する書類は、原材料や原材料輸入企業に関する情報を記入し なければならない。 7)製品の輸出後、税関へ輸入税還付を申請する。税関の審査を経て輸入税は還付さ れる。このとき、製品の輸出から輸入税還付の申請までの期間は 6 ヵ月以内とい う制限がある。 関税還付申請の手続きは以下のチャートのとおりである。
輸入関税の還付請求の流れ 必要書類の準備 輸入申告書 (税関書類様式 99A)添 輸出申告書 (税関書類様式 113)添 コーディング 原材料計算書の提出 書類検査 輸入関税払い戻し承認 すべて関税還付 使用原材料の還付 未使用の原材料は1 年以内有効 銀行保証状の返却 現金返却
(3)EDIシステム
タイの税関では輸出入の手続きを簡素化するために、EDI(Electronics Data Interchange) システムを 2000 年から採用している。輸入者は従来のマニュアル手続きであるロングルー ム(Long Room)と、電子オンライン手続きである EDI システムのどちらかを選択すること ができる。現在はドンムアン空港税関とバンコク税関事務所など数ヵ所のみで EDI を導入 しているが、今後全国の税関事務所(56 ヵ所)でも実施していく予定である。 ①ロングルームシステム(マニュアル手続き) マニュアル・システム 船積業者が貨物の到着を通知する 貨物をコンテナヤード/保管所/輸出加工ゾーン(EPZ)/保税倉庫 に保管する。 輸入者または通関業者が貨物情報を輸入申告書(Kor Sor Kor 99/1)に記入し、船積書類を準備する。 関税局輸入通関課の税関吏に通関書類を提出する。 税関吏が通関書類を詳細に審査する。(価格、関税、関税計算等) その後輸入申告番号を発給し、貨物情報をコンピューターに打 ち込む。 税関で関税を支払う 輸入申告書および通関書類を上記貨物保管場所に提出し、積荷 目録を示し、コンピューターで指定された税関吏の指示に従う 税関吏は通関書類に従い貨物を検査し、問題がなければ貨物を リリースする。(通関終了)
②EDI システム(電子オンライン手続き) EDIシステム 輸入業者または通関業者はインボイスに従った貨物情報をコ ンピューターの輸入申告プログラムをインプットする。 輸入貨物をコンテナー倉庫などに保管または輸出 加工ゾーン(EPZ)、保税倉庫等に移動する。 コンピューター情報を受信すると、審査後に輸入申告番号と 貨物検査するための条件(Green Line と Red Line)をコミ ュニケーション・ラインを介して知らせる。
輸入業者、通関業者またはサービスカウンター は輸入申告書(Kor Sor Kor 99/1)、リリース オーダー(Kor Sor Kor 100/1)をプリント・ アウトする。 審査のために輸入申告書を輸入 通関課(税関)に送付する。 銀行または税関へ関税を支払う 輸入申告書および通関書類を上記貨物保管場所に提出し、積 荷目録を示し、コンピューターで指定された税関吏の指示に 従う。 税関吏は通関書類に従い貨物を検査し、問題がなければ貨 物をリリースする。(通関終了) RED LINE GREEN LINE 輸入業者または通関業者は貨物のインボイス情報をコンピ ューターに入力またはサービスカウンターを通じて行う。
(4)検疫制度 ①動物検疫
タイの動物検疫は 1956 年の動物伝染病予防法(Animal Epidemics Act)および 1999 年 の改正法に基づいて実施されている。管轄部署は畜産振興局(Department of Livestock Development)の家畜疾病管理部(Division of Disease Control)で、その下部に動物検疫 所が設置されている。国内動物検疫所 16 ヵ所、国際動物検疫所 26 ヵ所がタイ全土に設置 されている。検疫検査終了後の輸出入許可は畜産振興局長が決定し、畜産振興局長の名に おいて動物防疫規則を変更することができる。 タイ国内に生きた動物およびその一部を商業目的で輸入する場合は、畜産振興局によ り発行される取引業者許可書が必要であるとともに、農業協同組合省で定められた手続 き規則に従わなければならない。 a. 動物検疫の手続き 動物の輸出入の際の検疫の規則は農業協同組合省規則(2001)「動物および動物の残滓 の輸出、輸入、移送について」に基づく。 輸入に関する規則は以下のとおりである。 ・ 輸入前に必ず畜産振興局の輸入許可を必要とする。 ・ 輸入者は輸入される少なくとも 15 日前までに動物検疫申請書(No.1/1)を提出す る。輸入日の少なくとも 7 日前までにはすべて輸入前手続きを終了させなければな らない。 ・ 畜産振興局は輸出される国およびその動物についての疫病についての情報を審査 し、事前輸入許可書が発行される。 ・ 輸入者は貨物の到着3日前までに、到着日、輸入場所、船名または便名を管轄する 国際動物検疫所に通知する必要がある。 ・ 貨物は到着後、通関前に検疫検査が実施され、輸入者は輸出国発行の健康証明書ま たは衛生証明書を検査官に提出する。貨物は動物検疫所または認定された検査場所 に移送された後に検査される。 ・ 検査官はさらなる検査が必要と判断した場合、輸出国の衛生証明書が発行されてい ない場合、輸出国の衛生証明書が不備な場合、生きた動物に関しては 60 日、動物 の一部(残滓)に関しては 10 日を越えない範囲で検疫検査が実施される。その場 合、すべてに要する費用、管理は輸入者の責任となる。 ・ 検疫検査に合格した場合、輸入者に輸入許可が正式に発行される。不合格の場合は 畜産振興局の権限において対応措置が講じられる。 ・ 事前輸入許可が発行されていた場合でも、突発の病気が発生した場合または正当な 理由で発生する可能性があると判断した場合は、検査官は畜産振興局長に通知し、 許可の取り消しを実施することができる。
b. 動物検疫の手続き費用 現在、動物検疫に係る費用は以下のとおりとなっている。 項目 単位 費用(バーツ) 注記 1 動物の輸入許可 ① 象 ②馬、牛、水牛、ロバ、ラ バ、犬、猫、サル、テナ ガザル ③羊、ヤギ、豚 ④ダチョウ、エミュー ⑤鶏、ひよこ、鴨、ガチョ ウ ⑥その他動物 ⑦飼養目的の精子 ⑧胚 ⑨ 飼 養 目 的 の ダ チ ョ ウ の 卵、エミューの卵 ⑩飼養目的のその他鶏の卵 1頭当たり 〃 〃 〃 〃 〃 量当たり 1 個当たり 〃 〃 250 バーツ 100 バーツ 50 バーツ 200 バーツ 5 バーツ 100 バーツ 10 バーツ 100 バーツ 50 バーツ 50 バーツ 2 動物の一部および残滓の輸入 許可 Kg 当たり 20 バーツ 500g 以上のものは 1kg とみなす 500g 未満のも のはカウントされない。 3 象、馬、牛、水牛、羊、ヤギ、 豚、または省令で規定された その他動物の取引業者許可 タイ国内の輸入または販売 (県内の販売) 1 申 請 当 た り 400 バーツ (200 バーツ) 4 動物の繁殖用の精子または卵 子の取引業者許可 タイ国内の輸入または販売 1 申 請 当 た り 200 バーツ 5 動物の一部および残滓の取引 業者許可 タイ国内の輸入または販売 (県内の販売) 1 申 請 当 た り 100 バーツ (20 バーツ) 6 検疫時に病気感染が検出され た場合 1頭当たり 5バーツ 出所:タイ国動物伝染病予防法 1999 年
②植物検疫
タイの植物検疫は植物検疫法(Plant Quarantine Act 1964)およびその改正法(2000)に 基づいて実施されており、農業局が管轄し、全国に 35 ヵ所の植物検疫所を持つ。 a. 植物検疫の手続き 植物検疫対象となる生鮮野菜、果実、原料植物を輸入する際に、輸入者は植物検疫申告 書を提出し、植物検疫官に提出する。植物検査の不合格となった場合は、重要な有害虫で ない場合、消毒後通関が可能となるが、重要な有害虫の場合は農業局で回収される。 タイにおいては植物検疫法および告示により輸入が禁止されている植物およびその一 部、輸入が管理されている植物およびその一部、そして遺伝子組み換え植物の輸入が管理 されている。 (a) 輸入禁止植物 現在以下の植物体および植物体の一部について研究目的でかつ農業局局長の許可がな い 限り、タイ国内の持込が禁止されている。
種類 対象地域 例外 1 Oriza spp.(コメ) 西アフリカ諸国、中央アメリカ 諸国、南アメリカ諸国、米国、 西インド諸国、日本、フィリピ ン、インド、スリランカ、中国 ・米粉、調理米 ・精米、破砕米、パーボイルドライ ス(条件:検疫証明書) ・Oryza spp,からの改良品種 (条件:植物病菌に侵されていない ことの承認を得るために、農業局局 長に事前に詳細を通知しなければ ならない。) 2 Hevea spp. (天然ゴムなど) 中央アメリカ諸国、南アメリカ 諸国、西インド諸国 3 Citurs spp. (柑橘類) アフリカ諸国、中央アメリカ諸 国、南アメリカ諸国、ヨーロッ パ、中東諸国、地中海地域、米 国、インド、日本、スリランカ、 インドネシア、オーストラリア ・調理食品 ・すべての地域からのオレンジ ・ 米 国 カ リ フ ォ ル ニ ア 州 か ら の Citrus spp.の種子 ・フランス、スペイン、南アフリカ 共和国、オーストラリア(条件:農 業局の基準を満たし、植物検疫証明 書が発行されていること。) 4 Cocos nucifera L. (ココナッツ) 東アフリカ諸国、西アフリカ諸 国、中央アメリカ諸国、南アフ リカ共和国諸国、西インド諸 国、フィリピン、インド、グア ム ・調理食品 ・改良品種(条件:事前に農業局長 の承認を得るために詳細を通知し なければならない。) 5 Manihot esculenta Crant. (キャッサバ) アフリカ諸国、ブラジル、イン ドネシア ・調理食品、粉末、サゴヤシ 6 Gossypium spp (綿花など) 米国、メキシコ、アフリカ諸国、 西インド諸国、中央アメリカ、 ベネズエラ 7 Salvinnia molesta Match (水棲シダ類) 全地域 8 Spanish Mose, Tillandsia usneoides Linn. (サルオガセモドキ) 全地域
注1:植物以外のものとして土、有機肥料、植物病菌および病害虫が対象となっている。 注 2:品目、条件等は状況次第で追加または変更される場合もある。 これらの植物体および植物体の一部を特別に輸入するための許可を得るには次のよう な手続きが必要である。 ・輸入前に輸入許可申請書(Por Kor 1 )を提出する。審査に 7 日∼10 日を 要する。 ・輸出国からの植物検疫証明書を提出する。 ・輸入が許可された場合、輸入許可書(Por Kor 2)が発行される。 ・輸入時に、許可ステッカー(Por Kor 3)を梱包に貼り付ける。 ・検疫場所はバンコク港植物検疫所、バンコク国際空港植物検疫所、バンコク 中央郵便局植物検疫所の3ヵ所のみである。 (b) 輸入制限植物 現在以下の 4 種類の植物体および植物体の一部について一定の条件に従った場合 において持込みが認められている。 種類 例外 条件
1 Glycine max Merr. (大豆)
調理食品 輸出国からの植物検疫証明書の取得 (植物検疫所の管理に基づく制限措置) 2 Phaseolus aureus Roxb.
(リョクトウ)
調理食品 輸出国からの植物検疫証明書の取得。 (植物検疫所の管理に基づく制限措置) 3 Sorghum vulgare Pers.
(ソルガム) 調理食品 輸出国からの植物検疫証明書の取得。 (植物検疫所の管理に基づく制限措置) 4 Orchidaceae(.Vanda spp.,Paphidiopedilum spp. etc.) 調理食品 輸出国からの植物検疫証明書の取得。 (植物検疫所の管理に基づく制限措置) 注:品目、条件等は状況次第で追加または変更される場合もある。 b. 植物検疫に係る費用 植物検疫に係る費用は、植物検疫法改正 1999 年に基づいて各種費用が定められている が、農業局によれば現在は適用されておらず、植物検疫法 1964 年の費用が適用されてい る。 植物検疫費用は以下のとおりである。
費用項目 費用 1. 2. 3. 植物検疫証明書発行費 輸入植物検疫費 輸入禁止植物の輸入許可申請 移送禁止植物の移送許可申請 時間外の植物検疫官派遣費用(休日または勤務時間外) (1) AM6:00∼PM6:00 最初の1時間 ()内は上級検査官による検査の場合 2時間目以降 ()内は上級検査官による検査の場合 (2) PM6:00∼AM6:00 最初の1時間 ()内は上級検査官による検査の場合 2 時間目以降 ()内は上級検査官による検査の場合 *()内の費用は植物検疫法改正 1999 年に基づく費用とな っている。 50 バーツ/部 無料 25 バーツ 25 バーツ 30 バーツ/時間 (60 バーツ/時間) 10 バーツ/時間 (20 バーツ/時間) 40 バーツ/時間 (80 バーツ/時間) 20 バーツ/時間 (40 バーツ/時間) ③GMO植物の輸入規制 a. 輸入が禁止されている遺伝子組換え植物(GMO植物) タイ国は植物品種法(1964 年)およびその改正法(1999 年)に基づき、2000 年 3 月に 農業協同組合省令で研究用または検査目的で、かつ農業局の輸入許可がない限り、遺伝子 組換え植物(GMO植物)の輸入を禁止する措置を講じている。なお、保健省告示第 215 号(2001)、第 217 号により 2001 年に輸入されるトウモロコシ製品について非GMOであ ることを証明することができない限り、製造、輸入、販売することを禁止している。 輸入が禁止されている遺伝子組み換え植物のリスト 1. イネ Oryza sativa L. 2. トウモロコシ Zea mays L. 3. ワタ類 Gossypium spp. 4. アマ類 Linum spp. 5. ダイズ Glysine max L. 21. Pisum sativum L. 22. ラズベリー類 Rubus spp. 23. イチゴ類 Fragaria spp. 24. カボチャ類 Cucurbita spp.
6. ヒマワリ類 Helianthus spp. 7. ナタネ Brassica napus L. 8. ジャガイモ Solanum tuberosum L. 9. アスパラガス Asparagus officinatis Lnn. 10. スグリ Ribes nigrum L. 11. アブラナ類 Brassica spp. 12. ニンジン Daucus carota L.
13. カリフラワーBrassica oleracea var. botrytis L.
14. Apium graveolens var. dulce (Mill.)D.C. 15. キュウリ Cucumis sativus L.
16. ナス Solanum melongena L. 17. ブドウ類 Vitis spp.
18. キウイ Actinidis chinensis Plandon 19. レタス Lactuca sativa L.
20. メロン Cucumis melo L.
Vulgaris
26. タバコ Nicotiana tabacum L.
27. トマト Lycopersicon esculentum Miller 28. カーネーション Dianthus caryophyllus L. 29. キク類 Chrysanthemun spp.
30. サツマイモ類 Ipomoea spp. 31. ペチュニア類 Petunia spp.
32. ワサビダイコン Armoracia rusticana P. Gaerthner, Meyer & Scherb.
33. アルファルファ Medicago sativa L. 34. Amelanchier spp.
35. スタイロ類 Stylosanthes spp. 36. ナシ Pyrus malus Linn
37. パパイヤ Carica papaya L. 38. Populus spp. 39. セイヨウナシ Pyrus communis L. 40. クルミ類 Juglans spp. 注1:上記 40 種類の加工等の調理食品については例外となっている。 注 2:トウモロコシおよび大豆は調理食品および消費用、動物用飼料用は例外となっている。 b.遺伝子組み換え植物(GMO植物)の輸入規則 上記 40 種類の植物は、研究用または検査用の目的に限り、農業局局長の許可を得て輸入 することができる。その規則は以下のとおりである。 ・ 禁止されている植物の輸入許可申請書(Por Kor 1)および植物体の詳細情報を提 出する。 ・ 輸出国による植物検疫証明書の添付をしなければならない。 ・ 植物検疫法改正 1999 年に基づいて輸入が管理されなければならない。 ・ 輸入される 60 日前までに農業局に申請されなければならない。 ・ 輸入検疫する場所(バンコク港植物検疫所、バンコク国際空港植物検疫所、バンコ ク中央郵便局植物検疫所のいずれか)を届け出なければならない。 ・ 農業局が定めるガイドラインに基づいて植物体を管理しなければならない。
1.3. 食品法における輸入規制 (1)食品法の概要 ①概要 食品法(1979 年)は食品の安全性の根幹を規定している法律であり、主務官庁は保健省 である。保健省は同法の各条項の執行に必要な人事の任命、法令の発布、その他の諸活動 を行う権限も有している。また食品法の政策運営を担当する委員会として、保健大臣によ って承認された食品委員会が保健省内に設置されている。 食品法は、食品の安全性の確保を図る観点から、法で規定する食品の分類ごとに、食品 の製造、輸入、販売、表示、広告等を規制している。一定以上の事業規模で食品を製造す る場合は、食品医薬品局または各県の保健事務所の製造許可を必要とし、食品の輸入には 輸入許可が必要である。また、特定の食品に対しては、調理方法や表示方法の許可も必要 とされる。 ②保健省規則および告示 食品法は食品に関する基本法律であり、各食品の詳細な規則については保健省規則や告 示により規定されている。製造場所および食品素材に対する認可、政府機関への申請手続 きおよび費用に関する詳細は省規則に規定されており、各食品の物理性、化学物質および 微生物に対する品質基準、容器基準、表示、委員会の任命などは告示により規定されてい る。 省規則および告示は新たな知見等に基づき随時策定または更新されていることから、食 品法による規制を正確に理解するためには、これら関連規則を随時確認する必要がある。 ③執行機関
法の執行機関は食品医薬局の食品管理部(Food Control Division)および検査部ならび に消費者保護特別委員会の3つの部署であり、それぞれが食品法に基づく活動を直接的、 または間接的に行っている。具体的には、食品の衛生基準、表示条件の設定、食品の生産 管理、食品の製造または輸入許可、特定管理食品調理方法の登録、食品添加物、容器に使 用される材料の認可、表示、広告の認可、食品生産のための技術指導、生産施設の検査、 製品のサンプリング検査等を行う。また、没収、不良品の回収、起訴などの法的措置の行 使、検疫、消費者に対する注意勧告なども活動の一つである。また、地方における食品衛 生業務は県の保健事務所が担当している。 ④食品法の改正 食品法は 1979 年の制定以来、一度も改正が行われていない。数年前から食品医薬品局に おいて新しい食品法の草案が準備されているが、現在のところ発布されていない。
(2)食品法による食品の分類 ①食品の分類 食品法ではすべての食品を以下の 4 つの食品分類に区分している。 a.特定管理食品 特定管理食品として 17 品目が指定されている。特定管理食品を製造する場合は、製造許 可申請(様式 Or.1)、食品調理方法の登録(様式 Or.17)が必要である。また、輸入しよう とする場合は、輸入許可申請(様式 Or.6)、食品調理方法の登録(様式 Or.17)が必要であ る。 b.品質規格管理食品 これまで品質規格管理食品として 27 品目が指定されていたが、2003 年 7 月に酒が加えら れ 28 品目となっている。品質規格管理食品を製造する場合は、製造許可申請(様式Or.1)、 食品登録/食品詳細申告(様式 So Bo 5 )が必要である。また、輸入する場合は、輸入許可申 請(様式 Or.6)、食品登録/食品詳細申告(様式 So Bo 5)が必要である。 ただし酒については例外的に食品登録/食品詳細申告の義務付けはないが、別に財務省 の告示「酒取扱い業務運営方法について」に従う必要がある。 c.表示管理食品 表示管理食品として 12 品目が指定されている。表示の事前承認を必要とする表示管理 食品を製造する場合は、製造許可申請(様式Or.1)食品登録/食品詳細申告(様式 So Bo 5 ) を必要とする。輸入する場合は、輸入許可申請(様式 Or.6)、食品登録/食品詳細申告(様 式 So Bo 5)が必要である。 d.一般食品 上記a∼cに当てはまらない食品は一般食品として分類される。製造する場合は、製造 許可を必要とする。輸入しようとする場合は、輸入許可、表示許可が必要である。 ②食品分類の基準 食品法による食品分類は次の 5 つの観点に基づき分類されている。 a.食品の安全性 消費者にとって有害または安全でないという検査結果の出る蓋然性が高い食品は特定 管理食品に分類される。また許容範囲を超えた保存料が使用される危険性があるもの、 また禁止されている保存料が使用される可能性が高い食品も管理対象食品に分類される。 b.栄養面の観点 栄養価の偏りから、食べ続けた場合に健康を損なう可能性のある食品があるが、この
ような食品は栄養面で誤解を生じさせたり、消費者が栄養価を無視して特定の食品だけ を食べ続けたりすることがないよう管理対象とされる。 c.消費量 人気のある食品は、需要に応えるため、通常多くの製造者や輸入者が存在する。特に、 調味料、缶詰食品、清涼飲料、牛乳などは、製造過程が適正でなければ多数の消費者に危 害をもたらす可能性がある。従ってこれらの食品は特定管理食品として分類される。 d.輸出問題 輸出用に製造される食品は、円滑な輸出を推進する観点から製造過程が厳しく管理さ れている。このような食品は、容器、ラベルなどを含めた各製造段階で厳しく管理する 必要があり、また国際基準や消費者の需要に見合う品質を持つ必要があることから管理 対象とされる。 e.事業者規模 食品産業にはあらゆる規模の事業が存在する。ある食品―例えばエビのすり身や乾燥 大根など―は家族経営で製造されているものが多く、簡単な製造過程である。これに対 して油脂、牛乳、缶詰食品等はより複雑な製造過程を必要とし、近代的設備、大規模な 敷地、そして品質と安全性を維持する製造過程を必要とすることから、これらの食品は 特定管理食品に分類される。 ③各食品の分類 a.特定管理食品 特定管理食品として分類されている食品は現在、次の 17 品目である。 (a)密閉容器に詰められた飲料 (b)シクラミン酸ナトリウムおよびシクラミン酸ナトリウムを含む食品 (c)乳幼児用調整乳、幼児および小児用連用処方調整乳 (d)乳飲料 (e)ヨーグルト (f)牛乳 (g)密閉容器に詰められた飲用水 (h)氷 (i)乳製品 (j)食品用調味料 (k)食品添加物 (l)食品用着色料
(m)乳幼児用食品、乳幼児および子供用連用処方食品 (n)体重管理を必要とする人のための食品 (o)乳幼児および小児用補助食品 (p)密閉容器に詰められた食品 (q)アイスクリーム b.品質規格管理食品 品質規格管理食品として分類されている食品は現在、次の 28 品目である。 (a)コーヒー (b)食塩 (c)ビタミン添加米 (d)ピータン (e)クリーム (f)ミネラル塩を使った飲料 (g)チョコレート (h)茶 (i)一部のソース (j)密閉容器に詰められた豆乳 (k)酢 (l)落花生油 (m)ココナッツ油 (n)パーム油 (o)バターオイル (p)油および油脂 (q)魚醤 (r)天然ミネラル水 (s)バター (t)はちみつ (u)チーズ (v)マーガリン (w)ギー (x)大豆プロテイン粉末から得られる調味製品 (y)密閉容器に詰められたジャム、ゼリーおよびマーマレード (z)ローヤルゼリーおよびローヤルゼリー製品 (aa)半インスタント食品 (ab)酒
c.表示管理食品 表示管理食品として分類されている食品は現在、次の 12 品目である。 (a)パン (b)密閉容器に詰められたソース (c)調理用食塩水 (d)玄米粉 (e)ニンニク製品 (f)肉製品 (g)香味料 (h)インスタント寒天およびゼリー菓子 (i)ガムおよび飴 (j)半調理食品および調理済みインスタント食品 (k)特別な目的を持つ食品 (l)放射線照射の工程を受けた食品 (3)食品法による輸入規制 ①輸入許可 タイ国に食料品を輸入するためには許可書が必要である。申請者は輸入食品の保管場所、 輸入食品の仕様、製造方法に関する資料等を添付した申請書を食品医薬品局に提出する。 食品医薬品局の検査を受けた後、許可書が発行される。輸入許可書も製造許可書と同様、3 年ごとの更新である。また 2001 年から施行された新 GMP 基準の導入に基づき、54 種類の食 品の輸入に関しても、その輸入国の製造場所が次のいずれかの食品品質保証制度に基づく ものでなければならないと規定している。(食品医薬品局告示 193 号、2000) a.FAO/WHO 国際食品規格計画(Codex)により定められた食品衛生一般原則(General Principles of Food Hygiene)
b.HACCP システム(Hazard Analysis and Critical Control Point System) c.ISO の品質管理制度(Quality Management System)
d.上記a∼cに準じるその他の基準、制度 食品医薬品局 告示 「保健省告示(2000 年 193 号)に基づく食品輸入のための製造場所の証明ついて」 2001 年 7 月 9 日 一覧に記された 57 品目(注:特定管理食品、品質規格管理食品、表示管理食品の 56 品 目および冷凍食品)の食品を輸入する者が、食品製造方法、製造用器具および食品保存方
法の証明書を、告示に添付された表を下回らない基準で取得しなければならないことを定 めた、保健省告示(2000 年 193 号)「食品製造方法、製造用器具および食品保存方法につい て」の第 3 項が 2001 年 7 月 24 日より施行されるのに従い、上述の証明書に関する手続き の指針を定め、明確なものとする目的をもって、食品医薬品局は下記のとおり、指針を規 定する。 第1項 証明書は保健省告示(2000 年 193 号)に従った基準、もしくは同告示と同等の詳 細を有する基準、もしくは次のいずれかの食品品質保証制度に基づくものでなけ ればならない。 1.1 FAO/WHO 国際食品規格計画(CODEX)により定められた食品衛生一般原則 (General Principles of Food Hygiene)
1.2 HACCP システム(Hazard Analysis and Critical Control Point System) 1.3 ISO の品質管理制度(Quality Management System)
1.4 1.1-1.3 に準じるその他の基準、制度 第2項 第1項に基づく証明書は原本でなければならない。もし原本を使用できない場合 は、その証明書を発行した機関の認定を受けた、証明書写しを使うものとする。 他の言語を使った証明書の場合は、証明書にタイ語もしくは英語の翻訳を添付す るものとする。 第3項 第2項に基づく証明書を発行できる機関は、製造する国の政府機関、もしくは政 府機関から認定を受けた機関、もしくはタイ国内にある製造国の大使館、もしく は国際認証機関により認定を受けた認証機関となる。 第4項 第1項に基づく証明書は、その証明書が第1項に基づく基準に適った状態をまだ 有しているという証拠が、上述の製造場所認証機関より出されており、且つその 証拠を提示できる場合を除き、その証明書の使用有効期限を明記したものでなけ ればならない。 食品医薬品局はあまねく告知するために告示を出し、関連する業者に上述の保健省告示 および当局の同告示に従って正しく対処するよう求めるものである。疑問等は、食品医薬 品局食品管理課 590-7175、590-7356、590-7214、509-7322 まで平日の公務時間にお問 い合わせ頂きたい。
②食品調理法の登録 国内で製造され、または輸入されたもので特定管理食品に分類される食品は製造方法を 登録しなければならない。登録には製造工程の詳細、原材料名、製品分析結果、表示方法、 食品添加物認可証明書等を提出する必要がある。食品の認可基準は保健省の告示で定めら れている。工場が一定規模以下(エンジン出力が 5 馬力以下であり、従業員が 7 人以下) の場合、食品調理方法の登録は必要ない。 ③表示許可 国内で流通する食品は、品名、重量、賞味期限、原料等を基準に従って表示する必要が あり、表示は事前に許可を取得する必要がある。また輸入食品については、タイ語による 表示を付さなければならない。食料品の表示方法はこれまで保健省告示 68 号(1982)、95 号(1985)によって規定されていたが、2000 年に改正され、現在は保健省告示 194 号(2000 年)に従う。また輸出品についても食品名、容量、食品登録番号、タイ産である旨等を表 示する必要がある。 (4)食品輸入の手続き ①各食品の手続き 食品分類に応じた各食品手続き申請内容は以下のとおりとなっている。 食品分類 一定規模以上の工場 一定規模以下の工場 輸入業者 特定管理食品 製造許可書申請 (書類名:Or.1) 食品調理法登録申請 (書類名:Or.17―ラベルも 同時に提出) 製造場所の登録申請 (書類名:So Bo 1) 食品表示許可申請書 (書類名:So Bo 3―ラベルも 同時に提出) 輸入許可書申請 (書類名:Or.6) 食品調理法登録申請 (書類名:Or.17―ラベルも 同時に提出) 品質規格管理 食品 製造許可書申請 (書類名:Or.1) 食品登録/食品詳細申告書 (書類名:So Bo 5) 製造場所の登録申請 (書類名:So Bo 1) 食 品 登 録 / 食 品 詳 細 申 告 書 (書類名:So Bo 5) 輸入許可書申請 (書類名:Or.6) 食品登録/食品詳細申告書 (書類名:So Bo 5) 表示管理食品 製造許可書申請 (書類名:Or.1) 食品登録/食品詳細申告書 (書類名:So Bo 5) 製造場所の登録申請 (書類名:So Bo 1) 食 品 登 録 / 食 品 詳 細 申 告 書 (書類名:So Bo 5) 輸入許可書申請 (書類名:Or.6) 食品登録/食品詳細申告書 (書類名:So Bo 5) 一般食品 製造許可書申請 (書類名:Or.1) ― 輸入許可書申請 (書類名:Or.6) 注:ローヤルゼリーおよびローヤルゼリー製品、ニンニク製品のほか、特別な目的を持つ 食品については、手続きは特定管理食品と同様に取り扱う。
②食品輸入許可申請 保健省食品医薬品局が管轄する食品法(Food Act, 1979)に基づいて、当局からの許可 なく販売に供する食品の生産、輸入は禁止されている。許認可は保健省省令第 2 号(1979) において規定されている規則、方法、条件に従わなくてはならない。 a. 輸入許可の必要な食品 タイ国に輸入されるすべての食品は許可を必要とする。 b. 輸入許可申請の場所
(a)食品医薬品局食品管理部(FDA, Food Control Division) (b)県保健事務所(場合に応じて) c. 輸入許可申請に必要な書類 食品を国内に輸入しようとする者は、以下の書類を添えて申請書を提出しなければなら ない。 (a)輸入許可申請書(様式 Or 6)(1 部):FDA 食品管理部、もしくは県保健事務所で入 手できる (b)申請者の住民登録証のコピー(1 部):外国人の場合は労働社会福祉省、もしくは 地方自治体の首長が発行する労働許可証 (c)営業登録証、または商業登記証のコピー(1 部):一般人のみ (d)法人登録証のコピー(1 部):法人の目的、署名権限のある代表者を明記したもの (e)法人国籍証明証(株主名簿)のコピー(1 部):外国籍の法人の場合は法人営業許 可証のコピー、または投資奨励カード(BOI カード)を提出すること (f)法人の代表者の委任状( 1 部):収入印紙 30 バーツを添付。法人登録証に指定され ている場合は、会社の印鑑が必要な場合もある。(FDA 食品管理部、または県保健局 から委任状の用紙を取得すること) (g)以下の図表(2 部) i. 輸入所、保管所、周辺の建物の地図(周辺地域との親和性、簡便性を考 慮するため) ii. 以下の詳細を記載した保管所内部の設計図 (i) 保管所の各建物の位置、用途 (ii) 保管所のフロア全体と、各部屋の用途、食品を保管する棚 (iii) 以下の詳細を記載した保管部屋、または保管スペースの配置図 - 食品を隔離して保管するシステム - 換気、および照明設備 - 食品の保管、保存のための機器
d. 輸入所、貯蔵所について (a)輸入場所 i. 輸入に適切な条件を備えた場所であること。 ii. 商務省、もしくは財務省の登記証の記載と同じでなければならない。営 業中はいつでも視察の可能性がある。 iii. 安全で、衛生的な場所でなければならない。 iv. よく見えるように輸入所の外側に看板を備え付けなければならない。 v. 次の内容を記載した看板を備え付けなければならない。 (b)貯蔵場所 i. 貯蔵に適切な条件を備えた場所であること。 ii. 安全で、衛生的な場所でなければならない。 iii. 保管部屋、または保管スペースは十分な広さと、照明、換気設備がなけ ればならない。 vi. 種類別に食品を保管しなければならない。同一の建物に食品以外の製品 が保管されている場合は、食品と区分しなければならない。製品ごとの区 分方法は以下のとおり。 - 輸入食品を保管する場合は、他の食品と区分しなければならない。 - 箱、木枠、容器などと区分して保管しなければならない。 - 薬品、化粧品、毒性のある物質が同じ建物内にある場合、食品は壁で仕 切られた別の部屋に保管し、各部屋に出入り口を設けなければならない。 特に毒性のある物質の場合は同じ運送路を使用してはならない。 - 製造所と同一の建物内、もしくは毒物を排出する建物内に食品を保管し てはならない。 - 複数種の食品を同一建物内で保管する場合は、それぞれの食品を別々の 部屋で保管しなければならない。冷蔵室の場合は複数種の食品を保管し てもかまわないが、食品ごとに保存スペースを区別しなければならない。 - 食品の保管部屋、または保管スペースは住居、シャワー室、トイレなど、 人が出入りする場所であってはならない。 v. 食品を置くため、少なくとも高さ 8 インチの壇または棚がなければならな い。ただし、食品を適切な高さに持ち上げるための機器がある場合はこの 限りではない。 vi. 適切に食品を保管し、衛生状態を保つために、各棚の間に間隔をとらな ければならない。また、壁から適当な距離をとって棚を設置しなければな らない。 タイ国内食品輸入所
vii. 食品を保管し、品質を維持するための必要十分な機器がなければならな い。 viii. 保管所内に次の内容を記載した看板を備え付けなければならない。(保 管所が輸入所と異なる場合) また、保管部屋の前面に次の内容を記載した看板を備え付けなければな らない。 ix. 保管内に食品の種類を記載した看板を備え付けなければならない。 e. 輸入許可証の有効期限 輸入許可証は許可日より 3 年目の 12 月 31 日まで有効である。 タイ国内食品輸入所 保管所 食品添加物 密閉容器入り食品
食品輸入許可申請手順 食品輸入許可申請書(Or6)の提出 申請書、その他の証明書類のチェック 新しい申請書の提出 書類の不備、申請書の返却 書類の完備、申請書の受理 計画図と詳細の照合 輸入条件の承認 輸入条件の不承認、条件の訂正、追加情報の要求 申請者へ文書通達 新しい計画図、または追加情報の提出 申請者へ文書通達、保管所の検査準備を指示 文書による返答、保管所の検査準備完了 保管所の検査 当局の承認 最終承認 計画の修正要求 申請者への文書通達 計画を修正する場合 計画を修正しない場合 申請者 FDA、県保健事務所