*1 技術センター建築技術研究所環境研究室 *2 技術センター技術企画部企画室
透光断熱材を用いたカーテン・ウォールの開発
シミュレーションによる光学特性、熱特性及び年間熱負荷の検討
樋渡 潔
*1齋藤 正文
*1張本 和芳
*2Keywords : translucent thermal insulation, honeycomb, facade of building, curtain wall, energy saving, simulation
透光断熱材,ハニカム,ファサード,カーテン・ウォール,省エネルギー,シミュレーション
1. はじめに
建物の窓面は、熱的に弱いという課題を抱えるた め、省エネルギーを図る上で計画を適切に行う必要が ある。一方、近年は様々な用途の建物において採光 性、視認性、デザイン性等の観点から、窓面は拡大す る傾向にあり、ファサードが全面ガラスで構成される 建物も多く見受けられる。この様な窓には、様々な窓 システムが検討され、前述の課題の解決を図るよう試 みられている。 この様な状況において著者らは、断熱性、日射遮蔽性、 採光性、視認性のバランスの良い構成が期待される部材 として、透光断熱材、特に図-1に示す様なハニカム入り 複層ガラス(以下ハニカムガラス)に着目し、窓面(厚 さ 12 ~ 24mm)へ適用した場合の検討を行ってきた1)、2)。 しかしながら、窓面としてのハニカムガラスの断熱 性能は、透明複層ガラスに比べ優れているものの、Low -E ガラスや真空ペアガラスと比べてさほど大きな差は 見られず、その対流抑制効果を最大に活用できなかっ た。また、窓の視認性の低下についても指摘があった。 本研究では、ハニカムガラスを断熱性、採光性、視 認性の面でより効果的に活用するため、外壁としての ハニカムガラス(厚さ 100 ~ 200mm)と窓とを組合せて ファサードに用いる場合(カーテン・ウォールとして 組立)について検討する。 検討では、まずハニカムガラスの部材としての光学 特性及び熱特性を日射解析、CFD(Computational Fluid Dynamics)解析により評価する。次に、ファ サード構成にハニカムガラスを適用したモデル建物を 対象に、多数室年間熱負荷解析を行う。2. ハニカムガラスの特徴・効果
ハニカムガラスは、その構成から以下に示す様な効 果が期待される。図 -2 にハニカムガラスの特徴の模式 図-1 ハニカム入り複層ガラスの概要 Fig.1 Outline of the double glass including honeycomb図を示す。 (1)採光性能と日射遮蔽性能 不透明な外壁とは異なり、透光性がある壁面を構成 できるため、広い採光面積を確保でき、昼光利用の促 進・照明負荷削減を図ることができる。 図 -2(a)に太陽高度及びハニカム径と日射遮蔽性の 関係を示す。ハニカムを構成するセルは、夏期の高い 太陽高度の日射を遮蔽する。そして冬期の低い太陽高 度の日射を屋内へ透過させ暖房負荷の低減に寄与する。 また、いずれの季節もハニカム径が小さいほど日射の 遮蔽性能は高くなる。 (2)断熱性能 図 -2(b)に中空層の細分化及び厚さと断熱性の関係 を示す。ハニカムで中空層を細分化し対流を抑制する ことで断熱性が向上する。また厚さに応じて断熱性が 向上する。その結果、一般的な断熱材をもつコンク リート壁面と同等以上の性能が期待できる。 表 -1 に各種ファサード構成部材の性能比較を示す。
3. 部材としての光学特性及び熱特性の検討
3.1 解析概要 ハニカムガラスの光学特性(日射透過率・日射吸収 率・日射反射率)及び熱特性(熱貫流率、日射熱取得率) について評価を行う。 透明FLガラス ハニカム材 ハニカム構造が 中空層を細分化 す るため対流が 抑制される ハニカム材は 透光性をもつ。 透明FLガラス ハニカム材 ハニカム構造が 中空層を細分化 す るため対流が 抑制される ハニカム材は 透光性をもつ。表 -2 に検討するハニカムサイズの検討ケースを示 す。検討は、ハニカムの径(正六角形の相対する面の 距離)を 10 ~ 50mm、厚さを 100 ~ 200mm に変えて行 う。なお、各ケースとも、夏期と冬期を想定した入射 角約 60°(以下夏期)と 30°(以下冬期)の場合につ いて検討を行う。 また、基準ケースにおける光学特性と日射熱取得率 については、日射入射角を 0 ~ 90°の範囲で 10°毎に 算出し検討を行う。 3.2 解析モデル及び解析条件 図 -3 に日射及び CFD 解析に用いる解析モデルの一例 を示す。表 -3 に日射解析条件を示す。日射解析では、 (a)太陽高度及びハニカム径と日射遮蔽性の関係 (b)中空層の細分化及び厚さと断熱性の関係 図-2 ハニカムガラスの特徴
Fig.2 Characteristic of the double glass including honeycomb
13段 15列 FLガラス FLガラス ハニカムセル 13段 15列 FLガラス FLガラス ハニカムセル (a)日射解析モデル(南向き) (b)CFD解析モデル 図-3 解析モデルの一例
Fig.3 One example of analysis model
表-3 日射解析条件 Table 3 Solar analysis condition
表-2 ハニカムサイズの検討ケース
Table 2 Analysis case of honeycomb size Table 4 CFD analysis condition表-4 CFD解析条件 表-1 各種ファサード構成部材の性能比較
Table 1 Performance comparison of building facade material
厚さ [㎜] 断熱性 視認性 採光 日射遮蔽 100~200 ○ △ ○ △ 170~220 ○ × × ○ 115~145 × △ ○ △ 12~24 △ △ ○ △ 6~24 ×-△ ○ ○ × ハニカムガラス(窓面) 普通透明ガラス 部材 ハニカムガラス(壁面) コンクリート + 断熱材 ガラスブロック 解析メッシュ ハニカムセル1ヶ所を対象 非構造格子(テトラメッシュ) 固体との境界層はプリズム要素 熱貫流率:節点数約2万-23万 要素数約7万-76万 日射熱取得率:節点数約2万-19万 要素数約6万-66万 解析方法 SIMPLEC法に基づく有限体積法層流計算 差分スキーム 移流項 二次精度MUSCL 境界条件 いずれの面もNo Slip 表面熱伝達率 室外側αo:20.4W/(m2・K) 室内側αi:8.6W/(m 2・K) 熱伝導率 透明FLガラスλFL:0.79W/(m・K) ハニカム材λh:断熱 放射率 透明FLガラスεFL:0.84 (長波) ハニカム材λh:0.84 設定温度 熱貫流率算出 室内Ti:20℃ 外気To:0℃ 日射熱取得率算出 室内Ti:20℃ 外気To:0℃ 発熱量 日射熱取得率算出時の発熱量は、日射解析結果を 引き継ぐ。 各面毎に発熱を合計平均化した後各面に設定 ハニカム径 ハニカム厚さ D(㎜) L(㎜) 基準ケース 10 100 10 125 10 150 10 175 10 200 20 100 30 100 40 100 50 100 因子 ハニカム厚さ ハニカム径 ・光学特性は入射角30°,60°について検討 入射角 日付 法線面日射量 天候 場所 60.18° 9月18日正午 546 W/m2 快晴 兵庫県明石市 31.89° 12月22日正午 852 W/m2 雲量0 東経134度52.6,北緯34度41.2 ・ ガラスの物性値は6㎜FLガラスを使用。ガラス面は南向き ・ ハニカム素材の日射透過率80%、吸収率10%、反射率10%に設定。 ・ 日射は直達・天空成分、反射は相互拡散を考慮 ・ 直達日射はASHRAEの式、相互拡散反射にラジオシティ法を使用
図-4 ハニカム厚さと光学特性との関係
Fig.4 Relationship between honeycomb thickness and optical characteristic 直達日射に ASHRAE の式を、相互拡散反射にラジオシ ティ法を用いる。表 -4 に CFD 解析の条件を示す。CFD 解析は、熱貫流率及び日射熱取得率の算出に用いる。 日射熱取得率の算出には、日射解析で得た各素材の日 射熱吸収量を発熱条件として与える。 3.3 ハニカムガラスの形状と光学・熱特性の関係 3.3.1 光学特性 図 -4 にハニカム厚さと光学特性との関係を示す。透 過率は、夏期・冬期いずれもハニカムが厚くなるにつ れ低下する。夏期と冬期を比較すると、冬期の方が高 い値を示すが、厚くなるにつれその差は小さくなる。 図 -5 にハニカム径と光学特性との関係を示す。透過 率は、夏期・冬期いずれもハニカム径が大きくなるに 従い大きくなる。夏期と冬期の差は径 20 ㎜のときに最 大となる。 3.3.2 熱貫流率 図 -6 にハニカム厚さと熱貫流率との関係(径:10mm) を示す。熱貫流率は、ハニカムが厚くなると中空層の 対流の抑制により低下する。175mm で 0.53W/(m2・K)(Ⅰ 地域(北海道)を除く地域での次世代省エネルギー基 準)を示す。 図 -7 にハニカム径と熱貫流率との関係(厚さ:100mm) を示す。ハニカム径が大きくなると対流が増し熱貫流 率は増大する。 3.3.3 日射熱取得率 図 -8 にハニカム厚さと日射熱取得率との関係(径:10 mm)を示す。日射熱取得率は、夏期にはハニカム厚さが 変化してもさほど変化せず 0.22 ~ 0.24 の値を示す。 冬期は厚くなるに従い 0.31 から 0.23 へと低下する。 図 -9 にハニカム径と日射熱取得率との関係(厚さ: 図-5 ハニカム径と光学特性との関係
Fig.5 Relationship between honeycomb diameter and optical characteristic
図-6 ハニカム厚さと熱貫流率との関係
Fig.6 Relationship between honeycomb thickness and u -value
図-7 ハニカム径と熱貫流率との関係
Fig.7 Relationship between honeycomb diameter and u - value
図-8 ハニカム厚さと日射熱取得率との関係 Fig.8 Relationship between honeycomb thickness and solar heat gain coefficient
図-9 ハニカム径と日射熱取得率との関係 Fig.9 Relationship between honeycomb diameter and solar heat gain coefficient
0% 20% 40% 60% 80% 100% 夏 冬 夏 冬 夏 冬 夏 冬 夏 冬 厚さ (mm) 反射 透過 吸収 100 125 150 175 200 0% 20% 40% 60% 80% 100% 夏 冬 夏 冬 夏 冬 夏 冬 夏 冬 径 (mm) 反射 透過 吸収 10 20 30 40 50 0.20 0.22 0.24 0.26 0.28 0.30 0.32 0.34 0.36 100 125 150 175 200 ハニカム厚さ(mm) 日射熱 取得率(ND) 夏期 冬期 (径10mm) 0.20 0.30 0.40 0.50 0.60 0.70 10 20 30 40 50 ハニカム径(mm) 日射熱取得 率( ND) 夏期 冬期 (厚さ100mm) 0.40 0.50 0.60 0.70 0.80 0.90 100 125 150 175 200 ハニカム厚さ(mm) 熱貫流率(W/(m 2・K)) 0.05 0.07 0.09 0.11 0.13 0.15 平均風速(cm/s) 熱貫流率 平均風速 次世代省エネルギ基準 (径10mm) 0.00 0.50 1.00 1.50 2.00 2.50 10 20 30 40 50 ハニカム径(mm) 熱貫流率(W/(m 2・K)) 0.00 0.40 0.80 1.20 1.60 2.00 平均風速(cm/s ) 熱貫流率 平均風速 次世代省エネルギ基準 (厚さ100mm)
100mm)を示す。日射熱取得率は、ハニカムの径が大き くなると夏期・冬期ともに値は上昇し、夏期の冷房負荷 の増大、冬期の暖房負荷の軽減(但し、冬期に冷房運 転にならない場合)に作用する。 3.4 入射角と光学特性・日射熱取得率との関係 3.4.1 光学特性 図 -10 に入射角と光学特性の関係(径:10mm、厚さ: 100mmm)を示す。比較のために透明 FL ガラス(3mm)の特 性を併せて示す。透明 FL ガラスの場合、日射透過率は (a)透明FLガラス (b)ハニカムガラス 図-10 日射入射角と光学特性との関係
Fig.10 Relationship between solar incidence angle and optical characteristic 0% 20% 40% 60% 80% 100% 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 日射入射角(°) 日射透過率 日射吸収率 日射反射率 100 80 60 40 20 0 光学性能( % ) 0% 20% 40% 60% 80% 100% 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 日射入射角(°) 日射反射率 日射吸収率 日射透過率 100 80 60 40 20 0 光学性能 (% ) 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 日射入射角(°) 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0 日射熱 取得率 (-) 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 日射入射角(°) 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0 日 射熱取 得率 (-) (a)透明FLガラス (b)ハニカムガラス 図-11 日射入射角と日射熱取得率との関係 Fig.11 Relationship between solar incidence angle and solar heat gain coefficient
(a)平面 (b)断面 図 -12 建物モデル(建設地:東京) Fig.12 Building model (location: Tokyo)
表-5 検討するファサード構成 Table 5 Facade composition of building model
表-6 建物構成部材の光学及び熱特性
Table 6 Optinal and heat properties of building component
入射角が約 0 ~ 50°の範囲でほぼ一定の値を示し、60 °以上で大きく減少する。それに対してハニカムガラ スの場合は、FL ガラスとは異なり、入射角が 0°のと き 59% と高い値を示すが、約 0 ~ 20°の範囲で急激に 低下し、以降は徐々に減少する。入射角 50°以上では 5% 以下の値を示す。 3.4.2 日射熱取得率 図 -11 に入射角と日射熱取得率との関係(径:10mm、 厚さ:100mmm)を示す。やはり比較のために透明 FL ガラ ス(3mm)の特性を併せて示す。日射熱取得率も、ハニカ ムガラスの特性は、透明 FL ガラス(3mm)とは異なり、 日射透過率とほぼ同様の傾向を示す。
4. 建物に適用した場合の年間熱負荷の検討
4.1 年間熱負荷計算の概要 ファサード構成にハニカムガラスを適用したモデル 建物を対象に多数室年間熱負荷解析を行う。検討は、 ファサード構成部材、方位、建設地等の条件を変えて 行う。 4.2 建物モデル及び計算条件 図 -12 に建物モデル(建設地:東京)を示す。モデル 建物では 10 階のオフィスを想定する。対象ゾーン数 は、各階をペリメータ、インテリア、共用部分の 3 ゾーンに分割し、合計 30 ゾーンとする。表 -5 に検討 するファサード構成のケースを示す。構成 1 では、コ ンクリート + 断熱材(70%)と透明 FL ガラス(30%)で構 成された一般的なファサードを想定する。構成 2 では、 Low-E ガラスによる全面ガラスを想定する。構成 3 では ハニカムガラス(厚さ 100mm、70%)と透明 FL ガラス 断面構成 透過率 吸収率 反射率 日射熱取得率 熱貫流率 (㎜) (%) (%) (%) (~) (W/(㎡・K)) 透明FLガラス ガラス4.0 76.6 ~ 85.0 7.5 ~ 9.1 7.5 ~ 14.4 0.79 ~ 0.87 5.8 Low-E 複層ガラス ガラス3.0+ 空気層12.0+ ガラス2.5 42.6 ~ 54.4 23.5 ~ 29.2 22.1 ~ 28.2 0.49 ~ 0.60 1.7 ハニカム入り 複層ガラス ガラス5.0+ ハニカム100+ ガラス5.0 3.1 ~ 58.7 27.6 ~ 56.3 13.7 ~ 40.6 0.24 ~ 0.80 0.8 一般的 コンクリート 外壁 1.1 屋根 0.6 中間床 1.2 内壁 プラスターボード20+空気層+プラスターボード20 2.2 部位 *各ガラス部材は入射角特性を考慮。表中の値は入射角0°~60°の範囲の値。 コンクリート90.0+発泡ウレタン15.0 +空気層+石膏ボード12.5 アスファルト防水20+コンクリート80+ ロックウール50+空気層+ロックウール吸音板9 カーペット20+OAフロア37+空気層+ コンクリート145+空気層+ロックウール吸音板9 (単位:m) 構成1 FLガラス 30% コンクリート+断熱材 70% 構成2 LOW-Eガラス 100% - - 構成3 FLガラス 30% ハニカム入り複層ガラス 70% ファサード面構成 (比率はファサード面(一面)のみの構成比率) 共用部 イン テリア ファサ ード 面 ペリメー タ 28.4 14 .5 3.0 5. 5 一般的コンクリー ト外壁 (100%) 一般的コンクリー ト外壁 (85%)+ 透明FLガ ラス(15%) 共用部 イン テリア ファサ ード 面 ペリメー タ 28.4 14 .5 3.0 5. 5 一般的コンクリー ト外壁 (100%) 一般的コンクリー ト外壁 (85%)+ 透明FLガ ラス(15%) 4.2 4. 2 4 .24 .24 .24 .2 4.2 4. 5 5. 0 6.5 イン テリア ファサ ード 面 23.0 3.0 14.0 5.5 45 .4 共 用 部 ペ リ メ ー タ 1F 2F 3F 4F 5F 6F 7F 8F 9F 10F 4.2 4. 2 4 .24 .24 .24 .2 4.2 4. 5 5. 0 6.5 イン テリア ファサ ード 面 23.0 3.0 14.0 5.5 45 .4 共 用 部 ペ リ メ ー タ 1F 2F 3F 4F 5F 6F 7F 8F 9F 10F表-7 空調運転及び内部負荷の条件
Table 7 Operation condition of air conditioning and internal load condition
表-8 年間熱負荷の検討ケース
Table 8 Anayisis cases of annual air-conditioning load
図-13 ファサード構成が異なる場合 Fig.13 Analysis cases with different facade component
図-14 ファサード面の方位が異なる場合 Fig.14 Anayisis cases of different facade direction
図-15 建設地が寒冷地(札幌)の場合 Fig.15 Anayisis cases in cold region (Sapporo)
運転時間帯 冷房 26.0℃ 暖房 24.0℃ 9.3W/m2 冷房 24.0℃ 24.0W/m2 暖房 22.0℃ 17.0W/m2 7.5m2/人 30.0m3/h・人 *ペリメータ-インテリア間の空気移動は温度差1℃の温度差換気を想定。 照明 機械換気量 人員密度 ブラインド 制御 1)8~20時 350W/m2以上の時 80%遮蔽 350W/m2以下の時 20%遮蔽 2)20~8時 30%遮蔽 8:00 - 20:00 (土日・祝日は休日) *検討は、顕熱を対象とする。 *内部発熱及び機械換気量は共用部以外に設定。 空調設定温度 夏期 内部発熱 人 機器 冬期 (30%)で構成された場合を想定する。表 -6 に構成部材 の熱・光学特性を示す。なお、ハニカムガラスは、3.4 節の入射角特性を考慮して検討を行う。また、表 -7 に 空調運転及び内部負荷の設定条件を示す。 4.3 検討ケース 表 -8 に年間熱負荷の検討ケースを示す。検討には、 表 -5 に示すファサード構成を用い、ファサードの構成 が異なる場合(検討ケース 1)、ファサード面の方位が 異なる場合(検討ケース 2)、建設地が寒冷地(札幌) の場合(検討ケース 3)について行う。但し、検討ケー ス 3 の建物モデルの仕様は、寒冷地ではあるがそのま まの仕様である。比較は、単位床面積当りの年間熱負 荷により行い、構成 1 の南面、東京のケースを基準と する。 4.4 ファサード構成が異なる場合の検討 図 -13 にファサード構成が異なる場合の検討結果を 示す。構成 1(一般的ファサード)と構成 3(ハニカム ガラス)を比較すると、構成 3 の負荷の方が 28% 大きい 値を示すものの、構成 2(全面 Low-E ガラス)と比較する と、構成 3(ハニカムガラス)の方が 10% 小さい値を示 す。 4.5 ファサード面の方位が異なる場合の検討 図 -14 にファサード面の方位が異なる場合の検討結 果を示す。構成 1(一般的ファサード)では、方位に よる年間熱負荷への差はさほど見られない。構成 3 (ハニカムガラス)は、構成 1(一般的ファサード)に 比べて方位による差が大きく、南面で最大(128%)、北 面で最小(104%)となり、その差は 24% である。構成 1 (一般的ファサード)との差も北面の場合が最も小さ い。よってハニカムガラスを用いたファサードは、熱 負荷の観点からは、北面に用いるのが望ましい。 4.6 建設地が寒冷地の場合の検討 図 -15 に建設地が寒冷地(札幌)の場合の検討結果 を示す。寒冷地において、年間熱負荷はいずれの構成 においても東京の場合に比べて低い値を示す。構成 1 (一般的ファサード)の年間熱負荷の低下率(12%)と比 べると構成 2(全面 Low -E ガラス)(38%)及び構成 3 (ハニカムガラス)(30%)の方が低下率が大きい。 ファサード 構成 方位 地域 1.ファサード 構成検討 2.方位検討 3.寒冷地検討 南面 ○ ○ ○ 北面 ○ 東面 ○ 西面 ○ 南面 札幌 ○ 南面 東京 ○ ○ 南面 札幌 ○ 南面 ○ ○ ○ 北面 ○ 東面 ○ 西面 ○ 南面 札幌 ○ 検討ケース 検討パラメータ 構成2 構成3 東京 構成1 東京 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 構成1-南-東京 構成2-南-東京 構成3-南-東京 暖房負荷 冷房負荷 28% 10% 100% 128% 138% 単位床面積当り年間熱負荷(MJ/m2・年) 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 構成1-南-東京 構成1-北-東京 構成1-東-東京 構成1-西-東京 構成3-南-東京 構成3-北-東京 構成3-東-東京 構成3-西-東京 暖房負荷 冷房負荷 24% 100% 128% 95% 113% 単位床面積当り年間熱負荷(MJ/m2・年) 98% 100% 104% 119% 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 構成1-南-東京 構成1-南-札幌 構成2-南-東京 構成2-南-札幌 構成3-南-東京 構成3-南-札幌 暖房負荷 冷房負荷 100% 128% 88% 単位床面積当り年間熱負荷(MJ/m2・年) 138% 100% 98% 12% 38% 30%
次に寒冷地での各構成の年間熱負荷を比較する。構 成 3(ハニカムガラス)は、構成 1(一般的ファサード) に比べて暖房負荷は小さくなるものの年間熱負荷は大 きい値を示す。構成 2(全面 Low-E ガラス)と比べると 暖房負荷は大きい値を示すものの、年間熱負荷は若干 小さい値を示す。 以上のことから、ハニカムガラスを用いたファサー ドは、寒冷な地域の方が適していると考えられる。